デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
12款 磐城鉄道株式会社
■綱文

第9巻 p.78-87(DK090009k) ページ画像

明治28年10月4日(1895年)

栄一外十一名発起人トナリ、福島県郡山町ヨリ三春・小野新町ヲ経テ同県平町ニ至ル間ニ鉄道ヲ敷設セントシ、是日出願ス。三十年七月十七日仮免状ヲ下附セラレタルモ失効ニ終リ、会社解散ス。


■資料

青淵先生六十年史 第一巻・第九七四―九七五頁 〔明治三三年二月〕(DK090009k-0001)
第9巻 p.78 ページ画像

青淵先生六十年史 第一巻・第九七四―九七五頁〔明治三三年二月〕
磐城鉄道株式会社ハ明治二十八年先生及ヒ真中忠直・渡辺治右衛門・川崎八右衛門・浅野総一郎外七名ノ発起創立ニ係ル、其線路ハ福島県安積郡郡山町ヲ起点トシ、三春・小野新町ヲ経、同県磐前郡平町ニ達スル延長大約四十四哩ノ場所ニ敷設セントスルモノニシテ、其目的ハ一般ノ運輸ヲ便ニシ、専ラ磐城地方炭山ノ開掘ヲ盛ナラシメントスルニアリ、其資本金額ハ百八拾万円ナリト、今左ニ同会社ノ起業目論見書ヲ掲ク
   ○起業目論見書、後掲ニツキ略ス。
此ノ鉄道ハ、其後日本鉄道海道線ノ延長アリ、磐城地方運輸ノ便大ニ開ケタルニヨリ、終ニ中止トナリ、会社ハ解散セリ


第六課文書類別 農商・鉄道ニ関スル書類二明治三〇年第一種(DK090009k-0002)
第9巻 p.78-87 ページ画像

第六課文書類別 農商・鉄道ニ関スル書類二明治三〇年第一種 (東京府庁所蔵)
    磐城鉄道株式会社創立発起認可願
私共儀、今般福島県安積郡々山町ヲ起点トシ、三春・小野新町ヲ経、同県磐前郡平町ニ達スル延長大約四拾四哩ノ間、別紙図面朱線ノ場所ニ鉄道ヲ敷設シ、旅客貨物運輸ノ営業ヲ為スノ目的ヲ以テ、磐城鉄道株式会社ヲ創立仕候間、何卒右会社発起ノ儀、御認可被成下度、依テ商法及ヒ私設鉄道条例ノ規定ニ依リ、別紙書類相添ヘ、発起人一同連署ヲ以テ此段奉願候也
  明治廿八年十月四日
           発起人
             東京市浅草区橋場町三十七番地
                     真中忠直(印)
             同市日本橋区兜町二番地
                     渋沢栄一
             同市同区本材木町一丁目七番地
                     渡辺治右衛門(印)
             同市本所区千歳町四十六番地
                     川崎八右衛門(印)
             同市深川区清住町一番地
                     浅野総一郎
             同市麹町区中六番町五番地
 - 第9巻 p.79 -ページ画像 
                     唐崎恭三(印)
             同市本所区緑町一丁目九番地
                     天野仙輔
             同市京橋区霊岸嶋塩町九番地
                     宮古啓三郎(印)
             福島県磐城国磐前郡平町字紺屋町三十五番地
                     白井遠平(印)
             東京市本郷区真砂町拾五番地
                     小山田信蔵(印)
             埼玉県武蔵国大里郡吉見村胄山一番地
                     根岸武香
             東京市小石川区諏訪町廿六番地
                     石川弥

