デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
3款 東京瓦斯株式会社
■綱文

第12巻 p.660-661(DK120084k) ページ画像

明治33年10月1日(1900年)

是年栄一還暦ニ当ルヲ以テ、当会社ハソノ祝意ヲ表スルタメ、重役及ビ社員ヨリ竜門社へ基本金トシテ金一千円ヲ寄贈シ、且栄一ヘ常務取締役大橋新太郎ヨリ当会社ヲ代表シテ賞辞ヲ贈リ、又株主総会ノ決議ニヨリ紫檀厨子ヲ贈ル。


■資料

竜門雑誌 第一五五号・第三七―三八頁 〔明治三四年四月二五日〕 ○東京瓦斯会社重役及社員諸氏の本社基本金寄贈(DK120084k-0001)
第12巻 p.660-661 ページ画像

竜門雑誌  第一五五号・第三七―三八頁〔明治三四年四月二五日〕
    ○東京瓦斯会社重役及社員諸氏の本社基本金寄贈
東京瓦斯株式会社重役及社員諸氏より今回青淵先生還暦の祝意を表するが為め、本社の基本財産として金壱千円の寄贈を辱ふしたれば、曩に清水満之助・岸宇吉両君及東京貯蓄銀行員より寄贈ありし際と同様先生よりは右の趣き本社々長に御伝へあり、先生及社長よりは前と同じく瓦斯会社に向て感謝の書状を発せられたり、本社は基本金として永く保管して寄贈者の厚意に酬ひ且つ本社社員諸君に此の由を報告せんとす、今同会社を代表し常務取締役大橋新太郎氏より青淵先生に贈られたる賞辞左の如し
 我か親愛尊敬する男爵閣下の統理せらるゝ東京瓦斯株式会社を代表し不肖新太郎謹みて閣下に白すの光栄を有す
 閣下身を草沢に起して志を国家に存し、万難に出入して屈せす撓せす、夙に時勢を達観して堅く富強の真理を信し、専ら実業発達の経営に尽して早く政治以外の新世界を開き、天下人心の嚮ふ所を知らしめたるは、中外万衆斉く認識して閣下千載不磨の功績を仰望す、今日還暦の賀莚に於て閣下の老て益壮なる風采に接し、独り親族故旧のみ之を抃喜すと謂はんや、特に我か会社に在ては東京瓦斯局草創以来主として閣下の啓発に頼り、株主組織変更の日より之を算するも既に十五星霜を閲す、業務年を逐ふて進み資本之に伴ふて増し遂に今日の盛況を致せるもの、一に閣下丹誠の功に依らすんはあらす、乃ち是の佳辰に際し社員並に株主と会社全体との熱情は不肖の得て状すべきにあらす、然も閣下の之を諒せられんこと希望の至に
 - 第12巻 p.661 -ページ画像 
堪へさるなり
 別記不腆の体以て閣下か厚大の恩賚の万一に酬ふるに足らさるは社員等之を熟知するも亦紀念として不肖をして之を左右に呈せしむるは情の已むへからさる所、願くは之を竜門社に貽り閣下か後進を誘掖せらるゝ盛意に裨補せんとす、幸に嘉納せられんことを祈るのみ更に謹みて天下実業諸家と共に閣下の万福を祝すと云ふ
  明治三十三年十月一日
                 東京瓦斯株式会社
                常務取締役 大橋新太郎
  東京瓦斯株式会社
    取締役会長 男爵渋沢栄一殿閣下


竜門雑誌 第一五八号・第三八頁〔明治三四年七月二五日〕 ○東京瓦斯会社青淵先生に紫檀厨子を贈る(DK120084k-0002)
第12巻 p.661 ページ画像

竜門雑誌  第一五八号・第三八頁〔明治三四年七月二五日〕
    ○東京瓦斯会社青淵先生に紫檀厨子を贈る
東京瓦斯会社々員よりは曩に青淵先生の花甲之寿を祝する為め本社基本金として金千円の寄贈を辱ふせしが、今回又々先生が同会社の為めに尽されたる功蹟を表彰する為、株主総会の決議により紫檀厨子一座を贈られたり、右厨子は川端玉章氏の筆を以て四季の花鳥を画き佐藤屯氏の彫刻になりたるものにして且つ石坂氏の書を以て左の銘を録せりと云ふ
 明治之初、東京府創建瓦斯局、渋沢栄一君為其首唱、以計画之、至十八年瓦斯局被廃、於是有志者相謀、興東京瓦斯株式会社、君又為之拮据経営弗遺余力、其業日熾盛也、今玆三十三年君躋花甲之寿、値官特錫男爵、以賞尽力於商工業之功、君之寵栄大矣、而本社亦与有栄光、乃以株主総会決議呈紫檀厨子一座、聊表欽仰祝賀之意、東京瓦斯株式会社常務取締役大橋新太郎識