デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
2款 東京府瓦斯局
■綱文

第12巻 p.397-405(DK120044k) ページ画像

明治9年10月10日(1876年)

是ヨリ先、東京府庁街灯瓦斯ランプ費徴収ニツキソノ賦課方法ノ更正ヲ東京会議所ニ問フ。仍ツテ是日栄一、東京会議所会頭トシテ答議ヲ上申ス。府庁可トナシ、是ニ基イテ賦課スルコトトナス。栄一右答議ト共ニ瓦斯灯ノ儀ニツキ意見ヲ上申シ、建設費ノ処理法ヲ示シ、将来民営工業タラシメン事ヲ目的トシテ処分有リ度キ趣旨ヲ述ブ。


■資料

瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0001)
第12巻 p.397 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
瓦斯点灯費之儀ニ付御下問之趣衆議仕候処、現今之姿を以六大区中江割当の上賦課之方法取調申上度候間、左之廉々至急御指示被下度此段申上候也
  明治九年六月八日
                 東京会議所 東京会議所
    第一課
      御中
     記
一府下六大区中聞小間之惣数及地坪地券高
一同小区同断
(割印)
府課
 (朱書)
 第六十一号
 書面伺之趣別紙之通ニ候条為参考相下候事
  但写取之上別紙返上可致筈
  明治九年六月十四日
         東京府権知事 楠本正隆 東京府権知事楠本正隆
  ○別紙略ス。

 - 第12巻 p.398 -ページ画像 

瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0002)
第12巻 p.398 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
瓦斯鉱油点灯費賦課方法之義ニ付御下問之趣審按仕候処、瓦斯点灯費課出之儀ニ付而者西洋各国ニ於テモ人民苦情難免次第ニ付一般区費之内ヨリ徴集候趣ニ相聞候得共、区内街道点灯之有無ニ寄其便利ヲ得ル者ト不得者ト大ニ差別有之候ハヽ無謂一般ニ課出イタシ候義ハ素ヨリ不公平之筋ニ付、現今之聞小間ニ対シ点灯有之市街表通番地ヘ該入費府下惣聞小間割之一倍ヲ出サシメ、其余ヲ一般ヘ課出イタスニ於テハ強テノ苦情モ有之間敷義ニ付稍公平ヲ得可申哉、右割合を以按算仕候ハヽ即今之点灯費用ニ対シ其十分三ハ線路之番地聞小間ニ賦課シ、他ノ十分ノ七ハ一般之聞小間ニ賦課候様之割合にも相成可申哉と奉存候間、其分量モ稍相当可仕と奉存候、尤鉱油灯之如キハ先般意見之趣具状仕候次第モ有之候間右費途之義ハ別段算入不仕候、依之衆議決定之上此段上陳仕候也
  明治九年六月廿九日       会頭 渋沢栄一 会頭之印
    東京府権知事 楠本正隆殿
  追白 本文按算之義ハ瓦斯点灯線路聞小間相分リ候ハヽ分明ニ割合方をも上申可仕候処、当場ニおゐては右聞小間数詳知不仕候ニ付只其賦課之方法ニおゐて担当之分量ハ線路ハ他ノ一般ニ倍スル費用を課出候て可然、就てハ其割合は現費用之十分三程ニも可相成哉ニ推算仕候迄ニ御座候、此段も併て上申仕候也


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0003)
第12巻 p.398 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課    (東京府文庫所蔵)
明治九年七月一日受 七月三日出   八等出仕 秋山則白《(秋山則行カ)》(印)
  (楠本)
 知事(印)
                第一課(印) 六課(印)
   参事
    瓦斯点火入費課出方之義御伺
先般瓦斯点灯火費課出方之義付会議所ヘ御下問相成居候処、会頭より別紙衆議決之趣ヲ以申出候、兼て於第一課でも相見込候に粗相同義ニ付参考之ため留置キ、追テ猶点火線路小間数等詳細取調相伺可申上存候、依て呈御一覧置候也
  ○別紙「衆議決之趣ヲ以テ申出」トハ前掲明治九年六月廿九日付上申書ヲ指スモノナラン。


