デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治40年10月15日（1907年）

帝国ホテルニ開催セラレタル日本勧業銀行創立十周年記念祝賀会ニ臨ミ一場ノ演説ヲ為ス。

渋沢栄一　日記　明治四〇年
十月十五日
午後七時帝国ホテルニ抵リ日本勧業銀行十年祭ノ饗宴ニ出席ス食卓上一場ノ演説ヲ為シ夜十時散会十一時帰宿ス

日本勧業銀行三十年志　第二章第二節・第三〇頁〔昭和二年一二月〕
　明治四十年十月十五日夕、創業十周年記念の宴を帝国ホテルに張り総理大臣・大蔵・内務・農商務の諸大臣を始め創業以来本行に助力を与へられたる朝野の紳士を招待した。席上高橋総裁記念の辞を述べ、本行の沿革及び発達の状況を概説し、最後に其の辞を結んで曰く
　本行は二十七八年の戦後に生れ幾多の経験を重ねて、玆に三十七八年の戦後に於て十周年を迎へ、基礎漸く成るに近く、財界方に大に発展の時機に際会した。政府当局が我が農工業者の為めに其の金融機関を設くることに如何に熱心せられたるか、其の法式を彼れに取りて其の精神を我れに収むる為めに如何に攻究を重ねられたるか、又其の営業開始後に於ける庇護監督の懇切綿密なる、
 - 第5巻 p.231 -ページ画像 
及び本金融機関を利用することの巧妙にして、本行営業の助長に致されたる注意の周到なるを思へば、誠に感謝に堪へざるものがある。