デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

1編 在郷及ビ仕官時代

2部 亡命及ビ仕官時代

4章 民部大蔵両省仕官時代
■綱文

第3巻 p.148-158(DK030045k) ページ画像

明治四年辛未五月十日(1871年)

是ヨリ先本年四月二日附伊達大蔵卿・大隈参議・井上大蔵少輔等ト共ニ曩ニ金貨本位制採用ヲ建議セル滞米中ノ伊藤大蔵少輔ニ宛テ金貨本位制ヲ採用スル旨ノ回答ヲ発シタリシガ、是日金貨本位制ヲ規定セル新貨条例並ニ造幣規則公布セラル。共ニ栄一ノ起草立案スル所ナリ。


■資料

明治貨政考要 上編 第六四―六六頁(明治前期 財政経済史料集成 第一三巻・第六四―六六頁 〔昭和九年七月〕)(DK030045k-0001)
第3巻 p.148-149 ページ画像

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世外侯事歴 維新財政談 上・第一二五―一二六頁 〔大正一〇年九月〕 一二 新貨条例並製貨に関する事(DK030045k-0002)
第3巻 p.150 ページ画像

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青淵先生伝初稿 第七章二・第三―一四頁 〔大正八―一二年〕(DK030045k-0003)
第3巻 p.150-151 ページ画像