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0004)
第12巻 p.398-400 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治九年九月 日受 九月十五日出   大属 荒木功(印)
  (楠本)
 知事(印)          第六課(印)
   参事          第一課(印)
 (朱書別筆)
 曾テ線路ヘ出費方相達有之処遷延今日ニ到リシナリ、然ルニ今又最前ノ入費ヲ朱引内一般ニ課賦スルハ少強迫ニ似タリ、故ニ旧費ハ旧費ノ処分ヲ成シテ線路ニノミ課シ、布達ノ日ヨリノ入費ヲ朱引内一般ニ課スル方穏当ナラン、尚熟議スヘシ
    街灯瓦斯並ララ《(ン)》プ費賦課方法ノ儀ニ付伺
 - 第12巻 p.399 -ページ画像 
瓦斯及ランプ街灯費賦課ノ儀予而御下命ニ従ヒ、建築費ト既往ノ点火費ト以往ノ点火費瓦斯ハ昨八年六月ヨリ九年五月マテ一ケ年ランプハ本年四月ヨリ六月迄三ケ月分費平均ニ依ルトヲ区分シ、更ニ該費額三分ヲ線路七分ヲ朱引内一般ノ聞小間ニ課シ、建築費並既往ノ点火実費トモ支消スル方法、瓦斯ハ二十五ケ年賦ヨリ五十ケ年賦マテ、ランプハ六ケ年賦より十ケ年賦迄ノ計算等精密取調候処、別紙ノ通有之候
ランプノ方ハ該予算費額以往ノ点火費ヲ以テ賦課スルモ将来大ナル差異ナキト雖トモ、瓦斯ノ儀ハ今般増築御達相成候ニ付竣功ノ上ハ家内引用ヲ専ラトスルニ依リ、予メ期スル処ノ瓦斯高諸官省等ニテ請求スルニ於テハ街灯費ノ分多少減却スヘキノ見込モ之アリ、如何トナレバ街灯ハ一人一家ノ為メ設クルニアラザル故ニ家内用ニ比スレハ幾許ノ金員ヲ減ス、譬ヘハ瓦斯一千立方尺ノ価値金六円ナルトキハ三円五十銭ヲ家内用ニ弐円五十銭ヲ街灯ニ課シ、亦今度増瓦斯二百七十万立方尺ノ分ハ唯石炭ト点消人数名ヲ増加スル迄ニシテ当今ノ五十万立方尺ノ費用ノ割合トハ大ニ減少スル処アレバナリ、因テ増築落成マテ仮リニ賦課スルモノト看做シ、先ツ之ヲ会議所ヘ御下問相成、同所決議具状之上御取捨相成可然哉、左ニ会頭御達草按取調相伺候也
      会議所御達案
                         会頭
街灯瓦斯及ランプ建築費並点火費賦課方法議目左ノ如シ
  瓦斯之部
    第一条
瓦斯建設費金拾弐万六千七百五拾七円余、明治九年十月ヨリ同三十三年九月マテ満二十五ケ年賦別冊年賦方法ヲ参酌允当ヲ要スヲ以テ支消スヘシ
    第二条
明治七年十二月ヨリ同九年八月迄点火費収納延滞之分金四万三千五百五十九円余ハ、明治九年十月ヨリ明治五十九年九月マテ、満五十年賦別冊年賦方法参酌允当ヲ要スヲ以テ支消スヘシ
 但シ収納淹滞金ニ付線路ヘ賦課スヘシ
    第三条
明治九年十月以後ノ点火費ハ、明治八年六月ヨリ同九年五月迄実費一ケ年平均ニ依リ、一ケ月分予算金千四百八拾円ヲ賦課シ、一ケ年毎ニ精算勘定シ、不足アルトキハ次年ニ至テ之ヲ償ハシメ有余アラハ次年賦金ノ内ニ就テ其分ヲ減省スヘシ
    第四条
建築費及ヒ明治九年十月以後点火費ノ三分ヲ線路、七分ヲ朱引内一般ノ聞小間ニ賦課スヘシ
 但シ線路ハ三分ノ外七分ノ賦課ヲ受クヘシ、譬ヘハ壱基金五円ナレハ線路ハ三分ノ割合壱円五十銭ヲ出シ、更ニ七分ノ割三円五十銭ヲ受クルカ如シ
    第五条
今般専ラ家内引用ノ為メ瓦斯増築スルニヨリ自ラ街灯費幾分ヲ減省スヘシ、依テ竣功之際此賦課法ハ更ニ改正スルモノトス
  ランプ之部
 - 第12巻 p.400 -ページ画像 
    第一条
ランプ建設費金壱万千四百五拾円ハ、明治九年十月ヨリ明治十四年九月マテ満五ケ年賦ヲ以テ別冊年賦方法参酌允当ヲ要ス支消スヘシ
    第二条
明治七年四月ヨリ明治九年八月マテ点火費収納延滞之分金弐万六千六百拾三円余ハ、明治九年十月ヨリ明治四十年九月マテ満二十ケ年賦ヲ以別冊年賦方法参酌允当ヲ要ス支消スヘシ但収納淹滞金ニ付線路ヘ賦課スヘシ
    第三条
明治九年十月以後ノ点火費ハ本年四月ヨリ六月迄ノ実費三ケ月平均ニヨリ一ケ月分予算金千三百五拾円ヲ課ス、渾テ瓦斯ノ部第三条ニ準ス
    第四条
建築費及ヒ明治九年十月以後ノ点火費ノ三分ヲ線路、七分ヲ朱引内一般ノ聞小間ニ課ス、渾テ瓦斯ノ部第四条ニ準ス
    第五条
従来点火ノ数四百十八基アリ、然ルニ既ニ購入セル八十弐基ヲ増築シ合セテ五百基ノ数ニ満タシムヘシ
    第六条
ランプ灯ハ瓦斯ト異ニシテ歳月ヲ経ルニ随テ毀損シ易ク修覆費モ亦増加スヘシ、故ニ衆議ニヨリ自然年限内ニ廃灯スルモ、建設費等不足ノ分ハ第二条第四条ニ準拠シ必募集スルモノトス
右瓦斯ランプ灯建築費及点火費其線路ノ聞小間ト朱引内一般ノ聞小間トニ大別シ、年賦二十五ケ年ヨリ五十ケ年瓦斯、弐ケ年賦ヨリ三十ケ年賦ランプ迄ノ調書並賦課法共下附候条、府下ノ民力ヲ商量シ、条ヲ逐テ適否ヲ審議シ議員決議之上、早々具申可致此旨相達候事
  明治九年九月         長官御名


