デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
2款 東京手形交換所
■綱文

第7巻 p.280-299(DK070040k) ページ画像

明治20年12月1日(1887年)

是ヨリ先、明治十九年一月、銀行集会所定式集会ニ於テ第一国立銀行ガ手形交換所新設ノ事ヲ建議シ、以来協議ヲ重ネ来リシガ、当分ノ内東京手形取引所附属交換所ト為スニ決シ、是日交換事務ヲ開始ス。栄一交換所委員タリ。


■資料

銀行集会所第十二回半季考課状 (自明治一九年一月至同年六月)(DK070040k-0001)
第7巻 p.281 ページ画像

銀行集会所第十二回半季考課状 (自明治一九年一月至同年六月)
              (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報道ノ事
一一月六日同盟第六十一回ノ定式集会兼新年賀筵ヲ当集会所ニ開キ
○中略
 第一国立銀行ノ建議ニヨリ、当集会所内ニ手形交換所ヲ開設シ手形流通ノ事業ヲ漸次拡伸センコトヲ協議セシニ、一同賛成シ、其規程及実際取扱手続等ハ委員撰定シ更ニ協議ヲ経テ定ムヘキコトニ議決セリ
○中略
一二月十五日、同盟第六十二回定式集会ニ於テ、曩ニ第一国立銀行ノ建案ニ係ル交換所規則草按ヲ報告シ、而シテ実際取扱手続等ハ、更ニ臨時集会ヲ開キ、同盟銀行役員中稍々熟練ノ者ヲ会集シ、逐条審議ヲ経テ撰定スヘキコトニ議決セリ
○中略
一二月十八日、臨時小集会ヲ開キ、委員及数行ノ役員会同シテ交換所規則草按ノ逐条会議ヲ為シ取捨修正ヲ加ヘタルニ因リ、再ヒ輪札廻議ヲ以テ同盟銀行ノ同意ヲ取リ、大蔵大臣閣下ニ稟候シ、認可ヲ経テ実施スヘキコトニ議決セリ


集会録事 従明治十五年第一月(DK070040k-0002)
第7巻 p.281-282 ページ画像

集会録事 従明治十五年第一月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第六十一回定式集会録事 ○明治一九年一月六日於東京銀行集会所開催
○中略
次ニ第一国立銀行ノ建議ニ拠リ、当集会所ニ於テ手形交換所ヲ開創シ漸ヲ以テ手形流通ノ事業ヲ拡伸センコトヲ協議セシニ、一同之ヲ賛成シ、而シテ其規程及実際取扱手続等ハ委員ニ於テ取調、次会ノ協議ヲ以テ決定センコトニ決議セリ、右議事竣テ晩餐ヲ了シ、八時下会散ス
    ○第六十二回定式集会録事
明治十九年二月十五日、同盟銀行第六拾二回定式集会ヲ開キ、来会スルモノ廿二名、各位座定リ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ起テ各位ニ告テ曰、本年一月定式集会ニ提出シタル所ノ第一国立銀行ノ建案ニ係ル交換所設立ノ事ハ当日可決ヲ得ルニ因リ、爰ニ其裁成シタル規則草按ヲ一読セシムヘシト、乃チ書史展読シ畢ル、同氏曰ク、交換所設立ノ事タル、今創始ニシテ能ク其理由ヲ熟知シタルモノ尠ナキカ為メニ、一日臨時集会ヲ開キ、同盟銀行役員中稍々熟練ノ者数名ヲ会集セシメ、逐条審議シテ以テ決定スヘキモノハ如何ト、衆皆賛成シ、立議ノ如ク施行スヘキコトニ決定セリ
    ○臨時小集会録事
明治十九年二月十八日午後五時、臨時小集会ヲ開キ、是日ノ会員ハ委員及委員ヨリ照知ヲ以テ数行ノ役員来会セリ、本日ノ議事ハ、本月十五日定式集会ニ議決シタル交換所規則草按ノ逐条会議ヲ要スヘキヲ以テ、乃チ之ヲ討議シテ或ハ添削ヲナシ或ハ修正ヲ加ヘテ決定シタルニ因リ、更ニ之ヲ輪札廻議ニ付シ、各同盟銀行ノ同意ヲ得タル後大蔵大
 - 第7巻 p.282 -ページ画像 
臣閣下ニ稟候シ、其認可ヲ経テ速ニ実施スヘキコトニ議決セリ
    ○第六十三回定式集会録事
明治十九年三月十五日、同盟銀行第六拾三回定式集会ヲ開キ、来会スルモノ二十二名ナリ、委員三井銀行副長西邑虎四郎氏各位ニ告ケテ曰ク、前会議決シタル交換所規則草按ハ其十八日委員及数行ノ役員相会シ逐条討議シテ以テ原按ヲ増損決定シ、又之ヲ各行ノ討議ニ付シ、並ニ其加入スルヤ否ヲ尋問セリ、然ルニ目今未タ該按ヲ熟読セラレサル者アルヲ以テ加入ノ有無未タ一決スルニ至ラサレハ、尚時日ヲ延シ、本月廿五日マテニ本会ニ向テ各決答アルヲ要スト、各位異議ナク承諾セリ


銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)(DK070040k-0003)
第7巻 p.282 ページ画像

銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)
              (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報告ノ事
○中略
一十一月十五日、同盟銀行第七十八回定式集会ニ於テ○中略
 手形取引所同盟銀行ヨリ該取引所内新ニ手形交換所ヲ置キ、毎日手形取引ノ時間内ニ於テ手形交換ノ事務ヲ創始スヘキ議案ヲ提出セシカ、衆皆同意スルヲ以テ、同月十八日再ヒ会同ヲ開キ、其方法ヲ決定スヘキニ協議セリ
一十一月十八日、手形取引所同盟銀行会同ニ於テ、第一国立銀行支配人佐々木勇之助氏ノ提出セシ手形交換所規則草案ヲ討議セシカ、要之東京ニ於テハ手形取引ノ慣例未タ充分ニ行ハレサルヲ以テ、先ツ簡易ノ方法ニ従ヒ実際ノ便利ヲ計リ漸次進テ繁盛ニ至ヲ望ムヘキナレハ、該交換所ハ当分手形取引所附属ト為シ、其委員又幹事等モ総テ手形取引所委員ニ在テ兼任スヘキモノト為シ、以テ十二月一日ヨリ開始スヘキコトニ決議セリ
   ○附属交換所ノ委員ハ手形取引所委員兼任ナルヲ以テ、第一国立銀行頭取渋沢栄一・第三国立銀行頭取安田善四郎・第三十三国立銀行頭取川村伝衛・第三十二国立銀行取締役山中隣之助・第二十七国立銀行頭取渡辺治右衛門ノ五名ナリ。


銀行通信録 第二四号・第九―一二頁〔明治二〇年一月二八日〕 録事(DK070040k-0004)
第7巻 p.282-283 ページ画像

銀行通信録 第二四号・第九―一二頁〔明治二〇年一月二八日〕
    ○録事
明治二十年十一月十五日、第七十八回ノ定式会議ヲ開キ、来会スルモノ二十五名ナリ○中略
次ニ手形取引所同盟銀行ノ中数行ノ来会者ヨリ、該取引所内新ニ手形交換所ヲ置キ、毎日手形取引ノ時間内ニ於テ手形交換ノ事務ヲ創起セハ、各行共ニ時間ト煩労トヲ省キ、且漸次手形ノ効用ヲ拡張スルニ至ルヘキヲ以テ、速ニ之ヲ挙行セント欲スルノ議ヲ提出セシカ、衆皆同意ヲ表スルニ因リ、手形取引所同盟銀行ニテ来ル十八日ヲ期シ再ヒ会同ヲ開キ、其実施ノ手続ヲ協議スヘキコトニ決定セリ
 附、本文ノ議決ニ拠リ、其十八日手形取引所同盟銀行ハ午後第五時ヨリ会同シ、第一国立銀行支配人佐々木勇之助氏ノ提出セシ交換所
 - 第7巻 p.283 -ページ画像 
規則草按ニ拠リ各位討議シタリシカ、東京ニ於テハ手形取引ノ慣例未タ十分ニ行ハレサレハ、厳然交換所ノ名称ヲ以テ之レヲ設立スルヨリハ、寧ロ簡易ニ就キ、実際ニ便利ヲ主トシ、漸ク進テ繁盛ニ至ルヲ望ムヘシ、就テハ該交換所ハ当分ノ内手形取引所附属ト為シ、其委員及幹事等モ総テ手形取引所ニ於テ選挙シタル委員ヲ以テ兼任スヘキモノト決シ、此訂正案ヲ以テ取引所委員ヨリ各同盟銀行ヘ通知セリ


