デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第5巻 p.479-482(DK050107k) ページ画像

明治11年3月4日(1878年)

是ヨリ先、栄一会議録事ノ体裁ヲ改正スルノ議案ヲ発シタルニ衆ノ賛同ヲ受ク。依ツテ是日更ニ第二議案ヲ発シテ衆ノ答議ヲ求メ、自今本会録事ノ刊行ヲ日報社ニ委託スルコトヲ決議ス。日報社ハソノ名称ヲ「理財新報」ト改ム。


■資料

択善会録事 第八回・第一―九頁(DK050107k-0001)
第5巻 p.479-481 ページ画像

択善会録事 第八回・第一―九頁
明治十一年二月四日、択善会第八回ノ盟主第六国立銀行ハ采女町ノ精養軒ニ於テ会莚ヲ開設シ、盟員畢ク集リ、午後四時下ニ会場ヲ開キ、議案ヲ撰定シ要務ヲ整理シ、畢テ衆食堂ニ転就シ、会食ヲ了シ九時下ニ退散ス、詳録左ノ如シ
      会員  第十五国立銀行役員  熊谷武五郎
      同   同          肥田昭作
      同   第一国立銀行頭取   渋沢栄一
      同   同 取締役      中山信彬
      同   第二国立銀行副頭取  茂木総兵衛
      同   同 支配人      下田善次郎
      同   第五国立銀行取締役  有川純治
      同   同 支配人      林甚左衛門
      同   第廿国立銀行頭取   小島邦重
 - 第5巻 p.480 -ページ画像 
      同   同 取締役      川杉義方
      同   第三国立銀行取締役  川崎八右衛門
      同   同 支配人      安田忠兵衛
      同   三井銀行       三井三郎助
      同   同          今井友五郎
      同   第四国立銀行取締役  原田銀造
      同   同 支配人      辻金五郎
      同   第十三国立銀行支配人 蘆田順三郎
      同   同 役員       森二三
      同   第十国立銀行頭取   栗原信近
      同   同 役員       市川好三
      同   第六国立銀行副頭取  杉本正徳
      同   第十八国立銀行代理店
          第一国立銀行役員   須藤時一郎
      同   第廿七国立銀行支配人 安藤利助
      同   第三十三国立銀行頭取 川村伝衛
      同   同 支配人      種田誠一
