デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
2款 東京手形交換所
■綱文

第7巻 p.402-404(DK070056k) ページ画像

明治36年1月12日(1903年)

地方ニ宛テタル支払保証小切手ヲ以テ為替手形ニ代用スルコトヲ廃止ス。栄一委員長トシテ之ニ与ル。


■資料

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070056k-0001)
第7巻 p.402-403 ページ画像

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    東京交換所組合銀行第七十七回定式集会録事
明治三十五年十二月八日午後五時ヨリ、組合銀行第七十七回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十九行其出席会員モ亦二十九名ナリ、是日渋沢委員長事故アリ欠席ニ付、豊川委員会長席ニ着キ、開会左ノ報告ヲ為セリ
○中略
一次ニ豊川会長ハ支払保証小切手ヲ以テ為替手形ニ代用セシムルコトヲ廃止スルノ件ニ付、池田譲三氏《(池田謙三)》ヨリ建議アレハ同氏ヨリ之ヲ説明セシメ協議ニ付スヘシト告ゲ、池田氏ハ立テ本案提出ノ理由ヲ説明
 - 第7巻 p.403 -ページ画像 
セリ、其要旨ハ、晩近得意先《(輓)》ヨリ小切手ヲ振出シ、支払保証ヲ請フテ為替手形ニ代用スルモノ自他共ニ多キヲ加ヘ、其使用者ニハ便利ナリト雖此便法ニ依リ種々ノ弊害ヲ生スルニ付、我組合銀行ノ申合ヲ以テ自今之ヲ全廃シ、相当ノ手数料ヲ領シテ為替ノ便宜ヲ与ヘンコトニ一定センコトヲ希望ス、是営業上当然ノ事ト思惟シ諸君ニ協議セント欲スルニ在リト云ニ、多数ノ賛成者アリタレトモ、尚本支店間等ノ取引ニモ関スル場合アルヘケレハ、委員ヲ置キ充分調査ノ上次会ニ於テ更ニ熟議スヘキコトト為シ、其委員指名ヲ会長ニ托シ会長ヨリ左ノ諸氏ヲ指定セリ
            調査委員
              正金支店    川島忠之助
              東京      草刈隆一
              三井      池田成彬
              第三      稲生豊次郎
              住友支店    滝沢吉三郎


交換所委員廻議 第六号 明治三十五年(DK070056k-0002)
第7巻 p.403-404 ページ画像

交換所委員廻議 第六号 明治三十五年 (東京手形交換所所蔵)
明治三十五年十二月十九日         東京交換所監事(印)
 委員長(印)
 委員(印)(印)
  小切手仕払保証調査委員ヨリ、別紙ノ通報告有之候ニ付、供廻覧候也
(別紙)
    仕払保証小切手ノ件ニ付調査委員結果報告
仕払保証小切手ノ件ニ付本月八日組合銀行定式会ノ決議ニ依リ拙者共調査委員之撰定セラレ候ニ付、去ル十七日委員会相開審議ノ末左ノ通評決致候ニ付、此段御報告申上候也
  明治三十五年十二月十九日
          住友銀行支店     滝沢吉三郎(印)
          第三銀行       稲生豊次郎(印)
          三井銀行       池田成彬(印)
          東京銀行       草刈隆一(印)
          正金銀行支店     川島忠之助(印)
  東京交換所委員長
    男爵 渋沢栄一殿
     決議要領
一地方ヲ指定シタル小切手ノ仕払保証ハ一切之ヲ廃止スル事
 理由 得意先ヨリ地方ヲ指定シタル小切手ヲ振出シ、之ニ仕払保証ヲ求メ、為替手形ノ代用ニ供スルモノ一種ノ便法トシテ近来多ク行ハルヽ処ナリト雖、此便法ニハ取引上徂々危険ノ憂アルヲ以テ、自今一個人ニ対シテハ勿論本支店間モ亦同時ニ之ヲ廃シ、適法ノ為替手形ヲ使用セント欲スルニ在リ
一地方ヲ指定セサル普通ノ仕払保証形式ヲ一定スル事
 理由 現在支払保証ノ形式ハ各銀行区々ニ属スト雖、多クハ一ノ仕
 - 第7巻 p.404 -ページ画像 
払保証印ヲ押捺スルニ過キザルヨリ往々危険ノ虞アルニ付、自今仕払保証ヲ為ストキハ必ス小切手表面ニ其金額ヲ打抜機械ニテ表出スルカ、又ハ復証スルカ二様ノ方式ヲ用ヒ、之レニ番号ヲ付シ、支配人若クハ其代理者署名捺印シテ以テ取引上ノ安固ヲ謀ラント欲スルニ在リ
一本件ハ明治三十六年二月一日迄ニ実施ヲ普及スル事
        書式

 第何号
  支払保証
   年 月 日
     小切手
一金

   年 月 日     何之誰
       銀行
         御中
\23500

何銀行支配人又ハ代理者
何之誰印














  ○仕払保証小切手調査委員会ハ十二月十七日ニ開カレ右報告書ノ如ク決議ス(調査委員会録事)


会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月(DK070056k-0003)
第7巻 p.404 ページ画像

会議録 第二号 従明治卅六年一月至同四十四年十一月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第七十八回定式集会録事
明治三十六年一月十二日午後五時ヨリ、組合銀行新年祝賀会ヲ兼ネ第七十八回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行三十ニシテ其出席者ハ三十八名ナリ、是日委員長欠席ニ付委員池田謙三氏会長席ニ着キ開会
○中略
次ニ仕払保証小切手ニ関シ調査委員ノ取調ノ結果ヲ報告シタルニ、其様式中ニ番号ヲ附シ且ツ其金額ハ打抜機械又ハ復記ヲ要スルコトトアリシカ、斯ノ如ク綿密ナル様式ヲ画一ニスルハ実際上如何トノ議アリテ調査委員ニ説明ヲ求メタルニヨリ、川島氏ハ立テ説明シテ曰ク、此様式ハ単ニ標準ヲ示シタルモノニシテ主トスル処ハ年月日及主任者ノ署名ニ在レハ、自余ノ取捨ハ各行取扱上ノ便宜ニ一任シテ差支ナシ
又説明ヲ求メテ曰ク、此支払保証ノ様式ハ表面ニ限ラレアルモ、現今行ハルヽ小切手ハ多ク表面ノ余白ニ乏シケレハ裏面ニ記載スルモ差支ナキヤ
川島氏説明シテ曰ク、委員ノ取調タル精神ハ取扱上一目瞭然ヲ要スルカ為メ必ス表面ニ限ルコトト為シタル次第ナレトモ事実余白ナキモノハ不得已ニ付当分裏面ニテモ妨ケナシ
右質問ノ後様式中番号ヲ刪除シタル外総テ委員報告ノ通履行スヘキ事ニ決定シ○下略