デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
4款 国立銀行及ビ普通銀行 14. 株式会社熊谷銀行
■綱文

第5巻 p.339-352(DK050076k) ページ画像

明治27年5月6日(1894年)

株式会社熊谷銀行創業総会ヲ開ク。栄一株主ニシテ発起人タリ。


■資料

株式会社熊谷銀行創業総会決議報告(DK050076k-0001)
第5巻 p.339-340 ページ画像

株式会社熊谷銀行創業総会決議報告
    株式会社熊谷銀行創業総会決議報告
一明治廿七年五月六日埼玉県大里郡熊谷町創立事務所(小松屋新三郎方)ニ於テ開ク
一本日出席ノ株主ハ三拾八人ニシテ(代理権ヲ委任セシモノ拾九人権利数弐百個ヲ併算)此権利数ハ六百拾三個ナリ
第一 創業ノ承認
 一金七拾弐円七拾八銭四厘
  但創業総会迄ニ支払フベキ分
 一金三拾五円五拾銭
  但創業総会ヨリ設立免許迄ニ要スル予算
右原按ヲ承認ス
第二 定款ノ確定
 第三条中熊谷町ノ下ヘ「大字熊谷拾八番地」、第五条中存立時期ノ下ヘ「開業ノ日ヨリ」ヲ挿入シ、第拾三条中現支払日マテ年百分ノ十五ヲ「金百円ニ付一日金三銭ノ」、第廿六条中監査役弐名ヲ「五名」ト改ム、第廿七条中株主総会ニ於テノ下拾五株、第三拾三条中株式ノ下拾五個ヲ「弐拾個」ト改ム、第三拾八条中取締役ノ下ヘ「ノ給料」ヲ挿入、監査役ノ下給料ヲ報酬ト改ム、第五拾三条中当銀ハノ
 - 第5巻 p.340 -ページ画像 
下ヘ「毎半年ニ」ヲ挿入ス
右ノ如ク修正
第三 銀行位置ノ選定
 仮リニ熊谷町大字熊谷拾八番地ト定メ、設立免許ヲ申請シ、而シテ其確定位置ハ役員会ノ協議ニ任スルコト
  但役員上任迄ハ発起人ニ於テ担任調査ノコト
第四 役員給料報酬ノ件
   一金八拾円   頭取年給
   一金六拾円   副頭取年給
   一金弐拾円   取締役年給
   一金拾円    監査役報酬
    但一人額如斯
右原按ニ決定
第五 役員選挙(匿名投票)
   取締役
    五百六拾点    稲村貫一郎
    五百三拾弐点   根岸武香
    四百三拾九点   斎藤周一郎
    四百弐拾八点   長谷川敬助
    三百四拾弐点   松本平蔵
右当選ス
  監査役(同前)
   五百拾壱点    根岸常次郎
   三百九拾壱点   笠間靖
   三百拾五点    竹井懿貞
   弐百六拾弐点   斎藤蔵之助
   弐百三拾点    中村房五郎
右当選ス
○五月七日取締役互撰ノ結果ハ左ノ如シ
    頭取    稲村貫一郎
    副頭取   斎藤周一郎
 右決定相成候間及御報告候也
  明治廿七年五月七日
               株式会社熊谷銀行
                   創立事務所


