デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
1節 海運
5款 日清汽船株式会社
■綱文

第8巻 p.289-317(DK080018k) ページ画像

明治40年3月25日(1907年)

是日同会社創立総会ヲ開ク。栄一議長席ニ着キ創立ニ関スル諸報告ヲ為シ、尋イデ取締役及監査役ヲ選出ス。栄一取締役ニ当選ス。同会社ハ四月一日ヨリ営業ヲ開始ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四〇年(DK080018k-0001)
第8巻 p.289 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四〇年
三月二十一日 晴 寒
○上略午後一時日本郵船会社ニ抵リ、日清汽船会社創立総会ヲ開ク○下略
   ○右記事ハ日附ノ誤記ナラン。創立総会開催日ハ三月二十五日ヲ正トス。栄一間々日記ヲ後日ニ到リテ記スコトアレバ、斯ル場合ノ記憶違ヒナラン。
三月二十六日 曇 軽暖
○上略午後三時日本郵船会社ニ抵リ、重役会ニ出席ス、尋テ日清汽船会社重役会ヲ開ク○下略


竜門雑誌 第二二七号・第三一頁〔明治四〇年四月二五日〕 ○日清汽船会社創立総会(DK080018k-0002)
第8巻 p.289 ページ画像

竜門雑誌 第二二七号・第三一頁〔明治四〇年四月二五日〕
○日清汽船会社創立総会 日清汽船会社の創立総会は、三月二十五日日本郵船会社に於て開会、創立委員長たる先生は議長席に着きて、先づ創立に関する報告を為し、夫より新会社発起人と合同すべき日本郵船・大阪商船・大東汽船・湖南汽船四会社との間に締結せる契約の承認を得、次に重役の報酬を一箇年金二万円以内とする事を議決し、次に取締役及監査役の選挙を行ひしに左の如く当選せり
 社長  石渡邦之丞
 取締役 白岩竜平   土佐孝太郎  竹内直哉(以上専務)
     渋沢栄一   近藤廉平   中橋徳五郎
 監査役 有地品之允  田辺為三郎  藤田平太郎
而して新会社は本月一日より開業せり


東京経済雑誌 第五五巻第一三八二号・第五九八頁〔明治四〇年四月六日〕 △日清汽船創立総会(DK080018k-0003)
第8巻 p.289-290 ページ画像

東京経済雑誌 第五五巻第一三八二号・第五九八頁〔明治四〇年四月六日〕
△日清汽船創立総会 去月廿五日午後に開き商船・郵船・湖南・大東四会社との間に於ける契約承認の件を可決し、取締役監査役の報酬は年額二万円以内と決し、左の諸氏当選せり
 - 第8巻 p.290 -ページ画像 
 △取締役 石渡邦之丞(社長)・白岩竜平・土佐孝太郎・竹内直哉(以上専務)・近藤廉平・渋沢栄一・中橋徳五郎
 △監査役 有地品之允・田辺為三郎・藤田平太郎


実業之世界 第六巻・第七号〔明治四二年七月一日〕 日清汽船株式会社(DK080018k-0004)
第8巻 p.290 ページ画像

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日清汽船株式会社創立ニ関スル事項報告(DK080018k-0005)
第8巻 p.290-292 ページ画像

日清汽船株式会社創立ニ関スル事項報告
                 (日清汽船株式会社所蔵)
  明治四十年三月二十五日
日清汽船株式会社ノ創立ニ関スル経過、及発起人ノ処理セシ事務ノ要項並ニ計算ヲ、玆ニ創立総会ニ報告シ、株主各位ノ承認ヲ請ハントス
一、清国富源ノ中枢タル揚子江本支流ニ於ケル航運ノ事業ハ、輓近著大ノ発達ヲ呈シ、列国互ニ之レカ経営拡張ヲ競フノ状アリ、我国亦夙ニ玆ニ著眼シ今ヤ邦人ノ経営ニ係ルモノヲ挙レバ、大坂商船株式会社ノ上海漢口線・漢口宜昌線、日本郵船株式会社ノ上海漢口線、湖南汽船株式会社ノ漢口湘潭線、大東汽船株式会社ノ上海蘇杭州線鎮江清江浦線等皆是レナリ、以上ノ諸線ハ各特長ヲ有シ、連絡亦自ラ具ハリ、現ニ発達ノ域ニ在リト雖モ、個々勢力ノ分立ハ未タ一勢力ノ下ニ運用スルノ優レルニ如カズ、而シテ列国同業者ノ間ニ角逐シ、能ク将来ノ大成ヲ期セントセバ、揚子江本支流ニ於ケル本邦人経営ノ航業ヲ合同シテ新会社ヲ組織シ、其根底ヲ固フスルヲ得策トス、斯ノ如クナランカ、日清貿易ノ発展ニ資スルノ利便蓋シ鴻大ナルベシ、トノ意ヲ以テ、政府ハ昨年来是レ等関係四会社ニ熱心ナル勧誘ヲ与ヘラレタリ、四会社モ亦其必要ヲ認メ、出資合同ニ関スル諸般ノ調査ヲ遂ゲ、之ヲ復申スルニ及ンデ、政府ハ新会社ニ下附スベキ航路補助金額ヲ定メ、明治四十年度政府総予算案中ニ編入シテ帝国議会ニ提出セラレ、本年二月予算案ノ議事進行ニ伴ヒ、政府ハ更ニ新会社創立委員ヲ依嘱シテ、創立ニ関スル事務ヲ処理セラル
 其筋ノ依嘱ヲ受ケタル創立委員ハ男爵渋沢栄一・荘田平五郎・益田孝・田中市兵衛・藤田平太郎・近藤廉平・岩永省一・中橋徳五郎・竹内直哉・田辺為三郎・白岩竜平・土佐孝太郎ノ十二名ニシテ、明治四十年二月十三日東京市日本橋区坂本町東京銀行集会所ニ相会シ一同新会社ノ創立委員タルコトヲ承認シ、本会社第一回創立委員会
 - 第8巻 p.291 -ページ画像 
ヲ開キ、左ノ事項ヲ決議ス
 一、男爵渋沢栄一ヲ創立委員長ニ、岩永省一・田辺為三郎・竹内直哉・白岩竜平・土佐孝太郎ノ五名ヲ常務委員トスルコト
 二、会社創立ニ関スル方法ハ来ル十六日ノ会合ニ於テ決定スルコト
超エテ二月十六日日本郵船株式会社楼上ニ於テ第二回創立委員会ヲ開催セリ、当日ニ於ケル主要ノ議題ハ、本会社資本金額ノコトニ係リ、即チ創立委員ハ最初其筋ヨリ示サレタル如ク資本金千弐百万円ノ会社ヲ設立スルコトニ付テハ一同異議無キモ、政府命令書ノ関係上新会社ハ本年四月一日ヨリ営業ヲ開始スルノ必要アリ、然ルニ時日切迫ノ時ニ際シ、多額ノ資本ヲ一般公衆ヨリ募集ノ手続ヲ履ムコトハ、到底四月一日以前ニ会社ノ成立ヲ告ルコト能ハザルニ由リ、種々攻究ノ末、大坂商船株式会社・日本郵船株式会社・湖南汽船株式会社・大東汽船株式会社ノ財産出資額八百万円ニ少額ノ新規資本ヲ併セテ、先ヅ資本金八百拾万円ノ会社ヲ設立シ、営業開始後直チニ資本金ヲ壱千弐百万円ニ増額スルヲ適当トシ、左ノ事項ヲ決議ス
 一、日清汽船株式会社資本金ハ八百拾万円トス
  此株数拾六万二千株
  拾六万株 大坂商船株式会社・日本郵船株式会社・湖南汽船株式会社・大東汽船株式会社ニテ財産出資引受
  弐千株  発起人其他ニテ引受
 二、発起人其他ニ於テ引受クヘキ弐千株ハ壱株ニ付全額即チ金五拾円ヲ一時ニ払込ムモノトス
 三、会社成立営業開始後ハ直チニ金参百九拾万円ヲ増資シ、資本総額ヲ金壱千弐百万円トスルコト
 四、定款・目論見書並ニ四会社対日清汽船株式会社創立委員トノ契約書ハ総テ原案ノ通リトス
 五、創立委員ハ一同発起人タルコト
以上創立委員会ニ於ケル決議ノ要領及定款・目論見書並ニ本会社対四会社トノ契約書、其他創立ニ関スル必要書類ハ、四十年度政府総予算案成立ノ日、即チ三月九日ヲ以テ其筋ニ提出シ、同時ニ本会社創立ノコトヲ発表シ、直チニ株式ノ引受申込ヲ確定シ、次デ同十一日総株式拾六万弐千株ニ対スル株金全額即チ壱株ニ付金五拾円ノ払込ヲ完了セルニ由リ、即日各株主ニ創立総会開催ノ通知ヲ発セリ、是レヨリ先欧米漫遊中ナリシ加藤正義氏帰朝ニ付、其筋ヨリ創立委員ヲ依嘱セラレ同氏ノ承認ヲ経タリ
一、創立委員ハ金弐万円ノ内金四千八百九拾弐円七拾四銭ヲ支出シ、残金壱万五千百七円弐拾六銭ハ追テ本会社取締役ニ引継クベシ
一、明治四十年三月二十五日現在計算書
   貸借対照表
    資産ノ部
一八百万円 船舶・地所・建物・什器
一金四千八百九拾弐円七拾四銭 創立費
一金九万五千百七円弐拾六銭 現金
 合計金八百拾万円
 - 第8巻 p.292 -ページ画像 
    負債ノ部
一金八百拾万円 株金
  合計金八百拾万円
一、明治四十年三月二十五日現在
   財産目録
    一金八百万円 船舶・地所・建物・什器
    一金四千八百九拾弐円七拾四銭 創立費
    一金九万五千百七円弐拾六銭 現金
  合計金八百拾万円
右之通ニ候也
  明治四十年三月二十五日
               日清汽船株式会社発起人
                    岩永省一
                    土佐孝太郎
                    加勝正義
                    田中市兵衛
                    田辺為三郎
                    竹内直哉
                    荘田平五郎
                    中橋徳五郎
                    益田孝
                    藤田平太郎
                    近藤廉平
                 男爵 渋沢栄一
                    白岩竜平
    株主各位


