デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
2款 東京府瓦斯局
■綱文

第12巻 p.555-558(DK120071k) ページ画像

明治16年11月22日(1883年)

是日、瓦斯代延滞処分内規ノ儀ニツキ局長代理副長藤本精一ヨリ東京府知事芳川顕正ニ伺出ヅ。明治十七年一月十四日再申ス。


■資料

瓦斯局書類 明治十七年会計課(DK120071k-0001)
第12巻 p.555-556 ページ画像

瓦斯局書類 明治十七年会計課 (東京府文庫所蔵)
(朱書)
第九百七拾九号
    各家供給瓦斯燃失費延滞処分之儀伺
各家需用之瓦斯追々増加シ目今三百余戸ニ相成候処、其燃失費モ随テ延滞多ク徐々ニ収入候得共確然之規定モ無之ニ付、更ニ別紙各家供給瓦斯燃失費延滞処分内規予テ設置仕度、此段相伺候也
  明治十六年十一月廿二日
 - 第12巻 p.556 -ページ画像 
        瓦斯局長渋沢栄一代理
           瓦斯局副長 藤本精一  東京瓦斯局副長 藤本精一
    東京府知事 芳川顕正殿
                       (東京瓦斯局)

(朱書)
第九百七拾九号
    各家供給瓦斯燃失費延滞処分内規
各家需用瓦斯毎月燃失高ハ其月廿六日瓦斯局員ト需用者ト立会験容器ヲ調査シ、翌月一日限其報告書ヲヲ《(衍)》配付ス、而テ収入期限ハ報告済ノ後二ケ月間トシ、此期月中ニ収入シ能ハサルモノハ瓦斯供給管開閉器ヲ鎖シ瓦斯ノ輸送ヲ止メテ延滞燃失費ヲ請求スヘシ、需用者若シ此場合ニ於テ延滞金額ヲ五ケ月已内ニ割合消却センコトヲ希フトキハ此燃失費ハ売懸代金ナル故ニ、更ニ期限ヲ定メタル借用証書ヲ領シ之ヲ承諾スヘシ
                       (東京瓦斯局)


瓦斯局書類 明治十七年会計課(DK120071k-0002)
第12巻 p.556 ページ画像

瓦斯局書類 明治十七年会計課 (東京府文庫所蔵)
明治十七年一月 日受月廿五日出 七等属 服部敏(印)
(芳川)
 (印) (印)会計課(印)(印)
 知事      書記官
                    (印)調査掛(印)(印)
各家ニ於テ家内ヘ引用セル瓦斯代延滞之節処分方内規取設度段別紙局長代理ヨリ伺出ニ付取調候処、右内規ハ頗ル簡易ニ過キ事実不完全ノモノト相考候ニ付本課ニ於テ別紙甲号墨書之通リ考案ヲ草シ瓦斯局ヘ及協議候処、朱書ノ如ク異見ヲ付シ回答有之候ニ付、尚再考酙酌之上甲号墨書《(斟)》ヘ張紙ヲ以相伺候条、御裁可之上ハ左案之通御指令相成可然哉、此段相伺候也
 但瓦斯局意見則朱書之下ヘ本課ノ動議ヲ付箋シ供御参考候也
    御指令案
東府計
  書面伺之趣別紙之通修正ノ上実施可致事
  年 月 日               長官
  別紙甲号墨書ヘ張紙修正ノ通リ
                     (東京府庁回議用)


瓦斯局書類 明治十六年会計課(DK120071k-0003)
第12巻 p.556-558 ページ画像

瓦斯局書類 明治十六年会計課 (東京府文庫所蔵)
明治十六年十二月 日受月廿四日出 七等属 服部敏(印)
      
 知事      書記官(印)      会計課(印)
各家瓦斯代延滞之節処分方内規別紙局長代理ヨリ伺出候処、右ハ頗ル簡易ノモノニシテ事実不分明ニ可有之ト相考候間、別紙ニ本課ノ見込相認左案之通該局ヘ御協議相成可然哉、此段相伺候也
    瓦斯局長代理宛            会計課長
各家供給瓦斯代延滞処分方内規第九百七十九号ヲ以御伺出ニ付、熟考之処右内規ハ今一層緊要ノ廉々ヲ登載候ハヽ尚々事実明瞭完全可致歟ト被存、尚又少シク考案モ有之旁以別紙ニ所見ヲ草シ及御協議候条、御再考之上至急御回答相成度候也
 - 第12巻 p.557 -ページ画像 
 追テ別紙ニ対シ御見込多分之相違モ無之候ハヽ、夫々御斟酌之上更ニ内規ノミ御認直シノ上、曩ニ御差出ノ分ト引替ノ手続御取計相成度、此段申添候也
(別紙)
    各家供給瓦斯代延滞処分内規○会計課修正ヲナセル草案
第一項 各家需用瓦斯毎月ノ燃消高ハ甲月瓦斯ヲ燃消セル本月廿六日瓦斯局員ト需用者ト立会ノ上瓦斯験容器ヲ調査シ、乙月一日限甲月ノ瓦斯代請求書ヲ各家ニ配付スヘシ
第二項 甲月ノ瓦斯代取立ノ期限ハ遅クモ乙月中ト定メ、若シ此月中ニ取立得サルトキハ丙月ヲ催促ノ期月トナシ、即チ一ケ月ノ猶予ヲ与フルモノトス
第三項 甲月ノ瓦斯代乙月ヲ過クルモ取立得サルトキハ瓦斯ノ送致ヲ止メ厳ニ之ヲ督促ス、而シテ丙月中ニ弁償ノノ《(衍)》手続ヲナサヽルトキハ公裁ヲ仰クヘキモノトス
第四項 前項ノ場合ニ際シ需用者若シ此滞金ヲ五ケ月以内ニ割合償還セント乞フトキハ之ヲ貸金トナシ、更ニ月賦等ノ期限ヲ立、証人アル借用証書ヲ出サシメ之ヲ承諾スルコトアルヘシ
第五項 前項ノ取扱ヲナスニ方リ、需用者若シ乙月ノ瓦斯代迄延滞スルコトアレハ甲乙二ケ月分ノ滞金ヲ合セ之ヲ借用証書ニ掲載セシムヘシ
第六項 第四項ノ約定ヲナシタル後負債主ニ於テ従前ノ通瓦斯引用ヲ望ムモ、負債ヲ全償スルノ後ニ非サレハ其需求ニ応セサルヘシ
第七項 延滞金額ハ元来売掛代金ナルヲ以テ其利子ヲ収入セサルモノトス
第八項 第四項ノ貸金、若シ五ケ月以内ニ皆済セサルトキハ公裁ヲ仰クヘキモノトス

