デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

1編 在郷及ビ仕官時代

2部 亡命及ビ仕官時代

4章 民部大蔵両省仕官時代
■綱文

第3巻 p.298-303(DK030098k) ページ画像

明治五年壬申一月十四日(1872年)

一月十四日

開拓使兌換証券ノ発行ヲ布告ス。栄一之ニ関与ス。


■資料

世外侯事歴 維新財政談 中・第三〇七―三〇八頁 〔大正一〇年九月〕(DK030098k-0001)
第3巻 p.298 ページ画像

世外侯事歴 維新財政談 中・第三〇七―三〇八頁 〔大正一〇年九月〕
渋沢男 兌換証券十円まであつたと思ふ。もつと小いのがある、五円一円のがありましたらう。あれは遂に開拓使の為に造らせられた。
 予算上金が無いと云ふのを、黒田(清隆)さんが熱心に請求するので流石の井上さんも之を排斥することが出来ない。そんな事を言つちやいかぬと云つて、私共傍から言ふけれども、どうもさうは行かぬと云つて、頻に政治の方から……一方ばかり物を見て言ふからいかぬと言つて、宥めたり叱つたりして、拠なく開拓使兌換証券といふものを作つた。丁度四年の兌換証券といふものが出してあつたからそれに因んで之をやらう。準備金も何も無くてもやるんだから、六ツかしい事は言ふなと云ふ訳で、出来たので、マア黒田さんの為に造つたやうなものです。
芳川伯 その時分渋沢さんは三等出仕、さうして名目だけ紙幣頭と云ふことで、吾輩は権頭で全権を持つてやつて居つた。其時に開拓使証券と云ふものを二百五十万円拵へた、北海道札。それが吾輩の管轄の下でやり出した。(明治四十一年十二月三日)


青淵先生伝初稿 第七章二・第六三―六六頁 〔大正八―一二年〕(DK030098k-0002)
第3巻 p.298-299 ページ画像

青淵先生伝初稿 第七章二・第六三―六六頁 〔大正八―一二年〕
大蔵省兌換証券と同じく、三井組の名義を以て発行せる政府紙幣に、開拓使兌換証券あり、政府は明治二年七月開拓使を置き、北海道の開拓に任ぜしめたるが、資金潤沢ならざれば其功を望むべからず、故に開拓次官黒田清隆は、其定額の増加を迫ること再三に及びたれども、政府は之を増すべき余裕を有せず、さりとて其開拓は一日を緩くすべからざるが故に、先生は井上と謀り、同じく三井組の名を以て、大蔵省兌換証券に傚へる兌換証券を発行せしむるの議を定め、四年十一月政府の許可を得たれば、大蔵省は開拓使と証券の発行・交換・回収に関する約条を結び、又三井組にも其取扱につきての規約書を交付せり。
かくて明治五年正月政府は、「北海道開拓使に於て、為替座三井組へ申
 - 第3巻 p.299 -ページ画像 
付、政府在来の古金銀を引当として、高二百五拾万円の正金引換証券十円・五円・一円・五十銭・二十銭・十銭の六種を製造し、来る十五日より発行し、海関税を除くの外、租税其他の上納は勿論、日用公私の取引に至るまで、総べて正金同様に通用せしむべし、右証券は東京・大阪・箱館・三箇所の三井組に於て、新貨幣出来次第追々引換ふべく、若し至急引換を望む者は、在来の二分判と引換ふべければ、諸民一毫の疑念なく、従前の金札同様互に通用致すべし」と布告せり。


太政官日誌 明治五年 第四号自正月十三日至十八日(DK030098k-0003)
第3巻 p.299 ページ画像

太政官日誌 明治五年 第四号自正月十三日至十八日
○壬申正月十四日
   御布告書写
今般北海道開拓使ニ於テ、為替座三井組ヘ申付、政府在来ノ古金銀ヲ引当トシテ、高二百五十万円ノ正金引換証券十円・五円・一円・五十銭・二十銭・十銭・六種ヲ製造シ、来ル十五日ヨリ発行致シ、海関税ヲ除クノ外租税其他ノ上納ハ勿論、日用公私ノ取引ニ至ル迄総テ正金同様通用セシメ候、且右証券ノ儀ハ大蔵省発行ノ証券ト同模様ニテ開拓使印並次官ノ検印ヲ押、区別相立、東京・大坂・箱館三ケ所ノ三井組ニ於テ新貨幣出来次第追々可引換、尤至急引換申出候者ハ在来ノ二分判ヲ以引換遣シ候条、諸民一毫ノ疑念ナク、従前金札同様互ニ通用可致、此段相達候事


明治貨政考要 中編・第五四―五八頁 〔明治二〇年〕(明治前期 財政経済史料集成 第一三巻・第一八六―一八八頁〔昭和九年七月〕)(DK030098k-0004)
第3巻 p.299-301 ページ画像

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明治貨政考要 中編・第六七―七〇頁〔明治二〇年〕(明治前期 財政経済史料集成 第一三巻・第一九二―一九三頁〔昭和九年七月〕)(DK030098k-0005)
第3巻 p.301-303 ページ画像

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