デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
1款 東京鉄道組合
■綱文

第8巻 p.378-398(DK080024k) ページ画像

明治8年5月8日(1875年)

第五回会議ニ於テ鉄道会社発起華族等、栄一ヲ鉄道払下ニ関スル総理代人ニ推シ事務ヲ一任セントセシガ、栄一之ガ受諾ニ先立チ、是日鉄道払下見込書ヲ提示シテ協同履約ヲ求メ其盟約書ヲ得、六月十九日始メテ、代価三百万円七ケ年賦上納、之ニ年七朱ノ利子ニテ京浜間官設鉄道ヲ払下ゲラレン事ヲ太政大臣三条実美ニ出願ス。


■資料

鉄道会社会議要件録 第一巻・第三三―五五頁(DK080024k-0001)
第8巻 p.378-382 ページ画像

鉄道会社会議要件録 第一巻・第三三―五五頁
                  (株式会社第一銀行所蔵)
   ○第五回会議 明治八年五月六日第一国立銀行ニ於テ開之
                  出席人名
                       伊達宗城
                       久松勝成
                       山内豊範
                       井伊直憲
                       池田章政代理河原信可
                       松平茂昭代理武田正規
                       毛利元徳代理柏村信
                       大村純熙代理稲田又左衛門
                       亀井玆監
                       九条道孝代理藤井祐澄
                       徳川義宜代理白井武啓
                       伊達宗徳代理西園寺公成
                     員外
                       井上馨
                       渋沢栄一
右出席ノ各員ハ総理代人ノ撰挙ヲ議シ、其衆論ヲ以テ渋沢栄一ニ委托センコトヲ同人ヘ照会セリ、時ニ渋沢栄一ハ其請求ニ答フルニ先チ、此鉄道ヲ買下クルニ当リ政府ニ要求スヘキ事件ノ概目左ノ四件ヲ挙テ陳説セリ
    第一
此鉄道買下直段ハ向後軌道ヲ重複シ、川崎鶴見ノ鉄橋ヲ架スル等ノ修築ヲ竣了スルノ後ヲ計ラハ其概算応ニ金三百万円ニ至ルヘシ、然ラハ則之ヲ能ク買下クルニハ此立会ニ於テ其金額ノ徴集ヲ要セサルヲ得ス
 - 第8巻 p.379 -ページ画像 
    第二
右ノ三百万円ハ縦ヒ其遅キヲ為スモ、本年ヨリ七ケ年賦ヲ以テ払入ルニ非レハ政府之ヲ許可セサル可シ、然ラハ則此立会ニテハ毎年概算四拾三万円ノ金額ヲ集合スルコトヲ要スヘシ
    第三
右年賦ニテ払入ルヽ金額ニ対シテハ政府ヨリ定限ノ利足ヲ払ヒ出《(衍カ)》ス所ヲ以テ政府モ之ヲ便トナスヘシ、而シテ其利足ハ年七分迄ヲ以テ限リトスヘシ
    第四
此鉄道買下ケ直段ハ第一条ニ掲載スト云トモ、向後此鉄道ニ生スル所ノ純益金ノ高ヲ以テ総代価ニ対シ年八分ノ利益ニ当ル有ラハ宜シク此立会ニ於テ其買下ヲ乞望スヘシ
 但向後鉄道ノ盛衰ニヨリテ其損益増減スル所アルハ素ヨリ論ヲ俟タス
夫如此ヲ以テ此立会ニ於テハ右ノ要旨ヲ承諾シ、且金額徴集ノ確証有ルニアラサレハ縦令総理代人ニ任スルモ固ヨリ其効ナカルヘシ、仍テ出席ノ各位ハ前ノ数件ヲ協議シ、且金額徴集ノコトヲ決シ而後更ニ代人撰挙アランコトヲ弁説シ、又其詳細ヲ渋沢栄一ヨリ書面ヲ以テ発起者一同ヘ稟告シ、会議已ニ決定シテ後第六回会議ヲ催スヘキ事ヲ約シテ一同退散セリ

  明治八年五月八日渋沢栄一ヨリ発起ノ各位ヘ呈スル書簡
一翰啓上仕候、然者各位閣下御発起ノ上是迄数回御会議相成候鉄道建築ノ儀、第一回御集議ヨリ第五回迄ニテ追々其方向モ相転シ、詰リ今一層ノ御勉力ヲ以集合金額ノ招募被為在候ハヽ、其許可ノ有無ハ難測候得トモ政府ヘ対シ御上申ノ御手続ニモ可相運ニ付、弥以右上申ニモ相成候節ハ内ニシテ結社ノ順序外ニシテ政府ヘノ要求充分相貫候為メ、差向此立会ニ於テ各位閣下ノ総理代人御撰擢被成、立社ノ目途詳細御協議ノ上ニテ其施為之都合ハ総理代人ヘ委托シ、順次相運候様トノ御衆論ニヨリ右総理代人ヲ私ヘ御委任被成度趣御示命ノ段謹承仕候元来私儀ハ鉄道事業ニ於テ素ヨリ練熟ニモ無之ニ付、尊命ニ応シ其事務ヲ担当候儀モ無覚束候得共、是迄御懇親上之御頼談ニヨリテ毎会之御集議ニモ参与致シ、聊卑考モ具陳候ニ付自然第四回以後ノ御目的ニ帰着致シ御結社相成候儀ニ候ハヽ、追テ実際ノ事業ニ相臨候節ハ別段ノ御撰擢有之候共、夫迄ノ取扱方ハ御一同ノ清嘱ニ対シ応命尽力可仕ト奉存候、乍去、此御結社ニ付私儀ヲ総理代人ニ御撰任可被成候儀モ畢竟是迄ノ御集会ニ於テ御決議相成目的相達候上ノ事ニテ、若シ此資本ノ集合行届兼候歟、又ハ政府ヘ御要求被成候数件ニ於テ卑考ト逕庭有之候様ニテハ縦令此御撰擢ニ相応シ候トモ窮竟此事務ニ《(ヲ)》担当致シ兼候ニ付、不取敢右之要旨ヲ略記致シ供御廻覧候間篤ト御熟考ノ上、資本増加之儀並政府ヘ要求之件々等卑考ニ御応否之処早々御示命有之度候、尤モ右卑考ノ件ニ就テ政府ノ許可ト否トハ素ヨリ臆測仕兼候得共、凡百事創業之際ニハ先相当ノ目的ヲ以テ其企望ノ程限ヲ相立、而後事ニ処シ物ニ接セサレハ到底其落着ヲ得申間敷ニ付、先以御稟議申
 - 第8巻 p.380 -ページ画像 
上候儀ニ御坐候、就テハ御一同御協議之上前書資本増加之儀其外共御判定被成随テ総理代人御撰任之儀モ尚御再命有之度候、依テ爾来御会議相成候条款並卑考之件々共相添此段奉得御意候也
  明治八年五月八日            渋沢栄一
    徳川従一位様   承知
    伊達従二位様   承知
    池田従二位様   承知
    蜂須賀従二位様  承知
    徳川従三位様   承知
    毛利従三位様   拝承帰京ノ上可申聞候    家令
    池田従三位様   承知
    前田従三位様 従四位 承知
    亀井従三位様   承知
    松平正四位様   承知
    細川従四位様   承知
    山内従四位様   承候
    池田従四位様   承候
    伊達従四位様   承知
    松平従四位様   承知
    大村従四位様   承知
    井伊従四位様   承知
    池田従五位様   承知
    久松従五位様   租父従四位《(祖)》 承知
    池田従五位様   承知

