デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正13年2月2日（1924年）

是日、東京銀行倶楽部ニ於テ、当会協議会開カレ、栄一出席ス。

集会日時通知表　　大正一三年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
二月二日　土　午前十一半時　東北振興会午餐会（銀行倶楽部）

青淵先生関係事業調　雨夜譚会編　　昭和三年五月十五日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　東北振興会（一）
○上略
一、沿革　○中略
　　　　　　　ワ同十三年二月四日地方長官会議《（二日）》を機として振興会の協議を丸の内銀行倶楽部に於て行ふ。同会より会頭渋沢子爵・委員根津嘉一郎・吉池慶正氏の三名、三越呉服店よりは営業部長幾度永氏の来会を得たり、
　　　　　　　　　一、本会規則・予算の件
　　　　　　　　　　左《（右）》に付渋沢会頭より大体に於ける本会規則改正の要旨経過等を陳述せられ、吉池氏より更に其詳細を説明せり、即ち客年（註大正十二年）地方長官会議の際五月二十五日第一回を銀行集会所に於て、第二回を協調会に於て、第三回を九月卅日銀行集会所に於て規則及予算を協定し、唯経費中東北六県よりの補助金は各県知事の希望にて、大正十三年度よりの支出を請ふべく諒解ありたるを報告し、異議なく決定せり
　　　　　　　　　　渋沢会頭より右は更に近き将来に於て総会を開き、議決の上実施する旨宣告せられたり。
 - 第56巻 p.250 -ページ画像 
　　　　　　　　　二、総会招集の件
　　　　　　　　　　来る三月三日より同二十日迄三越呉服店に於て第四回東北銘産品陳列会開会に付、特に各出品に付精通せる当業者に委嘱し審査せしむる事、其成績の講評予定日は十八日なるを以て、此当日は来会者多きと認むるに付即ち其翌十九日総会を開会することに決定せり
　　　　　　　　　三、会員募集の件
　　　　　　　　　　右に就ては根津氏より、本会の不振は東北地方に会員少く、為に中央と地方との連絡を欠けるに由る、惟ふに東北地方は未開の富源多ければ地方会員を募集し能く中央と地方との気脈を通ずるに至れば、東北の振興期して待つべく、従つて本会も隆盛を致すは明かなり、依て各地方長官に於て相当に会員募集に関し御尽力あらむことを希望すと述べ、渋沢会頭に於ても之を賛成し、各県知事も亦之を諒とし快諾せられ、左記事項を申合せられたり
　　　　　　　　　　　一、新規加入会員数　一県に付二十名位
　　　　　　　　　　　一、会員の資格　従来の通り個人は勿論商業会議所・銀行・会社の如き法人にても支障なきこと
　　　　　　　　　　　一、募集期限　可及的取急ぎ遅くも三月末日迄に通知すること
　　　　　　　　　　四、各県支部聯合会
　　　　　　　　　　　会員募集の上は各県に支部を置き、毎年適当の時期に於て支部聯合会を開き、本会又は其他の実業経済に精通せる名士を派遣し講演会を開き、大に地方実業の振興を図るべしとの議に一致す
　　　　　　　　　　五、第四回銘産品陳列会余興の件
　　　　　　　　　　　旧臘開催せし銘産品陳列会各県主任官会議の際、三越呉服店より陳列会の成功を期する為め、各地の特色ある演芸を余興として出演せしめられたしとの熱心なる希望あり、各県共に其経費の負担多からざれば賛成すとの議あり、而して福島・青森二県は特色ある演芸なしとて出演を謝絶せられたるを以て、他の四県に向つて地方演芸経費調査を依頼せり、然るに其結果として経費合計壱万壱千七百余円を算へ、三越に於て其内五千六百余円を負担し、本会より壱千円を支出するも尚且つ五千壱百余金を不足し、一県当り八百六拾余円にして頗る多額に上り、又出演せざる県に平等
 - 第56巻 p.251 -ページ画像 
に負担せしむるは、公平ならずとの議もあり協議の結果次の如く決定せり
　　　　　　　　　　　出演をなす県秋田・宮城・岩手・山形四県は各五百円、出演せざる県福島・青森二県は各二百円とせり
　　　　　　　　　　　（「東北日本」第七巻第十二号二十頁）
○下略

集会日時通知表　　大正一三年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
三月十九日　水　午後二時　東北振興会総会（三越呉服店）
　　　　　　　　午後五時　東北振興会晩餐会（三越呉服店）