日清汽船株式会社三十年史及追補 第二九九―三〇五頁〔昭和一六年四月〕(DK080018k-0006)
第8巻 p.292-296 ページ画像

日清汽船株式会社三十年史及追補 第二九九―三〇五頁〔昭和一六年四月〕
  日清汽船株式会社定款
   第一章 総則
第一条 会社ハ日清汽船株式会社ト称ス
第二条 会社ハ清国ノ内河沿海並ニ之ニ関聯スル航路ニ於テ水運業ヲ営ムヲ目的トス、但必要ニ応シ倉庫業及代理業ヲ営ムコトアルヘシ
第三条 会社ハ東京市ニ本店ヲ置キ、清国上海及漢口ニ支店ヲ、其他必要ノ各地ニ出張店又ハ代理店ヲ置ク
第四条 会社ノ資本ハ金八百拾万円トス
第五条 会社ノ株主ハ帝国臣民タルヘキモノトス、但資本ノ五分ノ一以内ニ当ル株式ハ、清国人ニ限リ之ヲ所有セシムルコトヲ得
第六条 会社ノ存立時期ハ設立ノ日ヨリ満参拾箇年トス、但株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ延長スルコトヲ得
第七条 会社ノ公告ハ本店所在地ニ於テ所轄裁判所カ公告ヲ掲載スル新聞紙ニ掲載スルモノトス
   第二章 総会
第八条 総会ハ取締役、監査役、其他法律ニ依リテ招集ノ権ヲ有スル
 - 第8巻 p.293 -ページ画像 
者之ヲ招集ス
 資本ノ十分ノ一以上ニ当ル株主ヨリ、会議ノ目的及其招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルトキハ、取締役之ヲ招集ス
第九条 定時総会ハ毎年五月及十一月ニ於テ之ヲ開キ、臨時総会ハ必要ノ場合ニ於テ之ヲ開ク
第十条 定時総会ニ於テハ前営業年度ノ計算書類・報告書類ヲ調査シ準備金及利益配当金ニ関スル議案、其他取締役ヨリ提出スル所ノ議案ヲ決議ス
第十一条 総会ノ議事ハ予メ通知シタル目的及事項ノ外ニ渉ルコトヲ得ス
第十二条 総会ヲ招集スルニハ、総会ノ日時場所目的及事項ヲ記載シタル通知書ヲ、会日ヨリ少クトモ十四日前ニ、各株主ニ発スヘシ、但定款ノ変更ヲ目的トスル場合ニハ其議案ヲ添付スヘシ
第十三条 総会ニ於ケル株主ノ議決権ハ壱株毎ニ壱箇トス
第十四条 株主ハ委任状ヲ以テ他ノ株主ニ代理セシメ、議決権ヲ行フコトヲ得
 代理ヲ委任シタル株主ハ其人員及株数トモ出席数ニ算入ス
第十五条 定款変更、社債募集、他会社トノ合併及任意解散ハ、総株主ノ半数以上ニシテ資本ノ半額以上ニ当ル株主出席シ、其議決権ノ過半数ヲ以テスルニアラサレハ決議ヲ為スコトヲ得ス
第十六条 前条ノ場合ニ於テ、出席株主カ定数ニ満タサルトキハ、出席シタル株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ仮決議ヲ為シ、其旨ヲ各株主ニ通知シ、更ニ一箇月ヲ下ラサル期間内ニ第二ノ総会ヲ招集シ、出席株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ仮決議ノ認否ヲ決定スルモノトス
 前項ノ規定ハ会社ノ目的タル事業ヲ変更スル場合ニハ之ヲ適用セス
第十七条 総会ノ会長ハ社長、社長事故アルトキハ他ノ取締役之ニ任ス
第十八条 総会ノ会長ハ議事ヲ整理ス、又会議ヲ延期シ、会場ヲ移スコトヲ得、但延期会議ノ議事ハ前会議ニ於テ議了セサリシ事項ノ外ニ渉ルコトヲ得ス
第十九条 総会ノ決議ハ第十五条ノ場合ヲ除ク外出席株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス、可否同数ナルトキハ会長之ヲ決ス、此場合ニ於テモ会長自己ノ議決権ヲ行フコトヲ妨ケス
第二十条 総会議事ノ要領ハ議事録ニ記載シ、会長署名捺印シテ会社ニ保存スヘシ
   第三章 役員
第二十一条 会社ノ役員ハ取締役及監査役トス
第二十二条 役員ノ選任ハ総会ニ於テ、壱百株以上ヲ有スル株主中ヨリ、七名以内ノ取締役、三名以内ノ監査役ヲ選挙ス、但取締役ハ日本人株主ニ限ルモノトス
第二十三条 取締役ノ任期ハ三箇年トシ、監査役ノ任期ハ一箇年トス但任期満了後再選セラルルコトヲ得
第二十四条 取締役ハ法令・定款及総会ノ決議ニ遵由シ、会社ヲ代表
 - 第8巻 p.294 -ページ画像 
シテ会社一切ノ業務ヲ執行ス
第二十五条 取締役ハ同役ノ互選ヲ以テ社長一名及専務取締役三名以内ヲ置キ、主トシテ業務ヲ取扱ハシム
第二十六条 取締役ハ取締役会ニ於テ職分上ノ事ヲ議定ス
 取締役会ノ議事ハ社長、社長事故アルトキハ他ノ取締役ヲ以テ会長トシ、過半数ニ依テ決ス、可否同数ナルトキハ会長之ヲ決ス
第二十七条 監査役ハ取締役ノ業務執行カ法令・定款及総会ノ決議ニ適合スルヤ否ヤヲ監視ス
 監査役ハ取締役カ総会ニ提出スル財産目録・貸借対照表・営業報告書・損益計算書、準備金・利益配当金及役員賞与金ニ関スル議案ヲ調査シ、総会ニ其意見ヲ報告ス
第二十八条 役員中不時ニ欠員ヲ生シタルトキハ、臨時総会ヲ招集シテ補欠選挙ヲ為スヘシ、但法定ノ員数ヲ欠カス現任者ニ於テ業務執行上差支ナシト認ムルトキハ、次回ノ総会又ハ改選期マテ其選挙ヲ延ハスコトヲ得
 補欠員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第二十九条 取締役ハ其所有ニ係ル会社ノ株式壱百株ヲ在任中監査役ニ供託スヘシ
 前項ノ株式ハ、取締役カ退任スルモ、総会ニ於テ其在任中取扱ヒタル事務ノ承認アリタル後ニアラサレハ、之ヲ還付セス
第三十条 役員ノ給料又ハ報酬ハ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
   第四章 株式
第三十 条 会社ノ株券ハ総テ記名式トシ、壱株ノ金額ヲ五拾円トシ総株数ヲ拾六万弐千株トス
第三十二条 会社ノ株券ハ壱株券・拾株券・五拾株券・百株券ノ四種トス
第三十三条 大阪商船株式会社・日本郵船株式会社・湖南汽船株式会社・大東汽船株式会社ハ金銭以外ノ財産ヲ出資ニ充ツ
 其財産ノ種類、価格、之ニ対シテ与フル株式ノ数ハ左ノ如シ
  大阪商船株式会社
   財産種類  船舶・地所・建物
   財産価格  参百七拾万円
   株式ノ数  七万四千株
  日本郵船株式会社
   財産種類  船舶・地所・建物
   財産価格  参百弐拾九万円
   株式ノ数  六万五千八百株
  湖南汽船株式会社
   財産種類  船舶・地所・建物・什器
   財産価格  八拾壱万円
   株式ノ数  壱万六千弐百株
  大東汽船株式会社
   財産種類  船舶・地所・建物・什器
   財産価格  弐拾万円
 - 第8巻 p.295 -ページ画像 
   株式ノ数  四千株
第三十四条 株主ハ其住所及印鑑ヲ会社ニ届出ツヘシ、其氏名・住所又ハ印章ヲ変更シタルトキ亦同シ
第三十五条 会社ノ株式ヲ売買譲渡シタルトキハ、当事者ハ株券ノ裏面ニ署名捺印シ、会社ノ定ムル所ニ依リ連署ノ書面ヲ添ヘテ会社ニ差出シ、名義書換ヲ請求スヘシ、会社ハ相当ノ手続ヲ経テ、取締役署名捺印シ、株主名簿ニ登録割印シテ之ヲ還付スルモノトス
第三十六条 相続、遺贈、婚姻、其他法律ノ作用ニ因リ会社ノ株式ヲ取得シタルモノハ、其株券ノ裏面ニ署名捺印シ、事実ヲ証明シタル書面ヲ添ヘ会社ニ差出シ、名義書換ヲ請求スヘシ
 会社ハ前条ニ準シ書換ヲ為スヘシ
第三十七条 株式ノ取得ハ、前二条ノ手続ニ依リ取得者ノ氏名ヲ株券ニ記載シ、且其氏名・住所ヲ株主名簿ニ登録スルニアラサレハ、会社ニ対シ其効力ナシ
第三十八条 株券ノ毀損又ハ株券ノ分合ニ因リ書換ヲ請求スルトキハ会社ハ相当ノ手続ヲ経テ、前株券ト引替ニ書換株券ヲ交付スヘシ
第三十九条 株券ノ紛失又ハ滅失ニ因リ新ニ株券ノ交付ヲ請求スルトキハ、会社ハ其事実ノ証明ヲ得タル後、請求者ノ費用ヲ以テ其旨ヲ公告シ、三十日ヲ経テ発見セサルトキハ新ニ株券ヲ交付スヘシ、此場合ニ於テハ前株券ハ当然効力ナキモノトス
第四十条 会社ハ手数料トシテ、株券壱通ニ付、第三十五条及第三十六条ノ場合ニハ金五銭、第三十八条及第三十九条ノ場合ニハ金拾五銭ヲ請求者ヨリ徴収ス
第四十一条 会社ハ株主名簿及計算閉鎖ノ為メ、営業年度毎ニ公告ヲ為シテ、一箇月ヲ超エサル期間株式ノ売買譲渡ニ因ル株券ノ名義書換ヲ停止ス
   第五章 会計
第四十二条 会社ハ毎年四月一日ヨリ九月三十日マテヲ前半期トシ、十月一日ヨリ翌年三月三十一日マテヲ後半期トシ、毎半箇年ヲ以テ営業年度トス
第四十三条 会社ハ船舶維持ノ為メ、毎半期営業年度収入ノ内ヨリ左ノ金額ヲ控取スヘシ、但第三号積立金ハ船舶ノ保険ヲ他ニ契約セサル場合ニ限リ之ヲ積立ルモノトス
  一、船価償却金     製造船価百分ノ弐箇以上
  二、船舶修繕積立金   製造船価百分ノ壱箇以上
  三、船舶保険積立金   現在船価百分ノ弐個以上
 製造船価ノ償却ヲ了リタルトキハ前項ノ積立金ヲ要セス
第四十四条 取締役ハ毎半期営業年度ノ終ニ於テ其年度ノ計算ヲ閉鎖シ、決算ヲ遂ケ、財産目録・貸借対照表・営業報告書・損益計算書並ニ準備金・利益配当金及役員賞与金ニ関スル議案ヲ作リ、監査役ノ調査ヲ受ケ、定時総会ニ提出シテ承認ヲ求ムヘシ
 役員賞与金ノ歩合ハ毎半期営業年度ニ於ケル利益金ノ百分ノ五箇以内トス
第四十五条 配当金ハ毎年四月三十日及十月三十一日現在ノ株主ニ払
 - 第8巻 p.296 -ページ画像 
渡スヘシ
 株主ハ配当金ノ利息ヲ請求スルコトヲ得ス
   第六章 附則
第四十六条 此定款ノ制定変更ハ政府ノ認可ヲ経テ確定スルモノトス
第四十七条 会社ハ政府ノ発セラルル命令・条款及将来之ニ基テ発セラルル時々ノ命令ヲ遵守スルモノトス
第四十八条 創立総会ニ於テ選任セラレタル取締役ノ任期ハ、明治四十二年十一月ニ招集セラルヘキ定時総会ニ於テ選挙セラレタル取締役カ上任スル日マテ、創立総会ニ於テ選任セラレタル監査役ノ任期ハ、明治四十年十一月ニ招集セラルヘキ定時総会ニ於テ選挙セラレタル監査役カ上任スル日マテトス
第四十九条 会社ノ負担ニ帰スヘキ設立費用ハ金弐万円以内トス
第五十条 発起人ノ氏名・住所左ノ如シ
 東京府下荏原郡目黒村下目黒坂下百五十六番地   岩永省一
 東京市牛込区市ケ谷田町二丁目二十一番地     土佐孝太郎
 東京市麹町区麹町元園町一丁目二番地       加藤正義
 大阪市西区靭北通一丁目三十四番屋敷       田中市兵衛
 岡山県浅口郡長尾村大字長尾二千百六十番地    田辺為三郎
 大阪市南区塩町通二丁目十四番屋敷        竹内直哉
 東京市小石川区林町五十番地           荘田平五郎
 大阪市南区天王寺悲田院町三千八百四十七番地   中橋徳五郎
 東京府下荏原郡品川町大字北品川宿三百十二番地  益田孝
 大阪市北区網島町九番屋敷            藤田平太郎
 東京市牛込区市ケ谷田町一丁目八番地       近藤廉平
 東京市日本橋区兜町二番地         男爵 渋沢栄一
 岡山県英田郡讃甘村大字宮本百四十九番地     白岩竜平


