デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
2款 東京府瓦斯局
■綱文

第12巻 p.475-479(DK120058k) ページ画像

明治12年12月18日(1879年)

是ヨリ先、本局瓦斯製造設備増築ニツキ傭技師ペレゲレンヲ欧洲ニ派遣シ、ガゾゼン式瓦斯発生窯ヲ購求築造中ナリシガ、同技師ヲ解雇セルタメ築造模様替ヲナシテレトルト式発生窯ニ変更センコトヲ、是年二月二十四日栄一瓦斯局事務長トシテ府庁ニ伺出デ、同年十二月十五日ニ至リ竣成ス。

同時ニ京橋迄ノ瓦斯管埋布モ完了シタルヲ以テ、是日、落成祝賀夜会ヲ催セリ。爾後毎年当日ヲ以テ創業記念日トナス。


■資料

瓦斯局書類綴込 明治十二年自一月至十二月 会計課(DK120058k-0001)
第12巻 p.475-476 ページ画像

瓦斯局書類綴込  明治十二年自一月至十二月 会計課
                     (東京府文庫所蔵)
    新築瓦斯竈模様替之儀ニ付上申書
瓦斯増築ニ付諸器械類注文ノ為メ一昨十年十月中雇工師ペレゲレン義欧洲江出張ノ節、致実見候新様之瓦斯竈即チ「ガゾゼン」法ノ器具買取来リ、且同人之申立ニ拠レバ右「ガゾゼン」法ハ、近来創造之形ニテ第一焚料之石炭ヲ減シ随テ焚夫之人数ヲ省キ、且堅固ニシテ保存モ宜舗候間此式ヲ摸擬築造致候ハヽ至極便益之由ニ付、乃チ上申ノ上地基並位置等既ニ其摸様ニ癒シ着手置候儀有之候処、右「ガゾゼン」ノ法ハ随分利便之趣ニは候得共、竈築立ニモ多少工夫ヲ要シ候様被存、且此制は其用法ニヨリテ或ハ危撿《(険)》ノ恐モ有之由、殊ニ即今ペレゲレン雇相止メ候ニ付、本邦人ノミニテ只其絵図ニ依テ築立候儀ハ聊掛念モ仕、且同人罷在候トモ固ヨリ是迄取扱候品ニ無之由、兼テ申聞居候事故、尚更以テ此新様ノ法ハ姑ク相止メ、先ツ普通ノ瓦斯竈ニシテ五個ノ蒸壷「レトルト」ヲ具ヘ候式ニ致シ造築候方、却テ諸般之都合可然ト奉存候、左候得は此方ノ職工ノミニテ従前之摸様ニ依リ何様ニモ出来可申、其上現在横浜瓦斯局ニ設立ノ竈モ即チ五個之「レトルト」ヲ
 - 第12巻 p.476 -ページ画像 
置候モノニ候間、今日其絵図ノ具備不仕候得共実物ニ依リ候儀ニ付敢テ差支モ有之間敷奉存候、将又諸器具之用方ニ於テモ取捨斟酌ヲ加ヘ候ハヽ、此改正ニ付テ別段多分之冗費ヲ要シ候程之儀は無之ト奉存候依之新築竈摸様替之義奉伺候也
                瓦斯局事務長
  明治十二年二月廿四日      渋沢栄一 
    東京府知事 楠本正隆殿
尚以テ本文新築入費之儀先般上申仕置候外為指増減モ有之間敷見積ニ候得共、此際逐一取調兼候間猶詳細之義は追テ落成之上上申可仕、仍テ此段申添ヘ候也
                       (東京瓦斯局)
  ○瓦斯製造所増築並ニ供給設備拡張ニツイテハ、第一款「東京会議所瓦斯掛」明治九年四月十四日ノ条(第三四一頁)本款明治九年六月二十九日ノ条(第三六五頁)及ビ明治九年九月三十日ノ条(第三八八頁)参照。
  ○明治十二年十二月十五日増築工事落成シ、瓦斯製造能力一日最大九万立方尺トナル。尤モ月産二百七十万立方尺ハ名目的生産量ニシテ実質的ニハ二百五十万乃至二百万立方尺ナリ。明治十六年ニ於テ二百七万立方尺余ヲ製出シタルガ、二区九門(レトルト数三十五)ハ生産能力二百二十万立方尺ヲ最大限度トシ、既ニ適度ヲ超ヘタルニヨリ製造設備ヲ増築セントセルガ如シ。明治十六年七月七日ノ条(第五四八頁)参照。