株式会社熊谷銀行定款(DK050076k-0002)
第5巻 p.340-348 ページ画像

株式会社熊谷銀行定款
  株式会社熊谷銀行定款
    第一章 総則
第壱条 当銀行ハ明治廿三年法律第七拾二号銀行条例ニ準拠シ銀行事業ヲ経営スルヲ以テ目的トス
第二条 当銀行ハ資本ヲ株式ニ分チ其義務ニ対シテハ銀行財産ノミ責任ヲ負フモノトス
第三条 当銀行ハ株式会社熊谷銀行ト称シ、埼玉県大里郡熊谷町大字
 - 第5巻 p.341 -ページ画像 
熊谷八十一番地ニ設置ス
  当銀行ハ他店ト(コルレスポンデンス)ヲ締約スルコトヲ得
第四条 当銀行ノ資本金額ハ五万円トス、但株主総会ノ決議ニ依リ之ヲ増減スルコトヲ得
第五条 当銀行ノ存立時期ハ開業ノ日ヨリ満廿ケ年トス、但株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ延長スルコトヲ得
第六条 当銀行ニ於テ使用スル社印ハ左ノ如シ
     壱寸 株式会社熊谷銀行印
    第二章 株式
第七条 当銀行ノ株式ハ壱千株トシ壱株金額ヲ五十円トス
第八条 当銀行ノ株主ハ日本国民ニシテ当銀行定款ヲ遵守シ其株式ヲ引受ケ、株主名簿ニ記入ヲ受ケタル者ニ限ルモノトス
第九条 資本払込ノ期限及ヒ其割合ハ左ノ如シ
  第壱回 資本金高四分ノ一 壱株ニ付金拾弐円五拾銭
   但銀行設立ノ免許ヲ得タルトキハ正副頭取々締役ノ通知ヲ得テ直チニ払込ムモノトス
  第二回 資本金高四分ノ一 壱株ニ付金拾二円五拾銭
   但第壱回払込後四ケ月以内ニ払込ムモノトス
  第三回 資本金高四分ノ一 壱株二付金拾二円五拾銭
   但第二回払込後十ケ月以内ニ払込ムモノトス
  第四回 資本金高四分ノ一 壱株ニ付金拾二円五拾銭
   但第三回払込後十ケ月以内ニ払込ムモノトス
  正副頭取々締役ハ前項ノ払込期日ヨリ少ナクトモ十四日前ニ株主ヘ其払込ノ通知ヲ為スベシ
第拾条 株金第壱回ノ払込ニ対シテハ領収証書ヲ交付シ、追テ登記ヲ受ケタル上仮株券ト引換フルモノトス
第十一条 当銀行ノ株式ハ一株毎ニ株券一通ヲ作ルモノトス、但株金全額払込以前ニアツテハ仮株券ヲ発行シ全額払込ノ後チ本株券ト引換フルモノトス
第拾二条 当銀行ノ仮株券及本株券ノ雛形ハ左○次頁所載ノ如シ
第十三条 払込期日ヲ怠リタル株主ハ其期日ヨリ現支払日マテ金百円ニ付一日金三銭ノ割合ヲ以テ遅延利息ヲ支払ヒ、且遅延ノ為メ生シタル費用ヲ支払フモノトス
第拾四条 株主払込ヲ怠リタルトキハ直ニ正副頭取々締役ヨリ十四日以内ニ払込ムヘキ旨督促スベシ
  前項ノ督促ヲ受ケ尚ホ払込ヲ為サヾルトキハ更ニ其株式公売ノ旨ヲ通知シテ之ヲ公売シ、其代金ヲ以テ払込金額遅延利息及ヒ其費用ヲ引去リ、剰余アルトキハ之ヲ従前ノ所有者ニ還付シ、不足アルトキハ尚ホ之ヲ償ハシムべシ
第拾五条 当銀行ノ株式ヲ売買譲与スルニハ其株券裏面ヘ売渡人譲渡人並ニ買受人譲受人署名捺印シ、之ニ売買又ハ譲与証書ヲ添ヘ当銀行ヘ持参シ、之カ承認ヲ受クべシ

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  以下p.342 ページ画像   以下p.342 ページ画像  表面   第   号        株式会社熊谷銀行仮株券    一壱株金五拾円      何之誰殿        第壱回  金    印  明治  年  入金                月  日 第二回  金    印  明治  年  入金                月  日 第三回  金    印  明治  年  入金                月  日 第四回  金    印  明治  年  入金                月  日     明治廿三年法律第七拾二号銀行条例ヲ遵奉シ且当銀行ノ定款ヲ確守シ資本金ノ内五拾円即チ壱株ノ持主タルコト相違ナキ証拠トシテ此仮株券ヲ付与ス尤本株券ハ追テ全額入金ノ上此仮株券ト引換ヘ附与スベシ此仮株券ヲ売買譲与セントセハ当銀行ヘ持参シ此仮株券裏面ヘ頭取支配人ノ署名捺印ヲ受クベシ   明治何年何月何日  株式会社熊谷銀行  [img 図]社印              頭取  姓名   印              副頭取 姓名   印              取締役 同    印              同   同    印              同   同    印              支配人 同    印 



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 裏面    年月日  売譲渡人署名捺印  買譲受人署名捺印  頭取署名捺印  支配人署名捺印  表面    第   号         株式会社熊谷銀行株券    一壱株金五拾円也     何之誰殿      明治廿三年法律第七拾二号銀行条例ヲ遵守シ且当銀行定款ヲ確守シ明治何年何月何日ヨリ当銀行資本金ノ内五拾円即チ壱株ノ持主タルコト無相違証拠トシテ此株券ニ当銀行ノ社印ヲ押捺シ之ヲ附与ス     此株券ヲ売買譲与セントセバ当銀行ヘ持参シ此株券裏面ヘ頭取支配人ノ署名捺印ヲ受クベシ     明治何年何月何日   株式会社熊谷銀行   [img 図]社印                    頭取  姓名 印                    副頭取 姓名 印                    取締役 姓名 印                    同   同  印                    同   同  印                    支配人 姓名 印  裏面    年月日  売譲渡人署名捺印  買譲受人署名捺印  頭取署名捺印  支配人署名捺印 