        以上廿五名
      傍記  第一国立銀行役員   大沢正道
        以上
      傍聴  第五国立銀行支配人  又木元衛
      同   同 役員       山野新兵衛
      同   第十四国立銀行役員  平林仁平
      同   同          加藤経典
○中略
○又同氏○渋沢栄一ハ会議録事ノ体載《(裁)》ヲ改正スル議案ヲ陳ヘ、左ノ如ク決定セリ
 渋沢曰、録事ヲ刊行スル自来漸次増数アルハ諸君ト共ニ喜フヘキ事ナリ、然ルニ今其体裁ヲ一変シテ博ク理財ノ論説ヲ輯メ大ニ以テ世ニ補益スル所アラシメント欲ス、而シテ其材料トスヘキモノハ本会ノ録事ヲ首メ欧米経済家ノ論説ヲ其諸新報雑誌ノ内ヨリ采択シ、及ヒ支那各種ノ新紙ヲモ猟渉シテ其適実ナルモノヲ抄出シ、又我邦経世ノ事蹟ニ溯シテ苟モ模範例則アルモノハ之ヲ究尋詳述シ、此ヲ以テ今日理財ノ得失ヲ鑑ミ将来利国ノ方策ヲ求ルニ足ルヘキノ新誌ヲ編述シ、而シテ其刊行ハ目下一月一回ト定メ、其材料ノ豊充ナルニ随テ二回三回ヨリ数刊ニ至ルヲ要スヘシ、諸君此挙ニ協同セハ宜シク醵金シテ其資ヲ備ヘ、以テ編輯反訳者及ヒ筆生其他ノ費用ヲ弁スヘキヲ至当ナリトス、然ルニ此編書ノ如キハ世間有益財務上欠クヘカラサル者ナルヲ以テ、更ニ一歩ヲ進メ出版免許ヲ得テ発兌スルトキハ、必ス世人ノ之ヲ需ムル少ナカラスシテ相当ノ利益ヲ占収シ出入算ヲ償フ事ヲ得ヘシ、因テ各位ノ撰議アラン事ヲ要ス
 原田銀造、熊谷武五郎、肥田昭作、下田善次郎等議案ノ如ク挙行スヘキ事ヲ要求シ、続テ衆皆異議ナキ旨ヲ答言ス
 渋沢曰、已ニ然ラハ其編輯発兌ノ事務ヲ担当スヘキモノヲ撰任スルカ、又ハ当行旧ニ依テ経理センカ、当行強テ求ムルニアラスト雖ト
 - 第5巻 p.481 -ページ画像 
モ嘗テ録事ヲ綴集シ、傍ハラ反訳ノ科アツテ規程略ホ備ハレハ、今日此事業ヲ担当スルニ於テハ固ヨリ辞スル所ニアラサルナリ、然レトモ各位聊忌憚ナク其担任者ヲ撰定スヘシ
 原田銀造答議シテ曰、敢テ他ヲ論スルナク第一銀行ニ委托セン事ヲ欲スト、各位皆此議ニ回ス
 渋沢曰、自カラ辞セサル所ニ於テ、各位ノ委托ヲ受ク、乃チ此ヲ領諾スヘシ、因テ予メ各位ニ昭知スル者アリ、則前節ニ陳フル本邦経済ノ事蹟ヲ究尋スルニ当リテハ其関係ヲ有スル地方ノ同盟銀行ハ毎ニ其事件ヲ考究シテ之ヲ当銀行ニ開報セラルヘキ事ヲ要ス、殊ニ第十五銀行ノ如キハ大ニ蔵籍ニ富ミ、加ルニ常ニ反訳ニ従事スルノ員アリト聞ケハ、自今一層其材料ヲ作リ、以テ此編輯ニ補助アラン事ヲ希望スト、衆皆領諾セリ