東京交換所規則(DK070040k-0005)
第7巻 p.283-285 ページ画像

東京交換所規則 (東京手形交換所所蔵)
    手形交換所規則 (明治二十年十月議定)
第一条 此交換所ハ当分手形取引所附属トシテ、該同盟銀行中ニ於テ日々収入シタル他店ノ送金手形・振出手形及当坐預金引出小切手等ヲ交換決算スル為メ、之ヲ設立スルモノトス
第二条 此交換所ノ名称ハ東京手形取引所附属交換所ト称シ、日本橋区阪本町銀行集会所内ニ設置スヘシ
第三条 此交換所ニ出席スル銀行ハ手形取引所同盟ノ銀行ニ限ルヘシ故ニ此同盟銀行ヨリ手形取引所ニ差出シタル保証品ハ此交換所ノ保証品ニ兼用スヘシ
第四条 此交換所ノ交換時間ハ毎日(同盟銀行一般ノ休暇日ヲ除ク)午前十一時ニ開キ、同十二時迄ニ差引決算ヲ行フヘキモノトス
第五条 此交換所同盟銀行ハ、他店ノ手形・小切手ヲ所持スルト否トニ拘ハラス、毎日交換時間ニハ必ス交換所ヘ参集スヘシ
第六条 此交換所ニ於テ交換スヘキ手形・小切手ハ、此同盟銀行中ヨリ振出シタル手形、及此同盟銀行中ヘ宛タル手形・小切手ニ限ルモノトス
第七条 此交換所同盟銀行ハ交換スヘキ手形・小切手壱枚毎ニ其行名ヲ裏面ニ記載シ、且別紙書式ニ従ヒ交換添表ヲ作リ、之ニ其手形・小切手ヲ添ヘ、相手方ノ銀行ヘ差出スヘシ、相手方ノ銀行ニ於テハ其手形ヲ添表ニ引合セ、然ル後交換差引表ニ記入シ差引ヲ現ハシ、該表ヲ交換所幹事ヘ差出スヘシ
第八条 幹事ハ此差引表ヲ点撿シ、計算方ヲシテ交換差引仕訳帳ニ記入セシメ、之レヲ合計シテ比較総計ヲ現ハシ、計算ノ確実ナルヲ認メタル上之ヲ決算シテ、借リ方ノ銀行ヨリ小切手ヲ振出シ、之ヲ貸シ方ノ銀行ニ交付スヘシ
第九条 貸シ方ノ銀行ニ於テ右ノ小切手ヲ受取タルトキハ、直ニ之ヲ借リ方ノ銀行ヨリ取付ルモ、又ハ翌日ノ交換ニ持出スモ、都テ其銀行ノ随意タルヘシ
第十条 此交換所ニ於テ交換シタル手形・小切手ノ内不渡リナルモノアルトキハ、翌日交換時間迄ニ之ヲ出シタル銀行ヘ返付シテ、其代リ金ヲ受取ルヘシ
第十一条 此同盟銀行中前条規程ノ時限内ニ不渡トナリタル手形及小切手ノ返却ヲ受ケ其代リ金ヲ払渡サヽルカ、又ハ第八条交換所切手ノ取付ヲ受ケ支払ヲ為サヽルトキハ、相手方ノ銀行ハ其由ヲ交換所幹事ヘ申出ヘシ、然ルトキハ幹事ヨリ之ヲ委員ヘ報告シ、臨機ノ処
 - 第7巻 p.284 -ページ画像 
分ヲ求ムヘシ
第十二条 此交換所同盟中前条ノ支払ヲ為サヽルトキハ、其銀行ハ此交換所同盟ヲ除名シ、該銀行ニ係ル手形・小切手ハ同盟中ニ於テ一切受取ラサルモノトス
  但、本条ノ場合ニ於テハ委員ヨリ同盟一般ニ通知スヘシ
第十三条 此同盟銀行中自己ノ都合ニヨリ退会ヲ望ムトキハ一週間前ニ委員ニ申出ヘシ、然ルトキハ、委員ヨリ其趣ヲ同盟銀行一般ヘ通達シ、然ル後之ヲ許可スヘシ
  但、委員ノ許可ヲ得サル間ハ、第四条ノ交換時間ニハ必ス出席スヘシ
第十四条 此交換所ノ役員ハ当分ノ内左ノ如クナルヘシ
    委員       五名
    幹事       壱名
    計算方      壱名
第十五条 此交換所ノ委員ハ当分ノ内手形取引所委員ニ於テ之ヲ兼任ス
第十六条 交換所委員ハ此交換所諸般ノ事務ヲ整理シ、幹事ノ職掌ヲ監督シ、計算方ヲ任免シ、要用ト認ムルコトアレハ臨時総会ヲ開クコトヲ得ヘシ
第十七条 交換所幹事ハ手形取引所月番ニ於テ之ヲ引受ケ、適宜ノ役員ヲ出シテ勤務セシムヘシ
第十八条 交換所幹事ハ計算方ヲ指揮シ、日々ノ交換事務ヲ調理シテ交換上ノ貸借決算ヲ遂ケシムルモノトス、故ニ各銀行ノ出席員交換所ニ在ル間ハ総テ幹事ノ差図ニ従フヘシ
第十九条 計算方ハ委員及幹事ノ差図ニ従ヒ交換所ニ属スル諸計算ヲ整理スヘシ
第二十条 此交換所半季間費用ノ決算ハ毎年両度ノ総会ニ於テ之ヲ報告スヘシ
第二十一条 凡ソ同盟銀行五行已上ノ要請アルトキハ臨時総会ヲ開クコトアルヘシ
  但臨時総会ノ時日ハ其時々委員ヨリ報告スヘシ
第二十二条 交換所一切ノ費用ハ委員ヨリ報告スル所ノ計算ニ従ヒ毎半季同盟銀行ヨリ之ヲ支弁スヘシ、而シテ其出金ノ割合ハ総額ヲ二分シテ其一半ヲ平等ニ課シ、其一半ヲ交換シタル手形・小切手ノ金高ニ応シ出金セシムルモノトス
第二十三条 此規程ヲ更正スルハ同盟銀行三分ノ二已上ノ同意ヲ以テ之ヲ決スヘシ
右ノ条々履行スル証トシテ各其銀行ノ社印ヲ押捺スル者也
  明治二十年十月
                   第一国立銀行
                   第三国立銀行
                   第二十国立銀行
                   第二十七国立銀行
                   第三十三国立銀行
 - 第7巻 p.285 -ページ画像 
                   第六十国立銀行
                   第百国立銀行
                   第百十九国立銀行
                   第十三国立銀行支店
                   第三十二国立銀行支店
                   第三十五国立銀行支店
                   第八十九国立銀行支店
                   第百十三国立銀行支店
                   三井銀行
                   安田銀行
                   久次米銀行支店
   ○右交換所規則ハ明治二〇年一〇月議定ノモノナリ。然ルニ同年一一月一八日手形取引所同盟銀行ハ会同ヲ催シ、従前ノ規則草按ヲ議シ、東京ニ於テハ未ダ手形取引ノ慣例充分ニ行ハレザルニ因リ、厳然別個ノ手形交換所設置ヨリハ、寧ロ手形取引所附属ト為シ漸々隆盛ヲ待ツベシトテ、規則草按ニ訂正ヲ施セリ。(前出第一五回考課状・銀行通信録参照)併シナガラ右交換所規則ヲ検スルニ、附属交換所トナシ委員ノ手形取引所委員兼任ノ点等一八日議定ニ同ジ。右交換所規則ヲ以テ手形取引所附属交換所規則ト為スモ大過ナカラン。
   ○該交換所ニテハ今日ノ如ク交換差額ヲ日本銀行当座預金ノ振替勘定ニテ決済スルノ方法ナカリシガ故ニ、其決済ハ借方銀行ヨリ小切手ヲ振出シテ貸方銀行ニ交付セルヲ以テ、其結果交換所小切手ナル一種ノ勘定ヲ残シ、実際ノ決済ヲ為サント欲スレバ、則チ右小切手ノ取付ヲ為サヾルベカラザルノ不便アリ、又当時ニアリテハ現金取引猶全廃ニ至ラズシテ組合銀行往々交換時間前ニ於テ現金ノ取付ヲ為スモノアリ、其他猶欠点トスベキ事項一ニシテ足ラザルヲ以テ、開設以後三年有余ヲ経テ、遂ニ明治二四年二月二八日限リ之ヲ閉鎖スルコトヽナレリ。(「東京手形交換所沿革大要」ニヨル)
   ○該手形交換所ノ呼称ハ、東京手形交換所沿革大要及東京交換所一覧ニ依レバ「明治二十年十二月一日東京手形交換所ヲ創立シ云々」ト称スレドモ、手形交換所規則第二条ニ「此交換所ノ名称ハ東京手形取引所附属交換所ト称シ」トアルヲ以テ之ヲ正シキ名称トナスベシ。