青淵先生伝初稿 第七章二・第三―一四頁 〔大正八―一二年〕
是より先明治三年の暮、時の大蔵少輔たりし伊藤博文が、財政関係事項調査研究の任務を帯びて米国に使せることは上文に述べたり、而して其調査せる所は、専ら貨幣・紙幣・公債等の諸件なりしが、同年十二月十九日を以て先づ三事を建白せり。即ち貨幣制度は金貨本位を採用すべき事、金札引換公債証書を発行すべき事、紙幣発行会社を設立すべき事是れなり。此建白は政府当局を動かし、或は貨幣本位の変更となり或は新貨条例の制定となり更に国立銀行の設立となりて、財政経済の方面に影響せる所甚だ多し。而して先生が大蔵の大少丞若くは三等出仕として其議に参し献替の功を積みたるは特に大なりしなり。
貨幣制度の改革は明治初年の一大事業なるが、今其源委を按ずるに、我国が始めて欧米諸国と交を結び、通商貿易を開始するや、彼我の金銀比価の相違は、当年の幼稚なる経済界に至大の影響を及ぼしたり。即ち安政五年英米諸国との通商条約に、各外国の貨幣は、日本貨幣と其同量の同価を以て互に通用すべしとの明文あり。然るに当時欧米に於ては、金銀価格の比例は、銀十五乃至十六を以て金一に対する割合なるに反し、我国に於ては大約銀十強を以て金一に対する割合なりしかば、金銀の比価不等にして、金貨の価低きに過ぎたり。されば校猾なる外人等は、盛に我が金貨を購入して之を輸出するのみらなず、香港其他便宜の地方に於て洋銀を熔解して我が一分銀を摸造し、之を携え来りて金貨に換へ去る者多く、金貨の流出拳げて数ふべからず、よりて米国公使ハリスは幣制の改革を幕府に忠告したり。幕府は此忠告を諒としたれども、国事多難の際、容易に著手し難く、一時の方便として、安政六年以来金銀貨の品質を貶して改鋳し、以て金貨の輸出を防がんと試みたりしが、寸効なきのみならず、却て物価の混乱を来せり。此に於て締盟各国の公使等は、頻に幣制改革の急務を説きて幕府に迫りたれば、幕府遂に之に従ひ、慶応二年五月十三日英米仏蘭四国
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公使との間に締結せる改税約書には、幣制改革の事を予約するに至れり。然るに幾もなく幕府は亡びて、約束を履行するに至らず、其責任は自ら明治新政府に移りたれば、政府は明治元年四月、遂に画一純正なる貨幣を新鋳すべきの議を決したり。よりて造幣寮の設立に著手し新貨幣は十進法を用ゐ、銀貨を以て本位貨幣となし、金貨は之を補助貨となすに定め、三年十一月造幣寮の工成るに及び、金銀銅貨の鋳造を開始せり。伊藤博文が金貨本位採用の決議を為せるは、正に此際にありき。
当時政府にありて専ら幣制改革の議に参与せるは、参議大隈重信・大蔵卿伊達宗城・大蔵少輔井上馨と、大蔵少丞たりし先生となりき。かくて大蔵省の評議は、伊藤の建議と横浜なる東洋銀行の意見とを参酌して、当分金銀両本位とな《(さ脱カ)》んとし、其意を伊藤に通じたるに、伊藤は自説を固執して聴かず、折しも米国に滞在せる随員吉田二郎を帰国せしめて周旋の任に当らしむるなど、力むる所ありたれば、省議一変して其説を納るゝことゝなる。当時先生等より伊藤に贈れる書中に、「西洋文明の諸国にて、有名の学士が累年研究を重ねて其理を彰明し、未だ其実効を得ざるの難事を蕞爾たる東洋の一小島に於て先鞭を著くるは真に痛快なり」といへるを見て、其意気を察すべし。蓋し先生等に此言ありしは、欧米諸国概ね金銀複本位制にして、なお金貨本位採用に至らざるによるなり。
貨幣制度は此の如くにして改革の歩を進めたれば、大蔵省は太政官の許可を仰ぎ、先生は専ら省中にありて法文の起草に従ひ、稿成るに及び、明治四年五月十日に公布せるもの即ち新貨条例なりき。此条例によれば、貨幣の称呼は円を以て起票とし、其多寡を論ぜず、総べて円の原称に数字を加へて計算し、一円以下は銭一円の百分の一と厘一銭の十分の一とを以て小数の計算に用ゐしめ、算則は総べて十進一位の法に拠れり。而して金貨を本位として、二十円・十円・五円・二円・一円の別あり、一円金を以て原貨と定めたり。定位の銀貨幣は五十銭・二十銭・十銭・五銭の別あり、又定位の銅貨は一銭・半銭・一厘の別あり、並に補助貨となす。又別に一円の銀貨を鋳造し、之を貿易銀となして通商の利便を資けたり。以上を新貨条例の大要となす。後数回の改正ありしが、八年六月二十五日に至り、改正の点を訂して貨幣条例と改称し、再び之を公布したり。然れども東洋銀貨国の間に介在して、我国のみ独り金貨本位制を維持することは極めて困難なりしかば、政府は此情勢に鑑み、十一年五月貿易銀の通用区域の制限、支払高に対する制限を撤去し、金貨と同じく本位貨幣に準じて一般の通用を許せるより、事実上金銀両本位制に変化することゝなれり。
造幣寮に於ける貨幣鋳造の事業につきても、先生は多大の関係あり、四年五月十日新貨条例と同時に公布せる造幣規則は実に先生の起草立案に係る、後年大蔵省にて編纂せる貨政考要に之を評して、「前記の規則は欧米各国普通尋常の者にして、別に其草定の辛苦を覚ゆるなしと雖も、試に身を当時に措きて之が情勢を察すれば、此一篇の規則も、亦実に当時当局者許多の苦心を経て始めて成れる者なることを知るべきなり」といへり。
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世外井上公伝 第二巻・第三四三―三四八頁 〔昭和八年十二月〕(DK030045k-0004)
第3巻 p.152-153 ページ画像

