デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
3節 興信所
1款 東京興信所
■綱文

第7巻 p.540-556(DK070071k) ページ画像

明治34年―42年(1901-1909年)

栄一、屡々評議員会ニ出席シ所務ノ運営ニ尽力ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三四年(DK070071k-0001)
第7巻 p.540 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三四年
四月十日 雨
午前十時銀行倶楽部ニ抵リ汽車製造会社ノコトヲ談ス○中略畢テ池田謙三・森下岩楠氏等ト興信所ノコトヲ協議ス
五月八日 晴
午前数多ノ来人アリ、十一時銀行倶楽部ニ抵リ東京興信所評議員会ヲ開ク、池田謙三・川島忠之助・池田成彬氏等来会ス、森下氏ヨリ種々ノ議案ヲ提出シ各意見ヲ述ヘテ之ヲ決ス
九月十一日 晴
○上略午後銀行集会所ニ抵リ、興信所評議員会ヲ開ク、豊川良平・池田謙三・波多野承五郎ノ諸氏来会ス○下略


(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0002)
第7巻 p.540-542 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類 第弐 (東京興信所所蔵)
  明治三十四年四月十日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
一日本銀行補助金之件○下略
      ○
  明治三十四年四月廿三日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
一本所理事採用之件
  時事新報員高見亀、堀井卯之助両人ノ内壱人ヲ時事新報社ト協議ノ上貰ヒ受ケ本所理事ニ採用スルコト、尤モ給料ハ先ツ最初百円若クハ百弐拾円位ニ定メ候筈
      ○
   (朱書)
    本日ノ会議ニ正金ノ川嶋・三井ノ池田氏立合ヲナス
  明治三十四年五月八日        森下岩楠(印)
    評議員 栄一印 (印)
一本所理事及書記採用之件
    理事        堀井卯之助
      但月給金百弐拾円也
     右履歴書ハ別紙ニ在リ
○中略
一日本銀行補助金之件
    但シ同総裁ヨリノ通知書ハ別紙ニ在リ
○中略
 - 第7巻 p.541 -ページ画像 
一合衆国紐育府興信所ブラツドストリート会社ヨリ通信交換ノ契約ヲ承諾スル旨別紙之通リ返書有之候
○別紙略
      ○
                        (山本印)
文第二〇七号                    (印)
貴所御営業之儀ハ昨明治三十三年ヲ以テ満了之処、尚本年ヨリ向五ケ年間御継続之事ニ規約御改正之趣ヲ以テ弊行補助金之儀ニ付本年四月付御依頼越之旨致了承候、就テハ本年分ハ御来意ニ応シ、金四千五百円支出可致候得共、来ル明治三十五年以後ハ一ケ年分毎ニ左記ノ通リ金五百円宛ヲ逓減支出スルコトト可致考ニ候間、右ニ御承知相成度候此段及貴答候也
                 日本銀行総裁
  明治三十四年四月二十三日      山本達雄(印)
    東京興信所長 森下岩楠殿
明治三十五年 金四千円也
〃三十六年  金参千五百円也
〃三十七年  金参千円也
〃三十八年  金弐千五百円也
追テ三月付別紙ハ及御返戻候也
○別紙略
      ○
  明治三十四年九月十一日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
○中略
一所長森下岩楠凡ソ十日間ノ予定ヲ以テ大阪・西京・神戸・名古屋ノ興信所実況視察及ヒ事務打合等ノ為メ巡回ノ件○下略
      ○
  明治三十四年十月九日        森下岩楠(印)
                 (朱書)
   評議員 栄一印 良平
                  池田
○中略
一大阪・西京・神戸・名古屋興信所巡視報告之件
   ○三月一四日、一二月一一日ノ各評議員会ニ栄一ノ捺印アリ。
      ○
  東京興信所第六回報告
東京興信所ニ於テ明治三十四年一月一日ヨリ同年十二月三十一日ニ至ル一ケ年間ニ取扱ヒタル事務及会計ノ報告ハ左ノ如シ
    ○事務ノ概況
○中略
    ○発起会員総会ノ事
明治三十四年二月六日日本橋区坂本町銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、会スルモノ二十七名、渋沢栄一氏欠席ニ付キ上柳清助氏代リテ議長席ニ着キ、先ツ所長森下岩楠氏ヨリ当所第五回(明治三十三年度)事務並ニ会計報告ヲ為シテ其承認ヲ求メ、原案可決ノ後評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ、第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井
 - 第7巻 p.542 -ページ画像 
銀行・第百銀行ノ五行重任シ、夫ヨリ銀行倶楽部ニ席ヲ移シテ晩餐ヲ喫シ散会シタリ
    ○評議員会ノ事
明治三十四年一月十六日東京興信所ニ於テ当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後二月八月ハ都合ニ依リテ休会シタル外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ協議シタリ、殊ニ同年度ニ於テ本会ノ協議ヲ遂ゲタル重要事件ハ理事ノ人選、商業興信所トノ間ニ高級加盟者相互直接問合ノ便ヲ開始スルノ件、内規ノ改正、所員ノ増加等ナリトス



渋沢栄一 日記 明治三五年(DK070071k-0003)
第7巻 p.542 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三五年
一月十六日 晴
○上略午後一時、東京興信所ニ抵リ評議員会ニ列ス、池田謙三・豊川良平・三崎亀之助・波多野承五郎来会ス○下略
二月三日 曇
○上略銀行集会所ニ抵リ東京興信所発起会員ノ集会ニ列ス、評議案ヲ決議シ○上略


