デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
2款 日本鉄道株式会社
■綱文

第8巻 p.594-595(DK080050k) ページ画像

明治39年5月25日(1906年)

是ヨリ先、政府ヨリ受クル利子補給ガ是年二月末日限リ期限満了トナルヲ以テ、爰ニ同会社記念会ヲ挙行シ、創立以来ノ功労者ニ対シ金品ヲ贈ルニ決ス。栄一之ガ評議員並主査委員タリ。是日上野精養軒ニ記念会開催サル。


■資料

日本鉄道株式会社解散始末 中・第一〇二―一一〇丁(DK080050k-0001)
第8巻 p.594-595 ページ画像

日本鉄道株式会社解散始末  中・第一〇二―一一〇丁
                  (山田英太郎氏所蔵)
    補給満期記念会ノ挙行
特許条約書第五条ニ拠リ、本会社カ創立以降絶ヘス政府ヨリ受ケ来レル利子補給ハ、三十九年二月末日限リ愈々期限満了トナルニ付、同年二月八日特ニ臨時株主総会ヲ開キテ左ノ議案ヲ決定セリ
一本会社特許条約ニ基ク補給ノ儀二月末日限リ期限満了ニ付、記念会ヲ挙行シ、其費用ハ凡金弐拾万円以内トシ、明治三十八年後年度利益繰越金ノ内ヲ以テ支弁スル事
一前項費用ノ内ヲ以テ会社創立以来ノ功労者重役株主社員等ニ金品ヲ贈与シ、又ハ饗応ヲ為ス等、総テノ処理ハ取締役ニ一任スル事
右決議ニ基キ補給満期記念会ヲ挙行スルニ就テハ、其準備ノ為メ取締役会ノ決議ヲ以テ、特ニ高崎正風・蜂須賀茂韶・藤波言忠・林友幸・松浦詮・清田直・白杉政愛・長谷川敬助・山中隣之助・渋沢栄一・東久世通禧・日下義雄・南郷茂光・大倉喜八郎・安田善次郎ノ十五氏ニ評議員ヲ嘱托シ、尚評議員会ノ決議ニ依リ藤波・渋沢・日下・白杉・山中ノ五氏ヲ主査委員ニ推薦シ、又本会社重役中ヨリ菊池長四郎・園田孝吉・林賢徳・安川繁成ノ四名ヲ特別委員ト為シ、主査委員ト与ニ専ラ調査審議ノ衝ニ当ラシメ、屡々主審会若クハ評議委員会ヲ開キ遂ニ紀念会執行要領ヲ決定シ、之ニ基キテ首唱発起人、創立委員、創立尽力者、創立株主、旧重役、旧使用人、本会社関係官吏、現在株主、現在重役及現在使用人ニ金品ヲ贈与シ、又朝野ノ貴紳凡六百名ヲ上野精養軒ニ招待シテ宴会ヲ開キ、尚歌舞伎座ヲ六日間買切リ、株主及会社関係者ヲ案内スル事トシタリ○中略
五月二十五日愈々紀念宴会ヲ上野精養軒ニ開ク、当日本館ハ階上階下
 - 第8巻 p.595 -ページ画像 
総テ来賓ノ休憩所ニ充テ、前庭ニ仮屋ヲ新設シテ式場ト為シ、其他園内ニハ余興ノ狂言ヲ催フシ、ビヤホール等各所ニ設ケ、曾我社長ヲ始メ、各重役及幹事以下ノ職員数十名ハ夫々部署ヲ定メテ来賓接待ノ役ニ当ル、午後三時ヨリ賓客ノ来リ会スル者、岩倉具定・中山孝麿・蜂須賀茂韶・大隈重信・松方正義・東久世通禧・土方久元・榎本武揚・林友幸・芳川顕正・堀田正養・渋沢栄一・奈良原繁・高崎正風・川村景明・中野武営・安田善次郎・原六郎・尾崎行雄・加藤高明・添田寿一・都築馨六・大倉喜八郎・早川千吉郎・末松謙澄・福島安正・高橋新吉氏等朝野ノ関係者無慮数百名トス、午後四時二十分来賓一同ヲ式場ニ案内シ、紀念式ヲ挙行ス○曾我社長・蜂須賀侯・大隈伯及松方伯ノ祝辞並ニ演説略ス
終リテ食卓ヲ開始シ、曾我社長ハ三鞭ノ盃ヲ挙ケテ来賓ノ万歳ヲ祝シ宴ヲ徹スルノ後、一同ヲ喫茶室ニ案内シ、三々五々団欒歓晤ニ刻ヲ移シ散会セリ
  ○右補給満期記念会ニ於テ会社発起人関係者及社員功労者ニ対スル慰労金品贈与ニ当リ、ソノ分配方法ガ高級役員ニ厚ク書記以下ノ下級社員ニ薄シトノ物議ヲ社員間ニ惹起シ、一部職員中ニハ不穏ノ挙ニ出テントセシモノアリシモ、鎮撫セラレテ事ナキヲ得タリト云フ。本款明治四〇年二月二十八日ノ項所引東京経済雑誌第五五巻第一三七〇号(明治四〇年一月一二日)所載ノ元日鉄社員告白書(上)参照。