デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
2款 東京府瓦斯局
■綱文

第12巻 p.376-388(DK120042k) ページ画像

明治9年7月10日(1876年)

是日、先キニ東京会議所ヨリノ建議ニ依リ府庁ハ自今ランプ課廃止ノ旨示達ス。尋イデ本月十三日会議所ランプ課ハ瓦斯局ヘ事務引継ヲナシ、年末ニ至リテ廃停ヲ了セリ。栄一瓦斯局事務長トシテ之ニ与ル。


■資料

瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0001)
第12巻 p.376 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
                      第一課
                      第六課
ランフ課之義ハ事務長申立之趣も有之ニ付速ニ被廃可然、左ニ御達案取調相伺候也
                      渋沢栄一
ランフ課自今廃止候条此旨可相心得事
 但事務之義ハ来ル十三日限瓦斯局ヘ引送リ其旨可届出事○九年七月一〇日達
  ○右事務長申立書ヲ附セズ。栄一東京会議所会頭トシテ明治九年四月十四日礦油灯及ビ現華灯廃停ノ意見ヲ開陳セシガ、其後又事務長トシテ上申セル栄一ノ其廃停意見書ハ明ラカナラズ。尚第一款「東京会議所瓦斯掛」明治九年四月十四日ノ条(第三四一頁)参照。
  ○ランプ課ハ礦油灯ノミナラズ現華灯ヲモ含ミ管掌セリ。
  ○尚点火費賦課方法更正並ニ礦油灯・現華灯廃止ニ就イテハ本款明治九年十月十日ノ条(第三九七頁)参照。


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0002)
第12巻 p.376-377 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
ランプ課之義自今廃止候条其旨可相心得、但事務之義は来ル十三日限リ瓦斯局江引送リ其段御届可申上旨昨十日御達之趣奉敬承候、則同課江相達候ニ付向来心得方之義勘弁仕候処、右は先般意見之趣上陳仕候次第も有之候間左ニ奉伺候
一 府下ランフ街灯之分は来ル十四日より消灯可仕義と相心得可申哉
一 右ニ付街灯有之区内江左之通御布達有之候事
    御布達案
  其区内ニ建設有之候英国ランプ街灯之義、是迄会議所おひて取扱罷在候処、今般右事務ニ付庁江還納相成候ニ付ては詮議之次第有之、自今相廃止候ニ付、来ル十四日より消灯いたし候条其旨可相心得候、尤其区内ニおひて点灯希望いたし候ハヽ町内共有又は一人ニ而所有いたし候共其望ニ任セ、ランプ灯台及附属品とも低価ヲ以而払下候条、望之者ハ東京瓦斯局江可申出候、此段相達候事
右之件々至急御指揮被成下度奉存候、此段上陳仕候也
  明治九年七月十一日      瓦斯局事務長
 - 第12巻 p.377 -ページ画像 
                渋沢栄一 
    東京府権知事 楠本正隆殿
                  第一課
    ランフ課廃止ニ付伺
                   渋沢栄一
右指定案左ニ相伺候也
割印 書面ランフ之義ハ瓦斯局ニ於テ事務引受、尚差図致迄ハ従前之通点火候義ト可相心得事