 - 第5巻 p.343 -ページ画像 
第十六条 前条株式売買譲与ノ承認ヲ為スニハ頭取支配人其株券ノ裏面ニ署名捺印シ、同時ニ株主名簿ヘ記入スベシ
   但壱株ニ付金五銭ノ手数料ヲ領収スルモノトス
第十七条 株式ノ売買譲与ハ第十五条第十六条ノ手続ヲナスニ非ザレハ当銀行ニ対シテ其効ナシ
第十八条 株主株券ヲ損傷シ又ハ紛失シ若クハ滅失セシトキハ、其事由ヲ明記シ、保証人連署セル証書ヲ差出シ、新株券ノ交付ヲ請求スルコトヲ得、但紛失又ハ滅失ノ場合ニ於テハ其旨ヲ三日間二種以上ノ新聞紙ヲ以テ公告シ、三ケ月ヲ経テ発見セザルトキハ新株券ヲ交付スべシ、公告其他ノ費用ハ本人ヨリ徴収ス
第拾九条 当銀行ハ通常総会前十五日間以内株券ノ売買譲与ヲ停止スルモノトス、但其期間ハ予メ之ヲ公告スベシ
    第三章 営業
第弐拾条 当銀行ノ営業ハ左ノ如シ
  第壱 証券ノ割引及代金取立
  第弐 為替及荷為替
  第三 諸預リ金及貸附
第弐拾壱条 当銀行ハ前条ノ外営業ノ都合ニヨリ左ノ事業ヲ為スコトアルべシ
  第壱 国債証券地方債証券他ノ確実ナル銀行会社株式及地金銀ノ売買
  第弐 金銀貨貴金属諸証券等ノ保護預リ及両替
第二十二条 当銀行ハ前二条ニ掲グルモノヽ外他ノ事業ニ従事セス、但左ニ記載スル物件ヲ引取リ之ヲ所有シ又ハ之ヲ買取リ或ハ売払フハ此限ニアラズ
  第壱 営業上必要ナル地所家屋什器
  第二 債務弁済ノ為メ引渡サレタル動産不動産
  第三 質又ハ抵当トシテ裁判上公売トナリタル動産不動産
第二十三条 前条第二第三ニ記載セル物件中動産及不動産ハ壱ケ年以内ニ売払フベシ
第二十四条 当銀行ハ自己ノ株券ヲ所有シ又ハ之ヲ質ニ取ベカラズ、但債務弁済ノ為メ之ヲ引取リ又ハ其他ノ事由ニ因テ交付セラレ若クハ移属シタルトキハ二ケ月以内ニ之ヲ公売スベシ
第二十五条 当銀行ノ営業時間ハ毎日午前第九時ヨリ午後四時迄トス休業日ハ大祭日祝日及日曜日ニ限ル、尤モ止ヲ得ザル事故アルトキハ臨時休業ヲ為スコトヲ得、但此場合ニ於テハ地方長官ヘ届出テ予メ新聞紙其他ノ方法ヲ以テ公告スベシ
    第四章 役員
第二十六条 当銀行ノ役員ハ左ノ如シ
  取締役        五名
  内頭取        一名
   副頭取       一名
  監査役        五名
  支配人        一名
 - 第5巻 p.344 -ページ画像 
  計算方        一名
  出納方        一名
  書記方        一名
  但事務ノ繁閑ニヨリ便宜之ヲ増減スベシ
第二十七条 取締役ハ、株主総会ニ於テ、二十株以上ヲ所持スル株主中ヨリ之ヲ撰挙シ、其内ヨリ専務取締役一名ヲ互撰シ、之ヲ頭取トス
  取締役ノ任期ハ一ケ年トシ、満期ニ至リ再撰スルコトヲ得
  但副頭取ヲ撰任スルモ又本条ニ準拠スベシ
第二十八条 監査役ハ、株主総会ニ於テ、十株以上ヲ所持スル株主中ヨリ之ヲ撰挙シ、其任期ハ一ケ年トス、但満期ニ至リ再撰スルコトヲ得
第二十九条 支配人、計算方、出納方、書記方等ノ役員ハ正副頭取、取締役ノ協議ヲ以テ任免スルモノトス
第三十条 頭取ハ当銀行ヲ代表シ、定款及諸規則並ニ株主総会ノ決議ニヨリ全般ノ業務ヲ統理スルモノトス、但頭取事故アルトキハ副頭取々締役之ヲ代理スルモノトス
第三十一条 取締役ハ頭取ニ議リ業務ヲ取扱フモノトス
第三十二条 正副頭取、取締役ハ職務規程事務順序其他申合規則等ヲ定メ之ヲ施行スルモノトス
第三十三条 正副頭取、取締役ハ其在任中自己ノ所有ニ係ル当銀行ノ株式二十箇ヲ預ケ入レシメ、封印ノ上之ヲ当銀行ニ保管スベシ
  但此株券ニ対スル預リ証書ニハ融通ヲ禁ズル旨ヲ明記スルモノトス
第三十四条 監査役ハ正副頭取、取締役ノ業務施行ノ当否ヲ監査シ、諸計算報告並利益金配当案等ヲ検査シ、此事ニ関シ総会ニ報告ヲナシ、又必要ト認ムルトキハ総会ヲ召集スルモノトス
第三十五条 監査役ハ何時ニテモ業務ノ実況ヲ尋問シ、帳簿及其他一切ノ書類ヲ展閲シ、金匣及ビ資産負債ノ現況ヲ検査スルコトヲ得
第三十六条 正副頭取、取締役及監査役ハ責務ヲ欠キタルニ因リ生ジタル損害ニ付自己ニ其責任ヲ負フモノトス
第三十七条 支配人以下ノ諸役員ハ正副頭取、取締役ノ指揮ヲ受ケ庶務ニ従事スルモノトス
第三拾八条 当銀行正副頭取、取締役ノ給料、監査役ノ報酬ハ総会ノ決議ヲ経テ定ムルモノトス
  支配人以下役員給料ハ正副頭取、取締役ノ協議ヲ以テ之ヲ定ムルモノトス
    第五章 総会
第三拾九条 株主総会ハ通常総会ト臨時総会トノ二種ニ区別シ、通常総会ハ前期ノ計算報告書及利益ノ配当案ヲ議シ、臨時総会ハ臨時ノ事項ヲ議スルモノトス
第四拾条 通常総会ハ毎年一月、七月ニ之ヲ開会スルモトス
  但場所日時ハ正副頭取、取締役ニ於テ之ヲ定メ議事ノ要旨ヲ記載シ、開会五日前ニ各株主ヘ通知スベシ
 - 第5巻 p.345 -ページ画像 
第四十一条 臨時総会ハ正副頭取、取締役又ハ監査役ニ於テ必要ト認ムルトキ、又ハ総株金ノ五分ノ一以上ニ当ル株主ヨリ会議ノ目的ヲ示シテ申立ツルトキ、之ヲ開会スルモノトス、但其場所日時ハ正副頭取、取締役又ハ監査役ニ於テ之ヲ定メ、議事ノ要旨ヲ記載シ各株主ヘ通知スベシ