択善会録事 第九回・第四―一〇頁(DK050107k-0002)
第5巻 p.481-482 ページ画像

択善会録事 第九回・第四―一〇頁
○中略 ○渋沢栄一ハ録事改正ノ第二議案ヲ発示シ、而シテ各位ノ答議ヲ求メテ以テ決定セリ、其叙次左ノ如シ
    録事改正第二考案文
前会ニ於テ初テ録事改正ノ考案ヲ発問シ、各位速ニ協同スルニ因テ尚尋テ其例規ヲ設ケ、且准刻版権ヲ要スル等ノ順序ヲ定ムヘキ筈ナリシカ、爾後復タ熟考スルニ此録事ノ版権ヲ以テ会同盟員ノ共有ト為スハ却テ煩累ヲ醸スニ似タリ、且此版権ヲ有シテ発兌ノコトヲ処スルハ銀行ノ業ニシテ聊カ穏当ナラサル処アリト思惟スレハ、前ノ考案ヲ止メ更ニ左ノ条案ニ従テ之ヲ処セント欲ス
第一 録事編輯ノ体裁ハ前会ニ当テ説ク所ノ如ク、博ク内外ニ渉ツテ経済ヲ講究スルヲ主旨トナスヲ以テ、専ハラ英国「イコノミスト」新聞、米国銀行新誌及ヒ他ノ有名ナル二三ノ新雑報ヲ猟渉シ、及ヒ支那各種ノ新聞ヲモ通看シテ其論説ヲ訳出シ、又内邦ノコトハ従来物産運転融通等ノ法ニ就テ、苟モ財政商務ニ関係スルモノハ総テ之ヲ調整スルヲ要スヘシ、而シテ二者相待テ将来経済法ノ顧謀ト為リ針盤ト為リ、此ヲ以テ我銀行者ノ栄誉ヲ増シ、且実際ニ利スル所アラント欲スルヲ以テ大旨トナス
第二 此編輯ヲ以テ要スル人員ハ編者一名、反訳者一名、筆生一名トナス、又之ニ随テ常ニ内外ノ新聞新誌ヲ講求《(購)》シ、及ヒ臨時諸種ノ書籍ヲ講求スル此等一切ノ入用ハ、凡ソ一ケ月六十円ヲ費スヘシ
 但本文人員ハ従前当行ニ従事スル者ヨリ之ヲ兼務セシムルヲ以テ、凡ソ本給料ノ半額ヲ算シテ此費用ニ編入スル所ナリ
第三 右ノ額費ハ此会同盟員ヨリ課出スルヲ至当ナリトスト雖トモ、漸次加盟アル毎ニ其会計法ヲ改正セサルヲ得ス、是亦一ノ煩累タレハ今敢テ簡便ヲ求メテ、本費ハ当行、並ニ三井銀行・第十五銀行ノ三行ヨリ之ヲ出弁スヘシ
第四 此録事ヲ発兌スルコトハ日報社ト約定ヲ結ンテ其准刻版権ノコトヲ日報社ヘ委任シ、並ニ同社ニ於テ之ヲ発売セシムヘシ、而シテ此刊本定価ノ法ハ、紙代印刷製本手間代等ヲ限リ、別ニ編輯費ヲ算入セサルヘシ
 - 第5巻 p.482 -ページ画像 
第五 右録事ノ売上利益ハ之ヲ折半シテ其一ヲ日報社ニ給シ、其一ヲ此会盟ニ収入シテ毎月三行出弁ノ内ヘ償却シ、尚残余アルニ至ラハ別ニ蓄積ニ立テ将来此経済講明ノ事務ヲ振張スルノ費用ニ供スヘシ
第六 右方法ニ従テ行フトキハ各位刊本要収ノ部数ハ更ニ従前ヨリモ倍蓰センコトヲ勉ムヘシ
第七 各位此方法ヲ以テ異議ナシトセハ、速ニ日報社ト協議約定ヲ修メ、而シテ録事改正ノコトハ次回即チ四月ノ刊本ヨリ之ヲ豹変センコトヲ要ス(畢)
原善三郎答議、原案ノ旨可ナリト雖トモ願クハ凡ソ一ケ年ヲ期シテ之ヲ行ヒ而シテ期ニ届レハ同盟均シク其損益ノ計算ニ任スヘシ、若シ此ヲ聴カサレハ、只其決算ノ損アル時ヲ以テ同盟均一ニ支捐スルヲ要ス原田銀造答議、稍原氏ノ議ニ類ス
渋沢栄一ハ此答議ヲ以テ更ニ各位ニ問テ曰、今原氏ノ答議ニ因テ即チ凡ソ一ケ年ノ費用ヲ原案ニ云所ノ三行ニ在ツテ那弁《(マヽ)》シ、其期限決算ノ日若シ損耗アレハ同盟均シク之ヲ担任償清スヘキコトニ定ムルノ一款ヲ増補シ、其他ハ原案ノ如ク決定スルモノハ如何
各位異議ナク、議問ノ如ク決定セリ
右ノ如ク決議スルニ因テ、辻金五郎ハ原案第六条ニ従ヒ、各行更ニ担当スヘキ部数ヲ今日ニ決定センコトヲ要求シ、乃チ第一銀行、三井銀行ハ各五十部ニ、第二銀行、第二十銀行ハ各三十部ニ、第三ハ二十部ニ増加セシガ、其他ハ即座ニ截定《(裁)》セス、故ニ総数未タ詳カナラス


銀行集会 理財新報 第一号・第一丁〔明治一一年五月二七日〕 銀行集会第十回録事(DK050107k-0003)
第5巻 p.482 ページ画像

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