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0003)
第12巻 p.377 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
ランフ課自今被廃事務之義は瓦斯局江可引送旨御達ニ付、昨十三日同課より一切之事務引継相済候ニ付此段御届申上候也
  明治九年七月十四日    瓦斯局事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0004)
第12巻 p.377-378 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
明治九年十一月十五日受 十一月十五日出 十一等出仕 吉水経和
  (楠本)
 知事(印)                   庶務課(印)
     (千田)                    (印)
   参事 (印)                出納課    (印)
    ランプ灯処分方伺
  (朱書別筆)
  警視庁ヘハ廃棄之趣意詳悉為相知而後可取計事
英国新製ランプ灯処分之義曩ニ御決定相成候ニ付てハ、点火之義本月中と相定メ、払下之義街灯建設之各戸長ヘ左之通御達取計可然哉相伺候也
    口達案              区戸長
去六年会議所之申出ニ因リ街灯試見ノ為瓦斯灯ランプ灯両基建設相成候処、今般ランフ灯ハ悉皆払下候事ニ相決本月限消灯為致候、然ニ街灯之義ニ付てハ先年御諭達ニも相成候通、警察上不可欠義ニ付、追て一般ニ建設相成義ハ不待論訳ニ付、此際区戸長より左之ケ目ヲ以及協議、志願書取束来ル二十五日限リ可申出書
    心得書
一現今建設灯数四百十八基
一町数百三十二ケ町
一聞小間壱万六百九十九小間
一壱基原価 弐拾弐円九拾銭
一一ケ月ノ点火費 大凡三円
一現今建設候町々之申合ニより悉皆払下志願之節ハ、原価之三分一ヲ以下附スヘシ (朱書)此三分一、七円六十三銭三リ年賦或ハ月賦
 但当時建設候灯ヲ中央一基ヲ抜去度志願ニ候ハ不苦候事中央壱基云々ハ仮設共二十間毎ニ一基ヲ建ルヲ四十間ニ一基トナスヲ云ナリ
一壱町内限申合払下志願之節ハ、原価ノ十分ノ四ヲ以下附スヘシ、此十分四九円十六銭ハ月賦
 - 第12巻 p.378 -ページ画像 
一隣家両三軒之申合ヲ以払下志願之節ハ、原価之十分ノ四ヲ以下附シ代金即納之筈
右之心得ヲ以志願之有無及代価上納ノ年限取調之筈
  愚考左ニ上申         八等出仕 秋山則白《(秋山則行カ)》(印)
右之通ヲ以及協議区民払下之義不競ニ候ハヽ一般抜去払下ヲ不要シテランプ五百基現華灯五百基〆一千基、六大区ニ割附シ、危険之地ニ建設シ、点火ハ各区之受持と被相定可然被存候也
                        (回議用紙)


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0005)
第12巻 p.378 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
明治九年十一月十五日受 十一月十五日出    庶務課
英国新製ランフ灯処分方御裁決相成候ニ付警視庁ヘ御通知案相伺候也
 但委細ハ口頭ヲ以申入度此段添而相伺候

    大警視宛               長官
別紙町々建設致置候英国新製ランフ灯四百十八基、是迄当府ニ於テ点火致来候処、本月限消灯致シ、爾後区民ヘ払下候筈ニ決定致候間、為御心得此段御通知およひ候也
ランプ灯
一本船町ヨリ伊勢町道浄橋迄ニ至ル
一本両替町御堀端ヨリ伊勢河岸ニ至ル
一品川町裏河岸ヨリ神田多町弐丁目ニ至ル
一本石町壱丁目御堀端ヨリ馬喰町四丁目ニ至ル
一西福田町ヨリ小柳町弐丁目ニ至ル
一堀留町壱丁目ヨリ元浜町ニ至ル
一小網町三丁目ヨリ小舟町壱丁目ニ至ル
一堀江町壱丁目ヨリ同町四丁目ニ至ル
一小網町四丁目ヨリ新材木町ニ至ル
一松嶋町ヨリ神田材木町ニ至ル
一住吉町ヨリ元岩井町ニ至ル
一葺屋町河岸ヨリ高砂町河岸ニ至ル
一新乗物町ヨリ富沢町河岸ニ至ル
一大富町河岸ヨリ新富町弐丁目ニ至ル
一大富町河岸ヨリ新富町七丁目ニ至ル
一新富町五丁目ヨリ同町六丁目ニ至ル
一新富町六丁目河岸通七丁目ニ至ル
一築地四丁目河岸ヨリ同町二丁目角ニ至ル
    以上


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0006)
第12巻 p.378-379 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課    (東京府文庫所蔵)
明治九年十二月二日受 十二月二日出 十一等出仕 吉水経和(印)
 知事
    (千田)
   参事(印)          庶務係(印)
新製ランプ消火之儀ニ付瓦斯局ヘ御達案相伺候也
 - 第12巻 p.379 -ページ画像 
      按
                        瓦斯局
英国新製ランプ之儀本月より点火スルニ不及候条此旨可相心得事


