デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
1款 東京鉄道組合
■綱文

第8巻 p.413-421(DK080028k) ページ画像

明治9年2月18日(1876年)

是日及三月三日前会決議ノ諸草案出来ニ付第十三回・第十四回会議ヲ開ク。栄一之等ヲ示シテ衆議ニ附ス。乃チ先ヅ会議規則並ニ肝煎権限議定書ヲ審議決定シ、尚栄一ヲ議場会頭ニ撰ビ蜂須賀茂韶代理小室信夫・池田慶徳・伊達宗城ヲ肝煎ト為ス。又東京鉄道会社ヲ開業ノ日迄組合ト呼称スルニ改ム。


■資料

鉄道回章留(DK080028k-0001)
第8巻 p.413 ページ画像

鉄道回章留               (渋沢子爵家所蔵)
以輪札啓申仕候、奉寒料峭之候各位台下益御清穆動止万順奉忻慰候《(春)》、陳者前会決議ニ付而之諸草案出来仕候間、来ル十八日第十三会議相開キ御決議ヲ要シ度候間、同日午前十時マテニ御臨席可被下候、右及御報告度輪札刻付ヲ以テ御順達周尾ヨリ御返却可被下候也
  二月十四日○明治九年         渋沢栄一


東京鉄道組合会議要件録 第二巻・第一―一九頁(DK080028k-0002)
第8巻 p.413-417 ページ画像

東京鉄道組合会議要件録 第二巻・第一―一九頁
                  (株式会社第一銀行所蔵)
   ○第拾三回会議 明治九年二月十八日於第一国立銀行閣内開之
                 出席人名
                      伊達宗城
                      池田慶徳
                      亀井玆監
 - 第8巻 p.414 -ページ画像 
                      井伊直憲代理金田師行
                      大村純熙代理稲田又左衛門
                      毛利元敏代理三吉慎蔵
                      毛利元徳毛利元忠代理柏村信
                      榊原政敬代理加藤直栗
                      池田茂政池田章政代理立野橘太郎
                      山内豊範代理山田東作
                      九条道孝代理朝山常順
                      松平頼聡代理辻盛令
                      池田輝知代理吉田恭敬
                      久松勝成久松定謨代理菅良明
                      徳川慶勝代理土岐長久
                      井伊直安代理奥山藤十郎
                      松平慶永松平茂昭代理武田正規
                      伊達宗徳代理西園寺公成
                      蜂須賀茂韶代理小室信夫
                      前田利嗣代理松田郷之
                 総理代人 渋沢栄一
                 欠席   池田徳潤
    第一節
右各員着席ノ上左ノ七件ヲ議定セリ
    第二節
此立会ノ株主集会ニ於テハ番号ヲ以テ各員羅列ノ位地ヲ定メ建議紛冗セサランコトヲ要ス、依テ探籖ヲ行ツテ其座位ヲ定メ各員ノ名牌ヲ掲標セリ
    第三節
右列位ノ定ルヲ以テ向後会議上建議討論ノ囂襍セサランコトヲ要シ、総理代人ハ其会議規則ノ草案ヲ製シ、後会ニ於テ之ヲ決裁スヘキコトヲ議定ス
 但右決議ノ権利ハ人員ノ多少ニ関セス、金高ノ多数ニ拠リテ之ヲ判定スヘキコトニ評決ス
    第四節
向後会議ニ当リ本人出席セスシテ其代理人ヲ任スルトキハ必ス委任状ヲ附与スヘキコトニ決定シ、其委任状ノ書式及ヒ記名帳ノ製式等ハ総理代人之ヲ製シ、且此他集会ノ常務ニ就テ要用ノ事件ハ銀行ノ成規ニ傚ヒ総理代人ニ於テ之ヲ取調フヘキコトヲ決議ス
