デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
1款 東京鉄道組合
■綱文

第8巻 p.409-411(DK080026k) ページ画像

明治8年12月14日(1875年)

是日鉄道組合第十二回会議ヲ開キ、鉄道払下ニ関シ必要ナル諸条項ヲ議定ス。乃チ同組合ヲ東京鉄道会社ト称シ、政府及第一国立銀行トノ間ニ取極ムベキ約定書或ハ申合規則等議定ノ書類ハ栄一ニ其草案作成ヲ托ス。


■資料

鉄道会社会議要件録 第一巻・第一一三―一二四頁(DK080026k-0001)
第8巻 p.409-411 ページ画像

鉄道会社会議要件録 第一巻・第一一三―一二四頁
                  (株式会社第一銀行所蔵)
   ○第十二回会議 明治八年十二月十四日第一国立銀行ニ於テ開之
                 出席人名
                      亀井玆監代理清水格亮
                      榊原政敬代理塩谷正直
                      山内豊範代理山田東作
                      毛利元敏代理難波舟平
                      徳川慶勝代理内藤能弘
                      井伊直憲代理金田師行
                      大村純熙代理山川前耀
                      毛利元徳毛利元忠代理柏村信
                      池田輝知代理吉田恭敬
 - 第8巻 p.410 -ページ画像 
                      前田利嗣代理松田郷之
                      蜂須賀茂韶代理近藤潔
                      伊達宗徳
                      伊達宗城
                      久松定謨
                      池田徳潤
                      池田慶徳
                      池田茂政池田章政代理河原信可
                      松平頼聡
                      井伊直安代理奥山藤十郎
                      松平慶永松平茂昭代理武田正規
                      九条道孝代理朝山常順
                      蜂須賀茂韶家令三宅十郎
右出席ノ各員ハ着席ノ上左ノ件々ヲ議定セリ
    第一
再願書ノ御指令則七ケ年賦六朱利足ノ許可ヲ得ルヲ以テ兼テ第十回会議ニ於テ決議ノ通リ此立会ニテ御払下ヲ相願フヘシ
    第二
此御払下ヲ相願フニ付上納金ハ当明治八年十二月ヨリ払込ミ相始メ、毎年両季七月十二月ニ相納メ、明治十五年七月ヲ期シ全額上納可致旨ヲ政府ニ上申スヘシ
 但月迫ニ際スルヲ以テ当季分ハ、来ル九年二三月頃ノ上納タルヘシ
    第三
鉄道ノ事業ヲ詳知ノ為メ目今此立会ニ於テ相当ノ人物ヲ雇入レ、以テ鉄道寮ヘ差出シ此鉄道事務ニ就カシムルヲ要ス
 但損益計算等ヲモ詳知セシムヘシ
    第四
此立会中ニテ引受ノ上納金ハ各担当人ヲシテ満期相遂ケシムヘキコトヲ申合規則ニ掲載スヘシ
 但期限内此担務ヲ他人ニ譲渡サント欲スルトキハ、宜シク社中一同ノ承諾ヲ要スヘシ、モシ社中ニ不時ノ変故ニ遭遇シ出金相滞ル者アレハ其者必相当ノ嗣業人ヲ立テ其出金ヲ引受ケシムヘシ、而シテ其休業者ト嗣業者トノ間ニ在ル利害損益ハ固ヨリ此立会ノ公計ニ関セサル所ナリトス
    第五
此立会中ニテ要スヘキ総額金三百万円ノ募集ノ充タサルトキハ、其不足額ヲ第一国立銀行ト約定ヲナシ此立会中ニ借入ルヘシ
 但右借入方ハ此立会ニテ取扱ヒ、其返却方法ハ毎年政府ヨリ此立会ニ収受スヘキ利足金ヲ以テ償却スヘシ
    第六
此鉄道買下ケノ挙ノ既ニ願望ヲ遂クルヲ以テ、年賦金上納方利足受取方年限中鉄道ノ実況ヲ詳知スヘキ手続及満期ノ上鉄道ノ全体ヲ受取ルヘキ手順等詳細ナル書面ヲ作リ、以テ政府ト約定ヲ結フヘシ
 - 第8巻 p.411 -ページ画像 
    第七
鉄道ニ於テハ政府将ニ其条例ヲ頒布セント云、因テ其草案ヲ乞フテ之ニ照準シ此立会中ノ申合規則ヲ設立スヘシ
    第八
右申合規則ハ固ヨリ細大ノ要件ヲ記載セサルヘカラス、然而シテ目今総理代人ニ与フヘキ権限ノ条款ヲ草定スヘシ
    第九
此上納金並毎歳利足受取方等ノ取扱ヲ第一国立銀行ニ委托スヘシ、依テ其約定書ヲ草定スヘシ
    第十
立会ノ名称ハ東京鉄道会社ト称スヘシ
    第十一
社印其外文書ノ体裁追々之ヲ草案シ、而シテ協議之ヲ定ムヘシ
    第十二
会社建立ニ至ラサル間向後ノ会同ハ第一国立銀行館内ヲ仮借スヘシ、就テハ承合ノ上相当ノ手当ヲ相定ムヘシ
    第十三
此立会中ニテ肝煎三名ヲ撰挙スヘシ
 但此肝煎ノ立会一同ニ対スヘキ権限ハ其章程ヲ相立テ之ヲ定ムヘシ
    第十四
立会中ノ諸雑費供給ノ方法ハ差向第一国立銀行ヨリ借入レ、追テ政府ヨリ収受スヘキ利足ヲ以テ償却スヘシ
 但目今月費ヲ弐百円ト定メ渋沢栄一ニ托シ其ヲシテ同氏ニ付スヘキ
  謝金並諸雑費書記月給等ヲ担当セシムヘシ、尤此月費ハ当十二月ヨリ取行フヘシ
右之条件ヲ議定シ畢リ、復此代価上納年賦七ケ年ノ期ヲ得ルヲ以テ第十回ニ於テ決定セシ出金高ニ増加スヘキ各員ハ左ニ記載ノ通リ之ヲ増定スヘシ、且後会ノ期ハ渋沢栄一ノ今日決議中ノ書類ヲ草案シ、其通達ノ有ルヲ以テ相開クヘキコトヲ約シテ退散セリ
  第十二回会議ニ於テ集合金額相増スル所如左
一金拾七万七千〇六拾五円          池田慶徳池田輝知
一金拾弐万四千三百廿円           松平慶永松平茂昭
一金三万千五百円              亀井玆監
一金廿五万六千四百拾円           徳川慶勝徳川義宜
一金七千七百七拾円             榊原政敬
  合計五拾九万七千〇六拾五円
 外最前取究メタル拾八名出金額
  合計金弐百弐拾壱万五千弐百三拾弐円
総計金弐百八拾壱万弐千弐百九拾七円也
 御払下代価総額金三百万円ニ対シ
  金拾八万七千七百〇三円ノ不足ト成ル
 但各位出金中ニ百円以下ノ端数アルハ追テ計算法ノ便宜ヲ考案シ、四捨五入法ヲ用ヒ其端数ヲ除去スヘキコトニ決定セリ