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0007)
第12巻 p.379 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
    英国新製ランプ消灯御届
英国新製ランプ街灯之義、本月より点火スルニ不及候条其旨可相心得旨、去ル二日御達ニ付、夫々手配之上同夜より市街一般消火仕候、此段御届申上候也
  明治九年十二月五日
             事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0008)
第12巻 p.379 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
    英国新製ランフ街灯処分之義ニ付伺書
今般英国新製ランプ街灯之義去ル二日より消火可致旨御達ニ付、右処分方之義左ニ申上候
 一 街灯器械類は早々取片付候上、追て入札払之義相伺可申事
 一 点消人之義は器械取片付之上、雇差免可申事
 一 点消人取締両人は残用相済候上、当分之内従前之通差置申度候事
右之廉々至急御允裁被成下度此段奉伺候也
  明治九年十二月五日
             事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿
                     庶務課
                     出納課
英国新製ランプ灯諸器械処分方之義ニ付別紙之通渋沢栄一より伺出、右ランフ之義は区民ヘ払下ケ之義区戸長より人民ヘ協議中ニ付、否落着迄ハ其器械等入札払之義ハ見合置度候ニ付、先ツ左之通御指令案相伺候也
    按
書面伺之趣追而可及何分之指揮候条夫迄見合置可申事○九年一二月八日達


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0009)
第12巻 p.379-380 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治九年十二月廿一日受  十二月廿一日出  十一等出仕 吉水経和(印)
 知事              庶務課(印)
    (千田)
   参事(印)          出納課(印)
ランフ払下処分中渋沢栄一別紙之通伺出候ニ付、見合可置旨御指令相成、然ルニ追々払下ケ最早百基計リ残有之候得共、今日中ニハ悉皆可願出模様ニ付、左之通瓦斯局ヘ御達相成可然哉相伺候也
    按
                        瓦斯局
 - 第12巻 p.380 -ページ画像 
今般新製ランフ灯一基代金三円ヲ以其建設之町々ヘ払下候条、点消人之義ハ速ニ差免可申、残品附属器械類等ハ取調之上早々処分方可伺出此旨相達候事
  ○右栄一別紙伺書ハ前掲明治九年十二月五日付「英国新製ランプ街灯処分之義ニ付伺書」ヲ指ス。


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0010)
第12巻 p.380-382 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治十年一月十九日受   一月十九日出 七等属 吉水経和(印)
  (楠本)
 知事(印)           庶務課(印)
   参事           出納課(印)
 (楠本)
  (印)(朱書別筆)
  朱引外ト雖望之者無之候而ハ此方より無理ニ払下訳ニハ参リ不申候間、其情ヲ不失様可取計事
現華灯入札之儀、昨年十月瓦斯局事務長ヘ甲号之通御達相成、其後一基四円位ヲ標価ト為シ入札払致度旨渋沢より出願し、乙号之通御指令相成候処、今般ランフ灯一基三円ニテ御払下相成候ニ付、丙号之通同人伺出候得共、右御達並御指令共御取消相成、現華灯ハ更ニ朱引内ヘ御払下、以後区内持ニ致シ建設為致候得とも衆庶之弁不少ト存候、尤代価之義は戸長之望ニ為任可然哉、依而渋沢出願書ヘ御指令案左ニ相伺候也
 (朱書)           (田沼)
 但建設可然場所取調追テ可相伺候也(印)
    按
(割印)

  書面現華灯之義は詮議之次第有之、明治九年十月十三日第三千六百九十五号現華灯入札払云々達並同年十月卅一日同入札標価伺ヘ之指令取消候条其旨可相心得事

(朱書)     (墨書)
第三千六百九拾五号(○甲号)

現華灯器械売却可致ニ付、元納人ヨリ引取見積書為差出、右ヲ標価トシ更ニ一般之入札ニ付シ、比較之上高価之者ヘ払下方可取計此旨相達候事
  但売払代金之儀ハ府庁第六課ヘ可相納事
  明治九年十月十三日
            東京府権知事 楠本正隆判

