デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
2款 東京手形交換所
■綱文

第7巻 p.358-372(DK070048k) ページ画像

明治30年10月29日(1897年)

近時東京市内ニ開業スル銀行ノ数頗ル増加シ来リシヲ以テ、自他取引ノ便宜ヲ図ランガ為メ、当交換所組合銀行新規加入及代理交換銀行増加ノ事ヲ屡々協議セシガ、是日、手形取扱高百万円以上並
 - 第7巻 p.359 -ページ画像 
ニ当座預金拾万円以上ノ銀行ニ組合加入ヲ許ス可キコトヲ評決シ、又翌年十月七日代理交換規約ヲ議定ス。栄一此議ニ与ル。


■資料

会議録第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070048k-0001)
第7巻 p.359-363 ページ画像

会議録第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所定式集会録事
明治二十八年十二月六日午後四時ヨリ、新橋花月楼ニ於テ、交換所組合銀行例次定式会ヲ兼ネ懇親会ヲ開キ、左ノ条件ヲ協議決定セリ
○中略
一交換所組合銀行ニ加入セシムル件ハ、追テ日本銀行ヘモ打合、府下同盟銀行○銀行集会所同盟銀行名簿中ヨリ投票シテ之ヲ選択スヘキ事ト為セリ
  ○此会ニ栄一欠席ス。
    ○東京交換所第二十四回定式集会録事
○中略
一当交換所ニ新規加入若クハ代理交換ヲ開設スルモノハ如何トノ説アリ、次会ニ於テ篤ト詮議ノ上協議スヘキコトニ決セリ
    ○東京交換所第二十五回定式集会録事
○中略
次ニ、前会ノ協議ニ係ル組合銀行新規加入若クハ代理交換ノ途ヲ開ク件ニ付更ニ協議アリシカ、前例ニ準シ、日本銀行ニ於テ各銀行手形ノ多寡等ノ調査ヲ乞ヒ、其上ニテ予選シタル方可然トノ事トナリ、其調査ヲ鶴原氏ヘ委托セリ
  ○此会ニ栄一欠席ス。
    ○東京交換所第二十七回定式集会録事
明治三十年十月五日午后四時ヨリ、東京交換所組合銀行第二十七回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会シタルモノ二十一名、是日客員トシテ日本銀行ヨリ山本理事・鶴原営業局長来会セリ
委員長渋沢栄一氏ハ会長席ニ就キ
○中略
次ニ、組合銀行行増加スヘキ前会以来ノ問題ヲ提シ、且ツ従来日本銀行ニ於テ交換所組合以外銀行ノ手形・小切手ヲ当坐勘定ニ受入タリシ処、爾今之ヲ廃止スヘシトノ議已ニ内定シ、之ヲ実施スル将ニ期アラントスルニ付テハ、是レト同時ニ此組合銀行増加ノ必要モアルヘシトシテ協議スル処アリシカ、尚各銀行ノ手形取扱高等ヲ取調ノ上、更ニ協議シタル方然ルヘシトノ説多数ニテ之ニ決セリ
○中略
          当日出席者
             第一銀行    渋沢栄一
             同       佐々木勇之助
             第三      長谷川千蔵
             十五      久野昌一
             同       清水宜輝
             二十      山口荘吉
 - 第7巻 p.360 -ページ画像 
             第二十七    安藤三男
             第百      池田謙三
             三菱      三村君平
             三井      波多野承五郎
             同       日比翁助
             安田      太田善弥
             鴻池      蘆田順三郎
             第三十二    山中隣之助
             帝国商業    橋本正彰
             川崎      安藤浩
             東海      笹井慎次郎
             第七十七    成沢武之
             第百十三    古山数高
             日本   客員 山本達雄
             同    同  鶴原定吉
      以上
  ○日本銀行ニ於テ当交換所組合銀行ニ加入セザル銀行ノ手形・小切手ヲ当坐勘定ニ収納セザル旨通知アリタリ。其書類末尾参考ニ附セリ。
    ○東京交換所委員会録事
明治三十年十月二十九日午后五時ヨリ、銀行集会所ニ於テ、東京交換所委員外二三氏小集シ、先般来屡々談話ニ上リタル組合銀行加入一件ニ付協議会ヲ開キタルニ、池田氏ハ先ツ、交換所規則第十八条保証公債ヲ此際二万円ニ増加シ而カル後新規加入ヲ許スヘシト主張シ、其多数ハ不同意ヲ述ヘタルモ、渋沢氏ハ今日ノ如ク交換高モ増加シアレハ随テ保証品ヲ増加スルハ当然ナルヘシト池田氏ノ説ニ同意ヲ表サレタレトモ、豊川・佐々木・波多野等ノ諸氏ハ依然トシテ其不可ナル旨ヲ述ヘ種々討議ノ末、来月五日組合銀行定式集会ノ協議ニ付シ之ヲ決スヘキ事ト為セリ
佐々木勇之助氏ハ、交換所規則第二十三条交換代理ノ銀行ニ責任ヲ負ハシムルハ甚タ其当ヲ得サルトシテ之カ修正意見ヲ述ヘ、協議シタル結果、左ノ通修正スヘキコトニ評決シ、是又来月五日定式集会ニ於テ決スヘキ事ト為セリ
 第二十三条修正案 組合銀行中組合外銀行ノ交換委托ヲ引受ケタルトキハ其由ヲ委員ニ届出、委員ヨリ組合銀行ヘ通知スヘシ
   但受托銀行ハ委托銀行ニ於テ支払フヘキ手形・小切手ヲ便宜上交換スル迄ニテ、別ニ責任ヲ有セサルモノトス
爰ニ於テ、兼テ日本銀行ニ於テ調査シタル各銀行手形取扱高ノ統計表及頃日交換所ニ於テ調査シタル各銀行本年六月及九月ノ当坐預金其他ノ統計表ニ種ヲ参照シ、種々討議ヲ遂ケ、先ツ手形取扱高一百万円以上並当坐預金拾万円以上ノモノニハ加入差支ナカルヘシト評決シ、同十時下散会セリ
      当日出席者
                      渋沢栄一
                      佐々木慎思郎
 - 第7巻 p.361 -ページ画像 
                      池田謙三
                      豊川良平
                      佐々木勇之助
                      波多野承五郎
                        以上六名
      手形百万円以上左ノ十二行
                     第二銀行支店
                     新潟銀行支店
                     十二銀行支店
