デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
7款 東明火災海上保険株式会社
■綱文

第7巻 p.733-762(DK070095k) ページ画像

明治40年7月8日(1907年)

是ヨリ先、東京海上保険株式会社及ビ明治火災保険株式会社ノ関係者ニヨリ両社ノ再保険会社トシテ東明火災海上保険株式会社ノ設立発起サル。是日創立総会開カレ、栄一取締役ニ就任ス。


■資料

文書類纂 商工―会社・第二巻 明治四〇年(DK070095k-0001)
第7巻 p.733-735 ページ画像

文書類纂 商工―会社・第二巻 明治四〇年 (東京府庁所蔵)
    進達願
一東明火災海上保険株式会社発起認可申請書
   並ニ添付書類
右其筋ヘ御進達被成下度、此段奉願候也
  明治三十九年十一月二十九日
                右発起人代理
                    各務鎌吉(印)
    東京府知事 男爵 千家尊福殿
  東明火災海上保険株式会社発起認可申請
今般拙者共ニ於テ東明火災海上保険株式会社ヲ組織シ、保険業法ヲ遵守シ、左ノ添付書類ノ範囲方法ヲ以テ火災及海上保険ノ業務ヲ営ミ度候間、右事業ノ発起御認可被成下度、別冊定款・事業方法書・普通保険約款・保険料及責任準備金算出ノ基礎ニ関スル書類相添ヘ、此段申請仕候也
  明治三十九年十一月二十九日
          東明火災海上保険株式会社発起人
            東京市本郷区向岡弥生町参番地
                      原錦吾
            同市小石川区大塚窪町弐番地
                      各務鎌吉
            同市芝区三田松坂町参拾四番地
                      阿部泰蔵
            横浜市元浜町壱丁目壱番地
                      朝田又七
            東京市神田区西小川町壱丁目参番地
                      佐々木慎思郎
            同市深川区福住町四番地
                      渋沢栄一
            同市小石川区林町五拾番地
                      荘田平五郎
            大阪市東区高麗橋通四丁目弐拾参番地屋敷
 - 第7巻 p.734 -ページ画像 
                      平生釟三郎
            東京市麻布区鳥居坂町五番地
                      末延道成
            右発起人代理
                      各務鎌吉
    農商務大臣 松岡康毅殿
   ○東明火災海上保険株式会社定款・事業方法書・火災保険約款・貨物海上保険約款・船体海上保険約款・収支予算書・保険料及責任準備金算出ノ基礎ニ関スル書類略ス。

明治三十九年十一月二十九日附ヲ以テ発起認可ヲ申請シタル東明火災海上保険株式会社ノ添付書類中、事業方法書第一条・第二条並ニ第十条・第十一条ノ明文ハ当会社ニ於テ承認シタルモノニシテ、該条項記載ノ方法ヲ以テ当会社ノ再保険スヘキ金額ヲ、優先ニ、今回設置セラルヘキ東明火災海上保険株式会社ヘ再保険スヘキコトヲ言明ス
  明治四十年二月十五日
               東京海上保険株式会社
                 支配人 各務鎌吉(印)
    東明火災海上保険株式会社
            発起人御中

明治三十九年十一月二十九日附ヲ以テ発起認可ヲ申請シタル東明火災海上保険株式会社ノ添付書類中、事業方法書第一条・第二条並ニ第十条・第十一条ノ明文ハ当会社ニ於テ承認シタルモノニシテ、該条項記載ノ方法ヲ以テ当会社ノ再保険スヘキ金額ヲ、優先ニ、今回設置セラルヘキ東明火災海上保険株式会社ヘ再保険スヘキコトヲ言明ス
  明治四十年二月十五日
               明治火災保険株式会社
                 支配人 原錦吾(印)
    東明火災海上保険株式会社
            発起人御中

  東明火災海上保険株式会社発起認可申請書中訂正加除申請
明治三十九年十一月二十九日附ヲ以テ呈出仕候東明火災海上保険株式会社発起認可申請書添付書類中、御命示ニ基キ、別冊ノ通訂正加除仕候間、御認可被成下度、此段追申仕候也
  明治四十年三月二十日
              東明火災海上保険株式会社
               発起人代理 各務鎌吉
    農商務大臣 松岡康毅殿
  ○別冊訂正届略ス。
      ○
農商務省指令商九六四〇号
    知事(印)
 - 第7巻 p.735 -ページ画像 
            東京府東京市本郷区弥生町三番地
     第三部長(印)          原錦吾
      商工課長
            四月九日主任(印)      外八名
明治三十九年十一月二十九日附申請東明火災海上保険株式会社発起ノ件認可ス
  明治四十年四月八日
             農商務大臣
  (朱印)

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 別紙ハ第四式経由印ヲ捺シ前記ノ者ヘ下附スルモノトス 




文書類纂 商工―会社・第一巻明治四〇年第一種(DK070095k-0002)
第7巻 p.735-760 ページ画像

文書類纂 商工―会社・第一巻明治四〇年第一種 (東京府庁所蔵)
農商務省指令商第六

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 (朱印) 完結 東京府東京市麹町区八重洲町一ノ一      東明火災海上保険株式会社 



明治四十年七月十五日付申請火災保険及海上保険営業ノ件免許ス
  明治四拾年九月拾九日
             農商務大臣 松岡康毅
  (朱印)

図表を画像で表示--

 別紙ハ第四式経由印ヲ捺シ前記ノ者ヘ下附スルモノトス 



     ○
   進達願
別紙保険事業免許申請書一括農商務省ヘ御進達被成下度此段奉願候也
  明治四十年七月十五日
            東京市麹町区八重洲町壱丁目壱番地
              東明火災海上保険株式会社
                 取締役  阿部泰蔵
                 同    朝田又七
                 同    佐々木慎思郎
                 同    渋沢栄一
                 同    荘田平五郎
                 同    末延道成
                 監査役  生島一徳
                 同    高田小次郎
                 同    田島信夫
               右代理人
                    玉江文太郎(印)
    東京府知事 男爵 千家尊福殿

(別紙)
  東明火災海上保険株式会社保険事業免許申請
東明火災海上保険株式会社発起ノ件本年四月八日ヲ以テ御認可相成候ニ付、定款ニ基キ株式四万株ヲ募集シ、株金弐百万円ノ内第一回払込金五拾万円ノ払込ヲナサシメ、六月七日払込結了候ニ付、七月八日創立総会ヲ開キ、取締役並ニ監査役ノ選任ヲ行ヒ候処、拙者共選任セラ
 - 第7巻 p.736 -ページ画像 
レ候間、爰ニ連署ヲ以テ保険事業免許申請候ニ付、御免許被成下度、別紙定款事業方法書、普通保険約款保険料及ヒ責任準備金算出ノ基礎ニ関スル書類、株主名簿、株式申込証、取締役及監査役、調査報告書及附属書類、創立総会決議録相添ヘ、此段申請仕候也
  明治四十年七月十五日
            東京市麹町区八重洲町壱丁目壱番地
              東明火災海上保険株式会社
                 取締役  阿部泰蔵
                 同    朝田又七
                 同    佐々木慎思郎
                 同    渋沢栄一
                 同    荘田平五郎
                 同    末延道成
                 監査役  生島一徳
                 同    高田小次郎
                 同    田島信夫
               右代理人
                    玉江文太郎
   農商務大臣 松岡康毅殿
     ○

  (別紙)
    東明火災海上保険株式会社定款
第一条 当会社ハ東明火災海上保険株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ本店ヲ東京市ニ置ク
第三条 当会社ノ目的ハ火災保険及海上保険業ヲ営ムニ在リ
第四条 当会社営業ノ範囲ハ動産及不動産等ノ火災保険契約ヲ日本帝国内ニ於テ締結シ、船舶貨物運賃等ノ海上保険契約ヲ日本帝国及外国ニ於テ締結スルニ在リ
第五条 当会社ノ資本金ハ弐百万円ニシテ、之ヲ四万株ニ分割シ、壱株ノ金額ヲ五拾円トス
第六条 当会社ノ株式ハ記名式トス
第七条 当会社ノ株券ハ壱株券・拾株券・百株券ノ三種トス
第八条 当会社ノ株金第一回払込ハ一株ニ付金拾弐円五拾銭トシ、発起認可ヲ得タル日ヨリ六十日以内ニ払込マシム、第二回以後ハ必要ニ応シ払込マシムルモノトシ、取締役会ニ於テ其金額・期日ヲ定メ期日二週間前ニ各株主ニ通知スヘシ
第九条 株主株金払込期日マテニ払込ヲナサヽルトキハ、其翌日ヨリ起算シ払込金額百円ニ対シ一日金四銭ノ割合ヲ以テ遅延利息ヲ支払ヒ、且ツ遅延ノ為メニ生シタル損害ヲ負担スヘシ
第十条 当会社ノ株式ヲ売買譲渡セントスルトキハ、株券裏面ニ双方記名調印シ且ツ当会社ノ定ムル書式ニ拠リ双方連署ノ請求書ヲ差出スヘシ、当会社ハ株券ノ裏面ニ取締役記名調印シテ請求人ニ交付スヘシ
第十一条 遺産相続又ハ遺贈ニ因リ又ハ法律命令ノ結果ニ因リ当会社
 - 第7巻 p.737 -ページ画像 
ノ株式ヲ取得シタルモノハ、其事実ヲ証スヘキ書面ヲ差出シ、株券名義書替ヲ請求スヘシ
第十二条 株券ヲ喪失シタルモノカ其再交付ヲ請求スルトキハ、当会社ハ請求人ノ費用ヲ以テ五日間公告シ、其最終ノ日ヨリ三週間内ニ異議ヲ申出ルモノナキトキハ更ニ株券ヲ交付スヘシ
第十三条 株券ヲ毀損シタル為メ又ハ株券ノ併合分割ヲ要スル為メ株券ノ交付ヲ請求スルトキハ、当会社ハ該株券ト引換ニ更ニ株券ヲ交付スヘシ
第十四条 株券ノ再交付ニ対シテハ株券一枚ニ付金五拾銭、名義其他ノ書替ニ対シテハ株券一枚ニ付金弐拾五銭ノ手数料ヲ納付スベシ
第十五条 株式ノ売買譲渡ハ所有者ノ氏名ヲ株券及株主名簿ニ登録スルニ非レハ当会社ニ対シテ効力ヲ生セス
第十六条 株主住所氏名ヲ変更シ又ハ改印シタルトキハ其都度之ヲ当会社ニ届出ツヘシ
第十七条 当会社ハ公告ヲ為シテ定時総会前三十日以内株券ノ名義書替ヲ停止スルコトヲ得
第十八条 当会社ニ取締役五人以上七人以下、監査役三人以下ヲ置ク
第十九条 取締役ハ当会社ノ株式壱百株以上ヲ所有スル株主中ヨリ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス
第二十条 取締役ハ互選ヲ以テ取締役会ノ会長ヲ定ム
第二十一条 取締役ノ任期ハ二ケ年、監査役ノ任期ハ一ケ年トス
第二十二条 取締役又ハ監査役ニ欠員ヲ生シタルトキハ臨時総会ヲ開キテ補欠選挙ヲ行フ、補欠員ノ任期ハ前任者ノ任期ヲ以テ満了ス
 但シ法定数ニ不足セサルトキハ次ノ改選期マテ補欠選挙ヲ行ハサルコトヲ得
第二十三条 取締役ハ其就任ト同時ニ其所有株式壱百株ヲ監査役ニ供託スヘシ、此株券ハ取締役退任セル場合ト雖モ、其年度ノ計算ニ付株主総会ノ承認ヲ経タル後ニ非レハ之ヲ返還セサルモノトス
第二十四条 取締役会ハ事業ノ経営ニ属スル諸般ノ事項ヲ議定シ、取締役之ヲ執行ス
第二十五条 当会社ハ毎年一月一日ヨリ十二月三十一日ニ至ル一ケ年ヲ以テ毎事業年度トス
第二十六条 当会社ノ定時株主総会ハ毎年四月中ニ之ヲ開キ、前年度ニ対スル財産目録・貸借対照表・営業報告書・損益計算書ノ承認並ニ準備金及利益ノ配当ニ関スル決議ヲナス
第二十七条 株主総会ニ於テハ予メ通知シタル事項ノ外他ノ議事ニ渉ルコトヲ得ス
第二十八条 株主ハ代理人ヲ以テ議決権ヲ行フコトヲ得、但シ代理人ハ当会社ノ株主ニ限ル
第二十九条 株主総会ノ議長ハ取締役会ノ会長之ニ任シ、会長事故アルトキハ他ノ取締役中ノ一人之ニ任ス、又取締役一人モ出席セサルトキハ株主中ヨリ之ヲ選任スヘシ
第三十条 株主総会ノ決議録ニハ議長記名調印シテ当会社ニ保存スヘシ
 - 第7巻 p.738 -ページ画像 
第三十一条 毎年度ノ収入保険料諸利息其他ノ雑収入ニ前年度末ニ於ケル責任準備金・支払備金及繰越金ヲ加ヘタルモノヨリ、支払保険金・再保険料・払戻金・責任準備金・支払備金・営業費其他ノ諸損失金ヲ控除シタル残額ヲ利益金トス
第三十二条 株主配当金ハ毎年三月卅一日現在ノ株主ニ之ヲ配当ス
第三十三条 当会社ノ公告ハ当会社本店所在地ノ管轄裁判所ノ商業登記事項ヲ公告スル新聞紙ヲ以テ之ヲ為ス
    附則
第三十四条 当会社ノ設立費用ハ金壱千五百円以内トシ、初年度ニ於テ全部優却スルモノトス
  明治四十年四月八日認可
          東明火災海上保険株式会社発起人
            東京市本郷区向岡弥生町三番地
                      原錦吾
            同市小石川区大塚窪町二番地
                      各務鎌吉
            同市芝区三田松坂町三十四番地
                      阿部泰蔵
            横浜市元浜町一丁目一番地
                      朝田又七
            東京市神田区西小川町一丁目三番地
                      佐々木慎思郎
            同市深川区福住町四番地
                      渋沢栄一
            同市小石川区林町五十番地
                      荘田平五郎
            大阪市東区高麗橋通四丁目二十三番屋敷
                      平生釟三郎
            東京市麻布区鳥居坂町五番地
                      末延道成