  明治八年五月渋沢栄一発起各位ニ呈スル見込書
陸羽鉄道建築ノ会議第四回ニ及ヒ、新築ノ目的ヲ転換シ既成新橋横浜間ノ鉄道及ヒ一切附属ノ家屋器械等ヲ政府ヨリ買下ケ、其代価ハ年賦ヲ以テ上納シ、皆済ノ後全ク之ヲ此会社ヘ引取リ、社則ニヨリテ営業スヘキノ目的既ニ決定ニ出ス《(ツカ)》、因テ其代価ノ集合額及其年限並ニ政府ニ要求スヘキ諸件ノ要旨ヲ左ノ条款ヲ以テ之ヲ具陳ス、希クハ御協議アツテ各位御出金ノ額及ヒ御協同ヲ保スル所ノ別紙御盟約書ニ御記載相成御記名調印アランコトヲ
   ○別紙盟約書略ス、後出鉄道組合同盟締約書真本所載ト同ジ。
    第一条
新橋横浜間ノ鉄道及其附属器械家屋一切ノ実費ハ概算弐百五拾万円ノ額ニ在リ、然ルニ即今政府ニテ其軌道ヲ重複シ、且川崎鶴見ニ架セシ所ノ木橋ヲ鉄橋ニ更造スルノ見込アレハ、其要費ヲ五拾万円ト見積ルトキハ合計三百万円トナル、然則今之ヲ買下ケント欲シ其情ヲ政府ニ願請スルニ於テハ、先ツ此立会ニ其相当ノ金額ヲ徴集シ、各其期ヲ誤ラスシテ之カ出金スヘキ確証ヲ裁立スヘシ
    第二条
右代価ノ合計ハ唯其外見ノ臆算ナレハ実地ノ計算ヲ詳知スルニ当リ瑣少ノ相違アルヘシト雖トモ、到底此鉄道ヲ買下ケントスル上申ヲ為ス
 - 第8巻 p.381 -ページ画像 
ニ於テ従前政府ノ此鉄道ニ消費セシ実額ヲ詳知セントスルハ大体ノ目途ニ供スルニ過キスシテ、其売買市価ノ生スル所以ハ向後此鉄道ニ得ル所ノ純益金ヲ以テ其市価昂低ヲモ為スヘキニ在レハ、此買下ケヲ政府ヘ上申スルニ臨ミ、第一此鉄道開業後ニ於テ真成ニ生シタル純益金ヲ亮知シ、其分量ニヨリテ向後ノ純益金ヲ推算シ以テ此買下代価ヲ定ムルヲ要スヘシ、尤モ右目的ノ合計ニ於テハ実地ノ計算ヲ詳知ノ後拾五万円乃至弐拾万円ノ差違アルモ次条ノ純益金推算ニ相当セハ此買下ケヲ望ムコト勿論タルヘシ
    第三条
第二条ノ目的ニヨリテ此買下ケ代価ノ総額並向後此鉄道ニ付テ生スル純益金ヲ推算シ、壱ケ年ニ付純益金ノ割合ノ総代価ノ八分ニ壱ケ年百円ニ付八円ノ割達スルアラハ宜シク此買下ケヲ政府ニ願請スヘシ
 但此八分ト見込ムハ現場ノ実況ニ就テ推算スヘキナレハ、向後此鉄道ノ盛衰ニヨリテ純益金ノ増減アルハ固ヨリ論ヲ俟タス
    第四条
第一条ノ買下ケ代価合計三百万円ハ向後七ケ年賦ト取究メ、今玆ニ明治八年十二月ヨリ明治十五年六月迄毎年両季十二月六月ニ総額ノ十四分ノ一即チ金弐拾壱万四千円余ヲ集合シテ政府ヘ上納スヘシ
 但右徴集金額ノ低当《(抵)》ハ則年々ノ家禄中ニ関着スルヲ以テ、其由ヲ政府ヘノ願請書中ニモ記載シテ其目的ノ確実ナルヲ証明スヘシ
    第五条
右ノ年賦ヲ以テ政府ヘ上納スル金額ハ此鉄道ニ付テノ資本ナレハ、年限中毎季上納ノ高ニ応シ此鉄道ヨリ生スル損益金ノ分賦ヲ担当スヘキ権理アリト雖トモ、想フニ政府実施ノ際自カラ多少ノ紛冗ヲ生シ、且此鉄道附属器械其他臨時修繕等ニ於ケルモ之ヲ立会ニ議スルカ如キ手数ヲ引起シ、随テ計算モ錯雑スルノ患ナキ能ハスシテ恐クハ政府モ之ヲ厭フナキニアラサルヘシ、因テ此年賦上納金ハ皆済ニ至ル迄単ニ政府ヘ貸上ケタルモノト看做シ、利足ヲ定メテ毎年其上納高ニ応シ政府ヨリ之ヲ受取ルヲ以テ便宜ノ方法トナスヘシ
    第六条
右利足ノ割合ハ年七分百円ニ付七円トナシ、年賦金上納ノ月ヨリ月割ヲ以テ毎年六月十二月両度ニ之ヲ受取ルヘシ、尤モ年賦金上納ハ其月ノ五日迄ニ必ス納入ル可シ
    第七条
年賦金上納済ノ後ハ此鉄道及一切ノ器械家屋等ヲ政府ヨリ受取リ、此営業ヲ永続スヘキニ付、右年限中モ此立会ニ総理代人其他相当ノ役員ヲ設置シ、毎年此鉄道事業ノ実況及其損益計算等常ニ政府ニ乞フテ之ヲ詳知シ、他日交受ノ後ノ其営業ノ方法ヲ画策スヘキニ備フ可シ、尤モ年限中其実況及計算ヲ詳知センカ為メ政府ヘ対シテ相当ノ約束ヲ要スヘシ
    第八条
年賦金上納済ノ後、此鉄道ヲ政府ヨリ受取ルニ当ラハ軌道其外附属器械家屋等一切物件ノ相応ノ修繕有ル在テ、其節ノ営業ニ差支ナキ有姿ヲ以テ之ヲ受取ルヘキ事ヲ政府ニ対シテ相当ノ約束ヲ要ス可シ
 - 第8巻 p.382 -ページ画像 
    第九条
年賦上納ノ為メ其金額ノ集合方及政府ヘ上納ノ手続且政府ヨリ受取ルヘキ利足等ノ事務ハ、第一国立銀行ニ約束ヲ結ヒ其事件ヲ取扱ハシム可シ
    第十条
前数条ノ目的ヲ以テ此鉄道買下ケノ事ヲ決議シ、且其金額ノ徴集割合ノ定マルニ至ラハ其願請ヲ速ニ政府ニ上申シ、且向後此立会ノ定款申合セ規則等ヲ草案シ、集議ノ上大体ノ要旨ヲ決定スヘシ
 但此立会ニ於テ集合スル金額ヲ通常ノ会社ノ株金方法ノ如キニ処シ其売買方例ノ如キ宜シク之ヲ定款申合セ規則ニ於テ定メ置ク可シ
    第十一条
右願請ニ付臨時ニ生スル当務ハ此条款ニ掲載スル要旨ニ齟齬セサル上ハ、総理代人ノ考案ヲ以テ相当ノ処置ヲ為スコトヲ得ルヘシ
    第十二条
此総理代人ハ此立会ノ事務ヲ総テ担任スル者ト雖トモ、或ハ政府ニ願請スヘキ書面ヲ草定シ、或ハ此鉄道買下ノ金額ヲ定メ或ハ向後此立会ニ付テノ規則等ヲ設立スルカ如キハ、総テ一同ノ集義ニ係ケ以テ之ヲ決定スルヲ要ス
    第十三条
此総理代人ハ鉄道買下ケノ願請ヲ政府ニ上申シ以テ許可ヲ得ルニ至ラハ、乃ナ《(チ)》政府ニ対シテ其相当ノ約束ヲ乞ヒ、且年限中此買下ケ代価ノ上納方及利足受取方並ニ他日此鉄道ヲ政府ヨリ受取リタル後ノ営業方法等ヲ審接シ、以テ一同ノ会議ニ決定セシムルカ如キ事般ヲ取扱フニ止リ、他日此鉄道ヲ受取ルノ後ハ更ニ相当ノ人撰ヲ為シ以テ其実務ヲ担当セシムルヲ要スヘシ
右ハ此結社ニ関スル要旨繄件《(緊カ)》ノ卑考ナリ、希クハ尚各位閣下ノ高案ヲ以テ相当ノ御取捨有之早々御決議御示命相成度候也
  明治八年五月八日            渋沢栄一