                     三十五銀行支店
                     第三十九銀行支店
                     八十四銀行
                     八十九銀行
                     中井銀行
                     信濃銀行支店
                     東京商業銀行
                     明治商業銀行
                     東京銀行
      当坐預金十万円以上左ノ六行
                     第百十二銀行
                     肥後銀行
                     日本興業銀行
                     第五銀行支店
                     第十銀行支店
                     加島銀行支店
                   以上十八行
    ○東京交換所第二十八回定式集会録事
明治三十年十一月五日午後四時ヨリ、東京交換所組合銀行第二十八回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会スルモノ十六名ナリ
渋沢委員長病気欠席ニ付委員佐々木慎思郎氏会長席ニ着キ○中略且本日議案中交換所規則第十八条保証品増加ノ策アリ、右ハ過日ノ相談ニ於テ本日ノ協議ヲ経タル上本議ニ上スヘキ筈ナリシヲ書記ノ誤リタルモノナレハ、第十八条ハ後ニシ、第二十三条修正按ヨリ議スヘシト告ケ討議シタリシカ、異議ナク原案ニ決セリ
 但此修正案ニ拠リ交換委托ヲ為ス銀行ハ勿論組合銀行ニアラサルヲ以テ、其銀行ノ都合ニヨリ直ニ取付ヲ為スモ又交換所組合ヨリ取付クルモ随意タルヘシ、又委托ヲ受ケテ交換所ヘ持出シタル手形・小切手中不渡ノモノアリタルトキハ亦第十三条但書ニ拠ルヘシト雖委托銀行遠隔ニシテ規程ニ違フノ恐レアルトキハ其旨届出スヘキ事
次ニ協議会ニ移リ、規則第十八条保証品ハ従来五分以上利付公債証書額面壱万円ノ処、此際弐万円ニ増加シテハ如何トノ件ヲ評議シタリシカ、皆従前ノ儘据置タシトノ希望ニ依リ、之ニ一決セリ
○中略
      当日議案
 - 第7巻 p.362 -ページ画像 
一第二十三条修正案 組合銀行中組合外銀行ノ交換委托ヲ引受ケタルトキハ、其由ヲ委員ニ届出、委員ヨリ組合銀行ヘ通知スヘシ
          当日出席者
             第一銀行     佐々木勇之助
             十五       清水宜輝
             第二十      佐々木慎思郎
             同        山口荘吉
             第二十七     安藤三男
             第百       池田謙三
             三菱       三村君平
             三井       日比翁助
             安田       太田善弥
             第三十二     山中隣之助
             帝国商業     伊東祐之
             川崎       安藤浩
             同        杉浦甲子良
             東海       笹井慎次郎
             第四十一     奥田卯三郎
             第七十七     成沢武之
             百十三      古山数高
         以上
    ○東京交換所第三十二回定式集会録事
明治三十一年六月七日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第三十二回ノ集会ヲ開キ、来会シタルモノ三十三名ナリ
委員長渋沢栄一氏ハ会長席ニ着キ、交換所規則第二十三条ニ定メタル代理交換ニ関シ、委托銀行ヨリ受托銀行ニ対シ相当ノ約定書ヲ差出サシメタル方整理上必要ナルヘシト告ケ、其草案ヲ示シテ之ヲ協議シタルニ、大体ニ於テハ皆之レニ同意シタルモ、二三ノ点ニ修正ヲ加ヘ更ニ次会ニ於テ審議決定スヘキコトト為シ○中略
後晩餐ヲ了シ八時下散会セリ
○中略
          当日出席者
             第一銀行     渋沢栄一
             同        佐々木勇之助
             第三       長谷川千蔵
             十五       清水宜輝
             二十七      安藤三男
             第百       池田謙三
             三菱       三村君平
             同        桐島像一
             三井       波多野承五郎
             同        上柳清助
             安田       若菜福朗
             鴻池       蘆田順三郎
 - 第7巻 p.363 -ページ画像 
             浪速       河村民之輔
             帝商       橋本正彰
             川崎       安藤浩
             同        杉浦甲子良
             東海       吉田幸作
             第四十一     奥田卯三郎
             第七十八     松尾謹次
             同        関谷和三郎
             百十三      古山数高
             中井       菅沼慶蔵
             八十四      山田丈太郎
             八十九      大山勉
             東商       杉本清胤
             第二       古山政治
             新潟       高山信爾
             第十       小沢安胤
             十二       安田定次郎
             三十五      井上好雄
             第十九      堀田重四郎
             第四十      根岸盛太郎
             伊藤       岸田常三郎
         以上