    第五節
会議ニ定式ト臨時ヲ区分シ、定式会議ハ連月十八日午前第十時ヨリ集会シ議事ノアラザルトキハ只爾後ノ事務取扱方ヲ商議スベシ臨時会議ハ総理代人ノ報知又ハ株主中ノ立案ヲ以テ之ヲ開クヘキコトヲ議定ス
    第六節
 - 第8巻 p.415 -ページ画像 
前田利同ノ加盟出金額壱万〇〇十円ヲ許諾シ、又即今不足ノ金高ヲ以テ自今同族ノ加盟ヲ乞フ者アレハ之ヲ允シ、而シテ人員ノ繁数ヲ防クカ為メニ其出金壱万円以下ノモノハ之ヲ拒ムヘキコトヲ決議ス
    第七節
此立会ノ株式ハ鉄道総代価金三百万円ニ係ルモノニシテ、現今拾八万七千七百〇三円ノ不足アリ、其年賦金上納ノ期ニ至ラハ之ヲ銀行ヨリ借入レテ上納ヲ足シ、而シテ政府ヨリ収受スヘキ年々ノ利足ヲ以テ漸次其借入レシ金額ヲ完了シ、然後逐年増加スヘキ利息金ヲ以テ猶其不足額ニ相納メ其上剰余ヲ生スルトキハ則株高ニ応シテ其金額ヲ配賦スヘキコトヲ商決ス
    第八節
第七節ノ決議ニ拠リ此際株高ニ呼額ト実額トノ差別ヲ設ケ、各其実額ヲ以テ担保金額トナシ、追テ政府ヨリ下付セラルヽ利足ヲ以テ実額ノ呼額ニ不足スル所ノモノヲ完了シ、則各員ノ株高ハ其呼額ニ相当スヘキモノト看做スヘシ、然シテ計算ノ便ナランカ為メニ其実額モ亦百位ヲ以テ之ヲ限リ、其百円以下端数ノ如キハ四捨五入ノ算法ヲ以テ之ヲ各員ニ増減スヘキコトヲ議定ス
    第九節
総理代人ハ肝煎権限書、総理代人権限並事務章程、政府ニ要求スヘキ約束書及ヒ申牒、第一国立銀行トノ約束書等ノ稿案ヲ発シ、各員ニ其議定アランコトヲ求ム、然ルニ各員其熟按ヲ要スルカ為メ、来ル三月三日臨時会議ヲ開キ以テ決定スヘキコトヲ答フ
    第十節
又総理代人ハ第十二回ノ決議ニ係ル肝煎三名ヲ投票スヘキコトヲ求ム各員是亦三月三日ニ於テ撰定スヘキコトヲ答フ
右会議畢テ一同退場ス
    本日抽籤所定各位叙席番号
  第一号                 大村純熙
  第二号                 亀井玆監
  第三号                 伊達宗城
  第四号                 毛利元敏
  第五号                 毛利元忠
  第六号                 井伊直憲
  第七号                 山内豊範
  第八号                 毛利元徳
  第九号                 徳川慶勝
  第十号                 松平慶永
  第十一号                井伊直安
  第十二号                池田徳潤
  第十三号                伊達宗徳
  第十四号                池田慶徳
  第十五号                蜂須賀茂韶
  第十六号                前田利嗣
  第十七号                池田茂政
 - 第8巻 p.416 -ページ画像 
  第十八号                松平頼聡
  第十九号                久松勝成
  第二十号                松平茂昭
  第廿一号                池田輝知
  第廿二号                久松定謨
  第廿三号                九条道孝
  第廿四号                池田章政
  第廿五号                榊原政敬
  第廿六号                前田利同
   ○第拾四回臨時会議 明治九年三月三日於第一国立銀行閣内開之
                 出席人名
                      毛利元徳
                      毛利元忠代理柏村信
                      池田章政代理立野橘太郎