 (別紙)
    磐城鉄道株式会社起業目論見書
第一 本会社ハ、株式組織トス
第二 本会社ハ、鉄道ヲ敷設シ、旅客貨物運搬ノ業ヲ営ムヲ以テ目的トス
第三 本会社ハ、磐城鉄道株式会社ト称シ、本社ヲ東京市ニ置ク
第四 線路ハ、福島県安積郡郡山ヲ起点トシ、三春・小野新町ヲ経テ磐前郡平町ニ至ル延長四十四哩ニシテ、軌道幅員ハ三呎六吋トス
第五 資本金ノ総額ハ、百八拾万円トシ、之ヲ三万六千株ニ分チ、一株ノ金額ヲ五拾円トス
第六 鉄道敷設ノ費用及ヒ運輸営業上ノ収支概算左ノ如シ
    鉄道敷設費用ノ概算
一金百八拾万円          総額
    内訳
 金弐万九百円            測量並ニ工事監督費
 金九万五千六百円          用地買入費
 金廿壱万七千四百円         橋梁費
 金弐万参千円            コルベルト費
 金壱万参千四百円          伏樋費
 金四拾五万九千円          土工費
 金参拾五万九千円          隧道費
 金参万八千弐百円          停車場費
 金廿六万七千八百円         軌道費
 金拾壱万四千八百円         車輛費
 金壱万三千四百円          器械場費
 金壱万五千参百円          運送費
 金壱万千五百円           建築用汽車費
 金千九百円             柵垣境杭費
 金七千六百円            電信架設費
 金七千六百円            建築用具費
 - 第9巻 p.80 -ページ画像 
 金七千六百円            創業費
 金拾弐万六千円           予備費
    運輸営業上ノ収支概算
一金拾五万弐千五百七拾八円〇弐銭 収入総額
   内訳
 金六万七千〇八拾壱円七拾八銭 貨物費
 金八万五千四百九拾六円廿四銭 乗客賃
一金六万千三百八拾六円六拾銭 支出総額
   内訳
 金六万千三百八拾六円六拾銭 営業費
  但壱哩ニ付金千参百九拾五円拾五銭
 収支差引
 金九万千百九拾壱円四拾弐銭
  資本金百八拾万円ニ対シ年五朱〇六五九強ニ当ル
   (運輸営業収支一覧表ハ次ニ之ヲ添付シタリ)
第七 発起人ノ氏名住所及発起人各自引受クヘキ株数左ノ如シ
        東京市浅草区橋場町卅七番地
 一 壱千株     真中忠直
        同市日本橋区兜町二番地
 一 壱千株     渋沢栄一
        同市同区本材木町一丁目七番地
 一 壱千株     渡辺治右衛門
        同市本所区千歳町四十六番地
 一 壱千株     川崎八右衛門
        同市深川区清住町一番地
 一 壱千株     浅野総一郎
        同市麹町区中六番町五番地
 一 四百株     唐崎恭三
        同市本所区緑町一丁目九番地
 一 四百株     天野仙輔
        同市京橋区霊岸嶋塩町九番地
 一 四百株     宮古啓三郎
        福島県磐城国磐前郡平町字紺屋町三十五番地
 一 三百株     白井遠平
        東京市本郷区真砂町拾五番地
 一 三百株     小山田信蔵
        埼玉県武蔵国大里郡吉見村大字胄山一番地
 一 五百株     根岸武香
        東京市小石川区諏訪町廿六番地
 一 壱百株     石川弥
第八存立期限予定セス
右之通リニ候也
  明治廿八年十月四日
                      発起人連署
 - 第9巻 p.81 -ページ画像 
    逓信大臣 子爵渡辺国武殿
   ○別紙図面、運輸営業収支一覧表及発着表、磐城鉄道株式会社仮定款略ス。
      ○
    引替願
去ル明治廿八年十月四日付ヲ以テ自分共ヨリ差出シタル磐城鉄道株式会社創立発起認可願及ヒ附属定款・目論見書等之義、別冊之通リ訂正致シ、発起人ニモ増減ヲ加ヘ候ニ付、之ト御引替相成、別冊ヲ逓信大臣ヘ御進達被成下度、此段奉願候也
  明治廿九年一月十一日
            東京市浅草区橋場町三十七番地
                     真中忠直(印)
                          ○外五名略
    東京府知事 三浦安殿
      ○
明治廿九年二月五日受日出
知事
 内務部長(印) 第三課長(印) 農商掛(印)
(朱書)
内三丙第六二三九号ノ七
    磐城鉄道敷設申請書進達案
本府東京市浅草区橋揚町三十七番地真中忠直外十一名発起トナリ磐城鉄道株式会社ヲ創立シ、福島県安積郡郡山町ヲ起点トシ、三春・小野新町ヲ経テ、磐前郡平町ニ達スル鉄道敷設之義申請書提出ニ付、予テ御内諭之旨趣ニ依リ取調候処、意見大略左記之通ニ有之候、依テ書面進達、此段副申仕候也
                       知事
    逓信大臣殿
一起業ノ確否
 発起人ハ何レモ実業家ニシテ、概シテ相応ノ資産ヲ有シ、信用亦乏シカラス、依テ其企業ノ目途正当ニシテ確実ナリト認ム
一起業ノ効用
 本鉄道ノ効用ハ、郡山ヨリ会津ヲ貫通シテ新潟ニ達スル岩越鉄道ノ敷設ト相待テ実用ヲ為スニモノシテ、該般ノ事業ノ利便ヲ与ヘ、交通上至大ノ便益アリ、故ニ将来良好ノ結果ヲ収ヘキ望アリ
一起業ノ公益上ノ関係
 本鉄道敷設ノ為メ、旧来ノ道路河川等ノ多少ノ変換若クハ地方人民ノ生計就中沿道運搬業者ノ営業上ニ影響ヲ及ホスヘキモ、運搬業者ハ事業者ニアラス随テ其被害モ亦軽少ナレハ、此鉄道敷設ノ暁ニ至リ公共ノ利益ヲ増進スルト其得失軽重素ヨリ同日ノ論ニアラス、又経済上ノ関係ニ至テモ不利益ヲ来スノ虞ナシ
      ○
    磐城鉄道株式会社創立願ニ係ル仮定款引替願
先般私共発起ヲ以テ出願ニ係ル磐城鉄道株式会社創立願書ニ添付ノ仮定款引替方、別紙ノ通逓信大臣ヘ出願仕度候間、速カニ御進達方宜敷
 - 第9巻 p.82 -ページ画像 
御処理被成下度、此段追願仕候也
  明治三十年五月十七日
                      発起人 連署
    東京府知事 侯爵久我通久殿