    現華灯入札払之儀ニ付上申
現華灯器械売却之義元納人より引取見積書為差出、右ヲ標価トシ、更ニ一般之入札ニ付シ比較之上高価之者江払下ケ方可取計旨御達之趣ヲ以、引取直段之儀元納人江は可申談候得とも、右は当今甚不向之品ニ而何分難申受旨書面差出候ニ付、元納人ニ候共右様之次第ニ而望無之品ヲ強而為申受候様ニも難相成候間、勘弁仕候処、人智進歩ニ随前日製造之品今日陳腐ニ属シ候類ニ而迚而も最前之代価ニ而は売却難相成は眼前之事ニ付、壱基之原価金拾六円五拾銭之凡四分一之目的ヲ以而壱基之代金四円位ヲ標価ト為シ、一般之入札ニ付シ売却可仕、尤右入
 - 第12巻 p.381 -ページ画像 
札之価格右以下ニ有之候ハヽ入札払見合、新聞紙等ニ而公告し、一般望人江三基五基ツヽ右標価ニ而売却可致と存候、此段奉伺候也
  明治九年十月卅一日
              事務長 渋沢栄一印
    東京府権知事 楠本正隆殿
(以下四行朱書)
         (墨書)
第四千五百六十五号(○乙号)
 書面伺之趣申立之通聞届候事
  明治九年十一月六日
            東京府権知事 楠本正隆印

    英国新製ランフ灯払下之義ニ付上申書(○丙号)
英国新製ランフ之義払下候ニ付、願人共御指令書持参候ハヽ右灯基可相渡旨一昨廿日御下達之趣拝承仕候、然ル処該灯之義ニ付而ハ本年九月中瓦斯及新製ランフ街灯建築費並点火費賦課方法同十月中現華灯器械売却方等ノ義御下議之節、新製ランフ之如キハ曾而具状之趣ニ寄会議所議員等之決按ヲ以テ右は廃灯トナシ、其器械ハ低価ヲ以テ売却スヘシ云々、現華灯器械ハ未建設以前之事ニ而不用ニ属シ候品ニ付、是又同様一般之入札ニ付シ売捌候様仕度旨開陳相成候義ニ付、其後現華灯価格之義元価之凡四分一ヲ目的トシ、一基ニ付金四円位ヲ標価トナシ入札ニ付シ売却可仕段私共より相伺候処、其通御指令相成候義ニ而其入札之金額ハ未確定不相成候得共、右ランフ灯壱基代金三円ヲ以テ其建設之町々江払下候条云々尚再度之御下達ニ付勘弁仕候処、此灯基価格之義前書現華灯入払《(札脱カ)》ニも関係仕候而已ならず、一事両様之御処置ニ而一体之御順序ニおゐて如何可有之哉と奉存候、尤右等御専断相成候は御府ニおゐて深キ御詮議も被為在、事務之緩急ニヨリ御即決相成候事とハ奉恐察候得共、一応此段奉伺候也
  明治九年十二月廿二日   瓦斯局事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿

現華灯五百基
一 灯柱五百本
一 灯籠五百個
    内弐百拾弐個〓損之分《(毀)》
一 油壷五百個     但壱基ニ付壱個ツヽ
一 台石千個      但壱基ニ付弐個ツヽ
    内拾三基分弐拾六個〓損
一 硝子板
    内訳
   横板 五百基分弐千五百枚  但壱基ニ付五枚ツヽ
   扉板 右同断 五百枚    但同断 壱枚ツヽ
   天井板 右同断 三千枚   但同断 六枚ツヽ
    内弐百枚〓損
 - 第12巻 p.382 -ページ画像 
   底板 五百基分 五百枚   但同断 壱枚ツヽ
    内百拾弐枚〓損
右之通御座候也
                 瓦斯局
    明治十年一月廿四日      鉱油課 瓦斯局
    記
現華灯五百基之内
一 弐百八拾八基  但 灯柱」灯籠」同硝子板」油壷」台石共*全備之分
一 弐百拾弐基   但 各属品 〓損之分
    内訳
   台石拾三基分〓損
   灯籠弐百拾弐基分〓損
   灯籠江取付ノ硝子 天井板三拾三基分〓損底板百拾弐基分〓損
右之通ニ御座候也
                  瓦斯局
  明治十年二月            鉱油課 瓦斯局
 *下ゲ紙
 〔原価 全備壱基ニ付金拾六円五拾銭