第四十二条 総会ニ於テ議決シタル事件ハ之ヲ決議録ニ登載シ、正副頭取、取締役、監査役一同記名捺印スベシ
第四十三条 総会ノ議事ハ総株金ノ三分ノ一以上ニ当ル株主出席シ、其議決権ノ過半数ニ依テ決議ヲナス、但前期ノ諸計算報告及利益金配当ニ関スル件ハ、出席株主本条ノ定数ニ満タサルモ之ヲ議決スルコトヲ得
第四十四条 定款ノ変更及任意ノ解散ニ付テノ決議ハ、少ナクトモ総株主ノ半数ニシテ総株金ノ半額以上ニ当ル株主出席シ、其議決権ノ過半数ニ依テ之ヲ為ス
第四拾五条 総会ニ於テ出席株主其定数ニ満タサルトキハ其出席株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ仮ニ議決ヲナシ、其旨ヲ総株主ニ通知シテ更ニ開会スベシ、若シ第二ノ総会ニ於テ出席株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ仮議決ノ件ヲ承認シタルトキハ之ヲ有効トス
第四拾六条 株主ノ議決権ハ其所有ノ株数壱株毎ニ一箇トシ、拾壱株以上五株毎ニ一箇、又百壱株以上拾株毎ニ壱箇ヲ増スモノトス
第四拾七条 株主ハ代人ヲシテ総会ニ出席シ議決権ヲ行ハシムルコトヲ得ベシト雖トモ、其人ハ必ズ当銀行ノ株主タル者ニ限ルベシ
  但当銀行ノ役員ハ代人タルコトヲ得ズ
第四拾八条 総会ノ議長ハ頭取之ニ任ズベシ、但監査役必要ト認メシトキ又ハ株主五分ノ一以上ノ申立ニヨリ開キタル臨時総会ノ議長ハ株主中ヨリ臨時之ヲ選任スルコトヲ得
    第六章 計算報告及帳簿
第四拾九条 当銀行ハ毎年六月十二日《(月)》ノ終リニ於テ諸勘定ヲ決算シ、計算書、財産目録、貸借対照表、事業報告書、利益金配当案ヲ作リ、監査役ノ検査ヲ受ケ、之ヲ通常総会ニ提出スルモノトス
第五拾条 諸勘定ノ決算ヲ為スニハ貸金其他債権中不確実ナルモノアルトキハ其幾分若クハ全額ヲ損失ニ算入スベシ、又公債及地金銀等ハ其当時ノ市場価格ニ引直シ勉メテ確実ノ決算ヲナスモノトス
第五十一条 当銀行ノ損益計算ハ毎期総益金ヨリ総損金及役員賞与金ヲ引去リ、其残額ヲ純益金トシ、此内ヨリ積立金ヲ引去リ、其残額ヲ株式ニ対シ平等ニ配当スルモノトス、尤モ配当割合ノ都合ニ依リ後期ヘ操越金《(繰)》ヲ為スコトヲ得、役員賞与金ハ総益金ヨリ総損金ヲ引去リタル残額ノ百分ノ五以下トス
  積立金ハ純益金ノ百分ノ五以上トス
第五十二条 財産目録及貸借対照表ハ二種以上ノ新聞紙又ハ其他ノ方法ヲ以テ三日間之ヲ公告スベシ
第五十三条 当銀行ハ毎半年ニ営業ノ報告書ヲ製シ大蔵大臣ヘ差出スモノトス
第五十四条 当銀行ハ株主名簿、財産目録帳、貸借対照表、記入帳、
 - 第5巻 p.346 -ページ画像 
金銀出納帳、日記帳、総勘定元帳、其他営業上必要ノ帳簿ヲ備フべシ
第五十五条 当銀行ノ株主及銀行ノ債権者ハ営業時間中何時ニテモ株主名簿、目論見書、定款、設立免許書、総会ノ決議書、毎事業年度ノ計算書、財産目録、貸借対照表、事業報告書、利益金配当案等、及ビ不動産ノ質若クハ抵当債権者ノ名簿ノ展閲ヲ請求スル場合ニ於テハ当銀行ハ展閲ヲ許ス義務アリ、但損益決算ノ際頭取、取締役ノ見込ヲ以テ十五日以内之レカ展閲ヲ停止スルコトアルべシ
    第七章 解散
第五十六条 当銀行解散ノ場合ニ於テハ正副頭取、取締役ハ総会ヲ招集シ其決議ヲ取ルベシ
第五十七条 解散ヲ決議セシトキハ其総会ニ於テ清算人ヲ選定シ清算事務ヲ委任スベシ、但其人員及清算事務委任ニ関スル条件等ハ其際議定スルモノトス
    第八章 定款ノ変更
第五十八条 此定款ノ箇条ハ株主総会ノ決議ヲ経テ更正加除スルコトヲ得
右創業株主総会ニ於テ確定候也
   明治二十七年
            株式会社熊谷銀行発起人
                      根岸武香
                      斎藤周一郎
                      松本平蔵
                      金井善兵衛
                      黒田小源治
                      坂田清兵衛
                      根岸常次郎
                      鯨井久平
                      石山善右衛門
                      竹井懿貞
                      長谷川敬助
                      島田為之助
                      鴨田半三郎
                      斎藤蔵之助
                      日向松五郎
                      市川健次郎
                      金井恒八
                      渋沢栄一
                      真中忠直
                      山中隣之助
                      高柳周蔵

