デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
2款 東京手形交換所
■綱文

第7巻 p.334-354(DK070045k) ページ画像

明治27年7月24日(1894年)

漸ク交換高ノ増加スルニ従ヒ、支払資金ナキニ小切手ヲ振出シ又ハ商業手形ノ不渡トナルモノ往往之アリシヲ以テ、其弊害ヲ矯正センガ為メ、是日
 - 第7巻 p.335 -ページ画像 
組合銀行会議ニ於テ、不渡手形ノ制裁ヲ設ケ、又信用取調所ノ設置ヲ協議ス。同三十二年五月ニ至リ、従来東京銀行集会所ニ於テ取扱ヒタル不渡手形処分事務ヲ当交換所ニ引継ギ、其取扱手続ヲ定ム。爾来随時之ガ改正増補ヲ施スト雖モ骨子ニ於テ変更ヲ見ズ。栄一委員長トシテ之ニ与ル。


■資料

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070045k-0001)
第7巻 p.335-346 ページ画像

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所定式総会録事
明治二十七年七月二十四日午後五時ヨリ、銀行集会所ニ於テ東京交換所定式総会ヲ兼ネ組合銀行談話会ヲ開キ、来会スルモノ十三名、委員ヨリ本年上半季手形交換高ノ統計及費用ノ決算報告其他協議決定スルコト左ノ如シ
○中略
次ニ、当坐引出小切手ハ明治廿三年十二月東京銀行集会所同盟銀行ノ決議ニ拠リ必ス自記調印スヘキ筈ナリシカ、近来ニ至リ往々其姓名ヲ彫刻シテ之ヲ押用シ自記ニ代ユルモノアリ、如此ハ万一該小切手ヲ窃取セラレ若クハ其他ノ事情ニヨリ立廻ルコトアルモ、銀行ニ於テ其正否ヲ鑑別スルコト能ハサルヨリ遂ニ銀行ノ損失ニ帰スルコトナキヲ保シ難ケレハ、各銀行申合可成前年ノ決議ヲ励行スヘキコトト為シ、若シ不得已事情ニヨリ姓名判ヲ押用スルモノアレハ、如何様ノ行違ヲ生スルモ該小切手ノ仕払ニ対シ銀行ニハ損失ヲ掛ケサルヘシトノ一札ヲ取置クヘキコトト為シ、尚其文案ヲ定メ、銀行集会所同盟銀行会議ヘ協議ノ上決スヘキコトニ定メタリ
次ニ、往年各銀行者カ手形取引ノ利益ヲ説キ孜々奨励スル処アリテ、爾来益々発達ノ現象ヲ視ルニ至リタルハ経済上大ニ満足スヘキ事ナリト雖又近来一種ノ流弊ヲ生シ、預金ナキニ小切手ヲ振出シ往々不渡ヲ来サシムルコトアリ、如此流弊者ハ今日之ヲ矯正セサレハ目下取引上危険ナルノミナラス、漸次他ノ信用ヲモ毀損スルノ恐アレハ自今交換所ニ於テ右様ナル小切手又ハ其他ノ手形ニシテ仕払資金ノ準備ナキ空券ヲ振出シ不渡リトナリタルトキハ、該組合銀行ヨリ(書面ヲ以テ)交換所監事ヘ報告シ、監事ハ之ヲ組合銀行ヘ通知シ、右等ノ輩ヘ自今一切取引ヲ為サヽル事ニ議決セリ
次ニ前件ノ如キ流弊ヲ矯正セントスルニハ、嘗テ銀行集会所同盟銀行ノ協議ニ係ル信用取調所ノ創立ヲ望ムヲ以テ、次期会同ニ於テ之ヲ協議スヘキコトト為シ、晩餐ノ後、九時下退会セリ
       当日出席者
          第一国立銀行     佐々木勇之助
          第三同        長谷川千蔵
          第二十同       佐々木慎四郎
          第百同        池田謙三
          第百十九同      三村君平
          三井銀行       岩下清周
          同          上柳清助
 - 第7巻 p.336 -ページ画像 
          安田同        若菜福朗
          第十三同       蘆田順三郎
          第三十二       山中隣之助
          同          大倉国造
          横浜正金銀行     山川勇木
           以上
  ○本章第一節第六款東京銀行集会所明治二十七年九月十五日ノ項(本書第六巻第三七四頁)参照。
    ○東京交換所第五回定式集会録事
明治二十七年十一月九日午後四時ヨリ、東京交換所組合銀行第五回定式会ヲ銀行集会所ニ開キ
○中略
又信用取調所設置ハ可成急速ヲ望ムヲ以テ其準備考案等ヲ渋沢委員長ヘ促スヘキ事ニ協議シ、晩餐後八時下退会セリ
    ○東京交換所組合銀行談話会
明治二十八年七月五日午後五時ヨリ、東京交換所定式総会ヲ兼ネ組合銀行談話会ヲ開キ、渋沢委員長ハ、前回会同ノ節協議シタル信用取調所業務担当人ハ彼是ノ事情アリテ未タ之ヲ決スルニ至ラサシリカ、日本銀行出資金額ハ先ツ創立ノ際三千円、爾来三ケ年間各二千円ヲ支出スヘシト治定シタリ、尤右業務担当人ハ他ニ稍適当ト認メタルモノアルヲ以テ昨今川田君ヨリ本人ノ意思聞合中ニアレハ遠カラス之ヲ決スルコトヲ得ヘシ、就テハ御同様組合銀行中ノ出資額ハ如何トノ相談ニ及ヒタルニ、其辺ハ渋沢君ニ於テ相当ノ割合ヲ立テ追テ協議アリタシト望ミ、渋沢君之ヲ諾セリ
○中略
      当日出席者左ノ如シ
              第一      渋沢栄一
              同       佐々木勇之助
              同       熊谷辰太郎
              第三      長谷川千蔵
              同       吉田富吉
              第十五     三輪信次郎
              第二十     佐々木慎思郎
              第二十七    安藤三男
              第百      池田謙三
              第百十九    三村君平
              三井      岩下清周
              同       上柳清助
              安田      安田忠兵衛
              同       若菜福朗
              第十三     蘆田順三郎
              第三十二    河村民之輔
              帝国商業    渡辺千代三郎
              川崎      安藤浩
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              交換所監事   山中譲三
  ○本章第一節第六款東京銀行集会所明治二九年二月一五日ノ項(第六巻第三八四頁)及ビ第三節第一款東京興信所ノ項(本巻第五二〇頁)参照。
    ○東京交換所第三十四回定式集会録事
明治三十一年十月七日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第三十四回ノ集会ヲ開キ、来会シタル者三十三名ナリ
是日委員長渋沢栄一氏病気欠席ニ付、委員池田謙三氏会長席ニ着キ、会議ニ先タチ新タニ会員トシテ出席シタル三井銀行副支配人高山長幸氏ヲ紹介シ