(別紙)
  東明火災海上保険株式会社事業方法書
    第一章 火災保険
      第一節 火災保険営業ノ範囲
第一条 当会社ハ明治火災保険株式会社カ日本帝国内ニ於テ締結スル住宅倉庫其他ノ建物、商品家具ニ対スル火災保険ノ再保険ヲ優先ニ引受クルヲ以テ主タル営業トシ、傍ラ日本帝国内ニ於テ他同業会社ノ担保シタル火災保険ノ再保険及当会社ノ株主取締役社員若クハ代理店等ノ縁故関係ニ属スル住宅倉庫其他ノ建物商品家具ノ火災保険業ヲ営ムモノトス
      第二節 火災保険契約ノ手続
第二条 当会社ハ明治火災保険株式会社カ日本帝国内ニ於テ締結シタル火災保険契約ノ再保険ヲ、左ノ如キ特約ノ方法ヲ以テ引受クルモノトス
 - 第7巻 p.739 -ページ画像 
 明治火災保険株式会社ハ一個又ハ一区域ノ危険ニ対シ自社ノ保有スヘキ保険金額ヲ設定シ、其超過保険金ニ対シテ当会社ノ保有スヘキ一危険又ハ一区域ノ最高金額若クハ歩合ヲ相互間ニ協定シ、当会社ハ其協定シタル金額若クハ歩合ヲ限リ、明治火災保険株式会社ノ再保険スヘキ金額ヲ優先ニ再保険スルコトヽシ、超過金額発生ノ都度明治火災保険株式会社ハ所要ノ事項ヲ記載シタル申込書ヲ当会社本店ニ差出シ、当会社ハ之ニヨリ保険証券ヲ発行シ、保険料ヲ領収シ、再保険契約ニ対シテ生シタル損害金ハ当会社之ヲ塡補スルコト
第三条 特約ニアラサル普通保険契約ノ方法ハ左ノ如シ
 一火災保険契約ヲナサントスル者ハ当会社所定ノ保険申込用紙ヲ受取リ、之ニ所要ノ事項ヲ記載シ、申込人署名捺印ノ上当会社本店出張所又ハ代理店ヘ差出スヘシ
 二保険料及保険価格ハ土地ノ情況、保険ノ目的ノ性質等ヲ考量セサル可ラサルヲ以テ、必要ノ場合ニハ実地検査ノ上之ヲ定ムヘシ
 三当会社ニ於テ保険契約ヲ承諾シ、申込人カ当会社ノ定ムル保険料ノ支払ヲ承諾シタルトキハ、当会社ハ保険期間ニ対スル保険料ヲ払込マシメ、火災保険証券ヲ発行スヘシ
第四条 火災保険証券ニハ会社ノ取締役又ハ支配人署名捺印シ且ツ社印ヲ押捺スヘシ、若シ出張所又ハ代理店ニ於テ保険契約ヲ締結スルトキハ、代理人署名捺印シ且ツ代理店ノ印ヲ押捺シタル保険証券ヲ発行スヘシ
      第三節 保険料
第五条 保険料ハ普通保険期間ニ対スル分ヲ前払セシムルモノトス
 但シ特約ノ場合ハ此限ニアラス
      第四節 保険期間
第六条 保険期間ハ普通一ケ年トシ、保険申込人ノ希望ニヨリ一ケ年未満若クハ最長期五ケ年未満ノ契約ヲ締結スルコトアルヘシ
      第五節 保険金額ノ制限
第七条 一個ノ建物又ハ一個ノ建物中ニ貯蔵スル物品等ノ保険金額ハ、払込資本金及純益積立金ノ十分ノ一ヲ以テ最高制限トシ、危険ノ階級ニ応シテ以下ノ制限金額ヲ決定シ、其制限ヲ超過シタル担保ヲ行フトキハ其超過ノ部分ハ確実ナル他ノ火災保険会社ニ再保険ヲ為スモノトス
第八条 当会社ハ保険金壱百円未満ノ契約ヲ締結セス、百円以上ト雖モ拾円未満ノ端数ハ控除シテ保険金額ヲ決定ス
      第六節 保険契約ノ種類
第九条 当会社ノ担保スル火災保険契約ノ種類ハ普通保険約款ノ通リトス
    第二章 海上保険
      第一節 海上保険業ノ範囲
第十条 当会社ハ東京海上保険株式会社カ日本帝国内及海外諸国ニ於テ締結スル船舶運賃商品地金銀貨幣其他ノ物件ニ対スル海上保険ノ再保険ヲ優先ニ引受クルヲ以テ主タル営業トシ、傍ラ他同業会社ノ
 - 第7巻 p.740 -ページ画像 
担保シタル海上保険ノ再保険及当会社ノ株主取締役社員若クハ代理店等縁故関係ニ属スル保険物件ノ海上保険契約ヲ行フモノトス
      第二節 海上保険契約ノ手続
第十一条 当会社ハ東京海上保険株式会社カ日本帝国内及海外諸国ニ於テ締結シタル海上保険契約ノ再保険ヲ、左ノ如キ特約ノ方法ヲ以テ引受クルモノトス
 東京海上保険株式会社ハ一艘ノ船舶ニ対シテ自社ノ保有スヘキ保険金額ヲ設定シ、其保有スヘキ金額ノ超過額ハ当会社ノ定ムル制限保有金額ニ達スルマテ総テ当会社ニ再保険ヲ行ヒタルモノトシ同会社ノ超過保険精算簿ニヨリ当会社ノ責任ニ属スヘキ各船ノ保険金保険料等ヲ当会社ニ通告スヘク、当会社ハ之ニ対シテ保険証券ヲ発行シ、保険料ヲ領収シ、再保険契約ニ対シテ生シタル損害金ハ当会社之ヲ塡補ス
第十二条 特約ニアラサル普通保険契約ノ方法左ノ如シ
 一船舶又ハ貨物ノ海上保険契約ヲ為サントスルモノハ、当会社所定ノ保険申込用紙ヲ受取リ之ニ所要ノ事項ヲ記載シ、申込人署名捺印ノ上、当会社本店出張所又ハ代理店ヘ差出スヘシ
 二保険料及保険価格ハ危険ノ性質ニヨリ一定スル能ハサルヲ以テ、其申込書ニ付キ考量シ、猶必要ノ事項ハ申込人ニ聞質シ、更ニ必要ト認ムルトキハ船舶ノ臨検ヲ行ヒ、申込ノ都度之ヲ定ムヘシ
 三当会社ニ於テ保険契約ヲ承諾シ、申込人カ当会社ノ定ムル保険料ノ支払ヲ承諾シタルトキハ、保険料ヲ支払ハシメ、当会社ノ海上保険証券ヲ発行スヘシ
第十三条 海上保険証券発行ノ方法ハ火災保険第四条ヲ準用ス
      第三節 保険料
第十四条 保険料ハ保険期間ニ対スル分ヲ前納セシムルモノトス、但シ特約ノ場合ハ此限ニアラス
      第四節 保険契約期間
第十五条 保険契約期間ハ貨物ニアリテハ一航海ヲ担保シ、船体ニアリテハ満十二ケ月以内ノ契約ヲ行フモノトス
      第五節 保険金制限
第十六条 保険金ノ制限ハ航路、船舶、貨物、季節、平均一艘ニ契約スルヲ得ヘキ金額、同等同格ノ危険ニ対シ一艘平均担保額等、種々ノ事項ヲ量リ、毎年方針ヲ定ムヘキヲ以テ、不変ノ制限ヲ確定スル能ハスト雖モ、営業ノ基礎確立セサルニ先チテハ最モ慎重緊縮ノ方針ヲ取リ、大要左ノ制限ヲ以テ引受クルモノトス
  貨物保険 汽船一艘一航海ニ付
   日本朝鮮沿岸       最高保険金壱万五千円以内
  亜典以東亜細亜洲及濠洲各地間
                同 金弐万五千円以内
  亜典以東亜細亜洲及濠洲ト南北亜米利加欧洲各地間
                同 金弐万五千円以内
  欧洲南北亜米利加間及欧洲亜弗利加濠洲間
                同 金弐万五千円以内
 - 第7巻 p.741 -ページ画像 
  其他航路間及外国沿岸航路間
                同 金壱万五千円以内
  船体保険 一艘ニ付 最高保険金壱万五千円以内
 以上ノ制限ハ毎年之ヲ変更スルコトアリト雖モ、払込資本金及純益積立金ノ十分ノ一ヲ超過スルコトナシトス
      第六節 契約種類
第十七条 海上保険契約ハ悉ク普通保険約款ニ拠ル能ハスシテ、保険者ト契約人トノ間ニ一々協定ヲ要スル条件多種ニ渉ルヲ以テ、生命保険ノ如ク一定ノ契約種類及保険料ヲ定ムル能ハスト雖モ、普通ニ行ハルヽ契約ノ種類ハ左ノ四種ナルヲ以テ、当会社ハ之ニ則リ契約ヲ行フモノトス
 一全損ノミ(Total Loss only)船舶又ハ積荷カ全損トナリタルトキニ限リ損害ヲ塡補スルノ契約ヲ謂フ
 二全損及救助費担保(Total Loss including Salvage charges)全損ノ外保険物件ノ全損ヲ防禦スル為メニ有益ナル救助費ヲモ塡補スルノ契約ヲ謂フ
 三分損不担保(Free from particular average unless the ship be stranded, sunk, on fire, or in collision)船舶カ坐礁・沈没火災又ハ衝突シタルカ、此四箇条ノ遭難中ノ一カ発生シ被保物件ニ損害ヲ及ホシタル場合ニ限リ、其損害ノ多少ヲ問ハス単独海損ヲ塡補スルノ契約ヲ謂フ
 四分損担保(With Average)前記一二三項ノ損害ヲ塡補スルノ外、保険物件カ海上ニ起リタル他ノ危難ニ遭遇シ一部分ノ損害ヲ生シタル場合ト雖モ、其損害額カ一定ノ免除歩合ヲ超過シタルトキハ其全額ヲ塡補スルノ契約ヲ謂フ
      第三章 代理店ニ与フル権限
第十八条 代理店ハ左ノ行為ニ付本社ヲ代表スルコト
 一本社ヨリ指図シタル保険金額ノ制限範囲内ニ於ケル保険契約ノ締結
 一保険料ノ領収
 一保険金ノ支払
 一損害物件ノ処分
第十九条 代理店ハ左ノ事項ニ関スル責任ヲ負担スルコト
 一代理店主及其使用人カ本社ノ指図ニ違反シタル行為ニ因リ其本社ニ及ホシタル損害
 一保険料ノ収入
第二十条 代理店ハ会社ノ代理事務ヲ行フニ足ルヘキ必要ノ設備ヲ為シ、取扱主任ヲ定メ、必要ノ帳簿ヲ具備スヘキコト
第二十一条 代理店ハ当会社ヨリ発シタル指図ノ範囲内ニ於テ、保険契約ヲ締結シ、保険証券ヲ発行シ、保険料ヲ領収スルコト
第二十二条 当会社ヨリ指図以外ノ事項ハ一切当会社ニ稟議シ、当会社ノ指図ニヨリ動作スヘキコト
第二十三条 保険契約ノ締結ニ要スル一切ノ書式ハ当会社ヨリ代理店ニ供給シタルモノヲ用フヘキコト
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第二十四条 当会社ノ被保物件ニ損害発生シタルトキハ、電信若クハ書面ヲ以テ其事実ヲ当会社ニ通知シ、当会社ノ指図ヲ受ケテ損害ノ事情損害高其他調査ニ必要ナル事項ヲ報告シ、其損害処分ノ完了スルニ至ルマテ当会社ノ為メニ尽力スヘキコト
第二十五条 保険ノ目的ニ生シタル損害ニ関シ当会社ノ責任有無及其責任額ノ決定ハ、其都度当会社ノ指図ヲ受クヘキコト
第二十六条 引受タル保険ノ報告書ハ申込書ト共ニ毎日郵便ニテ当会社ニ送付スヘキコト
第二十七条 保険料ハ毎月分ヲ取纏メ、手数料・郵便電信料等ヲ引去リ、其残金ハ毎月八日迄ニ当会社ニ送付スヘキコト
第二十八条 代理店ニ支払フヘキ手数料ハ代理人ノ収入シタル正味保険料ノ百分ノ十以内トス
第二十九条 代理店ノ約定ハ無期限トシ、双方三ケ月乃至六ケ月前ノ予告ヲ以テ解約スルヲ得ヘキコト
    第四章 申込書及普通保険約款
第三十条 当会社ノ主タル営業ハ東京海上保険株式会社及明治火災保険株式会社ノ再保険ヲ契約スルニ在ルヲ以テ、申込書及普通保険約款ハ右両会社所定ノモノト同一トス、即チ左ノ如シ
  但シ両会社ニ於テ其条項ヲ変更シタルトキハ当会社モ之ニ準シ変更スヘシ
第三十一条 前条ノ如ク両会社又ハ他会社ノ再保険契約ヲナストキハ当会社ノ普通保険証券ノ余白ニ左ノ条項ヲ特記シ、其再保険タルコトヲ明ニスヘシトス
 本契約ハ………保険株式会社カ表書同一保険ノ目的ニ対シ契約シタル保険金………円ノ内当会社カ金………円ヲ再保険シタルモノナルヲ以テ………保険株式会社約款ニ拠リテ同会社ヨリ其保険契約者ヘ損害ヲ塡補シタルトキハ、当会社ハ同会社ノ引受保険金ト当会社ノ再保険金トノ比例ニヨリ、当会社ノ負担スヘキ損失金ヲ………保険株式会社ニ塡補スヘシ
    第五章 割戻金ノ事
第三十二条 当会社ハ特約ヲ以テ其収入シタル保険料ノ一部ヲ保険契約者ニ返戻スルコトアルヘシ