日清汽船株式会社三十年史及追補 第五五―六七頁〔昭和一六年四月〕(DK080018k-0007)
第8巻 p.296-305 ページ画像

日清汽船株式会社三十年史及追補 第五五―六七頁〔昭和一六年四月〕
日清汽船株式会社成立し愈々開業するや、政府は明治四十一年四月一日附を以て命令書を交付し、○中略此の補助金合計年額八拾万円であつた。○中略
 管第四九一号
    命令書
                     日清汽船株式会社
第一条 其会社ハ清国ノ内河沿海及ヒ之ニ関聯スル航路ニ於テ航運業ヲ営ムヲ以テ目的トスヘシ、但必要ニ応シ倉庫業及代理業ヲ営マシムルコトアルヘシ
第二条 其会社ハ本命令書有効期間中汽船総噸数弐万八千噸以上ヲ維持スヘシ
 遭難其他已ムヲ得サル事由ニ因リ前項ノ噸数ヲ減少シタルトキハ、其会社ハ逓信大臣ノ指定スル期間内ニ之ヲ補充スヘシ
第三条 其会社ノ定款ハ逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、其之ヲ変更セントスル場合亦同シ
第四条 其会社ハ外国人ヲ株主トナスコトヲ得ス、但シ資本ノ五分ノ
 - 第8巻 p.297 -ページ画像 
一以内ニ当ル株式ハ、清国人ニ限リ之ヲ所有セシムルコトヲ得
第五条 逓信大臣ハ当該官吏ヲシテ何時ニテモ其会社事業ノ施設ヲ監査シ、其会社ノ本店・支店・代理店若クハ船舶ニ臨検シ、金庫・帳簿其他ノ文書物件ヲ検査シ、営業上諸般ノ計算及実況ヲ視察セシムルコトアルヘシ
第六条 其会社ハ会計ニ関スル規程ヲ定メ、予メ逓信大臣ニ届出ツヘシ、其之ヲ変更シタルトキ亦同シ
 逓信大臣ニ於テ必要ト認ムルトキハ之カ変更ヲ命スルコトアルヘシ
第七条 其会社ノ従事スヘキ航行線路ハ左ノ如シ
 一、上海漢口線 本線ニ於テハ上海漢口間ヲ航行シ、往復トモ、鎮江・南京・蕪湖及九江ニ寄港スヘシ、但通州・張黄港・江陰・天星橋・儀徴・大通・安慶・湖口・武穴・蘄州・黄石港及黄州ニ停船スルコトヲ得
 二、漢口宜昌線 本線ニ於テハ漢口宜昌間ヲ航行シ、往復トモ沙市ニ寄港スヘシ、但新堤及岳州ニ停船スルコトヲ得
 三、上海蘇州線 本線ニ於テハ上海蘇州間ヲ航行スヘシ
 四、上海杭州線 本線ニ於テハ上海杭州間ヲ航行スヘシ、但嘉善及嘉興ニ停船スルコトヲ得
 五、蘇州杭州線 本線ニ於テハ蘇州杭州間ヲ航行スヘシ、但平望・南潯及湖州ニ停船スルコトヲ得
 六、鎮江清江浦線 本線ニ於テハ鎮江清江浦間ヲ航行スヘシ、但楊州・高郵・宝応及淮安ニ停船スルコトヲ得
 七、漢口湘潭線 本線ニ於テハ漢口湘潭間ヲ航行シ、往復トモ長沙ニ寄港スヘシ
  但宝塔州・新堤・城陵磯・岳州府・蘆林潭・湘陰・陵吉口及靖港ニ停船スルコトヲ得
 八、漢口常徳線 本線ニ於テハ漢口常徳間ヲ航行スヘシ、但宝塔州・新堤・城陵磯及岳州府ニ停船スルコトヲ得
 九、鄱陽湖線 本線ニ於テハ九江南昌間ヲ航行スヘシ、但漢口ニ回船シ、呉城ニ停船シ、又減水其他止ムコトヲ得サル事由アルトキハ航行ヲ呉城ニ止ムルコトヲ得
第八条 第七条ノ線路ニ使用スヘキ船舶及其航行度数ハ左ノ如シ
 一、上海漢口線 本線ニハ総噸数二千噸以上最強速力一時間十一海里以上ノ鋼製汽船六艘ヲ用ヰ、毎年三月一日ヨリ十一月末日マテ九箇月間ハ毎一週日四回以上、十二月一日ヨリ翌年二月末日マテ三箇月間ハ毎二週日六回以上、一年期間百九十二回以上発船セシムヘシ
 二、漢口宜昌線 本線ニハ総噸数千五百噸以上最強速力一時間十海里以上ノ鋼製汽船二艘ヲ用ヰ、毎年四月一日ヨリ九月末日マテ六箇月間ハ毎月六回以上、十月一日ヨリ翌年三月末日マテ六箇月間ハ毎月四回以上、一年期間六十回以上発船セシムヘシ
 三、上海蘇州線 本線ニハ総噸数八噸以上最強速力一時間五海里以上ノ曳船用汽船三艘及総噸数十五噸以上ノ被曳船用船舶三艘ヲ用ヰ、毎月二十五回以上、一年期間三百回以上発船セシムヘシ
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 四、上海杭州線 本線ニハ総噸数八噸以上最強速力一時間五海里以上ノ曳船用汽船四艘及総噸数十五噸以上ノ被曳船用船舶四艘ヲ用ヰ、毎月二十五回以上、一年期間三百回以上発船セシムヘシ
 五、蘇州杭州線 本線ニハ総噸数八噸以上最強速力一時間五海里以上ノ曳船用汽船四艘及総噸数十五噸以上ノ被曳船用船舶四艘ヲ用ヰ、毎月二十五回以上、一年期間三百回以上発船セシムヘシ
 六、鎮江清江浦線 本線ニハ総噸数八噸以上最強速力一時間五海里以上ノ曳船用汽船三艘及総噸数十五噸以上ノ被曳船用船舶三艘ヲ用ヰ、毎月十回以上、一年期間百二十回以上発船セシムヘシ
 七、漢口湘潭線 本線ニハ総噸数九百噸以上最強速力一時間七海里以上ノ鋼製汽船二艘ヲ用ヰ、毎月八回以上、一年期間六十四回以上発船セシムヘシ、但減水期ハ航行ヲ停止シ、又ハ航行度数ヲ減少スルコトヲ得、此場合ニ於テハ、相当ノ方法ニ依リ毎月三回以上、城陵磯・長沙双方ニ船便ヲ通スヘシ
 八、漢口常徳線 本線ニハ総噸数九百噸以上最強速力一時間七海里以上ノ鋼製汽船一艘ヲ用ヰ、毎月二回以上、一年期間十二回以上発船セシムヘシ、但減水期ハ航行ヲ停止シ、又ハ航行度数ヲ減少スルコトヲ得
 九、鄱陽湖線 本船ニハ汽船一艘ヲ用ヰ、毎月二回以上、一年期間十二回以上発船セシムヘシ、但シ減水期ハ航行ヲ停止シ、又ハ航行度数ヲ減少スルコトヲ得
  上海蘇州線・上海杭州線・蘇州杭州線及鎮江清江浦線ノ曳船及被曳船ハ交互各線路ニ転用スルコトヲ得
  第一項ノ船舶ハ其会社ノ所有ニ専属シ、船齢十五年未満ニシテ検査官吏ノ検査ニ合格シタルモノニ限ル
  第一項各号ニ定ムル航行度数ハ線路ノ情況ニ応シ必要ト認ムルトキハ増加ヲ命スルコトアルヘシ
第九条 第七条ノ線路ニ於ケル往復航行時間ハ各地碇泊時間ヲ併セ左ノ如シ
   上海漢口線   十日
   漢口宜昌線   十四日
   上海蘇州線   四日
   上海杭州線   五日
   蘇州杭州線   五日
   鎮江清江浦線  五日
   漢口湘潭線   八日
   漢口常徳線   十五日
   鄱陽湖線    十五日
第十条 其会社ハ第八条ノ船舶ヲ定メ、予メ逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、其之ヲ変更セントスル場合亦同シ
 逓信大臣ハ検査官吏ヲシテ随時第八条ノ船舶ヲ検査セシメ、其成績ニ依リ修繕ヲ命シ、又ハ認可ヲ取消スコトアルヘシ、此場合ニ於テハ其会社ハ逓信大臣ノ指定スル期間内ニ修繕ヲ加ヘ、又ハ相当代船ヲ以テ之ヲ補充スヘシ
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 相当代船ト称スルハ第八条ニ適合スルモノニ限ル、以下相当代船ト称スル亦同シ
 其会社ハ第八条ノ船舶ヲ喪失シ、又ハ抗拒スヘカラサル強制ニ因リ使用スルコト能ハサルトキハ、逓信大臣ノ指定スル期間内ニ相当代船ヲ以テ之ヲ補充スヘシ
 其会社ハ前二項ニ依リ、逓信大臣ノ指定スル期間内ニ限リ、同大臣ノ認可ヲ受ケ、第八条ニ適合セサル船舶ヲ使用スルコトヲ得
第十一条 其会社ハ本命令書ニ定ムル業務ヲ実施スル前十四日ニ於テ第七条ノ線路ニ於ケル発着日時表ヲ差出シテ逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、其之ヲ変更セントスルトキハ、少クトモ七日前ニ届出、逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、逓信大臣ハ公益上必要ト認ムルトキハ、前項ノ発着日時表ヲ変更セシムルコトアルヘシ
 天災其他止ムコトヲ得サル事由ニヨリ臨時発着日時表ニ定ムル発着日時ヲ変更セントスル時ハ、逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、但認可ヲ受クル暇ナキトキハ、事後其事由ヲ具シ、逓信大臣ノ追認ヲ受クルコトヲ得
第十二条 其会社ハ第八条ノ船舶ヲ以テ運搬スル旅客貨物ノ運賃表ヲ調製シ、予メ逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、其之ヲ変更セントスル場合亦同シ、逓信大臣ハ公益上必要ト認ムルトキハ、種類ヲ指定シ旅客貨物ノ運賃定額ヲ低減セシムルコトアルヘシ
第十三条 第八条ノ船舶第七条ノ線路ニ於ケル往復航起点地又ハ終点地ヲ発シ又ハ之ニ著シタルトキハ、帝国郵便局又ハ帝国領事館ニ届出発著証明ヲ受クヘシ、但帝国郵便局又ハ帝国領事館ノ設置ナキ各地ニ於テハ該地官庁ノ証明ヲ受クヘシ