夫ヨリ三井銀行ノ建議ニ係ル当交換所規則第十三条修正ノ件ヲ協議ニ付シ、種々討議シタルニ、大体ニ於テハ皆同意ヲ表シタルモ、時間ヲ二時マテトスルニ至リテハ差支アルヲ以テ之ヲ三時ト修正シタシトノ説アリ、皆同意ヲ表シタルヲ以テ、本条中「翌日交換時間迄ニ」トアルヲ「当日午后三時迄ニ」ト修正シテ、其但書ヲ刪除シ、又日本銀行ニ於テ支払フヘキ支払命令ハ習日交換時間迄ニ返戻スヘキ事ト為シ、而シテ此修正ハ来ル十月十日ヨリ実施スヘキ事ニ決定セリ
○中略
    三井銀行建議
 東京交換所規則第十三条改正案
  当交換所ニ於テ交換シタル手形・小切手ノ内不渡リノモノアルトキハ、其銀行ハ当日午後二時マテニ其事由ヲ記載シテ之ヲ持出シタル銀行ヘ返却シ、其代リ金ヲ受取ルヘシ
 但書刪除理由
右ノ如ク改正ヲ要スル理由ハ、現行規則第十三条ニ依レハ当日交換シタル手形ノ内ニ不渡リノ者アルトキハ午後三時迄ニ持出銀行ニ通知シ翌日交換時間マテニ該手形ヲ返却スル規定ニ付、其間一ツノ悪習ヲ生シ、当日交換シタル手形中ニ預金残高ニ不足ノモノアル節ハ目下入金督促中ナレハ倘シ入金ナキトキハ明日交換所ニ於テ返却スヘシトノ曖昧ナル通知ヲナスコトアリ、然ルニ持出銀行ニ在テハ其手形ハ前日ノ交換時間後ニ受入レタルモノニ係リ、既ニ二日目ニ於テ尚其手形ノ正当ニ支払ハルヽヤ否ヲ確メ得ス、漸ク三日目ニ至リ始メテ不渡リノ事実ヲ知ル場合尠ナシトセス、如斯ハ往々其間ニ乗シ狡計ノ行ハレ難キヲ保タス、自然取扱上ノ危険ヲ恐レ、荷為替払込或ハ貸出金ノ返済ニ小切手ヲ受入ルヽニ躊躇セシメ、自ツカラ手形ノ発達ヲ妨クルニ至ルヘシ、若シ是等ノ危険ヲ慮リ一々保証セシムルカ如キハ敏捷ナル銀行業者ノ採ラサル処ナレハ、即本条ヲ改正シテ不渡手形ノ返却時間ヲ短縮セシムル所以ナリ
    ○東京交換所第三十六回定式集会録事
明治三十二年五月五日午後五時ヨリ、東京銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第三十六回定式集会ヲ開キ、来会シタルモノ三十一名、是日委員長渋沢栄一氏欠席ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ、本日問題ニ付会議ヲ開キ、之レヲ決定スル事左ノ如シ
一不渡手形処分事務ハ是迄東京銀行集会所ニ於テ取扱タルモ、当交換所ニ於テ近時代理交換委托ノ銀行大ニ増加シタルヲ以テ、寧ロ事務
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ヲ交換所ニ引継キタル方便利ナルヘシト、本年四月十五日東京銀行集会所組合銀行ニ於テ決議シタル次第ナリト其決議ノ要領ヲ告ケ、協議ニ付シタルニ異議ナク之レヲ継承スヘキ事ニ決シ、而シテ其取扱手続ハ従来東京銀行集会所取扱ノ振合ニ準シ、右決議文ノ字句ヲ修正スルコト左ノ如シ
 一支払資金ナキ手形小切手ニシテ取引銀行ノ拒絶ニ依リ不渡トナリタルモノアルトキハ、之ヲ拒マレタル銀行ヨリ書面ヲ以テ其住所姓名及金額等ヲ東京交換所ニ届出ツヘシ、東京交換所ハ速ニ其趣ヲ組合銀行及代理交換委托銀行ニ通知スヘシ
 一前項ノ場合ニ於テ、拒ミタル銀行ハ該件ノ事実ヲ調査シ、取引停止ヲ為スヘキヤ否ヤヲ定メ、翌日午後三時マテニ東京交換所ニ届出ツヘシ
  東京交換所ハ右ノ届出アリタルトキハ、更ニ其趣ヲ組合銀行及代理交換委托銀行ニ通知スヘシ、若シ前記ノ時間マテニ届出ナキトキハ当然取引ヲ停止スヘキモノト看做ス
 一東京交換所組合銀行ハ前項取引停止ノ通知ヲ受ケタルモノニ対シ自今一切取引ヲ為スコトヲ許サス
   但シ追テ組合中ノ銀行ヨリ本人ノ信用恢復シタル事実ヲ具シ取引停止解除ヲ申出テタルトキハ、組合銀行ノ集会ニ報告シテ可否ヲ問ヒ、可決シタルトキハ従前ノ如ク取引ヲ為スコトヲ得
○中略
    当日出席者
             第三銀行     長谷川千蔵
             同        松本万助
             十五銀行     成瀬正恭
             二十       山口荘吉
             第百       池田謙三
             三菱       三村君平
             三井       波多野承五郎
             同        上柳清助
             安田       中根乕四郎
             鴻池       蘆田順三郎
             浪速       河村民之輔
             帝国商業     島甲子二
             同        大谷登喜雄
             川崎       安藤浩
             東海       吉田幸作
             四十一      益子右馬介
             第七十八     関谷和三郎
             百十三      鈴木重恒
             中井       菅沼慶蔵
             東京       草刈隆一
             八十四      山田丈太郎
             八十九      大山勉
 - 第7巻 p.339 -ページ画像 
             東京商業     杉本清胤
             第二       古山政治
             新潟       高山信爾
             十二       安田定次郎
             三十五      井上好雄
             三十九      遠藤雄吉
             第十九      内藤尚
             四十       根岸盛太郎
             伊藤       岸田常三郎
                 以上
    ○東京交換所第三十七回定式集会録事《(マヽ)》
明治三十二年五月十五日午後四時、東京銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第三十七回定式集会《(マヽ)》ヲ開キ、来会シタルモノ三十二名、委員池田謙三氏会長席ニ就キ○中略
夫ヨリ本日ノ問題タリシ取引停止解除請求ノ件及取引解約後不渡トナリタルモノ取扱ノ件ニ付会議ヲ開キタルニ、松尾謹次氏ハ本議ニ先タチ、不渡手形処分取扱ノ手続ハ本年三月十五日銀行集会所ノ決議ニ依リ二回ツヽ報告スヘキ筈ナルヲ、中頃之レヲ変更シテ一回トナシ、而シナ唯タ前報告ヲ取消シテ取引停止ニ及ハサルモノヽミヲ再報スルコトトシタルハ、最前決議ノ旨趣ニ背馳スルノミナラス、再度ノ報告ナキカ為メ第一回ノ報告ヲ受ケタル者ニ対シテハ依然取引ヲ継続スルモ差支ナキモノト思惟セシムルニ至レリ、現ニ小名木川鉄工所ノ如キモ亦此再報ナキニ坐スルモノナルヘシト述ヘ、種々討議アリシカ、結局組合銀行決議ノ要旨ハ従前ノ如ク不渡ノ通知ニ接シ直ニ取引ヲ停止スルコトヲ改メ、一日ノ猶予ヲ与ヘタル事ナレハ、中頃報告手続ヲ変更シタルトキ書面ヲ以テ組合銀行ニ通知セハ敢テ差支ナカリシモ、此通知ヲ略シタルハ畢竟行違ヲ生シタル起因ナレハ、更ニ右決議ノ文字ニ修正ヲ加ヘ他日疑惑ナカラシメンコトヲ期スヘシ、就テハ、右ノ報告手続変更以来取引停止者ト看做シタルモノヽ内、翌日入金アリシ為メ取引ヲ継続シアルモノナキヲ保スヘカラサレハ一応取調ヘ、若シ之アリタルトキハ速ニ最前ノ不渡報告ヲ取消スヘキコトニ決セリ
