デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
11款 北越鉄道株式会社
■綱文

第9巻 p.23-34(DK090004k) ページ画像

明治28年1月10日(1895年)

是日当会社創業総会ヲ開キ、栄一監査役ニ当選ス。同年十二月十二日免許状ヲ下付セラレ、翌十三日業務ヲ開始ス。


■資料

青淵先生公私履歴台帳 明治三十三年五月十日調(DK090004k-0001)
第9巻 p.23 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳 明治三十三年五月十日調
                     (渋沢子爵家所蔵)
明治二十八年
一北越鉄道株式会社ヲ創立シ、其後監査役トナリ、現ニ其職ニ在リ
  之ヨリ先キ、越後直江津・新潟間ニ鉄道布設ノ目的ヲ以テ、地方人士ノ間ニ本会社設立ノ挙アリ、発起人ニ加リテ之カ成立ヲ賛助セシカ、後会社成立シ、目的ノ全線開通ヲ見ルニ至レリ、而シテ三十七年選ハレテ監査役トナリ、現ニ其職ニアリ
   ○三十七年初メテ監査役ニナリタルガ如クナレドモ、後掲諸資料ハイズレモ二十八年一月創業総会ニテ選出、三十年七月ニ再選トス。


中外商業新報 第三八六一号 〔明治二八年一月一二日〕 北越鉄道会社創業総会(DK090004k-0002)
第9巻 p.23-24 ページ画像

中外商業新報 第三八六一号 〔明治二八年一月一二日〕
    北越鉄道会社創業総会
 北越鉄道会社は一昨十日創業総会を開き、創業上必要なる諸般の事項を協議したり、議事経過の要点は、粗ほ前号の欄外に記載するところに異らずと雖も、更に其の詳を報じ欠を補はんに、当日議場に現はれたる事項は、創立準備中の事務、創業費、定款の議定、創立委員に謝意を表する事、役員の選挙等にして、創立準備中の事務は、会長前島密氏に依て報告されたる後、創業費合計金九千四百九十円四十三銭九厘を承認し、定款に移り、其第十六条に至り、第一回払込金額十二円五十銭とあるを削除して当分は金額を確定せず、他日を俟て相当の金額に定むるに決したり、畢竟衆議院議員中には第八議会に向て商法
 - 第9巻 p.24 -ページ画像 
改正案を提出せんと欲する者ある由なれば、其の改正案の成行に依て確定する予定にて、要は改正案の結果として、登記を得らるる丈の金額に定むるにあり、又第十八条に至り、役員の数を取締役七名・監査役三名とするに決し、其第二十六条に至り、末延道成氏の発議に依り役員の俸給は専務取締役年俸三千円、取締役年俸二百円、監査役年俸百円と定め、其の他の条項は悉く原案通り可決したり、斯くて定款を議定するや、今村清之助氏の発議により、創立委員諸氏に謝意を表することとなり、其の方法は重役の決議に一任するに決したり、爰に至りて議案悉く議了されたるを以て、直に役員を選挙せしに左の諸氏当選せり。
 取締役 前島密・銀林綱男・末延道成・今村清之助・鍵富三作・本間新作・山口権三郎
 監査役 渋沢栄一・笠原文次郎・岸宇吉


第三課文書類別 農商・鉄道ニ関スル書類明治二八年第一種ノ一(DK090004k-0003)
第9巻 p.24-34 ページ画像

第三課文書類別 農商・鉄道ニ関スル書類明治二八年第一種ノ一 (東京府庁所蔵)
    ○
明治廿八年七月二日受日出 内務部第三課主任属
知事
 内務部長 第三課長 農商掛
 内三丙第四三九〇号ノ二
    鉄道布設並会社設立免許申請書進達案
北越鉄道株式会社創立発起人総代平岡熙外四名ヨリ鉄道布設並ニ会社設立免許申請書進達方出願ニ付、即別冊書類及進達候也
                       知事
    逓信大臣宛