銀行通信録 第二五号・第八―一〇頁〔明治二〇年一二月二八日〕 録事(DK070040k-0006)
第7巻 p.285 ページ画像

銀行通信録 第二五号・第八―一〇頁〔明治二〇年一二月二八日〕
    ○録事
○中略
明治二十年十二月十五日、第七十九回ノ定式集会ヲ開キ、来会スル者廿六名ナリ
○中略
次ニ、前会ノ協議ニ依リ本月一日ヨリ開始シタル手形交換所ニ於テ日日交換シタル手形ノ金額及其枚数等ヲ示シ、其概況ヲ報告セリ
○中略
又、渋沢栄一氏ハ、此頃英国ヨリ帰朝セラレタル収税官添田寿一氏英国滞在中手形交換所ノ実況ヲ親閲シ且之ヲ訪査セシ所アリト云ヲ以テ一日招致シテ其実況見聞ノ談話ヲ聴クヘキノ議ヲ発シ、衆皆同意ニ付来廿一年一月六日新年会ノ宴席ヘ来会ヲ乞フ可キコトニ決議セリ、右議竣テ晩餐シ、九時下一同退会ス
 - 第7巻 p.286 -ページ画像 

銀行通信録 第二六号・第四―六頁〔明治二一年一月二八日〕 録事(DK070040k-0007)
第7巻 p.286 ページ画像

銀行通信録 第二六号・第四―六頁〔明治二一年一月二八日〕
    ○録事
明治二十一年一月六日、同盟銀行第八十回ノ定式集会ヲ兼ネ新年賀宴ヲ開キ○中略
右議事畢テ晩餐ヲ了シ、嘗テ添田寿一君ニ約スル所ヲ以テ、同氏欧米ニ於テ実見セラレタル手形交換所ノ景況ヲ演述セラレタリ


銀行通信録 第二五号・第四二―四三頁〔明治二〇年一二月二八日〕 手形交換所(DK070040k-0008)
第7巻 p.286 ページ画像

銀行通信録 第二五号・第四二―四三頁〔明治二〇年一二月二八日〕
○手形交換所 手形交換所創立ノ企望ハ嘗テ同盟銀行中ニ胚胎セシ一議題ニシテ、前年来屡々計画セシカ、東京地方ニ於テハ手形取引ノ慣例古来行ハレサルヲ以テ、実際着手ノ運ヒニ至リ難ク荏苒今日ニ至リシカ、頃日同盟銀行中十余ノ銀行申合セ、其方法ヲ定メ、手形取引所ノ附属トシテ本月一日ヨリ其交換ヲ試ミタリシカ、手形ノ枚数・金額等漸次増加ノ勢アツテ、早晩十分ノ功力ヲ生スヘキハ又疑フヘカラサル所ナリ、抑手形取引ノ商業上ニ於テ至緊至要ノ方法ナルコトハ敢テ論スルヲ須ヒスシテ、此業ノ進歩スルハ即商業進歩ノ証符ナレハ、手形交換所ノ繁閑ヲ報道スルハ是亦商業世界ニ於テ緊要ノ一事務ト云フベシ、然而シテ今玆ニ其第一報ヲ載スルニ於テ、別表記スル所ノ如ク僅カ数日間ニ於テ次第ニ進歩ノ計算ヲ現ハシタルハ、其同盟銀行ノ幸福ノミナラス、東京商賈ノ慶スヘキ者ナリト信スルナリ、其日々ノ実況ハ左表ノ如シ

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 日付   振出手形      送金手形       小切手         合計      交換差引高     枚数  金額    枚数  金額     枚数  金額     枚数  金額 一 〃  2    212.360   9   5,690.735   64   54,411.375   75   60,314.470   30,170.978二 〃  1   7,400.000   6   1,543.954   70   48561.309   77   57,505.263   40,993.057三 〃  1   1,934.034   4   8,400     38   21034.088   43   31,368.122   11,358.966五 〃  1     3.960   10   2,558.684   25   19422.844   36   21,985.488   12,952.833六 〃       0     32   20,293.600   42   21982.730   74   42,276.330   14,395.995七 〃  1     5.610   8   4,155.339   37   33,574.838   46   37,735.787   19,408.397八 〃  1     3.523   16   3,792.462   27   14,007.953   44   17,803.938   10,158.085九 〃  3     47.850   15   4,298.702   54   24,943.575   72   29,290.127   6,928.507十 〃  1    100.000   18   8,530.460   44   22,498.757   63   31,129.217   13,472.154十二〃  2   21,634.346   13   14,909.336   29   22,669.319   44   59,213.001   27,052.607十三〃  1    700.000   16   6,665.135   39   31,417.017   56   38,782.152   18,892.428十四〃  5    180.000   29   4,923.484   26   18,620.996   60   23,724.480   9,431.980十五〃  1   2,500.000   15   6,688.960   73   36,116.984   89   45,305.944   16,163.670    20   34,721.683  191   92,450.851  568  369,261.785  779   496,434.319  231,379.657




東京経済雑誌 第一六巻第三九五号・第七三四頁〔明治二〇年一一月二六日〕 東京の手形交換所(DK070040k-0009)
第7巻 p.286-287 ページ画像

東京経済雑誌 第一六巻第三九五号・第七三四頁〔明治二〇年一一月二六日〕
 - 第7巻 p.287 -ページ画像 
    東京の手形交換所
東京に一の手形交換所を起さゞる可からずとは既に明治八九年の頃より其議ありし所なれども、未た時機の熟せざりし為め其まゝに成り行き、昨春も弥々之を創設せざる可からずとて、既に規則の草案までも成りしと雖も、時恰も商況の不景気に際し、是れまて行ひ来りし手形取引までも中止の姿となりし程なれば、此際交換所を起すも迚ても人気進まざる可しとて、又々其まゝに打ち過きしが、今日に至てハ不景気も漸く過きて幾分か恢復の運に向はんとしたれば、一層交換所の必要を感するに至りたりとて、曩きに銀行同盟会に於て発言せし会員ありしが、其後一二回の協議を経て、先づ試みに来十二月一日より是れまで行ひ来れる手形取引の附属として手形交換を行ふことに決したり固より是は唯試撿の為めなれば、公然其筋の認許を経しと云ふにはあらずして、規則の如きも至極簡易にして、仲間中の申合せたるに過ぎず、其手続きは大抵大坂交換所と同一なれども、大坂交換所の如く午前午後の二回に開かずして、唯是迄の手形取引を行ふ時間、即ち午前十一時より十二時まての間に行ふよしなり、府下の手形取引も其商業と共に追々盛大に赴く可ければ、此交換所の如きも初めは斯く微々たるも、将来予想外の盛大に達すること敢て遠きにあらざる可し


銀行集会所第十三回半季考課状 (自明治一九年七月至同年一二月)(DK070040k-0010)
第7巻 p.287 ページ画像

銀行集会所第十三回半季考課状 (自明治一九年七月至同年一二月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報道ノ事
一七月十六日、同盟第六十六回ノ定式集会ニ於テ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ本年上半季間金銀出納ノ精算ヲ報告セリ
○中略
 是日定式集会開設ニ先チ、手形取引所同盟銀行ノ総集会ヲ開キ、手形取引所規則第三条予備抵当ノ一項ヲ廃止シ、之ヲ大蔵大臣閣下ヘ上申シ、八月一日ヨリ此改正ニ照ラシ履行スヘキコトニ決定セリ


集会録事 従明治十五年第一月(DK070040k-0011)
第7巻 p.287 ページ画像

集会録事 従明治十五年第一月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第六十六回定式集会録事 ○明治一九年七月一六日開催
○中略
本日定式集会開設ニ先チ、手形取引所同盟銀行ノ総集会ヲ開キ、手形取引所規則第三条予備抵当廃止スヘキ事ヲ協議セシニ、原按ノ通リ議決セシヲ以テ、之ヲ大蔵大臣閣下ヘ上申シ、来ル八月一日ヨリ改正規則ヲ遵奉スヘキコトニ決定セリ


銀行集会所第十四回半季考課状 (自明治二〇年一月至同年六月)(DK070040k-0012)
第7巻 p.287-288 ページ画像

銀行集会所第十四回半季考課状 (自明治二〇年一月至同年六月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報告ノ事
○中略
一二月十五日、第七十一回ノ定式集会ニ於テハ、会務緊要ニ係ルモノナク、又手形取引所ハ昨年八月頃ヨリ取引甚タ寥々ニシテ旧冬以来殆ント休業ニ属スルヲ以テ、本日該規則ニ修正ヲ加ヘ、其取引ノ方
 - 第7巻 p.288 -ページ画像 
法ヲ改良スヘキ議案ヲ提出シタレトモ、該委員出席セサリシカ故ニ尚次会ヲ俟ツヘキコトニ議了セリ


銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)(DK070040k-0013)
第7巻 p.288 ページ画像

銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報告ノ事
一明治二十年七月十五日、第七十六回定式集会ニ於テ、月番銀行ヨリ本年上半季間金銀出納ノ決算ヲ報告セリ
 次ニ手形取引所委員ヨリ、本年四月中改正シタル手形取引所規則ニ準シ其取引ヲ実施スヘキコトヲ協議セシカ、当日欠席者アルヲ以テ更ニ輪札廻議ニ付スヘキコトニ議定セリ
○中略
    諸御達並願伺届ノ事
○中略
一十月十九日大蔵大臣閣下ヘ手形取引所規則増補更正ノ旨ヲ上申セリ
   ○手形取引所規則増補更正条項ノ詳細不明。