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0005)
第12巻 p.400 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治九年九月 日受九月廿一日出   大属 荒木功(印)
  (楠本)
 知事(印)           第六課
   参事           第一課(印)(印)
街灯瓦斯ランプ既往ノ点火費収入ノ延滞ノ分線路ヘ賦課可致旨御指令ニ随ヒ年賦割合調直シ、会議所御達議目朱書取直シ更ニ相伺候也
                         (回議用紙)


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0006)
第12巻 p.400-403 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治九年十月十一日受十月十二日出   大属 荒木功(印)
 知事              第六課
   (千田)
  参事(印)          第一課(印)
府下街灯瓦斯ランプ費賦課方法等之儀会議所ヘ御下問相成候処、別紙之通答議及瓦斯灯之儀ニ付意見書差出候ニ付呈一覧候也

    街灯瓦斯ランプ費賦課之義ニ付答議上申書
今般瓦斯ランプ建設費及点火費年賦課出方法之義ニ付別紙調書御下、府下民力を商量し逐条其適否ヲ審議之上具状可仕旨御顧問之趣奉承知
 - 第12巻 p.401 -ページ画像 
候、則去ル六日臨時会議を開き討議を尽し決定仕候間、則別紙相添此段奉上陳候也
  明治九年十月十日      会頭
                 渋沢栄一 会頭之印
    東京府権知事 楠本正隆殿