(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0004)
第7巻 p.542 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類 第弐 (東京興信所所蔵)
  明治三十五年一月十六日         森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印) (印) 良平
○中略
一三十四年度決算及ヒ三十五年度予算之件
 一発起会員総会之件 二月三日《(鉛)》ト定ム
○下略


東京経済雑誌 第四五巻第一一一八号・第二四〇頁〔明治三五年二月八日〕 東京興信社総会(DK070071k-0005)
第7巻 p.542-543 ページ画像

東京経済雑誌 第四五巻第一一一八号・第二四〇頁〔明治三五年二月八日〕
◎東京興信社総会 同社にては去る三月阪本町銀行集会所《(三日)》に於て発起人総会を開きたり、当日の出席者は廿余名にして評議員会長渋沢栄一氏議長席に着き、先づ所長森下岩楠氏より同所第六回(明治三十四年度)事務並に会計の報告をなし、次に評議員の改撰を行ひたるに第一銀行、三菱銀行、横浜正金銀行、第百銀行、三井銀行の五行当撰し夫より席を銀行倶楽部に移し晩餐を共にせる後散会したる由、今其報告の要領を聞くに、昨年は世上一般不景気の影響を受けて手形の不渡商工業者の倒産、銀行の破綻等前後相続て起り、特に興信所の報告を必要とするの場合多かりしを以て、同所は此種の出来事に向て最も注意し、時々刻々内報を発して不慮の危険と損害を避けしむることに尽力し、尚ほ個人及団体に対する被問事項に就ては、年を経るに従ひ益益正確迅速を極め、会員の満足を買ふに至りたるのみならず、外国興信所との間に通信交換の約を結びたるもの四ケ所に達したるを以て、欧米に於ける商工業者の身元、信用、資産等を知らんと欲せば、容易に其用を弁ずべく、又内国の取調区域は東京、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、門司、足利等に跨り、今後追々に拡張せらるゝ由なれば
 - 第7巻 p.543 -ページ画像 
内外人の会員に加盟するもの益々増加し、三十四年度には四百五十四名に達したりと云ふ


(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0006)
第7巻 p.543-544 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第弐     (東京興信所所蔵)
  明治三十五年二月十三日         森下岩楠(印)
       (波多野印)     (豊川印)
   評議員    (印) (池田印) (印)
               (印)
一去ル二月三日開会セル発起会員総会ノ決議ニ由リ東京興信所規約中左ノ条項ヲ改正及ヒ増設スル事
 一第四条中廿六行トアルヲ廿四行ト改正スル事
 一第十八条ハ第十九条ト改正シテ以下ノ条項ハ順ヲ追フテ繰リ下ケ更ニ左ノ条項ヲ第十八条トシテ増設スル事
   第十八条 発起会員中自己ノ都合ニ由リ退会ヲ申出テタルモノアル時ハ同会員三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ承諾スルコトヲ得ベシ
    但シ本条ニ由リ退会シタルモノハ之ト同時ニ本所ニ対スル一切ノ権利ヲ放棄スルモノトス
 一第十九条中発起会員三分ノ二ノ同意トアルヲ三分ノ二以上ノ同意ト改正スルコト
○下略
      ○
  明治三十五年十二月十七日       森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印) (印)
一所員賞与金之儀ハ是迄壱ケ年ニ弐ケ月分ノ給料ニ相当スルモノヲ支給シ来リタルモ、今後ハ*四ケ月《*》分ニ相当スルモノヲ支給致度事
  但シ本年度ハ去ル七月ニ於テ壱ケ月分ヲ支給シタルコト故此ノ十二月ニハ弐ケ月分ヲ支給シテ都合三ケ月分ヲ支給シ、来年度ヨリ本条ノ如ク四ケ月分ヲ支給スルコトニ致度候
* 欄外記事[四ケ月分ヲ三ケ月分ニ訂正スルコトニ決議ス但書ハ刪除
○中略
一外国人ノ会員ニシテ報答文ヲ英文ニテ致呉候様依頼スルモノニハ翻訳料トシテ一件ニ付金壱円ヲ請求シ来リタルモ三十六年以後ハ一切之ヲ廃スル事ニ致度候
      ○
  東京興信所第七回報告
明治三拾五年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スルコト左ノ如シ
    ○業務拡張ノ件
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治卅五年二月三日午後五時ヨリ日本橋区坂本町銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ二十余名ニシテ評議員会長渋沢栄一氏議長席ニ着キ、先ツ所長森下岩楠氏ヨリ当所第六回(明治卅四年度)事務並ニ会計報告ヲ為シテ其承認ヲ求メ、原案可決ノ後発起会員中東京商業銀行・百三十二銀行退会ノ件並ニ之ニ伴フ規約改正ノ
 - 第7巻 p.544 -ページ画像 
件ヲ決議シ、終リテ評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行・第百銀行ノ五行重任シ、夫ヨリ銀行倶楽部ニ席ヲ移シテ晩餐ヲ喫シ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治卅五年一月十六日、東京興信所ニ於テ当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後二月八月ヲ除クノ外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ議シタリ、殊ニ同年度ニ於テ本会ノ協議ヲ遂ケタル重要事件ハ函館出張所開設ノ件通信取調法開始ノ件等ナリ