世外井上公伝 第二巻・第三四三―三四八頁〔昭和八年十二月〕
○上略
 政府はこの伊藤の意見に接し、一先づ新貨幣に関する諸規則の発表を見合はせ、直ちに慎重協議を行つた。尋で造幣寮開業式に列席した大隈等は、式後尚数日大阪に於て東洋銀行支配人カーゲルを加へ、この問題に就いて審議を重ねた。而して衆議は伊藤の意見を参酌折衷し当分金銀両本位を採用することに略々決したので、二月三十日附を以て、大隈参議・伊達大蔵卿及び同少輔たる公・渋沢少丞等の連名を以て、右決定の趣を在米の伊藤へ通報した。然るに三月に入り、伊藤の随行員の一人である吉田二郎が帰朝して、こゝに又本位論が再燃し、遂に公等は、百事革新の際姑息な方法は排除し、断然金本位を採用しようといふことに決意するに至つた。而して同月下旬に大隈・渋沢等は横浜に出張し、外国各公使及び東洋銀行方面に本位変更の内意を告げて、領解を求めるところがあつたが、公は三月二十三日に出浜中の渋沢に次の書を送つて、カーゲル等の反対意見を説得し、是非金本位制の樹立に努力するやう激励した。
   渋沢君より御投書奉拝見候、各位御出浜御苦労千万ニ奉存候、尚亦カーギル内談一事も、定て御苦と奉想像候、同人も格別異論無之候得共、再度決議を改、疑惑を生じ候而者如何哉、尚亦本位銀貨全ク廃シハ、余程懸念之趣尤ニ候得共、懸念者再議起リ候故、懸念歟ト奉想像罷免在候間、カーゲルも十分政府を不疑、且決更正シ《(之カ)》金本位等換ヘ候事ハ無之事故、此度之変議モ将来之事を想像シテ、前途貿易之都合等推考ヨリ起シ事故、篤と熟考之上、同意之事候ハバ此論迄負荷シ、パークス抔えも当然之理解仕呉候様有之度奉祈候、尚亦吉田発途之節も、独逸公使・米公使共同人之論ニて内談すとの事モ有之候間、此辺尤必要にて、彼等打合付候様御尽力有之度候、実ニ銀本位ハ力可防丈者廃止ニ相成候様御尽力有之度、乍蔭握手御決議奉待候、為其至急申上候間、大隈君其他えも可然御評議可被下候 大蔵省文書
 カーゲルは実際上の見地からして、金本位制を採用することは不利益であると、飽くまで忠告して已まなかつたが、公等は猶金本位制採用の決意を棄てず、四月二日に伊達大蔵卿・大隈参議・渋沢少丞・吉田清成及び公の連名を以て在米伊藤少輔に宛て左の書翰を送り、その経過を報告した。
○中略
 以上述べた如く、三年十一月に一旦決定を見た銀本位制は、一転して将に金銀両本位制に変らうとして、遂に再転して金本位制の樹立となつたものである。併し乍ら従来各国との易貿上の関係を考慮し、当分の内開港場に限り特に一円銀貨の貿易銀を設けて、通商の流融を資けることになつた。かくて愈々五月十日に政府は新貨条例を発表して、新貨鋳造の趣意を明かにし、且つ新貨幣の例目・通用制限等の規則及び品位公差表・新貨幣略図・品位量目表等を添へ、又造幣規則を附録して頒布した。これ我が国貨幣制度に前古未曾有の一大革命を齎
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したものであるが、こゝに至るまでには公等の尋常ならぬ苦心が存したのである。伊藤公爵家文書・大隈侯爵家文書・大蔵省文書・法規分類大全・太政類典・明治財政史・貨政考要