東京府庁より御下問ニ成タル瓦斯ランプ街灯費賦課方法之件ニ付、東京会議所ニ於て議員等カ衆議決定スル条左ノ如シ
    第一条
此瓦斯建設之事ハ府下人民之蓄積ニ係ル共有金ヲ以テスト雖とも、府民協議を経て成立セシモノニ非サレハ、今其建設費ヲ区費ニ加入シ二十五年賦ヲ以テ課出セシムルハ允当ナリト云カタカルヘシ、因テ此建築費ハ共有金ヨリ年賦瓦斯局ニ貸附タル資本金ト見做シ、玆ニ瓦斯増築竣功ノ後ハ其利益中より年賦ヲ以テ瓦斯局ヨリ共有金ニ回収セシムヘシ
    第二条
既往ノ点火費ヲ今日賦課スルニ於テハ或ハ其苦情ナキヲ保セス、故ニ年賦課出ノ法ヲ止メ、第一条ト等シク之ヲ瓦斯局ノ資本ニ合算シ、他日第一条ノ例ニ拠リテ之ヲ回収セシムヘシ
    第三条
原案ノ如ク明治八年六月ヨリ同九年五月マテ現費平均高一ケ月金千四百八拾円ヲ賦課セハ、壱基ノ課出高金四円弐拾弐銭トナルニ付、此割合ヲ以テ本年十月ヨリ募収スルニ於テ異論ナシトス
    第四条
原案ノ如クニシテ更ニ異論ナシトス
 但聞小間ノ数ハ素ヨリ別紙府庁ノ調書ニ従フヘシ
    第五条
瓦斯増築ノ後ニ至リ家内引用ノ分増加セバ自ラ街灯費幾分ヲ減少スベシト雖トモ、第一条第二条ノ建築費既往点火費ヲ瓦斯局ノ資本借金下見做ス時ハ、瓦斯局ノ計算ヲ詳悉シテ後ニ現費賦課及年賦回収ノ割合ヲ改定スヘシ
  ランプ之部
    第一条
此ランプ費途課出ノ如キハ曩ニ衆議之決案ニヨリ現華灯ナルモノト共ニ廃絶スル見込ヲ以テ具状シタルモノニテ、今日ニ於テ尚其議ヲ異ニセサレハ今逐条之ヲ議スルニ及ハス、何トナレハ此ランプ灯ハ今日其灯油ヲ外国ニ仰カサルヲ得ス、而シテ其費途ニ於ル既ニ瓦斯ノ点火費アリテ加フルニ此鉱油灯費ヲ課出セシムルニ至テハ、恐ラクハ府民ハ其費途ニ堪サルノ苦情ヲ懐クヘシ、故ニ前議ニヨリ廃灯トナシ、其取扱ノ手続ハ左ノ如ク処分スヘシ
    第二条
ランプ灯廃止ノコトハ先ツ其区内ニ就て之ヲ告諭セラレ、モシ各区ノ協議ニヨリ尚其費途ヲ供給シテ之ヲ保存セント欲セハ、適宜其保存ノ方法ヲ設ケシムヘシ
 - 第12巻 p.402 -ページ画像 
    第三条
若各区中ニ於テ或ハ廃止シ或ハ之ヲ保存スルヲ希望スレハ、其器械ハ低価ヲ以テ売却シ、其区限リ又ハ一町内一戸限リ点灯セシムヘシ
    第四条
各区若此街灯ノ存置ヲ希望セサル時ハ、灯基其外ハ一切売却シテ是迄之費用ニ償却シ、不足分ハ共有金ノ損失トスヘシ
右之件々今般決議仕候、尤現今府下区費之義は追々厚御世話も有之漸次相減候趣ニ承知仕候得とも、此瓦斯ランプ費トモ各年賦トイヘトモ一時課出スル時ハ其費額相嵩人民苦情無とも難計ニ付、夫是酌量之上其実況ニ就テ之ヲ考究シテ具状仕候義ニ付可然御諒察被下度、此段開陳仕候也
  明治九年十月十日      会頭 渋沢栄一 会頭之印
    東京府権知事 楠本正隆殿