(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0007)
第7巻 p.544 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第弐    (東京興信所所蔵)
  東京興信所第八回報告
明治三拾六年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スルコト左ノ如シ
    ○業務拡張ノ件
○中略
    ○本所事務所移転ノ件
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治三十六年二月四日午後五時ヨリ日本橋区坂本町銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ二十余名ニシテ評議員会長渋沢栄一氏欠席ニ付評議員池田謙三氏議長席ニ着キ、先ツ所長森下岩楠氏ヨリ当所第七回(明治卅五年度)事務並ニ会計報告ヲ為シテ其承認ヲ求メ、原案可決ノ後発起会員第三十九銀行東京支店退会申出ノ件ハ本所規約第十八条ニ依リ之ヲ承認スル事ニ決シ、終リテ評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行・第百銀行ノ五行重任シ、夫ヨリ銀行倶楽部ニ席ヲ移シテ晩餐ヲ喫シ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治三拾六年一月十五日、東京興信所ニ於テ当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後二・五・八月ヲ除クノ外毎月開会シ時々ノ要件ヲ議シ、尚火災ニ関スル臨機ノ処分及ヒ善後策ヲ議スル為メ三回臨時評議員会ヲ開キタリ、通常会ニ於テ協議ヲ遂ケタル重要事件ハ小樽出張所開設ノ件家屋買入レノ件等ナリ
○中略
   ○三月一二日ノ評議員会ニ栄一ノ捺印アリ。



(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0008)
第7巻 p.544-545 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類 第弐 (東京興信所所蔵)
  明治三十七年十一月十八日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
○中略
 - 第7巻 p.545 -ページ画像 
一日本橋区坂本町所在本所家屋ハ復旧工事中之処漸ク落成致候ニ付之ニ本所ヲ移転スルト同時ニ発起会員特別会員、及ヒ通常第一種会員即チ本所ノ重ナル会員ニ招待状ヲ発シテ新築ヲ披露スルノ件
 (朱書)
  会員一同ニ招待状ヲ発スルコトニ変更決議ス
      ○
  明治三十七年十二月廿一日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
一年末賞与金之儀ハ主任ノモノニハ壱ケ年二月給四ケ月分ノ割ニテ半ケ年分、即チ月給弐ケ月分、其他ノ所員ハ月給三ケ月分ノ半額ヲ本年下半期賞与金トシテ夫々給与致度、尤モ此ハ皆勤者ニ対スルモノニシテ欠勤者ニ対シテハ既定ノ割引ヲナシテ給与スル筈○下略
      ○
  東京興信所第九回報告
明治三十七年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スルコト左ノ如シ
    ○業務成績ノ大要
○中略
    ○事務所復旧工事落成ノ件
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治三十七年三月四日午後五時ヨリ日本橋区坂本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ二十余名ニシテ評議員会長渋沢栄一氏欠席ニ付、評議員波多野承五郎氏代リテ会長席ニ着キ、先ツ所長森下岩楠氏ヨリ当所第八回(明治三十六年度)事務並ニ会計報告ヲ為シテ其承認ヲ求メ、原案可決ノ後、日本橋区阪本町ノ家屋復旧工事ヲ興スノ件ニ就テ協議シタルニ満場異議ナク同意ヲ表シ、直チニ着手スルコトニ決定セリ、右終リテ評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行・第百銀行ノ五行重任シ夫ヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ晩餐ヲ喫シテ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治三十七年一月二十日当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後八月ヲ除クノ外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ最モ重大ナル問題ハ家屋復旧工事ニ関スル件及移転ノ件等ナリ



渋沢栄一 日記 明治三八年(DK070071k-0009)
第7巻 p.545-546 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三八年
一月二十五日 曇 風寒シ
十二時銀行倶楽部ニ抵リ、東京興信所評議員会ヲ開ク
二月六日 晴 寒強シ
○上略午後五時銀行倶楽部ニ抵リ興信所ノ集会ニ出席シ、直ニ王子別荘ニ帰宿ス
九月十三日 晴 秋冷
 - 第7巻 p.546 -ページ画像 
銀行倶楽部ニ立寄リ、来人ト会談シ○下略