鉄道会社会議録 写(DK080024k-0002)
第8巻 p.382-385 ページ画像

鉄道会社会議録 写           (渋沢子爵家所蔵)
    第七回会議 八年五月二十一日 浅草茅町徳川邸
                  出席人名
                       伊達宗城
                       池田慶徳
                       池田茂政
                       伊達宗徳
                       榊原政敬
                       池田章政
                       井伊直安
                       池田徳潤
               九条道孝代理  期山幾順
               蜂須賀茂韶代理 香川純一
               徳川義宜代理  内藤  《(原本欠字)》
               毛利元徳代理  柏村信
 - 第8巻 p.383 -ページ画像 
               松平茂昭代理  武田正親
               山内豊範代理  仙石起斉
               前田利嗣代理  矢部成章
               大村純熙代理  稲田又左衛門
               久松定謨代理  菅良明
               池田輝知代理  吉田恭敬
 右出席之各員再度金額ノ増減ヲ決議スルモノ左ノ如シ
   但シ本日モ七ケ年ニ縮メ猶一層ノ増加ヲ議ス
    縮年出金無異議且増加スル者
 一金五千円                九条道孝
 一同弐千円                池田慶徳
 一同壱万六千百円             徳川義宜
 一同拾壱万円               毛利元徳
 一同七千円                榊原政敬
    縮年出金無異議シテ増加セサル者
                      山内豊範
    縮年出金ヲ不同最前決定ノ年額ヲ七ケ年間可出ト云フ者
                      前田利嗣
一本日ノ会議ニ於テ前会ト確然無異者ハ不載之
      前回金額増加ノ分
 一五千円                 伊達宗城 同宗徳
 一同壱万円                井伊直憲
 一同壱万八千円              大村純熙
 一同三千五百円              井伊直安
 一同五千円                久松定謨
  合金四万千五百円
     前回減額ノ分
 一同壱万九千弐百円            亀井玆監
 一同四万八千円              松平茂昭
 一同九万弐千円              徳川義宜
 一 三万円                前田利嗣
 一 三万六千円              山内豊範
  合金弐拾弐万五千三百円
 前会集金総額
  金弐百五十三万千円
   内増減差引左ノ如シ
    金拾八万三千八百円
 残テ弐百三十四万七千弐百円
     本日前会ヨリ増加ノ分
 一金五千円                九条道孝
 一同弐千円                池田慶徳
 一同拾壱万円               毛利元徳
 一同壱万六千百円             徳川義宜
 一同三万六千円              山内豊範
 - 第8巻 p.384 -ページ画像 
 一同七千円                榊原政敬
  合拾七万六千百円
   金弐百三十四万七千弐百円       前会集金総額
   同拾七万六千百円           本日増加金額
   同拾四万円            香川純一見込之分
 三口合
  企弐百六拾六万三千三百円        現迂集金額《(在カ)》
  此処ニ鉄道価三百万円ト見傚シ不足金左ノ如シ
   金三拾三万六千七百円
一本日決議三拾万余円不足ヲ生ス此不足ヲ補フニ於テ各自区々ノ議アリ、遂ニ七年ノ利子ヲ帖ムト帖サルト二ツニアリ、依テ其畳ムト畳サルヲ各自ノ見込ニ任セテ其存意ヲ問フ、毛利元徳徳川義宜帖ムヲ不欲、亀井玆監井伊直憲ノ如キハ本人並代理人出頭セサルニ付分明ナラズ、依テ暫ク其帖ヲ欲ル者ノ全額ヲ合セ池田徳潤香川純一是ヲ算計シ、来ル二十四日正午ヲ期シ該邸ニ再会シ熟議センコトヲ約シテ各自退散ス
   ○此会議録ハ鉄道会社会議要件録トハ別本ナリ。従テ第七回会議ハ要件録中ノ同回会議ト異ナル。次掲第八回会議モ同様ナリ。第一銀行所蔵ニ係ル鉄道会社会議要件録ハ真本、鉄道会社会議録及後掲ノ鉄道回章留ハ組合華族ノ控書ニシテ渋沢家ニテ書肆ヨリ購入セルモノ。

