デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
3款 東京瓦斯株式会社
■綱文

第12巻 p.657-660(DK120083k) ページ画像

明治33年7月16日(1900年)

是ヨリ先四月二十九日、栄一烏森湖月楼ニ開キタル当会社株主協議会ニ出席シ、資本金増加ノ議案ニツキ説明ヲナス。是日神田美土代町青年会館ニ於テ定時株主総会ヲ開キ、原案通リ資本金ヲ倍加シテ四百二十万円トナシ、営業ノ目的ヲ拡充シテ副生物精製販売及ビ瓦斯機械製作販売等ヲ之ニ加フルコトヲ議決ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三三年(DK120083k-0001)
第12巻 p.657 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三三年
四月二十九日 晴
○上略 午後烏森湖月楼ニ於テ開キタル東京瓦斯会社ノ株主協議会ニ出席シ、来ル七月ヲ以テ提出スヘキ増資議案ノコトヲ演説ス、来会株主中二三ノ質問アリシモ、悉ク原案賛成ノ旨ヲ答フ、夜餐後九時頃散会ス
○下略


(八十島親徳) 日録 明治三三年(DK120083k-0002)
第12巻 p.657-658 ページ画像

(八十島親徳) 日録  明治三三年  (八十島親義氏所蔵)
一月十九日 晴
○上略
午後三時神田青年会館ニ至リ、瓦斯会社ノ総会ニ臨ム、青淵先生議長
 - 第12巻 p.658 -ページ画像 
席ニツカレ、定時総会ニハ配当年一割五分、又臨時総会トシテハ副生物精製工場新設ノ件、重役報酬増加ノ件共満場一致可決シ、又取締役満期ノ改選ハ、是亦満場一致ヲ以テ満期者ヲ再選スルコトニ決議セリ
○下略
四月廿九日 日曜 晴
○上略 五時半烏森湖月ニ至ル、今日ハ瓦斯会社ニ於テ百株以上所有株主ヲ招キ(出席者八十名)会長ナル青淵先生ヲ始メ浅の・西園寺・大橋其他列席、会長ヨリ事業拡張ノ為更ニ七月ノ総会ニ於テ資本金増倍ノ議案提出ノ考ナル旨ヲ丁寧ニ説話セラレ、前以テ大株主ノ了承ヲ乞フトノ陳説アリ、一同喝手賛成ノ色ヲ表ハセリ、終テ晩餐ヲ被供○下略


渋沢栄一 日記 明治三三年(DK120083k-0003)
第12巻 p.658 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三三年
七月十六日 雨
○上略 午後一時青年会館ニ抵リ、瓦斯会社株主総会ヲ開ク○中略六時浜町常盤屋ニ抵リ、瓦斯会社カ催シタル宴会ニ列ス、横浜サミユール商会員フオクス・秋山源蔵其他ノ諸氏来会ス、夜十一時散会○下略