(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0010)
第7巻 p.546-547 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第弐     (東京興信所所蔵)
  明治卅八年一月廿五日評議員会      堀井卯之助(印)
    評議員 栄一印 (印) (印) 良平
一東京興信所第九回報告書(別冊ノ通)
一明治卅八年度予算調書(同上)
一発起会員総会開会ノ件○下略
○別冊略
      ○
東京興信所発起会員総会議案
  明治三十八年二月六日開会
                   理事 堀井卯之助
一東京興信所第九回報告
一明治三十八年度予算
一評議員満期改選ノ件
      ○
    商業興信所東京興信所合併ニ関スル意見
大阪ノ商業興信所ハ去ル明治二十五年ニ創立セラレ、後五年ヲ経テ同二十九年二月東京興信所ノ設立ヲ見ルニ至レハ爾来両者ノ間ニ通信聯絡ノ途ヲ開キ今日ニ至ル迄無条件ニテ各種ノ報告ヲ交換シ、互ニ足ラザルヲ補ヒ漸ク会員ノ所望ニ応スルコトヲ得タリト雖トモ、業務ノ益ス繁雑ナルニ従ヒ時ニ利害ノ衝突スルハ勢ノ免レザル所ニシテ、斯ノ如キ無条件ノ交換ハ到底永久ニ持続スベキモノニアラズ、且ツ両者各一方ニ割拠シテ互ニ小規模ニ甘ンズルハ我邦興信事業ノ発達ヲ図ル所以ト途ニアラザルナリ、今一例ヲ挙ゲテ之ヲ論ゼンニ東京興信所ニ於テ毎年二回刊行スル所ノ商工信用録ハ単ニ東京興信所本支所及ビ特派員ノ手ニテ取調ベタルモノト近年漸ク開始シタル通信取調法ニ依リテ得タル材料トヲ蒐集シタルニ過ギザルモノナルガ故ニ、所掲ノ項目ハ僅ニ東京、神奈川、静岡、北海道ノ一府一道二県ニ止マリ尚ホ別ニ各府県ト題スル項目アレトモ、右ハ前記ノ通信取調法ニ依ツテ得タル分ヲ其儘列記シタル次第ナレバ其人員ハ各府県ヲ通ジテ壱千五百名ヲ出デズ、然カモ我邦ノ最大都市タル大阪、京都、神戸、名古屋等ニ在住スル商工業者ハ一モ此内ニ加入サレザルナリ、是レ畢竟以上ノ地方ハ商業興信所ノ取調区域ニ属シ、是等商工業者ニ関スル調査ハ同所ノ手ヲ煩ハサヾルヲ得ザルノ事情アルガ故ニシテ、商業興信所ニテモ亦商工業者資産録ト題スル書冊ヲ発行スト雖トモ、同一ノ事情ニ基キ所載ノ人員ハ大坂、京都、神戸、名古屋ノ各市ニ限ラレ両書共ニ我邦ニ於ケル商工業者ノ資産信用録トシテハ僅ニ一小部分ヲ知ルノ用ニ供セラルヽノミ、之ヲ彼ノ米国紐育市ノ興信所「ブラツド、ストリート」会社ノ刊行ニ係ル合衆国及ビ加奈陀全体ノ商工業者ヲ網羅セル書冊ニ比スレバ豈啻霄壌ノ差ノミナランヤ、余ノ理想トスル所ハ我邦ノ興信所ニテモ米国風ノ信用録ヲ編纂シ、其内ニハ少ナクトモ全国各府県ノ重ナル都市ニ於テ営業スル商工業者ヲ網羅シ以テ何人ノ座右ニモ欠クベ
 - 第7巻 p.547 -ページ画像 
カラザル必要物タラシメントスルニアリ、若シ夫レ斯ノ如クナランニハ需用者ノ増加スベキハ疑ヲ容レザル所ニシテ将来興信事業ヲ発展セシメントスルニハ必ズヤ信用録ノ完成ニ重キヲ置カザルベカラズ、開ク所ニ依レバ「ブラツド、ストリート」会社ニテハ毎年四回同書ヲ訂正刊行シ、其発行高ハ二十万部ノ上ニ出ヅト云フ、尤モ同会社ガ今日ノ盛況ヲ極メ斯ル完成ノ書冊ヲ刊行スルニ至リシ次第ヲ尋ヌレバ其間幾多ノ歳月ヲ経過シ種々ノ経験ヲ積ミタル結果ニ外ナラザルヲ以テ、今遽ニ彼ニ摸倣セントスルハ短見者流タルノ儀ヲ免レズト雖トモ、要スルニ信用録ノ完成ヲ期スルハ興信所ノ任務トシテ余ノ切ニ希望スル所ノモノナリ、然カモ之ヲ実行センガ為メニ東京興信所ニ於テ新タニ商業興信所ノ所在地ヘ出張所ヲ設ケ、或ハ特派員ヲ置クガ如キ挙ニ出デンカ是レ両者ノ間ニ行ハルヽ通信聯絡ノ途ヲ破リ競争ノ位置ニ立ツ事ヲ表白スルモノニシテ、今日我邦ノ如キ興信事業ノ幼稚ナル時代ニアリテ斯ル競争ヲ試ミルハ決シテ得策ニアラザルノミナラズ其結果両者共倒ノ不幸ニ遭遇スベキハ火ヲ見ルヨリモ明ナリトス、況ンヤ事業其物ガ単ニ営利ヲノミ目的トシテ成立スベキ性質ノモノニアラザルニ於テオヤ、此際同書ノ完成ヲ期スルニハ東西両地ノ興信所ヲ合併スルヲ以テ最良ノ方法ナリト信ズルノミナラズ更ニ大体ノ上ヨリ論ズルモ将来我邦商工業ノ発展ニ伴ヒ興信所ノ業務モ亦大ニ拡張改良ヲ要スベキニ拘ハラズ両者今日ノ財政ヨリ推考スレバ是レ決シテ独力ノ能ク堪ユル所ニアラズ、玆ニ於テカ余ハ其分割セラレタル力ヲ合セテ一大有力ナル興信所ヲ組織シ諸般ノ経営ヲ完カラシメントスルモノナリ、思フニ両者各特種ノ事情ヲ存スルガ故ニ合併ヲ遂行スル上ニ於テ多少ノ故障ヲ免レザルベシト雖トモ、根源ニ遡リテ考フレバ共ニ銀行家ノ後援ニ拠リテ成立シ、尚ホ其現況ヨリ論スルモ業務ノ範囲ハ会員ノ数、収支ノ計算等総テ伯仲ノ間ニアルヲ以テ若シ両者ノ後援者ニシテ斡旋ノ労ヲ取ランニハ合併ノ成立ハ決シテ難事ニアラザルベキヲ信ズ、今ヤ東京興信所ノ組織変更ノ協議アルニ際シ謹デ愚見ヲ述ベ敢テ評議員会ノ顧慮ヲ煩ハサントス 頓首
  明治卅八年九月一日
              東京興信所理事 堀井卯之助
    評議員会長 渋沢栄一殿


