デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治27年3月15日（1894年）

関東銀行会ニ提出スベキ議案其他ニ付テ協議ス。

集会録事　自明治二十六年一月　　　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第百四十一回定式集会録事　　　　　　　　　(印)
明治二十七年三月十五日午後五時同盟銀行第百四十一回定式会議ヲ開キ、渋沢委員長首メ来会スルモノ総テ二十五名ナリ
渋沢委員長ハ会長席ニ着キ、去ル廿四年九月以来当集会所ヨリ毎月日本銀行ヘ報告シタル当市通貨流通ノ景況ハ、今回大蔵大臣ノ令旨ニ基キ之ヲ休止シ、更ニ本年一月分ヨリ毎三ケ月ニ各種貨紙幣流通ノ過不足、便否及ヒ偽造変造貨紙幣流通ノ状況等、査報スヘキコトヲ同行ヨリ照会アリシ旨ヲ報道シ、衆皆領意セリ
次ニ来四月関東銀行会開会ニ付、当銀行集会所ヨリ同会ヘ提出スヘキ議案ヲ協議セシカ、昨年提出セシ銀行条例及貯蓄銀行条例修正案ハ既ニ第五議会ノ議ニ上リシカ、不幸ニシテ同会解散ノ為メ其望ヲ達スルニ至ラサリシカ、来ル五月開設セラルヘキ第六議会ヘ尚又右修正案ヲ提出スヘキ順序、及ヒ嚮ニ大蔵省ニ於テ取調ラレタル国立銀行営業継続法案ハ、政府ヨリ第五議会ヘ提出セラルヘキ運ヒニシテ、是亦解散ニ阻セラレタルヲ以テ今回ハ必ス之ヲ提出セラレンコトヲ請求スヘキ等ノ事件ニ止リ目下緊急ノ議件アラサルヘシ、但開会前ニ於テ各自ノ意見アラハ渋沢委員長ヘ通報スヘキ事トナシ、而シテ同会開会日限ハ幹事銀行ノト定スル処ニ任スト雖、予メ来ル四月十三四日花候ニ乗シ之ヲ開クヘキ事ニ協議セリ
次ニ毎年四月開設スヘキ同盟銀行懇親会ハ、本年ハ関東銀行会ノ開設ニ際会スルヲ以テ之ヲ略シ、四月十五日ヲ以テ関東銀行懇親会ヲ兼ネ之ヲ開キ、而シテ例年同盟銀行懇親会ノ例ヲ以テ日本銀行総裁等ヲ招請シ、其賓客ニ属スル費用ハ当集会所ノ負担スヘキ者ト為シ、関東銀行会開催ノ日此事宜ヲ評議スヘキ事ニ議決セリ
　　○関東銀行会明治二十六年十月二十三日ノ項参照。