銀行通信録 第一五三号・第一一九七頁〔明治三一年八月一五日〕 東京交換所定式会録事(DK070048k-0002)
第7巻 p.363 ページ画像

銀行通信録  第一五三号・第一一九七頁〔明治三一年八月一五日〕
    ○東京交換所定式会録事
七月二十一日午後五時より、東京交換所組合銀行第三十三回の定式集会を調《(開)》き、来会したるもの二十三名なり
委員長渋沢栄一氏会長席に着き、本年上半季間当交換所庶務の要件並経費決算を報告して其承認を得
又前会の協議に係る交換代理約定書案は目下取調中なれば次会に於て更に協議決定すべしと報じ右にて閉会を告げ晩餐の後八時に退会せり


会議録 第一号 従明治二四年二月至同三五年十二月(DK070048k-0003)
第7巻 p.363-366 ページ画像

会議録 第一号 従明治二四年二月至同三五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第三十四回集会録事
明治三十一年十月七日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第三十四回ノ集会ヲ開キ、来会シタル者三十三名ナリ
是日、委員長渋沢栄一氏病気欠席ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ、会議ニ先タチ新タニ会員トシテ出席シタル三井銀行副支配人高山長幸氏ヲ紹介シ
○中略
次ニ、兼テ協議シタル代理交換規約案ヲ協議ニ付シ、二三修正ノ上之ヲ可決シ、是又十月十日ヨリ実施スヘキコトニ決定セリ
○中略
 - 第7巻 p.364 -ページ画像 
           当日出席者
              第三銀行    長谷川千蔵
              十五      河合辰太郎
              二十      山口荘吉
              二十七     安藤三男
              第百      池田謙三
              三菱      三村君平
              三井      上柳清助
              同       高山長幸
              安田      中根虎四郎
              浪速      河村民之輔
              帝国商業    島甲子二
              同       橋本正彰
              川崎      杉浦甲子二
              四十一     奥田卯三郎
              第七十八    関谷和三郎
              百十三     古山数高
              中井      菅沼慶蔵
              東京      草刈隆一
              八十四     山田丈太郎
              八十九     大山勉
              東京商業    杉本清胤
              第二      古山政治
              新潟      高山信爾
              第十      小沢安胤
              十二      永井信達
              三十五     井上好雄
              三十九     遠藤雄吉
              明治商業    牧田銑郎
              第十九     山県近吉
              四十      根岸盛太郎
              伊藤      岸田常三郎
              日本   客員 伊藤祐之
          以上
    代理交換規約
第一条 委托銀行ハ毎日交換決了時間ヲ期シ行員ヲ受托銀行ニ派シ、当日ノ決算尻ヲ認メ、若シ借方トナリテ受托銀行ニ振替ノ資金ヲ有セサルトキハ、午後零時三十分迄ニ其金額ヲ受托銀行ニ振込ムヘシ
第二条 委托銀行ニ於テ前条ノ入金ヲ怠リタルトキハ、受托銀行ニ於テ交換シタル手形・小切手ハ午後三時迄ニ相手銀行ニ差戻スヘシ
第三条 前条ノ場合ニ於テ受托銀行ハ直ニ其趣ヲ交換所委員ニ通知スヘシ、委員ハ速ニ之ヲ組合銀行ニ通知シテ代理交換ヲ拒絶スヘシ
第四条 受托銀行ニ於テ委托ノ代理ヲ解約セントスルトキハ予メ其趣ヲ交換所委員ニ通知スヘシ
 - 第7巻 p.365 -ページ画像 
第五条 委托銀行ニ於テ支払フヘキ手形・小切手ノ内支払資金ナキモノアリタルトキハ、午後三時迄ニ其趣ヲ直接ニ相手方銀行ニ通知シ其手形・小切手ハ受托銀行ニ返戻シテ代リ金ヲ受取ヘシ
第六条 委托銀行ハ相当ノ手数料ヲ受托銀行ニ支払フヘキモノトス
      以上
    ○東京交換所第三十五回定式集会録事
明治三十二年一月二十七日午後六時ヨリ、東京交換所組合銀行第三十五回定式総会ヲ開キ、来会者三十五名ナリ
○中略
次ニ交換所監事山中譲三氏ハ当市内銀行本支店ニシテ未タ代理交換ヲ委托セサルモノ六十有余行アリテ、相互ニ人ヲ派シ取付サルヘカラサルノ不便アルヲ以テ此際大ニ勧誘ヲ試ミ、苟クモ東京市内ニ於ケル銀行宛ノ手形・小切手ハ悉皆此交換所ニ於テ決算シ得ル様致度、幸ヒニ組合銀行各位ノ賛成ヲ得ルニ於テハ大ニ勧誘ヲ務ムヘシト述ヘタルニ皆同意ヲ表シ、其勧誘状ハ委員中ヘ協議ノ上之ヲ発送スヘキ事ニ決シ
○中略
          当日出席者
             第一銀行  遅刻 渋沢栄一
             同        土岐僙
             第三       長谷川千蔵
             十五       伴野乙弥
             同        成瀬正恭
             二十       山口荘吉
             二十七      安藤三男
             第百       池田謙三
             三菱       豊川良平
             同        三村君平
             三井       上柳清助
             安田       若菜福朗
             鴻池       蘆田順三郎
             浪速       河村民之輔
             帝国商業     大谷登喜雄
             同        池田虎男
             川崎       安藤浩
             東海       吉田幸作
             四十一      益子右馬助
             七十七      成沢武之
             第七十八     松尾謹次
             百十三      鈴木重恒
             中井       菅沼慶蔵
             八十四      山田丈太郎
             東京商業     杉本清胤
             第二       古山政治
             新潟       高山信爾
 - 第7巻 p.366 -ページ画像 
             第十       小沢安胤
             十二       安田定次郎
             三十五      井上好雄
             三十九      長尾三十郎
             明治商業     町野五八
             第十九      堀田金四郎
             四十       根岸盛太郎
             伊藤       岸田常三郎
           以上