(東京瓦斯株式会社)事業報告書 第三一回明治三三年下半期(DK120083k-0004)
第12巻 p.658-659 ページ画像

(東京瓦斯株式会社)事業報告書  第三一回明治三三年下半期
一定時総会 七月十六日第三十回株主定時総会ヲ東京市神田区美土代町三丁目東京青年会館ニ於テ開会ス、出席株主(委任状共)二百七十五名、此株数三万三千八百九十一株ニシテ、取締役ヨリ提出ノ明治三十三年上半期ニ於ケル事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書・利益分配計算書及ヒ之ニ対スル監査役ノ報告ヲ議定セリ
一臨時総会 同日定時総会閉会後引続キ株主臨時総会ヲ開キ、左ノ件々ヲ議定セリ
  第一号
   一拡張工事ノ件
    瓦斯製造所ノ増設及鉄管ノ延長等本社業務拡張ノ為メ、興業費予算金参百拾五万円ヲ以テ、本年ヨリ明治三十七年迄五ケ年間継続工事ヲ施行スル事
  第二号
   一増資並ニ定款改正ニ関スル件
    第一号議案拡張工事ノ件決議ノ上ハ現行定款中ノ規定ヲ改正スルノ必要アルヲ認ム、而シテ事業拡張ノ為メ現在ノ資本金二百十万円ニ更ニ金二百十万円ヲ増加シ金四百二十万円ト為スヲ要スルモ、本社現在ノ資本金二百十万円ノ内二十一万円ハ尚ホ未払込ニ属スルヲ以テ、商法ノ規定ニ依レハ直チニ資本増加ノ手続ヲ為ス能ハス、仍テ残額払込ノ期日ヲ本年九月三十日限リトシ、併セテ玆ニ左記ノ事項ヲ決議シ置キ、残額ノ完納ヲ待チテ取締役ヲシテ決議ニ基キ増資並ニ定款改正ノ手続ヲ為サシメントス
      決議事項
    第一項 現行定款中左ノ如ク改正スル事
 - 第12巻 p.659 -ページ画像 
      第一条 本社ハ左ノ業務ヲ経営スルヲ以テ目的トス
       第一 瓦斯製造及供給
       第二 瓦斯副生物精製及販売
       第三 瓦斯器械製作及販売
       第四 前項ノ目的ヲ達スルニ附帯ノ業務
      第二条 本社ノ資本金額ハ四百二十万円トス
      第六条 本社ノ株式ハ八万四千株トシ一株ノ金額ヲ五十円トス
      第十六条 株金ハ来ル明治三十七年十二月マテニ其全額ヲ完納スルモノトス
    第二項 増資金額ノ募集ニ付テハ左ノ規定ニ依ル事
      第一 増資二百十万円ハ一株ヲ金五十円トシ合計四万二千株ヲ明治三十三年十一月三日ノ現在株主ヨリ一株ニ付増株一株ノ割ヲ以テ募集スル事
      第二 各株主ハ其引受クベキ株数ヲ本社ヨリ送付ノ新株申込証ニ記載シ記名捺印ノ上、増株一株ニ付証拠金二円五十銭ヲ添ヘ、本社指定ノ期日マテニ之ヲ本社ニ差入ルヽ事
          但右期日マテニ其手続ヲ為サヽルトキハ新株ノ申込ヲ為サヽルモノト看做シ、其申込ナキ株ハ更ニ株主中ヨリ額面以上ノ価格ヲ以テ申込人ヲ募集シ、最高額ノ申込者ニ順次割当テ、同額ノ申込ヲ為シタル者ノ間ニ於テハ抽籖ヲ以テ割当ヲ定ムルモノトス
      第三 増資第一回払込金一株ニ付金十二円五十銭(内証拠金二円五十銭差引)ノ払込期日ハ明治三十四年一月末日ト定メ第二回以下ノ払込期日ハ取締役会議ノ決議ヲ以テ之ヲ定ムル事
    第三項 拡張工事費予算額ニ対スル不足金ハ取締役会議ノ決議ヲ以テ借入ヲナス事


竜門雑誌 第一四五号・第三五頁〔明治三三年六月二五日〕 ○東京瓦斯会社の事業拡張(DK120083k-0005)
第12巻 p.659 ページ画像

竜門雑誌  第一四五号・第三五頁〔明治三三年六月二五日〕
    ○東京瓦斯会社の事業拡張
青淵先生の取締役会長たる東京瓦斯会社に於ては既によ斯液より硫酸「アンモニア」を製し「コールタール」より軍需品たる練炭の製造に欠くべからざる「ピツチ」を製し、尚ほ此の別製物として石炭酸・印度藍を製出する為め、十二万円の借入金を為して副生物製精工場建設の事を決議し、其機械は来る七月中には海外より到着する筈なるが、今回又々其事業を大に拡張せんか為め、其の資本金を倍加して四百二十万円とし、玆に三百十五万円の工事を起す次第なりと云ふ、同社現在の資本金は二百十万円にして増株二百十万円なれは、右工事を終る為めには百五万円の不足を生するも、そは年利六分の割にてジヤーデン・マヂソン及サミユル・サミユル両商会より借入るゝ協議調ひたるか其金額は重に外国購入品を以て差引勘定するものなりと云ふ

 - 第12巻 p.660 -ページ画像 

竜門雑誌 第一四七号・第四四頁〔明治三三年八月二五日〕 ○東京瓦斯会社の総会(DK120083k-0006)
第12巻 p.660 ページ画像

竜門雑誌  第一四七号・第四四頁〔明治三三年八月二五日〕
    ○東京瓦斯会社の総会
東京瓦斯会社に於ては去月○七月十六日神田美土代町青年会館に於て定時総会を開き、利益配当率を年一割六分(配当率は増資後にても一割六分を下らざる見込の由)と定時積立金二万四千五百円を控除し、残金三万二千九百円を後期繰越金と為すことに決算し、終つて臨時総会を開き事業拡張費三百十五万円及増資二百十万円の件を議決せり、前々号にも記せしか如く、同社の拡張工事材料は外国品なるを以て、横浜ジヤーデン・マヂソン及サミユル・サミユルの二商会と交渉し、金額二百五十万円に年六朱の利子を以て二商会にて立替支出の契約決定し、既に調印済となりたる由