第十四条 第八条ノ船舶ニハ逓信大臣ノ認可ヲ受ケタル航海日誌ヲ備ヘ、船長又ハ一等運転士ヲシテ必要ノ事項ヲ記載セシメ、一箇月毎ニ其要領ヲ記シ、第十三条ノ発著証明書ヲ添ヘ、之ヲ逓信大臣ニ差出スヘシ
第十五条 其会社ハ第八条ノ船舶ヲ以テ、逓信大臣ノ定ムル手続ニ依リ、第七条ノ線路ニ於ケル郵便物ヲ無賃ニテ逓送スヘシ
 前項ニ於テ郵便物ト称スルハ、郵便法・郵便条約、其他将来発布ニ係ル法律・命令又ハ条約ニ依リ、郵便物トシテ取扱フモノ及其運搬ニ要スル諸器具ヲ謂フ、以下郵便物ト称スル亦同シ
第十六条 逓信大臣ハ第八条ノ船舶ニ郵便吏員ヲ乗船セシムルコトアルヘシ
 郵便吏員乗船スルトキハ、逓信大臣ノ指定ニ従ヒ、事務取扱ノ為メ相当ノ船室ヲ供スヘシ、此室内ニ要スル点灯・採暖・掃除等ニ要スル費用ハ其会社ノ負担トス
 前項ノ郵便吏員ニハ無賃ニテ相当ノ寝室及食料ヲ供シ、其待遇ハ通信属以上ハ上等旅客ニ、通信手以下ハ中等旅客ニ準スヘシ
第十七条 第八条ノ船舶ニハ、逓信大臣ノ指定ニ従ヒ、盗難・湿気・火災其他一切損害ノ虞ナキ安全ナル場所ヲ選ヒ、相当ノ容積ヲ有シ且損害ノ予防上適当ノ装置ヲ施シタル郵便室ヲ設ケ、逓送ヲ命セラレタル郵便物ヲ蔵置スヘシ
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 第八条ノ船舶ニハ、旅客ノ最モ認メ易ク且安全ナル場所ヲ選ヒ、制規ノ郵便函ヲ堅固ニ取付置クヘシ
 前二項ノ郵便室及郵便函ノ設置修繕等ニ要スル費用ハ其会社ノ負担トス
 上海蘇州線・上海杭州線・蘇州杭州線及鎮江清江浦線ノ使用船ニハ第一項及第二項ニ定ムル郵 便室及郵便函ノ設備ヲ省略スルコトヲ得此場合ニ於テハ其会社ハ其会社ノ費用ヲ以テ、盗難・湿気・火災其他一切損害ノ虞ナキ安全ナル場所ヲ選ヒ、且損害ノ予防上適当ノ装置ヲ施シ、郵便物ヲ蔵置スヘシ
第十八条 逓送ヲ命セラレタル郵便物及郵便函ニ投入ノ郵便物ハ、郵便吏員乗船スルトキハ該吏員、郵便吏員乗船セサルトキハ本船ノ船長・一等運転士又ハ事務長之カ取扱ヲ為スヘシ、郵便室及郵便函ノ開閉ニ就テモ亦同シ
第十九条 其会社ハ逓信大臣ノ逓送ヲ命シタルモノヽ外他ノ郵便物ヲ逓送スヘカラス、但航行中郵便物ヲ逓送スル他ノ船舶ノ遭難シタル場合ニ於テ其積載スル郵便物ヲ逓送スルハ此限ニアラス
第二十条 郵便物ノ逓送及第七条ノ線路ニ於ケル各地ニ於テ郵便物船積陸揚ニ要スル費用ハ其会社ノ負担トス
第二十一条 其会社ハ逓送中ナルト船積又ハ陸揚中ナルトヲ問ハス、郵便物ヲ紛失毀損セシメタルトキハ其責ニ任スヘシ
 前項ノ損害ハ、郵便吏員乗船ノ場合ト雖モ、天災其他抗拒スヘカラサル強制又ハ該吏員ノ過失ニ出タル場合ノ外、其会社ノ責任トス
第二十二条 其会社ハ逓信大臣ノ指定ニ従ヒ第七条ノ線路ニ於ケル各地ニ相当ノ陸上設備ヲ為シ、且支店又ハ代理店ニ端艇ヲ備ヘ、郵便物船積陸揚ノ用ニ供スヘシ
第二十三条 第八条ノ船舶航行中遭難其他ノ事由ニ因リ郵便物ヲ逓送スルコト能ハサルトキハ、適当ノ方法ニ依リ其会社ノ費用ヲ以テ之ヲ逓送スヘシ
 第十条ニ依リ逓信大臣ノ指定スル期間内ニ修繕又ハ補充ヲ為サヽルトキ亦前項ニ同シ
第二十四条 其会社ニ於テ郵便物逓送ノ命令ニ違背シ、逓信大臣他ノ船舶ヲ以テ該郵便物ヲ逓送セシメタルニ因リ生シタル費用及損害ハ其会社之ヲ弁償スヘシ
第二十五条 第八条ノ船舶第七条ノ線路ニ於ケル起点地・終点地又ハ寄港地ニ出入スルトキハ、帝国国旗及郵便旗章ヲ掲揚スヘシ
第二十六条 其会社ハ第七条ノ線路ニ於ケル起点地・終点地及寄港地ニ支店又ハ代理店ヲ設置スヘシ
 逓信大臣ハ必要ト認ムルトキハ特ニ指定シテ支店ヲ設置セシムルコトアルヘシ
 其会社ノ本店又ハ支店ニ使用スル事務員、及第八条ノ船舶ノ船長・運転士・機関長・機関士並ニ事務員ハ、逓信大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ外国人ヲ使用スヘカラス、但死亡其他止ムコトヲ得サル事由ニ依リ本項ノ船員ニ欠員ヲ生シタルトキハ、該地官庁ノ公認ヲ経テ外国人ヲ以テ之ヲ補フコトヲ得、此場合ニ於テハ直ニ逓信大臣ノ
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追認ヲ受クヘシ
 第一項ノ代理店ヲ設置セントスルトキハ、其店名・所在地名及該店業務担当人ノ国籍並ニ氏名ヲ逓信大臣ニ具申シ認可ヲ受クヘシ、其之ヲ変更セントスル場合亦同シ
 逓信大臣ハ其会社ノ本店又ハ支店ノ事務員及第八条ノ船舶ノ船長・運転士・機関長・機関士及事務員ニシテ、職務又ハ事務取扱上怠慢懈怠其他ノ失行アリト認ムルトキハ、其交代ヲ命スルコトアルヘシ逓信大臣ハ第一項ノ代理店ノ業務担当人前項ニ該当スル所為アリト認ムルトキハ、代理店ノ変更ヲ命スルコトアルヘシ
第二十七条 第八条ノ船舶ハ旅客積卸ノ為メ必要ナルトキハ発着日時表ニ掲ル寄港地又ハ停船地ノ外他ノ場所ニ寄港又ハ停船スルコトヲ得、但発着日時表ニ掲クル日時ヲ変更スルコトヲ得ス
第二十八条 逓信大臣ハ必要ト認ムルトキハ、第八条ノ船舶ニ其会社ノ費用ヲ以テ毎船三名以内ノ航海修業生ヲ乗組マシメ、実地練習ヲ為サシムルコトアルヘシ
 前項ノ修業生ニ関シテハ航海奨励法施行細則第五章ノ規定ヲ準用ス
第二十九条 逓信大臣ハ本命令書有効期間中公益上必要ト認ムルトキハ、相当ノ代価又ハ使用料ヲ補償シテ第八条ノ船舶ヲ買収又ハ使用スルコトアルヘシ、其会社ニ於テ逓信大臣ノ発スル買収又ハ使用ノ命令ニ応セス、逓信大臣他ノ方法ヲ以テ公用ヲ便シタルニ因リ生シタル費用及損害ハ其会社之ヲ弁償スヘシ
 船舶使用ノ場合ニ於テ、逓信大臣ハ実費ヲ支給シテ船内ノ構造ヲ変更セシムルコトアルヘシ
 逓信大臣ハ非常事変ノ際ニ於テ第八条ノ船舶及其船員ヲ使用スルコトアルヘシ、此場合ニ於テハ相当ノ使用料ヲ支給スヘシ
 前各項ノ使用ニ因リ損害ヲ生シタルトキハ、逓信大臣其事由ヲ査覈シテ相当ノ金額ヲ補償スヘシ、但其会社又ハ船員ノ過失ニ出テタルモノハ此限ニアラス
第三十条 其会社ハ兵乱一揆ノ避難者及其救護ニ要スル人員物件又ハ凶年ニ於ケル食料品ヲ、必要ノ時期ニ他ノ輸送ニ先チテ輸送スヘシ
第三十一条 第八条ノ船舶ニハ逓信大臣ノ認可ヲ受ケタル申告簿ヲ備フヘシ
 申告簿ハ船長又ハ一等運転士之ヲ保管シ、旅客ノ請求アルトキハ何時ニテモ之ヲ提出スヘシ
 船中見易キ所ニ申告簿保管者ノ職名並ニ氏名及旅客ノ請求ニ応シ之ヲ提出スル旨ヲ掲示スヘシ
 申告簿ハ三箇月毎ニ逓信大臣ノ検閲ヲ受クヘシ
第三十二条 第七条ノ線路ニ於ケル業務ノ視察ヲ命セラレタル官吏、第八条ノ船舶ニ乗船スルトキハ、無賃ニテ相当ノ寝室又食料ヲ供シ其待遇ハ上等旅客ニ準スヘシ
第三十三条 逓信大臣ハ本命令書有効期間中左ノ割合ヲ以テ航行補助金ヲ支給スヘシ
  上海漢口線                  年額   金五拾万円
  漢口宜昌線                  年額   金拾壱万円
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  上海蘇州線・上海杭州線及鎮江清江浦線ヲ通シテ 年額    金五万円
  漢口湘潭線及漢口常徳線ヲ通シテ        年額 金拾弐万五千円
  鄱陽湖線                   年額  金壱万五千円
 前項ノ補助金ハ一箇月毎ニ終了シタル航行ニ対スル分ヲ支給スヘシ第八条ニ定ムル航行度数ヲ減シタルトキハ一回ニ付左ノ割合ヲ以テ補助金ヲ減給スヘシ、但本項ニ依リ減少シタル金額ハ発着日時表ノ定ムル所ニ依リ、同一年期間ニ於テ航行度数ヲ償ヒタルトキ、之ヲ支給スルコトアルヘシ
  上海漢口線          金弐千六百四円拾七銭
  漢口宜昌線          金千八百参拾参円参拾四銭
  上海蘇州線          金弐拾九円九拾弐銭
  上海杭州線          金五拾六円拾銭
  蘇州杭州線          金四拾七円五拾銭
  鎮江清江浦線         金八拾参円参拾四銭
  漢口湘潭線          金千五百六拾壱円六拾参銭
  漢口常徳線          金弐千九拾円八拾八銭
  鄱陽湖線           金千弐百五拾円
 第八条ノ船舶ヲ以テ第七条ノ線路ニ於ケル各地ニ航行セス、因テ航行里数ヲ減縮シタルトキハ、一海里ニ付左ノ割合ヲ以テ補助金ヲ減給スヘシ
  上海漢口線          金弐円弐拾四銭
  漢口宜昌線          金弐円四拾八銭