○中略
又取引解約後タルノ理由ヲ以テ拒絶セラレタルモノ取扱ノ件ニ付協議スル処アリシカ、右拒絶セラレタル場合ニハ、是迄ノ如ク、拒絶セラレタル銀行ヨリ交換所ヘ届出ツルモ、其手形所持ノ銀行ヨリ本人ヘ取付ケ金額ヲ領収シタルトキハ、右金額ヲ受取タル銀行ヨリ翌日午后三時迄ニ交換所ヘ届ケ出ヘシ、然ルトキハ交換所ハ速ニ之レヲ組合銀行及代理交換委托銀行ニ報告シテ、最前ノ不渡報告ヲ取消スヘシ
右ノ決議ニ依リ成田銀行東京支店ニ於テ当坐解約ノ為メ不渡トナリ即日入金アリタリト帝国商業銀行ノ証明ニ係ル山口友次郎ハ、最前ノ不渡報告ヲ取消スヘキ事ニ決シ同五時過閉会セリ、当日出席者左ノ如シ
            第一銀行   遅刻 渋沢栄一
            同         土岐僙
            第三        長谷川千蔵
 - 第7巻 p.340 -ページ画像 
            同         松本万助
            十五        伴野乙弥
            二十七       日向野善太郎
            第百        池田謙三
            三菱        三村君平
            同         桐島像一
            三井        上柳清助
            同         高山長幸
            安田        中根乕四郎
            鴻池        桜井百助
            浪速        河村民之輔
            帝国商業      島甲子二
            川崎        安藤浩
            東海        吉田幸作
            四十一       奥田卯三郎
            第七十八      松尾謹次
            百十三       古山数高
            中井        菅沼慶蔵
            八十四       中沢彦吉
            第二        古山政治
            新潟        高山信爾
            第十        小沢安胤
            十二        安田定次郎
            三十五       鈴木金平
            三十九       遠藤雄吉
            第十九       堀田金四郎
            四十        根岸盛太郎
            正金        川島忠之助
                以上
    ○東京交換所第三十七回定式集会録事
明治三十二年六月五日午後五時ヨリ、銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第三十七回定式集会ヲ開キ、来会シタルモノ二十九名、当日委員長及委員事故アリ欠席ニ付、佐々木勇之助氏ヲ会長ニ推シ会議ヲ開キ不渡手形処分決議文中字句修正ノ件ニ付予テ修正意見ヲ提示シタル三十九銀行・東海銀行・四十一銀行等ノ修正案ニ就キ相談ノ末、左ノ如ク折衷修正スヘキコトニ決セリ
      決議
 第一項 手形ノ支払ヲ拒マレタルトキハ、拒マレタル銀行ヨリ直ニ書面ヲ以テ其手形振出人(為替手形ニ於テハ支払人)ノ住所・姓名・職業・金額及拒マレタル事実ヲ東京交換所ニ届出ツヘシ、東京交換所ハ直ニ之ヲ組合銀行及代理交換委托銀行ニ報告スヘシ
 第二項 第一項ノ場合ニ於テ、拒ミタル銀行ハ其事件ニ係ル事実ヲ調査シ、取引停止ノ必要ナシト認ムルトキハ、必ス翌日午後三時マテニ其理由ヲ具シテ東京交換所ニ届出ツヘシ
 - 第7巻 p.341 -ページ画像 
  東京交換所ハ右ノ届出アリタルトキハ直ニ之ヲ組合銀行及代理交換委托銀行ニ報告スヘシ
 第三項 組合銀行及代理交換委托銀行ハ、第二項ノ報告ナキトキハ第一項ノ報告ニ係ル者ニ対シ自今一切取引ヲ為スコトヲ得
 第四項 前項ノ処分ヲ受ケタル者ニ対シ、元ノ取引銀行又ハ組合銀行ヨリ、其者ノ信用恢復シタル事実ヲ具シ其処分解除ヲ東京交換所ニ請求シタルトキハ、東京交換所ハ組合銀行集会ノ議ニ付シ、出席銀行四分ノ三以上ノ同意ヲ以テ之ヲ解除スルコトヲ得
 第五項 東京交換所組合銀行及代理交換委托銀行ハ、明治二十七年九月以来東京銀行集会所ニ於テ取引停止処分ヲ受ケタル者ニ対シテモ、当然之ヲ継承スヘキモノトス
次ニ不渡手形処分解除ノ請求ニ対シテハ是迄出席者半数以上ノ同意ヲ以テ許否ヲ決シ来リシカ、帝国商業銀行ノ意見ニ依リ、自今四分ノ三以上ノ同意ヲ以テ決議スヘキ事ニ決シ
○中略
      当日出席者
             第一銀行     佐々木勇之助
             同        土岐僙
             第三       長谷川千蔵
             十五       成瀬正恭
             二十       山口荘吉
             二十七      日向野善太郎
             第百    遅刻 池田謙三
             三菱       三村君平
             三井       上柳清助
             安田       中根乕四郎
             鴻池       桜井百助
             浪速       河村民之輔
             帝国商業     島甲子二
             川崎       杉浦甲子良
             東海       吉田幸作
             四十一      益子右馬助
             第七十八     関谷和三郎
             百十三      古山数高
             中井       菅沼慶蔵
             八十四      山田丈太郎
             第二       古山政治
             新潟       高山信爾
             第十       小沢安胤
             十二       安田定次郎
             三十五      鈴木金平
             三十九      遠藤雄吉
             第十九      内藤尚
             四十       根岸盛太郎