法令全書 明治四年・第二二五―二三九頁 太政官 第二百六十七 五月(DK030045k-0005)
第3巻 p.153-156 ページ画像

法令全書 明治四年・第二二五―二三九頁
太政官 第二百六十七 五月
皇国往古ヨリ他邦貿易ノ事少ナク貨幣之制度イマタ精密ナラス、其品類各種ニシテ其価位モ亦一定セス、今其概略ヲ挙ムニハ慶長金アリ、享保金アリ、文字金アリ、大小判金アリ、一分金アリ、弐分金アリ、弐朱金アリ、一分銀アリ、一朱銀アリ、当百銭アリ、大小数種ノ銅銭アリ、其他一時通用ノ貨幣ハ枚挙ニ遑アラス、甚シキハ一国一郡限ノ貨幣アリテ今ニ至ルマテ僅ニ其一部ニ通用シ、他方ニ流通セサルモノアリ、カク其品類区々ニシテ方円大小其価ヲ異ニシ、混合雑駁其質ヲ同ウセス、抑貨幣ノ眼目タル量目ト性合トニ至リテハ殆ント弁知スヘカラス、新旧互ニ雑用シ、品位自ラ低下シ、其間或ハ贋造ノ弊アリテ竟ニ今日ノ甚シキニ馴致セリ、偶々良性ノ貨幣ハ従ラニ富家庫中ノ宝物トナリ、或ハ外国ヘ輸出セシモ亦少ナカラス、遂ニ諸品換用ノ能力ヲ失ヒ、日用便利ノ道ヲ塞キ、流通ノ公益殆ント絶ヘントスルニ至ル、実ニコレ天下一般ノ窮厄ニシテ、万民ノ痛心更ニ之ヨリ大ナルモノナシ、今其縁由ヲ尋繹スルニ全ク一定ノ価位ナクシテ善悪良否ヲ雑用スルノ旧弊ヨリ生スル事ナリ、方今貿易ノ道弥盛ムナル時ニ当リテ旧弊ヲ改メ、精良ノ新製ヲ設ケスンハ、何ヲモツテ流通ノ道ヲ開キ、富国ノ基ヲ立ンヤ、是政府ノ責任ニシテ然モ燃眉ノ急務タリ、故ニ去ル明治元戊辰ノ年ヨリ早クソノ功ヲ起シ、莫大ノ経費ヲ厭ハス、大阪ニヲイテ新ニ造幣寮ヲ建置シ、壮大ナル器械ヲ備ヘ、広ク宇内各国貨幣ノ真理ヲ察知シ、金銀ノ性質量目ヨリ割合ノ差等鋳造ノ方法ニ至ルマテ詳カニ普通ノ制ヲ比較商量シ、以テ精密ノ通用貨幣ヲ鋳造シ、在来ノ貨幣ニ加ヘテ一般ノ流通ヲ資ケントスルノ都合ヲ謀リ、既ニ開寮ノ儀典ヲ完了セリ、サレトモ前ニ言ヘルコトク、区々各種ノ貨幣多ケレハ現場諸品ノ価直ヲ錯乱シ、万民ノ迷惑ナルコトナレハ漸々新旧ヲ交換シテ在来ノ通宝ハ悉ク改鋳シ、都テ品類ヲ一定セシメントノ御趣意ナリ、且貨幣ハ天下万民ノ通宝タル主旨ニ基キ、地金ヲ持参シテ引換ヲ望ムモノヘハ速カニ改鋳シテ通用貨幣ヲ渡スヘシ、サレハ今人々古来ノ旧習ヲ襲ヒ、重代ノ宝物トセル古金銀ノ類モ数年ナラスシテ全ク地金一様ノモノトナルヘケレハ、早々交換流通シテ貨幣ノ真理ヲ失ハサル様注意スヘキ事肝要ナリ、斯ク新タニ造幣寮ヲ設ケシモ偏ニ万民ノ保護ヲ任スルノ職分ヲ尽スノ外他アルニアラサレハ、万民亦能ク此理ヲ会得シ、各ソノ務ヲ勉励シテ天賦ノ職ヲツクスヘシ、仍テ今爰ニ其次第ヲ掲示シ、并セテ新貨幣ノ真形ヲ摹シ、其量目品位表ヲ添ヘ、且地金引換ヘノ規則等詳細ニ附録シ、普ク国内ニ頒布諭告スルモノ也
(別紙)
  新貨幣例目
一新貨幣ノ称呼ハ円ヲ以テ起票トシ、其多寡ヲ論セス都テ円ノ原称ニ数字ヲ加ヘテ之ヲ計算スヘシ
 但シ一円以下ハ銭一円ノ百文一ト厘一銭ノ十分一トヲ以テ少数ノ計算ニ用フヘシ
 - 第3巻 p.154 -ページ画像 
一算則ハ都テ十進一位ノ法ヲ用ヒ、一厘十ヲ合シテ一銭トシ、一銭十ヲ併セテ十銭トイヒ、十銭十即チ百銭ヲ以テ一円トス、一円ヨリ上十百千万ニ至ルトイフトモ、皆ナ十数ヲ合シテ一位ヲ進ム、其他半銭、五銭、五十銭、五円ノ如キハ、十数ヲ半割シ、二十銭、二十円ノ如キモ又一十ノ数ヲ倍スルマテニシテ、固ヨリ軌範ノ外ニ出ス
一厘ヨリ以下ハ、別ニ鋳造ノ貨幣ナシト雖モ、若シ計算ヲ要スレハ、毛・糸・忽・微・繊ヲ以テ微少ノ数ヲ算スヘシ、又万ヨリ以上ハ十万・百万・千万ニ至リ、千万十即チ万万ヲ以テ以テ一億トシ、大数ノ計算ヲ為スヘシ
一新貨幣ト在来通用貨幣トノ価格ハ一円ヲ以テ一両、即チ永一貫文ニ充ツヘシ、故ニ五十銭ハ二分、即チ永五百文、十銭ハ一両ノ十分一即チ永百文、一銭ハ一両ノ百分一、即チ永十文、一厘ハ一両ノ千分一、即チ永一文ト相当ルヘシ、但シ二十円、十円、二十銭、五銭、半銭モ皆同様ノ割合タルヘシ
一製貨中金銀純分ノ割合、及其量目ハ都テ真形摸写ノ下ニ表出スルトイヘトモ、溶和鋳造ノ際僅少ノ差アルヲ免カレス、故ニ今各種ノ貨幣ニ就テ其不得已シテ生スル量目ノ公差ヲ表出シテ、以テ毛糸ノ微細ヲ弁析ス