 (別紙)
     火災保険約款
第一条 当会社ハ此約款ニ従ヒ火災ノ為メニ保険ノ目的ニ生シタル損害ヲ塡補スルモノトス
第二条 当会社ノ保険契約ノ責任ハ保険料ヲ領収シタル時ニ始マリ、保険契約期間ノ最終日ノ午後四時ヲ以テ終ルモノトス
第三条 建物ノ保険ニ於テハ門・囲障・墻壁・物置・納屋其他ノ附属建物ハ、特ニ保険証券ニ明記シタル場合ニアラサレハ保険ノ目的ニ包含セサルモノトス
第四条 貨幣・印紙・貴金属・宝玉・証書・有価証券・書画・稿本・彫刻物・古器物其他普通価格ヲ有セサルモノハ特ニ保険証券ニ明記シテ保険ヲ為シタル場合ニアラサレハ保険ノ目的ニ包含セサルモノ
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トス
第五条 左ノ場合ニ於テハ保険契約ハ無効トス
 保険契約者カ保険申込ノ当時保険契約ニ重要ナル事項ヲ告ケス、又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキ
 保険申込ノ当時同一ノ目的ニ付キ保険契約者又ハ其他ノ者ト他ノ保険者トノ間ニ締結シタル保険契約カ存在スル場合ニ、其旨ヲ保険申込書ニ明記シテ当会社ニ申出テサルトキ
  但シ其事実ヲ知ラサリシ場合ハ此限ニアラス
 他人ノ為メニ保険契約ヲ締結スル者カ其旨ヲ保険申込書ニ明記シテ当会社ニ申出テサルトキ
 保険契約者又ハ被保険者カ知ルト否トヲ問ハス、保険契約ノ当時保険ノ目的既ニ火災ニ罹リタルトキ又ハ火災ニ罹ルヘキ原因既ニ発生シ居リタルトキ
第六条 保険金額カ保険ノ目的ノ価格ニ超過シタルトキハ其超過シタル部分ニ付テハ保険契約ハ無効トス
第七条 保険契約者又ハ被保険者ニ於テ当会社ノ保険シタル目的ニ付キ、重テ他ノ保険者ト契約ヲ締結セントスルトキハ、予メ当会社ニ申出テ保険証券ニ承認ノ裏書ヲ受クヘシ
 第三者カ同一ノ目的ニ付キ他ノ保険者ト重テ保険契約ヲ締結シタル事実ヲ知リタルトキモ亦遅滞ナク前項ノ手続ヲ為スヘシ
第八条 保険契約者又ハ被保険者ハ其責ニ帰スヘカラサル事由ニ依ルト雖モ、著シク火災危険ノ度カ増加シ又ハ変更シタルトキハ、遅滞ナク当会社ニ申出テ保険証券ニ承認ノ裏書ヲ受クヘシ
 保険ノ目的ヲ他ノ場所ニ移転セントスル場合又ハ保険ノ目的若クハ其目的ヲ納レタル建物ヲ改築、増築又ハ修繕セントスル場合モ亦前項ノ手続ヲ為スヘシ
第九条 保険契約者又ハ被保険者カ保険ノ目的ト共ニ保険契約ニ因リテ生シタル権利ヲ譲渡シタルトキハ、危険ノ増加変更ナキ場合ト雖モ、譲受人譲渡人ヨリ遅滞ナク当会社ニ申出テ保険証券ニ承認ノ裏書ヲ受クヘシ
第十条 当会社ハ保険契約存在中何時ニテモ保険ノ目的ヲ検査スルコトヲ得ルモノトス
第十一条 第七条乃至第九条ニ依リ保険証券ニ承認ノ裏書ヲ請求スヘキ者カ之ヲ怠リタルトキハ保険契約ハ其効力ヲ失フモノトス
 第十条ノ検査ヲ正当ノ理由ナクシテ拒絶シタルトキハ当会社ハ保険契約ノ解除ヲ申込ムコトヲ得
 第七条乃至第九条ノ承認ノ裏書ヲ請求シタルトキハ又ハ第十条ノ検査ヲ実施シタルトキ当会社ニ於テ危険ニ増加、変更アリト認メタル場合ニ保険契約ヲ解除シ又ハ保険料ヲ増加スルコトアルヘシ
 保険契約ノ解除ハ将来ニ向テノミ其効力アルモノトス
第十二条 保険ノ目的火災ニ罹リタルトキハ保険契約者又ハ被保険者ヨリ遅滞ナク書面ヲ以テ之ヲ会社ニ通知シ、十五日以内ニ火災ノ状況調書及損害見積書ヲ作リ、一名以上ノ保証人ト連署捺印シテ之ヲ当会社ニ差出スヘシ、当会社ヨリ説明証明等ヲ請求シタル事項ニ付
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テハ遅滞ナク正実ニ其説明証明ヲ為スヘシ
第十三条 保険ノ目的火災ノ為メニ損害ヲ生シタルトキハ当会社之ヲ調査シ、必要アルトキハ一時其目的ヲ保管シ又ハ他ニ移転スルコトアルヘシ
第十四条 損害ハ保険契約者又ハ被保険者ヨリ第十二条ノ手続ヲ為シタル日ヨリ三十日以内ニ之ヲ塡補スルモノトス、但当会社ニ於テ本項ノ期間内ニ必要ナル取調ヲ終了スルコト能ハサルトキ又ハ修繕・再築ヲ以テ損害ヲ塡補スル場合ハ此限ニアラス
第十五条 損害ハ通常通貨ヲ以テ塡補スルモノトス、但当会社ノ都合ニヨリ現品ノ交付又ハ修繕・再築ノ方法ヲ以テ之ニ代フルコトアルヘシ
第十六条 左ニ掲クル損害ハ当会社塡補ノ責ニ任セス
 一保険契約者又ハ被保険者ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ生シタル損害
 一火災ノ際保険ノ目的紛失シ又ハ窃取セラレタルヨリ生シタル損害
 一保険ノ目的ノ性質瑕疵又ハ自然ノ消粍ニヨリ生シタル損害
 一戦争、暴動其他ノ事変ノ為メニ生シタル火災及其延焼其他ノ損害
 一原因ノ直接ト間接トヲ問ハス地震又ハ噴火ノ為メニ生シタル火災及其延焼其他ノ損害
 一保険ノ目的中ニ存在シ又ハ其目的ニ附属スル汽缶汽機其他機関ノ破裂又ハ火薬ノ爆発ノ為メニ生シタル火災其他ノ損害
 一保険契約者又ハ被保険者カ法律命令ニ違反シタルニ因リ生シタル損害
第十七条 動産保険ノ場合ニ於テ、保険契約者又ハ被保険者カ帳簿其他正確ナル方法ヲ以テ損害額ヲ証明スルコト能ハサルトキハ、其不明瞭ナル部分ニ付テハ当会社ハ損害塡補ノ責ニ任セス
第十八条 保険ノ目的カ火災ニ罹リタル時ニ於ケル其目的ノ価格カ保険金額ヨリ多キトキハ当会社ハ目的ノ価格ト保険金額トノ割合ニヨリ損害ヲ塡補スルモノトス
 保険ノ目的二個以上アルトキハ各個単独ニ前項ノ割合ニ依ルモノトス
 保険ノ目的ノ価格カ保険金額ヨリ寡キトキハ其価格ヲ限リ損害ヲ塡補スルモノトス
 保険契約者又ハ被保険者カ損害ノ防止ニ要シタル費用ハ特約アルニ非レハ当会社之ヲ負担セス
第十九条 保険ノ目的カ火災ニ罹リタル時其目的ニ付キ、当会社ト同時ニ又ハ時ヲ異ニシテ締結シタル他ノ保険契約存在スル場合ニハ、当会社ハ各保険者ノ保険金額ノ割合ニ依テ其損害ヲ塡補スルモノトス
第二十条 保険契約ノ無効失効又ハ解除ノ場合ニ於テハ已ニ受取リタル保険料ハ左ノ通リ処分スヘシ
 一壱ケ年以下ノ保険料ヲ払込ミタル者ニ対シテハ既収保険料ヲ返還ス
 一壱ケ年ヲ超ユル保険料ヲ一時ニ前払シタルモノニ対シテハ既収保
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険料中次年以後ニ属スル分ノ百分ノ八拾ヲ返還ス
 一当会社ノ責ニ帰スヘキ事由ニ出テタルトキハ無効ノ場合ハ全額、失効解除ノ場合ハ其翌日ヨリ日割ヲ以テ計算シタル保険料ヲ返還スヘシ
第二十一条 保険ノ目的ノ価格又ハ損害ニ付キ当会社ト保険契約者若クハ被保険者トノ間ニ異議ヲ生シタルトキハ、双方ヨリ一名ツヽ評価人ヲ選任シ之ヲ評価セシムルモノトス、評価人ノ意見一致セサルトキハ評価人合意ノ上一名ノ仲裁人ヲ選任シ、之ヲ判断セシムルモノトス
 前項ノ判断ニ対シテハ異議ヲ主張スルコトヲ得サルモノトス
 第一項ノ評価判断ニ要スル費用ハ双方半額ツヽ負担スルモノトス
第二十二条 保険ノ目的ノ一部ニ付キ損害ヲ生シタル場合ニ於テ其損害ヲ塡補シタルトキハ、保険金額ヨリ之ヲ控除シ、其残額ヲ以テ残余ノ契約期間ノ保険金額トス
 前項ノ場合ニ於テ其残額カ保険金額ノ五分ノ一未満ナルトキハ全部ノ損害ト見做シ、保険契約ハ終了スルモノトス
第二十三条 保険契約者及ヒ被保険者ハ当会社ノ利益分配ニ与ル権利ナキモノトス
第二十四条 保険契約ハ期間満了ノ時之ヲ継続スルコトヲ得、此場合ニハ保険料ノ領収証ヲ以テ保険契約ノ継続ヲ証スルモノトス