    鉄道布設並会社設立免許申請書進達願
今般北越鉄道布設並会社設立之議ニ付、別紙之通リ逓信大臣ヘ申請ニ及候間、御進達被下度、此段願上候也
  明治二十八年七月二日
            北越鉄道株式会社
              発起人総代
             東京市神田区三崎町弐丁目九番地
               創立委員 平岡熙   (印)
             新潟県中蒲原郡新関村字下新壱番戸
               創立委員 本間新作  (印)
             新潟県刈羽郡横沢村四拾四番地
               創立委員 山口権三郎 (印)
             東京市芝区芝公園第拾号
               創立委員 末延道成  (印)
             同市小石川区関口町弐百七番地
               創立委員 前島密   (印)
    東京府知事 三浦安殿
(別紙)
    鉄道布設並ニ会社設立免許之申請
 - 第9巻 p.25 -ページ画像 
本会社儀本年一月十日東京ニ於テ創業総会ヲ開キ、定款其他諸般之事項ヲ議決シ重役ノ撰挙ヲ終リ候ニ付、鉄道布設並会社設立之免許被成下度、依テ起業目論見書・定款等別紙目録之通リ相添此段申請候也
  明治二十八年七月二日
            北越鉄道株式会社
              発起人惣代
             東京市神田区三崎町弐丁目九番地
               創立委員 平岡熙   (印)
             新潟県中蒲原郡新関守下新壱番戸
               創立委員 本間新作  (印)
             同県刈羽郡横沢村四拾四番戸
               創立委員 山口権三郎 (印)
             東京市芝区芝公園第拾号
               創立委員 末延道成  (印)
             同市小石川区関口町弐百七番地
               創立委員 前島密   (印)
    逓信大臣 渡辺国武殿
    ○
(別紙)
      目録
一起業目論見書       壱号
一定款           弐号
一株式申込簿        参号
一発起ノ認可証       四号
一参鎖壱吋平面図      五号
一参拾呎壱吋断面図     六号
一弐拾呎壱吋断面図     七号
一新潟駅停車場設計図    八号
一長岡駅停車場設計図    九号
一柏崎駅停車場設計図    拾号
一三条駅停車場設計図    拾壱号
一新津駅停車場設計図    拾弐号
一新発田駅停車場設計図   拾参号
一加茂駅停車場設計図    拾四号
一中間矢代田駅停車場設計図 拾五号
一信濃川架橋設計図     拾六号
一阿賀川架橋設計図     拾七号
一小阿賀川架橋設計図    拾八号
一橋台橋脚雛形図      拾九号
一隧道断面雛形図      弐拾号
一土工定規図        弐拾壱号
一鉄道建築定規図      弐拾二号
一曲線表          弐拾三号
一勾配表          弐拾四号
一工事方法書        弐拾五号
 - 第9巻 p.26 -ページ画像 
一工費予算書        弐拾六号
一重役氏名書        弐拾七号
   ○添付書類中二号・三号及ビ二七号ノミ次ニ掲ゲ、他ハ略ス。

    北越鉄道株式会社定款
   第一章 総則
第一条 本会社ノ組織ハ株式組織トス
第二条 本会社ハ新潟県下直江津ヨリ沼垂(新潟)及ヒ新発田ニ至ル鉄道ヲ布設シ、旅客貨物運輸ノ業ヲ営ムモノトス
第三条 本会社ハ北越鉄道株式会社ト称ス
第四条 本会社ハ本社ヲ東京市、支社ヲ新潟市ニ置ク
第五条 本会社ノ資本金総額ハ金参百七拾万円トス
   第二章 株式及ヒ株主名簿
第六条 本会社ノ株式ハ壱株金五拾円トシ其総株ヲ七万四千株トス
第七条 本会社ノ株主ハ、日本人ニシテ株主名簿ニ登記ヲ経タル者ニ限ル
第八条 株主名簿ニハ左ノ事項ヲ登記ス
  第一 各株主ノ氏名住所
  第二 各株主所有ノ株式数及ヒ株券ノ番号
  第三 各株ニ付キ払込ミタル金額
  第四 各株式ノ取得及ヒ譲渡ノ年月日
第九条 本会社ノ株券ハ左ノ四種ニ分ツ
  甲種 壱株ヲ壱通トス
  乙種 五株ヲ壱通トス
  丙種 拾株ヲ壱通トス
  丁種 弐拾株ヲ壱通トス
第十条 本会社ハ、株金全額払込以前ニ於テハ仮株券ヲ発行シ、全額完納ノ後ニ至リテ本株券ヲ発行ス
第十一条 本会社ノ本株券及ヒ仮株券ノ雛形ハ左ノ如シ
   本株券雛形