    第八回会議 明治八年五月廿四日浅草茅町徳川慶勝邸ニ於テ
                      徳川慶勝
                      伊達宗城
                      池田慶徳
                      池田茂政
                      亀井玆監
                      山内豊範
                      池田章政
                      松平頼聡
                      久松勝成
                      伊達徳潤《(マヽ)》
               九条道孝代理 藤井祐澄
               蜂須賀茂韶同 香川純一
               徳川茂承同  森義武
               毛利元徳同  柏村信
               松平茂昭同  武田正規《(マヽ)》
               前田利嗣同  矢部成章
               井伊直憲同  金田師行
               大村純熙同  山川前炷
               池田輝知同  吉田恭敬
 右出席之各員ハ前会ノ叙次ヲ逐ヒ其決議スルモノ左ノ如シ
    第一条
前会既ニ不足ノ三拾三万六千七百円ヲ補フニ利子以《(ヲ脱)》テスヘキノ議ニ与
 - 第8巻 p.385 -ページ画像 
同スル者ノ其金員ヲ各算合計スルニ、到底不足スルニ非サルモ、初メ両三年間ノ不足、此繰替ヲ或ハ第一銀行ニ談スルカ、或ハ同族ノ加入ヲ俟ツカ両論相半スレトモ、大体ノ不足ナキ、玆ニ至ルヲ以テ決ヲ後会ニ期ス
    第二条
前条徴集ノ金額目途稍達スルニヨリ、惣理代人ヘ月謝ノ金額ヲ定メント投票法ヲ用ユ、其多数ナルヲ以テ壱百円ニ決ス
    第三条
渋沢栄一嚮ニ稟告スル所ノ十有余条及ヒ盟約保証等ノ草案ニ至ル衆議ヲ尽シ、其徴集金額担保定限ノ証案末文中、向後此出金ノタメニハ各其年ノ家禄云々トアルヲ、向後此出金違約ヲ生スル時ハ各其年ノ家禄云々ニ改ム、余条異議ナシ
    第四条
本日出金ヲ増加スル者、次ニ加入スル者並ニ次条項書ノ如シ
其始決定セル拾万円ニ復シ是ヲ七ケ年ニ分賦
年壱万四千弐百八十五円余ヲ出シ利金ハ心《(必)》シモ入手ヲ要セス
                      前田利嗣
七ケ年縮年スルモ猶其初決スル拾六万円ヲ出シ且ツ三万六千円ヲ増加シ年毎ニ弐万八千円ヲ出スヘシ利足同上
                      松平頼聡
本日加入拾万五千円ヲ七ケ年ニ分賦年壱万五千円ヲ出シ利金ハ必ス入手ヲ要ス
  但前会拾四万円ト見込ノ分
                      徳川茂承
差引前会ノ惣計ヨリ
 其全ク増加スルコト六万五千円
            減スル所三万五千円
其三百万円ニ全ク不足利金ヲ加算セススルコト三拾万〇六千七百円
右決定ニヨリ来ル廿六日第一国立銀行ニ第九回会議ヲ催シ、且渋沢栄一ヘ附スヘキ証書約書等ヲ授シコトヲ約シテ各退散セリ


鉄道会社会議要件録 第一巻・第六三―六六頁(DK080024k-0003)
第8巻 p.385-386 ページ画像

鉄道会社会議要件録 第一巻・第六三―六六頁
                   (株式会社第一銀行所蔵)
   ○第六回会議 明治八年五月廿六日第一国立銀行ニ於テ開之
                 出席人名
                      松平頼聡
                      池田章政
                      伊達宗徳
                      榊原政敬
                      毛利元徳
                      徳川慶勝
                      井伊直安
                      久松定勝
                      井伊直憲
 - 第8巻 p.386 -ページ画像 
                      池田茂政
                      伊達宗城
                      池田慶徳
                      山内豊範
                      亀井玆監
                      池田徳潤
                      蜂須賀茂韶代理賀川純一
                      九条道孝代理朝山常順
                      徳川茂承代理三浦安
                      大村純熙代理稲田又左衛門
                      松平茂昭代理武田正規
                      前田利嗣代理矢部成章
                    員外 渋沢栄一
右出席ノ各員ハ前会決議ノ通リ政府願請ノ要旨ハ渋沢栄一ヨリ五月八日附ヲ以テ開申シタル見込書ニ協同シ、順次相運フコトヲ同人ニ委托セリ
前件渋沢栄一ニ委托スルヲ以テ、政府ヘ上申ノ書牒並ニ盟約書等ニ調印ノ為メ来ル六月一日第七回集会ニ於テ取行フヘキコトヲ約シテ各退散セリ
    政府ヘ上書案○同文鉄道御払下願書トシテ後出
   ○次ギニ掲グル鉄道回章第八回会議ノ記事ハ会議ノ日附ヨリスレバ本項ト同一ノモノナレドモ、出席人名ニ差異アリテ、記事ハ更ニ詳細ニ及ベリ。


鉄道回章留(DK080024k-0004)
第8巻 p.386-387 ページ画像

鉄道回章留                 (渋沢子爵家所蔵)
昨十六日会議録為御心得及廻達候也
  八年五月二十七日            池田慶徳
    第八回会議八年五月二十六日海運橋第一国立銀行
                  出席人名
                       徳川慶勝
                       伊達宗城
                       池田慶徳
                       亀井玆監
                       井伊直憲
                       久松勝成
                       松平頼聡
                       伊達宗徳
                       榊原政敬
                       山内豊範
                       池田章政
                       毛利元敏
                       池田徳潤
                       井伊直安
               九条道孝代理  朝山常順
               蜂須賀茂韶代理 香川純一
 - 第8巻 p.387 -ページ画像 
               徳川茂承代理  三浦安
               徳川義宜代理  内藤能弘
               松平茂昭代理  武田正規
               毛利元徳代理  柏村信
               前田利嗣代理  矢部成章
               大村純熙代理  稲田又左衛門
               池田輝知代理  吉田恭敬
               毛利元忠代理  柏村信
一本日加入金額如左
  四千七百円但シ一ケ年七百円        毛利元忠
  壱万四千円但シ一ケ年弐千円        毛利元敏
一井伊直憲七ケ年間ノ利子ヲ繰込ミ元高ニ結フコトヲ申ス
一松平頼聡出金ノ額ハ年ニ弐万八千円七年間ニ拾九万六千円ヲ出ス、再査ノ上前回違算ニ付是ヲ演述ス
一三浦安出頭徳川茂承ノ委任状ヲ以テ自今該件ノ代理タルコトヲ衆ニ告リ
一徳川茂承代理三浦安発論、集金総額既ニ弐百七拾壱万八千弐百円ニ至ル、而シ其不足ノ額僅ニ弐拾八万千八百円ナリ、是ヲ算スルニ、出金ノ総額ヘ一割一歩ノ増加ヲ出ストキハ、借入レ金ニ不及、且各自ノ利子モ亦収入スヘシト、於是衆議半ハ同論ナリ、仍テ是ヲ衆ニ告リ
 伊達宗城・伊達宗徳・池田慶徳・池田輝知・池田茂政・池田章政・蜂須賀茂韶代理・池田徳潤・松平頼聡・大村純熙・前田利嗣・久松勝成・井伊直憲・井伊直安・榊原政敬無異議ヲ陳ストイヘモ《(ト脱カ)》其他ハ次会ニ決答センコトヲ演述ス、故ニ来月一日該所ニ再会シテ熟議ノ上盟約書ニ調印センコトヲ約シ、渋沢氏ヘハ伊達宗城ヨリ本日ノ転末ヲ陳シ各自退下ス