 - 第7巻 p.342 -ページ画像 
             伊藤       岸田常三郎
                以上二十九名
    ○東京交換所第三十九回定式集会録事
明治三十二年九月五日午後五時ヨリ、東京銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第三十九回定式集会ヲ開キ、委員池田謙三氏会長席ニ着キ、会議ニ先タチ諸要件ヲ報道セリ
○中略
次ニ監事山中譲三氏ノ建議ニ依リ左ノニ件ヲ協議セリ
 近時取引停止中ナル者ノ小切手往々相廻リ、手形流通上不安ノ念ヲ生シ、自然取引上危険ヲ来スノ恐レアレハ、交換代理委托銀行ヘ照会スヘキ件
 又現今ノ不渡手形報告手続ハ、本年三月改正以来ノ実験ニ徴スルモ其手数煩雑ニ渉ルヲ以テ、自今組合銀行ヨリ届出アリタルトキハ交換所ニ掲示シ、交換方ニ注意シテ之ヲ警戒シ届出、翌日午后三時過ニ本人入金ノ通知ニ接シタルトキハ別ニ書面ヲ発セスシテ其儘消滅セシメ、若シ右刻限迄ニ其届出ナキトキハ書面ヲ以テ取引停止ノ報告ヲ発スルヘキコトニ改メタシト、云ニ在リ
右ハ一同同意ヲ表シ、原案ノ如ク定施スヘキ事ニ決議セリ
    代理交換委托銀行ヘ照会案
 拝啓、貴行益御清栄奉賀候、然ハ近来手形取引大ニ発達致候ハ御同様可賀ノ至ニ候得共、又之レニ伴フ一ノ弊害有之候、右ハ資金ナキニ手形ヲ振出シ一時ノ融通ヲ為スモノ是ナリ、依テ当交換所ハ曩ニ不渡手形処分法ヲ設ケ、一旦不渡処分ヲ受ケタルモノニ対シテハ一切取引セサル事ニ申合セ、既ニ本年五月二十二日右人名簿相添ヘ御照会申上候以後、不渡手形有之候都度及御報道候ニ付御承知ノ儀ト存候、然ルニ頃日右取引停止中ノ者ノ小切手往々相廻リ候様ニ承リ候、右ノ如キ不安ノ手形混同致候トキハ自然手形流通上ノ安固ヲ妨ケ、取引上非常ノ迷惑ヲ来シ候ハントノ恐レモ有之候ニ付、万一兼テ御通知申上置内ノ人ニ御取引モ有之候ハヽ早々御謝絶相成候様仕度、此段貴意ヲ得候也
右会議了リテ、晩餐ノ後同八時過散会セリ
          当日出席者
             第一銀行     佐々木勇之助
             同        市原盛宏
             第三       長谷川千蔵
             同        小川為次郎
             十五       成瀬正恭
             二十       山口荘吉
             二十七      日向野善太郎
             第百       池田謙三
             三菱       豊川良平
             同        三村君平
             三井       上柳清助
             安田       中根乕四郎
 - 第7巻 p.343 -ページ画像 
             鴻池       平井直三郎
             同        松村両平
             浪速       河村民之輔
             帝国商業     橋本正彰
             川崎       安藤浩
             東海       吉田幸作
             四十一      益子右馬介
             第七十八     関谷和三郎
             百十三      鈴木重恒
             中井       菅沼慶蔵
             八十九      大山勉
             東商       杉本清胤
             第二       古山政治
             同        高梨富三郎
             新潟       高山信爾
             十二       安田定次郎
             三十五      鈴木金平
             明治商業     飯田勇次
             四十       根岸盛太郎
             伊藤       岸田常三郎
             正金       川島忠之助
                以上
    ○東京交換所第四十三回定式集会録事
明治三十三年一月十九日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第四十三回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会シタル銀行二十行其会員二十五名ナリ、是日委員長渋沢栄一氏旅行中ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ
○中略
次ニ近来不渡手形次第ニ増加シ、且ツ取引停止中ノ人ニ対シ現ニ取引シアル向モアリ、又不渡シタル本人ヨリ規定ノ時間内ニ入金シタルモ銀行ノ不注意ヨリ交換所ニ通知ヲ怠リ夫レカ為メ取引ヲ停止セラルヽカ如キ実例ニ乏シカラス、是等ノ弊害ヲ矯正センニハ相当ノ過怠金ヲ徴シ、又取引停止ニモ相当ノ期限ヲ設クルカ如キハ交換所整理上最モ必要ヲ感スル趣ヲ以テ、監事中山謙三氏ヨリ建議アリ、委員ニ於テモ亦適当ノ事ト思惟シタルヲ以テ、本日爰ニ協議スル所以ナリト告ケ、且山中譲三氏ヨリ詳細其理由ヲ陳ヘシカ、皆之ヲ領シ、尚次会ニ於テ熟議協定スヘキコトニ決セリ
右ニテ会議ヲ了リ、晩餐ノ後八時三十分散会セリ
          当日出席者
            第三銀行      安田善四郎
            同         長谷川千蔵
            十五        伴野乙弥
            同         今井高行
            同         松山可澄
 - 第7巻 p.344 -ページ画像 
            二十        山口荘吉
            第百        池田謙三
            三菱        三村君平
            鴻池        平井直三郎
            浪速        河村民之輔
            東海        笹井慎次郎
            四十一       益子右馬助
            第七十八      松尾謹次
            百十三       古山数高
            中井        管沼慶蔵
            八十四       山田丈太郎
            第二        高梨富三郎
            第十        小沢安胤
            三十五       鈴木重平
            明治商業      安田善助
            同         飯田勇次