図表を画像で表示本株券雛形

 表面  第   号      北越鉄道株式会社株券  一株                   氏名 殿    此金額   円  右記名者北越鉄道株式会社ノ定款ヲ遵守シ本会社株式ノ内   株即チ   円ノ持主タルコト相違ナキ証拠トシテ此株券ニ本会社ノ社印ヲ押捺シテ之ヲ交付スルモノナリ  此ノ株式ヲ売買譲受渡セントスルトキハ此株券裏面罫画内ヘ売譲渡人ノ氏名及ヒ買譲受人ノ氏名住所ヲ記シ売買譲受渡人共ニ調印シテ本会社ヘ持参スベシ本会社ニ於テハ相当ノ検査ヲ遂ケ此株券裏面罫画内ヘ取締役記名調印シテ株式所有ノ移転ヲ証明スベシ     年 月 日     北越鉄道株式会社  [img 図]社印       取締役  氏名  印 



 - 第9巻 p.27 -ページ画像 

図表を画像で表示--

 裏面 年 月 日   売譲渡人記名調印   買譲受人記名調印   買譲受人住所   取締役記名調印                                                                                                                                              



仮株券雛形

図表を画像で表示--

 表面  右記名者北越鉄道株式会社ノ定款ヲ遵守シ本会社株式ノ内   株即チ  円ヲ引受ケタルコト相違ナキ証拠トシテ此仮株券ニ本会社ノ社印ヲ押捺シテ之ヲ交付スルモノナリ  払込ヲ為ストキハ此仮株券ヲ其都度本会社ヘ持参スヘシ本会社ハ領収セシ証拠トシテ金額並ニ年月日ヲ記入シ之ニ取締役記名調印スヘシ追テ金額完納ノ後ニ至リ本株券ト引替フヘキモノトス   一此株式ヲ売買譲受渡セントスルトキハ此仮株券裏面罫画内ヘ売譲渡人ノ氏名及買譲受人ノ氏名住所ヲ記シ売買譲受渡人共ニ調印シテ本会社ヘ持参スヘシ本会社ニ於テハ相当ノ検査ヲ遂ケ此仮株券裏面罫画内ヘ取締役記名調印シテ株式所有ノ移転ヲ証明スヘシ     年 月 日       北越鉄道株式会社   [img 図]社印       取締役  氏名  印 第回 第回 第回 第回 第回 払込  第 号     北越鉄道株式会社仮株券  一株              氏名 殿    此金額    円 金 円 金 円 金 円 金 円 金 円 金額 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 年月日 取締役 記名調印 第回 第回 第回 第回 第回 払込 金 円 金 円 金 円 金 円 金 円 金額 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 年月日 取締役 記名調印 