  創業費決算事項報告書
 - 第5巻 p.347 -ページ画像 
    創業費決算並事項報告書

一金七拾弐円七拾八銭四厘    既定創業費
 但創業総会迄ニ仕払ノ分明治廿七年五月六日創業総会ニ於テ承認済
予算金三拾五円五拾銭
一金七拾七円六拾壱銭壱厘    創業費精算高
  此仕払
 金三円四拾九銭六厘  {創業総会前仕払フヘキ雑費分取洩シタリトノ故ヲ以米穀取引所ニ於テ立替金請求ニ付仕払}
 金六円        {席料茶代小松屋新三郎松本平蔵両人ヘ仕払}
 金拾四円四拾五銭五厘 {本行役員組織交渉中滞在其他設立免許迄諸費及賄代実費仕払}
 金拾円五拾銭     {書記並使丁雇料}
 金七円三拾銭     {免許取急ノ為創立委員代理出県並出京旅費仕払}
 金四円弐拾四銭    {通信及印刷代其他雑費仕払}
 金弐拾壱円六拾弐銭  {役員上任新聞七種ヘ掲載広告料仕払}
 金拾円        {公証手数料公証人ヘ仕払}

予算ヲ以テ精算ニ比スレバ金四拾弐円拾壱銭壱厘ノ不足ヲ生ズ、此不足ヲ生ジタル所以ノモノハ予算ニ脱漏アリシト、予算外ニ広告料公証人手数料且開業ヲ取急グノ事情ヲ生セシニ依ル
      ○
    創業総会後開業迄事項摘要
一五月六日 創業総会ニ於テ本行株式証拠金収入ヲ松本平蔵、金井善兵衛ノ両人ニ拠任セシメタリ
一同十三日 創立事務所ヲ小松屋新三郎ヨリ便宜ノ為メ創立委員松本平蔵宅ニ移ス
一同十四日 創業総会決議録ヲ各株主ヘ配付ス
一同十六日 根岸常次郎事故アリ監査役ノ当撰ヲ辞ス、次点者柴田忠明ヲ以テ補充ノ当撰ト定ム
一同十九日 銀行設立願書ヲ其筋ニ奉呈ス
一六月四日 米穀取引所ノ懇請ニヨリ事情止ムヲ得ザルヲ認メ設立許可ノ速ナランコトヲ創立委員代理ヲ以テ其筋ヘ出願ス
一六月七日 本行設立認可状ヲ得タリ
一同日 設立免許及役員上任ヲ時事新報外六種ノ新聞ニ掲載広告ス
以上発起人担当
一明治廿七年六月十日 本行定款第九条ニ依リ本月廿四日株式金第一回払込ヲ各株主ヘ通知ス
一六月廿四日 熊谷町八拾壱番地ニ移転シ株金払込ヲ収入ス
一同廿八日 株式金第壱回払込全部取入結了ニ付、熊谷区裁判所ヘ登記ヲ請求シ、同日登記済トナレリ
右及報告候也
                株式会社熊谷銀行
  明治廿八年一月八日      頭取  稲村貫一郎
                 副頭取 斎藤周一郎
                 取締役 根岸武香
                 同   長谷川敬助
 - 第5巻 p.348 -ページ画像 
                 同   松本平蔵
                 監査役 笠間靖
                 同   竹井懿貞
                 同   斎藤蔵之助
                 同   中村房五郎
                 同   柴田忠明
                 支配人 田口拓