            第十九       堀田金四郎
            四十        根岸盛太郎
            伊藤        岸田常三郎
           外ニ
            日本        伊藤祐之
    ○東京交換所第四十四回定式集会録事
明治三十三年二月五日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第四十四回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会シタル銀行二十六行其会員三十一名ナリ、是日委員長渋沢栄一氏所労ニ付委員豊川良平氏会長席ニ着キ
○中略
次ニ、前月定式会ニ於テ大体ヲ協議シタリシ当交換所規則追加修正ノ議ニ移リタルニ、草案第五十条ニ佐々木勇之助氏ニ修正意見アリ、即チ本条ヲ第五十一条ト併セ左ノ如ク修正スヘシトノコトナリシカ、全会一致ヲ以テ同氏ノ意見ニ決定セリ
 第 条 不渡手形ニ依リ東京交換所ヨリ取引停止ヲ報告シタルモノニ対シ、従前ノ取引ヲ継続スル歟又ハ新ニ取引ヲ開キタル銀行アルトキハ、過怠金拾円ヲ徴シ、其取引ヲ解約セシムヘシ
又草案第五十七条、取引停止報告ヲ発スルニ至リタル場合ニハ本人取引ノ銀行ヨリ手数料ヲ徴スル件ニ付、松尾謹次氏ハ其不可ナル意見ヲ陳ヘ、之レニ賛成アリタレトモ又原案ヲ主張スルモノ尠ナカラサリシヲ以テ、本条ハ次会迄決議ヲ延スヘキコトニ決シ
又草案第五十八条ニ付、橋本正彰氏ハ本条ヲ左ノ如ク改正シタシト其意見ヲ陳ヘシカ、取引停止ヲ家族ニ迄及ホスカ如キハ到底行ハレ難シトノ説モアリ、結局他ノ修正ト共ニ委員ニ一任スヘキ事ト為リ、且本条中満五年ハ三年ト修正スヘキ事ニ決シ
 第五十六条 組合銀行及代理交換委托銀行ハ、取引停止ノ報告ヲ得タル場合ニ於テハ、本人若クハ其家族ニ対シ将来取引ヲ為スヘカラサルハ勿論、現ニ其取引アル銀行ハ直ニ解約ノ手続ヲ為スヘシ
 - 第7巻 p.345 -ページ画像 
   但当交換所ヨリ取引停止ノ報告ヲ為シタル日ヨリ満五年ヲ経過セシモノニ対シテハ、取引ヲ開始スルモ妨ケナシ
其他字句ノ修正ハ総テ委員ニ一任スヘキ事ニ決シ、右ニテ閉会、晩餐ノ後八時二十分散会セリ
          当日出席者
             第一銀行     佐々木勇之助
             同        市原盛宏
             十五       今井高行
             二十       山口荘吉
             第百       池田謙三
             三菱       豊川良平
             三井       上柳清助
             同        高山長幸
             安田       中根乕四郎
             鴻池       松村両平
             浪速       河村民之輔
             帝商       島甲子二
             同        橋本正彰
             東海       笹井慎次郎
             四十一      益子右馬助
             第七十八     松尾謹次
             百十三      鈴木重恒
             中井       菅沼慶蔵
             第二       古山政治
             新潟       高山信爾
             第十       小沢安胤
             十二       安田定次郎
             三十五      鈴木金平
             三十九      遠藤雄吉
             明商       安田善助
             同        飯田勇次
             第十九      堀田金四郎
             四十       根岸盛太郎
             伊藤       岸田常三郎
             正金       川島忠之助
            外ニ
             日本銀行     伊東祐之
    ○東京交換所定式第四十九回集会録事
明治三十三年七月五日、交換所組合銀行第四十九回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十五行其出席会員三十名ナリ
○中略
右ニテ定式集会ヲ了リ、池田謙三氏建議シテ曰ク、此取引停止ノ事タル実ニ重且大ナル事ニシテ、之カ為メ其人業務ノ盛衰存亡ニモ関スルヲ以テ、自今組合銀行ヨリ調査委員ヲ置キ、充分審査ノ上本会議ニ付
 - 第7巻 p.346 -ページ画像 
スルコトトシテハ如何トアリシニ、全会一致同意ヲ表シ、組合ヨリ五行宛委員ヲ選定シテ、二ケ月ニシテ交迭スルコトト為シ、其調査委員ハ委員長ヨリ特ニ指名スヘキ事ニ決セリ
当日出席者左ノ如シ
              第一      渋沢栄一
              同       佐々木勇之助
              同       西脇長太郎
              第三      原田虎太郎
              十五      成瀬正恭
              二十      山口荘吉
              第百      池田謙三
              三菱      三村君平
              三井      波多野承五郎
              同       池田成彬
              鴻池      松村両平
              浪速      河村民之輔
              帝商      大谷登喜雄
              川崎      杉浦甲子良
              東海      笹井慎次郎
              七十七     大野清敬
              七十八     松尾謹次
              同       関谷和三郎
              百十三     鈴木重恒
              中井      菅沼慶蔵
              八十四     山田丈太郎
              八十九     大山勉
              東商      竹内平左衛門
              第二      高梨富三郎
              三十九     遠藤雄吉
              明商      安田善助
              四十      根岸盛太郎
              伊藤      岸田常三郎
              正金      川島忠之助