(別紙)
    貨物海上保険約款
第一条 当会社ノ担保スル危険ハ沈没・坐礁・膠沙・火災・衝突等凡テ保険貨物ニ及ホスヘキ各種ノ海上危険トス
第二条 当会社ハ左ニ掲クル損害ヲ塡補スルノ責ニ任セス
 一一揆暴徒若クハ海賊ヨリ蒙ムル損害
 二襲撃・捕獲・強留・抑止・変乱其他宜戦ノ前後有無ヲ問ハス総テ戦争ヨリ生スル損害
 三被保険者、保険契約者若クハ保険金ヲ受取ルヘキ者又ハ是等ノ者ノ代理人、雇傭人又ハ船長若クハ船員ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因リ生シタル損害
 四保険貨物ノ性質若クハ瑕疵其他自然ノ消粍ニ因テ生シタル損害又ハ不可抗力ニ起因セサル破損・毀損・腐敗・変色・変質又ハ荷造荷積ノ不注意ヨリ生シタル損害
 五盗難・鼠喰・虫喰・鉤傷・雨濡及不可抗力ニ起因セサル漏損・荷包ノ破損・中荷ノ混合ヨリ生シタル損害
 六船舶出帆ノ当時安全ニ航海ヲナスニ必要ナル準備ヲ為サス又ハ必要ナル書類ヲ備ヘス若クハ官庁ノ検査ヲ怠リタル場合ノ損害
 七密輸出入脱税等ヲ謀リタルカ為ニ生シタル損害
 八貨物カ検疫ニ因リ又ハ戦時禁制品タルカ為ニ押収セラレタルニヨリ生シタル損害
第三条 保険貨物ヲ積込ムヘキ船舶ハ、船名ヲ改ムルモ他ノ船長ヲ使役スルモ妨ナシト雖モ、必ラス本証券記載ノ船舶ニ限ルヘシ
第四条 保険ノ責任ハ貨物ヲ本証券記載ノ船舶ニ積込ミタル時ヲ以テ
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始マリ、仕向地ヘ着船貨物ヲ該船舶ヨリ積卸シタル時ヲ以テ終ルモノトス
第五条 保険貨物ノ船積其他ノ取扱ニ関シ船舶所有者、回漕業者、其他船長船員ノ過失ニヨリ損害ヲ生スルコトアルモ当会社ハ之ヲ塡補スルノ責ニ任セス
 不可抗力ノ原因ナクシテ相当ノ時間内保険貨物ノ船積又ハ陸揚ヲナサヽルカ為ニ損害ヲ生スルコトアルモ当会社ハ之ヲ塡補スルノ責ニ任セス
第六条 保険ノ申込ニ際シ保険貨物ヲ積込ムヘキ船舶ノ名称未タ定マラサルカ又ハ知レサル場合ニハ、保険契約者又ハ被保険者ハ其貨物ヲ積込ミタルコトヲ知リタルトキハ直ニ船舶ノ名称ヲ当会社ニ通知スヘシ、若シ此通知ヲ怠リタルトキハ本契約ハ其効力ヲ失フ、但シ被保険者カ保険契約ノ取結アルコトヲ知ラサルトキハ此限ニアラス
第七条 航海途中ノ港津ニ於テ保険貨物ヲ本証券記載ノ船舶ヨリ他ノ船舶ニ積替ユル場合ニハ、予シメ当会社ニ通知シ其承諾ヲ得ルニアラサレハ、当会社ハ其貨物ノ本証券記載ノ船舶ヲ離レタル時以後ノ損害ヲ塡補スルノ責ニ任セス、但シ其積替カ保険契約者又ハ被保険者ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リタルトキハ此限ニアラス
第八条 保険貨物ノ全部又ハ一部ヲ保険契約者又ハ被保険者ノ責ニ帰ス可ラサル事由ニ因リ発航地又ハ寄航地ニ於テ他ノ同等ノ船舶ヲ以テ積送レル時ハ、本証券記載ノ船舶以外ノ船舶ヲ以テ運搬セル部分ニ対シテハ、予シメ貨物ヲ積込ムヘキ船舶ヲ定メサリシ場合ト同様ニ看做シ、本証券第六条ノ規定ニ準拠スヘキモノトス
第九条 保険ノ申込ニ際シ貨物ノ種類、数量未詳又ハ予定ノ場合ニハ被保険者保険契約者又ハ其代理人ハ確定ノ種類、数量ヲ知リタルトキハ直ニ当会社ニ通知スヘシ、若シ之ヲ怠リタル時ハ本契約ハ其効力ヲ失フ
 保険ノ契約ニ際シ貨物ノ種類、数量未詳又ハ予定ノ場合ニハ、本証券記載ノ船舶ニ積込ミタル被保険者ニ属スル総テノ貨物ハ本証券記載ノ金額ニ相当スル額ヲ限リ総テ保険ニ附シアルモノト看做シ、本証券記載ノ保険料割合ニ応シ保険料ヲ徴収スヘシ、若シ船舶ノ名称未詳ナルカ又ハ他ノ船舶ニ分載セルトキ若クハ他ノ船舶ニ積込メル時モ亦之ニ準ス
第十条 保険ノ申込ニ際シ金額未定又ハ予定ノ場合ニハ、被保険者保険契約者又ハ其代理人ハ確定ノ金額ヲ知リタルトキハ直ニ当会社ニ通知スヘシ
 予定ノ金額カ確定ノ金額ト相違セル場合ニハ、当会社ハ其積出港ニ於ケル積出日ノ市場相場其他船積諸掛及保険料ニヨリ保険価額ノ証明ヲナサシムルコトアルヘシ
第十一条 本証券第六条ノ場合ニ於テ保険契約者、被保険者又ハ其代理人ハ貨物ノ船積ヲ知ラサルコト若クハ貨物ノ船積ヲ知リテ直ニ其通知ヲナシタルコトヲ証明スヘキ責任ヲ負フモノトス
 本証券第八条・第九条・第十条ノ場合ニ於ケル挙証ノ責任ニ付テハ前項ノ規定ヲ準用ス
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第十二条 特ニ明約アルニアラサレハ当会社ハ甲板上ノ危険又ハ艀舟其他本証券記載ノ船舶以外ノ危険ヲ担保セス、但シ積替ヲ承認セル場合ニハ、途中積替港ニ於テ他ノ船舶ニ積替ユル間ノ艀舟危険、其他不可抗力ニ起因シ貨物ヲ積替陸揚ノ上再ヒ積込ム場合ノ艀舟危険ハ此限ニアラス
第十三条 明約ヲ以テ甲板積ノ危険ヲ担保セル場合ト雖モ、投荷ノ外甲板上ノミニ起リタル損害ハ当会社ニ於テ一切塡補ノ責ニ任セス
第十四条 明約ヲ以テ艀舟ノ危険ヲ担保セル場合ニハ、特ニ之カ塡補ノ種類ヲ定メサルトキト雖モ、全部ノ損失ノ外塡補ノ責ニ任セス、但シ本証券ニ記載セル貨物ヲ数艘ノ艀舟ニ分チ積込タルトキハ一艘毎ニ各別ニ保険ニ附シタルモノト看做ス
第十五条 明約アルニアラサレハ本証券記載ノ保険金額ヲ以テ保険貨物ノ価格ト見做ス
第十六条 本証券ニ於テ保険金額ヲ明記セントスルトキト雖モ、当会社ハ被保険者ヲシテ其保険ニ附セル貨物ヲ積込メル証明及積出港ニ於ケル積込当時ノ相場其他仕切状等ニヨリ其保険価額ヲ証明セシムルコトアルヘシ、此場合ニ於テ右手続ヲ尽サヽル間ハ当会社ハ塡補金ノ仕払ヲナサヽルモノトス
第十七条 当会社カ塡補スヘキ金額ハ何等ノ場合タルヲ問ハス保険金額ヲ以テ限リトス、但シ保険金額カ保険価格ニ超過セル場合ニ於テハ其保険価格ヲ以テ限リトス
第十八条 本証券第五条乃至第九条ノ規定ニ因リ保険契約ノ効力ヲ失ヒ又ハ損害塡補ノ責ニ任セサル場合ト雖モ、当会社ハ保険料ノ金額ヲ請求スル権利ヲ失ハス
第十九条 当会社若クハ被保険者ニ於テ保険貨物ノ救護ヲナスト雖モ之ヲ以テ委棄ノ承諾又ハ其抛棄ト看做スコトヲ得ス
第二十条 特担分損ヲ担保セルトキト雖モ、生糸・織物・洋糸其他ノ貴重品ハ毎一個ニ付キ米穀類・油・醤油・砂糖・肥料其他通常商品ハ毎荷印ニ付キ百分ノ四以下及前各種ヲ通シテ一口ノ保険金百円ニ満タサルトキハ一口ニ付キ金四円以下ノ損害ハ当会社之ヲ塡補セス但シ其損害ノ共同海損ニ属スルカ又ハ船舶ノ沈没・火災・坐礁・膠沙・衝突ニ近因セル時ハ此限ニアラス
第二十一条 特担分損不担保ノ時ト雖モ、共同海損ニ属スル損害又ハ船舶ノ沈没・火災・坐礁・膠沙・衝突ニ近因セル損害ハ当会社之ヲ塡補スヘシ
第二十二条 共同海損ハ千八百九十年「ヨーク、アントワープ」共同海損規定ニ準拠シテ精算セラルヽニアラサレハ当会社之ヲ塡補セス
第二十三条 同一ノ被保険者ニ属シ同一ノ荷受人ニ宛テ送付セラルヽ同種若クハ類似ノ貨物ニシテ一艘ノ船舶ニ積込ミタルモノハ、仮令之ヲ数口ニ申込ミ数通ノ保険証券ヲ発行セル場合ト雖モ、悉皆合算ノ上一通ノ保険証券ヲ以テ担保シタルモノト見做シ、塡補ノ責任ヲ定ムヘキモノトス
第二十四条 左ノ場合ニ限リ被保険者ハ保険貨物ヲ当会社ニ委棄シテ保険金額ノ全部ヲ請求スルコトヲ得
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 一保険貨物ヲ積込ミタル船舶ノ行衛カ左ノ期間内知レサルトキ
  一日本沿海(但シ千島列島・八重山群島・台湾・澎湖列島ヲ除ク)
    帆船  三ケ月      汽船  二ケ月
  一近海航路
    帆船  六ケ月      汽船  四ケ月
  一遠洋航海
    帆船  九ケ月      汽船  六ケ月
 二保険貨物ヲ積込ミタル船舶カ遭難シ貨物ノ救助見込ナキトキ
 三同上ノ場合ニ於テ貨物ノ原質全部毀損シタルトキ
第二十五条 本証券ニ基キ損害ヲ証明シ之カ塡補ヲ請求シタルトキハ当会社ハ其請求アリシ日ヨリ起算シ三十日ヲ経タル後支払ヲナスヘシ
第二十六条 保険契約者ハ如何ナル場合ト雖モ本契約ヲ解除スルコトヲ得ス、本約款ニ基キ保険者ヨリ解約ヲ為ス場合ト雖モ、全期間ニ於ケル保険料ハ一切返戻セサルモノトス
 前項ノ場合ニ於テ当事者間ニ特別ノ契約アルトキハ此限ニアラス
第二十七条 当会社ハ被保険者、保険契約者又ハ保険金ヲ受取ルヘキモノニ対シ利益又ハ剰余金ヲ分配スルコトナシ

