デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第6巻 p.429-431(DK060127k) ページ画像

明治31年3月15日(1898年)

関東銀行会ニ提出スベキ議案トシテ、証券印税規則改正案、並ニ補助貨幣発行程度ノ件ヲ決議シ、且調査委員ヲエラビテ之ガ調査ニ当ラシム。


■資料

集会録事 自明治二十六年一月(DK060127k-0001)
第6巻 p.429-430 ページ画像

集会録事 自明治二十六年一月  (東京銀行集会所所蔵)
    ○百八十一回定式集会録事○明治三一年三月一五日
次ニ関東銀行会開会時期ヲ協議シテ来ル五月ト定メ且当日ハ
 一証券印税規則改正案
 一補助貨幣発行ノ程度
ヲ問題トシテ評議スヘキコトニ決セリ
但右二問題ノ内、証券印税規則一部ノ改正案ハ、去ル二十九年十月我組合銀行ノ意見ヲ具シ、既ニ大蔵大臣ニ稟請シ、爾来当路者ヨリ完全ナル該規則ノ改正案ヲ帝国議会ニ提起アランコトヲ希望シ、之レヲ促ス事屡々ナリト雖モ、未ダ以テ確答ヲ得ズ、尤モ当局者ハ我集会所ノ
 - 第6巻 p.430 -ページ画像 
改正案ニ対シ更ニ異議ナシト云フモ、右改正案ハ銀行関係ノ条項ノミニシテ一般ニ渉ラザルモノナレバ、此際委員ヲ設ケ完全ナル該規則改正案ヲ調査シ、以テ関東会ニ協議ノ上相当ノ順序ヲ経テ、帝国議会ニ提出スヘキ事
又補助貨幣発行ノ程度ヲ調査スル理由ハ、昨年十月貨幣法改正ノ趣旨ニ依リ、所謂硬貨制度ヲ布カレタルモノナレバ漸次一円札ヲ引揚ゲ、之レニ代フルニ補助貨幣ヲ以テスルノ目的ナリト伝聞セリ、果シテ然ラバ其発行ノ程度ニヨリ、将来取引上如何ナル不便ヲ感ズルモ難計ニ付、予メ之ヲ究講スルハ銀行者当然ノ務メナルベシト思惟スレバ、此際特ニ委員ヲ設ケ、之レガ調査ヲ為シ以テ関東会ニ協議スベキ事、右ニ付其委員ハ会長ノ指名ヲ以テ右ノ通リ選定シ各之ヲ承諾セリ
 証券印税規則改正調査委員
  池田謙三 三村君平 清水宜輝 大野清敬
  山口荘吉 島甲子二 松尾謹次
 補助貨幣発行程度調査委員
  波多野承五郎 佐々木勇之助 山川勇木
  長尾三十郎  清水宜輝   長谷川千蔵
  井上好雄
次ニ組合銀行定式集会開会時刻ノ件ニ付協議スル処アリシガ、矢張是迄ノ如ク午後五時ヨリ招集シテ五時三十分ニ開議スベキコトニ決シ
次ニ来ル四月某日東京奠都祭執行ノ当日同業者営業休止如何トノ談モアリシカ、組合銀行ハ休業セザル方然ルベシトノ事ヲ協議シ午後八時散会セリ
     当日出席者
          第一銀行 渋沢栄一○外三六名氏名略


銀行通信録 ○第一四九号・第六二二頁〔明治三一年四月一五日〕 証券印税規則改正第一回調査委員会録事(DK060127k-0002)
第6巻 p.430-431 ページ画像

銀行通信録
 ○第一四九号・第六二二頁〔明治三一年四月一五日〕
    ○証券印税規則改正第一回調査委員会録事
三月二十五日午後五時より証券印税規則改正委員会を開き、豊川副会長並委員池田、三村、清水、山口、島、松尾の諸氏出席せり、渋沢会長は本日所労にて出席成り難き故を以て其意見を書記長山中譲三氏に伝へ、以て各員に協議せしめ、且山中氏は本案に付目賀田主税局長に質問の顛末を縷述し、以て参考に供し、夫より種々討議する処ありしが、結局左の如く決定せり
証券印税規則改正案は政府より帝国議会へ提出するの手配未だ確定せざるが如くなれば、我銀行者より相当の手続を求め、衆議院に提出するの外なかるべし、就ては曩きに大蔵大臣への稟請案は只銀行取扱に関する事のみなれば、一般に関係の事項取調の為めには相当の法律家に協議し、該案の起草を托しては如何と渋沢会長の注意は一応尤もなりと雖も、時期已に切迫の今日なれば、先づ一昨年取調たる修正案に就き更に調査を加へ、之れを修正増補する丈けに止め、即ち該規則一部の修正案として議会へ提出することと為し、其他受取証書又は延期証書の類の如き疑点多き箇条は只其要点を挙げ、之を主務大臣へ稟請
 - 第6巻 p.431 -ページ画像 
して改正を望むことゝ為し、而して該案修正は委員山口荘吉氏に托し尚ほ来る四月五日第二回委員会に於て確定すべきことに決せり

銀行通信録 ○第一四九号・第六二五―六二六頁〔明治三一年四月一五日〕 補助貨幣調査委員会録事(DK060127k-0003)
第6巻 p.431 ページ画像

 ○第一四九号・第六二五―六二六頁〔明治三一年四月一五日〕
    ○補助貨幣調査委員会録事
三月二十五日午後五時より補助貨幣発行程度調査委員会を開き、豊川副会長並委員山川、清水、長谷川、井上、長尾の諸氏出席せり
書記長山中譲三氏は本案に関し松尾理財局長に質問の顛末を陳べ、並に同局長より領したる諸統計表外二三の取調書を提示して参考に供せり、爰に於て委員は種々討議する処ありしか、結局政府の目的は昨年十月貨幣法の改正により当時世上に流通せる一円紙幣(六千八百万円)は漸次之を引揚ぐるに決しありと雖、之れに代ふる補助貨幣新規発行の程度は先づ其半額(三千四百万円)と定め、而して三十年度に於ては一千万円を発行するの予算なりしも、之れを発行する亦自づから需給の程度を酌量せざるべからざるを以て、今日迄の発行高未だ六百余万円に過ぎずと云ひ、又現今の如く当市内に補助貨の充溢するにも拘はらず、或る地方には未だ潤沢せすと云ふが如きは、畢竟集散の方法不完全の致す処なるべけれは、其辺も目下講究中なりと云へば、我々が杞憂したる事は政府に於ても既に注意しあるが如し、然るときは本案は特に調査を要すべき価値なしと思惟すれば、其旨を会長に報告して卸任を求むべしと決定せり
    参考表(参考表は本号通貨欄に掲載す)
 一通貨流通高表  弐通 (大蔵省調査)
 一通貨人口割調外 七通 (大蔵省調査)
 一補助貨流通高調 弐通 (銀行集会所調査)
 一同上各地現況  壱通 (同上)