図表を画像で表示量目公差表

             金     二十円      十円       五円       二円      一円       位千    純金    九百分      九百分      九百分      九百分     九百分       分ノ内   混合物   一百分      一百分      一百分      一百分     一百分             トロイ   四六二、九七   二三一、四八   一一五、七四   四六、二九   三二、一五       純金    ゲレイン       重量    メトリツク  三〇、      一五、       七、五     三、      一、五             ガラム 量目公差表       トロイ   五一四、四一   二五七、二〇   一二八、六    五一、四四   二五、七二       貨幣    ゲレイン       全量    メトリツク  三三、三分ノ二  一六、三分ノ二   八、三分ノ一  三、三分ノ一  一、三分ノ二             ガラム       品位    純分千ニ付   二        二        二       二       二             トロイ       二分の一     二分の一     二分の一    四分ノ一    四分ノ一       量目    ゲレイン       一枚ノ差  ミリガラム  三二、四〇    三二、四〇    三二、四〇   一六、二〇   一二、二〇             枚数        一千       一千       一千      一千      一千             トロイ    七二、      四八       三六、     二四、     一二、       量目    ゲレイン       大数ノ差  メトリツク   四、六六五    三、一一〇    二、三三三   一、五五五   〇、七七八             ガラム 



図表を画像で表示量目公差表

             銀      一円        五十銭      二十銭     十銭      五銭       位千    純銀     九百分       八百分      八百分     八百分     八百分       分ノ内   混合物    一百分       二百分      二百分     二百分     二百分             トロイ    三七四、四     一五四、四    六一、七六   三〇、八八   一五、四四       純銀    ゲレイン       重量    メトリツク   二四、二六七二六  一〇、      四、      二、      一、             ガラム             トロイ    四一六、      一九三、     七七、二    三八、六    一九、八       貨幣    ゲレイン 量目公差表 全量    メトリツク   二六、九五六三   一二、五     五       二、五     一、二五             ガラム       品位    純分千ニ付    二         二       二       二       二             トロイ      一、二分ノ一    一、二分ノ一  一        二分ノ一    二分ノ一       量目    ゲレイン       一枚ノ差  ミリガラム   九七、二〇     九七、二〇   六四、八〇   三二、四〇   三二、四〇             枚数         一千        一千      一千      一千      一千             トロイ     九六、       七二      四八、     二四、     二四、       量目    ゲレイン       大数ノ差  メトリツク    六、二二一     四、六六五   三、一一〇   一、五五五   一、五五五             ガラム 



 - 第3巻 p.155 -ページ画像 
一ガラム」ミリガラム」オンス」ゲレイン」ト日本量目ノ比較ハ、在来ノ秤量ニトリテ聊ノ差アリトイヘトモ、爰ニ其平均ヲ取テ之ヲ算シ、左ノ略表ヲ以テ当分比較ノ定規トス

図表を画像で表示--

 ガラム メトリツク   ゲレイン トロイ               日本量目 戔  一ミリガラム      〇 〇一五四三 ゲレイン百分ノ一、五四三    〇 〇〇〇二六六一六七    一ガラム千分一  一サンチガラム     〇 一五四三 ゲレイン百分一五、四三      〇、〇〇二六六一六七    一ガラム百分一  一デシガラム      一、五四三二                〇 〇二六六二〇二    一ガラム十分一  一ガラム        一五、四三二七                 〇 二六六二一四〇七五  一デカガラム      一五四、三二七                二 六六二一四〇七五  一ヘクトガラム     一五四三 二七                二六 六二一四〇七五  一キロガラム      一五四三二 七                二六六 二一四〇七五  一ミリヤガラム     一五四三二七                 二六六二、一四〇七五 日本量目        ガラム メトリツク              ゲレイン トロイ  一糸          〇、三七五六ミリガラム            〇、〇〇五七九  一毛          三、七五六三ミリガラム            〇 〇五七九七  一厘          三七、五六三七ミリガラム           〇 五七九七  一分          三七五 六三七四ミリガラム          五、七九七一  一戔          三七五六、五七四ミリガラム          五七 九七一              三、七五六五七四ガラム  十戔          三七五六五、七四ミリガラム          五七九 七一              三七、五六五七四ガラム  百箋          三七五六五七、四ミリガラム          五七九七、一              三七五 六五七四ガラム  一貫文目        三七五六五七四ミリガラム           五七九七一、              三七五六 五七四ガラム 一ゲレイン」ハ 凡一厘七毛二糸五忽 但一ゲレイン」ハ 六十四ミリガラム」八 一オンス」ハ 凡八匁二分八厘 但一オンス」ハ 四百八十ゲレイン 



