デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
25款 其他ノ鉄道 1. 両山鉄道株式会社・大社鉄道株式会社
■綱文

第9巻 p.350-353(DK090034k) ページ画像

明治28年12月10日(1895年)

千家尊弘外十七名大社鉄道ヲ設立ス。栄一ソノ株主ノ一員トナル。同鉄道ハ翌二十九年六月両山鉄
 - 第9巻 p.351 -ページ画像 
道ト合同シ、名称ヲ大社両山鉄道ト改メシガ、起業ノ見込ナク三十一年十二月解散ス。


■資料

青淵先生六十年史 第一巻・第九九七―九九八頁 〔明治三三年二月〕(DK090034k-0001)
第9巻 p.351 ページ画像

青淵先生六十年史 第一巻・第九九七―九九八頁〔明治三三年二月〕
    第二十節 大社鉄道会社
大社鉄道株式会社ハ明治二十八年ノ交ニ創立シタルモノニシテ、其線路ハ島根県神門郡杵築町出雲大社鎮座ノ地ヲ以テ起点トシ、同郡今市町同国出雲郡出西・庄原・同国意宇郡宍道・来海・湯町・乃木・松江分・東津田・出雲郷・揖屋・町分・同国能義郡荒島・赤江・安来・吉佐及鳥取県伯耆国会見郡陰田等ヲ経テ同郡米子町ニ達スル延長約四十哩ノ間ニ布設セントスルモノナリ、其資本金ハ百四十万円ナリ
    大社鉄道株式会社創立願
島根県神門郡杵築町ヨリ松江市ヲ経テ鳥取県下会見郡米子町ニ至ル道路ハ山陰国道ノ要部ニシテ、沿道各町村落今市・庄原・宍道・揖屋・荒島及ヒ安来等ハ同県下ノ小都会ニシテ特ニ起点ハ出雲大社鎮座ノ地ニ有之、人衆ノ往復少ナカラス、且米子町ノ如キハ北海ノ要港タル境港ニ至ル咽喉ノ地ニシテ、沿道各町村ハ農海産物ニ富ミ、運輸交通ノ機関ヲ要スル事最モ切ナリ、玆ヲ以テ多額ノ資本ヲ投セスシテ鉄道ヲ敷設スルヲ得ハ営業上相当ノ利益アルハ勿論、殖産興業ノ一助トモ可相成ヲ以テ、線路等取調候処、平坦ノ地ニシテ工事上差シタル難所無之、且現時物貨ノ集散人衆ノ往復ニ徴シ調査スルニ別紙起業目論見書ノ如キ結果ヲ得候ニ付、玆ニ大社鉄道株式会社ヲ創立シ、前記杵築町ヨリ米子町ニ至ル延長凡四十哩軌間三呎六吋ノ鉄道敷設仕度候間、特別ノ御詮議ヲ以テ御許可被成下度、別冊起業目論見書仮定款並略図相添ヘ発起人連署ヲ以テ此段奉願上候也(起業目論見書仮定款略図等略ス)
  明治二十八年十二月十日  大社鉄道株式会社創立発起人
                      千家尊弘
                           外十七名
    農商務大臣 子爵 榎本武揚殿
    逓信大臣     白根専一殿
先生ハ同会社株主ノ一人ナリ、然ルニ金融逼迫ノ為メ成立ニ至ラスシテ解散セリ


日本鉄道史 中篇・第六九六―六九七頁〔大正一〇年八月〕(DK090034k-0002)
第9巻 p.351-352 ページ画像

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中外商業新報 第四二四三号〔明治二九年四月一六日〕 大社両山両鉄道の合同成る(DK090034k-0003)
第9巻 p.352 ページ画像

中外商業新報 第四二四三号〔明治二九年四月一六日〕
    大社両山両鉄道の合同成る
両山鉄道は山陽鉄道広嶋停車場を起点とし、広嶋県高田・三次・三渓・三上・奴可五郡を経て嶋根県下に入り松江市に至る延長百十哩に敷設するものにして、大社鉄道は鳥取県米子より嶋根県松江今市を経て杵築に達するものなるも、大社鉄道は其の位置に於て恰《あたか》も両山鉄道の支線たるか如き観あり、且大社鉄道の発起人は過半両山鉄道の発起人なるより両鉄道合同談両鉄道《ごうどうだん》の発起人間に行はれ居たるか、本年一月十五日の両山鉄道発起人会に於て大社鉄道の仮免状《かりめんじょう》を下附されたる暁には無条件にて合同すること、両社発起人の契約書を交換《こうかん》する事等の条件を委員に一任したり、然るに両社共此程免許状を下附されたるを以て両社の発起人は去る十日柳花苑に会合して発起人会を開き、協議の上両社合同して社名を両山鉄道株式会社と称し、両山鉄道の資本金五百五十万円と大社鉄道の資本金百五十万円と合併して、都合七百万円とし、創立委員長には船越衛氏を推選したる由。


中外商業新報 第四九八九号〔明治三一年九月二二日〕 大社両山鉄道会社の解散運動(DK090034k-0004)
第9巻 p.352-353 ページ画像

中外商業新報 第四九八九号〔明治三一年九月二二日〕
    大社両山鉄道会社の解散運動
大社両山鉄道会社にては、仮免状下附以来経済界の不況に陥れるより僅に一円づゝの証拠金を徴収したるまゝにて、其後は事業を中止し居れるが、之が為めに同株式申込人三谷軌秀・弘世助三郎二氏外四十名は同鉄道を解散せんとし、曩に臨時総会を会社に請求したるに、同社重役等は協議の末、仮免状有効期限は猶来三十二年六七月頃まであるを以て、此間には経済界も回復し来るべければ、臨時総会の請求は暫時見合はされたしとの回答ありしより、遂に其侭今日まで経過せしも同請求者等は、目下の経済界は到底仮免状の有効期間中には株金払込の好結果を現はす程回復すべしとも思はれず、仮令回復すべしとするも、同鉄道は山間僻在の地方のみを多く通過するものなれば、旅客・貨物等の収入多からざるに反し、工事費用は却て多額を要するを以て
 - 第9巻 p.353 -ページ画像 
営業を開始するも利益の見込なければ、寧ろ此際解散するに如かずとて、近日再び同志者を会合して解散同盟会を組織せんとし、運動中の由なるが、又同株式申込人中河野葭一氏外二三名は、同鉄道の成否を以て広島市の盛衰に大関係ありとし、熱心に解散説を非認し居れりといふ