(東京興信所)評議員会書類 第弐(DK070071k-0011)
第7巻 p.547-548 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第弐    (東京興信所所蔵)
  明治三十八年九月十三日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
○中略
一来ル三十九年ヨリ興信所ノ組織ヲ改メテ株式会社トナスノ議案ハ前前回ノ評議員会ニ提出シテ決定ニ至リタルモ、其後之ニ就キ異論モ少カラズ又実際差支ノ廉モアレバ先ツ右決議取消之件
一横浜市弁天通リ四丁目七拾八番地ニアル横浜銀行集会所ノ家屋ハ薄キ煉瓦造リニテ総二階建坪三拾六坪余之レアリ、今回売却スルトノコト故興信所ニ於テ譲受ケ出張所ヲ之ニ移スコトニ致度、尤モ代価ハ金弐千円トノコトナレトモ幾分カ直引ノ相談ハ出来可申見込ニ有
 - 第7巻 p.548 -ページ画像 
之候、而シテ地所ハ原六郎氏ノ所有ニシテ其地坪ハ七拾余坪借地料ハ坪五拾銭ナル由ニ候


(東京興信所)評議員会書類 第参(DK070071k-0012)
第7巻 p.548 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第参    (東京興信所所蔵)
  東京興信所第拾回報告
明治卅八年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スルコト左ノ如シ
    ○業務成績ノ大要
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治三十八年二月六日午後五時ヨリ日本橋区阪本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ二十余名ニシテ評議員会長渋沢栄一氏欠席ニ付キ評議員豊川良平氏代リテ会長席ニ着キ、所長森下岩楠氏病気引籠中ニ付理事堀井卯之助氏代リテ当所第九回(明治三十七年度)事務並ニ会計報告ヲ為シ、其承認ヲ求メ原案可決ノ後評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行、横浜正金銀行、三菱銀行部、三井銀行、第百銀行ノ五行重任シ夫ヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ晩餐ヲ喫シテ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治三十八年一月当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後八月ヲ除クノ外毎月開会シ時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ其重ナル問題ハ東京興信所規約継続ノ件小樽出張所ノ新築函館横浜両出張所買入等ナリ



渋沢栄一 日記 明治三九年(DK070071k-0013)
第7巻 p.548 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三九年
一月十七日 晴 風ナシ
十二時銀行倶楽部ニ抵リ興信所ノ評議員会ヲ開ク
三月十四日 晴 軽暖      起床七時四十分就蓐十一時
○上略十二時銀行倶楽部ニ抵リ午飧ス、食後興信所評議員会ヲ開キ要務ヲ議決シ、更ニ司法機関ニ対スル意見書ヲ其調査委員ト協議ス○下略
五月二十四日 晴 暖
十二時東京興信所ニ抵リ評議会ニ出席ス


(東京興信所)評議員会書類 第参(DK070071k-0014)
第7巻 p.548-550 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第参    (東京興信所所蔵)
  明治三十九年一月十七日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
一明治三十八年度事業及ヒ決算報告之件
一明治三十九年度予算之件
一発起会員総会之議題及ヒ開会時日之件
   議題ハ
    明治三十八年度事業及ヒ決算之報告
    明治三十九年度予算之承諾
    東京興信所規約及ヒ発起会員出金額ノ従前之通リ継続之件
 - 第7巻 p.549 -ページ画像 
    評議員之改選
一東京興信所報答規則別紙朱書之通リ改正ノ件
○下略
○別紙略
      ○
  明治三十九年三月十四日        森下岩楠(印)
                       (川島印)
   評議員 栄一印 (波多野印) (印)
                    (印)(池田印) (鉛)
                       (印)     三村
○中略
一帝国商業銀行ノ出金額ハ一ケ年金八百六拾円ニ有之候処、自今減額致度旨申出有之候
○中略
一理事堀井卯之助増給ノ件
  月給金弐百円トスル事
一所長森下岩楠ノ月給ヲ金三百円ト増加スル事
 右両項ハ二月十五日ヨリ実施スヘキ事
      ○
  明治三十九年五月廿四日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印) (印)
一今回宇都宮旭町壱丁目六拾八番地ニ東京興信所派出所ヲ置キ書記軽部守信ヲ派出致候○下略
   ○四月二五日、九月一九日、一〇月一八日ノ各評議員会ニ栄一ノ捺印アリ。
      ○
  東京興信所第拾壱回報告
明治三十九年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スル事左ノ如シ
    ○業務成蹟ノ大要
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治三十九年二月二日午後五時ヨリ日本橋区阪本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ二十余名ニシテ評議員会長渋沢栄一氏欠席ニ付評議員豊川良平氏代リテ会長席ニ着キ所長森下岩楠氏ヨリ明治三十八年度ノ業務並ニ決算ヲ報告シ、異議ナク承認ヲ得、夫ヨリ当所規約継続ノ件ニ移リ、会長ヨリ発起会員ハ是迄少カラヌ出金ヲ為シタル事ナレハ規約ノ満期ニ際シ多少東京興信所ノ組織ヲ変更セントノ説モナキニアラザリシガ、時勢ノ変遷ハ一層興信事業ノ拡張改良ヲ必要トスルガ故ニ寧ロ是迄ノ出金額ヲ増加スルトモ減少スルヲ許サス、因テ本来ノ規約並ニ出金額ヲ其儘継続スル事ニ評議員会ニテ決定シタル旨ヲ報告シ、満場之ヲ是認シ、夫レヨリ評議員ノ改選ニ移リタルニ第一銀行・三菱銀行部・横浜正金銀行・三井銀行・第百銀行ノ五行重任ニ決シ、尚ホ浪速銀行支店山中隣之助氏ノ発議ニ依リ興信所モ十年ノ歳月ヲ経過シ追々隆盛トナリタルニ就テハ此際評議員ニ謝意ヲ表スル為メ紀念品ヲ贈呈スル事、所長以下所員ニ増給若クハ賞与金ヲ贈ル事ヲ満場一致ニテ可決シ、夫レヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ晩餐ヲ喫シテ散会シタリ、而シテ前記ノ決議ニ付三月各評議員ヘ金
 - 第7巻 p.550 -ページ画像 
時計並ニ同附属品ヲ贈呈シタリ
    ○評議員会ノ件
明治三十九年一月当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後八月ヲ除クノ外毎月開会シ時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ其重ナル問題ハ勤続所員増給ノ件、枢要地ニ特派員設置ノ件等ナリトス○下略