                      九条道孝代理藤井祐澄
                      前田利同代理浅野長雄
                      毛利元敏代理三吉慎蔵
                      徳川慶勝代理土岐長久
                      榊原政敬
                      大村純熙代理稲田又左衛門
                      久松勝成
                      伊達宗城
                      亀井玆監
                      池田慶徳
                      池田輝知池田徳潤代理河崎真胤
                      井伊直憲
                      山内豊範代理山田東作
                      伊達宗徳代理西園寺公成
                      松平頼聡代理三宅十郎
                      井伊直安代理北村叶
                      前田利嗣代理神尾直養
                      池田茂政
                      蜂須賀茂韶代理小室信夫
                 総理代人 渋沢栄一
                 欠席   松平慶永
                 同    松平茂昭
    第一節
右各員ハ午後第一時ニ議場ニ着キ総理代人ハ先ツ第十三回会議ノ決議書ヲ読上ケ、畢テ前会ニ於テ集議ニ付セシ草案ノ四件並ニ今日ノ発案タル上申並約束書 肝煎権限 総理代人権限並 事務章程 第一国立銀行ニ取結フヘキ約束書立会定款、申合規則、会議規則等ノ議定ヲ要スヘシト雖トモ、之ニ先チ目下緊急ノ件ヲ決議アランコトヲ演述ス
    第二節
 - 第8巻 p.417 -ページ画像 
総理代人ハ此立会ニ於テ従前言称セシ会社ノ文字ハ其実業施行ノ日ニ於テ用フヘク、今日立会ノ地位ニ於テ妥当スヘカラス、宜ク組合ノ字ヲ用ヒ以テ適スル者トスヘキコトヲ発議ス、各員之ヲ然リトナシ、即チ会社ノ文字ヲ改テ組合ト為シ、自今言語書冊共ニ之ヲ用フヘキコトニ決定ス
    第三節
又総理代人ハ既ニ会議規則ノ草定スルヲ以テ、将ニ本日ノ会議ニ付シ之ヲ決定スヘシト雖トモ、目下此会議規則ヲ議定スルノ間モ又少シク議事ノ程規ヲ立テ、以テ其紛擾ヲ防クヘキコトヲ発議ス、各員其事ヲ然リトナシ、即チ各員ノ発議ニ於テハ先ツ各自ノ番号ヲ自呼シ、而後会頭ニ向テ立議スヘキコトヲ決ス
    第四節
総理代人ハ会議規則ヲ執テ逐条衆議ヲ撰ヒ、以テ之ヲ決定ス
    第五節
総理代人ハ会議規則ニ従ヒ、其会頭並副会頭ヲ撰挙スルニ於テハ宜ク投票法ヲ以テ之ヲ定ムヘキコトヲ発議ス、然レトモ各員投票スルコトヲ欲セス、而シテ総理代人ヲシテ会頭タラシメンコトヲ望ミ、乃チ総理代人ヲ以テ議場ノ会頭ト定メ、在任一ケ年ヲ限リ規則ニ従テ其職掌ニ任スヘキヲ決ス
 但副会頭ノ撰挙ハ後会ニ於テ決定スヘキコトヲ議定ス
    第六節
会頭ハ已ニ緊要ノ議件ヲ了スルヲ以テ乃チ前言ノ如ク前回ニ付セシ四件ノ草案ヲ議定シ、且肝煎ノ投票ヲ行ハンコトヲ述ヘ、先ツ其肝煎権限書ヲ執テ逐条衆議ヲ撰テ以テ之ヲ決定ス
    第七節
各議員ハ肝煎三名ヲ投票シ会頭之ヲ展撿ス、伊達宗城・毛利元徳・池田慶徳・蜂須賀茂韶代理小室信夫・伊達宗徳・池田茂政・池田徳潤・大村純熙・池田章政ノ九名其撰ニ当レリ、乃チ其担当金額ヲ以テ計算シ、其第一番ハ蜂須賀茂韶代理小室信夫、其第二番ハ池田慶徳、其第三番ハ伊達宗城ナルヲ以テ、即チ法ノ如ク此三名ヲ以テ肝煎ト定ム
右会議畢リテ、会頭ハ前会ノ発案ニ係ル四件ノ内未タ議定セサル者並ニ本日ノ議目ニ係ル組合定款並ニ申合規則等ノ件ヲ議定セシカ為メ、来ル八日又臨時会議ヲ開クヘキコトヲ述ヘ、衆員之ヲ領シ、而シテ一同退場ス