図表を画像で表示--

 裏面 年 月 日   売譲渡人記名調印   買譲受人記名調印   買譲受人住所   取締役記名調印                                                                                                                                              



 - 第9巻 p.28 -ページ画像 
第十二条 本会社ノ株式ヲ売買譲受渡セントスルトキハ、其本株券又ハ仮株券ノ裏面ニ、売買譲受渡人記名調印シ、双方連署ノ株式売買譲受渡証書ヲ添ヘ、之ヲ本会社ヘ差出シ、名義書替ノ登記ヲ求ムヘシ、本会社ハ之ヲ株主名簿ニ登記シ、取締役之ニ記名調印シ、其移転ヲ証明スベシ、若シ株主死去シ其相続人又ハ受遺贈者ヨリ名義書替ヲ請求スルトキハ、親族又ハ本会社ニ於テ相当ト認メタル二名以上ノ保証人ヲ立ツベシ
  但本社ニ於テ必要ト認メタルトキハ、市区町村長ノ証明書又ハ其権利移転ノ証明ヲ差出サシムルコトアルヘシ
第十三条 本会社ハ株式名義書替手数料トシテ、一通ニ付金拾銭ヲ徴収ス
第十四条 本会社ノ株主其所有ノ株券ヲ損傷シタルトキハ、申出ニ従ヒ、損傷券引替ニ新券ヲ交付スヘシ、若シ紛失焼亡シタルトキハ、二名以上ノ保証人連署ノ上、其番号枚数及ヒ亡失シタル理由ヲ本会社ヘ申出ツヘシ、本会社ハ本人ノ費用ヲ以テ直ニ其旨ヲ一週日以内新聞紙ニ広告シ、満三十日ヲ経テ尚ホ発見セサルトキハ、新券ヲ交付スヘシ
  但新券ヲ交付スルトキハ、手数料トシテ一通ニ付金弐拾銭ヲ徴収ス
第十五条 本会社ハ株主名簿整理及ヒ計算閉鎖ノ為メ、事業年度毎ニ三十日以内、株式売買譲受渡ノ登記ヲ停止ス
  但其停止期間ハ新聞紙ニ広告スヘシ
   第三章 株金払込
第十六条 本会社ノ株金払込ハ、工事竣功期限マテヲ数回ニ分チ、最初一回ハ壱株ニ付本会社カ登記ヲ受ケ得ヘキ金額トシ、其残額ハ、毎回少クモ二十日ヲ隔テ、壱株ニ付一回金拾円ヨリ多カラサル金額ヲ漸次ニ払込ムモノトス、其払込期日及ヒ金額ハ、少クモ三個月前ニ各株主ヘ通知スヘシ
第十七条 本会社ノ株主株金払込ヲ怠リタル者ハ、其払込期限ノ翌日ヨリ、其延滞金額ニ対シ、金壱百円ニ付日歩金四銭ノ割合ニテ、利息ヲ支払フヘシ、若シ払込期限後六十日ヲ経テ払込ヲ為サヽルトキハ、三十日以内ニ払込ヲ為スヘキ催促状ヲ発シ、其期限ヲ過キ尚ホ入金セサルトキハ、本会社ハ其株主ニ通知シテ、其株式ヲ公売シ、其代金ヲ以延滞シタル払込金及ヒ其利息並ニ之カ為メ生シタル諸費用ニ充テ、尚ホ不足アレハ之ヲ追徴シ、若シ余贏アレハ之ヲ返付スベシ
   第四章 取締役及ヒ監査役
第十八条 本会社ニ取締役三名乃至七名、監査役二名若シクハ三名ヲ置ク
第十九条 本会社ノ取締役ハ本会社ノ株式壱百株以上ヲ所有スル株主ノ内ヨリ、監査役ハ株主ノ内ヨリ、株主総会ニ於テ之ヲ選挙スベシ
第二十条 本会社ノ取締役ハ、其任期中其所有株式壱百株ヲ本会社ニ預ケ、本会社ハ其融通ヲ禁スル為メ、其株券ニ封印シテ之ヲ領置ス
第二十一条 本会社ノ取締役ハ三個年、監査役ハ壱個年ノ任期ト定メ
 - 第9巻 p.29 -ページ画像 
毎年一月ニ於テ、取締役ハ三分一、監査役ハ全数ヲ改撰スベシ
 最初ノ二年ハ抽籤ヲ以テ退任者ヲ定ム
  但再撰ニ依リ重任スルコトヲ得
第二十二条 本会社ノ取締役及ヒ監査役ハ、株主総会ノ決議ヲ以テ、何時ニテモ之ヲ改選スルコトヲ得
第二十三条 本会社ノ取締役ハ総テ本会社ヲ代表シ、一切ノ業務ヲ担当ス
第二十四条 本会社ノ取締役中ヨリ、主トシテ業務ヲ取扱フヘキ専務取締役一名ヲ互撰スヘシ
第二十五条 本会社監査役ノ職分ハ左ノ如シ
  第一 取締役業務施行カ法律命令定款及ヒ総会ノ決議ニ適合スルヤ否ヤヲ監視スルコト
  第二 計算書・財産目録・貸借対照表・事業報告書、利息又ハ配当金ノ分配案ヲ撿査シ、此事ニ関シ株主総会ニ報告ヲ為スコト
  第三 会社ノ為メニ必要又ハ有益ト認ムルトキハ総会ヲ召集スルコト
第二十六条 本会社ノ取締役及ビ監査役ノ報酬ハ、株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七条 本会社ノ取締役又ハ監査役ニ欠員ヲ生シタルトキハ、株主臨時総会ヲ開キ補欠員ヲ撰挙スヘシト雖トモ、其残員法定ノ人員ヲ欠カス且ツ業務ニ差支ナキ限ハ、次期ノ改撰期マテ之ヲ猶予スルコトヲ得