渋沢栄一 日記 明治四〇年(DK070071k-0015)
第7巻 p.550 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四〇年      (渋沢子爵家所蔵)
三月十三日 曇 軽暖
午後一時銀行倶楽部ニ抵リ午飧シ、食後東京興信所ノ評議員会ヲ開ク
五月十五日 晴 暖
午後一時銀行倶楽部ニ抵リテ午飧シ東京興信所ノ評議員会ニ列ス
十一月二十日 晴 寒
十二時銀行倶楽部ニ抵リテ年飧シ後興信所ノコトヲ談ス
   ○一二月一八日ノ評議員会ニ栄一ノ捺印アリ。


(東京興信所)評議員会書類 第参(DK070071k-0016)
第7巻 p.550-552 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第参   (東京興信所所蔵)
  明治四十年一月廿三日        森下岩楠(印)
            豊川代(印)
   評議員 栄一印 (印) (印)
一明治三十九年度決算報告及ヒ四十年度予算之件
一発起会員総会ノ件
一所員一同俸給増加之件
  戦後物価ノ騰貴、株式界ノ狂熱、新事業ノ勃興其他四囲ノ事情ハ俸給ニ衣食スルモノヲシテ大ニ心ヲ動カサシムルモノアリ、故ニ本所ノ如キモ経済ノ容ス限リ所員ヲ優待シテ専心業務ニ従事セシムルコト必要ナラント被存候、幸ニシテ三十九年度ハ本所ノ事業モ稍好成績ニ結了シテ壱万壱千四百余円ノ支出残金ヲ生シ、年末ニ於テ借入金(三十八年十二月末ニハ壱万余円ノ常置借リ越シヲナシタリ此ハ阪本町ノ家屋買入代金ノ不足金ナリ)ヲナサズシテ越年シ得タルノミナラズ四十年度ノ予算ニ拠レバ約弐万円ノ支出残金ヲ生スル見込ナルヲ以テ、此際其一半即チ壱万円(現在俸給年額約壱万八千円《(マヽ)》ト賞与金年額壱万弐千円ノ合計五万円ノ弐割ニ当ル)ヲ割キ、左記二案中何レカヲ実行致度候、尤モ増給ノ割合ハ平均弐割ナレトモ能不能勤怠其他功労如何ニ依リ等差ヲ付クル見込ニ有之候

第一案 壱万円金額ヲ此際増給スル事
第二案 壱万円ヲ二分シテ其一半五千円ヲ此際増給シ残リ一半ハ所員恩給金積立トシテ積立テ置ク事
○下略
*欄外記事[第一案採印 (印)
      ○
  明治四十年三月十三日        森下岩楠(印)
 - 第7巻 p.551 -ページ画像 
   評議員 栄一印(印)(印)
○中略
一所長森下岩楠書記池谷万代太郎米国ノ興信所視察及ヒ取調ノ為メ渡米之件
○下略
      ○
  明治四十年三月廿五日        森下岩楠(印)
                 豊川
   評議員 栄一印 (印)
一今回所長森下岩楠書記池谷万代太郎之両人渡米致候ニ付其支度料及ヒ旅費ハ凡ソ左ノ割合ニ依リ支給スル事ニ致度候
            所長ノ分    書記池谷ノ分
    滊車寝台付     上等      上等
    滊船賃       上等      上等
    日当       拾壱円      七円
    宿泊料      拾四円      八円
    支度料      五百円     三百円
        但滊船、滊車中ハ宿泊料ヲ支給セス
 右之割合ニ依リ往復日数トモ三ケ月トシテ概算スレバ、所長ノ分ハ凡ソ参千四百円、書記ノ分ハ弐千七百円合計六千百円位ニ相成申候別紙ハ正金銀行及ヒ三井物産会社之旅費規定ニシテ参考ノ為メコヽニ附加致候
一所長森下岩楠渡米不在中ハ理事堀井卯之助ニ於テ代理シ、理事不在之時ハ筆頭書記佐藤正美ニ於テ代理スル事ニ致度候
○別紙略
   ○森下岩楠等ハ四月三日横浜ヲ出帆セリ。
      ○
  明治四十年六月十九日        堀井卯之助
   評議員 栄一印 (印) (印) 良平
一所長帰朝ノ件
 所長森下岩楠ハ欧洲視察ヲ見合セ本月十日晩香坡出帆ノ汽船エンプレツス、オフ、インデヤ号ニ搭ジテ帰朝ノ途ニ就キタルヲ以テ、来廿三日横浜着港ノ予定ナリ
○下略
      ○
  東京興信所第拾弐回報告
明治四拾年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ合計ノ概要ヲ報告スル事左ノ如シ
    ○業務成績ノ大要
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治四十年弐月弐日午後五時ヨリ日本橋区坂本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者ハ弐拾余名ニシテ評議員池田謙三氏会長席ニ着キ、所長森下岩楠氏ヨリ当所第拾壱回(明治参拾九年度)事務並ニ会計報告ヲ為シ、其承認ヲ求メ原案可決ノ後評議員ノ
 - 第7巻 p.552 -ページ画像 
改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行・第百銀行ノ五行重任シ、夫レヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ晩餐ヲ喫シテ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治四十年壱月当年ノ第一回評議員会ヲ開キ其後二、七、八ノ三ケ月ヲ除ク外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ其重ナル問題ハ所長ノ米国興信事業視察ノ件、報答規則改正ノ件、枢要地ニ特派員設置ノ件等ナリトス
○下略