鉄道会社会議要件録 第一巻・第七一―七六頁(DK080024k-0005)
第8巻 p.387-388 ページ画像

鉄道会社会議要件録 第一巻・第七一―七六頁
                  (株式会社第一銀行所蔵)
   ○第七回議《(会脱)》 明治八年六月一日第一国立銀行ニ於テ開之
                  出席人名
                       徳川慶勝
                       伊達宗城
                       伊達宗徳
                       久松勝成
                       池田章政
                       井伊直安
                       毛利元敏
                       榊原政敬
                       亀井玆監
                       池田茂政
                       池田慶徳
                       井伊直憲代理金田師行
 - 第8巻 p.388 -ページ画像 
                       池田徳潤
                       池田輝知代理吉田恭敬
                       徳川茂承代理森義武
                       前田利嗣代理矢部成章
                       大村純熙代理稲田又左衛門
                       松平頼聡代理三宅十郎
                       松平茂昭代理武田正規
                       蜂須賀茂韶代理賀川純一
                       九条道孝代理朝山常順
                    員外 渋沢栄一
右出席ノ各員ハ前会決議ノ通リ願書並盟約書ニ各調印シ、願書ハ各員ノ中ヲ以テ政府ニ上達スヘキコトヲ任シ、盟約書ハ渋沢栄一ニ交附シ且左ノ五件ヲ決議セリ
    第一
向後此集会ハ第一国立銀行ノ館内ヲ借受ケ以テ之ヲ開クヘシ
    第二
鉄道払下ケノ許可ヲ得ルニ至ラハ、向後此立会ニ於テ使用スヘキ役員ハ此鉄道ヲ政府ヨリ受取ルニ先チ見込ヲ立テヽ其雇入ヲ為スヘシ
    第三
年賦上納金並政府ヨリ御下ノ利足金等取扱ノ事務ハ、第一国立銀行ヘ依頼スヘシ
 但右ノ依頼ヲ為スヘキニ於テハ追テ銀行ト協議シ、其相当ノ約束ヲ取結フヘシ
    第四
鉄道買下ケ願済之上ハ、此鉄道受取方ニ付政府ニ取結ムヘキ条約書及立会中ノ申合規則等ノ草案ハ、渋沢栄一ニ委托シ、其考案ヲ作ラシムヘシ
    第五
月費ハ即今弐百円ヲ目的トシテ渋沢栄一ニ付托シ、書記ノ給料其外小費ノ支給ニ充タシムヘシ右議事畢リテ各退散セリ
 但書記役両名小使一名ハ差向キ雇入ヘシ
 此盟約書及政府ヘ上申書ハ前ニ記載スルニ付略之
   ○鉄道回章同日ノ記事ヲ左ニ掲グ。