瓦斯局書類 自明治九年至同十年会計課(DK120042k-0011)
第12巻 p.382-383 ページ画像

瓦斯局書類  自明治九年至同十年会計課   (東京府文庫所蔵)
  英国新製ランプ灯器械其外処分之義ニ付上申書
今般新製ランプ壱灯基代金三円ヲ以テ其建設之町々江払下候条、点消人之義は速ニ差免し可申、残品付属器械類等は取調之上早々処分方可伺出旨御下達ニ付、点消人其外之義ニ付左ニ申上候
    第壱条
一点消人之義は速ニ放免可致候得共、器械取片付売捌方等ニ付多少人夫も相掛り候間、点消人之内取締相心得候者とも四人残用相済候迄差置き、其余は傭差免し可申事
    第二条
一点消人取締同伍長共弐拾九人之義は何レも出精相勤候義ニ付、特別之訳ヲ以テ先前之振合ニ見合一ケ月分之傭給別途御支給被下候様仕度候事
    第三条
一街灯之内追々朽腐之分出来候ニ付、漸次可仕替見込ヲ以而先般灯柱百本伺済之上新規申付分三拾九本建設いたし、残柱六拾壱本は今般払下之町々江引渡、古柱之分は受取売捌、右代金は上納可仕候事
    第四条
一廃灯以来是迄貯蓄いたし置候石油残之分百六拾七箱有之、右は此度売捌、代価上納可仕事
    第五条
一点火器械之分は悉ク町々江渡方難相成候得共、有合之分は相渡、原価之半価ヲ以而売渡、右代金は区務所江為相納候様可仕事
    第六条
一従前より取扱候帳簿之義は瓦斯局江保存いたし置可申候、尤不用ニ
 - 第12巻 p.383 -ページ画像 
属し候諸器械雑具等は売捌、代金上納可仕候事
右之廉々処分方奉伺候、差向之義ニ付至急御見裁被成下度奉存候、此段開陳仕候也
  明治九年十二月廿二日  事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿
割印 書面伺之趣第二条難聞届、余ハ伺之通○九年一二月二三日送達


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0012)
第12巻 p.383 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
    英国新製ランプ課点消人御手当之儀ニ付再申書
今般新製ランプ街灯廃止之義被仰渡候ニ付、右処分方奉伺候処第二条点消人御手当之儀ハ難聞届其余伺之通御指令有之候処、右は何れも小給之者共ニ而、此儘一同放免仕候付而ハ一時活路ヲ失ヒ候姿ニテ難渋之段相違も無之、殊ニ草創以来三ケ年間無滞相勤候儀ニ付、特別之訳ヲ以最前具状之通一ケ月分之給料御給与被成下度奉存候、此段再応上申仕候也
  明治九年十二月廿七日 事務長 渋沢栄一 東京瓦斯局事務長印
    東京府権知事 楠本正隆殿
割印 書面再応具申之趣他ヘ差響難聞届候事○九年一二月二七日送達
    鉱油街灯之義上申書
鉱油街灯建設之分三百三拾六基之内、消灯後弐基灯柱折損ニ付当課江所片付置、残る三百三拾四基之内追々三百壱基分御払下ケ御指令書持参灯籠内器械請取方申出候ニ付夫々相渡、残る三拾三基分器械請取方不申出何分残用取片付不申候ニ付、建設之区内各区務所江廻章ヲ以テ一月十一日至急受取方申出候様申通候得共、本日迄否不申越、就而は右三拾三基御払下奉願候者ハ至急請取方申出候様御達被下度、此段上申仕候也
              瓦斯局事務長
               渋沢栄一代理
  明治十年二月二日    副長 西村勝三 東京瓦斯局事務長印
    東京府知事 楠本正隆殿


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0013)
第12巻 p.383-385 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
昨明治九年十二月二日英国新製ランプ御廃シ以後同課残用取扱トシテ別紙之通四名相掛居候処、取調物追々片付候間、昨六日内弐名は雇差免残弐名之儀は右灯器類並現華灯器具共御処分相済候迄為取扱候間、此段御届奉申上候也
              瓦斯局事務長
               渋沢栄一代理
  明治十年二月七日
              副長 西村勝三 東京瓦斯局事務長印
 - 第12巻 p.384 -ページ画像 
    東京府知事 楠本正隆殿
雇給一ケ月            点消人取締
 金八円五拾銭             奈佐政和