  上海蘇州線          金拾九銭
  上海杭州線          金拾九銭
  蘇州杭州線          金拾九銭
  鎮江清江浦線         金弐拾九銭
  漢口湘潭線          金参円弐拾七銭
  漢口常徳線          金参円弐拾七銭
  鄱陽湖線           金四円九拾参銭
 第十条第四項ニ依リ第八条ニ適合セサル船舶ヲ使用スルトキハ、本条第一項ノ補助金額ヲ減少スルコトアルヘシ
 第八条ノ船舶ヲ以テ第七条ノ線路ニ於ケル各地以外ニ航行シ、航行里数ヲ増加スルコトアルモ、之ニ対シ補助金ヲ支給セス
 第一項第三項及第四項ニ定ムル金額ハ線路ノ情況ニ応シ改定スルコトアルヘシ
第三十四条 逓信大臣ハ必要ト認ムルトキハ、第三十三条第一項ノ補助金額以内ヲ以テ、第七条ノ線路ニ於ケル寄港地又ハ停船地ヲ増加又ハ変更セシムルコトアルヘシ
 其会社ハ寄港地又ハ停船地ヲ増加シ、又ハ之ヲ変更セントスルトキハ、逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ、此場合ニ於テ航行里数ヲ増加スルコトアルモ、之ニ対シ補助金ヲ支給セス、若シ航行里数ヲ減縮スルトキハ第三十三条第四項ニ依リ補助金ヲ減給スヘシ
第三十五条 其会社ハ第七条ノ線路ニ於ケル通商ノ状況及其会社業務ノ実況ヲ調査シ、線路毎ニ収支ノ計算ヲ整理シ、一年二回逓信大臣
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ニ具申スヘシ
第三十六条 其会社ハ第七条ノ線路ニ於ケル航行運輸ニ関シ、外国人ト三箇月以上継続スル商事契約ヲ締結セントスルトキハ、契約条項ヲ具シ逓信大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第三十七条 其会社ハ逓信大臣ノ認可ヲ受ケスシテ、本命令書ニ定ムル義務ヲ他人ニ譲渡シ、下請負ヲナサシメ、又ハ第八条ノ船舶ヲ売渡・貸渡・交換・贈与若クハ抵当権ノ目的物ト為スコトヲ得ス
第三十八条 其会社ニ於テ第八条ニ定ムル航行度数ヲ欠キタルトキハ一回ニ付弐千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
 其会社ニ於テ第八条ニ定ムル船舶ヲ使用セサルトキハ、同条ニ定ムル船舶ヲ以テ同条ニ定ムル航行ヲ為スマテノ間ハ、一日ニ付弐千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
 其会社ニ於テ第十条ニヨリ修繕又ハ補充ヲ命セラレタル場合ニ、其命令期間内ニ修繕又ハ補充ヲ為サヽルトキハ、延滞日数一日ニ付弐千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
 前三項ノ場合ニ於テ、逓信大臣ノ認可又ハ追認ヲ受ケタルトキハ、違約金ノ徴収ヲ免除スヘシ
第三十九条 其会社ニ於テ第九条ニ定ムル航行時間ヲ遅延シタルトキハ、天災其他抗拒スヘカラサル強制若クハ命令ニ因リタル場合又ハ特ニ逓信大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ノ外、延滞時間二十四時間又ハ其未満ニ付千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
 其会社ニ於テ前項ニ該当スル場合ノ外発着日時表ニ定ムル往復航起点地又ハ終点地ニ於ケル発航日時ヲ繰上若クハ遅延シ又ハ終点地ニ延着シタルトキハ六時間以上十二時間ニ付五百円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ但逓信大臣ノ認可又ハ追認ヲ受ケタルトキハ此限ニアラス
第四十条 其会社ニ於テ郵便物船積陸揚ノ命令ニ違背シ、又ハ第七条ノ線路ニ於ケル寄港地ニ寄港セサルトキハ、一回ニ付五百円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ、但逓信大臣ノ認可又ハ追認ヲ受ケタルトキハ此限ニアラス
第四十一条 其会社ニ於テ逓信大臣ノ認可ヲ受ケス、正当ノ事由ナクシテ、第七条ノ線路ニ於ケル各地以外ニ航行シタルトキハ、一回ニ付千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ、若シ第七条ノ線路ニ於ケル各地以外ニ航行シタル為メ第三十八条第一項第二項又ハ第三十九条ニ該当スルニ至リタルトキハ、同条ノ違約金ヲ併セ徴収スヘシ
第四十二条 其会社ニ於テ第十二条第一項ニ違背シ、又ハ同条第二項ニ依ル命令ニ違背シタルトキハ、一回ニ付弐千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
 前項ノ場合ニ於テ、認可運賃額又ハ命令運賃額ヲ超過シタル運賃ヲ収入シタルトキハ該超過額ヲ還付スヘシ
第四十三条 本命令書ニ於テ特ニ違約金ヲ付シタル場合ノ外、各条ノ義務ヲ履行セサルトキハ、一回ニ付千円以下ノ違約金ヲ徴収スヘシ
第四十四条 第三十八条乃至第四十三条ノ違約金、及第二十四条又ハ第二十九条ニ依リ其会社ノ弁償スヘキ金額ハ、毎回支給スル補助金又ハ保証金ヨリ差引キ、若シ不足アルトキハ其会社ヨリ徴収スヘシ
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第四十五条 其会社ニ於テ第四条第三十七条又ハ第四十二条第二項ニ違背シタルトキハ、本命令ヲ解除シ、已ニ執行シタル航行ニ対スル外補助金ノ支給ヲ廃止シ、当該一年期間内已ニ執行シタル航行ニ対スル補助金ノ全額ヲ還納セシメ、且保証金ヲ没収スヘシ、正当ノ事由ナクシテ一年期間内同一線路ニ於テ左ニ掲クル回数以上航行ヲ停止シタルトキ亦同シ
  上海漢口線       五回
  漢口宜昌線       三回
  上海蘇州線       十五回
  上海杭州線       十五回
  蘇州杭州線       十五回
  鎮江清江浦線      五回
  漢口湘潭線       三回
  漢口常徳線       三回
  鄱陽湖線        三回
 其会社ニ於テ第二条第二項ニ依リ逓信大臣ノ指定スル期間内ニ補充ヲ為サヽルトキ、第三条若クハ第三十六条ニ違背シタルトキ、一年期間内ニ第八条ニ定ムル航行度数ノ半数以上第三十八条乃至第四十三条ノ所為アリタルトキ、又ハ逓信大臣ニ於テ其会社ノ業務不整理ニシテ第一条ノ目的ヲ達スルコト能ハスト認ムルトキ、亦前項ノ処分ヲナスコトアルヘシ
第四十六条 其会社ハ本命令書ニ定ムル義務履行ノ保証トシテ通貨金八万円又ハ之ニ相当スル政府ノ公債証書ヲ差出スヘシ
 前項ノ保証金第四十四条ニ依リ減額シタルトキハ一箇月以内ニ之ヲ補充スヘシ
 第一項ノ保証金ハ、其会社ニ於テ本命令書ニ定ムル義務ノ履行ヲ終ハリタルトキ、既ニ差引シタル金額アルトキハ之ヲ除キ、其会社ニ還付スヘシ
第四十七条 逓信大臣ハ第七条ノ線路ニ於ケル営業実況ヲ調査シ、必要ト認ムルトキハ其事由ヲ示シ、新航路ノ開始、船舶ノ改良、水陸設備ノ拡張ヲ命シ、其他本命令書ニ定ムル義務ヲ加重シ又ハ補助金額ヲ改正スルコトアルヘシ
第四十八条 本命令書ニ於テ一年期間ト称スルハ、其年四月一日ニ起リ翌年三月三十一日ニ終ル一週年ヲ謂フ
第四十九条 本命令書ノ有効期間ハ明治四十年四月一日ヨリ明治四十五年三月三十一日ニ至ル五箇年間トス
   附則
第五十条 鄱陽湖線使用船ニハ当分ノ内第八条第三項ニ定ムル船齢ニ関スル制限ヲ適用セス
第五十一条 其会社ハ本命令書実施ノ日ヨリ六箇月以内ニ、総噸数三千五百噸以上最強速力一時間十一海里以上ノ新造鋼製汽船三艘ヲ備フヘシ
 前項ノ期間内ニ限リ、其会社ハ第二条ニ定ムル維持噸数ヲ壱万七千五百噸ニ止メ、又上海漢口線ノ航行度数ヲ毎月十回マテニ減スルコ
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トヲ得
第五十二条 其会社ハ本命令書実施ノ日ヨリ六箇月以内ニ、総噸数八噸以上最強速力一時間五海里以上ノ新造汽船一艘ヲ備フヘシ
 前項ノ期間内ニ限リ、其会社ハ上海蘇州線・上海杭州線・蘇州杭州線及鎮江清江浦線使用汽船十四艘中一艘ヲ限リ、第八条ニ適合セサル汽船ヲ使用スルコトヲ得
第五十三条 鄱陽湖線及漢口常徳線ハ、逓信大臣ノ認可ヲ受ケ開始準備ニ要スル期間内ニ限リ、実施ヲ延期スルコトヲ得
  明治四十年四月一日 逓信大臣 山県伊三郎