 (別紙)
     船舶海上保険約款
第一条 当会社ノ負担スル危険ハ沈没・坐礁・膠沙・火災・衝突等凡テ被保険船舶ニ損害ヲ及スヘキ各種ノ海上危険トス
第二条 当会社ハ左ニ掲クル損害ヲ塡補スルノ責ニ任セス
 一一揆・暴徒若シクハ海賊ヨリ蒙ル損害
 二襲撃・捕獲・強留・抑止・変乱・水雷其他宣戦ノ前後有無ヲ問ハス総テ戦争ヨリ生スル損害
 三切迫ナル危険ヲ避クルカ為メニ非ス又ハ当会社ノ承諾ヲ受ケスシテ、尋常ノ航路外又ハ本証券記載ノ航路以外ニ出テ又ハ出テントシ、若クハ本証券ニ記載セル以外ノ港津ニ寄航セントシ又ハ寄航シタル時ハ、其以後ニ生スル損害
 四被保険者、保険契約者若クハ保険金ヲ受取ルヘキ者又ハ此等ノ代理人、雇傭人又ハ船長、船員ノ故意又ハ重大ナル過失ニヨリ生シタル損害
 五当会社ノ承諾ナクシテ船舶所有者若クハ船長ニ更替アリ又ハ船舶ノ構造ニ変更アリタル以後ノ損害、但シ航海中事変ノ為メ仮リニ船長ヲ定ムル場合ハ此限ニアラス
 六船舶出帆ノ当時安全ニ航海ヲ為スニ必要ナル準備ヲ為サス、又ハ必要ナル書類ヲ備ヘス、若クハ官庁ノ検査ヲ怠リタル場合ニ生スル損害
 七密輸出入ヲ謀リ又ハ戦時禁制品ヲ積込メルニヨリ若クハ検疫ニヨリ生スル損害
 八戦時ニ軍用又ハ運送用トシテ使用セラルヽ時ハ其以後ニ生スル損害
 九被保険船舶ニ対シ当会社及他ノ保険者ト契約セル総保険金額カ本
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証券記載ノ保険制限金額ヲ超過スルニ至リタルトキハ其以後ニ生スル損害
 十保険料払込期日ニ其払込ヲ怠リタル時ハ其期日以後ニ生スル損害
第三条 被保険船舶ハ尋常ノ航路中通常寄航スヘキ各港ニ寄港シ若クハ碇泊スルコトヲ得、又飲食料其他航海ニ必要ナル物品買入ノ為メ避難ノ為メ、或ハ救援又ハ救助ヲ受クル為メ、若クハ修繕ノ為メ航海線内ノ各港ニ寄航シ若クハ碇泊スルコトヲ得ヘシ
第四条 保険ノ責任ハ船舶ノ消滅シタルト否トニ拘ハラス、又船舶カ航海中ナルト碇泊中ナルト入渠中若クハ上架中ナルトヲ問ハス、本証券ニ記載シタル期限ノ始マリタル時ニ始マリ本証券ニ記載シタル期限ヲ経過シタル時ニ終ルモノトス
第五条 一航海ノ危険ヲ担保セルトキハ当会社ノ責任ハ出帆ノ為メ本船ノ錨ヲ引上ケ又ハ纜ヲ解キタル時ニ始マリ、到達港ニ入航後二十四時間ヲ経過シタル時ニ終ルモノトス、但シ二十四時内ト雖モ他ノ航路ニ出航ノ準備ヲナスカ又ハ他ノ航路ニ運搬スヘキ積荷ノ積込ニ着手セルトキハ其時ヲ以テ終ルモノトス
第六条 保険契約期間中本船ノ危険著シク変更又ハ増加シタル時ハ被保険者ハ直ニ之ヲ当会社ニ通知スヘシ、若シ之カ通知ヲ怠リタルトキハ保険契約ハ其効力ヲ失フ
 前項ノ通知ヲ得タル時ハ当会社ハ契約ノ解除ヲナスコトヲ得、但シ航海ノ途中遭難セル時ハ、船長ノ判断ニヨリ修繕ヲ施シ得ヘキ最近ノ港迄曳船又ハ其他適当ノ方法ニヨリ航行スル場合ハ此限ニアラス
第七条 左ノ場合ニ限リ当会社ハ船舶ノ委付ヲ受ケ保険金額ノ全部ヲ支払フヘシ
 一船舶ノ行衛カ左ノ期間知レサルトキ
  一日本沿海(但シ千島列島・八重山群島・台湾・澎湖列島ヲ除ク)
    帆船  三ケ月      汽船  二ケ月
  二近海航路
    帆船  六ケ月      汽船  四ケ月
  三遠洋航路
    帆船  九ケ月      汽船  六ケ月
 一船舶カ修繕スルコト能ハサルニ至リシトキ
 一船舶カ沈没・坐礁・破砕シ全ク救助ノ見込ナキトキ
第八条 救助費、仮修繕費及本修繕費カ修繕後ニ有スヘキ船価ニ超過スルトキハ其船舶ハ修繕スルコト能ハサルモノト見做ス、但シ遭難ニ直接ノ関係ヲ有セサル船体機関及船具ノ修繕或ハ改造費用ハ修繕費中ニ算入セス
第九条 船舶カ修繕スルコト能ハサルニ至リタルモノト看做ス場合ニ於テハ、本証券ニ記載セル総保険価格ヲ以テ修繕後ニ有スヘキ価格ト看做ス
第十条 全損ノミノ条件ヲ以テ保険ヲ引受ケタルトキハ共同海損(共担分損)単独海損(特担分損)及救助費其他一切ノ費用及損害ヲ担保セス
第十一条 被保険者ハ損害ノ防止ヲ力ムルコトヲ要ス、若シ之ヲ怠リ
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タル時ハ当会社ハ損害ヲ塡補スルノ責ニ任セス
第十二条 保険者若クハ被保険者ニ於テ被保険船舶ノ救護ニ着手スルト雖モ、之ヲ以テ委棄ノ承諾若クハ其抛棄ト看做スコトヲ得ス
第十三条 当会社カ塡補スヘキ金額ハ何等ノ場合タルヲ問ハス保険金額ヲ以テ限度トス
第十四条 本船遭難ノ場合ニ於テ修繕ノ費用ニ付被保険者ト保険者ト意見ヲ異ニスルトキハ、各専門技師一名ニ全権ヲ委任シ其示談ニ拠ルヘキモノトス、其委員間ニ尚ホ意見ヲ異ニスルトキハ其委員両名ノ指名セル第三ノ専門技師ノ判断ニ服従スヘキモノトス
第十五条 当会社ハ検査員ヲシテ臨時検査ヲ行ハシムルコトアルヘシ、臨時検査ノ結果本船不完全ノ箇所アルトキハ直ニ其修繕ヲ求メ又著シク危険ノ増加シタル場合ハ其趣ヲ通知シ、保険契約ヲ解除スルコトアルヘシ、若シ正当ノ理由ナクシテ被保険者カ臨時検査ヲ受クルコトヲ拒ミ又ハ検査員ノ指示セル修繕ヲ行ハサルトキハ当会社ハ一片ノ通知ヲ以テ其以後ニ生スル危険担保ノ責ニ任セス
第十六条 保険金額ヲ支払フヘキ場合ニハ、其当時ニ払込ノ期日未タ到達セサル保険料アルトキハ之ヲ引去リ其残額ヲ支払フヘシ
第十七条 被保険船舶損傷其他異状ヲ生シタルトキハ其修繕ヲ完了シ当会社ノ指定セル検査員ノ検査ヲ受クルコトヲ要ス、若シ之ヲ怠リタルトキハ当会社ハ危険担保ノ責ニ任セス
第十八条 本証券ニ基キ損害ヲ証明シ之レカ塡補ヲ請求シタルトキハ当会社ハ其請求アリシ日ヨリ起算シ三十日ヲ経タル後仕払フヘシ
第十九条 保険契約者ハ如何ナル場合ト雖モ本契約ヲ解除スルコトヲ得ス、本約款ニ基キ保険者ヨリ解約ヲ為ス場合ト雖モ、全期間ニ於ケル保険料ハ一切返戻セサルモノトス
 前項ノ場合ニ於テ当事者間ニ特別ノ契約アルトキハ此限ニアラス
第二十条 当会社ハ被保険者、保険契約者又ハ保険金ヲ受取ルヘキモノニ対シ利益又ハ剰余金ヲ分配スルコトナシ

 (別紙)
     保険料及責任準備金算出ノ基礎ニ関スル書類
    海上保険ノ部
  保険料算出ノ基礎
海上保険ニアリテハ生命保険ノ如ク一定ノ保険料ヲ算出スル能ハス、蓋シ危険ノ性質複雑ナルヲ以テ、場合事情及時ニヨリ危険ノ価値ヲ異ニスレハナリ、貨物ノ保険ニアリテハ貨物各種ノ性質、其価格、担保スヘキ航路ノ難易、季節、貨物ヲ積載スル船舶ノ良否、其船舶ノ設備寄港地及輸出入港ノ良否及其設備等ヲ考量シ、経験アル当事者カ危険担保ノ条件ヲ定メ其危険ニ相当スル保険料ヲ定ムルモノタリ、船舶保険ニアリテハ船舶所有者又ハ船舶管理人ニ対スル鑑識、船舶価格其構造、使用ノ主タル目的、主タル航海地使用地ニ於ケル救助機関設備ノ有無等ヲ考量シ、担保条件及保険料ヲ定ムルモノトス
以上ノ理由ニヨリ保険料ハ爰ニ一定ノ率ヲ示ス能ハスト雖モ、其算出ニ係ル大体ノ基礎ハ左ノ如シ
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  世界中ニ於ケル百噸以上ノ汽船総数及之ニ対スル
  全損失汽船割合表(百分率)

図表を画像で表示全損失汽船割合表(百分率)

   年度     総船数      総噸数          全損船数  総船数ニ対スル歩合   全損噸数      総噸数ニ対スル歩合 自一八九六年   一一、一五五   一七、〇八九、五〇〇   一九〇   一・七〇四       二四五、七〇〇   一・四三七 至一八九七年 自一八九七年   一一、二七一   一七、八八九、〇〇六   二九九   二・六三五       三八〇、五〇〇   二・一二七 至一八九八年 自一八九八年   一一、五七六   一八、八八七、一〇〇   三六二   三・一二八       四六六、四〇〇   二・四七一 至一八九九年 自一八九九年   一一、四五六   一九、七一一、三八〇   三三九   二・九六〇       四八五、六七二   二・四六四 至一九〇〇年 自一九〇〇年   一二、二八九   二一、七八七、六〇〇   三二八   二・六六八       四二四、九一六   一・九五〇 至一九〇一年 自一九〇一年   一二、七〇二   二三、三七九、七二六   二八六   二・二五二       三八二、七四三   一・六三六 至一九〇二年 自一九〇二年   一三、一〇六   二四、九六七、六三八   三二五   二・四八〇       四四一、〇三六   一・七六七 至一九〇三年 自一九〇三年   一三、三八一   二六、二四八、三五八   三三一   二・四九〇       四八一、九〇五   一・八三五 至一九〇四年 自一九〇四年   一三、六八八   二七、二三四、二四八   三一四   二・二九四       四七六、六三二   一・七五〇 至一九〇五年 自一九〇五年   一四、〇一八   二八、三六九、一四一   三八九   二・七七五       五二七、八〇〇   一・八六〇 至一九〇六年 



前表ニ基ツキ世界ノ総汽船数(百噸以上)ニ対スル全損トナリタル汽船ノ割合ヲ百分率ニテ示ストキハ左ノ如シ

図表を画像で表示--

     最高率           最低率           中間率 船数ニ対シ 噸数ニ対シ   船数ニ対シ 噸数ニ対シ   船数ニ対シ  噸数ニ対シ 三・一二八 二・四七一   一・七〇四 一・四三七   二・五三六九 一・九二九八 