 金六円五拾銭          同助 田辺亀吉
    右両人器具御処分迄残用取扱候事
同                点火消人兼伍長
 金五円六拾銭        減員   本多市太郎
同                点火消人兼伍長
 金五円六拾銭        減員   中森喜之助
    右両人昨六日雇差免候
右之通ニ御座候也
  明治十年二月七日          瓦斯局 鉱油課

                         庶務課
                         出納課
新製ランフ灯払下相成候ニ付、瓦斯局ニ於テ残用取扱トシテ別紙四名之者相掛ケ置候処、本月六日両人相廃シ候旨届出候ヘ共、ランフ灯払下追々相済、現華灯処分之義は先般御裁決相成候得共先ツ其儘差置キ機ヲ見テ御払下相成候方可然哉ニ付、残二名も解雇御達相成可然哉、御指令案相伺候也
    按
書面残リ二名も可相廃事○一〇年二月一〇日送達
鉱油課残用取扱残弐名も可相廃旨御指令相成候ニ付右弐名昨十五名雇差免候旨申渡候《(日カ)》、就ては残用之件々左ニ奉伺候也
    第壱条
一市街建設之街灯御払下残リ之分御払下済ニ相成候迄右灯内器械並属具共瓦斯局江取纏置、御払下願済御指令持参之者江同所ニおいて相渡候様仕度候
一現華灯並新製ランプ建設残リ之分、並附属品夫々取纏メ元会議所ノ土蔵ヘ入置、御処分済迄保護仕度候
一右土蔵鍵瓦斯局江納置可申哉
一鉱油課厨諸雑具其外不用ニ属シ候雑品類入札払ニいたし、代金上納可仕候
右之条々至急御指令之程奉願候也
              瓦斯局事務長
               渋沢栄一代理
  明治十年二月十六日   副長 西村勝三 東京瓦斯局事務長印
    東京府知事 楠本正隆殿
書面第一条より三条迄ハ伺之通、第四条之義は品数取調、更ニ可伺出事○一〇年二月二二日送達

旧鉱油課厨雑具其外不用ニ属シ候品類入札払之儀相伺候処、諸品調書可差出旨御指令ニ付、則別紙品類調書奉差上候也
  昭和十年三月六日
 - 第12巻 p.385 -ページ画像 
               瓦斯局事務長
                渋沢栄一代理
                 西村勝三 東京瓦斯局事務長印
    東京府知事 楠本正隆殿
  ○別紙品類調書内容詰所遣雑具厨場遣雑具等略ス。

旧鉱油課厨具並雑器テーフルヨリ小車ニ至ル通計四拾六器八拾弐個最前伺之通入札払聞届候条、払下代金之義ハ出納課ヘ可相納事
  明治十年三月十日
                    東京府庁


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0014)
第12巻 p.385 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
英国新製ランプ市街建設之分壱基金三円ヲ以先般其区内望之者江御払下ニ相成候ニ付、右之趣伝承鉱油課ニ貯有之同価ニ而御払下相成候哉奉伺度旨同課江問合候者有之ニ就而は、右基数多少ニ不拘払下、右代金ハ別途上納可仕様取計之儀御許可相成可申哉、此段奉伺候也
              瓦斯局事務長
               渋沢栄一代理
  明治十年二月九日    副長西村勝三 東京瓦斯局事務長印