日清汽船株式会社三十年史及追補 第二六三―二六七頁〔昭和一六年四月〕(DK080018k-0008)
第8巻 p.305-307 ページ画像

日清汽船株式会社三十年史及追補 第二六三―二六七頁〔昭和一六年四月〕
    第一年度前半期末に於ける百株以上の株主
           一〇八株 宮内省内蔵頭 子爵 渡辺千秋
        七五、四三〇株 大阪商船株式会社 社長 中橋徳五郎
        七〇、一八九株 日本郵船株式会社 社長 近藤廉平
           五八〇株 安田善次郎
           五四〇株 男爵 岩崎久弥
           四九六株 白岩竜平
           四七四株 田辺為三郎
           三三八株 志沢市太郎
           三二四株 三井高保
           三〇八株 近藤廉平
           三〇七株 福島浪蔵
           三〇二株 男爵 渋沢栄一
           二九七株 大倉喜八郎
           二七〇株 住友吉左衛門
           二五四株 岩永省一
           二四八株 原嘉道
           二一四株 日本海上運送火災保険株式会社 社長 右近権右衛門
           二〇八株 加藤正義
           二〇八株 葉子衡
           二〇八株 益田孝
           二〇〇株 河野幸友
           二〇〇株 古河鉱業会社 代表社員 木村長七
           一九〇株 中沢安麓
           一六二株 帝国生命保険株式会社 社長 福原有信
           一六〇株 大野清敬
           一六〇株 小野節
           一五四株 麦少彭
           一五四株 土佐孝太郎
           一五四株 田中市兵衛
           一五四株 中橋徳五郎
           一五四株 男爵 有地品之允
 - 第8巻 p.306 -ページ画像 
           一四〇株 各務幸一郎
           一二七株 佐々静子
           一二〇株 柏原文太郎
           一一三株 子爵 福岡孝弟
           一〇九株 半田庸太郎
           一〇八株 早川千吉郎
           一〇八株 子爵 林友幸
           一〇八株 鍵富三作
           一〇八株 川崎銀行 業務執行社員 川崎芳太郎
           一〇八株 葉鉄郷
           一〇八株 園田孝吉
           一〇八株 古河虎之助
           一〇八株 顧培仁
           一〇八株 侯爵 尚典
           一〇八株 樋口登久治郎
           一〇六株 景山長治郎
           一〇〇株 石渡邦之丞
           一〇〇株 堀達
           一〇〇株 竹内直哉
           一〇〇株 永井好信
           一〇〇株 藤田平太郎
           一〇〇株 公爵 近衛文麿
           一〇〇株 三宅元雄
           一〇〇株 島田福吉
           一〇〇株 荘田平五郎
○中略
    第十二年度前半期末に於ける二百株以上の株主
           二一六株 宮内省内蔵頭 山崎四男六
        五〇、八六〇株 大阪商船株式会社 社長 堀啓次郎
       一四〇、三七八株 日本郵船株式会社 社長 男爵 近藤廉平
         二、一一八株 大阪海上火災保険株式会社 専務取締役 多羅尾源三郎
         一、五〇〇株 男爵 近藤廉平
         一、二四八株 範多竜太郎
         一、一六八株 山岡順太郎
         一、一〇六株 堀越角次郎
         一、〇八〇株 男爵 岩崎久弥
         一、〇〇六株 竹内直哉
           九三六株 千浦友七郎
           八八二株 西村秀造
           八二八株 末永一三
           七六〇株 株式会社安田銀行 頭取 安田善之助
           七四四株 田中立子
           六〇四株 渋沢同族株式会社 社長 渋沢敬三
 - 第8巻 p.307 -ページ画像 
           六〇〇株 堀啓次郎
           六〇〇株 各務鎌吉
           五九四株 男爵 大倉喜八郎
           五四〇株 男爵 住友吉左衛門
           五〇〇株 岡崎治三郎
           四五四株 合資会社山本総本店 業務執行社員 山本唯三郎
           四四二株 佐藤麟太郎
           四二八株 日本海上保険株式会社 常務取締役 右近和作
           四一六株 葉子衡
           四〇〇株 古河合名会社 代表社員男爵 古河虎之助
           四〇〇株 小林中
           四〇〇株 白岩竜平
           三八二株 秋山長次郎
           三二四株 帝国生命保険株式会社 社長 福原有信
           三二四株 菅沼振一
           三〇八株 土佐孝太郎
           三〇八株 田辺為三郎
           三〇八株 中橋徳五郎
           二八六株 角田隆郎
           二四〇株 河田秀太郎
           二三四株 須賀虎松
           二二六株 子爵 福岡孝弟
           二一六株 伯爵 林博太郎
           二一六株 鍵富三作
           二一六株 葉鉄郷
           二一六株 園田孝吉
           二一六株 侯爵 尚典
           二一二株 景山静代
           二〇〇株 石渡邦之丞
           二〇〇株 岩永裕吉
           二〇〇株 加藤正義
           二〇〇株 米里紋吉
           二〇〇株 荘田平五郎
           二〇〇株 根岸錬次郎
           二〇〇株 柳生一義
           二〇〇株 益田孝
           二〇〇株 公爵 近衛文麿
           二〇〇株 木村長七


渋沢栄一 日記 ○明治四〇年(DK080018k-0009)
第8巻 p.307-308 ページ画像

渋沢栄一日記
 ○明治四〇年
五月七日 雨 暖
○上略日本郵船会社ニ抵リ、日清汽船会社ノコトヲ協議ス○下略
六月二十八日 曇 冷
 - 第8巻 p.308 -ページ画像 
○上略日清汽船会社重役会ニ同会社事務所ニ出席ス、近藤・中橋其他諸氏来会ス、種々ノ要務ヲ議決シ、午後五時過事務所ニ抵リ、事務ヲ処理シ、午後七時過王子ニ帰宿ス
十月二十一日 曇 冷
○上略
午後三時日清汽船会社ニ抵リ、重役会ニ出席シ、種々ノ要件ヲ議決ス

渋沢栄一 日記 ○明治四一年(DK080018k-0010)
第8巻 p.308 ページ画像

 ○明治四一年
三月七日 雪 寒
○上略
此日ハ帝国商業銀行新重役会ニ出席ノ請求ヲ受ケ、且其前日清汽船会社ノ重役会モ約束アリシカ、共ニ出席シ得サルニヨリ、八十島親徳ヲ招キ、商会ニ対スル意見ヲ示シテ出席伝言セシム
七月六日 雨 冷
○上略午後一時竹内・土佐二氏ト共逓信省《(ニ脱カ)》ニ抵リ、仲小路次官ニ面会シテ、日清汽船会社ノコトヲ依頼ス○下略


(八十島親徳)日録 明治四一年(DK080018k-0011)
第8巻 p.308 ページ画像

(八十島親徳)日録 明治四一年 (八十島親義氏所蔵)
三月七日 雪 雨
男爵下痢引コモリ中也、今朝ハ召ニ依リ飛鳥山ニ至ル、昼飯後命ニ依リ日清汽船会社重役会ニ至リ、石渡社長・近藤・中橋・白岩等諸氏ニ会ヒ、伝言(会社改革案)ヲ陳ブ