鉄道回章留(DK080024k-0006)
第8巻 p.388-391 ページ画像

鉄道回章留               (渋沢子爵家所蔵)
六月八日午前第十一字、去ル一日会議録榊原家ヨリ回達、則
    第拾回第一国立銀行六月一日
                      徳川慶勝
                      伊達宗城
                      池田慶徳
                      池田茂政
                      亀井玆監
                      久松勝成
                      松平頼聡
 - 第8巻 p.389 -ページ画像 
                      池田章政
                      榊原政敬
                      毛利元敏
                      井伊直安
                      池田徳潤
              九条道孝代理  朝山常順
              蜂須賀茂韶代理 香川純一
              徳川茂承代理  三浦安代
                        森義武
              徳川義宜代理  内藤能弘
              毛利元徳代理  笠原昌吉
              松平茂昭代理  武田正規
              井伊直憲代理  金田師行
              山内豊範代理  仙石起斎
              前田利嗣代理  矢部成章
              大村純熙代理  稲田又左衛門
              池田輝知代理  吉田恭敬
              毛利元徳代理《(マヽ)》  笠原昌吉
此出席ノ人員、前回ノ次第ヲ逐ヒ順次ニ発論シ、且決スルモノ左ノ如シ
第一条 三浦安左ノ条件ヲ陳述シ衆之ヲ可トス
 一金高割増ヲ以テ借入ヲ止ムル事
 一若割増不承知ノ人有之ハ承知ノ人員ヘ尚割増致シテモ不苦事
 一約条調印名順ハ出金高ノ多少ヲ以テスヘシ、同高ハ位階ニ順スヘシ
 一徳川茂承ハ此一件悉皆三浦安ヘ委任之儀一同承諾ノ上ハ以後廻達等直ニ同人ヘ通知ノ事但シ同人宿所蠣殻町三丁目壱番地
第二条 前回金額不足ナルヲ以テ各自出金ニ一割一分ヲ増加センコトヲ発論シ、該回ニ決答シテ無異論スルモノ左如シ
                      徳川義宜
                      松平茂昭
                      毛利元徳
                      山内豊範
                      毛利元敏
                      毛利元忠
 於是其徴集ノ金額ヲ惣計スルニ、三百〇壱万六千六百五拾弐円ニ至ル、而テ東京横浜間ノ鉄路滊車概価三百万円ナルトキハ壱万六千六百五拾弐円ノ余金ヲ出ス、其計算如左
 金額総計
  三百〇壱万六千六百五拾弐円也
   内三百万円      鉄道滊車払下ケ概
    残壱万六千六百五拾弐円也
    此一ケ年分 弐千三百七拾八円八拾五銭七厘壱毛
    此半季分  千百八拾九円四拾弐銭八厘五毛
    此一ケ月分 百九拾八円弐拾三銭八厘
 - 第8巻 p.390 -ページ画像 
 此余金ハ他日割戻スモノト雖当時ニ於テハ前過額ノ儘出金スルノ可否ヲ議ス、衆過ノ儘出金シ他日割戻スヲ可トス
第三条 左ノ件々ヲ議ス
 一総代理人始ヘノ月謝定額及諸雑費一月弐百円ヲ以テ渋沢栄一ヘ委任ノコト
 一収納払下金ハ銀行ヘ調査以下ノ事ヲ拕《(托カ)》シ其手数料等ノ如キハ銀行ノ則ニ傚ヒ条約可取結コト
  本日ノ集会ニ於テ鉄路払下ノ価格充足スルニ付、総代理人ト取換ス所ノ約条書ヘ各自連印ス
  政府ノ条約並年限利子等ハ願請許可ヲ得ルノ日ニ於テ評議ノ末可相定コト
第四条 鉄道払下ノ儀政府ヘ願請及代価年賦利息等出納ヲ渋沢氏ヘ総代理人ヲ委任致ニ付、其事務取扱ノタメ両名ノ書記役給料其他雑費且渋沢氏ニ対シテ支与スル歴労月謝一ケ月弐百円ヲ以テ限トシ、渋沢氏ヘ倚拕《(托カ)》スルノ可否ヲ証券界紙ニ記シテ各自ニ問フ、衆異議ナキヲ表シテ押印シテ可ナルヲ答フ
第五条 渋沢氏ヘ面接シテ、既ニ調印スル条約書及ヒ出金ノ額数名簿ヲ渡シ、且収納払下ノ金額利子出納総理代人ヲ委任スルノ条ヲ陳述ス、条約書並出金名簿如左
  九条道孝代理朝山常順書取ヲ以テ道孝留守中ニ付帰京ノ上調印ニ及フ旨ヲ陳ス、前田利嗣代理矢部成章書取ヲ以テ利嗣本日不参ニ付他日調印ニ及フ旨ヲ述フ、松平慶永不参ニ付他日調印ノ筈ナリ
第六条 渋沢栄一ヨリ政府ヘ払下ケ願請ノ草按ヲ衆ニ示シ、各自ノ可否ヲ問フ、衆無異議、但シ文中嚮キニ青森ニ達スルノ鉄道築設セント願請セシ云々ノ数語ハ実事ト齟齬スルヲ以テ、之レヲ刪削センコトヲ宗城慶徳発論シテ衆同意ナルヲ以テ之ヲ削去ス、其願書按左ノ如シ
  但シ当名太政大臣殿且名前ハ位次記之各自調印ス、慶勝浄書ノ上各家順達調印ノ上進達ノコトニ決ス
 願書案ハ過日順達ト同文ニ付之ヲ略ス
第七条 渋沢氏左ノ条件ヲ陳シ、衆亦無異議、万般同氏ヘ委任ス
 一集会所自今第一銀行ト定メ兼テ相頼置ノコト
 一書記両名小使一人タルヘキコト
   但シ此人員撰挙渋沢ヘ委任ノコト
 一七ケ年ノ後鉄道ヲ引請フノ《(ルカ)》時ニ至リ、其運転以下諸般ノ主務以下ノ人体今日ヨリ凡其人ヲ撰ヒ、其修業ヲナサシムヘシ、其修業ノ如キ雑費歴労ノ月謝定額ノ外タルヘシ、尚再議ニ次スヘキコト
 一鉄道出金ニ株券ヲ製シ、他日譲替其他社中ノ人員中出金ニ障碍ヲ生スルトキノ予備トスヘキコト
 一収納並払下ケ利子金調査繰替其他ノ金銀ニ買《(関カ)》スル取扱ヒ並ニ当坐預リ等銀行ヘ依頼シ、其手数料ノ如キハ銀行条例ニ従ヒ他日約条可取結コト
 一社中申合規則ノ按ヲ起スヘキコト
  但渋沢氏ヘ拕《(托カ)》ス
 - 第8巻 p.391 -ページ画像 
右件々議定ノ末改メテ左ノ件々ヲ渋沢氏ヘ依頼スルノ旨ヲ陳述ス
一願請許可ノ上政府ト条約ノ件々並草按ノコト
一弐百円以《(ヲ脱)》テ雑費以下月謝支給引受取賄ノコト
畢テ渋沢氏依頼ノ件々ヲ承諾シ、且ツ本人近々浪花江出向スルニ付先ツ書類ヲ以伊藤工部卿ヘ其大略ヲ陳述スル旨ヲ告ク、此ニ於テ各自ハ将来ノ該件ニ於テ細大ナク仍頼スルノ旨ヲ述テ退散ス
   ○第六条及第七条ハ後日追加セシモノ歟。