    英国新製ランプ基数調書
一高五百基
    内
  三百三拾五基    現今市街建設之分
    内 三百八基  御払下ニ付当課ヘ灯籠ノ内ノ器械請取方申出候分
      弐拾七基  二月五日迄請取方不申出分
  三基        市街建設之外御払下願済御指令持参ニ付相渡候分
  百八基       属品全備当課ニ有之分
    但属品ハ 灯柱  油壷   ホヤ
         灯籠  口金物  灯籠硝子板
  五拾四基      明治九年十一月廿九日火災焼失大小毀損之分共(○数寄屋橋ヨリ出火)
    但五拾四器分属品調
    灯柱   五拾四本    不足
    灯籠   三拾四個    毀損
         弐拾個     焼失
    油壷   弐拾三個    無損
         三拾壱個    焼失
    口金物  七個      毀損
         弐拾四個    焼失
         弐拾三個    無損
    ホヤ   三拾五個    損シ
         拾壱個     無損
右之通ニ御座候也
                瓦斯局
  明治十年二月五日           鉱油課 瓦斯局


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120042k-0015)
第12巻 p.385-386 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課  (東京府文庫所蔵)
明治十年二月十日受 二月十日出 六等属 吉水経和(印)
        (千田)
 知事   書記官(印)       庶務課(印)
                  出納課(印)
 - 第12巻 p.386 -ページ画像 
英国新製ランフ鉱油課ニ貯有之百八基払下之義人民より同課ヘ問合候趣ニテ、別紙○前掲之通西村勝三伺出、右ハ現華灯同様先ツ御見合之方可然哉、相伺候也



〔参考〕東京十五区共有財産第二期調査報告甲号地 自明治五年至同十一年(DK120042k-0016)
第12巻 p.386-388 ページ画像

東京十五区共有財産第二期調査報告甲号地 自明治五年至同十一年
礦油灯ハ明治六年十一月府庁下問ス、是新吉原松本金兵衛他一名、英国新製礦油灯ハ瓦斯灯ニ劣ラズ且廉直ニ出ルヲ以テ一般ニ建設センコトヲ請願スルニ因ル、岡田平馬建設スヘキノ動議ヲ発ス、然シテ衆議決セス
同十二月府庁諭シテ云、日本橋大通リ同中通ノ街衢ヲ区分シ、両灯ヲ建設シ以テ其得失ヲ試験スヘシト
七年一月礦油灯ノ施行ヲ会議所ニ担当ス、然シテ松本氏ハ此事ニ関スルヲ以テ之ニ従事セシメ、試ニ五百基ヲ新橋ヨリ神田ニ至ル東西中通リ、駿河町通リ、馬喰町通リ、人形町通リ、大門通リ、小舟町、小網町ニ建設スヘク、点灯費ノ帳帖ヲ作リ上申ス
七年三月府ノ許可ヲ得タリ、因テ其原保松本氏ノ外片山・岡田ト条約ヲ結ヒ、其施行ニ及フ、然ルニ費用頗ル多シ、依テ更ニ松本ヲシテ其器械ヲ納レシメ、其灯柱ヲ植立セシメ、会議所ハ其手代ヲシテ其場ニ派出シ、其雑務ニ従事セシム、後ニ之ヲ止ム
七年八月馬喰町通リニ街灯四十八基ヲ建設九月一日ヨリ点火ス、八年十二月ニ至リ其数四百十八基ニ及フ、此月会議所行務ヲ釐正ス、本課ノ主任者ヲ免シテ是ヲ議員ニ任ス、因テ正副長各一名属員二名ヲ置ク
右起立ヨリ九年五月迄ノ収支金額左ノ如シ

右礦油灯各区ヨリ徴収スヘキ分概略
 九年二月二十三日 礦油課ヨリ府庁ヘ上申ノ中ニ明治七年九月ヨリ八年十二月マデ
 ランプ入費各区ヨリ募集スヘキ金額ノ調
 金壱万千三百拾円七拾壱銭弐厘
              但 建灯四百十八基
 右之通ニ御座候也
  九年二月廿三日             ランプ課印

    礦油灯勘定
一金三万六千四百三円弐拾六銭五厘三毛
  内訳
一金壱万千四百五拾円   建築
  内
   壱万五百円     ランプ五百基元代弐拾壱円ノ割並建設費