銀行集会所第十六回半季考課状 (自明治二一年一月至同年六月)(DK070040k-0014)
第7巻 p.288 ページ画像

銀行集会所第十六回半季考課状 (自明治二一年一月至同年六月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行集会決議及報告ノ事
○中略
一五月十五日、同盟第八拾三回定式集会ニ於テ、当坐預金利息及「クロスチヱツキ」ノ件ヲ協議シ、左ノ如ク決定セリ
○中略
 クロスチヱツキノ件ハ、大阪同盟銀行集会所ヨリ本年三月二十三日付ヲ以テ照会スル所ニ係レリ、此方法ハ現ニ欧米諸邦ニ行ハレ、一個人ノ間ニ於テ諸手形及小切手等ヲ送致スルトキハ其手形面ニ「クロス」ヲ為シ、何銀行ニ交付スヘシト指定スルモノナレハ、逓送途中万一遺失又ハ盗難其他ノ災害ニ罹ルト雖トモ、其指名銀行カ之ヲ持参スルニアラサレハ其金額ヲ仕払ハサルモノニシテ、至極安全ノ良法ナリ、今大阪同盟銀行モ亦此方法ヲ酌用シテ手形裏面ニ印章ヲ押捺スルモノハ、要之其災害ヲ予防スルノ点ニ至リテハ、蓋長短ナキカ如クナルヲ以テ、我同盟銀行ハ此照会ニ対シ同意ヲ表シ、而シテ東京ヨリ大阪等ヘ送達スヘキ手形ハ多クハ送金手形ノ類ナルニヨリ、我同盟銀行ヨリ発送スヘキ分ハ手形面ニ何銀行又ハ持参人トアル其持参人云々ノ数字ヲ塗抹スヘキヲ以テ、此項ノ手形及裏書ヲ以テ特ニ其受取銀行ヲ指名シタル手形等ハ総テ其指定シタル銀行ニ限リ仕払フヘキモノト領知セラレンコトヲ大阪同盟銀行ヘ回答スヘク又我同盟銀行中ニ於テハ従前他店手形及小切手等裏書ヲ以テ該金額ヲ収領スルトキハ其社員ノ小印ヲ押捺シテ受授スルモノ往々之レアリシカ、漸次手形ノ流通スルニ至レハ随テ其弊害無キ能ハス、已ニ「クロスチヱツキ」ノ方法ヲ実行スルニ決定シタル以上ハ、自今各行共ニ他店手形ノ受取方ニ押用スヘキ印章ヲ一定シ、同盟中相互ニ其印鑑ヲ交換スヘキコトニ決議セリ
 - 第7巻 p.289 -ページ画像 

銀行集会所第十八回半季考課状 (自明治二二年一月至同年六月)(DK070040k-0015)
第7巻 p.289 ページ画像

銀行集会所第十八回半季考課状 (自明治二二年一月至同年六月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    ○同盟銀行集会決議及報告ノ事
一一月七日、賀新ノ礼ヲ兼ネ第九十一回定式集会《(九十)》ヲ開キ、委員ヨリ報告及議決スル所左ノ如シ
○中略
 客臘銀行局ヨリ我仮設手形交換所ハ如何ナル実況ナルヤ、必ス其便利ノモノタルヲ得ハ自今毎月実際報告ヲ開申スヘキ旨口達セラレタルニヨリ、本月ヨリ其報告表ヲ開申スヘキ事ニ決議セリ
○中略
一二月十五日、同盟第九十二回定式集会《(一)》ニ於テ
○中略
 手形交換所事業ハ漸次便利ノ効有リ、且客歳十二月銀行局ノ口達ニヨリ本年一月ヨリ毎月交換実際報告表ヲ開呈スヘキヲ以テ、此際其規則ヲ修正シ、而シテ東京同盟銀行ハ務メテ此交換所ニ加入シ、其同盟銀行ノ手形ハ必ス交換所ニ於テ決算スヘキモノトセハ、交換所ノ事業ト共ニ同業者ノ便利ヲ得ヘキニ付、此ノ如ク改正スヘキコトニ決議セリ
○中略
一五月廿五日、臨時集会ニ於テ、委員三井銀行副長西邑虎四郎氏ハ、去ル十六日日本銀行総裁富田鉄之助氏ヨリ同行取引アル銀行ノ役員ヲ招キ商業手形拡張ノ事ヲ以テ演述アリシニ因リ、其銀行ノ役員ハ特ニ会同シテ商業手形奨励ノ方法ヲ審議シ、宜シク先ツ銀行集会所ヨリ府内重立タル商人若干名ヲ招キ手形使用上ノ便否得失ヲ詢議シ其手形ノ拡張ニ随ヒ彼ノ融通手形ノ如キハ漸次之ヲ檳斥スヘキ方法ヲ精究スヘシトシ、且当日松方大蔵大臣閣下ヨリ生糸荷為替取扱上ニ係リ渋沢栄一氏ニ訓示セラレタル事アルヲ以テ、此等協議ノ為メ殊ニ本日ノ会同ヲ要シタル旨ヲ告ケ、議決スルコト左ノ如シ
 富田日本銀行総裁ヨリ談話アリシ商業手形取引実施ノ方按ハ、渋沢氏ノ説ニ依リ、府内重立タル商人ヲ当集会所ヘ招キ、其取引ノ便利ナル事情ヨリ其割引方法ニ至ル事ヲ協議シ、漸次手形取引ノ慣習ヲ養成セシムルヤウ尽力スヘキコトニ議決セリ
   ○手形取引拡張ノ件ニツイテハ本章第一節第六款東京集会所明治二二年五月二二日ノ項(第六巻第一七六頁)参照。


会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月(DK070040k-0016)
第7巻 p.289-290 ページ画像

会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第九十回定式集会録事 ○明治二二年一月七日開催
○中略
一規程ニ拠リ当集会所委員・手形取引所委員及商工会員等之ヲ改撰スヘキ旨ヲ告ケ、其投票ヲ要スルニ当リ来会者挙テ前員ノ再任スルヲ望ミタルニ因リ、原・山中ノ両氏ハ即時承諾ヲ表シ、而シテ本日来会セサル諸氏ニハ之ヲ照知シ其承諾ヲ要スヘキ事ニ協議セリ、今其再任ヲ望マレタル諸氏ノ姓名ヲ記スルコト左ノ如シ
 - 第7巻 p.290 -ページ画像 
        銀行集会所委員○姓名略
        手形取引所委員
            第一銀行頭取   渋沢栄一
            第三銀行頭取   安田善四郎
            第卅三銀行頭取  川村伝衛
            第廿七銀行頭取  渡辺治右衛門
            第卅二銀行取締役 山中隣之助
        東京商工会員○姓名略
一客臘銀行局ヨリ我カ仮設ニ係ル手形交換所ハ如何ナル実況ナルヤ、必ス其便利ノ者タルヲ得ハ自今毎月実際報告ヲ開申スヘキ旨ヲ談示セラレタルニ因リ、本月ヨリ其報告表ヲ開申スヘキコトニ決議シ、且ツ手形交換所ノ事業ヲ一層拡張セシメン為メ近日会同シテ以テ其規則ヲ修正スヘキコトヲ約セリ

    ○同盟第九十一回定式集会録事 ○明治二二年二月一五日開催
明治二十二年二月十五日、同盟第九十一回定式集会ヲ開キ、来会スル者二十六名ナリ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ入社金逓減外四項ノ議案ヲ発シ、決議スル所左ノ如シ
○中略
其五ハ、手形交換所事業漸次便利ヲ与ヘ且客歳十二日銀行局ノ需メ有ルニ因リ本年一月以来毎月実際交換報告表ヲ開呈スルニ至リタルヲ以テ、自今手形取引所附属ノ名義ヲ除キ並ニ其規則ヲ修正シテ独立ノ者トナシ、而シテ東京同盟銀行ハ務メテ交換所ニ加入シ、其同盟銀行ノ手形ハ必ス交換所ニ於テ決算スヘキ者トセハ、交換所ノ事業ハ倶ニ同業者ノ便利モ益進ムヘキニ付、更ニ其加盟アランコトヲ勧誘シ、併テ規則ヲ修正スヘキコトニ決議シ、及ヒ此改正ノ為メ該委員ハ同盟中之四銀行ニ向ヒ指名シテ委員ヲ増撰シ以テ従事スヘキ事ヲ議了セリ
右議事竣テ晩餐シ、九時下退会セリ
   ○明治二二年五月二五日臨時集会開催。商業手形拡張ニツキ、去ル一六日日銀総裁ヨリ指示アリシニヨル。当日ノ録事、富田日本銀行総裁演説筆記並ビニ関係資料ハ明治二二年五月二二日(第六巻第一七六頁)ノ項ニ収ム。