瓦斯局書類綴込 明治十二年自一月至十二月 会計課(DK120058k-0002)
第12巻 p.476-477 ページ画像

瓦斯局書類綴込  明治十二年自一月至十二月 会計課
                       (東京府文庫所蔵)
    耐火煉瓦試験済之上請取候ニ付上申
先般西村勝三江注文致置候堪火煉瓦之義、近々出来仕候ニ付、此程火度試験之為メ工作分局ヘ依頼シ試験候処、相応火度相保チ候旨別紙甲号之通リ同局長より申越候間、則チ右出来之分夫々相改メ、別紙乙号之通り合計壱万弐千弐百弐拾八個受取申候、依て此段御届仕候也
                瓦斯事務長
  明治十二年三月廿七日      渋沢栄一 
    東京府知事 楠本正隆殿

(朱書)
甲号
工第三拾三号
内国製耐火煉化石五個火度試験之義云々御依頼ニ寄リ、品川分局ニ於テ試験為致候処、粗仏国製ニ似寄相応火度相保チ可申旨申出候条、左様御承知有之度此段申進候也
  十二年三月二十日          大鳥工作局長
  東京府
    瓦斯局
      御中
(朱書)
乙号
      記
一耐火煉化石大板      弐拾八枚
 - 第12巻 p.477 -ページ画像 
一同 中板         拾枚
一同並方形煉化石      壱万千七百個
一同方形薄板        四百九拾個
 〆合計壱万弐千弐百弐拾八個
右は試験済之上西村勝三ヨリ受取候員数ニ御座候也
  明治十二年三月廿五日
                        (東京瓦斯局)


瓦斯局書類綴込 明治十二年自一月至十二月 会計課(DK120058k-0003)
第12巻 p.477-478 ページ画像

瓦斯局書類綴込  明治十二年自一月至十二月 会計課
                     (東京府文庫所蔵)
明治十二年 月 日受十二月十日出   四等属 岡田信英(印)
 (楠本)      (印)     会計課(印)
 (印) 知事     書記官
           (印)   (印)庶務課
増瓦斯埋布管落成ニ付祝会之儀別紙之通伺出候ニ付、御指令案左ニ相伺候也
    按
割印 書面伺之趣聞届候事
  年 月 日               長官
                     (東京府庁回議用)

    増瓦斯埋布管落成ニ付祝会之義伺
当局開設已来開業之式モ不仕候処、増瓦斯溜器並ニ京橋迄埋布管悉皆来ル十五日迄ニ落成致シ、其上来ル十八日ハ街灯点火始第五廻日ニモ相当り候ニ付、当日ヲ以テ増瓦斯略落成之期ヲ祝候為メ当局内ニ於テ夜会相開申度、就ては来ル十八日ヲ以テ会日ト定メ、別要之通り夫々御案内申上候様度《(仕脱カ)》、尤右費用之義ハ凡金三百円ヲ目途ト致シ、先般上申仕候家内瓦斯取付余金之中ヲ以テ仕払候様致度、併而此段上申御指揮相伺候、依而何分之御允裁奉仰候也
  追而雨天順延ニ取極メ申度候也
  明治十二年十二月九日
             瓦斯局長 渋沢栄一 
    東京府知事 楠本正隆殿

当日来客
  府知事   大書記官   少書記官   府庁各課長
  同瓦斯掛員  已以拾五名
  各区長   拾五名  府会十五区議員  三拾余名
  警視本署長次官   瓦斯街灯沿道各分署長  七名
 瓦斯引用先々
  電信局   駅逓局   工作局   三条家々令  第一銀行  外四拾七軒
 外ニ
  鉄道局   印刷局   瓦斯沿道地方会社 右弐拾四名
 横浜瓦斯局長並ニ製造長
 - 第12巻 p.478 -ページ画像 
 同   副長   英人キング
 〆 但シ伊国公使館   魯国同  独乙同書記官
 翌日
  局員   諸職工   出入方
                       (東京瓦斯局)


瓦斯局書類 明治十三年 会計課(DK120058k-0004)
第12巻 p.478 ページ画像

瓦斯局書類  明治十三年 会計課   (東京府文庫所蔵)
    客年十二月当局夜会入費之義御届
一金六百六拾五円拾三銭壱厘也
右ハ客年十二月増瓦斯建築管落成ニ付祝宴夜会相催候節、予メ金三百円ヲ目途ニ可致心得之処、意外之盛会ト相成、本文之通リ之諸入費ト相成申候付此段御聞置被下度、勿論悉皆補益金之中より仕払候付、別段仕訳書相添此段上申仕置候也
  明治十三年一月五日
               瓦斯局長 渋沢栄一
    東京府知事 松田道之殿
  追て当夜相催候東狂言烟火及接待茶店等ハ局長役員職工等ニて寄附仕候義ニ付、別段費用等ハ相掛り不申義ニ付此段併て申上置候也