東京鉄道組合会議規則(DK080028k-0003)
第8巻 p.417-420 ページ画像

東京鉄道組合会議規則            (株式会社第一銀行所蔵)
  第一章
   会議ノ躰裁
    第一条
此会議ハ東京鉄道組合ノ諸件ヲ其同盟即チ株主タル者ノ協議決定スル所ノ者ナリ
    第二条
会議ハ定式臨時ノ二類ヲ設ケ、以テ其事件ノ緩急ニ便ス
  第二章
 - 第8巻 p.418 -ページ画像 
   議員ノ職掌
    第三条
此議員ハ立会同盟廿六名ヲ以テ之ニ充ツル者ナリ、尤モ向後株主増員スレハ亦議員中ニ加ハルコト勿論ナリ
    第四条
会頭・副会頭ハ立会ノ投票ヲ以テ撰任シ、一ケ年限リ之ニ任スヘシ
    第五条
会議ノ日ニ於テ若シ会頭欠席スルコトアレハ、副会頭其代理ヲ得ルヘシ
    第六条
会頭ハ此議場ニ於テ要用ナル書記ヲシテ其議事ヲ記録セシムヘシ
 但此書記ハ即今総理代人ニ附属スル人員ヲ用フヘシ
    第七条
書記ハ会頭・副会頭ノ指揮ニ従ヒ、場中記録会計ノ事務ヲ弁理スヘシ
  第三章
   議事ノ権限
    第八条
此議場ニ於テ会議スル要件ハ、此立会ノ鉄道事務ニ関スル事項ヲ限リ立会総理代人ノ掌務ヨリ起ル所、即チ総理代人権限稟款ノ事件ニ係ル者、或ハ同盟中ノ立案ニ出ル者タルヘシ
    第九条
議事ノ小ナルモノハ会頭ノ考案ヲ以テ其要旨ヲ書載シ、同盟即チ議員一同ヘ輸送シテ其決案ヲ取リ、以テ会議ヲ要セサルコトモアルヘシ
    第十条
凡会議ノ法案ニ係ル者ハ書記ヲシテ其草案ヲ作ラシメ、会頭撿正ノ上之ヲ会議ニ付スヘシ
    第十一条
凡決議ノ条件ハ会頭其席ニ於テ決議ノ趣意ヲ議員一同ニ公示シ、其原書ニハ決印ヲ鈐シテ之ヲ保存スヘシ
    第十二条
議員ハ既ニ決議シタル条款ヲ是非スヘカラス、又己レ同説ナラサルヲ以テ其決議ノ趣意ニ違背スヘカラス
  第四章
   議事ノ規則
    第十三条
此議事ハ常式臨時ノ二類ニ分ツ、而シテ常式会議ハ毎月一会十八日臨時会議ハ会頭ノ考案又ハ同盟中ニテ総株高ノ五分ノ一以上ヲ有スル者ノ立案ヲ以テ之ヲ開クヘシ
    第十四条
同盟中総株高五分ノ一以上ヲ有スル人々臨時会議ヲ開クコトヲ望ムトキハ、其議目ノ要旨ヲ記載シ、何日内ニ議席ヲ開キタキ趣ヲ書面ニテ会頭ニ通達スヘシ
    第十五条
定式臨時トモ議事開場ノ時間ハ毎会午前十時トシ、縦令延刻スル人ア
 - 第8巻 p.419 -ページ画像 
ルモ十時半ヨリ必ス議席ヲ開クヘシ、而シテ十二時ヨリ午後一時半迄ヲ午餐ノ時間トシ、一時半ヨリ又開場シテ午後四時迄ヲ限ルヘシ、但議事ノ都合ニヨリテ臨機此時間ヲ伸縮スルコトアルヘシ