    瓦斯灯之儀ニ付意見上申書
今般瓦斯鉱油ノ両灯費途賦課方法之儀ニ付御下問之趣衆議仕候処、此瓦斯灯創立ノ原資ハ府下人民共有金ヨリ之ヲ購求シ、旧会議所ニ於テ其建設ノコトヲ取扱アト雖トモ、素ヨリ其課出方法ヲ予定シ府民ノ協議ヲ尽サシメ其承認ヲ得テ之ヲ興起スルモノニ非ス、而シテ会議所ハ本年四月中此瓦斯灯及英国新製鉱油灯現華灯廃存ノコトヲ討議スルニ当リ、此瓦斯ナルモノハ火災ヲ免レ向来大ニ世ノ便益ヲ為スモノニシテ、且創立ヨリ今日ニ至リ其建設費ナルモノ金十弐万円余ノ巨額ニ至レハ、縦令府民協議ニ出テサルモ今俄ニ之ヲ廃絶スルニ忍ヒカタキヲ以テ、勉テ費途減省ノ方法ヲ按シ之ヲ保存センコトヲ予謀シ、其増瓦斯ノ議ヲ決セリ、是レ実ニ此瓦斯場ヲ愛惜スル情勢ヨリ生スルノ決議ナリ、府庁答聴用アツテ増築ノコトヲ許可シ、竣功ノ後ニ至レハ終ニ街灯点火費ノ如キハ極メテ減却シテ家内用ノ瓦斯代価ヨリ補給スルニ至ラントス、然リ而シテ此瓦斯場ハ府庁ニ於テ永久之ヲ管理スルモノニ非ラサレハ、将来府民中ニテ情願スル者アラバ公ニ瓦斯会社ヲ創立セシメ適当ノ代価ヲ以テ年賦払下ケト成シ、以テ普通ノ工業タラシメンコトヲ目的トナシ御処分有之度、且又曾テ御内示ニヨリ事務長ニ於テ調整シタル仮 皇居及丸之内諸官省引用スル処ノ瓦斯点火費ノ如キハ行務上ニ就テ別ニ事務長ヨリ意見陳述ノ趣も有之、衆議之ヲ適当ナリトスルニ付併セテ御参考ニ供シ候、依之別紙相添此段奉上陳候也
  明治九年十月十日      会頭 渋沢栄一 会頭之印
    東京府権知事 楠本正隆殿

府下瓦斯街灯増築ノ挙タルヤ、先般会議所ノ決按ヲ以テ府庁ヘ具陳ノ後、我儕既ニ此瓦斯局事務長ノ命ヲ拝シ、知事公ヨリ御内諭ニヨリテ更ニ赤坂仮
皇居及丸之内諸官省門内外等江瓦斯引用ノ事ヲ調成シ併テ其費途ヲ按算シ、会議所ニ於テ再議決定ノ上之ヲ府庁ニ稟白シタレハ、今此街灯
 - 第12巻 p.403 -ページ画像 
費賦課方法ヲ会議所再議ノ決按ニヨリテ府庁之ヲ採用セラレ、増築竣功スルニ於テハ実費平均ノ計算ニ従ヒ其要費ノ如キハ街灯壱基ニ付金四円弐拾弐銭ヲ目途トナシ、今日ヨリ市民ニ賦課セラレ、而シテ増築ノ後会計余裕アルニ於テハ其利益ノ幾分ヲ街灯建設費其外年賦支消ノ法ヲ定メ、他ノ幾分ハ街灯費減却スルニ至ルヘシ、故ニ仮 皇居及院省内ヘ点火ノ分ハ街灯ト其趣ヲ異ニスルニ付其費途ノ如キモ家内引用瓦斯ノ例ニ傚ヒ、而シテ聊其費額ヲ減シ街灯壱基ニ付一ケ月金何円ト予定シ、而ル後凡三十ケ年間ヲ期シ官費之ヲ支消セラレンコトヲ希望ス、然ル時ハ此瓦斯場ノ建築費ヲ増築後賦課支消スルニ於テモ自ラ相補給スル処アリテ此場ノ持久ヲ助クルヲ得ヘシ、故ニ今玆ニ御下問ニヨリ其課出方法ヲ議スルニ際シ、我儕ハ会議所衆議員ヘ陳述シテ以テ其参考ニ供ス
                   瓦斯事務長
  明治九年十月十日           渋沢栄一印
                   同 副長
                     西村勝三印
    東京会議所
      御中