株式会社熊谷銀行第壱期営業報告書〔明治廿七年下半期〕(DK050076k-0003)
第5巻 p.348-352 ページ画像

株式会社熊谷銀行第壱期営業報告書〔明治廿七年下半期〕
  第壱期営業報告書
          埼玉県大里郡熊谷町 株式会社熊谷銀行
明治廿七年自七月至十二月六ケ月間当銀行営業ノ成績ヲ蒐集シ、別紙貸借対照表・損益表及財産目録ヲ添テ玆ニ報告ス
    ○資本金
当銀行資本金五万円株式壱千株(壱株五拾円)ニシテ現払込高金弐万五千円払込未済高金弐万五千円ナリ、当期間当銀行帳簿ヘ記入シタル株式売買譲与ノ総数ハ第一回払込済(金拾弐円五拾銭)ニ於テ百九拾三株内売買百七拾八株ニシテ此代価千弐百五拾円平均拾弐円五拾銭ニ当リ、無代価譲与ハ拾五株、第二回(金廿五円)払込済ニ於テ六拾五株内売買四拾五株ニシテ此代価千百四拾七円五拾銭平均廿五円五拾銭ニ当リ、無代価譲与ハ弐拾株ナリ、而シテ現在株主ノ姓名株数ハ載セテ冊尾ニ詳ナリ
    ○処務ノ要件
明治廿七年七月一日営業開始届ヲ大蔵大臣ニ差出セリ、同七月二日貸付業営始ノ事ヲ大里外三郡長ニ届出デタリ
同七月三日商法第百六拾八条ニ依リ六月廿八日熊谷区裁判所ヘ申請シ登記ヲ了セシ旨ノ届書ヲ大蔵大臣ニ差出セリ
明治廿七年七月五日付ヲ以テ、銀行営業報告書ノ義ハ銀行条例施行細則附属雛形ニ準拠スベキハ勿論ニ候処、他ノ既設銀行前回報告ノ実例ニ因レバ報告書ノ調製方粗漏謬誤ノ廉不少、之ガ為官民共ニ非常ノ手数ヲ要スルノミナラズ、法律上公告ヲ要スル貸借対照表、財産目録等ハ大ニ銀行ノ信用ニ関スルモノニシテ、万一違法ノ嫌等之アルニ於テハ不都合ニ付、決算ノ場合ニ於テハ右等ノ不都合無之様注意ヲ加フべキ旨主務大臣ヨリ訓示相成候趣ヲ以テ、其旨熊谷町長ヨリ伝達セラレタリ
明治廿七年七月廿七日銀行事業ヲ営ム会社ヨリ差出ス資本増減ノ認可申請書ハ、資本増減ノ理由及其払込払戻ノ期日方法等総会ノ決議案ヲ具シタル参考書ヲ添付セシムべキ旨、其筋ヨリ達セラレタル由ヲ以テ即熊谷町長ヨリ猶伝達ヲ受ケタリ
    ○営業ノ景況
玆ニ本期間即自七月至十二月ノ決算ヲ報告スルニ当リ商情金融ノ大要ヲ述べ、以テ営業ノ状況ヲ知ルノ便ニ供セントス
業務ノ状況タル当行ノ創業日尚浅キヲ以テ地方顧客未タ偏ク銀行設立セルヲ知ラサル者ノ如ク随テ貸付抵当ノ如キモ先ツ繭ノ一途ナリシ、次テ熊谷米穀取引所ノ開業セルト及商家ノ銀行ヲ利用シ経済運用ヲ便
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スルコト等日ヲ逐フテ発達シ、殊ニ当坐預金ノ如キ最モ頻繁ヲ加フルニ至レリ、想フニ本行ノ信用漸次厚キヲ致ス処ニシテ、営業上ノ前途自然多望ノ現象ヲ呈出セリ
金融ノ点ニ至テハ開業恰モ蚕家成繭ノ時ニ当レルヲ以該品抵当ノ申込頗ル繁ヲ極メタリシ、然レトモ資金元ヨリ限リアリ、遂ニ十分其需ニ応スルコト能ハズ、不得止開業未タ二ケ月ナラザルニ既ニ第二回ノ払込ヲ募集シ以テ其幾分ヲ補ヒタリ、而シテ又繭抵当ノ季節タル元来短期ナルモノニシテ、概ネ十月ノ頃ヨリハ消費地ニ向ケ輸出スルノ商品タリ、故ニ該期節ニ際セバ一時返入ノ多額ヲ来タシ、自然遊金ヲ見ルニ至ルハ勢数ノ免レザル所ナレバ予メ運転上頗ル注意ノ必要ヲ感ゼリ時ニ日清戦端ノ影響ヲ被リ京浜間ノ銀行ハ益々金利ヲ高ムル等ノ傾キアリ、或ハ軍事公債ノ募集ハ夫々其筋ノ勧誘ヲ受ケ、殊ニ創業ノ際旁金融ノ前途ハ如何アランカト彼是心ヲ労シテ経過セリ、幸ニシテ此間ハ漸々普通得意先ノ増加ト共ニ出入稍権衡ヲ得シガ、果セル哉十月中旬ニ至リ生繭ハ消費地ニ向ケ追々出荷スルノ場合ニ遭遇セリ、然レトモ之レニ引換フルノ産物則チ庫入抵当トナルべキ商品少キヲ以テ又融通ヲ求ムルモノ甚タ稀ナリ、従テ多少ノ遊金ヲ生ゼシニ因リ、玆ニ土地抵当ニシテ最モ鞏固ト認ムル者ニ対シテハ其貸付ヲ開始シ、或ハ土地担保ヲ以テ貸越約定ニ応シ、低利ナガラモ勉メテ運用ノ道ヲ謀リタリ、次ニ十二月以降ニ至リテハ米穀及生糸ノ抵当漸々其数ヲ増加シ、復タ資本ノ渋滞ヲ見ズ、稍出入権衝其宜シキヲ得ルニ至レリ
貸付金利子ニ至リテハ前陳ノ如ク担保品繭大部分ニアルヲ以テ品質、数量、期限ノ長短等ニ因テ一定スルコト能ハズ、多クハ年利壱割弐分若クハ日歩(百円ニ付)四銭位ニアリシガ、十月中旬ヨリハ金融緩慢ノ為年利壱割日歩三銭前後ヲ往来セリ
    ○金銀出納