交換所委員廻議 第三号 自明治卅一年至同卅二年(DK070048k-0004)
第7巻 p.366-367 ページ画像

交換所委員廻議 第三号 自明治卅一年至同卅二年 (東京手形交換所所蔵)
明治三十二年二月三日         東京交換所監事(印)
 委員長(印)
 委員(印)(印)
   去月二十七日交換所組合銀行定式集会ノ節及御評議候代理交換勧誘状左ノ通御廻議申上候也
拝啓、陳ハ近来手形取引追々発達致シ、当交換所ノ如キモ明治二十四五年ノ交ハ一ケ年ニ交換シタル手形・小切手ノ金額漸ク壱億万円内外ニシテ、此枚数六万枚ニ過キサリシカ、昨三十一年ハ其交換金額殆ント八億万円ニシテ、此枚数七拾九万弐千百五十一枚ニ上リタリ、故ニ今後商工業ノ益々発達スルニ随ヒ一層手形取引ノ頻繁ニ赴クヘキハ必然ノ勢ニ候ハヽ、銀行業者タルモノハ此間ニ介在シテ自他ノ便利ヲ謀リ、同業中ノ手形・小切手ヲシテ円滑ニ流通セシムルノ方法ヲ講スルハ目下ノ急務ト相考候、然ルニ今日ノ如ク、交換所代理交換御委托以外ノ御同業ヘ対シ相互ニ社員ヲ派シ取付候様ニテハ、其煩労ニ耐ヘサル処ヨリ、自然交換所ニ於テ決算シ得サル手形・小切手ノ受入ヲ拒絶候様ノ場合有之モ難計、左候ハヽ結局貴行ノ御不利益ニ相帰シ可申候就テハ、貴行ニ於テハ東京交換所組合銀行中ニハ平生御取引モ可有之存候ニ付、此際代理交換御委托相成候様希望仕候、幸ニ御承諾相成候ハヽ、自然御同業中ノ手形・小切手ハ皆当交換所ニ於テ僅少ノ時間ニ相互ノ決算完了致シ、自他御同業中ノ便益不尠儀ト相信シ候間、宜敷御承知被下度、此段御照会申上候也
 明治三十二年二月 日           東京交換所
  追テ御参考ノ為メ、交換所規則並代理交換規約書合本一冊呈貴覧候、但現在組合銀行名称ハ規則末尾ニ、又代理交換ノ箇条ハ規則第二十三条ニ記載有之候、為念申添候也
    ○
明治三十二年五月一日         交換所監事(印)
  委員長
  委員(印)(印)
   当交換所ニ於テ左ノ事項ニ付組合銀行決議相願度候ニ付、来ル五月五日午后五時ヨリ銀行集会所ニ於テ集会相開候様仕度、此段御廻議申上候也
     当日要件
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 一不渡手形処分事務ヲ銀行集会所ヨリ受継ノ事
   是レハ四月十五日銀行集会所組合銀行ノ決議ニ依ル
 一右ニ付、代理交換規約第五条ノ次ヘ左ノ一項ヲ追加シ、元ノ第六条ヲ第七条ト改ム
  第六条 東京交換所(明治三十二年五月 日以前ハ東京銀行集会所)ニ於テ不渡処分ヲ受ケタル者ノ振出シタル手形・小切手ヲ組合銀行ニ於テ授受セサルハ勿論ナリト雖、委托銀行ニ於テモ亦決シテ取引ヲ為スヘカラス
 一横浜正金銀行東京出張所加入申込ニ付決選投票ノ件


会議録第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070048k-0005)
第7巻 p.367-368 ページ画像