〔参考〕日清汽船株式会社沿革概要(DK080018k-0012)
第8巻 p.308-310 ページ画像

日清汽船株式会社沿革概要 (日清汽船株式会社所蔵)
揚子江本支流ニ於ケル日本人経営ノ航運業ハ、明治二十九年五月大東汽船会社ノ前身大東新利洋行ガ上海蘇州線ヲ試航セルニ創マリ、引続キ同社ハ上海杭州線・蘇州杭州線・蘇州鎮江線・鎮江清江線等《(鎮江清江浦線)》ノ小蒸汽船航路ヲ開キシガ、大阪商船会社ハ三十一年一月ヨリ政府ノ命令航路トシテ上海漢口線、翌三十二年五月漢口宜昌線ヲ開始シ、湖南汽船会社ハ三十五年五月洞庭湖ニ於テ漢口湘潭線ヲ新設シ、最後ニ日本郵船株式会社ハ三十六年五月英商麦辺洋行ノ船舶・碼頭其他ノ設備ヲ買収シテ上海漢口線ニ加ハラントスル等、英支ノ先進汽船会社ニ伍シテ漸次斯業発展ノ歩ヲ進メタルガ、時運ハ日本人長江航運業者ノ統一経営ヲ促スコト切ナルモノアリシヲ以テ、四十年二月、渋沢栄一・荘田平五郎・益田孝・近藤廉平・岩永省一・中橋徳五郎・竹内直哉・田辺為三郎・白岩竜平・土佐孝太郎・田中市兵衛・藤田平太郎ノ十二氏ヲ創立委員トナシテ、第一回創立委員会ヲ東京ニ開催シ、同年三月前記四会社出資額及ビ新規資本ヲ併セ、資本金八百十万円ヲ以テ日清汽船株式会社ヲ設立スルニ至レリ。当時ノ重役次ノ如シ
  取締役社長  石渡邦之丞
  専務取締役  土佐孝太郎
  同      白岩竜平
  同      竹内直哉
 - 第8巻 p.309 -ページ画像 
  取締役    渋沢栄一
  同      近藤廉平
  同      中橋徳五郎
  監査役    有地品之允
  同      田辺為三郎
  同      田中市兵衛
当時ノ所有船舶及其噸数次ノ如シ
  汽船       十四隻  総噸数二九、三五三噸
  小蒸汽船     廿一隻    〃   五五九噸
  小蒸汽曳航客船  十七隻    〃   七八八噸
  躉船        十隻    〃 九、七六一噸
                合計 四〇、四六一噸
当時ニ於ル航路並ニ就航数次ノ如シ
  上海漢口線   六隻  毎週四回以上
  漢口宜昌線   二隻  毎月四回
  漢口湘潭線   二隻  毎週二回
  漢口常徳線   一隻  毎週一回
  鄱陽湖線    一隻  毎月六回
  上海蘇州線   三隻  毎日一回
  上海杭州線   四隻  毎日一回
  蘇州杭州線   四隻  毎日一回  小蒸汽船航路
  鎮江清江浦線  三隻  毎月廿回
  蘇州鎮江線   二隻  毎月十回
  鎮江揚州線  一〇隻     ―
爾来営業成績逐年好況ヲ示シ、大正七年資本金ヲ倍加シテ千六百二十万円トナシ、経営航路ニ於テモ順次左記新航路ヲ開拓シ、社業愈隆昌ヲ見タリ
一、大阪漢口線
 大正七年八月ヨリ大阪漢口線ヲ開始シ、社船永陵丸・巴陵丸及傭船ヲ以テ経営シタルモ、昭和五年以降休航セリ
一、支那沿岸線
 大正九年十月ヨリ南支航路ヲ開始シ、大正十五年ニハ更ニ北支航路ヲ開キ、昭和九年四月以降両線ヲ統一シテ支那沿岸航路ヲ開航シ、現在ニ至レリ
一、宜昌重慶航路
 大正十一年四月雲陽丸竣工シ、同航路ヲ開始シ、爾来新造船或ハ買収船ヲ以テ逐年増配今日ニ及ベリ
一、重慶叙州航路
 大正十三年七月開航セルモ、同年十月以降休航セリ
然ルニ昭和六年九月突発セル満洲事件以後ニ於ル日支紛争ハ、支那全土ニ於ル未曾有ノ抗日排日貨運動ヲ惹起シ、吾社ノ動脈タル長江沿岸ニ於テ最モ激烈ニシテ、吾社ハ為ニ深刻ナル影響ヲ蒙リ、遂ニ長江就航船ノ過半ヲ繋船シ、次デ巴陵丸・大福丸・大利丸・大亨丸・湘江丸等ヲ売却シ、極力陣容ノ建直シト社業ノ復興ニ努メ、輓近日支関係ノ
 - 第8巻 p.310 -ページ画像 
好転ニ伴ヒ漸次就航船ヲ増加シ現在ニ至レリ
昭和六年三月ニ於ル所有船舶噸数ト現在所有船舶噸数ヲ比較セバ、次ノ加シ
    昭和六年三月(満洲事件前) 昭和十一年四月
             総噸数           総噸数
  汽船   廿六隻  五三、八三八噸  廿一隻  四四、三二二噸
  小蒸汽船 廿一隻   一、六〇七噸  十九隻   一、四七〇噸
  躉船   十三隻  一六、八四一噸  十二隻  一六、三八〇噸
現在経営航路並ニ就航数次ノ如シ
  上海漢口線  六隻  毎月十七回
  漢口宜昌線  二隻  〃  五回
  漢口湘潭線  一隻  〃  三回
  宜昌重慶線  二隻  〃  六回
  支那沿岸線  三隻  〃  三回
  漢口常徳線  曳船艀 〃  三回
現在重役ハ次ノ如シ
  取締役社長 男爵 深尾隆太郎
  取締役      島村幡彦
  同        各務鎌吉
  同        大谷登
  同        村田省蔵
  監査役      須賀虎松
  同        佐藤兵太郎
                      以上


〔参考〕雨夜譚会所蔵文書 日清汽船株式会社(昭和二年七月廿日同社訪問)(DK080018k-0013)
第8巻 p.310-312 ページ画像

雨夜譚会所蔵文書
  日清汽船株式会社(昭和二年七月廿日同社訪問)
一、創立 明治四十年三月二十五日
一、資本金 八百拾万円(創立当時)千六百万円(現在)
一、場所 東京市麹町区八重洲町一の一(創立より明治四十五年迄)
     同有楽町一の一(明治四十五年より現在)
一、創立の目的 支那に於ける我邦人経営の海運業を統一し、且日支貿易の発展に資するに在り
一、創立までの沿革 大坂商船・日本郵船・湖南汽船及大東汽船の四株式会社か支那に於て有する各社分立航路の統一の必要を感じ、明治卅九年来政府に於てその出資合同を勧誘し、且つ航路補助金を給与することゝした。計画進捗と共に、政府は新会社創立委員を依嘱し、創立委員長青淵先生外拾一名(後加藤正義を新に加ふ)の委員を挙げた。依て右十三名は協議の上、資本金八百十万円の中八百万円を右四株式会社の出資負担とし、残額十万円を発起人たる創立委員の間に分割負担せしめた。かくて明治四十年四月一日より営業を開始した。
一、創立委員 委員長青淵先生 常務委員岩永省一・田辺為三郎・竹内直哉・白岩竜平・土佐孝太郎 委員荘田平五郎・益田孝・田中
 - 第8巻 p.311 -ページ画像 
市兵衛・藤田平太郎・近藤廉平・中橋徳五郎(加藤正義)
一、青淵先生との関係 創立委員長、創立と同時に即ち四十年三月廿五日取締役に就任、四十二年六月八日辞任。
一、創立後の沿革
 (イ)創立当時の航路
 命令航路 上海漢口線・漢口宜昌線・漢口湘潭線・漢口常徳線・鄱陽湖線・上海蘇州線・上海杭州線・蘇州杭州線・鎮江清江浦線
 自由航路 蘇州鎮江線・鎮江揚州線
 創立当時の所有船舶
        隻数   総噸数
   汽船   一四  二九、三五二
   小蒸汽  二一     五五九
     (但し所有船舶はこの外にもあるがそれは略して置く)
支店及出張所 上海及漢口の両支店、鎮江・九江・宜昌・重慶・長沙・蘇州・杭州等の拾五出張所
 (口)創立後業績の見るべきものなく、五年後の四十四年十月一日より四十五年三月末日に至る間の、営業報告書を見るに、所有船舶は却つて減少し、汽船は十二隻、小蒸汽は十九隻となつてゐる。なほ同半期の報告書内に次の如く示されてゐる。
  「当半期営業収入は動乱の為め一時各地とも避難者ありしを以て例年に比し船客運賃に於て増加を見たるも各地とも商取引は一時全く中絶し、出貨甚しく減少し貨物運賃は前年同期に比し著しく減少せしを以て利益頗る減殺されたるも、期末に及んで各地の人心稍々安堵し商業は革新の気運と共に回復上進の兆あり」云々。
 (ハ)何時もながら支那に於ける事業は、動乱に禍され、銀塊相場の変動に影響を受けるのであるが、欧洲大戦勃発後は銀塊の暴騰あり、加へて欧米方面よりの競争者姿を消して、日清汽船の業態は頗る揚り、大正五、六、七年と漸を逐ふて発展した。今大正七年四月より九月に至る営業報告書を示す。
  「当期は長江上流及湖南省に於ける南北争闘の余波を受け、人心不安にして商況一般に不振なりしも、春夏農作物の豊饒と、日用品必需品の欠乏とに由り、輸出・輸入共漸次活気を呈し、従て営業の経過順調なりしのみならず、当期中運賃引上を実行したると銀価異常の騰貴に依り収入の増加を来したり」
 なほ所有船舶は左の如し
       隻数   総噸数
   汽船  一六  三六、〇八四
   小蒸汽  九     二五三
 (ニ)七年七月資本金を千六百万円に増資す。
 (ホ)好景気は七年八年が絶頂で、九年には下向き、これが日清汽船の業績に現はれたことは、左の大正九年四月より九月に至る期間の営業報告書に見て明である。
  「当期は一般経済界尚萎微沈衰の裡にあり、荷動減少、運賃低落の為め、収益減退せるを以て極力経費を節減し、此の不況に備へ
 - 第8巻 p.312 -ページ画像 
たるも尚予期の成績に達せざりしは遺憾とす」
  但し所有船舶の増加したるは、支那に於ける我国経済勢力の進展の反影か。○増加数は七年対比
       隻数        総噸数
   汽船  一九(三隻増)  四三、一二二(約七千噸増)
   小蒸汽 一二(三隻増)     四一〇(約百五十噸増)
 (ヘ)爾来財界不況、動乱のため業績大して揚らず、今左に大正十五年十月より昭和二年三月末に至る期間の営業報告書を示す。
  「当期は南北沿岸線を除き長江各線は戦乱に由る各界の不況に加へ、工人の悪風潮、荷役費の暴騰を来し、一方銀相場の暴落は今期収益を甚しく減少したるも、他方英支間国際関係の硬化及南北軍争乱の余波として、英支船の停航は社船の活況を招来し相当の成績を挙げたり」云々
  但し所有船は依然増加○増加数は九年対比
       隻数        総噸数
   汽船  二〇(一隻増)  四四、一九〇(約千噸増)
   小蒸汽 一八(六隻増)   一、二四九(約八百噸増)
    ○
  日清汽船株式会社現況(昭和二年三月末日現在)
一、所在地 東京市麹町区有楽町一ノ一
一、資本金 千六百万円
一、支店、出張所及代理店
   支店 上海、漢口
   出張所 蕪湖、九江、宜昌、長沙、広東、重慶
   代理店 鎮江、南京、沙市、湘潭、常徳、廈門、汕頭、万県叙州、青島、天津、大連、香港
一、所有船舶       隻数    噸数
         汽船  二〇  四四、一九〇
         小蒸汽 一八   一、二四九
         合計  三八  四五、四三九
   ○右ハ「青淵先生関係会社調べ」トシテ昭和二年、雨夜譚会ニテ調査セルモノナリ。