(別紙)
    磐城鉄道株式会社仮定款
   第壱章 総則
第一条 本会社ハ株式組織トス
第二条 本会社ハ、福島県安積郡郡山町ヨリ同県石城郡平町迄鉄道ヲ敷設シ、旅客及貨物運輸ノ業ヲ営ムモノトス
第三条 本会社ハ磐城鉄道株式会社ト称シ、本社ヲ東京市ニ置ク
   但営業上ノ都合ニヨリ便宜ノ地ニ支社若クハ出張所ヲ設置スルコトアル可シ
第四条 本会社ノ資本金総額ハ金百八拾万円トス
   第弐章 株式及株主名簿
第五条 本会社ノ株式ハ一株金五拾円トシ、其株数ヲ三万六千株トス
第六条 外国人ヲ除クノ外、何人タリトモ本会社ノ株主タルコトヲ得ヘシト雖トモ、一株ヲ数人ニテ分有スルコトヲ得ス
第七条 本会社ノ株主ハ株主名簿及株式ニ其氏名ノ登記ヲ経タルモノニ限ル
第八条 株主名簿ニハ左ノ事項ヲ登記ス
  第一 各株主ノ氏名住所
  第二 各株主所有ノ株式ノ数及株券ノ番号
  第三 各株式ニ付払込ミタル金額
  第四 各株式ノ取得及譲渡ノ年月日
第九条 本会社ノ株式券状ハ甲乙ノ二種ニ分ツ
  甲種 一株ヲ一通トス
  乙種 十株ヲ一通トス
第十条 本会社ハ株金全額払込以前ニ在ラハ仮株券ヲ発行シ、全額完納ノ後ニ至リ本株券ヲ発行ス
第十一条 本会社ノ本株券及仮株券ノ雛形ハ左ノ如シ
  株券雛形

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 表面  第何号  [img 図]印紙 磐城鉄道株式会社株券  一何株               氏名殿    此金額 何円  右記名者磐城鉄道株式会社ノ定款ヲ遵守シ本会社株式ノ内何株即チ何円ノ持主タルコト相違ナキ証トシテ此株券ニ本会社ノ印章ヲ押捺シ之ヲ交付スル者ナリ   此株式ヲ売買譲受渡セントスルトキハ本会社ヘ此株券ヲ持参スヘシ本会社ニ於テハ相当ノ検査ヲ遂ケ此株券裏面罫劃内ヘ専務取締役記名調印シ之ヲ還付スヘシ   [img 図]社印 磐城鉄道株式会社  年 月 日      取締役会長 氏名 印             専務取締役 氏名 印 