    第十六条
常式会議ハ議員三分ノ一、臨時会議ハ同十分ノ五以上欠席スル時ハ之ヲ開カス
 但三分ノ一十分ノ五トモ都テ議員即チ同盟各自担当金ノ多寡ヲ以テ之ヲ判シ、人員ノ分合ヲ以テスルニアラス、各代理委任状ヲ有スル者ハ固ヨリ本人出席ト看做スヘシ
    第十七条
臨時会議ヲ開クトキハ遅クモ本日ノ四十八時間前ニ於テ会頭ヨリ輪札ヲ以テ報告スヘシ
 但定式会議ハ定日アルヲ以テ其報告ヲ為スヘカラス、只其議目ノ前会ニ於テ掲示セサル者ハ、代理人ニ付スヘキ委任状ノ権限ニ差支ル故ニ、本会ノ三日前ニ於テ其議目ヲ報スヘシ
    第十八条
会議ノ当日議員出頭欠席代理等ノ如キハ書記ニ通達スヘシ、書記ハ之ヲ簿記シテ会頭ニ具陳シ、開否ノ事ヲ出頭ノ議員ニ通知スヘシ
    第十九条
議員着席順序ハ予メ鬮取ヲ以テ之ヲ定メ、書記ヲシテ椅子毎ニ其番号ヲ記シ、毎会其席ニ就カシムヘシ
    第二十条
常式会議ノ日ヲ以テ其次回ノ議目ヲ掲示シ議員ヲシテ承了セシム
 但議事ノ都合ニヨリテハ本日其議目ヲ掲示スヘシ
    第廿一条
凡議決スル者ハ各議員ノ担当金即チ株金額ノ多数ニ帰スル所ヲ以テ之ヲ決スヘシ、故ニ一議目ノ論説三項四項ニ分ルヽコトアレハ、会頭ハ之ニ一同ノ投票ヲ為サシメ、其投票セシ人ノ株金員額ヲ計算シテ多数ヲ以テ其議ヲ決スヘシ、若シ又其論説各半ニ出ルコトアルトキハ会頭ノ考案ヲ以テ之ヲ決スヘシ
    第廿二条
右ノ場合ニ於テハ議員中自論ノ行ハレサル所ニ服従セサル者アリト雖トモ、会頭ニ対シテ議問スルコトヲ許サス
  第五章
   議員ノ心得
    第廿三条
凡事ヲ議スル宜ク平心ニシテ、能ク其事由ノ名分性質ヲ詳ニシ、其利害得失ヲ察シ、而後発論スヘシ
    第廿四条
議事発言ノ時宜ク言辞ヲ簡約ニシテ条理ヲ明析シ、語声ノ粗忽弁法ノ錯雑ナラサルヲ要ス
    第廿五条
一員発言ノ間ハ他員ハ必黙聴スヘシ
    第廿六条
 - 第8巻 p.420 -ページ画像 
凡議事ノ発言シテ論弁スル者ハ総テ会頭ニ対スルヲ法トシ、甲員乙員私対スルコトヲ禁ス
    第廿七条
議員ノ内若シ病気或ハ事故アツテ不参スル時ハ、其旨ヲ書記ニ通致シテ同席ノモノニ委任状ヲ付シテ代理ヲ托スヘシ、然レトモ一員ニテ三員以上ノ代理スルヲ得ス
    第廿八条
凡議員ノ議場ニ在ル必ス厳粛ニシテ吹烟睡眠私語スルヲ許サス
右会議規則ハ同盟一同協議決定スル所ノ者ナレハ各員能ク之ヲ恪守シテ悖戻スヘカラス、若シ実際ニ就テ此条例ヲ変改スヘキコトアレハ、更ニ議案ヲ作リ衆議決定ノ上之ヲ改ムヘシ
  明治九年三月三日               会頭
                         議員