              日本      伊東祐之


調査委員会録事(DK070045k-0002)
第7巻 p.346-347 ページ画像

調査委員会録事 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所調査委員第一回録事
明治三十三年七月廿六日午前拾壱時ヨリ、調査委員会ヲ開キ、解除請求者ニ対スル審査ノ順序等ヲ協議ノ上、左ノ通決議セリ
          当日出席者
            常委員       池田謙三
            調査委員 第一   佐々木勇之助
            同    三井   波多野承五郎
 - 第7巻 p.347 -ページ画像 
            同    同    上柳清助
            同    東海   笹井慎次郎
            同    七十八  松尾謹次
            同    伊藤   岸田常三郎
                 監事   山中譲三
一取引停止中ノモノ解除請求ニ対シテハ、毎月廿五日迄ニ交換所ニテ書面ヲ接受シタルモノニ限リ、其翌月定式集会ニ提出ノ見込ヲ以テ調査委員会ニ於テ審査スベキ事
一調査委員ノ意向ヲ決スルハ匿名投票ヲ以テスベキ事
一調査ノ結果ハ翌月組合銀行定式集会ニ於テ之レヲ報告スベキ事
  但シ本月ニ限リ、旧来ノ慣例ヲ参酌シテ三十日迄ニ受入レタル分迄ヲ審査スベキ事トナシ、此趣ヲ組合銀行ヘ通知スベキ事
一解除請求者ニシテ委員銀行ニ関係アルモノハ、其委員ハ投票ニ加ハラザルハ勿論、投票ノ節ハ忌避スベキ事
一自今請求書ヲ接受シタルトキハ、監事ヨリ本人現今ノ身代等ヲ興信所ニ問合セ、委員会ノ参考ニ資スベキ事
      已上


会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070045k-0003)
第7巻 p.347-349 ページ画像

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第六十一回定式集会録事
明治三十四年七月八日午後五時ヨリ、東京銀行集会所ニ於テ、交換所組合銀行第六十一回定式集会ヲ開キ○中略
一当交換所規定ニ拠リ取引ヲ停止シタル人名ハ、従来秘密ニ付シ、新聞雑誌等ニ漏洩スルコトヲ禁シタリシヲ、自今之ヲ公示スルノ件ハ異議ナク原案ノ通可決セリ
  ○当日栄一欠席ス。
   ○東京交換所第六十四回定式集会録事
明治三十四年十月五日午後五時ヨリ、東京銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第六十四回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十五行其出席会員二十五名ナリ、是日渋沢委員長事故アリ欠席ニ付、池田委員会長席ニ着キ開会ノ趣旨ヲ述ベ
○中略
夫レヨリ、本日ノ協議案タル不渡手形制裁中小切手猶予期間廃止ノ件ニ付協議ヲ開キ、会長ヨリ本案提出ノ理由ヲ述ヘテ曰ク、小切手ハ商法第五百三十二条規定ノ如ク一覧払ノモノナルニ、現今取扱ノ如ク不渡届出翌日入金ノモノハ差支ナシトスルトキハ都合三日間ノ猶予ヲ与ヘ、其間往々虚偽ノ手段ヲ施スモノアリテ小切手流用上甚タ危険ノ虞アリ、特ニ目下小切手納税ノ希望ヲ有スル折柄ナレハ、成ルヘク矯弊ノ途ヲ講シ、小切手流用上ノ安固ヲ謀リタシト思惟シ、本案ヲ協議スル所以ナリト
右ニ対シ種々意見モアリシカ、小切手納税問題モ之アリ、《*》現今ノ如ク小切手ノ不渡多数ニシテ信用鞏固ナラサルニ於テハ、結局該問題ノ実行ニ影響スルノミナラス、為替手形・約束手形トハ全ク其性質ヲ異ニスルヲ以テ、猶予期間ヲ廃スルコト然ルヘシト、一同ノ同意ヲ以テ本
 - 第7巻 p.348 -ページ画像 
案ヲ一決シ、七時下閉会セリ
*欄外記事
  但本案ヲ実施スルニハ尚規則ノ改正ヲモ要スルヲ以テ急速ノ事ニハ之ナキモ、是迄猶予ノ例ニ慣レタル事柄ナレハ、其間可成世人ニ知悉セシムル様注意スヘキ事
   ○当日出席者名略ス。
    ○東京交換所第六十五回定式集会録事
明治三十四年十一月七日午後五時ヨリ銀行集会所ニ於テ当交換所組合銀行第六十五回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十七行、其出席会員二十八名ナリ、是日委員長渋沢男爵差支アリ欠席ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ開会ノ旨ヲ述ベ
○中略
第二 規則第四十二条ニ但書増補ノ件
 但小切手ニ対シテハ本条並第四十三条ヲ適用セス直ニ取引ヲ停止スルモノトス
 (理由)是レハ本年十月五日組合銀行協議ニ於テ小切手ニ対スル不渡手形処分法ヲ改正スヘキ事ニ一決シタルニ付、本条ニ但書ヲ増補シテ改正ノ旨意ヲ明カニス
右ハ原案ノ通可決シ、而シテ其実施期ニ付更ニ協議シタルニ、或ハ急激ノ実施ヲ避クルカ為メ可成来年三月一日ヨリスルヲ可ナリト主張スルアリ、或ハ一月一日ヲ適当ト論スルアリ、種々討議アリシカ会長ハ先ツ一月一日説ヨリ採決スヘシト告ケ、之ヲ起立ニ問ヒタルニ大多数ニテ一月一日ヨリ実施スヘキコトニ決定セリ
第三 小切手支払拒絶方法ノ件
 (理由)交換所ヲ経過スル小切手拒絶ノ場合ハ大抵小切手ニ補箋ヲ付シ居リシ処、今般東京地方裁判所ハ商法第五百四十三条規定ノ如ク必ズ小切手面ニ支払拒絶ノ旨及其年月日ヲ記載セシメ、且ツ之ニ署名セシムルニアラザレバ効ナキ旨ヲ判決セリ、依テ組合中協議ノ上之ヲ一定スルコト
右ハ其取扱随分多数ニ渉ルニ付一々小切手面ニ記載シ、且ツ之ニ署名スルカ如キハ頗ル繁雑ニ付是迄ノ通付箋ト為シ置キ、自然訴訟トナリ裁判所ヘ廻ル場合ニ付箋ノ年月日ニテ法文ノ通書改メテ可ナルヘシトノ説アリシカ、結局商法第五百三十四条法文ノ通小切手面ニ拒絶ノ理由及年月日ヲ記載シ之ニ責任者ノ署名ヲ為スヘキ事ニ一決セリ
○中略
第六 信用ヲ傷ケ取引上ノ損害ヲ生セシメタル者ニ対スル制裁ノ事
右ハ近来法律上ノ規定ヲ楯ニシ種々口実ヲ設ケ信用ヲ傷ケ手形取引上ノ損害ヲ生セシムルノ行為ヲナスモノ往々之アリ、斯ノ如キ草《(者カ)》ニ対シテハ我交換所ニ於テ相当ノ制裁ヲ加ヘ取引上注意ヲ為スモノハ如何ト池田氏ノ注意ニ対シテハ又全会一致ヲ以テ之ヲ賛成セリ
            当日出席者
             委員  第百   池田謙三
                 第一   西脇長太郎
                 十五   今井高行
 - 第7巻 p.349 -ページ画像 
                 二十   山口荘吉
                 二十七  安藤三男
                 三菱   植松京
                 三井   上柳清助
                 安田   中根乕四郎
                 鴻池   松村両平
                 浪速   山中隣之助
                 帝商   橋本正彰
                 川崎   杉浦甲子良
                 四十一  益子右馬助
                 七十八  松尾謙次
                 百十三  鈴木重恒
                 中井   管沼慶蔵
                 八十九  大山勉
                 第二   和田義行
                 新潟   藁品槍太郎
                 第十   山本彦吉
                 十二   山村為介
                 三十五  鈴木金平
                 明商   長谷川千蔵
                 第十九  内藤尚
                 四十   根岸盛太郎
                 住友   吉田真一
                 同    堀貞
                 丁酉   清水宜輝
                 監事   山中譲三
                已上


