デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
3款 全国手形交換所聯合会
■綱文

第7巻 p.496-498(DK070064k) ページ画像

明治39年4月26日(1906年)

是日、栄一東京銀行倶楽部ニ開カレタル第四回全国手形交換所聯合懇親会ニ臨ミ一場ノ挨拶ヲ為ス。


■資料

銀行通信録 第四一巻第二四七号・第七五二―七五三頁〔明治三九年五月一五日〕 全国手形交換所聯合会及懇親会(DK070064k-0001)
第7巻 p.496-497 ページ画像

銀行通信録 第四一巻第二四七号・第七五二―七五三頁〔明治三九年五月一五日〕
    ○全国手形交換所聯合会及懇親会
第四回各地手形交換所聯合会は、四月二十六日午後二時より日本橋区坂本町東京銀行集会所に於て開会せられたるが、当日の出席者左の如し
    大阪手形交換所
 住友銀行    志立鉄次郎   山口銀行    町田忠治
 三井銀行支店  平賀敏     正金銀行支店  松尾吉士
 台湾銀行出張所 山成喬六    北浜銀行    小塚正一郎
    京都手形交換所
 京都商工銀行  三浦豊二    三十四銀行支店 木村匡
    神戸交換所
 正金銀行支店  青木鉄太郎   住友銀行支店  小倉正恒
 第六十五銀行  星崎琢磨
    名古屋交換所
 名古屋銀行   滝兵右衛門
    横浜交換所
 七十四銀行   森謙吾     三井銀行支店  米山梅吉
 実業銀行    石川半右衛門
    東京交換所
 第一銀行    西脇長太郎   第三銀行    清水虎吉
 十五銀行    成瀬正恭    二十銀行    山口荘吉
 第百銀行    池田謙三    三菱銀行部   三村君平
 三井銀行    池田成彬    安田銀行    安田善八郎
 鴻池銀行支店  久田益太郎   浪速銀行支店  山中隣之助
 帝国商業銀行  可児弥太郎   川崎銀行    杉浦甲子良
 東海銀行    笹井慎太郎   七十八銀行支店 松尾謹次
 八十四銀行   山田丈太郎   第二銀行支店  和田義行
 新潟銀行支店  藁品槍太郎   明治商業銀行  伊沢竹衛
 十九銀行支店  内藤尚     四十銀行支店  宮崎律三
 伊藤銀行支店  岸田常三郎   正金銀行支店  川島忠之助
 肥後銀行    田尻昇蔵    丁酉銀行    清水宜輝
一同着席するや規約第六条に依り列席者中より池田謙三氏を会長に推し左の議案を可決せり
○中略
右終で紀念の為め一同撮影し午後四時半を以て一先づ散会し、午後六時より更に銀行倶楽部に於て聯合懇親会を開きたり、来賓大蔵大臣阪
 - 第7巻 p.497 -ページ画像 
谷芳郎、日本銀行総裁松尾臣善、同行営業局長木村清四郎三氏にして猶前記聯合会出席者の外左の諸氏の出席ありたり
    横浜交換所

 正金銀行    高橋捨六     第百銀行支店   大久保正作
 左右田銀行   左右田信二郎   住友銀行支店   吉田真一
    東京交換所
 第一銀行    渋沢栄一     第一銀行     佐々木勇之助
 十五銀行    園田孝吉     二十七銀行    師岡政辰
 第百銀行    窪田勝弘     三菱銀行部    桐島像一
 三菱銀行部   串田万蔵     三井銀行     早川千吉郎
 三井銀行    波多野承五郎   三井銀行     門野錬八郎
 三井銀行    菊本直次郎    安田銀行     中根虎四郎
 浪速銀行支店  宮ノ原軍吉    帝国商業銀行   柴田民三郎
 川崎銀行    安藤浩      東海銀行     菊地晋二
 四十一銀行支店 益子右馬助    七十八銀行支店  関谷和三郎
 中井銀行    菅沼慶蔵     明治商業銀行   長谷川千蔵
 肥後銀行    紫藤猛      住友銀行支店   今村幸男
 東京交換所   山中譲三
  聯合会出席者中懇親会に出席なかりしは第一銀行西脇長太郎、安田銀行安田善八郎、東海銀行笹井慎次郎、七十八銀行支店松尾謹次、伊藤銀行支店岸田常三郎の五氏なり
晩餐後渋沢男爵は主人側を代表して一場の挨拶を為し、引続き手形交換の発達に伴ひ聯合会も亦発達して世間の注目を惹起するに至らんことを望み、尚ほ官民連絡のことを説き杯を挙げて来賓一同の健康を祝し次で阪谷大蔵大臣は手形交換の発達は銀行業者の力に依る旨を述べ尚ほ戦後経済界の発展を説きて銀行業者の経常方針に及び、更に取引所と銀行業者との関係を論じて取引所の改善を必要とする旨を論じ、杯を挙げて一同の健康を祝し、夫より松尾日本銀行総裁は戦後に於ける手形交換の状況を説きて銀行業者の尽力を促がし、更に戦時中に於ける国債募集に対する銀行業者の労を謝する旨の挨拶あり、右終りて別室に移りて各自歓談を尽し、午後九時過散会せり