  但補欠員ハ其前任者ノ残任期間在職スルモノトス
   第五章 株主総会
第二十八条 本会社ノ株主総会ハ、之ヲ区別シテ二種トス、其一ヲ通常総会トシ、他ヲ臨時総会トス
第二十九条 本会社ノ株主通常総会ハ毎年一月・七月ノ両度之ヲ開クモノトス
第三十条 本会社ノ株主臨時総会ハ、取締役若シクハ監査役ニ於テ必要ト認ムルトキ之ヲ召集ス、又総株金ノ五分一以上ニ当ル株主ヨリ会議ヲ要スル事件・目的ヲ記載シタル書面ヲ取締役ニ差出シタルトキ、取締役ハ遅クモ三十日以内ニ召集ノ手続ヲ為スベシ
第三十一条 本会社ノ株主総会ハ、少クモ十五日前ニ、其会議ノ目的事項並ニ開会ノ日時場所ヲ記載シテ、各株主ニ通知スヘシ
第三十二条 本会社ノ株主総会ニ於テハ、前条ニ依リ通知シタル事項ノ外、他事ニ渉ルコトヲ得ス
第三十三条 本会社株主総会ノ会頭ハ専務取締役之ニ任ス、専務取締役差閊アルトキハ他ノ取締役之ニ代ハリ、取締役総テ差閊アルトキハ出席株主中ヨリ之ヲ撰挙スベシ
第三十四条 本会社ノ株主総会ハ、株主総員ノ十分一以上ニシテ総株金ノ四分一以上ニ当ル株主出席シ、其議決権ノ過半数ニ依リテ決ス若シ可否同数ナルトキハ会頭ノ裁決ニ従フ
第三十五条 本会社定款変更及ヒ会社解散ノ決議ハ法律ノ規定ニ依ル
第三十六条 本会社ノ株主総会当日ノ出席員定数ニ満タサルトキハ、
 - 第9巻 p.30 -ページ画像 
仮ニ決議ヲ為シ、其決議ヲ総株主ニ通知シテ再ヒ総会ヲ召集スヘシ其通知書ニハ、第二ノ総会ニ於テ出席株主議決権ノ多数ヲ以テ第一総会ノ決議ヲ認可スルトキハ、之ヲ有効トスヘキ旨ヲ明記スルコトヲ要ス
第三十七条 本会社株主総会ニ於ケル議決権ハ、拾株マテハ壱株ニ付キ壱個トシ、拾壱株以上ハ五株毎ニ壱個ヲ加フ
第三十八条 本会社ノ株主総会ニ出席シ難キトキハ、本会社ノ役員ニ非サル他ノ株主ニ委任状ヲ交付シ、代理セシムルコトヲ得
第三十九条 株主総会ノ議事録ニハ、会頭及出席株主二名署名調印スヘシ
   第六章 計算
第四十条 本会社ノ事業年度ハ一個年ヲ二季ニ分チ、一月ヨリ六月マデヲ前半季トシ、七月ヨリ十二月マデヲ後半期トシ、毎月一月・七月ノ両度ニ於テ六個月間ノ出納ヲ精算シ、計算書・財産目録・貸借対照表・事業報告書・配当金分配案ヲ作リ、株主総会ノ決議ニ付スルモノトス
   第七章 雑則
第四十一条 本会社ノ定款及ヒ規則類ノ改正、官庁ヘノ願伺届、職員ノ変更、株主総会ノ議決、営業上ノ要件等ハ皆記録ヲ以テ之ヲ保存シ、且ツ毎季諸計算ヲ明ニシ、考課状ヲ製シテ株主ニ報告スヘシ
第四十二条 本会社ニ於テ官庁ニ対スル請願伺届及ヒ営業上ノ諸約定往復文書等ニハ、総テ本会社ノ名ヲ用ヰ、社印ヲ押捺スヘシ
  但文書ノ種類ニ依リテハ取締役之ニ連署スヘシ
 明治二十八年一月十日於北越鉄道株式会社創業総会決定
                 北越鉄道株式会社
                  会長 前島密
    ○
    株式申込簿
        東京市日本橋区亀島町壱丁目三番地
壱千株               今村清之助
        同市芝区三田綱町九番地
壱千株               蜂須賀茂韶
        同府下荏原郡品川町元品川三百拾五番地
壱千株               原六郎
        同市麹町区元平河町九番地
五百株               波多野伝三郎
        同市赤坂区新坂町拾六番地
五百株               本間英一郎
        同市同区葵町三番地
壱千株               大倉喜八郎
        愛知県名古屋市葵町甲六番戸
五百株               奥田正香
        東京市日本橋本材木町一丁目七番地
壱千株               渡辺治右衛門
 - 第9巻 p.31 -ページ画像 
        神奈川県横浜市元浜町壱丁目壱番地
壱千株               渡辺福三郎
        東京市芝区三田弐丁目弐番地
五百株               笠原文治郎
        同市京橋区本材木町三丁目弐拾八番地
壱千株               高田慎蔵
        同市同区木挽町九丁目拾壱番地
壱千株               梅浦精一