鉄道組合同盟締約書真本(DK080024k-0007)
第8巻 p.391-393 ページ画像

鉄道組合同盟締約書真本        (株式会社第一銀行所蔵)
    鉄道会社盟約書
我儕爰ニ協同結社シテ其資本ヲ徴集シ、新橋ヨリ横浜迄ノ鉄道ヲ年賦ヲ以テ政府ヨリ買下クル事ヲ願請スヘキニ付テハ、其集合金ハ此約書ノ末ニ記載スル員額ニ照シ、毎年上納ノ期限ニ於テ各相出金スル事ヲ担保シ、且此願請ノ要旨ハ都テ別紙渋沢栄一ヨリ開申シタル見込書ニ協同シ、順次相運候様同人江委托スヘシ、其証トシテ我儕ハ各自姓名ヲ記シ調印イタシ候也
  明治八年六月一日
                    蜂須賀茂韶代理小室信夫
                    毛利元徳(印)
                    徳川慶勝(印)
                    徳川義宜(印)
                    池田慶徳(印)
                    池田輝知(印)
                    松平頼聡
                    池田茂政(印)
                    池田章政
                    山内豊範(印)
                    松平慶永(印)
                    松平茂昭(印)
                    伊達宗城(印)
                    伊達宗徳(印)
                    徳川茂承代理三浦安(印)
                    久松勝成(印)
                    久松定謨(印)
                    前田利嗣(印)
                    井伊直憲(印)
                    大村純熙(印)
                    亀井玆監
                    毛利元敏(印)
                    榊原政敬(印)
                    池田徳潤(印)
                    毛利元忠(印)
                    九条道孝
                    井伊直安(印)
 - 第8巻 p.392 -ページ画像 
    鉄道会社徴集金額担保定限
 一七十七万七千円           蜂須賀茂韶代理小室信夫
 一三十八万八千五百円         毛利元徳(印)
 一弐十五万六千四百十円        徳川慶勝(印)徳川義宜(印)
 一弐十四万八百七十円         池田慶徳(印)池田輝知(印)
 一弐十一万七千五百六十円       松平頼聡
 一拾七万弐千五十円          池田茂政(印)池田章政
 一拾三万三千弐百円          山内豊範(印)
 一拾弐万四千三百二十円        松平慶永(印)松平茂昭(印)
 一拾壱万六千五百五拾円        伊達宗城(印)伊達宗徳(印)
 一拾壱万六千五百五十円        徳川茂承代理三浦安(印)
 一拾壱万六千五百五十円        久松勝成(印)久松定謨(印)
 一拾壱万千円             前田利嗣(印)
 一七万七千七百円           井伊直憲(印)
 一六万九千九百三十円         大村純熙(印)
 一五万五千五百円           亀井玆監
 一壱万五千五百四十円         毛利元敏(印)
 一七千七百七拾円           榊原政敬(印)
 一五千五百五拾円           池田徳潤(印)
 一五千弐百拾七円           毛利元忠(印)
 一五千円               九条道孝
 一三千八百八拾五円          井伊直安(印)
  〆高三百壱万六千六百五拾弐円
右ノ目途金額集合ノ期限ハ別紙見込書第四条ノ通各其出金ヲ担保スヘシ、尤モ其時日ハ追テ政府ヘ願請許可ノ上ニテ決定スヘシ
買下代価モシ此目途金額ニ超ユレハ各負担スル割合ニ従テ出金ノ額ヲ増加スルカ、又ハ他ニ新加入ヲ募ルカ、其時ノ協議ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
右担保スル金額ハ都テ其家禄ノ中ヲ以テ此抵当ニ目算セシニ付向後此出金違約ヲ生スルトキハ、各其年ノ家禄請取方ヲ総理代人ニ委托シ、万一モ此集合金ノ期限ヲ違ハサル事ヲ証トスヘシ
右ノ通徴集金額ヲ相定且其出金方ヲ保証イタシ候也
  明治八年六月一日
   ○別紙見込書附載セス、蓋シ前掲鉄道会社会議要件録第一巻(第四四―五五頁)所載「明治八年五月渋沢栄一発起各位ニ呈スル見込書」ヲ云フ。
   ○同盟華族ノ旧藩ハ左ノ如シ。
      久松定謨  旧松山藩主久松勝成ノ嗣
      毛利元忠  旧清末藩主
      池田輝知  旧鳥取藩主池田慶徳ノ嗣
      池田徳潤  旧福本藩主
      毛利元敏  旧豊浦藩主
      井伊直安  旧与板藩主
      大村純熙  旧大村藩主
      前田利同  旧富山藩主
 - 第8巻 p.393 -ページ画像 
      池田章政  旧岡山藩主池田茂政ノ嗣
      榊原政敬  旧高田藩主
      前田利嗣  旧加賀藩主
      山内豊範  旧高知藩主
      松平頼聡  旧高松藩主
      井伊直憲  旧彦根藩主
      久松勝成  旧松山藩主
      伊達宗徳  旧宇和島藩主伊達宗城ノ嗣
      松平茂昭  旧福井藩主松平慶永ノ嗣
      亀井玆監  旧津和野藩主
      池田茂政  旧岡山藩主
      毛利元徳  旧山口藩主
      伊達宗城  旧宇和島藩主
      蜂須賀茂韶 旧徳島藩主
      松平慶永  旧福井藩主
      徳川慶勝  旧尾張藩主
      徳川義宜  旧尾張藩主徳川慶勝ノ三男
      徳川茂承  旧和歌山藩主
      池田慶徳  旧鳥取藩主
      九条道孝  公家


渋沢栄一 書翰 伊藤博文宛(明治八年)六月二日(DK080024k-0008)
第8巻 p.393 ページ画像

渋沢栄一 書翰 伊藤博文宛(明治八年)六月二日 (伊藤公爵家所蔵)
奉啓、昨日拝晤之節委詳申上候華族方発起之新橋鉄道御買受一条、別紙拙生より発起一同ヘ差出候見込書並一同承諾之上出金其他之盟約書写奉呈仕候間何卒右見込書之通御許可被下度候、元来拙生此事ニ心配仕候も昨日も申上候敦賀之鉄道ハ即今之急務と奉存候ニ付、右御起業ニも此売下之金額御仕向相成候ハヽ多少御都合にも可相成、且又華族之方々も今日無目的之空算を以て他之業体ニ従事するの患無之訳ニて、聊経済之一端を裨補可仕と思考候より夫是取扱候義ニ御座候間、七分七ケ年ハ些自由之申立にも可相聞候得共、偏ニ御聞届被下度候、もし両様共にハ出来兼候ハヽ七ケ年を六ケ年ニ取詰候とも利足ハ七分ニ相願度候
願書ハ兎ニ角正院ヘ差出度、華族一同相望候ニ付差出候様可仕候、併決局御省之御取扱ニ帰し、閣下之高旨ニ拠り候義ニ付、此段切ニ申上候、拙生弥明日出立、坂地行本月廿八日頃ハ帰京之筈ニ付何卒夫迄ニ御見込御決定被下、弥御払下可相成候ハヽ是迄之経費調利益調並廉々向後之御約定等御高案被成置候様奉願候、右拝願 匆々頓首
  明治八年六月二日
                   渋沢栄一
    伊藤工務卿閣下


渋沢栄一 書翰 大隈重信宛(明治八年)六月四日(DK080024k-0009)
第8巻 p.393-394 ページ画像

渋沢栄一 書翰 大隈重信宛(明治八年)六月四日 (大隈侯爵家所蔵)
昨夕御様子奉伺候処横須賀御越之由、弥小生ハ今朝発途仕候、暫時不奉拝晤候得共、切角御自愛専一ニ奉祈候○中略
華族鉄道之義ハ何卒御垂憐之上御評議被下度候、委細ハ伊藤卿ヘも申立置候、右出立之際申上度 匆ゝ頓首
  六月四日
 - 第8巻 p.394 -ページ画像 
                      渋沢栄一
    大隈閣下


工部省記録 第五巻(DK080024k-0010)
第8巻 p.394-395 ページ画像

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工部省記録 第五巻(DK080024k-0011)
第8巻 p.395-396 ページ画像

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鉄道回章留(DK080024k-0012)
第8巻 p.396-398 ページ画像