東京日日新聞 第五二八三号〔明治二二年六月九日〕 手形発行に関する相談会(DK070040k-0017)
第7巻 p.290-291 ページ画像

東京日日新聞 第五二八三号〔明治二二年六月九日〕
手形発行に関する相談会 府下同盟銀行の重なる人々が去月二十五日の相談会に於て議決したる議に基き、昨日午後三時より府下の呉服太物・唐糸・金巾・米・酒・洋反物・紙・砂糖・綿商の組合中の重なる人々十五名程を坂本町銀行集会所に招き、手形発行に付ての相談会をぞ開かれたる、当日同盟銀行よりハ委員として渋沢・西村・安田・渡辺の四氏出席して、先づ日本銀行総裁の意見を簡単に演述し、且其発行に関する良方法を求められたるが、何れも其旨趣にハ至極同意なれども、何分従来の商業ハ現金取引のみにて未だ手形流通の習慣なけれバ、其流通の方法に至りてハ困難の事情少なからず、去れバ来会者は各組合中の人々に其方法を質し、組合の報告を得て再会合し、篤と
 - 第7巻 p.291 -ページ画像 
熟議を遂ぐべしとの事に決したり、次に、此手形を流通せしむるに於てハ、我国商業上に新しき習慣を起すものなれば、各銀行にても之を通例の貸附金と同視せず、充分利足を引下げられたしとの請求もありたれど、此等の事ハ委員に於ても各銀行と相談の上ならでハ決し難きことなれバ、当日は此儘にて散会したりとぞ


銀行集会所第十九回半季考課状 (自明治二二年七月至同年一二月)(DK070040k-0018)
第7巻 p.291 ページ画像

銀行集会所第十九回半季考課状 (自明治二二年七月至同年一二月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    ○同盟銀行集会決議及報告ノ事
○中略
一十一月二十七日午後七時ヨリ委員会ヲ開キ、一般金融運転上ノコトニ関シ均シク其利便ヲ得ルノ途ヲ講究センコトヲ評議セリ、其要旨ハ、銀行タルモノハ尤モ信用ヲ重ンシ、取引上成ルヘク手形ヲ使用シテ現金逓送ノ不便ヲ避クルハ目下ノ急務ニシテ、之ヲ実施セントスルニハ、先ツ日本銀行ヲ一大機関ト為シテ各銀行之ニ応シテ運動セハ、全国為換ノ振替法其他利便ノ途ヲ得ルモ敢テ亦難キニアラサルヘシ、又其方按ニ至リテハ各熟考シテ以テ更ニ協議ヲ経、漸次定式ノ月次会ニ提出シテ衆議ニ付スヘシ、就テハ近来定式ノ会同冷淡ナレハ、此際大ニ会法ヲ改良シテ規模ヲ拡張シ、毎会日本銀行総裁ニモ臨席ヲ請ヒ、同行トノ交誼ヲ厚フシ、双方ノ事情ヲ通シ、以テ一般金融ノ運転ヲ暢達スヘシト云ニ在リ、因テ来十二月四日ヲ期シ同盟臨時総会ヲ開キテ協議スヘキコトニ決議セリ
一十二月四日、同盟銀行臨時集会ニ於テ○中略
 手形交換所拡張ノ方案ハ、現在ノ規程ニ改正ヲ加ヘ之ヲ次会ニ提出シテ決議スヘク、且其広ク加入ヲ望ムハ勿論ナレトモ、又不信用ナルモノヲ加入セシムルハ同盟ノ厭忌スル処ナレハ、今後加入ヲ望ムモノアルトキハ匿名投票ヲ為シ、其点数十分ノ八以上ニ達セサレハ之ヲ謝絶スルモノトシ、又同盟中不信用ノ聞ヘアルモノハ是亦匿名投票ヲ以テ退会セシメ、若クハ特ニ忠告委員ナル者ヲ撰ミ勉メテ其匡正ヲ謀ルヘシ


会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月(DK070040k-0019)
第7巻 p.291-292 ページ画像

会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○同盟臨時集会録事 ○明治二二年一二月四日開催
○中略
其三 手形交換所ナルモノハ一昨年有志銀行相議シテ仮設セシ所ニシテ、爾来皆其利便ヲ称シ漸次旺盛ノ景況ナリト雖トモ、其交換所同盟外ノ銀行ニ関スル手形ヲ取扱ニ至テハ相互ニ現金ヲ授受スルノ不便アリテ、交換所ノ効用未タ十分ナラサルノ憾アルニ因リ、此際東京同盟銀行ニ敢テ加盟センコトヲ誘導シ、若シ出席ニ差支ユルモノアレハ交換所同盟ノ銀行ヘ代理ヲ委托セシメ、又之ヲモ肯セサル者ハ其手形・小切手等ハ一切之ヲ収受スヘカラサルコトニ規約シ、大ニ以テ手形交換ノ便利ヲ拡張センコトヲ要ス
此議案ニ対シ各論精議シテ以テ決定スルコト左ノ如シ
○中略
 - 第7巻 p.292 -ページ画像 
第三項 手形交換所拡張ノ件ハ現行ノ規程ニ改正ヲ加ヘ之ヲ次会ニ提出シテ決スヘク、且其広ク加入ヲ望ムハ勿論ナレトモ、又不信用ナルモノヲ加入セシムルハ同盟ノ厭忌スル処ナレハ、今後加入ヲ望ムモノアルトキハ匿名投票ヲ為シ、其点数十分ノ八以上ニ達セサレハ之ヲ謝絶スルモノトシ、又同盟中不信用ノ聞ヘアルモノアル時ハ是亦匿名投票ヲ以テ退会セシメ、若クハ特ニ忠告委員ナル者ヲ撰ミ勉メテ其匤正ヲ謀ルヘキコトニ議決セリ
   ○附属交換所規則改正ノ件ハ持越サレヤガテ東京交換所設立ニ依リテ実現ス
   ○尚明治二三年二月四日、大蔵省銀行局長田尻稲次郎ハ東京府下ノ重立チタル各商家及銀行家等ヲ東京銀行集会所ニ招集シ、手形取引奨励ノ急務ナル所以ヲ演述ス。依テ其意ヲ体シ、同年六月一八日、東京商工会ト共ニ銀行集会所ハ手形取引ヲ旺盛ナラシムル方法ヲ同局長ニ復申セリ。本書第二編第一部第七章ノ「東京商工会」明治二三年六月一八日ノ項参照。


銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)(DK070040k-0020)
第7巻 p.292-293 ページ画像

銀行集会所第十五回半季考課状 (自明治二〇年七月至同年一二月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及附属交換所ノ事
当手形取引所ハ昨年来久シク休業ノ姿ナリシカ、十月五日該同盟銀行会同熟議シテ以テ従前ノ規則ヲ改正シ、更ニ予備抵当品ヲ置クヘキコトニ定メ、其六日ヨリ該同盟銀行ハ毎日社員ヲ派出シテ取引ニ従事セシカ、一般金融漸次引締ノ情況ナルカ為ニ日々相応ノ出合アリテ、爾来十二月下旬頃迄ハ格別ノ変動モナク、当所割引日歩ハ二十日間弐銭ヨリ弐銭壱弐厘、大阪送金ハ五日間本打五銭乃至六銭ノ間ヲ往来シ居リシカ、二十日頃ヨリ大阪地方金融逼迫ノ為メ大阪送金ニハ五日間逆打四銭ノ打歩ヲ要シ、随テ当府下ノ金融モ歳晩ニ連レ大ニ繁劇ヲ加ヘ当所割引ハ十日間弐銭五厘ノ高歩ヲ現ハスニ至タリ、玆ニ本年十月五日ヨリ十二月卅一日迄ニ取組タル金額ヲ挙クレハ、当所割引手形ハ三拾八万円(此手形五拾枚)ニシテ、大阪其他ノ地方ヘ差向ケタル送金手形ハ弐拾四万六千円(此手形五拾弐枚)ナリ、其詳細ハ左表ノ如シ

  摘要      十月     十一月     十二月      合計
            円       円       円       円
 大阪参着  八一、〇〇〇  五五、〇〇〇  七五、〇〇〇 二一一、〇〇〇
 西京同     ………     ………    五、〇〇〇   五、〇〇〇
 神戸同     ………     ………    五、〇〇〇   五、〇〇〇
 名古屋同    ………     ………    三、〇〇〇   三、〇〇〇
 静岡同    二、〇〇〇    ………     ………    二、〇〇〇
 大阪電信    ………   二〇、〇〇〇    ………   二〇、〇〇〇
 当所割引  八五、〇〇〇 一九五、〇〇〇 一〇〇、〇〇〇 三八〇、〇〇〇
 合計   一六八、〇〇〇 二七〇、〇〇〇 一八八、〇〇〇 六二六、〇〇〇