        東京市小石川区関口町弐百七番地
五百株               前島密
        同市麹町区麹町七丁目弐拾番地
弐百株               近衛篤麿
        同市本所区向島小梅町七拾四番地
五百株               小室信夫
        同市麹町区上六番町拾番地
五百株               佐藤里治
        愛知県名古屋市袋町
参百株               笹田伝左衛門
        東京市麹町永田町弐丁目七番地
五百株               銀林綱男
        東京市日本橋区兜町弐番地
壱千株               渋沢栄一
        同市京橋区築地弐丁目弐拾五番地
五百株               籾山半三郎
        同市芝区芝公園第拾弐号
壱千株               末延道成
○中略
  計
一七万四千株            参百六拾六人
   ○三十年十二月卅一日現在栄一持株二五〇株
     ○
一明治二十八年一月十日創業総会ニ於テ選挙セラレタル重役宿所氏名左ノ如シ
  但シ専務取締役ハ追テ互選之筈
             東京市小石川区関口町二百七番地
                  取締役 前島密
             同市芝区芝公園第拾弐号
                  取締役 末延道成
             同市麹町区永田町弐丁目七番地
                  取締役 銀林綱男
             新潟県刈羽郡横沢村四拾四番戸
                  取締役 山口権三郎
             新潟県中蒲原郡新関村字下新壱番戸
                  取締役 本間新作
 - 第9巻 p.32 -ページ画像 
             同県新潟市上大川前通壱番町拾七番戸
                  取締役 鍵富三作
             東京市日本橋区亀島町壱丁目三番地
                  取締役 今村清之助
             同市日本橋区兜町弐番地
                  監査役 渋沢栄一
             同市芝区三田弐丁目弐番地
                  監査役 笠原文治郎
             新潟県古志郡長岡町字表四ノ町
                  監査役 岸宇吉
      ○
明治廿八年八月一日受日出内務部第三課主任属
知事
 内務部長  第三課長  農商掛
    引換書類却下之件
北越鉄道株式会社創立発起人総代前島密ヨリ曩ニ提出セシ申請書不完全ノ廉引換方其筋ヘ照会中ノ処、今回鉄道局ヨリ返付ニ付、願人ヲ召喚シテ別冊書類ヲ却下シ領収書ヲ徴スルモノトス
      ○
本月十八日付内三丙第四六六〇号ノ二ヲ以テ北越鉄道株式会社創立願書引換ノ件御照会ノ趣了承、即チ別冊書類及御送付候条、下戻シ方可然御取計相成度、此段御回答ニ及ビ候也
  明治二十八年七月三十一日
                 逓信省鉄道局
    東京府 御中
      ○
    請書
一起業目論見書     壱冊
一定款         壱冊
一株式申込簿      壱冊
    〆 三冊
右者去月十六日付ヲ以引替願ニ及候分却下相成、正ニ領受仕候也
  明治廿八年八月二日
                  北越鉄道株式会社
                   創立事務所
    東京府庁 三浦安殿
      ○
明治廿八年十二月十三日受日出 内務部第三課主任属
知事
 内務部長 第三課長 農商掛
    鉄道会社設立免許状等下付之件
北越鉄道株式会社申請ニ係ル鉄道敷設免許指令書下付及鉄道局長示達条件書送付ニ付、発起人ヲ召喚シテ夫ニ請書ヲ徴シ、該書類交付スルモノトス
 - 第9巻 p.33 -ページ画像 
内三丙四三九〇号ノ三
鉄第一一五四号
北越鉄道株式会社発起人ヘ別紙ノ通リ相達候条、請書ヲ徴シ、御差回相成度、依命此段申進候也
  明治二十八年十二月十二日
         逓信省鉄道局長 松本荘一郎
    東京府知事 三浦安殿