瓦斯局伺 自明治九年至同十年庶務課(DK120044k-0007)
第12巻 p.403-404 ページ画像

瓦斯局伺  自明治九年至同十年庶務課   (東京府文庫所蔵)
明治九年 月 日受十月十六日出   大属 荒木功(印)
  (楠本)
 知事(印)           第六課
   参事           第一課(印)(印)
    街灯費賦課方法等更正ノ儀ニ付伺
府下街灯瓦斯ランプ建設費支消並点火費賦課方法等会議所ヘ及下問候処、衆議決定ヲ以会頭渋沢栄一ヨリ答議ノ趣モ有之、尚又府庁各課長ノ臨時会ヲ開ラキ討議ヲ尽シ候処、多クハ会頭答議ヲ可トスルニ拠リ更ニ左ノ通御裁定相成度此段相伺候也
  瓦斯ノ分
    第一条
建築費金拾九万六千七百五拾七円三十八銭四厘並明治七年十二月《(弐)》ヨリ同九年八月迄ノ点火費金四万三千五百五拾九円六十三銭九厘此上九年九月分実費ヲ加算スヘシ合計金拾七万〇三百拾七円〇弐銭三厘此金額ヘ九月分実費ヲ加算スレハ凡ソ金千円ホド増加ス追テ精算スルモノトス更ニ瓦斯局ノ資本トシテ共有金ヨリ借受ケトスヘシ
    第二条
第一条共有金ヨリ瓦斯局ヘ借受ケタル金額ハ、増瓦斯落成ノ上更ニ年限ヲ定メ、家内売用等ノ利益金ヲ以テ瓦斯局ヨリ共有金ヘ回収セシムヘシ
    第三条
明治九年十月以後ノ点火費ハ明治八年六月ヨリ同九年五月迄実費一ケ年平均ニ依リ、一ケ月分予算金千四百八拾円ヲ賦課シ、一ケ年毎ニ精算勘定ヲナシ、不足アルトキハ次年ニ至ツテ之ヲ償ハシメ、有余アラハ次年賦金ノ内ニ就テ其分ヲ減省スヘシ
    第四条
 - 第12巻 p.404 -ページ画像 
明治九年十月以後ノ点火費金千五百八拾円《(四)》ヲ線路ヘ三分、朱引内一般ヘ七分各聞小間ニ賦課スヘシ
 但線路ハ三分ノ外七分ノ割賦ヲモ受クヘシ、譬ヘハ一ト小間ニ付七分ノ方ハ一ケ月金壱銭三厘弐毛ヲ出ストキハ、三分ノ方ハ七分ノ割賦金壱銭三厘弐毛ト三分ノ割賦金四銭弐厘三毛トヲ合セテ金五銭五厘五毛出費スヘシ
 (下ゲ紙)
   此割合ニヨレハ線路ハ七分六円弐毛一六三ニシテ、朱引内一般ハ弐分三厘七毛八三七トナル(印)《(荒木)》
 (朱書)
  曰ク此割合金額ハ別冊聞小間高ノ調ニ依ル、尤モ聞小間ハ月々増減アルニヨリ此割合モ随テ増減スルモノナリ
   ランプノ分
英国新製ランプ灯ノ儀ハ最前試ミノ為メ建設スルニヨリ会議所答議ニ拠リ処分シ、不足金員ハ共有金ノ損失トスヘシ