〔参考〕日清汽船株式会社三十年史及追補 第三七―四六頁 〔昭和一六年四月〕(DK080018k-0014)
第8巻 p.312-317 ページ画像

日清汽船株式会社三十年史及追補 第三七―四六頁 〔昭和一六年四月〕
    ○大阪商船株式会社出資財産
一、船舶
    汽船之部
  大貞丸  総噸数  二千七百十一噸八三
  大利丸  同    二千二百四十六噸九七
  大吉丸  同    二千七十六噸〇九
  大福丸  同    二千八百三十六噸
  大元丸  同    千六百九十四噸六七
  大亨丸  同    千七百五十九噸六三
  鶴島丸  同    二十四噸三七
 - 第8巻 p.313 -ページ画像 
  海棠丸  同    十八噸一二
  勲丸   同    二十二噸八八
  海清丸  同    二十二噸一〇
   合計  十隻   一万三千四百十二噸六六
    倉庫船及艀船之部
  倉庫船  五隻   計五千四百八十三噸 (貞安号・利安号・吉安号・元安号・亨安号)
  艀船   十五隻
一、碼頭・桟橋
  上海
    碼頭   木造   二箇所
  鎮江
    桟橋   木造   一箇所
  南京
    桟橋   木造   一箇所
  漢口
    碼頭        一箇所
  宜昌
    碼頭        一箇所
一、地所
  上海         七千八十三坪二合五勺
    浦東       五千六百四十二坪四合二勺
    十六浦      六百五十七坪二合三勺
    楊子路 (バンド)七百八十三坪六合
  鎮江
    居留地      二百七十四坪一合五勺
  九江         七十四坪四合四勺
  漢口
    馬王廟      四百六十坪七合一勺
    日本居留地    四千五百十八坪
  岳州         千三十三坪五合
  沙市         千五百坪
  宜昌         八百五十坪
  重慶         千三百九十五坪
一、建物
  上海
    倉庫     浦東   三棟  煉瓦
    倉庫附属屋  同    一棟  同
    納屋     同    一棟  木造
    税関検査場  同    一棟  煉瓦
    税関吏住宅  同    一棟  同
    素倉     同    三棟  木造
    荷物方宿舎  同    一棟  支那風
    住宅     十六浦  一棟  木造
    事務所    楊子路  一棟  煉瓦
 - 第8巻 p.314 -ページ画像 
    倉庫     同    一棟  同
  鎮江
    事務所    一棟   洋風
  漢口
    倉庫     馬王廟  三棟  煉瓦
    素倉     同    二棟  木造
    倉庫附属屋  同    一棟  同
    事務所    同    一棟  煉瓦
    税関吏出張所 同    一棟  同
    倉番詰所   同    一棟  同
    巡査詰所   同    一棟  木造
  宜昌
    事務所         一棟  煉瓦
    倉庫          三棟  石造及煉瓦
    以上合計価格    参百七拾万円也
傭考 上海より宜昌に到る航路
    ○日本郵船株式会社出資財産
一、船舶
   汽船之部
  萃利   総噸数   九百六十二噸
  華利   同     千三十七噸
  南陽丸  同     三千五百八十八噸三三(当時建造中、噸数は竣工後のものを記入)
  襄陽丸  同     三千五百八十八噸三三(同右)
  岳陽丸  同     三千五百八十八噸三三(同右)
  匯山丸  同     三十四噸一一
   計   六隻    一万二千七百九十八噸一〇
   躉船及庫船之部
 躉船及庫船 四隻(ジョージエツタ・デーシー・ビービー・ツシスル)計三千四百七十六噸八〇
  艀船及通船之部
 艀船及通船    十隻
一、地所
  鎮江      百九十五坪
  蕪湖      四十五坪
  九江      千百坪
  大通      百八十六坪
  武穴      百八十六坪
  漢口英租界   九百四十坪
一、建物
  鎮江
  事務所兼倉庫        一棟
  番人小屋          一棟
蕪湖
  倉庫            一棟
  番人小屋          一棟
 - 第8巻 p.315 -ページ画像 
  九江
    社宅          一棟
    倉庫          一棟
    事務所         一棟
    買弁事務所(其他兼用) 一棟
  漢口 (英租界)
    事務所兼倉庫      一棟  煉瓦
    倉庫          一棟  木造
    吹抜小屋        一棟  煉瓦
     以上合計価格    参百弐拾九万円
備考 上海より漢口に到る航路
    ○湖南汽船株式会社出資財産
一、船舶
  汽船之部
  湘江丸  総噸数  九百三十五噸四二
  沅江丸  同    九百三十五噸四二
  武陵丸   同    千四百五十八噸五六
   計    三隻   三千三百二十九噸四〇
   躉船之部
  長安号  総噸数  六百三十噸
  湘安号  同    六百三十噸
   計   二隻   千弐百六十噸
   艀船之部
  艀船  二隻
一、碼頭
  長沙    一箇所
  湘潭    一箇所
一、地所
  長沙    二千八百九十八坪一合三勺
  湘潭    八百十七坪八勺
一、家具・什器  百八十二点
    以上合計価格    八拾壱万円也
備考 漢口より湘潭に到る航路
    ○大東汽船株式会社出資財産
一、船舶
    汽船之部
  環瀛丸  総噸数  十五噸一七
  義源丸  同    三十四噸四一
  澄源丸  同    三十四噸五七
  瑞舫丸  同    十三噸八三
  蓬莱丸  同    二十三噸〇八
  大昌丸  同    十五噸六三
  西安丸  同    二十一噸九五
  保安丸  同    二十六噸三二
 - 第8巻 p.316 -ページ画像 
  清江丸  同    二十二噸二五
  広陵丸  同    二十一噸一三
  洛陽丸  同    二十九噸九三
  奉天丸  同    二十八噸七三
  大東丸  同    二十八噸七三
  吉林丸  同    二十八噸七三
  江南丸  同    三十九噸二二
   小計  十五隻  三百八十三噸六八
    客船(被曳船)之部
  上海丸  総噸数  三十六噸
  蘇州丸  同    三十六噸
  同安丸  同    二十七噸
  裕安丸  同    二十九噸
  裕豊丸  同    二十九噸
  杭州丸  同    四十六噸六九
  松江丸  同    四十四噸〇九
  嘉興丸  同    四十四噸〇九
  湖州丸  同    三十九噸〇七
  呉江丸  同    七十一噸三六
  菱湖丸  同    七十一噸三六
  紹興丸  同    五十噸六十五
  海寧丸  同    五十噸六五
  仁和丸  同    五十噸六五
  銭塘丸  同    五十噸六五
  淮安丸  同    五十六噸二十七
  清河丸  同    五十六噸二七
   小計  十七隻  七百七十八噸八〇
    合計 三十二隻 千百七十二噸四八
一、碼頭
  上海     二箇所
  蘇州     一箇所
  杭州     一箇所 
  清江浦    一箇所 仮設備
一、地所
  蘇州     十畝九六四(一畝は約我二百坪に当る)
  杭州     二十四畝一〇五(同右)
一、家屋

  杭州   倉庫    一棟(但、三社共有)
  常州   事務所   一棟(同右)
  清江浦  事務所   一棟(仮設備)
一、航路灯
  銭山漾湖岸     二基
一、家具・什器     二百三十二点
  以上合計価格    金弐拾万円也
 - 第8巻 p.317 -ページ画像 
備考 上海/蘇州/杭州間、及蘇州/清江浦間航路
   ○右各社出資及現金払込ニ対シテ其引受株式ハ、
    大阪商船会社   七万四千三百五十株
    日本郵船会社   六万五千九百五十株
    湖南汽船会社   一万六千二百株
    大東汽船会社   四千株
        合計   十六万五百株
    残余現金応募株式千五百株ハ、岩永省一・石渡邦之丞・土佐孝大郎・加藤正義・田辺為三郎・竹内直哉・田中市兵衛・荘田平五郎・中橋徳五郎・益田孝・藤田平太郎・近藤廉平・男爵有地品之允・男爵渋沢栄一・白岩竜平ノ十五名各々百株ノ引受アリ。
   ○創立当時本社ハ東京市麹町区八重洲町一ノ一ニ定メ、後明治四十五年同区有楽町一ノ一ニ移転ス。
   ○同会社旗章ハ四十年三月二十六日制定ス。(白地ニ赤ノ横線四条)