図表を画像で表示--

  以下p.83 ページ画像  裏面 年 月 日   売譲渡人記名調印   買譲受人記名調印   買譲受人住所   専務取締役記名調印                                                                                                                                                    


  仮株券雛形

図表を画像で表示--

 表面  右記名者磐城鉄道株式会社ノ定款ヲ遵守シ本会社株式ノ内何株即何円ヲ引受タルコト相違ナキ証トシテ此仮株券ヲ附与ス払込金ヲナストキハ、此株券ヲ其都度本会社ニ持参スヘシ本会社ハ領収セシ証トシテ金額並ニ年月日ヲ記入シ之ニ専務取締役ノ印ヲ押捺スヘシ追テ全額入金ノ上ニテ本株券ト引換ヘキモノナリ   但此株式ヲ売譲渡買譲受セントスルトキハ此株券裏面罫劃内ヘ売譲渡人ノ氏名及買譲受人ノ氏名住所ヲ記シ売譲渡買譲受人共に調印シテ本会社ヘ持参スヘシ本会社ニ於テハ至当ノ検査ヲ遂ケ専務取締役捺印ノ上所有ノ移転ヲ証明スヘシ    明治 年 月 日              磐城鉄道株式会社   [img 図]社印    取締役会長 氏名 印                専務取締役 氏名 印 第九回 第七回 第五回 第三回 第一回 払込  第何号  [img 図]印紙 磐城鉄道株式会社仮株券  一何株                氏名 殿     此金額  何円 金 円 金 円 金 円 金 円 金 円 金額 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 年月日 専務取締役調印 第十回 第八回 第六回 第四回 第二回 払込 金 円 金 円 金 円 金 円 金 円 金額 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 明治 年  月 日 年月日 専務取締役調印 