会議録第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第三十六回定式集会録事
明治三十二年五月五日午後五時ヨリ、東京銀行集会所ニ於テ、東京交換所組合銀行第三十六回定式集会ヲ開キ、来会シタルモノ三十一名、是日委員長渋沢栄一氏欠席ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ、本日問題ニ付会議ヲ開キ、之レヲ決定スル事左ノ如シ
○中略
一次ニ、代理交換規約追加ノ件ニ移リシカ、是レハ、手形取引ノ基礎ヲ鞏固ニセンニハ又其弊害ヲ矯正スルノ途ヲ講セサルヘカラサルヲ以テ、是迄一旦取引ヲ停止シタルモノニ対シテ、追テ本人ノ信用恢復スル迄ハ組合銀行ニ於テ一切ノ取引ヲ禁シアリシカ、今回此矯正法ヲ普及センカ為メ、更ニ交換所代理交換委托ノ銀行ヘモ右規約ヲ遵守セシムルノ必要ヲ感シタレハ、代理交換規約第五条ノ次ニ左ノ一条ヲ追加シ、元ノ第六条ヲ七条ニ改メンコトヲ望ムト協議シタルニ、異議ナク原案ニ決シ
 第六条 東京交換所ニ於テ取引停止ノ処分ヲ受ケタル者ニ対シテハ委托銀行ニ於テモ亦一切取引ヲ為スヘカラス
 又明治二十七年以来、東京銀行集会所ニ於テ取引停止ノ処分ヲ受ケタルモノニ対シテハ、東京交換所組合銀行ニ於テモ依然取引ヲ為ササルハ勿論、代理交換委托ノ銀行ヘモ亦同様効力ヲ有セシムル事
 次ニ代理交換ヲ委托セサル銀行宛ノ手形・小切手ハ来ル六月一日以後当交換所組合銀行ニ於テハ一切受入レサル事ニ決シ○下略
    ○東京交換所第四十六回定式集会録事
明治三十三年四月五日午後五時ヨリ、東京交換所組合銀行第四十六回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会シタル銀行二十七行其出席会員三十二名ナリ、是日委員皆差支アリタルヲ以テ三村君平ヲ会長トシテ開会シ
○中略
夫ヨリ議事ニ移リ、本日ノ問題タル代理交換委托ノ銀行ヨリ受托銀行ヘ保証品ヲ預ケ入レシムルノ件ヲ協議シタルニ全会一致ヲ以テ之レニ同意シ、結局各自手形ノ多寡信用ノ厚薄モアルヘケレハ、実価三千円ヨリ少ナカラス壱万円ヨリ多カラサル有価証券ヲ預ケ入ルヘキ事トナシ、而シテ此決議ニ依リ代理交換規約中ニ追加スル事並実施日限等ハ委員ニ一任スヘキ事ニ決シ
 - 第7巻 p.368 -ページ画像 
○中略
当日決議ニ依リ組合銀行及代理交換委托銀行ヘ左ノ通通知セリ
 拝啓、然ハ本月五日組合銀行定式集会ニ於テ当交換所規則第五十二条ノ次ニ左ノ一ケ条追加スヘキ事ニ決議シ、来ル五月一日ヨリ実施可致候間、右御承知相成度、此段御通知申上候也
  第五十三条 委托銀行ハ保証トシテ有価証券実価参千円以上壱万円迄ヲ受托銀行ヘ預ケ入ルヘシ
   (但現行規則第五十三条以下逐次繰下ケノコト)
   明治三十三年四月十一日       東京交換所
当日出席者左ノ如シ
             第一銀行    佐々木勇之助
             同       市原盛宏
             第三      長谷川千蔵
             十五      成瀬正恭
             同       松山可澄
             二十      山口荘吉
             三菱   遅参 豊川良平