    明治十二年十二月十八日増築幹管落成ニ付
    祝宴夜会開設諸入費調書
一金六百六拾五円拾三銭壱厘也
      内訳
  金三拾壱円弐拾七銭八厘  国旗大小四拾弐旒旗棹共
  金弐拾五円九拾銭     軽気球並ニ付属品共
  金弐拾円         紅提灯四百個壱個五銭
  金拾七円弐拾三銭五厘   同蝋燭並ニ附属雑品
  金六円          同釣用小セビ車百廿個
  金拾壱円五拾七銭     烟火諸費
  金弐拾弐円弐銭      大輪餝二ケ所局内輪餝一切
  金百〇五円四拾九銭    餝リ火費手間一切並ニ人足大工手間一切
  金三拾五円五拾銭     諸職工出入方ニ酒肴料並ニ手当
  金弐百四拾三円四拾銭   洋食弐百人前酒共
  金四拾円〇五拾銭     折リ詰弁当三百五十人分同竹四拾人分
  金拾円          大版写真局員分配
  金九拾六円弐拾三銭八厘也 諸雑費口々六拾五口分


東京経済雑誌 第一七号 〔明治一二年一二月二五日〕 ○増瓦斯器械場建築の事(DK120058k-0005)
第12巻 p.478 ページ画像

東京経済雑誌 第一七号 〔明治一二年一二月二五日〕
    ○増瓦斯器械場建築の事
東京瓦斯にてハ此程増瓦斯器械場建築の事業落成に付、瓦斯局長渋沢栄一君より官員諸紳士等数百人を招待し、去る十八日同局内に於て祝宴を開かれたり○下略


瓦斯局書類 明治十四年 会計課(DK120058k-0006)
第12巻 p.478-479 ページ画像

瓦斯局書類  明治十四年 会計課     (東京府文庫所蔵)
 - 第12巻 p.479 -ページ画像 
明治十四年十二月十六日出 御用掛 服部敏(印)
   (松田)
 知事  書記官(印)  (印)会計課(印)(印)
本月十八日ハ瓦斯局七周年之創業日ニ相当候間、局員ヘ酒饌ヲ供スル費途之義ニ付別紙瓦斯局長ヨリ伺出相成、右ハ毎年執行致候義ニテ先例も有之ニ付伺之趣御聞届相成可然哉、御指令案左ニ相伺候也
    按
書面伺之趣聞届候事
                    (東京府庁回議用用紙)

(別紙)
    本局創業期日之儀ニ付伺
本月十八日ハ本局七周年之創業日ニ相当候処、先年来当日ヲ祝賀シ局員ヘ一日之休課ト食饌ヲ与ヘ来候ニ付、例ニ依リ局員一同ヘ祝意ヲ表シ酒饌ヲ与ヘ申度、就而は該入費ハ凡金百五拾円ヲ標的トシ補益金之内ヲ以テ支弁致度候条、此段相伺候也
  明治十四年十二月十五日
            瓦斯局長 渋沢栄一 東京瓦斯局長之印章
    東京府知事 松田道之殿


瓦斯局書類 明治十五年 会計課(DK120058k-0007)
第12巻 p.479 ページ画像

瓦斯局書類  明治十五年 会計課     (東京府文庫所蔵)
    紀年祭ニ付煙火打揚之義上申
来ル十八日当局紀年祭執行致候ニ付、当日午後四時ヨリ十時迄口径三寸之煙火数三拾本構内ニ於テ打揚候間、此段上申仕候也
 追テ本文費途之義ハ局員自弁仕候間此段添テ上申仕候也
  明治十五年十二月十三日
           瓦斯局副長 藤本精一 東京瓦斯局副長藤本精一
    東京府知事 芳川顕正殿
                   (東京瓦斯局用紙)
    紀年祭費之儀ニ付上申
本月十八日第八紀年祭ヲ施行シ局員一同江酒饌ヲ与ヘ申度、就而は該入費金凡百五拾円当年補益金之内ヨリ支弁致度、此段相伺候也
  明治十五年十二月十五日
           瓦斯局副長 藤本精一 東京瓦斯局副長藤本精一
    東京府知事 芳川顕正殿


瓦斯局書類 明治十六年 会計課(DK120058k-0008)
第12巻 p.479 ページ画像

瓦斯局書類  明治十六年 会計課      (東京府文庫所蔵)
(朱書)
第千弐十九号
    紀念祭費之義ニ付御届
本月十八日第九紀年祭ヲ施行シ局員並職工ヘ酒饌ヲ与ヘ申度、就而ハ該入費金凡百五拾円当年補益金之内ヨリ支弁致候条此段御届申上候也
 明治十六年十二月十五日
            瓦斯局長 渋沢栄一代理
             瓦斯局副長 藤本精一
    東京府知事 芳川顕正殿