鉄道組合同盟締約書真本(DK080028k-0004)
第8巻 p.420-421 ページ画像

鉄道組合同盟締約書真本 (株式会社第一銀行所蔵)
  (表紙)
  東京鉄道組合肝煎権限議定書
   東京鉄道組合肝煎権限
此立会ニ於テ吾儕同盟ノ内三名ヲ挙ケ肝煎ト称シ、同盟ノ代理ニ立チ総理代人トノ応対ヲ掌リ、且会合集議等ニ当リ吾儕同盟ノ幹タラシム因テ其権限ヲ定ムルコト左ノ如シ
    第一条
肝煎ハ立会同盟ノ内ニテ一同ノ公撰ヲ以テ三員ヲ撰ヒ、之ヲ置ク者ナリ
    第二条
肝煎ヲ撰挙スルハ立会同盟ノ投票ヲ用ヒ、其多数ニ従テ決定スヘシ
    第三条
肝煎ハ立会ノ役員ニアラス、立会同盟即チ株主タル者ノ幹事ニシテ、政府ヘ上申スル書類ノ取扱ヒ、及ヒ総理代人ニ対シ同盟ニ関係スル所ノ応対ヲ掌ル所ノ者ナリ
    第四条
肝煎ハ総理代人若シ其事務ニ堪サルカ又ハ其職掌ヲ怠ルコトアルカ、又ハ不得已事故アリテ解職スルコトアレハ、同盟ノ公評ヲ乞フテ之ヲ免シ、又ハ其辞退ヲ聴容スルコトヲ取扱フ可シ
    第五条
肝煎ハ同盟ノ投票ヲ以テ撰挙スル所ノ者タレハ、同盟半数以上ノ不服ヲ生スルトキハ、同盟ニ於テ其任ヲ解クコトヲ得ルヘシ
    第六条
肝煎ハ在任壱ケ年ヲ限ルヘシ、然レトモ同盟ノ帰望《(希)》ニ依テ更ニ投票ノ多数ヲ得ルトキハ又其任ヲ続クコトヲ要ス、然レトモ其後任ヲ欲セサル者ハ之ヲ受クヘカラサルノ権アリ
    第七条
此立会ニ於テ肝煎ヲ撰定スルハ鉄道代価年賦上納中ノ時間ニ限ルモノナレハ、満期ノ後鉄道ノ実業ニ就クニ於テハ更ニ集議ノ所決ニ従テ之ヲ改正スヘシ
 - 第8巻 p.421 -ページ画像 
    第八条
肝煎在任ノ間遠行スルコトアラハ、総理代人ニ告ケ其承諾ヲ得テ之ニ就クヘシ
    第九条
肝煎三名ノ内、順次月番ヲ執リ交々其事務ニ専対スヘシ
    第十条
肝煎ハ此立会ノ定式臨時集会ニ於テハ其事ヲ管シテ議事ノ便宜ヲ謀リ会頭ニ諮リテ議目ヲ区分取捨シ、当日ノ決議ヲ明了ナラシムルコトニ尽力スヘシ
    第十一条
肝煎ハ総理代人ノ管知スル事務ヲ同盟ニ代リテ常ニ調査点撿スヘシ、故ニ実況領知ノ為メ時々其役場ニ出頭シ、其簿冊ヲ撿閲スヘシ
右之条々ヲ決定シタル証トシテ吾儕同盟ハ爰ニ記名調印致シ候也
  明治九年三月八日
                    蜂須賀茂韶代理小室信夫(印)
                    毛利元徳(印)
                    徳川慶勝(印)
                    松平頼聡(印)
                    池田慶徳(印)
                    池田輝知(印)
                    池田茂政(印)
                    池田章政(印)
                    山内豊範(印)
                    松平慶永(印)
                    松平茂昭(印)
                    伊達宗城(印)
                    伊達宗徳(印)
                    久松勝成(印)
                    久松定謨(印)
                    前田利嗣(印)
                    井伊直憲(印)
                    大村純熙(印)
                    亀井玆監
                    毛利元敏(印)
                    前田利同
                    榊原政敬(印)
                    池田徳潤
                    毛利元忠(印)
                    九条道孝(印)
                    井伊直安(印)
   ○肝煎権限議定書ハ明治九年四月十八日第十七回定式会議ニ於テ真本ニ各位実印ヲ押捺ス。同年七月十日ノ項参照。(本巻第四三三頁)