デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

6章 旅行
1節 国内旅行
■綱文

第57巻 p.667-668(DK570313k) ページ画像

大正11年6月16日(1922年)

是日栄一、東京ヲ発シ千葉県船形町ニ赴キ、東京市養育院安房分院ノ開設記念会ニ出席シ、十七日帰京ス。


■資料

竜門雑誌 第四一二号・第六五―六八頁 大正一一年九月 ○青淵先生の房州旅行(DK570313k-0001)
第57巻 p.667-668 ページ画像

竜門雑誌  第四一二号・第六五―六八頁 大正一一年九月
○青淵先生の房州旅行 青淵先生には東京市養育院安房分院開設記念会へ臨席の為め、同院幹事田中太郎氏及び中野時之君を随へ、去六月十六日午前八時半両国橋駅発汽車にて出発、午後十二時一分那古船形駅着、同分院主務宮下恒氏及同地有志等の出迎を受け、直に人力車にて同分院に赴かれ、午餐の後、午後一時開会の記念会に出席せらる、会は宮下主務司会の下に始まり、先づ来賓職員及収容児童の君が代合唱あり、次に田中幹事の事業報告の後、青淵先生には大要左の如き演説を試みられたり。
○中略
 - 第57巻 p.668 -ページ画像 
 次で来賓総代として船形町長竹山久吉氏の祝辞ありて式を閉ぢ、別室に於て茶菓の饗応あり、終りて記念撮影をなし、午後四時ころ散会せり。それより青淵先生は田中幹事・宮下主務等を随へ、自動車にて館山なる海岸ホテルに赴かれ、川名博氏・穂坂与明氏等十数人の訪問を受けらる。夜に入り先生御主催にて同ホテルに於て晩餐会を催され来会主客共歓を尽し午後九時散会し、翌十七日正午同ホテルに開かれたる川名氏等有志者主催の歓迎午餐会に臨席せられ、午後一時北条町安房中学校に於ける講演会に臨まれたり。聴衆は地方有志者及同校職員生徒等数百名、満場立錐の余地なし、先生は割るゝばかりの拍手に迎えられて登壇し、現下世界に於ける我国の地位より説き起され、進んで道徳経済合一論に移り、滔々一時間に亘り多大の感動を与へられたり。終つて再び自動車を駆り、北条駅に至り、午後三時卅分同駅発列車にて出発、午後七時二十分両国橋駅着、無事帰京せられたり。
   ○其他ノ資料ハ本資料第三十巻所収「東京市養育院」大正十年六月十六日ノ条ニ収ム。