鉄道回章留                (渋沢子爵家所蔵)
以書翰啓上仕候、辰下酷暑之候各位閣下愈御清迪之条奉抃賀候、陳者小生義先月中銀行用向ニ而暫時下坂本月五日帰京ニ付、兼而御引受申上候横浜鉄道御買下之義、出立前工部卿其外へ内々開陳いたし〓手続《(色々カ)》を以帰京後種々承及候処、出立前御評定ニは各位買下《(閣カ)》より政府へ上申之書面ハ工部省へ相廻り、同省見込ハ夫々政府へ申立相成候趣ニ付、近日右願書ニ対する御指令ハ可有之趣ニ候、尤工部省之見込にてハ御払下ニ異議ハ無之候得共、詰り代金上納年限並利足下渡之都合等、小生之見込書より一増相減し候哉之由ニ候、併夫ハ工部之御見込ニ付、尚其御指令ニよりて表向御一同より払下之代価其外納入割合利足等をも申上候筈ニ候得者、右等ハ敢而内情之承込ニ拘泥候迄も無之と存候ニ付、何れにも御指令有之次第早々御会同相願商議有之度候
過日来小生工部卿へ面晤之節別書之手続《(前カ)》を承及候末、先其年賦上納年限と利足割合とハ他日之談ニ附し、既ニ御払下之御内評有之上ハ差越候事なから、弥取究之上ハ条約書も要用ニ付其草案ハ工部省ニて取調被下度、且又此鉄道建築概費及損益勘定も御調之上公車有之度《(達カ)》と申述候処、夫々調査可致との事ニ候、又此立会ニ付社則等ハ必要ニ付夫も取調候方との工部卿内諭ニ付右は小生進々草章可仕心得《(追)》ニ御座候、但社則ハ緊要之事ニ付他日之御会同ニよりて大ニ御一同之御審議有之度候右之次第ニ付兎角公代差出候願書《(マヽ)》ニ指令有之候ハヽ其上早々御会同之義可申上候間、兼而御含有之度候、右小生帰京後之模様申上度如此御座候也
  明治八年七月十九日                  渋沢栄一
    蜂須賀茂韶様
    毛利元徳様
    徳川慶勝様
    徳川義宜様
    池田慶徳様
    池田輝知様
    松平頼聡様
    池田茂政様
    池田章政様
    山内豊範様
    松平慶永様
    松平茂昭様
    伊達宗城様
    伊達宗徳様
    徳川茂承様
    久松勝成様
    久松定謨様
    前田利嗣様
    井伊直憲様
 - 第8巻 p.397 -ページ画像 
    大村純熙様
    亀井玆監様
    榊原政敬様
    毛利元敏様
    池田徳潤様
    毛利元忠様
    九条道孝様
    井伊直安様
  尚々、伊藤工部卿ハ品ニ寄当月下旬函館辺旅行之趣、尤右之節工部大輔一切代理との趣ニ候、且又別紙勘定書ハ是迄鉄道之概算ニて内覧之為小生借用いたし候間写取御廻覧ニ供し候、右計算中利益勘定ハ雑費之件ニ自然別途費用も相籠り候ニ付、向後真実之純益を計算セハ元高之年八分以上ハ聊疑ハ無之由工部卿内話ニ御座候、為念申添候也

 (別紙)
 東京横浜間庚午起業ヨリ八年四月マデ鉄道費用
一金百三拾七万弐千弐拾六円三拾六銭九厘五毛 起業ヨリ癸酉
 洋銀百四万八百三拾九弗八拾セント五分   十二月マテ現費
一四千七百八拾九円拾四銭七厘五毛 同断
 (一行朱書)
   此米千六拾四石弐斗五升五合 但壱石ニ付金四円五拾銭替ノ積
一洋銀四万八千三百五拾弐弗       カーキル氏給料並旅費
  小以金弐百四拾六万六千七円四拾銭弐厘
 (六行朱書)
 金弐万五千三百五拾三円        東京ステーシヨン地代地券高
 金千百三拾六円八拾八銭        構外ヨリ芝浦大浦村邸《(マヽ)》マテ地代
 金三万七千六百八拾三円八拾銭     神奈川湾長七百七拾間埋立代凡積
 金壱万弐千五百九十七円十五銭六厘   神奈川宿御用地替地前同断
 金壱万四千九百四拾二円六拾六銭弐厘  野毛浦埋立地之内替地相渡分代金
 金拾九万千百六拾壱円六拾弐銭壱厘   三拾万封之内横浜東京間利金割合未申酉三年分
合金弐百七拾四万八千八百八拾弐円五拾弐銭壱厘
    内
 金弐千百九拾七円拾銭八厘         霊南坂町御用地其外買上代
 金七拾円                 同所家作買上代
 金四万七千三百弐拾六円弐拾三銭六厘八毛  横浜弁天橋費用
 金四千五百九拾七円七拾弐銭四厘三毛    同所左右石垣
 金弐万三千九拾九円六拾八銭八厘四毛    野毛浦埋立費用
 小以金七万七千弐百九拾円七拾五銭七厘五毛
  是東京横浜鉄道建築外之義ニ付現費之内引
差引
 金弐百六拾七万千五百九拾壱円七拾六銭三厘五毛
一金四万八千五百七拾八円拾七銭九厘洋銀三万六千三拾六弗三拾八銭ト 七年建築課費用
一金六万五千七百五拾円六拾壱銭六厘 六年未決算之分七年至決算相立候分
一金洋銀拾八万六千五百九拾五弗四拾八銭ト 七年十二月器械代本省ニ而仕払相立候分
一金九千八百五拾円九拾壱銭四厘洋銀七百五拾弗三拾七銭ト 八年一月ヨリ四月迄建築課現費
 - 第8巻 p.398 -ページ画像 
 右金三百壱万九千百五拾三円七拾銭弐厘五毛
    内
  金三千三百弐拾壱円七拾八銭弐厘  野毛浦埋立費七年仕払高
  金六万四千五拾円         右同断
  小以金六万七千三百七拾壱円七拾八銭弐厘
   是ハ東京横浜間鉄道建築外之義ニ付現費之内引
差引
 金弐百九拾五万千七百八拾壱円九拾弐銭五毛
    前同所運輸収入費用壬申
    五月ヨリ八年四月マテ
一金拾七万四千六百八拾八円拾六銭八厘五毛 壬申五月ヨリ同十一月マテ収入高
    内
  金七万九千弐百三拾六円弐拾銭四厘五毛
  洋銀三万四千弐百弐拾八弗四拾六銭ト   前同断経費高
   差引残金六万千弐百円        純益
    但シ元金三百万円ヘ対シ一ケ年三歩四厘九毛七一
一金四拾四万千八百五拾六円六拾五銭六厘   六年収入高
    内
  金弐拾万九千百九拾六円五拾五銭七厘   同年経費高
   差引残金弐拾三万弐千六百円     純益
    但元金三百万円ニ対シ一ケ年七歩七厘五毛三三
一金四拾四万千六百弐拾弐円弐拾四銭壱厘   七年収入高
    内
  金弐拾三万弐千九百六拾円七拾五銭五厘  同年経費高
   差引残金弐拾万八千六百円      純益
    但元金三百万円ニ対シ一ケ年六歩九厘五毛三三
一金拾四万弐千六百九拾六円拾六銭壱厘洋銀千九百七拾八弗  八年一月ヨリ四月マテ収入高
    内
  金五万九千八百六拾七円五拾八銭洋銀壱万千七百四拾三弗四拾三銭ト 同断経費高
    差引残金七万三千円        純益
    但元金三百万円ニ対シ一ケ年七歩二厘九毛九九
合金百弐拾万弐千八百四拾壱円弐拾弐銭六厘五毛     収入
    内
 金六拾弐万七千弐百三拾弐円九拾八銭六厘五毛     経費
差引
 金五拾七万五千六百八円弐拾四銭          全利益