 最近五ケ年間世界ニ於ケル総噸数百噸以上汽船
 年齢別全損失船数及噸数表

図表を画像で表示年齢別全損失船数及噸数表

 年齢/年度      千九百一年          千九百二年          千九百三年          千九百四年          千九百五年           合計           隻        噸 五ケ年未満     〇        〇     四   一〇、三七六    一三   二〇、二九四    一四   二〇、三四六    二一   三四、四八九      五二    八五、五〇五 五ケ年以上    四二   五五、三八〇    四三   七六、九三三    四三   五〇、八一八    三八   六九、八四二    五二   九〇、七二六     二一八   三四三、六九九 十ケ年未満  十ケ年以上    一九   三〇、〇一〇    三二   三一、三三九    三二   五一、八一五    三七   六九、七五二    三四   四〇、八六〇     一五四   二二三、七七六 十五ケ年未満 十五ケ年以上   四七   六二、三〇七    四八   五九、二二四    四八   七二、五六八    五一   八二、〇二〇    六二   九四、六一二     二五六   三七〇、七三一 二十ケ年未満 二十ケ年以上  一七八  二三五、〇四六   一九八  二六三、一六四   一九五  二八六、四一〇   一七四  二三四、六七二   二二〇  二六七、一一八    九六五  一二八六、四一〇 合計      二八六  三八二、七四三   三二五  四四一、〇三六   三三一  四八一、九〇五   三一四  四七六、六三二   三八九  五二七、八〇五   一六四五  二三一〇、一二一 



  最近五ケ年間汽船年齢別全損ノ純危険率表(百分率)

図表を画像で表示最近五ケ年間汽船年齢別全損ノ純危険率表(百分率)

              最高率            最低率            中間率  年齢      船数ニ対シ  噸数ニ対シ   船数ニ対シ  噸数ニ対シ   船数ニ対シ   噸数ニ対シ  五ケ年未満   一・〇〇   ・六〇      ・七〇   ・四〇      ・七八七五   ・五〇〇〇  五ケ年以上   一・七〇  一・一四     一・三〇   ・八〇     一・四六〇〇   ・九八四〇  十ケ年未満  十ケ年以上   一・八〇  一・六〇      ・九〇   ・八〇     一・四二〇〇  一・〇九〇〇  十五ケ年未満  十五ケ年以上  二・五〇  二・一〇     一・六〇  一・四〇     一・八八〇〇  一・七五〇〇  二十ケ年未満  二十ケ年以上  六・三〇  六・七〇     四・五〇  四・八〇     五・二六〇〇  五・八二〇〇 



  現在生存セル世界汽船ヲ年齢別ニ区別シタル推定割合表

図表を画像で表示現在生存セル世界汽船ヲ年齢別ニ区別シタル推定割合表

  年齢     汽船総数ニ対シ   汽船総噸数ニ対シ 五ケ年未滞   二割二分      三割二分 五ケ年以上   二割〇分      二割八分 十ケ年未満 十ケ年以上   一割六分      一割六分 十五ケ年未満  以下p.752 ページ画像  十五ケ年以上  一割七分      一割〇分 二十ケ年未満 二十ケ年以上  二割五分      一割四分 



以上ノ世界汽船統計ヲ海上保険ノ目的ニ供セントスルニハ汽船ヲ大略左ノ階級ニ類別スルヲ要ス
 (一)最優等汽船(一万噸以上ノ汽船ハ未タ曾テ全損セシモノナシ、昨三十八年末ノ総数百〇二艘トス、其他一万噸以下ト雖モ高価格ノ郵便汽船等)
 (二)優等汽船 (比較的安全ノ航路ヲ間断ナク定期ニ航海スルノ汽船ニシテ構造装置共ニ完備シ、尠クトモ一噸弐百円内外ノ船価ヲ有スルモノ)
 (三)上等汽船 (定期ノ航海ニ使用セラレ普通ノ荷物船以上ノ構造装置ヲ有シ、一噸百円内外ノ船価ヲ有スルモノ及船主若クハ管理人ノ経歴申分ナキモノ)
 (四)中等汽船 (普通荷物船ニシテ新造後十五ケ年未満ノモノ)
 (五)下等汽船 (普通荷物船ニシテ二十ケ年未満ノモノ若クハ新造定期船ト雖モ危険航路ニ使用セラルヽモノ)
 (六)最下等汽船(普通荷物船ニシテ新造後二十ケ年ヲ経過シタルモノ又ハ年齢ニ拘ハラス木造汽船)
右ノ如ク大略六等ニ区別シ、更ニ無保険ノモノト常ニ保険ヲナスモノトヲ見積リ、保険ノ契約ヲナス汽船ハ無保険ノ汽船ニ比較シ危険ノ程度高率ナルヲ予想セサル可ラス、故ニ世界汽船ノ全損統計ヲ更ニ保険者側各自ノ熟練ト経験トニヨリ之ヲ斟酌加減シ、更ニ費用ヲ加ヘテ保険料割合ヲ定ムヘシトス、其割合予定左ノ如シ
 最優等危険(全損ノミ)百円ニ付金壱円ヨリ弐円五拾銭
 優等 危険(同   )百円ニ付金壱円五拾銭ヨリ参円五拾銭
 上等 危険(同   )百円ニ付金弐円五拾銭ヨリ四円五拾銭
 中等 危険(同   )百円ニ付金参円五拾銭ヨリ六円
 下等 危険(同   )百円ニ付金四円ヨリ七円
 最下等危険(同   )百円ニ付金六円五拾銭ヨリ拾弐円
以上ノ保険料割合ハ全損ノミノ標準率タルヲ以テ、救助費・共同海損衝突賠償・単独海損等ノ一部若クハ全部ヲ契約スルトキハ其危険ニ相当スル保険料ヲ附加ヘシ
 最近五ケ年間世界ニ於ケル百噸以上(登簿噸数)汽船ノ主タル損傷統計
 (全損トナリタルモノヲ除ク)

図表を画像で表示最近五ケ年間世界ニ於ケル百噸以上(登簿噸数)汽船ノ主タル損傷統計

  年度       乗揚坐礁シタルモノ   衝突シタルモノ   火災ニ罹リタルモノ   汽機汽鑵ノ損傷   風波ノ為メ損傷   漏水シタルモノ 千九百一年      七六二        一〇〇〇       一九八         七六五       四一一       五六 千九百二年      八八二         九六〇       一七二         六五八       四一一       四八 千九百三年      九二五        一一三一       二二一         七二四       五五三       六五 千九百四年     一〇〇四        一二一四       二三九         七四一       四四五       四五                                (?) 千九百五年      八二九        一〇一一       一九二         六八七       四六〇       五三                                (?)  合計       四四〇二        五三一六      一〇七二        三五七五      二二八〇      二六七 汽船総数ニ対スル 一ケ年平均損傷歩合 六分五八        七分九四      一分六〇        五分三四      三分四〇      〇分四〇 



 - 第7巻 p.753 -ページ画像 
 五ケ年間ニ於ケル総損傷数ハ一ケ年平均汽船全数ノ二割五分二六ナリ
此統計ヲ根拠トシ、汽船ノ年齢ノ進ムニ従ヒ価格ヲ減スルニ比例シテ価格ニ対スル損傷ノ修繕費割合カ逆比例ヲ以テ増加スルノ度合ヲ計算シ、世界ノ汽船全数ニ対シ大略何程ノ純危険率タルヤ推定数理ニ依リ算出スレハ左ノ如シ
   船舶年齢          最低      最高
  五ケ年未満         一分二厘五毛   二分五厘
  五ケ年以上十ケ年未満    一分五厘     三分
  十ケ年以上十五ケ年未満   一分八厘七五   三分七五
  十五ケ年以上二十ケ年未満  二分五厘     五分
  二十ケ年以上        三分七厘五毛   七分五厘
左レハ此純危険分損率ヲ標準トシ、前記全損保険料計算ノ理由ニヨリ保険者ノ附加スヘキ予定割合左ノ如シ
 分損失危険ノミニ対スル附加保険料百円ニ付
  最優等危険  金壱円弐拾五銭ヨリ弐円五拾銭
  優等 危険  金壱円五拾銭ヨリ参円
  上等 危険  金弐円ヨリ参円五拾銭
  中等 危険  金弐円五拾銭ヨリ四円五拾銭
  下等 危険  金参円五拾銭ヨリ六円
  最下等危険  金四円五拾銭ヨリ九円
以上ノ統計ハ船舶ノ保険ヲ契約スルニ当リテ保険料算出ノ大体ヲ掲ケタルモノナルカ、貨物ノ保険モ等シク之ヲ積載スル船舶ノ全損失及損傷ノ統計ヲ以テ基礎トセサル可ラス、但シ貨物ノ種類、航路ノ良否難易、出入港口ノ設備等種々ノ関係ヲ有スルモノタレハ到底一定ノ標準ヲ示ス能ハスト雖モ、要スルニ同等同格ノ汽船百艘中毎年平均一艘ノ全損失ヲ生スルトセハ貨物全損率モ同格タルヘシ、但シ貨物ノ種類ニヨリ船舶ハ全損ニ帰スルト雖モ貨物ノ一部若クハ全部ヲ救助シ得ヘキモノアリ、又船舶ハ全損ニ帰セスト雖モ浸水ノ為メ貨物ノミ全損トナルコトアリ、是等ノ点ハ当事者ノ判断ヲ以テ保険料率ヲ斟酌加減スヘシトス、仮リニ船舶ニ対シテ一ケ年ノ全損保険率弐円(百分ノ二)ヲ要スル場合、其船舶カ甲処ヨリ乙処ニ貨物ヲ輸送スルノ航海期間一ケ月ヲ要ストセハ、全損保険料ノ三十日ニ対スル割合ハ拾六銭六厘六毛(六百分ノ一)タルヘシ、貨物保険ニアリテハ全損ノミノ保険契約ヲ行フコト頗ル稀ニシテ、普通FPAト唱フル契約即チ船舶ノ乗揚・火災・衝突・沈没ニ起因シテ貨物ニ及ホシタル損害ハ総テ負担スルノ契約タレハ船舶ノ分損率ヲ適用スルヲ至当トス、故ニ此場合ニ在リテハ船舶分損率カ百分ノ四タリトセハ、貨物一航海ニ対スル標準保険料ハ三百分ノ一即チ参拾参銭参厘タルヘシ、之ニ輪出入港ニ於ケル危険及貨物特種ノ危険ニ対スル価値ヲ計算シ標準率ヲ上下スヘキナリ
以上ノ基礎ニヨリ現今一般保険者間ニ於テ契約セラルヽ貨物ノFPA保険率ニヨリ当会社ノ標準率ハ左ノ如シ
  航路 優等危険 劣等危険
 - 第7巻 p.754 -ページ画像 
 日本沿岸           百円ニ付 弐拾銭     六拾弐銭五厘
 支那沿岸                弐拾銭     六拾弐銭五厘
 印度沿岸                弐拾銭     六拾弐銭五厘
 濠洲沿岸                弐拾銭     六拾弐銭五厘
 北亜米利加沿岸             弐拾銭     六拾弐銭五厘
 地中海沿岸               弐拾銭     六拾弐銭五厘
 ジブラルターヨリ漢堡ニ至ル区域     弐拾銭     六拾弐銭五厘
 新嘉坡以東諸港欧洲各港間        五拾弐銭    壱円弐拾五銭
 同      米国東岸間(スエズ経由) 六拾弐銭五厘  壱円五拾銭
 同      米国西岸間        参拾七銭五厘  八拾七銭五厘
 同        濠洲間        五拾銭     壱円弐拾五銭
 同        印度間        参拾七銭五厘  八拾七銭五厘
 日本     上海朝鮮間        弐拾銭     六拾弐銭五厘
 同        北清間        弐拾五銭    七拾五銭
 同        南清間        参拾参銭参厘  八拾七銭五厘
 同       比律賓間        参拾参銭参厘  八拾七銭五厘
 同      蘭領諸島間        四拾五銭    八拾七銭五厘
 欧洲 北米(大西洋沿岸)間       弐拾五銭    弐円
 同 南米(大西洋沿岸)間        参拾七銭五厘  壱円弐拾五銭
 同 南北米(太平洋沿岸)間       七拾五銭    弐円五拾銭
 同      南亜利加間《(マヽ)》   五拾銭     壱円弐拾五銭
 同        印度間        参拾七銭五厘  七拾五銭
 同        濠洲間        五拾銭     壱円弐拾五銭
  責任準備金算出ノ基礎
責任準備金ハ事業年度ニ於テ収入シタル保険料(再保険者ニ支払ヒタル保険料ヲ控除ス)中ヨリ、其年度ニ於テ保険料ヲ収入シタル契約ノ為メニ支払ヒタル保険金額(再保険者ヨリ得タル保険金額ヲ控除ス)其契約ノ為メニ積立ツヘキ支払備金及其年度ノ営業費ヲ控除シタル残額以上トス
本項ノ規定ニヨリテ計算シタル責任準備金カ保険契約者ノ未経過期間ニ対シ不足ナルトキハ之ニ相当スル増額ヲナスヘシ
    火災保険ノ部
  保険料算出ノ基礎
保険料算出ノ方法ハ明治二十七年ヨリ明治三十六年ニ至ル十ケ年間ニ於ケル各府県及ヒ北海道ノ火災統計表ニ拠リ、全国ニ於ケル戸数ト焼失戸数トヲ各十年間累計シ、戸数積数ト焼失戸数積数トヲ比較シ、全国ニ於ケル十年間ノ戸数千ニ対スル焼失戸数ノ割合ヲ算シテ之ヲ危険率ト定メ、之レニ会社ノ経費ト利益トニ充ツル為メ其五割五分ヲ加算シタルモノヲ、全国ニ於ケル平均保険料ト算定ス、即チ明治二十七年ヨリ明治三十六年ニ至ル十ケ年間ニ於ケル全国戸数ノ積数ハ八二、三五五、二七〇ニシテ、之ニ対スル焼失戸数ノ積数ハ三七四、五〇九ナレバ、全国十年間ノ焼失戸数ノ割合ハ戸数一、〇〇〇ニ対シ四・五五戸ナルヲ以テ、保険金千円ニ対スル保険料四円五拾五銭トスルトキハ、会社ハ更ラニ損益ナキモノトス(経費ナキモノト見做シ)、依テ
 - 第7巻 p.755 -ページ画像 
四・五五ヲ保険料算出ノ基礎トシ、之レニ会社ノ経費ト利益トニ充ツル為メ其五割五分即チ二・五ヲ加算シ、全国ニ於ケル平均保険料金七円ト算定スルナリ
火災損害ノ程度ハ各地状況ヲ異ニスルニ従ヒ悉ク一様ナラサルモノナルヲ以テ、火災ノ最モ多キ地方ト火災ノ最モ少キ地方ト両者ノ中間ニ位スル地方トノ三地方ニ区別シ、最高率・最低率・普通率ヲ前記ノ方法ト同一ノ方法ニヨリテ算出スレハ左ノ如シ