   九百五拾円     同灯柱並建設費
 七年七月ヨリ十二月マテ
  八百五拾円      建設受負金ノ内松本金兵衛ヘ渡シ
 同
 - 第12巻 p.387 -ページ画像 
  壱万五百円      英国新製ランプ五百基請負金ランプ掛ヘ渡ス
 同
  千九百七拾五円    ランプ用石炭買入
 同
  弐百円        器械附属品
 同
  八百五拾円      建築費ランプ掛リヘ渡ス
 同四月ヨリ十二月マデ
  九百円        ランプ現華灯懸リ岡田平馬・片山喜八給料
 八年 略
 九年 略
 合計
    三万八千百七円五拾弐銭五厘
    ○四百…………  三月
    ○四百六拾七円  四月
    ○六百九拾八円  五月
    右三口ノ内
    ○入三百八拾壱円 三月廿八日支払残金戻シ八拾壱銭弐厘入引之
    四口差引出
    千弐百三円壱銭壱厘
 起立ヨリ九年二月マテ
   合三万九千三百拾円五拾三銭六厘
 報導高ト
  出ノ違ヒ
   弐千九百七円弐拾七銭七毛ハ
右ノ違ヒノ因由ハタトヘハ会計ヨリランプ掛リヘ大束ミニテ最初渡シタルモノニシテ九年結算ノ時ニ至リ渡シ過トナリタルモノナリ
内訳ハ建築費壱万円受取タル中ニテ九千円ヲ費シ壱千円残リ居リタル振合ナリ
右弐千九百余円ノ渡シ過高ハ貸シ金勘定ノ部ヘ差入此所全ク――礦油灯ニ関シタル純費ノミヲ計算シタルカ故ニ前ノ報導高トナリタルナリ
 一金三千五百四拾壱円九拾弐銭五厘 月給
  ○内容説明略
 一金千五百五拾弐円五拾銭〇八毛 点消人給料
  ○内容説明略
 一金三千百三拾三円六拾九銭弐厘七毛 器具
  ○内容説明略
 一金壱万三千四百六拾壱円七拾銭六厘八毛 石炭油
 (以下六行朱書)
  ランプ出納帳ニ出
  石油三千箱 但シ五度ニ受取
  石油三千箱一箱三円五拾五銭
 代壱万千九拾弐円七拾弐銭九厘三毛
 外ニ引取口銭歩合運送賃共
  二千三百六拾八円九拾七銭七厘五毛
 - 第12巻 p.388 -ページ画像 
 一金弐千六拾円四拾弐銭九厘       諸雑費
  ○内容説明略
 合金三万五千弐百円弐拾五銭四厘三毛
 一金四百拾九円三拾弐銭五厘       三月分諸費
 一金四百六拾七円            四月分同断
 一金六百九拾八円            五月分同断
  小計金千五百八拾四円八拾弐銭三厘
    内
  金三百八拾壱円八拾壱銭弐厘 三月廿八日仕払残金戻シ入引
  引テ
   残金千弐百三円壱銭壱厘

現華灯ハ明治八年十二月西村勝郎ヨリ五百基ヲ購求ス、此灯ヤ曾テ西村氏ノ製作シ府庁ノ許可ヲ得、会議所ノ保護ヲ受ケ、英製礦油灯ノ施行ニ傚ヒ建設セントス、各区之ヲ好マス、頻リニ苦情ヲ鳴ラス、於是同氏更ニ会議所ヘ申請シテ云、此灯若シ会議所ノ施行スルアラハ資金ニ息銭ナク、費額ノ減スヘキ言ヲ俟スト、爰ニ於テ衆議遂ニ同氏ノ申請ヲ聴採シ以テ礦油灯科ニ兼摂セシム、未タ建設ニ至ラスシテ事務還納ノ時ニ際ス、然レトモ経費ノ如キハ九年五月ヲ限リ総計スル所即チ報導ハ左ノ如シ
    現華灯勘定
一金八千弐百八拾五円   器械買入代
    五百基買入代
     但シ百基ニ付千六百五拾円
    内訳
 七年十二月
 一金四千九百五拾円  現額ノ内ヘ渡ス
 八年一月ヨリ三月迄
 一金三千三百円    請負金ノ内ヘ渡ス
 七年十二月分
 一金拾五円      諸入費
 八年一月ヨリ三月迄
 一金弐拾円      諸入費
 八年三月ニテ廃ス
  ○右礦油灯現華灯勘定ハ行務還納時ニ於ケル其レト同ジ。