手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
    第一国立銀行        三井銀行
    第三国立銀行        第百十九国立銀行
    第二十国立銀行       第廿七国立銀行
    第三十三国立銀行      第六十国立銀行
    第百国立銀行        第十三国立銀行支店
    第二十八国立銀行支店    第三十二国立銀行支店
    第八十九国立銀行支店    第百十三国立銀行支店
    安田銀行          久次米銀行支店
      以上拾六行
 - 第7巻 p.293 -ページ画像 
手形交換所ハ本年十二月一日ヨリ当分手形取引所附属トシテ其交換ヲ試ミタルモノニシテ、日尚浅シト雖トモ漸次増進スルノ傾向アリ、爰ニ日々交換シタル手形ノ金額枚数等ヲ示スコト左ノ如シ
   摘要       金額          手形枚数
                    厘
  振出手形     六五、五四四、三八五     五九
  送金手形    二四一、八四七、八七八    六一九
  当坐小切手   九二四、七九三、七一四  一、三〇六
  合計    一、二三二、一八五、九七七  一、九八四
  交換差引高   五一九、七五八、一八六    三〇四


銀行集会所第十六回半季考課状 (自明治二一年一月至同年六月)(DK070040k-0021)
第7巻 p.293-294 ページ画像

銀行集会所第十六回半季考課状 (自明治二一年一月至同年六月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及附属交換所ノ事
当季間手形取引所ノ概況ヲ挙クレハ、世間一般ノ商況活溌ナラサルヲ以テ金融ノ運転モ亦快利ナラス、故ニ大阪其他ノ地方為換及当所割引手形取組高共僅少ニシテ、特ニ記スヘキモノナシ、全取組高及打歩ハ左ノ如シ
                                                           合計
 摘要        一月      二月      三月     四月      五月      六月      金額 枚数
            円       円       円      円       円       円       円
大阪参着為替  三七、〇〇〇  四〇、〇〇〇  五二、〇〇〇 四五、〇〇〇  二九、五〇〇  四四、〇〇〇 二四七、五〇〇  四二
京都同      三、〇〇〇    ………     ………    ………     ………     ………    三、〇〇〇   一
名古屋同      ………     ………     ………   四、〇〇〇    …………    ………    四、〇〇〇   一
当所割引手形 一一七、〇〇〇 一一〇、〇〇〇 二〇五、〇〇〇 五〇、〇〇〇 一〇〇、〇〇〇  六九、〇〇〇 六五一、〇〇〇  九三
合計     一五七、〇〇〇 一五〇、〇〇〇 二五七、〇〇〇 九九、〇〇〇 一二九、五〇〇 一一三、〇〇〇 九〇五、五〇〇 一三八

但 当所割引打歩 最高弐銭三厘 最低壱銭八厘
  大阪参着送金 最高本打四銭 最低逆打七銭
 京都名古屋参着送金 無打

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 摘要   金額   一月           二月            三月             四月           五月            六月             合計      枚数 小切手  金  六二七、四一九・二四〇   六二三、五六八・六二九   六〇四、三九九・一三〇   五一七、一〇九・八七八   六二七、五七一・九〇〇   六五一、九九四・〇三二   三、六五二、〇六二・八〇九      枚          九一五         一、二〇〇         一、一三九         一、一四四         一、二三五         一、二四七           六、八八〇 送金手形 金  一九六、六五四・二四六   一七五、七八六・四八五   二六二、七一〇・一五九   二四九、六七八・六一〇   二四二、八二〇・九二九   二二五、六八〇・六一九   一、三五三、三三一・〇四八      枚          五四一           六八二           七一九           六五八           八二〇           八三〇           四、二五〇 振出手形 金   五八、一二九・五三三   三〇、八八一・一七三     七七、一九八・四九〇   一一三、〇三〇・九三五    八〇、一五〇・九七五    九四、八三八・三五八     四五四、二二九・四六四      枚           二八           五一             七七            六八            四二            五六             三二二 合計   金  八八二、二〇三・〇一九   八三〇、二三六・二八七   九四四、三〇七・七七九   八七九、八一九・四二三   九五〇、五四三・八〇四   九七二、五一三・〇〇九   五、四五九、六二三・三二〇      枚        一、四八四         一、九三三         一、九三五         一、八七〇         二、〇九七         二、一三三          一一、四五二 



 - 第7巻 p.294 -ページ画像 
手形交換所ハ昨二十年十二月ノ創設ニ係リ未タ成業ニ至ラスト雖トモ該同盟各銀行皆其便利ヲ称スルニ付、自今数月ノ後ニハ金融社会ニ於テ充分ナル効用ヲ与フヘキモノト信セリ、当半季間各種手形交換高及其枚数等ハ左表○第二九三頁ニ詳カナリ
手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                    第一国立銀行 ○外一五行行名略


銀行集会所第十七回半季考課状 (自明治二一年七月至同年一二月)(DK070040k-0022)
第7巻 p.294-295 ページ画像

銀行集会所第十七回半季考課状 (自明治二一年七月至同年一二月)
               (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及附属交換所ノ事
当季間手形取引所ニ於テ取組タル総高ヲ前季ニ比スレハ弐拾壱万六千円ヲ増加シタリト雖トモ、金融ノ景況ハ活溌ナラスシテ、当所割引日歩ノ如キ七八月ヨリ九月中旬迄ハ弐銭内外ニ居リ、其下旬ニ及ヒ横浜表生糸在荷ノ停滞ニ因リ金融少シク繁忙ニ赴キ、十月十日頃ニハ大阪金融逼迫ノ報ニ接シ一時同地ヘノ送金緊急ヲ告ケシヲ以テ、当所割引歩合モ弐三厘方騰貴セシカ、復タ二十日頃ヨリ漸次引弛ミ、爾来格別ノ変動ナク弐銭壱弐厘ヲ往来シタリ、大阪送金打歩ハ七八月以来久シク逆打八九銭トナリ、遂ニ逆打五六銭マテニ騰リテ頻リニ取組アリシモ、十一月ニ入リテハ復タ逆打弐三銭ヨリ無打若クハ本打壱弐銭位トナリ、僅ノ取組アリテ大節季ニ接近スルモ差シタル異同ナカリシ、其詳情ハ左表○第二九五頁上段ノ如シ

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                 一月             二月            三月             四月             五月            六月             合計 交換所小切手 金額    一二二、七二二・八五三    一三六、二八五・九九一    一一七、四七四・二八五    一五一、九七六・四七四    二一四、七五一・二五八    二〇二、〇五二・八四七    九四五、二六三・七〇八        枚数            一七〇            一八四            二〇三            二一〇            二三三            二三八          一、二三八 当坐小切手  金額    六〇四、三七六・三九七    七六六、九九五・一六五    九一五、五〇四・六八五    八九六、三三三・五二一    九三九、六五一・三〇二    八〇五、九八四・二四二  四、九二八、八四五・三一二        枚数          一、二三六          一、三七六          一、四一六          一、六三五          一、七七六          一、五九三          九、〇三二 送金手形   金額    三三八、九六六・三三二    二九七、〇三六・〇二八    三〇五、一七一・八五五    四一〇、〇三〇・八五二    四〇八、七七〇・九九七    四〇二、七九九・〇四四  二、一六二、七七五・一〇八        枚数            七七七            七七〇            八二八            八〇八            九五七            九〇四          五、〇四四 振出手形   金額     七四、一二四・八五四     七一、九一二・四〇六    一三二、六一一・六三七    二二三、二一〇・八一八    一七七、〇四九・〇六〇     九七、一二三・一九一    七七六、〇三一・九六六        枚数             六一             五六             九〇            一〇二            一一〇            一〇〇            五一九 合計     金額  一、一四〇、一九〇・四三六  一、二七二、二二九・五九〇  一、四七〇、七六二・四六二  一、六八一、五五一・六六五  一、七四〇、一二二・六一七  一、五〇七、九五九・三二四  八、八一二、九一六・〇九四        枚数          二、二四四          二、三八六          二、五三七          二、七五五          三、〇七六          二、八三五         一五・八三三[一五、八三三] 



 - 第7巻 p.295 -ページ画像 
                                                               合計
           七月      八月      九月      十月     十一月     十二月        金額   枚数
            円       円       円       円       円       円         円
 大阪参着為替 一〇、〇〇〇  六八、〇〇〇  七七、〇〇〇 一一〇、〇〇〇  四〇、〇〇〇  八七、五〇〇   三九二、五〇〇  五九
 京都同         〇       〇   五、〇〇〇       〇       〇   三、〇〇〇     八、〇〇〇   二
 名古屋同        〇       〇   四、〇〇〇       〇   四、〇〇〇   五、〇〇〇    一三、〇〇〇   三
 当所割引手形 六六、〇〇〇 一三六、〇〇〇 一四六、〇〇〇 一二〇、〇〇〇 一二〇、〇〇〇 一三〇、〇〇〇   七一八、〇〇〇 一〇六
 合計     七六、〇〇〇 二〇四、〇〇〇 二三二、〇〇〇 二三〇、〇〇〇 一六四、〇〇〇 二二五、五〇〇 一、一三一、五〇〇 一七〇