                千円ニ対スル損害額   損害額ノ五割五分   千円ニ対スル保険料
(最高)火災ノ最モ多キ地方     一一、七二       五、八六〇      一七、五八〇
(最低)火災ノ最モ少キ地方     一、六三         、八一五       二、四四五
(普通)両者ノ中間ニ位スル地方   三、九六        一、九八〇       五、九四〇

一ケ年未満ノ短期保険料ハ期間ノ長短、季節、保険目的物ノ種類及其存在地等ニ依リ、一件毎ニ危険ニ対スル価値ヲ考察シ取極ムヘキヲ以テ、一定ノ標準ヲ示ス能ハスト雖モ、大略ハ左ノ如シ
 一十一ケ月以上ハ一年分ノ保険料ヲ徴ス
 一六ケ月以上十ケ月迄ハ一ケ年ノ保険料割合ヲ十二分シタルモノニ百分ノ十五ヲ加ヘタルモノヲ担保期間ニ乗ス
 一三ケ月以上六ケ月迄ハ一ケ年ノ保険料割合ヲ十二分シタルモノニ百分ノ三十ヲ加ヘタルモノヲ担保期間ニ乗ス
 一三ケ月以下ハ一ケ年ノ保険料割合ヲ十二分シタルモノニ百分ノ五十ヲ加ヘタルモノヲ担保期間ニ乗ス
 一十五日以上ハ一ケ月分、十五日未満ハ半ケ月分ヲ課ス
  冬期間(自十月至三月)ヲ主トスル契約ニアリテハ更ニ追加保険料ヲ課スルモノトス
  責任準備金算出ノ基礎
海上保険ノ部ニ掲ケタルト同一ナリ
    自明治二十七年至明治三十六年十年間ニ於ケル最高最低普通危険算出表
        普通

図表を画像で表示自明治二十七年至明治三十六年十年間ニ於ケル最高最低普通危険算出表

         普通  府県   総戸数          焼失戸数    戸数千ニ付焼失戸数              戸        戸      戸 東京   四、四〇六、〇六八   二〇、八九二   四・七四 埼玉   一、八四一、五七九    七、五〇七   四・〇八 千葉   二、一四〇、三六二   一一、〇六九   五・一七 茨城   一、八七二、三九八   一二、五八三   六・七二 栃木   一、二四八、八八〇    七、七一七   六・一八 群馬   一、三六三、九五六    八、六六四   六・三五 長野   二、三三五、四四一    九、九五五   二・二六 山梨     八四二、四七六    四、九五九   五・八九 静岡   二、一二六、六〇一    九、三〇八   四・三八 岐阜   一、八二一、二八五    四、七六三   二・六二 兵庫   三、三七九、五六八    九、七三五   二・八八 岡山   二、二七四、九五四    六、三七六   二・八〇 広島   二、八三四、七四六    六、六〇八   二・三三 山口   一、八五五、八九七    五、四七三   二・九五 島根   一、四六九、六九六    三、七九七   二・五八 鳥取     七九九、四一五    三、六七二   四・五九 徳島   一、二三五、七〇九    三、六七九   二・九八  以下p.756 ページ画像  愛媛   一、九一五、一三四    四、一三四   二・一六 高知   一、二五〇、二九四    二、六〇三   二・〇八 長崎   一、六二三、八一七    四、五七四   二・八二 滋賀   一、三一一、四八八    三、一四五   二・四〇 石川   一、四一〇、六二五    六、三一六   四・四八 新潟   二、九〇一、七八二   二一、二三二   七・三二 福島   一、六二〇、六一一    九、八九七   六・一一 岩手   一、一〇六、六〇六    七、三四三   六・六四 青森     九二九、八四八    六、一四三   六・六一 京都   一、九二九、四七六    四、〇八四   二・一二 和歌山  一、二三五、六二〇    三、六〇八   二・九二 福岡   二、四六三、三四八    七、四一九   三・〇一 熊本   二、一七四、六一七    六、五六二   三・〇二 大分   一、五四九、五三五    六、二七一   四・〇五 宮崎     八七九、六二三    二、六一七   二・九八 鹿児島  二、〇九七、九六〇    七、五四〇   三・五九 沖縄     九一四、一五八    二、六八八   二・九四 合計  六一、一六三、五七三  二四二、九三四   三・九六          最高  府県   総戸数          焼失戸数    戸数千ニ付焼失戸数              戸        戸      戸 神奈川  一、五二〇、一二二   一五、六〇五  一〇・二七 福井   一、一五五、〇七六   一三、二八一  一一・五〇 富山   一、四三二、六〇二   一五、六九〇  一〇・九五 宮城   一、二一七、三三一   一三、一一二  一〇・七七 山形   一、二一三、四一〇   一四、二一六  一一・七二 秋田   一、二五四、八四〇   一三、二六〇  一〇・五七 北海道  一、八一五、八〇五   二七、五〇一  一五・一五 合計   九、六〇九、一八六  一一二、六六五  一一・七二          最低  府県   総戸数          焼失戸数    戸数千ニ付焼失戸数              戸       戸       戸 愛知   三、三六二、七九四    五、一六八   一・五四 三重   一、七九〇、二二二    三、四九四   一・九五 大阪   三、一五六、〇〇四    四、一六八   一・三二 奈良     九〇八、〇九八    一、五八四   一・七四 香川   一、三〇五、六九二    二、四〇三   一・八四 佐賀   一、〇五九、七〇一    二、〇九三   一・九八 合計  一一、五八二、五一一   一八、九一〇   一・六三 



(別紙)
明治四十年七月八日東明火災海上保険株式会社創立総会ニ於テ商法第百参拾四条ノ規定ニ従ヒ、総株式ノ引受アリタルヤ否ヤ及各株ニ付第壱回ノ払込アリタルヤ否ヤ並ニ設立費用金百参拾五円五拾銭ノ支払アリタルヤ否ヤニ付、会社ノ帳簿証書類及財産ヲ調査シ、其総株式四万株ノ引受アリタルコト、並ニ第一回払込金五拾万円(壱株ニ付拾弐円五拾銭)払込済ナルコト、及設立費用前記ノ通リ支払アリタルコトヲ確認シタルヲ以テ此旨報告ス
  明治四十年七月八日
                取締役 阿部泰蔵
                同   朝田又七
 - 第7巻 p.757 -ページ画像 
                同   佐々木慎思郎
                同   渋沢栄一
                同   荘田平五郎
                同   末延道成
                監査役 生島一徳
                同   高田小次郎
                同   田島信夫
                右代理人
                    玉江又太郎
      証明書
明治四十年四月八日東明火災海上保険株式会社発起認可相成候ニ付、直ニ株式ヲ募集シ、壱株ニ付金拾弐円五拾銭、総株式四万株ニ対スル金五拾万円也、六月七日迄ニ全部払込済ニシテ正ニ領収候条証明候也
           東京市麹町区八重洲町壱丁目壱番地
             東明火災海上保険株式会社創立事務所
                    出納掛
  明治四十年七月八日           玉江文太郎
      証明書
一金百参拾五円五拾銭也
 但自明治三十九年十一月至同四十年七月東明火災海上保険株式会社設立ニ関スル諸費用
右金額正ニ支払候条証明候也
           東京市麹町区八重洲町壱丁目壱番地
             東明火災海上保険株式会社創立事務所
                    出納掛
  明治四十年七月八日           玉江文太郎