渋沢栄一 日記 明治四一年(DK070071k-0017)
第7巻 p.552 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四一年
一月二十二日 曇 寒
十二時銀行倶楽部ニ抵リ興信所ノ評議員会ヲ開ク
三月二十五日 曇 軽寒
十二時銀行倶楽部ニ抵リテ午飧シ畢テ東京興信所評議員会ヲ開ク
五月二十日 晴 暖
正午第一銀行ニ抵リ更ニ銀行倶楽部ニ於テ午飧シ後東京興信所ノ評議員会ニ出席ス
九月二十二日 曇 涼
銀行集会所ニ抵リテ午飧シ食後興信所評議員会ヲ開キ○下略


(東京興信所)評議員会書類 第参(DK070071k-0018)
第7巻 p.552-554 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第参    (東京興信所所蔵)
  明治四十一年一月廿二日        森下岩楠(印)
            (波多野印)
              (印)
   評議員 栄一印 (池田印)
                    (印)
一明治四十年度東京興信所事務報告及ヒ決算之件
一明治四十一年度会計預算之件
一来ル二月四日(火曜日)発起会員総会開催之件
一函館出張所新築之件
  同出張所ハ昨年函館大火之際類焼シタルヲ以テ今回函館区元町九番地ニ工事費弐千七百四拾八円拾五銭五厘之見積リニテ新築致度候
一所員旅費日当宿泊料規則改正之件
  詳細ハ別紙ニ在リ

一書記長田貞吉(月給百給五円)辞任之件
  同人ハ創業以来今日迄勤続シタルモノニテ今回止ヲ得ザル事情ノ為メ辞任シタルコトナレバ特別ヲ以テ慰労手当トシテ金壱千五百円ヲ給与致度候
○下略
*欄外記事
  創業以来ノ勤労ニ由リ特ニ十五ケ月分ノ給料ヲ支給スルコトニ改正ス 栄一印
      ○
 - 第7巻 p.553 -ページ画像 
  明治四十一年三月廿五日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) 良平
一内規改正之件
  内規第三十六条中「一ケ月乃至一ケ年ノ俸給ニ相当」云々ヲ一ケ月乃至二十ケ月ノ俸給ニ相当云々ニ改正
  (参照)第三十六条 所員三ケ年以上本所ニ勤続シテ死去、病気或ハ止ムヲ得ザル事情ニテ職ヲ辞スルノ場合ニハ祭祀料若クハ慰労金トシテ平素ノ勉励ト功労ヲ斟酌シテ一ケ月乃至一ケ年ノ俸給ニ相当スル金円ヲ給与スルモノトス
○下略
      ○
  明治四十一年五月廿日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) 三村
○中略
一森下岩楠ハ去月十九日東京出立静岡・浜松・豊橋・名古屋・大阪・神戸及京都ノ各地ヲ巡回視察シテ本月六日帰京致候
      ○
  明治四十一年九月廿二日        森下岩楠(印)
                  良平
   評議員 栄一印 (印) (印)
○中略
一今回川越ニ特派員ヲ置キ青梅、所沢、八王子其他附近ノ取調ニ従事セシムル為メ書記上林晋ヲ出張為致候
一独乙伯林シンメルヘング興信所ヨリ双方興信所ノ紹介状ヲ所持シテ問合ヲ依頼シ来リタル会員ヘハ、双方ノ興信所ガ互ニ其依頼ニ応シテ取調ヲナシ其報答料ハ壱件壱弗(米金)ト定メ年末ニ決算スルコトニ致度旨申来リタルニ由リ承諾ノ返書ヲ送リタリ、尤モ総テ取調書交換ニ就キ詳細ナル契約書ハシンメルヘング氏ガ本年内ニハ日本ニ来ル積リナリトノコトナレバ面会ノ上取極メ候筈ニ有之候
   ○一〇月一四日ノ評議員会ニ栄一ノ捺印アリ。
      ○
  東京興信所第拾参回報告書
明治四拾壱年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スル事左ノ如シ
    ○業務成績ノ大要
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治四拾壱年二月七日午後五時ヨリ日本橋区坂本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者拾五六名ニシテ評議員会長渋沢男爵会長席ニ着キ、所長森下岩楠氏ヨリ当所第十二回(明治四十年度)事務並ニ会計報告ヲナシ、其承認ヲ求メ、原案可決ノ後評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行第百銀行ノ五行重任シ夫ヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ、晩餐ヲ喫シ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
 - 第7巻 p.554 -ページ画像 
明治四拾壱年一月当年ノ第壱回評議員会ヲ開キ其後二、四、八ノ三ケ月ヲ除クノ外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ其重ナル問題ハ独逸「シン、メルヘング」興信所ト報答交換、紹介状発行ノ件及枢要地ニ派出所設置ノ件等ナリトス



