デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

8章 政府諸会
1節 諮問会議
5款 臨時国民経済調査会
■綱文

第56巻 p.588-591(DK560132k) ページ画像

大正7年9月18日(1918年)

是月十七日、当会ニ関スル官制公布セラレ、是日栄一、当会委員ヲ仰付ケラル。


■資料

法令全書 大正七年上巻 内閣印刷局編 刊 【朕臨時国民経済調査会…】(DK560132k-0001)
第56巻 p.588 ページ画像

法令全書 大正七年上巻 内閣印刷局編  刊
朕臨時国民経済調査会官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
 御名 御璽
  大正七年九月十七日  内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅

勅令第三百四十三号(官報九月十八日)
    臨時国民経済調査会官制
第一条 臨時国民経済調査会ハ内閣総理大臣ノ監督ニ属シ、物価ノ調節其ノ他国民ノ生活ニ緊切ナル経済上ノ施設事項ヲ調査審議ス
第二条 臨時国民経済調査会ハ関係各大臣ノ諮詢ニ応シ意見ヲ開申ス
第三条 臨時国民経済調査会ハ関係各大臣ニ建議スルコトヲ得
第四条 臨時国民経済調査会ハ会長一人、副会長二人及委員五十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
 特別ノ事項ヲ調査審議スル為必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
第五条 会長ハ内閣総理大臣ヲ以テ之ニ充ツ
 副会長ハ大蔵大臣及農商務大臣ヲ以テ之ニ充ツ
第六条 委員及臨時委員ハ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ関係各庁高等官及学識経験アル者ノ中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ス
第七条 会長ハ会務ヲ総理ス
 会長事故アルトキハ副会長其ノ職務ヲ代理ス
第八条 臨時国民経済調査会ニ幹事長一人及幹事若干人ヲ置ク、内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ関係各庁高等官及学識経験アル者ノ中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ス
 幹事長ハ会長及副会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
 幹事ハ会長・副会長及幹事長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第九条 臨時国民経済調査会ニ書記ヲ置ク、内閣ニ於テ之ヲ命ス
 書記ハ会長・副会長・幹事長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
      附則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス


臨時国民経済調査会要覧 第一―一五頁 大正八年七月刊(DK560132k-0002)
第56巻 p.588-590 ページ画像

臨時国民経済調査会要覧  第一―一五頁 大正八年七月刊
    第一章 会ノ経過
      第一 設置ノ趣旨
世界戦局ノ我財政経済界ニ齎シタル影響ハ頗ル深甚ナルモノアリ、曩
 - 第56巻 p.589 -ページ画像 
ニ設置セラレタル経済調査会ハ戦局ニ対スル当面ノ政策ヲ調査考覈シテ其ノ要領ヲ得タリト雖、未タ曠古ノ変局ニ伴フテ発生シタル国民経済並社会的方面ニ渉リテハ之ヲ査覈スルニ至ラス、是レ今回新タニ臨時国民経済調査会ノ創設ヲ必要トシタル所以ナリ
      第二 組織
        一 官制 ○略ス
        二 議事規則 ○略ス
        三 職員
(一) 官制公布ノ当時就任セラレタル職員左ノ如シ(大正七年九月十九日現在)
          会長    内閣総理大臣伯爵 寺内正毅
          副会長       大蔵大臣 勝田主計
          同        農商務大臣 仲小路廉
          委員       拓殖局長官 有松英義
          同         内務次官 小橋一太
          同         大蔵次官 市来乙彦
          同        農商務次官 上山満之進
          同         逓信次官 内田嘉吉
          同  朝鮮総督府農商工部長官 小原新三
          同    台湾総督府民政長官 下村宏
          同           男爵 渋沢栄一
          同              荒井賢太郎
          同         法学博士 古在由直
          同         法学博士 山崎覚次郎
          同         法学博士 戸田海市
          同         法学博士 矢作栄蔵
          同         法学博士 松岡均平
          同              藤田四郎
          同         法学博士 小山温
          同           伯爵 林博太郎
          同           男爵 近藤廉平
          同              橋本圭三郎
          同              伊沢多喜男
          同           子爵 三島弥太郎
          同           子爵 松平直平
          同              町田忠治
          同              大谷嘉兵衛
          同              小山健三
          同              志村源太郎
          同              鎌田勝太郎
          同         法学博士 桑田熊蔵
          同              斎藤宇一郎
          同              中倉万次郎
          同              川原茂輔
 - 第56巻 p.590 -ページ画像 
          同              西村丹治郎
          同              井上準之助
          同              鈴木摠兵衛
          同              飯田精一
          同              堀尾茂助
          同              小塩八郎右衛門
          同         法学博士 気賀勘重
          同              滝口吉良
          同              土方久徴
          同              浜岡光哲
          同              田村新吾
          同              鈴木馬左也
          同         工学博士 団琢磨
          同              和田豊治
          同              藤山雷太
          同              串田万蔵
          同              山岡順太郎
          同         法学博士 塩沢昌貞
          幹事長      農商務次官 上山満之進
          幹事     内務省地方局長 添田敬一郎
                          ○外八名氏名略ス
          書記             児玉完蔵
                          ○外五名氏名略ス
(二) 内閣ノ更迭其ノ他ニ依リ職員ノ異動左ノ如シ
          会長    内閣総理大臣伯爵 寺内正毅
          副会長       大蔵大臣 勝田主計
    (各通)  同        農商務大臣 仲小路廉
依願免本官(以上大正七年九月二十九日)
○中略
          会長 内閣総理大臣兼司法大臣 原敬
          副会長     大蔵大臣男爵 高橋是清
          同        農商務大臣 山本達雄
就任(以上大正七年九月二十九日)
○下略


青淵先生公私履歴台帳(DK560132k-0003)
第56巻 p.590 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳         (渋沢子爵家所蔵)
    任免叙授
大正七年九月十八日 臨時国民経済調査会委員被仰付 同 ○内閣


竜門雑誌 第三六五号・第七四―七五頁 大正七年一〇月 ○臨時国民経済調査会設置(DK560132k-0004)
第56巻 p.590-591 ページ画像

竜門雑誌  第三六五号・第七四―七五頁 大正七年一〇月
○臨時国民経済調査会設置 政府は嚮に経済調査会を設置して戦時並に戦後に於ける経済的施設に関し調査を重ね、貿易・租税・交通・産業及金融各事項に渉りて審議を了し、既に実施せるものも少からざるが、而も時局の変態に伴ふ国民経済並に社会方面に及ぼしたる影響に
 - 第56巻 p.591 -ページ画像 
就ては未だ攻覈するに至らず。然るに最近の事情は頻に之が原因を究明して其匡正方法を討究するの緊要なるもの在るに依り、玆に国民経済調査会を設置して、時局に伴ふて発生せる物価騰貴の原因、及び之が調節救済に関する方法を始め、経済上の変動に伴ふ社会政策に関する施設、並に経済界将来の変調に対する方策に付調査審議するを目的とし、九月十八日之が官制の発布を見、青淵先生は右調査会委員に任命を受けられたり