 但 当所割引打歩    最高弐銭四厘 最低弐銭
   大阪参着送金    最高本打弐銭 最低逆打六銭
   京都名古屋参着送金 最高無打   最低逆打五銭
当半季間交換所ニ於テ交換シタル手形ノ総高ハ六百八拾弐万弐千三百弐拾余円ニシテ、之ヲ前季ニ比スレハ百三拾六万弐千七百余円ヲ増加セリ、而シテ其各種交換高及枚数ハ左表○第二九四頁ノ如シ
手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                 第一国立銀行 ○外一五行行名略


銀行集会所第十八回半季考課状 (自明治二二年一月至同年六月)(DK070040k-0023)
第7巻 p.295 ページ画像

銀行集会所第十八回半季考課状 (自明治二二年一月至同年六月)
               (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及附属交換所ノ事
当半季間手形取引所ニ於テ取組タル総高九拾三万八千五百円ヲ以テ昨年下半季ニ比スレハ拾九万三千円ノ減少ヲ見ルト雖、之ヲ其上半季ニ照セハ却テ三万三千円ヲ増加セリ、金融ハ商情沈滞ニ由リ活溌ナラズト雖、是又昨年本季ニ比スレハ幾分引締リタル景況ナリ、故ニ割引日歩ノ如キモ昨年ハ最低壱銭八厘ヨリ平均弐銭内外ナリシモノモ、本年ハ大抵弐銭弐厘若クハ三厘ノ間ヲ往来シ、大阪送金打歩ハ一月以来久シク逆打弐三銭ノ間ニ居リ、二月下旬ニ及ヒ一寸本打壱弐銭トナリ、復タ忽チ逆打壱弐銭トナリ、五月ヨリ六月ニ至リ遂ニ本打壱弐銭ニ復セリ、其詳情ハ左ノ如シ

                                                            合計
        一月      二月     三月       四月     五月      六月       金額     枚数
             円
 大阪参着   四〇、〇〇〇  四五、〇〇〇 一〇七、〇〇〇  五、〇〇〇  五六、〇〇〇  五〇、〇〇〇 三〇三、〇〇〇  四八
 京都参着        〇       〇       〇      〇       〇   三、〇〇〇   三、〇〇〇   一
 名古屋参着   二、〇〇〇   三、〇〇〇   二、五〇〇  二、〇〇〇   二、〇〇〇       〇  一一、五〇〇   五
 当所割引   九六、〇〇〇 一一七、〇〇〇 一一三、〇〇〇 七〇、〇〇〇 一二五、〇〇〇 一〇〇、〇〇〇 六二一、〇〇〇  八四
 合計 金額 一三八、〇〇〇 一六五、〇〇〇 二二二、五〇〇 七七、〇〇〇 一八三、〇〇〇 一五三、〇〇〇 九三八、五〇〇
    枚数      二二      二四      三〇      九      二九      二四         一三八

 但 当所割引打歩    最高弐銭参厘 最低弐銭壱厘
   大阪参着送金    最高本打参銭 最低逆打参銭
   京都名古屋参着送金 最高無打   最低逆打五銭
当半季間手形交換所ニ於テ交換シタル手形ノ総高ハ八百八拾壱万弐千九百拾六円余ニシテ、之ヲ前季ニ比スレハ百九拾九万五百九拾壱円余ヲ増加セリ、而シテ各種交換高及枚数ハ左○第二九六頁ノ如シ
手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                   第一国立銀行 ○外一五行行名略


銀行集会所第十九回半季考課状 (自明治二二年七月至同年一二月)(DK070040k-0024)
第7巻 p.295-297 ページ画像

銀行集会所第十九回半季考課状 (自明治二二年七月至同年一二月)
               (東京銀行集会所所蔵)

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  以下p.296 ページ画像                一月             二月             三月             四月             五月             六月            合計 交換所小切手 金額    一二二、七二二・八五三    一三六、二八五・九九一    一一七、四七四・二八五    一五一、九七六・四七四    二一四、七五一・二五八    二〇二、〇五二・八四七    九四五、二六三・七〇八        枚数            一七〇            一八四            二〇三            二一〇            二三三            二三八          一、二三八 当坐小切手  金額    六〇四、三七六・三九七    七六六、九九五・一六五    九一五、五〇四・六八五    八九六、三三三・五二一    九三九、六五一・三〇二    八〇五、九八四・二四二  四、九二八、八四五・三一二        枚数          一、二三六          一、三七六          一、四一六          一、六三五          一、七七六          一、五九三          九、〇三二 送金手形   金額    三三八、九六六・三三二    二九七、〇三六・〇二八    三〇五、一七一・八五五    四一〇、〇三〇・八五二    四〇八、七七〇・九九七    四〇二、七九九・〇四四  二、一六二、七七五・一〇八        枚数            七七七            七七〇            八二八            八〇八            九五七            九〇四          五、〇四四 振出手形   金額     七四、一二四・八五四     七一、九一二・四〇六    一三二、六一一・六三七    二二三、二一〇・八一八    一七七、〇四九・〇六〇     九七、一二三・一九一    七七六、〇三一・九六六        枚数             六一             五六             九〇            一〇二            一一〇            一〇〇            五一九 合計     金額  一、一四〇、一九〇・四三六  一、二七二、二二九・五九〇  一、四七〇、七六二・四六二  一、六八一、五五一・六六五  一、七四〇、一二二・六一七  一、五〇七、九五九・三二四  八、八一二、九一六・〇九四        枚数          二、二四四          二、三八六          二、五三七          二、七五五          三、〇七六          二、八三五         一五・八三三[一五、八三三] 



    手形取引所及附属交換所ノ事
当半季間手形取引所ニ於テ取組タル総高ハ七拾二万〇五百円ニシテ、之ヲ本年上半季ニ比スレハ弐拾壱万八千円ヲ減セリ、金融ハ始終引締リノ一方ニテ割引日歩ノ如キ昨年同季ニハ弐銭ヨリ弐銭三四厘ヲ最高トセシカ、本年ハ九月下旬ヨリ大抵弐銭七八厘ノ間ヲ往来シ、大阪送金打歩ハ同地金融ノ繁閑ト其為替ノ都合ニヨリテ時ニ変動アリテ本打六銭ヨリ逆打三銭ノ間ニアリ、其概況ハ左ノ如シ

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           七月        八月       九月       十月      十一月     十二月     合計                円                                              金額        枚数 大阪参着送金   一〇九、〇〇〇   九〇、〇〇〇   五二、五〇〇   四七、〇〇〇  一五、〇〇〇  四二、〇〇〇  三五五、五〇〇    六五 京都参着送金         〇    九、〇〇〇        〇   一二、〇〇〇   五、〇〇〇       〇   二六、〇〇〇     六 名古屋参着送金        〇        〇    五、〇〇〇        〇  一一、〇〇〇   二、〇〇〇   一八、〇〇〇     六 当所割引      八〇、〇〇〇   七五、〇〇〇   七〇、〇〇〇   五九、〇〇〇  二五、〇〇〇  一二、〇〇〇  三二一、〇〇〇    五一 合計金額     一八九、〇〇〇  一四七、〇〇〇  一二七、五〇〇  一一八、〇〇〇  五六、〇〇〇  五六、〇〇〇  七十二万〇五百円   枚数          三四       三二       二〇       一九      一三      一〇           百二十八枚 



 但当所割引打歩 最高弐銭八厘 最低弐銭弐厘
  大阪参着送金 最高本打六銭 是低逆打参銭
  京都参着送金 最高本打弐銭五厘 最低逆打五厘
  名古屋参着送金 最高本打弐銭 最低逆打一銭
当半季間手形交換所ニ於テ交換シタル手形ノ総高ハ千〇七拾四万六千四百八拾四円八拾六銭八厘ニシテ、之ヲ前季ニ比スレハ金額ニ於テ百九十参万参千五百六拾八円七拾七銭四厘、其手形枚数ニ於テ四千八百五十八枚ヲ増加セリ
 - 第7巻 p.297 -ページ画像 
○中略
手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                   第一立国銀行 ○外一五見行名略


銀行集会所第二十回半季実際考課状 (自明治二三年一月至同年六月)(DK070040k-0025)
第7巻 p.297 ページ画像

銀行集会所第二十回半季実際考課状 (自明治二三年一月至同年六月)
               (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及交換所ノ事
当半季間手形取引所ニ於テ取組タル総高ハ参拾万五百円ニシテ、之ヲ前年上半季ニ比スレハ六拾参万八千円ヲ減セリ、金融ハ一二月ノ交ハ旧臘逼迫ノ余勢ヲ承ケテ引締リ、三月ニ至リ非常ニ逼迫ヲ呈セシカ、爾後金融救治策ノ実施ニヨリ漸次寛弛ニ赴キ先ツ円滑ニ運転セリ、割引日歩ハ昨年同季ニハ弐銭参厘ヲ最高トセシカ、本年ハ参銭円内外ヲ往来セリ、其他各地為換取組高及打歩ハ左ノ如シ