交換所委員廻議 第五号 明治三五年(DK070045k-0004)
第7巻 p.349-350 ページ画像

交換所委員廻議 第五号 明治三五年  (東京手形交換所所蔵)
明治三十四年十一月十二日       東京交換所監事 (印)
 委員長 (印)
 委員 (印)
  当交換所規則第四十二条ヘ但書追加ノ件並ニ公債利子及電信為替交換決済ノ件ニ付日本銀行総裁ヘ照会案左ノ通御廻議申上候也
○中略
本月七日当交換所組合銀行集会ニ於テ、交換所規則第四十二条ヘ左ノ但書ヲ増補可致事ニ相決候間、御承諾被成下度候
右改正ノ理由ハ、是迄手形ト小切手トニ拘ハラス不渡ノ節ハ交換翌日迄本人ヘ対シ取引停止ヲ猶予致来候処、一覧払ノ小切手ニ対シ如此寛典ニ取扱候ハ却テ種々ノ弊害ヲ生シ、信用取引ノ安固ヲ妨ケ候虞アル次第ニ御座候、尤此但書実施ハ来年一月一日ヨリノ筈ニ有之候
  規則第四十二条ヘ左ノ但書ヲ増補スルコト
   但小切手ニ対シテハ本条並第四十三条ヲ適用セス、直ニ取引ヲ停止スルモノトス
 - 第7巻 p.350 -ページ画像 
      参照
 第四十一条 手形小切手ノ支払ヲ拒マレタルトキハ、拒マレタル銀行ヨリ直ニ書面ヲ以テ、其手形振出人(為替手形ニアリテハ支払人)ノ住所・姓名・職業・金額及拒マレタル事実ヲ明記シテ当交換所ヘ届出ベシ
 第四十二条 当交換所ニ於テ前条ノ届出ニ接シタルトキハ、監事ヨリ之ヲ掲示シ、各銀行交換方ニ注意シテ之ヲ警戒セシムベシ
 第四十三条 第四十一条ノ届出翌日午後三時迄ニ取引銀行又ハ入金ヲ受ケタル銀行ヨリ本人入金シタル旨更ニ届出アリタルトキハ、前日ノ掲示ヲ抹殺スルニ止メ、別ニ報告書ヲ発セズ
      已上
                東京交換所委員長
  明治三十四年十一月十一日     男爵渋沢栄一
    日本銀行総裁 山本達雄殿

出第三六五号
本月十一日付ヲ以テ交換所規則第四拾弐条ヘ但書増補ノ件ニ就キ御決議ノ次第並ニ来年一月一日ヨリ実施之趣キ御照会ニ相成リ委細承知仕候、右ハ本行ニ於テ別段之違議無之候間、此段及御回答候也
                日本銀行
  明治三十四年十一月十四日    副総裁 高橋是清
    東京交換所委員長
       男爵 渋沢栄一殿
  ○不渡手形制裁ノ件ニ関聯シテ、商業取引上ノ徳義信用ヲ重ンゼンガ為メ、背徳者制裁ノ法ヲ定ム。附シテ次ニ掲グ。


会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月(DK070045k-0005)
第7巻 p.350-351 ページ画像

会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月  (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第九十六回定式集会録事
明治三十七年九月五日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第九十六回集会ヲ開キ、出席銀行二十三其会員二十八名ナリ、委員豊川良平氏会長席ニ着キ開会、報告ノ後左ノ件々ヲ決議セリ
○中略
一次ニ、協議問題トシテ提出シ置タル不徳義者制裁ノ件ニ移リ、委員ハ説明シテ曰ク、近来取引先ニ於テ種々法律ヲ潜リ、商取引上ノ徳義信用ヲ毀損シ、其銀行ニ損害ヲ与フルノ行為アルモノ尠ナカラス依テ是等ノ取引先ニ対シ相当ノ制裁ヲ加ヘ、裁判所判決ノ如何ニ拘ハラス、東京交換所組合銀行ハ一切取引ヲ為サヽルコトニシテハ如何ト云ニ、全会一致ノ賛成ヲ以テ之レヲ可決セリ、但本件ハ人権上重大ノ関係アルヲ以テ、其制裁方法ハ特ニ調査委員七名ヲ選ミ、常委員ト共ニ慎重ノ調査ヲ遂ケタル上、更ニ本会ノ議決ヲ経テ之レヲ実施スヘキコト
  本件調査委員トシテ会長ヨリ左ノ諸氏ヲ選定セリ
               正金   川島忠之助君
               十五   成瀬正恭君
 - 第7巻 p.351 -ページ画像 
               三井   池田成彬君
               丁酉   鬼塚敬静君
               第一   西脇長太郎君
               安田   中根乕四郎君
               住友   滝沢吉三郎君
○中略
          当日出席者
           客員  日本   木村清四郎
               第一   西脇長太郎
               第三   稲生豊次郎
               十五   園田孝吉
               二十   山口荘吉
               第百   池田謙三
               同    窪田勝弘
               三菱   豊川良平
               同    三村君平
               三井   池田成彬
               安田   中根乕四郎
               浪速   山中隣之助
               川崎   安藤浩
               同    杉浦甲子良
               四十一  益子右馬助
               同    安藤滝次郎
               七十八  松尾謹次
               百十三  古山数高
               中井   菅沼慶蔵
               八十四  山田丈太郎
               同    中沢要輔
               第十   山本彦吉
               三十五  田代英作
               明商   長谷川千蔵
               十九   内藤尚
               正金   川島忠之助
               肥後   遠藤遠
               住友   滝沢吉三郎
               監事   山中譲三