各地交換所第四回聯合会記事 明治三十九年五月(DK070064k-0002)
第7巻 p.497-498 ページ画像

各地交換所第四回聯合会記事 明治三十九年五月
    聯合懇親会
四月二十六日○明治三九年午後六時ヨリ、東京銀行倶楽部ニ於テ各地交換所第四回聯合懇親会ヲ開催セリ、当日来賓トシテ枉駕ヲ辱フセラレタルハ阪谷大蔵大臣・松尾日本銀行総裁・木村同営業局長ニシテ、其組合銀行出席者ハ総数六十四名ナリ
○中略
晩餐終ルヤ、東京交換所委員渋沢男爵ハ立テ一場ノ挨拶ヲ為シ、次ニ阪谷大蔵大臣・松尾日本銀行総裁ノ演説アリ、夫ヨリ更ニ別室ニ移リ各自快談ノ後十時散会セリ、当日渋沢男爵ノ挨拶、阪谷大蔵大臣・松尾日本銀行総裁ノ演説ハ左ノ如シ
    渋沢男爵ノ挨拶
 - 第7巻 p.498 -ページ画像 
閣下、諸君、今夕ハ第四回各地交換所聯合会ノ催シニ係ル懇親会デゴザイマシテ、阪谷大蔵大臣・松尾日本銀行総裁等ノ尊臨ヲ得マシタノハ、深ク感謝スル次第デゴザイマス、今夕ハ委員長タル豊川良平君ガ病気欠席デゴザイマシテ、私ガ座長ヲ勤メマス、私ハ兎角病気勝デ時時欠席ヲ致スノデゴザイマスガ、今夕ハ聊カ同君ニ対シテ御報ヒガ出来ルヤウニ思ヒマス(笑)、此交換所ニ就テ古イ歴史ヲ申シマスルト、年取ツタ甲斐ニ種々ノ事ガゴザイマスケレドモ、ソレハモウ大抵御熟知ノ諸君デゴザイマスシ、又余リ利益モゴザイマセヌカラ、其事ハ御預リト致シテ、唯此交換所ノ今日段々盛ニナツテ参ルトイフ有様ヲ、玆ニ数字ニヨリテ申シマスルト、明治三十八年ト明治三十九年トデ殆ト二割近ク総高ガ進デ居ルノデゴザイマス、故ニ今後モ益々進デ参リマスルニ付テハ、向後其取扱上ニ勉メテ改善ヲ図ルトイフコトハ甚ダ必要デアラウト思ヒマス、初メ此聯合会ヲ開クトイフニ際シテハ、企望シタ東京交換所モ来会セラレタ各地ノ諸君モ格別評議スル事柄モナクテ、少シ手持不沙汰ノヤウナ嫌ヒガアツタ、集ツテ何カ用ガアルカトイフヤウナ御笑モアツタヤウデゴザイマス、併シ二年三年ト度重ツテ参リマスト、色々ナ用向ガ生ジテ来テ、仕事ガ進メバ進ム程相寄ツテ協議シテ、更ニ改良ヲ図リ、進歩ヲ力メルトイフコトガ段々生ジテ参ルノデゴザイマス、願クハ此会ヲシテ、年一年ト交換高ノ進ムト同様ニ、相会シ相議シテ相利益スル点モ進ムヤウニ致シタイ、又進ムデアラウト御互ニ信ズルノデゴザイマス、思フニ此世ノ中ノ諸事物ノ進ムト共ニ、金融界ノ世間ニ重ゼラルヽ点モ、ソレ丈ケ又進デ行カナケレバナラヌコトハ申スマデモナイコトデ、従テ御互ノ勤メハ益々重キヲ加ヘルトイフコトニナリマス、ソレデ其重ナル機関タル交換所ノ年一年ト拡張シテ各地ノ聯絡モ善ク着キ、便利ニ便利ヲ加ヘ、進歩ニ進歩ヲ重ネルトイフコトニ至リマスレバ、多少吾々ノ責務ヲ果スコトガ出来ヤウト考ヘマス、尚玆ニ更ニ望ミ上ゲタイノハ官ト民トノ連絡デゴザイマス、此事ニ付テハ毎々先輩ノ経済家若クハ官辺ノ御方モ始終言ハレテ居ル事デゴザイマスカラ、私ガ玆ニ喋々シク言フ必要ハゴザイマセヌガ、斯ル国家的トモ申スベキ機関ニ当ルモノハ、吾々相当ナル順序ヲ以テ、或ハ其筋ノ幇助ヲ乞ヒ、或ハ其向ノ賛同ヲ得テ、益々進歩スル様企望シテ已マヌノデアリマス、故ニ斯ル場合ニ大蔵大臣・日本銀行総裁其他ノ臨場ヲ乞フテ、斯ク意見ヲ陳述シテ尊聴ヲ煩スノデアリマス、或数重ナリマスレバウルサク思召スカ知レマセヌガ、吾吾熱心ノ余リニ出ル言論ハ決シテ無益デハナカラウト考ヘマス、不幸ニシテ今夕ハ他ノ大臣ハ御差支ガアツテ尊臨ヲ得マセヌ、併シ幸ニ大蔵大臣・日本銀行総裁ノ臨場ヲ乞ヒ得マシテ、右等ノ希望ヲ達セラレルダラウト思ヒマスレバ、諸君ト共ニ甚ダ満足ニ思ヒマスル次第デゴザイマス、モウ事長ク此会ノ沿革ヲ申シマスル必要ハゴザイマセヌカラ、単ニ此席ニ賁臨ヲ乞ヒマシタ大臣閣下其他諸君ニ謝辞ヲ申述ベテ会員一同ト共ニ臨席諸閣下ノ御健康ヲ祝シマス(拍手)
   ○阪谷大蔵大臣、松尾日本銀行総裁ノ演説略ス。