一本位新貨幣ト外国貨幣トノ価格ハ、其国ノ制定ニヨリテ各小差違アリトイヘトモ、暫ラク英仏米三国ノ貨幣実価ノ品量ヲ較計スレハ、左ノ略表ノ通ナルヘシ

図表を画像で表示--

 貨幣        全量           差(+)ハ減      配合         分量                       差                         (-)ハ増 新貨十円      二百五十七ゲレイン」二  (+)六ゲレイン」一  十分中 純金九    二百三十一ゲレイン」四八 二十五ゲレイン」七二  英貨ヨリ多キコト純金 一ゲレイン」三〇五混合物 四ゲレイン」七九五但英価二ポント」ハ 日本九円九分四厘三六二三 有奇ニ当ル                                       混合物一 英貨二ポント」一  二百五十一ゲレイン」一             十二分中 純金十一  二百五十〇ゲレイン」一七五 二十〇ゲレイン九二五                                        混合物一                                                                       仏貨ヨリ多キコト純金七ゲレイン「四七混合物〇ゲレイン」八三但仏貨五十フランク」ハ日本九円六分七厘七二九三九有奇二当ル 仏価五十フランク」 二百四十八ゲレイン」九  (+)八ゲレイン」三  十分中 純金九    二百二十四ゲレイン」〇一 二十四ゲレイン」八九                                       混合物一                                                                       米貨ヨリ少キコト純金〇ゲレイン」七二混合物〇〇ゲレイン」八但米貨十ドルラル」ハ日本十円〇〇三厘一一〇四有奇ニ当ル 米貨十ドルラル」  二百五十八ゲレイン」   (-)〇ゲレイン八」  十分中 純金九    二百三十二ゲレイン」二 二十五ゲレイン」八                                       混合物一 



  新貨幣通用制限
本位金貨幣 即二十円十円五円二円一円 ノ中一円金ヲ以テ原貨ト定メ、各種トモ何レノ払方ニモ之ヲ用ヒ其高ニ制限アルコトナシ
 本位トハ貨幣ノ主本ニシテ、他ノ準拠トナルモノナリ、故ニ通用ノ
 - 第3巻 p.156 -ページ画像 
際ニ制限ヲ立ルヲ要セス、尤モ一円金ヲ以テ本位中ノ原貨ト定ムルトハ、就中一円金ヲ以テ本位ノ基本ヲ定メ、他ノ四種ノ金貨モ都テ標準ヲ一円金ニ取レハナリ
定位ノ銀貨幣即五十銭二十銭十銭五銭ハ都テ補助ノ貨品ニシテ、其一種又ハ数種ヲ併セ用フルトモ一口ノ払方二十円ノ高ヲ限ル可シ
定位ノ銅貨即一銭半銭一厘ハ都テ一口ノ払方ニ一円ノ高ヲ限リ用ユヘシ
 定位トハ本位貨幣ノ補助ニシテ、制度ニヨリテ其価位ヲ定メテ融通ヲ資クルモノナリ、故ニ通用ノ際コレカ制限ヲ設ケテ交通ノ定規トス
各開港場貿易便利ノ為メ当分ノ内中外人民ノ望ニ応シ一円ノ銀貨ヲ鋳造シ、之ヲ貿易銀ト為シテ通商ノ流融ヲ資ク可シ
此一円銀ハ全ク各開港場輸出入物品其他外国人ヨリ納ムル諸税及日本人外国人ト通商ノ取引ニ用フルノミニシテ、内地ノ諸税納方等公ナル払方ニ用フヘカラサルハ勿論、一般ノ通用ヲ得サルヘシ、サレトモ私ノ取引ニ付相対ノ示談ヲ以テ受取渡シイタス分ハ何レノ地ニテモ勝手次第タルヘシ
各開港場諸税受取方ニ付、一円銀ト本位金貨トノ価格比較ハ当分銀貨百円ニ付本位金貨百〇一円ノ割合タルヘシ
右通用制限ハ元来貨幣ニ原本ト補助トノ別アル所以ノ理ニ基キテ制定セシモノナレハ、人々取引ノ節右ノ制限ニ照準シ、モシコレニ越レハ誰ニテモ請取渡ヲ拒ムノ道理アルヘシ、サレトモ私ノ取引ニ付便宜ノタメ対談ヲ以テ請取渡イタシ候儀ハ全ク相互ノ都合ニ従フ筈ナレハ、右制限ニ不拘勝手次第ニ交通イタシ不苦候事
    明治四年辛未五月           大蔵省