図表を画像で表示--

 裏 面 年 月 日   売譲渡人記名調印   買譲受人記名調印   買譲受人住所   専務取締役記名調印                                                                                                                                                    



第十二条 本会社ノ株式ヲ売買譲受渡セントスルトキハ、其本株券又ハ仮株券ノ裏面ニ売買譲受渡人記名調印シ、而シテ双方連印ノ株式売買譲受渡ノ証書ヲ添ヘ之ヲ本会社ニ差出シ、名義書換ノ登記ヲ求ムヘシ、本会社ハ之ヲ株主名簿ニ登記シ、専務取締役之ニ記名調印シテ其移転ヲ証スヘシ、若株主死去シ其相続人又ハ受遺贈者ヨリ名義書換ヲ請求スルトキハ、親族又ハ本会社ニ於テ適当ト認メタル二名以上ノ保証人ヲ立ツヘシ
   但本会社ニ於テ必要ト認メタルトキハ、市区町村長ノ証明書又ハ其権利移転ノ証書ヲ差出サシムルコトアルヘシ
第十三条 本会社ハ株式名義書換手数料トシテ一通ニ付金五銭ヲ徴収ス
   但遺産相続ニヨリ書換タルハ此限ニアラス
第十四条 本会社ノ株主其所有ノ株券ヲ損傷シタルトキハ申出ニ従ヒ
 - 第9巻 p.84 -ページ画像 
損傷券引換ニ新券ヲ交付スヘシ、若紛失焼亡シタルトキハ二名以上保証人連署ノ上其番号・枚数及亡失シタル理由ヲ本会社ヘ申出ヘシ、本会社ハ本人ノ費用ヲ以テ直ニ其旨ヲ一週間以内新聞紙ニ広告シ、満三十日ヲ経テ尚発見セサルトキハ新券ヲ交付スヘシ
   但新券ヲ交付スルトキハ一通ニ付金弐拾銭ノ手数料ヲ徴収ス
第十五条 本会社ハ株主名簿及計算閉鎖《(脱アルカ)》ノ為メ、事業年度毎ニ一ケ月以内株式売買譲受渡ノ登記ヲ停止ス
   但其停止期間ハ新聞紙ニ広告スヘシ
   第三章 株金払込
第十六条 本会社ノ株金払込ハ、工事竣功予定期限ヲ数回ニ分チ、第一回ノ払込ハ免許状下附ノ日ヨリ一ケ月以内ニ金五円トシ、残額ハ一株ニ付一回金弐拾円ヨリ多カラサル金額ヲ払込ムモノトス
   但株金払込ノ期日ハ取締役ノ会議ニ依リ之ヲ定メ、毎回少クモ十四日以前ニ各株主ニ通知スヘシ
第十七条 本会社ノ株主株金ノ払込ヲ怠リタルモノハ、其払込期限ノ翌日ヨリ其延滞金額ニ対シ百円ニ付一日金四銭ノ割ヲ以テ利息ヲ支払フヘシ、若シ払込期限後少クモ十四日以内ニ払込ムヘキ催告ヲ受ケ、尚払込ヲ為サヽルトキハ本会社ハ其株主ニ通知シテ其株式ヲ公売シ、其代金ヲ以テ延滞シタル払込金及其利息並ニ之カ為メニ生シタル諸費用ニ充テ、尚不足アラハ之ヲ追徴シ、若剰余アラハ之ヲ返付スヘシ
   第四章 取締役及監査役
第十八条 本会社ニ取締役五名、監査役三名ヲ置ク
第十九条 本会社ノ取締役ハ、本会社ノ株式五十株以上ヲ所有スルモノヽ内ヨリ、株主総会ニ於テ之ヲ選挙スヘシ
第二十条 本会社ノ取締役ハ其任期中所有株式五十株ヲ本会社ニ預ケ本会社ハ其融通ヲ禁スル為メ、其株券ニ封印シテ之ヲ領置ス
第二十一条 本会社ノ取締役ハ三ケ年、監査役ハ二ケ年ヲ以テ任期トス
   但再選ニ依リ重任スルコトヲ得
第二十二条 本会社ノ取締役及監査役ハ、何時ニテモ株主総会ノ決議ヲ以テ、之ヲ改選スルコトヲ得
第二十三条 本会社ノ取締役中ヨリ、互選ヲ以テ取締役会長一名、専務取締役一名ヲ選定ス
第二十四条 本会社ノ取締役会長ハ取締役会及株主総会ノ議長トナリ諸務ヲ統督ス
  専務取締役ハ内外ニ対シ会社ヲ代表ス
第二十五条 本会社ノ監査役ハ、取締役カ業務施行ノ適否ヲ監視シ、諸計算書及事業報告書等ヲ検査シテ総会ニ報告ス
第二十六条 本会社ハ、取締役ニ於テ業務施行及整理ニ関スル重要ノ事件ヲ協議スル為メ、評議員三名乃至十名ヲ置ク
第二十七条 本会社ノ評議員ハ、本会社株式五拾株ヲ所有スルモノノ中ヨリ、株主総会ニ於テ之ヲ選挙ス
第二十八条 本会社ノ評議員ハ五ケ年ヲ任期トス
 - 第9巻 p.85 -ページ画像 
   但再選スルコトヲ得
第二十九条 本会社ノ取締役ニハ俸給、監査役及評議員ニハ報酬ヲ給与ス、其額ハ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
第三十条 本会社ノ取締役又ハ監査役及評議員ニ欠員ヲ生シタルトキハ、臨時総会ヲ開キ補欠員ヲ選挙スヘシト雖トモ、其法定ノ人員ヲ欠カス且事務ニ差支ナキ限リハ次期ノ改選迄猶予スルコトヲ得
   但補欠員ハ其前任者ノ任期間在職スルモノトス
   第五章 株主総会
第三十一条 本会社ノ株主総会ハ通常総会及臨時総会ノ二種トス
第三十二条 本会社ノ通常総会ハ、毎年七月・一月ノ両度ニ之ヲ開ク
第三十三条 本会社ノ臨時総会ハ、取締役又ハ監査役ニ於テ必要ト認ムルトキ之ヲ招集ス、又総株金ノ五分ノ一以上ニ当ル株主、会議ノ目的ヲ示シテ請求スルトキハ之ヲ開ク