  営業日数   入金高          出金高
   一六二  三三三、九六四・四九一  三二九、九四〇・四二〇

    ○諸預リ金

図表を画像で表示○諸預リ金

 勘定科目      総預リ高          払戻高           現預高 定期預金         二二八・四三〇         〇          二二八・四三〇 当座預金     一〇二、二二六・一五八    八一、九〇六・八七七   二〇、三一九・二八一 別段預金      一三、〇〇〇・九〇〇     九、〇〇〇・九〇〇    四、〇〇〇・〇〇〇 保管預金      一七、六一七・二八〇    一七、三二二・六〇七      二九四・六七三 一時当座預金     三、四七八・一五〇     三、四七八・一五〇        〇 合計       一三六、五五〇・九一八   一一一、七〇八・五三四   二四、八四二・三八四 



    ○諸貸金

図表を画像で表示○諸貸金

 勘定科目    総貸高           返済高          現貸高          口数 貸付金     一一四、三六四・〇六八   七八、九五〇・〇〇〇   三五、四一四・〇六八   四七 当座貸越金    一七、二四九・八〇〇   一四、三六七・五五三    二、八八二・二四七    六 合計      一三一、六一三・八六八   九三、三一七・五五三   三八、二九六・三一五   五三 



右現貸高ヲ抵当質物ノ種類ニ依リテ区別スル左ノ如シ

   現貸金高        抵当質物種類
     九二五・〇〇〇  国債証券
 - 第5巻 p.350 -ページ画像 
  一九、二一九・〇五五  諸株券
   三、六四九・二八六  地所
   六、六六五・〇〇〇  生糸、繭、生絹、米穀、其他物品
   七、八三七・九七四  無抵当
合計 三八、二九六・三一五

    〇割引手形

図表を画像で表示〇割引手形

 手形種類      当所              他所       枚数   金高          枚数   金高 約束手形   八   一、二九一・〇〇〇    〇    〇 合計     八   一、二九一・〇〇〇    〇    〇 



    ○送金手形

図表を画像で表示○送金手形

 為替金種類     各地ヘ向ケタル分          各地ヨリ受ケタル分        枚数   金高           枚数   金高 普通     一七九  一八、六七四・六三九   一五   四、五〇六・二五二 合計     一七九  一八、六七四・六三九   一五   四、五〇六・二五二 



    ○代金取立手形

図表を画像で表示○代金取立手形

 手形種類            当所             他所              枚数   金高        枚数   金高 約束手形          五   二六一・五〇〇    〇       〇  送金手形及当座小切手   〇         〇    五   二、九二七・七三九 合計            五   二六一・五〇〇    五   二、九二七・七三九 



    ○公債証書

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 価格   総買入高       売渡又ハ償還高   現在高 券面   一、四〇〇・〇〇〇            一、四〇〇・〇〇〇 実価   一、三三〇・〇〇〇            一、三三〇・〇〇〇 



右諸公債証書ノ損失ニ帰スベキ予定金額(現時市価)ハ金七拾円ナリ
右現在高ヲ其種類ニ依テ区別スレハ左ノ如シ

  種類      券面        実価
 軍事公債  一、四〇〇・〇〇〇  一、三三〇・〇〇〇
 合計    一、四〇〇・〇〇〇  一、三三〇・〇〇〇

    ○営業用地所建物及ヒ什器

      種類         金高
地所  六百六十七坪〇四タ  二、五一〇・〇四三
建物  拾弐棟
什器  金庫外弐百五拾点     三〇六・九一七
合計             二、八一六・九五三