             同       三村君平
             三井      上柳清助
             同       高山長幸
             鴻池      平井直三郎
             浪速      河井民之輔
             帝国商業    島甲子二
             川崎      安藤浩
             東海      笹井慎次郎
             四十一     益子右馬助
             第七十八    関谷和三郎
             百十三     古山数高
             中井      菅沼慶蔵
             八十四     山田丈太郎
             八十九     大山勉
             第二      古山政治
             同       高梨富三郎
             新潟      高山信爾
             第十      小沢安胤
             十二      安田定次郎
             三十五     鈴木金平
             三十九     八木俊一郎
             明商      安田善助
             第十九     内藤尚
             伊藤      岸田常三郎
             正金      川島忠之助
           以上

 - 第7巻 p.369 -ページ画像 

交換所委員廻議 第四号 明治卅三年(DK070048k-0006)
第7巻 p.369 ページ画像

交換所委員廻議 第四号 明治卅三年  (東京手形交換所所蔵)
明治三十三年四月九日           東京交換所監事(印)
 委員長(印)
 委員(印)(印)
  本月五日組合銀行定式来会ニ於テ、代理交換委托ノ銀行ヨリ受托銀行ヘ保証品預ケ入ノ件ハ全会一致ヲ以テ可決致シ、而シテ其額ハ手形ノ多寡信用ノ厚薄モアルヘケレハ、実価参千円以上壱万円迄ノ有価証券ヲ預ケ入ルヘキ事ニ相成候ニ付、当交換所規則第五十二条ノ次ヘ左ノ一条ヲ追加シ、来ル五月一日ヨリ実施相成可然存候ニ付、組合銀行交換委托銀行ヘ通知案相添、御廻議申上候也
   但御参照ノ為メ別冊規則ニモ朱書符箋仕度候
     追加
    第五十三条 委托銀行ハ保証トシテ有価証券実価参千円以上壱万円迄ヲ受托銀行ヘ預ケ入ルヘシ
      但現行規則第五十三条以下逐次繰下ケノ事

    組合銀行及委托銀行ヘ通知案
拝啓、然ハ本月五日組合銀行定式集会ニ於テ、当交換所規則第五十二条ノ次ニ左ノ一ケ条追加スヘキ事ニ決議致シ、来ル五月一日ヨリ実施可致候間、右御承知相成度、此段御通知申上候也
  年 月 日               東京交換所
    右決議ニ付日本銀行総裁ヘ照会案
拝啓、然ハ本月五日当交換所組合銀行定式集会ニ於テ、全会一致ヲ以テ規則第五十二条ノ次ニ左ノ一ケ条追加シ、来ル五月一日ヨリ実施可致事ニ決議仕候間、御承諾被成下度、此段御照会申上候也
                東京交換所委員長
  年 月 日
                      渋沢栄一
    日本銀行総裁 山本達雄殿