渋沢栄一 日記 明治四二年(DK070071k-0019)
第7巻 p.554 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四二年
一月二十七日 晴 寒
正午銀行倶楽部ニ抵リテ午飧シ○中略興信所評議員会ニ出席シ○下略


(東京興信所)評議員会書類 第参(DK070071k-0020)
第7巻 p.554-556 ページ画像

(東京興信所)評議員会書類  第参    (東京興信所所蔵)
  明治四十二年一月廿七日        森下岩楠(印)
                  (波多野印)
                    (印)   (豊川印)
   評議員 栄一印 (池田印)   (印)
                    (印)
一東京興信所第拾壱回業務報告並ニ会計決算之件
    詳細ハ別紙ニ在リ
一同 四十二年度予算之件 同上
○中略
一発起会員総会之件 会日《(鉛)》ハ二月三日ト定ム
○下略
○別紙略
      ○
  明治四十二年四月十四日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印) 三村
○中略
一先般発起会員総会ノ協議ニ基キ今回信用調査講究会ナルモノヲ組織スル為メ、発起会員ナル銀行ノ信用調査係員ノ出席ヲ乞ヒ、去ル三月廿三日銀行倶楽部ニ於テ第一回ノ協議会ヲ開キタルニ、出席人名ハ別紙之通リニシテ、協議之末幹事七名ヲ選ヒテ規則ノ起草ヲ托スルコトトナリ散会シタリ、而シテ右七名ノ幹事ハ同月廿九日東京興信所ニ会合シテ規則ヲ起草シ、夫々会員ノ意見ヲ問合セタルニ何レモ別ニ異議ナキ由申来リタリ、其規則ハ別紙ニ在リ
○下略
(別紙)
    信用調査講究会規則
第一条 本会ハ東京及ビ横浜ニ於ケル銀行員及ビ東京興信所員相会シテ信用調査ニ関スル事項ニ就キ互ニ講究スルヲ目的トス
第二条 本会ヲ名ケテ信用調査講究会ト称ス事務所ハ東京市日本橋区阪本町四十三番地東京興信所内ニ置ク
第三条 本会ノ会員タラント欲スルモノハ会員二名以上ノ紹介ヲ以テ本会ニ申込ミ本会ハ幹事会ノ議ニ附シテ其許否ヲ決スルモノトス
第四条 会員ニシテ退会セントスルトキハ之ヲ本会ニ通知スベシ
第五条 本会会費ハ一行若クハ一所ニ付一ケ年金拾五円ヲ本会ニ前納
 - 第7巻 p.555 -ページ画像 
スベシ年ノ中途ニ入会シタルモノハ月割ヲ以テ納ムルモノトス
第六条 本会ニ幹事拾名ヲ置キ会員中ヨリ之ヲ選定ス
    但シ任期ハ一ケ年トス
第七条 幹事ハ幹事中ヨリ幹事長ヲ選定ス
第八条 幹事ハ会務一切ヲ処理ス
第九条 幹事会ハ随時幹事長ノ見込ニ依リ開クモノトス
第十条 本会ニ書記ヲ置キ幹事ノ指揮ニ従ヒ常務ヲ取扱ハシム
第十一条 会員ノ例会ハ隔月ニ開クモノトス
      ○
  明治四拾弐年五月十二日        森下岩楠(印)
   評議員 栄一印 (印) (印) (印)
一近来類似之興信所頻りに起り東京興信所之内報に似寄りたるものを発行して其記事ハ殆と新聞紙上に掲載するものと異ならざるもの有之候、就而ハ他日新聞条例違反之罪に問はるゝものあるに於てハ多少本所発行之内報にも影響を及ほす事可有之と被存候ニ付、予め新聞条例ニ拠り夫々届出置き候方安全ならんと被存候得バ先般来警視庁へ交渉致候処、同庁に而ハ内務省と打合せ之上新聞条例ニ拠り届出可申旨沙汰有之候ニ付其手続致度事
○下略
      ○
  明治四十二年六月廿三日        森下岩楠(印)
             (波多野印)
      (池田印)    (印)
   評議員  (印)
一評議員会長渋沢男爵辞任之件
一評議員会長互選之件
○下略
      ○
  明治四十二年七月十四日        森下岩楠(印)
   評議員
一評議員会長互選之件
○下略
      ○
  東京興信所拾四回報告書
明治四十二年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スル事左ノ如シ
    ○業務成績ノ大要
○中略
    ○発起会員総会ノ件
明治四十二年二月三日午後五時ヨリ日本橋区坂本町ノ銀行集会所ニ於テ発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者二十余名ニシテ評議員池田謙三氏会長席ニ着キ所長森下岩楠氏ヨリ当所第十三回(明治四十一年度)事務並ニ会計報告ヲ為シ其承認ヲ求メ原案可決ノ後評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行・三井銀行・第百銀
 - 第7巻 p.556 -ページ画像 
行ノ五行重任シ、夫レヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ晩餐ヲ喫シテ散会シタリ
    ○評議員会ノ件
明治四十二年一月当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後二、八、九ノ三ケ月ヲ除クノ外毎月開会シ時々ノ要件ヲ議シタル中ニモ重ナル問題ハ内報ノ改良、臨時追報ノ発送、信用調査講究会ノ設立及ビ商工業者ノ京浜間ニ於ケル銀行取引残高表ヲ会員タル銀行ニ限リ配布スルノ件等ナリトス
○下略