第三十四条 本会社ノ株主総会ハ、少クトモ十日以前ニ、其会議ノ目的事項並ニ開会ノ日時場所ヲ記載シ、各株主ヘ通知スヘシ
第三十五条 本会社ノ通常総会ニ於テハ、取締役及監査役ヨリ報告スル計算書・財産目録・貸借対照表・事務報告書・配当金分配案・取締役ノ俸給、監査役・評議員ノ報酬及賞与金、役員ノ選挙ヲ決スルノ外、他事ニ渉ルコトヲ得ス
第三十六条 本会社ノ臨時総会ニハ、其予告シタル事項ノ外他議ニ渉ルコトヲ得ス
第三十七条 本会社株主総会ノ議長ハ取締役会長之ニ任ス、若取締役会長差支アルトキハ専務取締役之ニ代リ、専務取締役差支アルトキハ他ノ取締役之ヲ代理ス、尚取締役差支アルトキハ出席株主中ヨリ之ヲ選挙スヘシ
第三十八条 本会社ノ通常総会ハ総株数四分ノ一、臨時総会ハ総株数三分ノ一以上ニ当ル株主出席シ、其議決権ノ過半数ニ依テ決ス、若シ可否相半スルトキハ議長ノ裁決ニ従フ、然レトモ此定款変更ノ決議ヲナサントスルトキハ、株主総員ノ半数以上ニシテ総株金ノ半数以上ニ当ル株主出席スルニ非サレハ之ヲナスコトヲ得ス、又本会社ノ解散ヲ為サントスルトキハ、株主総員ノ半数以上ニシテ総株金ノ二分ノ一以上ニ当ル株主出席スルニ非サレハ、之ヲ為スコトヲ得ス
第三十九条 本会社ノ株主総会当日ノ出席員定数ニ充タサルトキハ、其総会ニ於テ仮ニ決議ヲナシ、其決議ヲ総株主ニ通知シテ再ヒ総会ヲ招集ス、其通知ニハ、若第二ノ総会ニ於テ出席議決権ノ多数ヲ以テ第一総会ノ決議ヲ認可シタルトキハ之ヲ有効トナスヘキ旨ヲ、明告スルコトヲ要ス
第四十条 本会社ノ株主総会ニ於ケル議決権ハ、其所有株弐千株迄ハ一株毎ニ一個、千一株以上ハ十株毎ニ一個ヲ加フ
第四十一条 本会社ノ株主若シ株主総会ニ出席シ難キ時ハ、本会社役員ニアラサル株主中ノモノヲシテ、委任状ヲ以テ代理出席セシムルコトヲ得
第四十二条 本会社定款ノ各条ニ明文アルモノノ外、左ノ事項ハ臨時
 - 第9巻 p.86 -ページ画像 
総会ヲ招集シテ決議スルコトヲ要ス
  第一 定款ヲ変更スルコト
  第二 債券ヲ発行シ、又ハ会社財産ヲ担保トシテ債務ヲ負ヒ、及之ヲ弁済スルコト
  第三 会社解散ノコト
   第六章 計算
第四十三条 本会社ノ総勘定ハ一ケ年ヲ二期ニ分チ、毎年一月ヨリ六月迄ヲ前半季トシ、七月ヨリ十二月迄ヲ後半季トシ、七月・一月ノ両度ニ於テ六ケ月間ノ出納ヲ精算シ、計算書・財産目録・貸借対照表・事業報告書・配当金分配案ヲ作リ、総会ノ決議ニ付スルモノトス
第四十四条 本会社ノ毎季営業純益金ノ内百分ノ十ヲ準備積立金トシ百分ノ十以内ヲ役員賞与金トシ、百分ノ八十以内ヲ株主配当金ニ充ツ
   但計算ノ都合ニ依リ純益金ノ内幾分ヲ次ノ計算期ニ繰越スコトヲ得
   第七章 雑則
第四十五条 本会社ノ定款及規則類ノ改正、官庁ヘノ諸願伺届、職員ノ変更、株主総会ノ議決、営業上ノ要件ハ悉ク記録ヲ以テ之ヲ保存シ、且毎季諸計算ヲ明ニシ、考課状ヲ製シ、株主ニ報告スヘシ
第四十六条 本会社ニ於テ官庁ニ対スル諸願伺届及営業上ノ諸契約、往復文書等ニハ、総テ本会社ノ名ヲ用ヒ、社印ヲ押捺スヘシ
   但文書ノ種類ニヨリテハ取締役之ニ連署ス
右之通リニ候也
  明治三十年五月 日
                     発起人連署
      ○
 鉄第一六一五号
                        東京府知事
磐城鉄道株式会社発起人真中忠直外十一名ヘ別紙仮免状下付候条右発起人ヘ交付シ、仮免状指定期限内ニ成規ノ図面書類ヲ差出サシムヘシ
  明治三十年七月十七日
            逓信大臣 子爵 野村靖 

    御請書
第百拾七号
     仮免状
               磐城鉄道株式会社発起人
                      真中忠直
                          外拾壱名
右出願ニ係ル磐城鉄道株式会社ノ登記ヲ認可シ、日本鉄道株式会社既成線郡山停車場ヨリ、福島県田村郡三春町・小野新町村ヲ経テ、日本鉄道株式会社既成線平停車場ニ至ル鉄道敷設ノ為、同線路ヲ実地測量スルコトヲ許可ス
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  但此仮免状下付ノ日ヨリ起算シ満十八個月以内ニ、私設鉄道条例第三条及商法第百六拾六条ノ図面書類ヲ差出シ、免許状ノ下付ヲ申請セサルトキハ、此仮免状ハ無効タルヘシ
  明治三十年七月十七日
            逓信大臣 子爵 野村靖 
右御請仕候也
  明治三十年七月廿四日    磐城鉄道株式会社発起人
                      唐崎恭三(印)
    逓信大臣 子爵 野村靖殿


日本鉄道史 下篇・第一二八頁〔大正一〇年八月〕(DK090009k-0003)
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