明治卅三年四月十一日
出第一四二号
本月十日付ヲ以テ交換所規則第五十三条追加之件ニ就キ御決議ノ次第御照会ニ相成委細了承仕候、右ハ本行ニ於テ別段異議無之候間、此段及御回答候也
            日本銀行副総裁 高橋是清(印)
  東京交換所委員長
    渋沢栄一殿


会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070048k-0007)
第7巻 p.369-370 ページ画像

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第五十二回定式集会録事
明治三十三年十月五日午後五時ヨリ、組合銀行第五十二回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十四行其出席会員二十五名ナリ、渋沢委員長会長席ニ着キ
 - 第7巻 p.370 -ページ画像 
○中略
夫レヨリ、会長ハ五十円以下ノ当座預金ニ利子ヲ付セサル事及代理交換加入ニ制限ヲ設クヘキ事ニ付協議会ヲ開キ、且ツ本件提議ノ理由ハ池田謙三氏ヨリ説明スベキ旨ヲ告ケ、引続池田氏ヨリ之レカ理由ヲ詳述セリ、其要旨ニ曰ク
○中略
 又代理交換ニ制限ヲ設クベシトノ趣意ハ、是レ迄ノ如ク一片ノ届出ニヨリ翌日ヨリ其銀行ノ手形ハ交換所ニ於テ決算シ得ル事ナリシカ近頃其代理銀行ノ手形不渡ノ不幸ヲ来シタルモノ一二ニシテ止マラス、為メニ大ニ交換所ノ面目ニモ関スレハ、自今代理交換加入ニ相当ノ制限ヲ設ケタシ、云々
右二件ノ協議問題ニ対シテハ次会ニ於テ熟議スヘキニ付、委員ノ考案ヲ以テ相当ノ方法ヲ提示セラレンコトヲ希望シ、委員モ亦之レヲ諾シテ退会セリ
    ○東京交換所第五十三回定式集会録事
明治三十三年十一月八日、組合銀行第五十三回定式集会ヲ銀行集会所ニ開キ、来会シタル銀行二十五行其出席会員二十七名ナリ、委員池田謙三会長席ニ就キ
○中略
次ニ、代理交換加入ニ制限ヲ置クヘシトノ件ハ、全会一致原案ニ賛成シ、其結果交換所規則第二十二条ヲ左ノ通改正スヘキ事ニ決セリ
    現行条文
 第二十二条 組合銀行中組合外銀行ノ交換委托ヲ引受ケタルトキハ其由ヲ委員ニ届出、委員ヨリ組合銀行ヘ通知スヘシ
   但受托銀行ハ委托銀行ニ於テ支払フヘキ手形・小切手ヲ便宜上交換スル迄ニテ、別ニ責任ヲ有セサルモノトス
    改正条文
 第二十二条 組合銀行ニ於テ代理交換ノ引受ケヲ為サントスルトキハ委員ニ申出ヘシ、委員ハ之ヲ組合銀行会議ニ付シ、投票多数ヲ以テ其可否ヲ決スヘシ
    但書従前ノ通
  ○此日栄一欠席ス。


交換所委員廻議 第四号 明治卅三年(DK070048k-0008)
第7巻 p.370-371 ページ画像

交換所委員廻議 第四号 明治卅三年  (東京手形交換所所蔵)
明治三十三年十一月十日          東京交換所監事(印)
 委員長
 委員(印)(印)
  本月八日組合銀行定式集会ニ於テ、規則第二十二条改正案可決致シ候ニ付、日本銀行ヘ照会案御廻議申上候也
拝啓、本月八日組合銀行定式集会ニ於テ、当交換所規則第二十二条左ノ通改正可致事ニ決議仕リ候ニ付、御承諾相成度、此段及御照会候也
                東京交換所委員長
  年 月 日
                   男爵渋沢栄一
 - 第7巻 p.371 -ページ画像 
    日本銀行総裁 山本達雄殿
  ○現行条文及ビ改正条文略ス。
明治三十三年十一月十六日
出第四四九号
本月十三日付ヲ以テ、交換所規則第二十二条改正ノ件ニ就キ御決議ノ次第御照会ニ相成リ委細了承仕候、右ハ当行ニ於テ別段ノ異議無之候間、此段及御回答候也
                 日本銀行総裁
                    山本達雄(印)
  東京交換所委員長
    男爵渋沢栄一殿