法令全書 明治四年 第二三九―二四三頁 太政官 第二百六十八 五月(DK030045k-0006)
第3巻 p.156-158 ページ画像

法令全書 明治四年 第二三九―二四三頁
太政官 第二百六十八 五月
通用貨幣之儀従来政府ヘ引揚吹替致来候処、今般普通之公理ニ被為基公平ノ御所置ヲ以テ来ル辛未六月十六日ヨリ大阪造幣寮ニヲイテ左之規則之通、中外人民ノ望ニ応シ金銀地金並古金銀又ハ外国貨幣等ニ至ルマテ其名目ニカヽハラス都テ実価ニ比較改鋳シ貨幣相渡可申事
(別紙)
  造幣規則
第一条 造幣寮地金局ハ来ル六月十六日、即西洋千八百七十一年第八月二日ヨリ、左ニ掲載スル休日ヲ除クノ外、毎日朝第十字ヨリ午後第一字マテ、地金受取ノタメ之ヲ開ラクヘシ
    休暇表

図表を画像で表示休暇表

 毎日曜日   正月元日ヨリ三日マデ   正月七日            正月十五日 三月三日   五月五日         七月七日            七月 十四日ヨリ十六日マデ 九月九日   九月廿二日        十二月廿八日ヨリ三十日マデ                 