(別紙)
内三丙四三九〇号ノ四
鉄第一二四九号
北越鉄道株式会社発起人渋沢栄一外三百六十名ヘ鉄道敷設免許状下付候条、同人等ヘ交付シ、請書ヲ差出サシムヘシ
  明治二十八年十二月十二日
              逓信大臣 白根専一
      ○
明治廿八年十二月十三日受出   内務部第三課主任属
知事
 内務部長  第三課長  農商掛
(朱書)
内三丙四三九〇号ノ五
    鉄道会社設立免許状等請書送付之件
北越鉄道株式会社申請ニ係ル鉄道敷設免許状下付並鉄道局長達書御送付ニ付、発起人ヘ交付之上、別紙請書ヲ徴シ候間、及御送付候也
  年 月 日 知事
    逓信省鉄道局長宛

(別紙)
    第二十九号
    免許状
               北越鉄道株式会社発起人
                      渋沢栄一
                        外三百六十名
右申請ニ係ル北越鉄道株式会社ノ設立並ニ既成官線新潟県下中頸城郡直江津停車場ヨリ、古志郡長岡・中蒲原郡新津ヲ経、北蒲原郡新発田ニ至ル鉄道並新津ヨリ分岐シ中蒲原郡沼垂ニ至ル鉄道ヲ敷設シ、運輸ノ業ヲ営ムコトヲ免許ス、依テ此免許状下付ノ日ヨリ起算シ満六箇年以内ニ敷設工事ヲ竣功スヘシ
  明治廿八年十二月十二日
               逓信大臣 白根専一
 右御請仕候也
              北越鉄道株式会社
  明治廿八年十二月十三日     創立委員長
                    前島密 (印)
     ○
鉄第一一五四号
 - 第9巻 p.34 -ページ画像 
            北越鉄道株式会社発起人
                      渋沢栄一
                        外三百六十名
別紙北越鉄道株式会社設立並ニ鉄道敷設免許状下付相成候ニ付テハ、阿賀川鉄橋架設ニ関シ、内務大臣ヨリ通知ノ次第有之候条、左ノ事項遵守スヘシ
 此段依命相達候也
  明治廿八年十二月十二日
         逓信省鉄道局長 松本荘一郎
一盛土ニ要スル土ハ可成橋下(橋脚間)ヨリ掘リ採ルヘキ事
一堤外地盛土工事ノ変更ニ付テハ、其多少ニ拘ハラズ、第三区土木監督署ノ承認ヲ受クヘキ事
一本川改修工事施行ニ際シ、盛土ヲ短縮シ橋梁ヲ延長スルノ必要ヲ生シタルトキハ、会社ノ費用ヲ以テ直ニ之ヲ施行スヘキ事
右請仕候也
               北越鉄道株式会社創立委員長
  明治廿八年十二月十三日
                       前島密 (印)



〔参考〕日本鉄道史 中篇・第五二八―五二九頁〔大正一〇年八月〕(DK090004k-0004)
第9巻 p.34 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。