(朱書)
第七号
各家供給瓦斯代延滞処分方内規御意見書相添御照会相成候処、少々見込違ヒノ廉モ有之候ニ付、別紙朱書差出候間宜敷御取計被下度、此段及御回答候也
  明治十七年一月十四日         東京瓦斯局 東京瓦斯局印
    東京府
      会計課
         御中
                          (東京瓦斯局)

  各家供給瓦斯代延滞処分内規
    第一項
各家需用瓦斯毎月ノ燃消高ハ甲月瓦斯ヲ燃消セル本月廿六日瓦斯局員ト需用者ト立会ノ上瓦斯験容器ヲ調査シ、乙月一日限甲月ノ瓦斯代請求書ヲ各家ニ配付スヘシ
    第二項
甲月ノ瓦斯代取立ノ期限ハ遅クモ乙月中ト定メ、若シ此月中ニ取立得サルトキハ丙月ヲ催促ノ期月トナシ即一ケ月ノ猶予ヲ与フルモノトス
 - 第12巻 p.558 -ページ画像 
    第三項
甲月ノ瓦斯代丙月ヲ過クルモ取立得サルトキハ瓦斯ノ送致ヲ止メ、厳ニ之ヲ督促シ弁償ノ手続ヲナサシム
(朱書)
 此条実際行ハレカタク候、依テ甲月ノ瓦斯代乙月ヲ過キ取立得サル時ハ丙月ニ於テ厳ニ督促ス、而シテ丙月中モ又取立得サル時ハ瓦斯ノ送致ヲ止メ、尚弁償ノ手続ヲナサシム
 (朱書)
  但シ公裁云々ハ前々既ニ伺済指令アリ
 (付箋)
   伺指令ハ瓦斯局ヘ出訴方委任セル迄ニテ期限等ノ明文ナキニ付之ヲ以テ本項ノ拠証トナスニ足ラス
    第四項
前項ノ場合ニ際シ需用者若シ此滞金ヲ五ケ月以内ニ割合償還セント乞フトキハ之ヲ貸金トナシ、更ニ月賦等ノ期限ヲ立テ証人アル借用証書ヲ出サシメ之ヲ承諾スルコトアルヘシ、但需用者若シ乙月丙月ノ瓦斯代迄延滞スルコトアレハ、甲乙丙三ケ月分ノ滞金ヲ合セ本項ノ通リ処分スルモノトス
    第五項
第三項ノ如ク弁償ノ手続ヲナサシムルニ方リ、需用者若シ滞金ノ三分一以上ヲ差出其残金弁償方ハ第四項ノ例ニ準シ、而シテ従前ノ通瓦斯引用ヲ望ムトキハ之ヲ承諾スルコトアルヘシ
    第六項
第四項ノ約定ヲナシタル後ニ至リ負債主其約期ニ違ハス二ケ月以上ノ月賦金ヲ弁償シ、而シテ更ニ瓦斯引用ヲ望ムトキハ其需求ニ応スルコトアルヘシ
(朱書)
 本項ハ断然難出来、強テナサントスレハ瓦斯局半バ瓦解ノ勢ヒヲナサント奉存候
(附箋)
  本項之処分ヲナス者多数ハ有之間敷候因テ瓦解之勢ヲ醸成スルニモ至ラサルヘシ
    第七項
延滞金額ハ元来売掛代金ナルヲ以テ其利子ヲ収入セサルモノトス
    第八項
節四項ノ貸金若シ五ケ月以内ニ皆済セサルトキハ公裁ヲ仰クヘキモノトス
    第九項
需求者ノ情況ニヨリ前数項ノ内規ニ準拠シ難キ場合ニ於テハ府庁ノ認可ヲ得テ特別ノ処分ヲナスコトアルヘシ
(附箋)
   三ケ月間ヲ売掛代金トシ、然ル後五ケ月間ヲ貸金トナシ都合八ケ月ヲ猶予スル上ニモ尚弁償セサルトキハ公裁ヲ仰クノ外処分方有之間敷
                       (東京瓦斯局)