〔参考〕交換所委員廻議 第二号 自明治二九年至同三〇年(DK070048k-0009)
第7巻 p.371-372 ページ画像

交換所委員廻議 第二号 自明治二九年至同三〇年 (東京手形交換所所蔵)
明治三十年十一月十八日              書記長(印)
 正副会長(印)
  日本銀行ヨリ別紙之通々知有之候ニ付、回答案相添、御廻議申上候也
従来市内当坐御取引銀行中交換所組合ニ属セサル銀行ノ手形・小切手ハ総テ当坐勘定ニ御収納相成居候処、右ハ御都合ニ依リ来三十一年一月一日ヨリ御廃止可被成事ニ御治定相成候ノ趣ヲ以テ、取引銀行ヘノ御通知書二通相添御通知之趣敬承仕候、此段御回答申上候也
                東京銀行集会所
  明治三十年十一月 日
                   会長 渋沢栄一
    日本銀行総裁宛
(別紙)
営第二〇七三号
従来市内当座取引銀行中交換所組合ニ属セサル銀行ノ手形・小切手ヲ交換決算致来候処、右ハ都合ニ由リ来三十一年一月一日ヨリ廃止致、東京交換所組合外ノ銀行ニ宛タル手形・小切手ハ同日以降本行当座勘定ニ収納セサル事ニ改正致候間、右様御了承相成度、依テ取引銀行ヘノ通知書写二通相添、此段及御通知候也
                 日本銀行総裁
  明治三十年十一月十七日
                    岩崎弥之助(印)
    東京銀行集会所
          御中
従来貴行当座勘定ヘ、本行ニ当座取引アル銀行宛ノ手形・小切手収納致、尚他銀行ヨリ収納スル貴行宛手形・小切手ハ貴行当座勘定ヨリ支払取計致来候処、来三十一年一月一日ヨリ、東京交換所組合銀行宛ノ手形・小切手ニ限リ貴行勘定ヘ収納スル事ニ改正致候ニ付、貴行宛ノ手形・小切手ヲ貴行勘定ヨリ支払御送付致候従来ノ取扱振モ同日ヨリ廃止致候間左様御了承相成度、就テハ自今交換所組合銀行ヘ御加入相成候歟、又ハ交換所組合銀行ヲ貴行ノ交換代理銀行ニ御撰定被成、貴
 - 第7巻 p.372 -ページ画像 
行宛ノ手形・小切手ハ交換所ヲ経テ該銀行ヨリ御受取相成候ハヽ大ニ御便利ト存候、御通知旁此段申進候也
                      日本銀行総裁
  明治三十年十一月十七日
                           岩崎弥之助



〔参考〕日本銀行沿革史 第一巻・第九五頁(DK070048k-0010)
第7巻 p.372 ページ画像

日本銀行沿革史  第一巻・第九五頁
一日○明治三十一年一月交換所組合銀行宛ノ手形・小切手ニ限リ当座勘定ニ入金スルヲ得ルコトヽ定ム、従来一般銀行宛手形・小切手ハ総テ当座勘定ニ振込ムコトヲ許シ、之ヲ現金トシテ整理シタルモ、畢竟信用制度ノ尚発達セサル時ニ当リ手形奨励ノ目的ヲ以テ開始シタル一時ノ便法ニ過キサリシニ依リ、玆ニ之カ範囲ヲ縮小シ、単ニ交換所組合銀行宛ノ手形・小切手ニ限ルニ至リシナリ


〔参考〕日本銀行往復書類(DK070048k-0011)
第7巻 p.372 ページ画像

日本銀行往復書類          (東京手形交換所所蔵)
        日本銀行当座取引先
    第一国立銀行        第十二国立銀行東京支店
    第二国立銀行東京支店    第十三国立銀行東京支店
    第三国立銀行        第十五国立銀行
    第四国立銀行東京支店    第十九国立銀行東京支店
    第五国立銀行        第二十国立銀行
    第十国立銀行東京支店    第二十七国立銀行
    第三十国立銀行       第百四十七国立銀行東京支店
    第三十二国立銀行東京支店  横浜正金銀行
    第三十五国立銀行東京支店  合名会社三井銀行
    第四十国立銀行東京支店   合資会社安田銀行
    第四十一国立銀行東京支店  合名会社中井銀行
    第四十五国立銀行      株式会社伊藤銀行東京支店
    第七十七国立銀行東京支店  株式会社掛川銀行東京支店
    第七十八国立銀行東京支店  合資会社川崎銀行
    第八十九国立銀行東京支店  株式会社信濃銀行東京支店
    第九十五国立銀行      広部銀行
    第百国立銀行        株式会社横浜銀行東京支店
    第百十三国立銀行東京支店  株式会社東海銀行
    第百十九国立銀行      東里為替店
欄外記事
[明治廿七年三月十六日日本銀行ヨリ接受ス