第二条 万一非常ノ変事ニヨリテ造幣ヲ休ムコトアラハ、勿論地金受取方ヲ断ルヘシ
  但此場合ニヲイテハ速ニ其由ヲ布告スヘシ
 - 第3巻 p.157 -ページ画像 
第三条 品位並価格トモ詳明ナル金地金並外国金貨幣ハ百五十オンス」トロイ」凡一貫二百四十二匁以上ノ高ナラハ地金局長即チ造幣権頭直ニ之ヲ受取ルヘシ
第四条 品位並価格トモ詳明ナル銀地金並日本或ハ外国銀貨幣ハ二千オンス」トロイ」凡十六貫五百六十匁以上ノ高ナラハ之ヲ受取リ、造幣規則ニ従テ本位金貨ヲ以テ払ヒ渡スヘシ、尤右地金持参ノ者一円銀ヲ望ムトキハ造幣寮ノ都合ニヨリテ之ヲ渡スヘシ
 銀地金ノ代リハ、当分ノ内純銀十六ニ純金一ノ割合ヲ以テ払フヘシ
第五条 品位並価格トモ詳明ナラサル金或ハ銀地金並外国金銀貨幣ハ仮ニ受取置、試験溶解ノ上分析シテ其品位ト価格トヲ明ニシ、造幣適当ノ品ナラハ之ヲ受取ルヘシ
  但其高金地金ハ第三条、銀地金ハ第四条ト同様タルヘシ、尤造幣適当ノ品量ハ別ニ造幣寮ニヲイテ取究ムル定則ニ従フヘシ
 一分銀ヲ除クノ外日本金銀貨幣ハ、都テ此条例ニ準スヘシ
第六条 右試験溶解ノ上分析セシ金或ハ銀地金又ハ金銀貨幣造幣不適当ナラハ之ヲ当人ニ返却シ、試験溶解並分析ノ手数料ヲ納メシムヘシ
 試験溶解並分析ノ手数料ハ造幣寮ニヲイテ取究ムル定価ニ従テ納メシムヘシ
第七条 造幣寮ノ便宜ニヨリテハ造幣不適当ナル金或ハ銀地金又ハ金銀貨幣ヲ唯精製ノ為メニ之ヲ受取ルコトアルヘシ
  但其高金地金ハ第三条、銀地金ハ第四条ト同様タルヘシ、尤右精製料ハ造幣寮ニ於テ取究ムル定価ニ従テ納ムヘシ
第八条 造幣寮ニ於テ造幣ノ為メ金或ハ銀地金又ハ金銀貨幣請取済ノ上ハ鋳造手数料ヲ引去リ、第四条ニ照準シテ、本位金貨又ハ一円銀ヲ以テ、其受取リシ日ヨリ三十日間ニ払フヘキ令状ヲ渡スヘシ
  但右令状ノ高ハ日本人ハ大阪ニアル御用為替座、外国人ハ同所ナル日本政府ノ外国為替方オリヱンタルバンク社中ニテ、本文日限ニ払ヒ渡スヘシ中
第九条 本位金貨鋳造ノ手数料ハ当分ノ内百ニ付一、ナルヘシ
第十条 一円銀鋳造ノ手数料ハ当分ノ内百ニ付二、ナルヘシ
第十一条 金銀混合ノ地金在来二分金ノ類ハ此部内ニ属スハ五百オンス「トロイ」凡四貫百四十匁以上ノ高ナラハ造幣寮ニ於テ之ヲ預リ、精製分析ノ上其価ヲ定メテ後全ク之ヲ請取ルヘシ
  但右精製分析料ノ定方ハ、第七条ノ手続通リタルヘシ
第十二条 麿損セシ本位金貨幣ハ、千ニ付五、一円銀ハ千ニ付十、ノ手数料ヲ差出ス上ハ其量目丈ノ価ヲ以テ再鋳ノ為メ之ヲ受取ルヘシ
第十三条 一分銀ハ二千オンス」トロイ」凡十六貫五百六十匁墨西哥《メキシコ》ドルラル」ハ百オンス」トロイ」凡八百二十八匁以上ノ高ナラハ再鋳ノ為メ各開港場ニヲイテコレヲ受取ルヘシ、尤其他ノ金銀貨幣又ハ金或ハ銀地金ハ試験溶解ノ上ナラテハ其品位定メ難ケレハ、大阪造幣寮ニ限リ之ヲ受取ルヘシ、サレトモ所持人ノ望ニヨリ追テ新貨幣ヲ払ヒ渡ストキ異論ナキ為メ、左ノ証書裏面ニ記載セル造幣規則ノ下ヘ承諾ノ旨ヲ認メ、自分ノ姓名ヲ手記スレハ各開港場ニテモ之ヲ受取ルヘシ
 - 第3巻 p.158 -ページ画像 
   受取証書雛形

図表を画像で表示受取証書雛形

      証 [img 図]割印 干支何番 品位未定 [img 図]押切印    一 金銀地金何斤 此証書裏面ニ造幣規則ヲ掲載ス        凡積代価  右之高裏面ニ記載スル造幣規則ニ従テ造幣ノ為メ大阪造幣寮ニ送ルヘキニ付正ニ落手セリ、但新貨幣渡方ノ儀ハ追テ追テ造幣寮ヨリ申越通リタルヘシ     年号干支月日                姓名印         所持人名宛     追而試験溶解ノ上造幣不適当之節ハ精製ヲ願フ哉否予シメ書面ヲ以テ申立置ヘシ 



第十四条 右受取方神戸横浜ニテハ日本人所持ノ分ハ御用為替座、外国人ハ外国為替方オリヱンタルバンク社中ニ於テ取扱ヒ、長崎箱館新潟ハ日本人外国人共同所運上所ニ於テ取扱フヘシ
第十五条 大阪ヲ除クノ外各開港場ニテ日本及ヒ外国貨幣、又ハ金或ハ銀地金ヲ納メ造幣ヲ望ム者ハ、定日数三十日ノ外往返日数並運賃危難請負等左ノ略表通リ心得ヘシ
    地名    往返日数    運賃並危難請負料
 神戸ヨリ大阪迄  二日      百ニ付〇、二五
 横浜ヨリ同    十五日     百ニ付一、二五
 長崎ヨリ同    十五日     百ニ付一、七五
 新潟ヨリ同    四十五日    百ニ付四、二五
 箱館ヨリ同    三十日     百ニ付三、二五
第十六条 此規則実際試験ノ上要用ト思フ廉アレハ、何時ニテモ猶改正追加スヘシ
  但其節ハ速ニ其由ヲ布告スヘシ
右之通相定候事
    明治四年辛未五月
                            大蔵省