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                                                                          打歩             一月      二月       三月      四月      五月      六月      七月      最高      最低    円                                                                    銭 大阪参着送金  金  五九、〇〇〇  五五、〇〇〇  二〇、〇〇〇  四三、五〇〇  二八、〇〇〇  二二、〇〇〇  二二七、五〇〇   本打五・〇〇  逆打二・〇〇         枚       九      一一       五       八       六       三       四二 京都参着    金       〇   三、〇〇〇       〇       〇       〇       〇    三、〇〇〇   無打      無打         枚       〇       一       〇       〇       〇       〇        一 名古屋参着送金 金   一、〇〇〇   五、〇〇〇   二、〇〇〇       〇       〇       〇    八、〇〇〇   本打三・〇〇  無打         枚       一       一       一       〇       〇       〇        三 当所割引手形  金  二三、〇〇〇   五、〇〇〇   六、〇〇〇  一六、〇〇〇   六、〇〇〇   六、〇〇〇   六二、〇〇〇   三・五〇      二・六〇         枚       四       一       一       二       一       一       一〇 合計      金  八三、〇〇〇  六八、〇〇〇  二八、〇〇〇  五九、五〇〇  三四、〇〇〇  二八、〇〇〇     三十万五百円         枚      一四      一四       七      一〇       七       四           五十六枚 



当半季間手形交換所ニ於テ交換シタル手形ノ総高ハ九百九拾五万参千六百〇参円五拾九銭弐厘、其枚数壱万九千弐百拾八枚ニシテ、之ヲ前年上半季ニ比スレハ、金額ニ於テ百拾四万〇六百八拾七円四拾九銭八厘枚数ニ於テ参千参百八拾五枚ヲ増加セリ
○中略
手形取引所現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                   第一国立銀行 ○外一五行行名略


東京銀行集会所第二十一回半季実際考課状 (自明治二三年七月至同年一二月)(DK070040k-0026)
第7巻 p.297-298 ページ画像

東京銀行集会所第二十一回半季実際考課状 (自明治二三年七月至同年一二月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及交換所ノ事
当半季間手形取引所ニ於テ取組タル総高ハ拾八万九千円ニシテ、本年上半季ニ比スレハ拾壱万壱千五百円ヲ減セリ、金融ハ常ニ引緩ミノ方ニシテ、割引日歩ハ弐銭弐参厘ノ間ヲ上下セリ、大阪送金打歩ハ本打参銭ヨリ逆打壱銭ノ間ニアリ、其他取組ノ地方及金額ハ左ノ如シ

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                                                                          打歩              七月      八月      九月      十月      十一月     十二月    合計       最高      最低                 円                                              銭 大阪送金手形  金  三五、〇〇〇  一〇、〇〇〇  二二、〇〇〇  二〇、〇〇〇  一五、〇〇〇  一六、〇〇〇  一一八、〇〇〇   本打三・〇〇  逆打一・〇〇         枚       五       一       四       四       三       四       二一 京都送金手形  金       〇   二、〇〇〇  一〇、〇〇〇       〇       〇       〇   一二、〇〇〇   本打一・〇〇  無打         枚       〇       一       二       〇       〇       〇        三 名古屋送金手形 金       〇       〇   二、五〇〇   一、五〇〇       〇       〇    四、〇〇〇   本打一・〇〇  逆打一・〇〇         枚       〇       〇       二       一       〇       〇        三 函館送金手形  金       〇       〇       〇       〇  一〇、〇〇〇       〇   一〇、〇〇〇        〇  逆打八・〇〇         枚       〇       〇       〇       〇       一       〇        一 当所割引手形  金       〇   五、〇〇〇       〇  二〇、〇〇〇  一〇、〇〇〇  一〇、〇〇〇   四五、〇〇〇     二・七〇    二・二〇         枚       〇       一       〇       二       一       一        五 合計      金  三五、〇〇〇  一七、〇〇〇  三四、五〇〇  四一、五〇〇  三五、〇〇〇  二六、〇〇〇  一八九、〇〇〇         枚       五       三       八       七       五       五       三三 



当季間手形交換高ハ壱千弐拾五万弐千四百九拾壱円七銭九厘ニシテ、
 - 第7巻 p.298 -ページ画像 
之ヲ前年同季ニ比スレハ四拾九万三千九百九百九拾参円七拾八銭九厘ヲ減少シタリト雖トモ、其手形枚数ニ於テ却テ弐千三百九十弐枚ノ増加ヲ視ルモノハ、蓋シ手形取引ノ途幾分発達シタルモノナルヘシ
○中略
    手形交換所同盟ノ事
当季間ニ於テ第三十三国立銀行ノ退盟(七月)シタルト又第六十国立銀行ヲ除名(十二月)シタルトニ由リ現在同盟銀行ハ左ノ如シ
                   第一国立銀行 ○外一三行行名略


東京銀行集会所第二十二回半季実際考課状 (自明治二四年一月至同年六月)(DK070040k-0027)
第7巻 p.298 ページ画像

東京銀行集会所第二十二回半季実際考課状 (自明治二四年一月至同年六月)
                (東京銀行集会所所蔵)
    手形取引所及交換所ノ事
当手形取引所及其附属交換所ハ同盟銀行協議ノ上本年二月二十八日限リ之ヲ廃シ、更ニ東京交換所ヲ組織シテ手形交換ノ事業ハ之ニ移スヘキコトトナリタレバ、其実施日限モ僅ニ四十五日間ニシテ、其取組及交換高モ随テ尠シ
○中略
    東京交換所ノ事
東京交換所ハ東京銀行集会所同盟第一・第三・第十五・第二十・第二十七・第百・第百十九・三井・安田・第十三支店・第三十二支店ノ十一行発起ニヨリ、日本銀行ノ協賛ヲ得テ本年三月一日ヨリ更ニ開設シタルモノニシテ、専ラ英京倫敦交換所ノ制ニ傚ヒ、其交換尻ハ総テ日本銀行ノ振替勘定ヲ以テ決算スルノ方法ナレハ、従前手形取引所附属交換所ニ比スレハ其便否同日ノ論ニアラス、故ニ其交換高亦大ニ増加シテ漸次隆盛ニ達セントスルノ景況ナリ
○中略
    交換所組合銀行ノ事
当季間交換所組合銀行ハ左ノ如シ
    第一国立銀行     第三国立銀行
    第十五国立銀行    第二十国立銀行
    第二十七国立銀行   第百国立銀行
    第百十九国立銀行   三井銀行
    安田銀行       第十三国立銀行支店
    第三十二国立銀行支店
      以上十一行



〔参考〕中外物価新報 第一一二七号〔明治一九年一月一四日〕 手形交換所を設けんとす(DK070040k-0028)
第7巻 p.298-299 ページ画像

中外物価新報 第一一二七号〔明治一九年一月一四日〕
    ○手形交換所を設けんとす
去る六日東京銀行集会所に開きたる府下同盟銀行の定式会に於て第一国立銀行より東京銀行集会所中に手形交換所(英語クリーヤンク、ヘウス)を置かんとの議を発せしに、右は各同盟銀行に於ても固より希望する所にてありしかば一同の賛成にて愈々之を設置する事に決定し尚其の手続規程等は来月十五日の定式会に於て審議したる上其筋へ出
 - 第7巻 p.299 -ページ画像 
願し認可を得るの都合なりと聞きぬ、抑も手形交換所なるものは銀行事務上銀行と密着し離るべからざるの関係を有する者なるを以て各国とも銀行あるの国にして此設けなきは無く、已に大坂の如きは疾くより其設けあるにも拘はらず、全国の首府たる東京にして未た之れあらざるは最も遺憾の事に思ひ居りしが、兎角東京の習として人々手形の便に慣れざるより自然手形条例の効能も顕はれざるの姿なりしに、今や幸にして銀貨通用の世界となり、是よりは追々手形の効能を顕はすべきの時機に向ひ、各銀行が此挙に奮然たるは吾々の大に欣ふ所なり


〔参考〕朝野新聞 第四二一七号 〔明治二〇年一一月二〇日〕 手形交換所(DK070040k-0029)
第7巻 p.299 ページ画像

朝野新聞 第四二一七号〔明治二〇年一一月二〇日〕
    ○手形交換所
 府下の各銀行中にて相互に手形の取引を為し来りし十七八軒の銀行頭取は、昨日午後五時より坂本町なる銀行集会所の楼上に会し、手形交換所設立の儀に付協議せられし由、元来此の手形交換所設立のことは銀行頭取中の一部に於ては予てより話しのありたることにて、従来同銀行集会所に於て相互に手形の取引をなせしも取付上種々不便なることもありたれば、序での事に同銀行集会所中に手形交換所を設置しなば頗る利益多かるべし、されど我邦には是まで曾つて行ひしことなきものなれば果して好結果を見るや否先づ試みに施行せば如何んとのことに、夫れならばとの賛成も多く、従来手形の取引を為せる銀行の間に施行することに決したるまでなれば、其の筋に願ひ出るでもなければ各銀行に吹聴するでもなく、只内々の相談なりしと云ヘり。