調査委員会録事(DK070045k-0006)
第7巻 p.351-352 ページ画像

調査委員会録事            (東京手形交換所所蔵)
    ○不徳義者制裁調査委員会録事
明治三十七年九月十二日午後四時ヨリ、不徳義ノ行為アル取引先ニ対スル制裁取調ノ為メ、常委員ハ本月五日特ニ選定シタル調査委員ト共ニ銀行集会所ニ会同審議ノ末、当交換所組合銀行ハ商取引上徳義ヲ重センカ為メ、其取引先ニ於テ万一商業上ノ徳義ヲ毀損シ信用ヲ害スル行為アリタルモノニ対シテハ、一切取引ヲ為サヽルヘシト一決セリ、
 - 第7巻 p.352 -ページ画像 
而シテ之レカ調査ノ方法ハ、先ツ取引関係ノ銀行若クハ其事実ヲ聞知シタル銀行ヨリ便宜ノ方法ヲ以テ交換所ニ告知セシメ、交換所ハ委員会ニ於テ調査ノ上其結果ヲ組合銀行会議ニ付シ、出席銀行四分三以上ノ同意ヲ以テ本人ニ対シ自今取引ヲ停止スヘシ云々、尚本日決議ノ旨趣ニ基キ、監事山中氏ニ決議案ヲ起草セシメタル上、今一回委員会ヲ開キ、日本銀行当局者ヘモ打合スヘキコトニ決シテ散会セリ
            当日出席者
               委員    豊川良平
               同     池田謙三
               調査委員  成瀬正恭
               同     池田成彬
               同     中根乕四郎
               同     川島忠之助
               同     滝沢吉三郎
               同     鬼塚敬静
               監事    山中譲三
                但成瀬氏《(西脇カ)》ハ不参


会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月(DK070045k-0007)
第7巻 p.352-353 ページ画像

会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第九十七回定式集会録事
明治三十七年十月四日午後一時ヨリ、東京交換所組合銀行第九十七回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十五行其出席会員二十五名ナリ委員豊川良平氏会長席ニ着キ開会、報告ノ後左ノ件々ヲ決議セリ
○中略
一前会ニ於テ協議シタル銀行取引者中不徳義ノ行為アル者ニ対スル制裁取設ノ件ハ、調査委員報告ヲ議題トシテ逐条審議ヲ遂ケ、異議ナク原案ニ可決シ、自今組合銀行一同必ス之レヲ励行スヘキコトニ決定セリ
(別紙)
  調査委員報告
手形取引上徳義制裁ノ件ニ付審議ヲ尽シ、左ノ通リ決議致候ニ付、此段及御報告候也
    決議要領
東京交換所組合銀行ハ商取引上徳義信用ヲ重センカ為メ、其取引先ニ於テ万一商業上ノ徳義ヲ毀損シ信用ヲ害スルノ行為アリタルモノニ対シテハ、一切取引ヲ為サヾルベシ、例之バ
 一停止処分ヲ受ケ其後家族又ハ使用人等ノ名義ヲ以テ更ニ当座取引ヲ開キタルモノ
 一手形債務者手形行為ニ欠欠アルヲ口実トシテ其支払ヲ拒絶シタルモノ
 一法律上ノ破産処分ヲ免レンカ為メ破産前ニ其営業ヲ廃止シタルモノ
 一財産ヲ隠慝スルノ目的ヲ以テ営業ノ組織ヲ変更シタルモノ
右等ノ敗徳者アリタルトキハ、取引関係ノ銀行若クハ其事実ヲ聞知シ
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タル銀行ヨリ本人ノ職業・住所・姓名並ニ事実ノ要領ヲ書面又ハ便宜ノ方法ヲ以テ、東京交換所ニ告知スベシ、交換所ハ特ニ調査委員会ヲ開キ、慎重ノ調査ヲ遂ケ、事実相違ナキニ於テハ、其結果ヲ組合銀行会議ニ付シ、出席銀行四分ノ三以上ノ同意ニヨリ、本人ニ対シ自今取引ヲ停止スヘキコトヲ決議スヘシ
      以上
               調査委員(イロハ順)
                     池田成彬
                     西脇長太郎
                     鬼塚敬静
  明治三十七年九月廿四日        川島忠之助
                     滝沢吉三郎
                     成瀬正恭
                     中根乕四郎
   東京交換所委員
        御中


会議録第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月(DK070045k-0008)
第7巻 p.353-354 ページ画像

会議録第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第百十二回定式集会録事
明治三十九年五月九日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第百十二回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行十七行其出席会員モ亦十七名ナリ、委員池田謙三氏会長席ニ着キ開会
○中略
一各地交換所聯合会決議報告
○中略
第二号 各地交換所ノ不渡手形制裁ヲ一定スルノ件
 各地交換所ハ不渡手形ヲ出シタル者ニ対シテハ相互ニ其住所・姓名職業及之カ理由ヲ報告シ、満三ケ年間ハ各地交換所組合銀行ニ於テ取引ヲ為サヽル事
 但シ細目ノ制裁ハ各交換所ノ慣例ニ依ルモノトス
○中略
              当日出席者
                 第三  安田善八郎
                 第百  池田謙三
                 三菱  三村君平
                 三井  門野錬八郎
                 安田  安田喜八郎
                 浪速  大倉国造
                 帝商  高瀬梅吉
                 川崎  安藤浩
                 同   塚口慶三郎
                 七十八 松尾謹次
                 百十三 古山数高

                 中井  菅沼慶蔵
 - 第7巻 p.354 -ページ画像 
                 東京  草刈隆一
                 八十四 山田丈太郎
                 新潟  藁品槍太郎
                 第十  山本彦吉
                 明商  伊藤竹衛
                 丁酉  洲戸吉漸
                 監事  山中譲三