    〇コルレスポンデンス先
当銀行ノ「コルレスポンデンス」先ハ四ケ所ニン《(シ)》テ、其取組先ハ左ノ如シ
   東京第一国立銀行
   同 第百国立銀行
   横浜第百国立銀行支店
   小川株式会社小川銀行
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    ○損益
 一金壱千八百壱円弐拾七銭四厘    当期総益金
    内
   一金九百拾三円四拾八銭三厘   当期総損金
 一金百弐拾四円八拾銭        創業費償却
    小計金壱千三拾八円弐拾八銭三厘
   差引
    金七百六拾弐円九拾九銭壱厘  当期純益金
  此配当計算左ノ如シ
   一金三拾八円          役員賞与金
   一金四拾円           積立金
   一金六百七拾円         配当
   一金拾四円九拾九銭壱厘     后期繰込
 右之通ニ候也
                株式会社熊谷銀行
                 頭取  稲村貫一郎
                 副頭取 斎藤周一郎
                 取締役 根岸武香
                 同   長谷川敬助
                 同   松本平蔵
                 支配人 田口拓
前記之各項調査ヲ遂ケ其正確ナルヲ保証候也
                 監査役 笠間靖
                 同   竹井懿貞
                 同   斎藤蔵之助
                 同   中村房五郎
                 同   柴田忠明
    ○第一期貸借対照表

図表を画像で表示○第一期貸借対照表

 資産          金額           負債      金額 貸付金         三五、四一四・〇六八   定期預金      二二八・四三〇 当座預金貸越       二、八八二・二四七   当座預金   二〇、三一九・二八一 割引手形           七二〇・〇〇〇   別段預金    四、〇〇〇・〇〇〇 国債証券         一、四〇〇・〇〇〇   保管預金      二九四・六七三 預ケ金            九〇六・六六五   資本金    五〇、〇〇〇・〇〇〇 他店ヘ貸二ケ所      二、四四一・三六四   創業費償却     一二四・八〇〇 営業用地所家屋      二、五一〇・〇四五   当期純益金     七六二・九九一 営業用什器          三〇六・九一七 創業費            一二四・八〇〇 払込未済資本金     二五、〇〇〇・〇〇〇 金銀有高         四、〇二四・〇七一  内訳 紙幣並兌換券   三、九九六・〇〇〇     正貨          二八・〇七一 合計          七五、七三〇・一七五          七五、七三〇・一七五 


 明治廿七年十二月三十一日
             埼玉県大里郡熊谷町
                  株式会社熊谷銀行
 - 第5巻 p.352 -ページ画像 
    ○損益表

図表を画像で表示○損益表

 利益   金額          損失       金額 利息   一、七二四・六四一   利息        一九六・一二八 手数料     三七・四六三   給料        二六一・九一五 割引料     二四・六六九   諸税        一〇五・八三〇 雑益      一四・五〇〇   雑費        二六二・六七〇                  報酬         二八・二九〇                  旅費         二三・六五〇                  庫敷         三五・〇〇〇                  創業費償却     一二四・八〇〇                  役員賞与金      三八・〇〇〇                  積立金        四〇・〇〇〇                  配当金       六七〇・〇〇〇                  後期繰越       一四・九九一 合計   一、八〇一・二七四   合計      一、八〇一・二七四 



 明治廿七年十二月三十一日
             埼玉県大里郡熊谷町
                  株式会社熊谷銀行
    ○財産目録

図表を画像で表示○財産目録

 種類           摘要                 金額 貸付金証書        四拾七通               三五、四一四・〇六八 当座領金貸越《(預)》  六口                  二、八八二・二四七 割引手形         三枚                    七二〇・〇〇〇 国債証券         軍事公債(五百円券二枚百円券四枚)   一、四〇〇・〇〇〇 預ケ金          弐ケ所                   九〇六・六六五 地店《(他)》ヘ貸    弐ケ所                 二、四四一・三六四 営業用地所家屋土蔵    六百六拾七坪〇四タ 拾弐棟       二、五一〇・〇四三 同什器          金庫外弐百五拾点              三〇六・九一七 払込末済資本金      現在株主七八名            二五、〇〇〇・〇〇〇 金銀有高                             四、〇二四・〇七一 合計                              七五、六〇五・三七五 



 明治廿七年十一月三十一日
             埼玉県大里郡熊谷町
                  株式会社熊谷銀行

   株主姓名表

姓名      株数
渋沢栄一   四〇株

  ○外七拾七名略ス。
  ○熊谷銀行ハ創立ノ後大正十年武州銀行ニ合併セラレ、武州銀行ハ昭和十九年埼玉銀行ニ合併セラレタリ。(寺部鉄治著「銀行発達史」(昭和二十八年八月刊)ニヨル)