(別紙)
     東明火災海上保険株式会社創立総会決議録
明治四十年七月八日当会社創立事務所ニ於テ創立総会ヲ開ク
 株主百九拾壱人    此権利数四万個ノ内
  出席者     六人      此権利数
                  壱万四千参百弐拾八個
  委任状ヲ以テ代理ヲ
  委任セラレタル者  百参拾九人 此権利数
                  弐万千参百四拾参個
      合計 百四拾五人    此権利数
                  参万五千六百七拾壱個
 出席株主ノ互撰ヲ以テ末延道成氏ヲ議長トス
 議長着席、創立総会開会ノ旨ヲ告ク
    東明火災海上保険株式会社創立ニ関スル事項報告
 東明火災海上保険株式会社ノ発起人ハ明治四十年七月八日当会社ノ創立総会ヲ開キ当会社創立ニ関スル事項ヲ報告ス
  明治三十九年十一月十四日下記ノモノ相会シテ東明火災海上保険株式会社ノ設立ヲ発起シタリ
                出席者
 - 第7巻 p.758 -ページ画像 
                     原錦吾
                     各務鎌吉
                     阿部泰蔵
                     朝田又七
                     佐々木慎思郎
                     渋沢栄一
                     荏田平五郎
                     平生釟三郎
                     末延道成
 東明火災海上保険株式会社ハ東京海上保険株式会社及明治火災保険株式会社ノ海上及火災保険ノ再保険ヲ優先ニ引受クルヲ以テ主タル営業トシ、傍ラ他同業会社ノ担保シタル海上火災保険ノ再保険、及当会社ノ株主・取締役・社員若クハ代理店等ノ縁故関係ニ属スル保険物件ノ海上及火災保険ヲ営ム事
 資本金ハ弐百万円トシ、四万株ニ分ツ事
 其株式ハ新聞広告等ニ依リ公衆募集ヲ行ハズシテ希望者ニ適宜分配スル事
 創立事務所ヲ東京市麹町区八重洲町壱丁目壱番地東京海上保険株式会社内ニ設置スル事
 同日出席ノ総員発起人トナリ、定款・事業方法書並ニ収支予算書等ヲ作成シ、及主務省ヘ発起認可申請ノ件ハ一切各務鎌吉氏ニ委任シタリ
 明治三十九年十一月二十九日ヲ以テ農商務大臣ヘ発起認可ノ申請ヲナシタルガ、主務省ニ於テ書類中訂正加除ヲ要スルモノ等アリテ意外ニ手間取リ、漸ク明治四十年四月八日是レガ認可ヲ得タリ発起認可アリタル日ヨリ向六十日以内ニ第一回払込ヲ了スベキ定款第八条ノ規定ニヨリ直ニ株主ノ募集ニ着手シ、明治四十年六月七日迄ニ何ンタル支障ナクシテ総株四万個ニ対シ金五拾万円ノ払込終了シタリ
 明治四十年六月十八日発起人会ヲ開キ、七月八日創立総会ヲ開クコトニ決セリ
 当会社設置ニ付テ今日迄発起人ノ支出シタル設立費用ハ金壱百参拾五円五拾銭也トス
右報告候也
                   発起人
                     原錦吾
                     各務鎌吉
                     阿部泰蔵
                     朝田又七
                     佐々木慎思郎
                     渋沢栄一
                     荘田平五郎
                     平生釟三郎
                     末延道成
 - 第7巻 p.759 -ページ画像 
  議長ヨリ定款中修正・変更ノ希望ナキヤヲ問ヒタルニ、満場原案之通ニテ異議ナキ旨ヲ答ヘタルヲ以テ、原案通リ確定ス
  定款第十八条ニ基キ取締役・監査役ノ選任ヲ行ヒタルニ、満場一致ヲ以テ左記ノ九名選任セラル
                 取締役 阿部泰蔵
                     朝田又七
                     佐々木慎思郎
                     渋沢栄一
                     荘田平五郎
                     末延道成
                 監査役 生島一徳
                     高田小次郎
                     田島信夫
  右就任承諾ス
  商法第百参拾四条ノ規定ニ従ヒ、取締役及監査役ハ書類及帳簿ニ基キ株式総数四万株ノ引受アリタルヤ否ヤ、及右四万株ニ対シ第一回払込金五拾万円ノ払込アリタルヤ否ヤ、並ニ設立費用ノ支払ヲ調査シ凡テ相違ナキ旨ヲ告ク
  主務省ヘ保険事業免許申請ニ付書類中修正・訂正又ハ其他ノ手続ヲ要スルコトアレバ一切之ヲ現任取締役及監査役ニ委任スルコト
右之通リ決議ス
  終リテ議長ヨリ創立総会終結ヲ告ケ、之レニテ東明火災海上保険株式会社成立ノ旨ヲ宜告ス
  明治四十年七月八日
                 議長 末延道成
 (別紙)
    東明火災海上保険株式会社株金明細表
                (明治四十年六月七日現在)

図表を画像で表示東明火災海上保険株式会社株金明細表

  株数         払込金額         未払込金額         姓名                円              円 一三、八二八   一七二、八五〇・〇〇     五一八、五五〇・〇〇   東京海上保険株式会社  九、二五二   一一五、六五〇・〇〇     三四六、九五〇・〇〇   明治火災保険株式会社  一、〇〇〇    一二、五〇〇・〇〇      三七、五〇〇・〇〇   渡辺専次郎  一、〇〇〇    一二、五〇〇・〇〇      三七、五〇〇・〇〇   岩下清周  一、〇〇〇    一二、五〇〇・〇〇      三七、五〇〇・〇〇   志方勢七  一、〇〇〇    一二、五〇〇・〇〇      三七、五〇〇・〇〇   野田吉兵衛    五七〇     七、一二五・〇〇      二一、三七五・〇〇   各務幸一郎    五〇〇     六、二五〇・〇〇      一八、七五〇・〇〇   飯田義一    五〇〇     六、二五〇・〇〇      一八、七五〇・〇〇   山本条太郎    五〇〇     六、二五〇・〇〇      一八、七五〇・〇〇   田中市太郎    四〇〇     五、〇〇〇・〇〇      一五、〇〇〇・〇〇   朝吹常吉    四〇〇     五、〇〇〇・〇〇      一五、〇〇〇・〇〇   名取福    三八〇     四、七五〇・〇〇      一四、二五〇・〇〇   田中文蔵    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   小川䤡吉    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   中橋徳五郎    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   内外綿株式会社取締役頭取 中野太右衛門    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   鈴木岩次郎    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   村井貞蔵    三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   川崎芳太郎  以下p.760 ページ画像     三〇〇     三、七五〇・〇〇      一一、二五〇・〇〇   松方幸次郎    二五〇     三、一二五・〇〇       九、三七五・〇〇   榎本謙七郎    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   団琢磨    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   加藤正義    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   楠本武俊    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   合名会社芝川商店業務執行社員 芝川栄助    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   林幾太郎    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   岩原謙三    二〇〇     二、五〇〇・〇〇       七、五〇〇・〇〇   大谷正誠    一五〇     一、八七五・〇〇       五、六二五・〇〇   堀達    一五〇     一、八七五・〇〇       五、六二五・〇〇   岩藤与十郎    一五〇     一、八七五・〇〇       五、六二五・〇〇   喜多又蔵    一五〇     一、八七五・〇〇       五、六二五・〇〇   田中兵次郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   原錦吉    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   各務鎌吉    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   阿部泰蔵    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   朝田又七    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   佐々木慎思郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   渋沢栄一    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   荘田平五郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   平生釟三郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   末延道成    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   田島信夫    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   近藤廉平    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   岩永省一    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   須田利信    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   大河内輝剛    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   原田金之祐    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   陳直治    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   谷井保    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   榊茂夫    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   吉田立卓    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   岩井勝次郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   長尾良吉    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   松本良太郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   松方五郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   四本万二    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   武村貞一郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   久保正助    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   中西登喜次    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   高田小次郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   草郷清四郎    一〇〇     一、二五〇・〇〇       三、七五〇・〇〇   生島一徳            (九〇株以下省略ス)  合計 四〇、〇〇〇   五〇〇、〇〇〇・〇〇   一、五〇〇、〇〇〇・〇〇   百九拾壱人 




(東明火災海上保険株式会社)営業報告書 第一季明治四一年四月(DK070095k-0003)
第7巻 p.760-761 ページ画像

(東明火災海上保険株式会社)営業報告書 第一季明治四一年四月
              (東明火災海上保険株式会社所蔵)
一発起認可 明治三十九年十一月二十九日附ヲ以テ農商務大臣ヘ発起認可ヲ申請シ、明治四十年四月八日附ヲ以テ認可セラル
一第一回払込 総株数四万株ニ対スル第一回払込金五拾万円ハ明治四十年六月七日迄ニ全部終了セリ
 - 第7巻 p.761 -ページ画像 
一創立総会 明治四十年七月八日創立総会ヲ開キ、左ノ件ヲ議了シ、爰ニ於テ当会社ハ成立シタリ
 一商法第百三十二条ニ依リ発起人ヨリ会社創立ニ関スル事項報告ノ件
 二定款第十八条ニ基キ取締役六名、監査役三名選任ノ件
 三商法第百三十四条規定ノ調査及報告ヲ承認スルノ件
一取締役及監査役ノ選任 前項ノ創立総会ニ於テ選任シタル取締役ハ阿部泰蔵・朝田又七・佐々木慎思郎・渋沢栄一・荘田平五郎・末延道成ノ六氏、監査役ハ生島一徳・高田小次郎・田島信夫ノ三氏ナリトス
一保険事業免許 明治四十年七月十五日農商務大臣ヘ免許ヲ申請シ、同年九月十九日附ヲ以テ許可セラル
一設立登記 明治四十年九月二十三日当会社設立登記ヲナス
一取締役会長 取締役ノ互選ヲ以テ末延道成氏ヲ会長トス
一支配人 東京海上保険株式会社ノ総支配人各務謙吉氏《(各務鎌吉)》ヲシテ当会社ノ支配人ヲ兼務セシムルコトヽシ明治四十年十月一日其選任ヲ登記セリ
一保険引受ノ開始 海上保険ハ明治四十年十月八日ヨリ、火災保険ハ同年十二月一日ヨリ開始シタリ


(東京海上保険株式会社)総会議事録 二(DK070095k-0004)
第7巻 p.761 ページ画像

(東京海上保険株式会社)総会議事録 二
              (東京海上火災保険株式会社所蔵)
  明治四十年七月廿六日臨時株主総会議事録
本日午後二時当会社楼上ニ於テ開会 ○出席株主氏名略
取締役会長末延道成氏議長席ニ就キ、開会ノ旨ヲ告グ
    臨時株主総会ノ目的及事項
一当会社取締役末延道成・渋沢栄一・荘田平五郎・佐々木慎思郎ノ四氏、今回新設ノ東明火災海上保険株式会社取締役ニ選任セラレタルニ付、商法第百七拾五条ノ規定ニ基キ之カ認許ヲナスノ件
一当会社取締役ニシテ今後東明火災海上保険株式会社ノ取締役ニ選任セラレタルトキハ次ノ定時総会ニ報告スルヲ以テ足レリトスル事
  理由
   東明火災海上保険株式会社ハ東京海上及明治火災両会社ノ分身トシテ設置セラレタルモノニシテ、其目的中ノ主タル点ハ両会社カ引受ケタル剰余保険ノ再保険ヲ引受クルニアリ、当会社ハ右新会社ノ株主トシテ多大ノ利害関係ヲ有ス、故ニ前記ノ四氏ガ東明火災海上保険株式会社ノ取締役タルハ当会社ノ利益ヲ代表スルモノナルヲ以テ、本案ヲ提出スルモノナリ
右二案ニ対シ満場一致ヲ以テ認許ス


竜門雑誌 第二三〇号・第五六頁〔明治四〇年七月二五日〕 ○東明火災海上保険会社の設立(DK070095k-0005)
第7巻 p.761-762 ページ画像

竜門雑誌 第二三〇号・第五六頁〔明治四〇年七月二五日〕
○東明火災海上保険会社の設立 青淵先生が阿部泰蔵・末延道成・佐佐木慎思郎等諸氏と共に発起人に加入せられたる東明火災海上保険会社は、発起人及明治火災、東京海上両保険会社員等に於て株式全部を
 - 第7巻 p.762 -ページ画像 
引受くることゝなり、既に会社の成立を告げしが、同社は前記両会社の保険に対する再保険を目的とするものにして、青淵先生には海上保険会社取締役たる関係上破格を以て取締役を受任せられたり


竜門雑誌 第二三一号・第三二頁〔明治四〇年八月二五日〕 ○青淵先生関係諸会社(DK070095k-0006)
第7巻 p.762 ページ画像

竜門雑誌 第二三一号・第三二頁〔明治四〇年八月二五日〕
○青淵先生関係諸会社 青淵先生が其後重役を受任せられし会社は左の如し○中略
 一東明火災保険株式会社 取締役○下略
  ○東明火災海上保険株式会社ハ、東京海上保険及明治火災保険ノ両会社ガ自己ノタメニ創立シタル我国ニ於ケル再保険会社ノ嚆矢ニシテ、其名称亦コレニ因ル。資本金二百万円ヲ以テ創立今日ニ至ル。大正四年明治火災保険会社ハ、東京海上保険会社ニ株式ヲ買収セラレ、東京海上保険会社ノミノ再保険会社トナリタルモ、大正五年「ユニオン・インシユランス・ソサイテイ・オブ・カントン」ナル英国保険会社ニソノ株数ノ半ヲ譲リ、両会社間ニ此東明火災海上保険会社ノ持株ヲ折半ス。創立以来会社ノ基礎ヲ鞏固ナラシムル事ニ勉メ、初メ五ケ年間ハ利息配当ヲ行フニ止メ、大正元年四五万円ノ諸準備積立金ヲ得ルニ於テ始メテ年八分ノ配当ヲ為ス、爾来積立金ヲ増シ、昭和二年五三五万円ニ達シ、会社財産一千万円ヲ超ユ。最近年四割配当ヲ続行スル本邦保険業界ニ於ケル第一ノ成績ヲ挙クルモノナリ。