右之条々御裁決之上ハ瓦斯灯費賦課布達案並ランプ灯区内払下等ハ、猶第一課ニ於テ取調相伺可申候也
  ○本款明治九年九月三十日ノ条(第三八八頁)中「府下増瓦斯着手之儀ニ付上申書」及ビ其指令ヲ参照。
  ○礦油灯及ビ現華灯ノ廃止並ニ払下ニ就イテハ、本款明治九年七月十日ノ条(第三七六頁)ヲ参照。


瓦斯局書類 明治九年乙会計課(DK120044k-0008)
第12巻 p.404-405 ページ画像

瓦斯局書類  明治九年乙会計課    (東京府文庫所蔵)
明治九年 月 日受十一月十五日出    大属 荒木功(印)
  (楠本)
 知事(印)                 出納課]
          (印) (要再回印)
   参事(印)       庶務課(印)
会議所より本年四月以来追々建議相成候瓦斯増築之趣旨、及ヒ街灯費賦課法改正ランプ灯並現華灯器械廃棄之儀ニ付更ニ街灯創立経費並点火費共賦課方法御下議ニ拠リ答議具申之条件、寔ニ其当ヲ得タルヲ以テ悉ク御採用相成、既ニ増瓦斯之儀瓦斯局事務長ヘ御達有之候得共、会議所ニ於テハ建案答議之趣採否如何未タ存知不申筈ニ而、今後該事件ニ付御下問ニ臨ミ増瓦斯ニ付教師傭継等ノ類彼是疑感ヲ生シ議事矛盾可致哉モ難計候ニ付、増瓦斯之挙決行之次第予メ御示シ相成可然哉、左ニ御達草案取調相伺候也
                        会議所
瓦斯増築之趣旨及街灯費賦課法改正ランプ灯廃停現華灯器械売払等之儀、本年四月以来追々建議之趣モ有之、更ニ瓦斯ランプ街灯建設費並点火費共賦課方法及下議候処、議員決定之上去十月十日附ヲ以具申候ニ付、瓦斯之部第三条ハ原案ニ拠リ其他総而答議之通施行之積、因テ瓦斯製造所増築線路区域別紙絵図面之通実施之心得ヲ以、増瓦斯器械鉄管類内国品可相用様瓦斯局事務長ヘ相達候処、内外国仕払左之金額ヲ目途トシ着手致度旨詳細申牒之通聞届候条、議員心得ノタメ此旨相達候事
 一金拾万五拾八円三十三銭           増瓦斯総経費
     内
 - 第12巻 p.405 -ページ画像 
  金六万八百四拾八円五十四銭三厘 内国仕払之分
   内 三万九千四百四十六円三十壱銭 鉄管鉄柱類山一組ヘ注文ノ分
     弐万千四百弐円弐拾三銭三厘 瓦斯製造所建築並鉄管埋込灯ノ巻ハダ艀下陸揚ケ運送煉火石費関税共
  金三万九千弐百九円七十八銭七厘 外国仕払ノ分
  是ハホルドル計量器ポンプ其他ノ器械類内国ニテ製造能ハザル分
 追而別紙絵図面之儀ハ撿閲済之上返上可致事
                         長官
                          (回議用紙)


共有金書類 明治九年度(DK120044k-0009)
第12巻 p.405 ページ画像

共有金書類  明治九年度          (東京府文庫所蔵)
    瓦斯増築其外之儀ニ付答議書
府下瓦斯増築及街灯費賦課法改正ランフ灯廃止現華灯売却等之義ニ付本年四月以来追々衆議之件々夫々御採用相成候ニ付為心得別紙御下達之趣一覧敬承仕候、依之別紙御下ケ之絵図面返上此如申上候也
  明治九年十二月九日
               会頭 渋沢栄一 会頭之印
                      (会議所)