デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
3款 東京瓦斯株式会社
■綱文

第12巻 p.697-700(DK120092k) ページ画像

明治40年1月19日(1907年)

是日東京商業会議所ニ於テ当会社定時株主総会ヲ開ク。資本金ヲ一千七百万円ニ増額スルノ決議ヲナシ、定款ヲ改正ス。栄一議長トナリテ議事ヲ主宰ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四〇年(DK120092k-0001)
第12巻 p.697-698 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四〇年
一月十七日 曇雨 寒              起床七時就蓐十二時
○上略 十一時宮内省ニ抵リ、瓦斯会社新株帝室ニ於テ御所有ノコトニ関シ渡辺内蔵頭ト談話ス○中略午後四時過湖月楼ニ抵リ、東京瓦斯会社株主協議会ニ出席ス、増資及重役増員、其他帝室御持株等ノコトニ関シ
 - 第12巻 p.698 -ページ画像 
詳細ノ演説ヲ為シ、畢テ夜十時散会○下略
一月十九日 晴 寒               起床七時就蓐十一時三十分
○上略 午後一時商業会議所ニ於テ東京瓦斯会社ノ株主総会ヲ開ク○下略


渋沢栄一 書翰 高松豊吉宛(明治四〇年)一月一五日(DK120092k-0002)
第12巻 p.698 ページ画像

渋沢栄一 書翰  高松豊吉宛(明治四〇年)一月一五日
                    (萩原英一氏所蔵)
華翰拝読益御清適奉賀候、然者過日重役会之御内議ニ基き渡辺内蔵頭ニ御面会被成種々御懇話之末、内蔵頭ハ尚小生と面話被成度旨申居候云々来示拝承仕候、小生も明十六日午後ニ井上伯邸ニ用事出来候間二時頃ニハ帰京、同伯方ヘ参リ候筈ニ御坐候、依而宮内省ヘハ十七日午前十一時頃参上可仕ニ付、其段貴台より電話なりとも渡辺氏へ御通し置可被下候、然時ハ十七日株主招待会前ニ内蔵頭之模様ハ相分リ候様御引合可致と存候
十七日之集会ニ於て自然質問等有之候用意として当会社最初之資本及追々増資之金額と年月と萩原氏ニ御申付至急取調ヘ明夕まてニ拙宅ニ御遣し可被下候、又明後内蔵頭面会之際ニ入用之書類も同様御取揃ヘ御遣し可被下候、右拝答如此御坐候 不宣
  一月十五日               渋沢栄一
    高松豊吉様
         拝答


(八十島親徳)日録 明治四〇年(DK120092k-0003)
第12巻 p.698 ページ画像

(八十島親徳)日録  明治四〇年  (八十島親義氏所蔵)
一月十九日 晴
例刻出勤、午後ハ一寸瓦斯会社ニ臨ム、資本ヲ増加シテ千七百万円トナスノ議モ本日決定ス、男爵ハ議長トシテ整理方ノ老練ナル驚嘆ノ至也○下略


(東京瓦斯株式会社)事業報告書 第四四回 明治四〇年七月(DK120092k-0004)
第12巻 p.698-699 ページ画像

(東京瓦斯株式会社)事業報告書  第四四回 明治四〇年七月
一定時総会 一月十九日第四十三回株主定時総会ヲ東京商業会議所ニ於テ開会ス、出席株主(委任状共)五百六十三人、此株数十一万五千五百六十株ニシテ、取締役ヨリ提出ノ明治三十九年下半期間ニ於ケル事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書ヲ承認シ、次テ利益分配案ヲ議決セリ
一臨時総会 同日定時総会閉会後引続キ株主臨時総会ヲ開キ、左記第一号第二号第三号及第四号ヲ議定セリ
  第一号
   資本金増加ノ件
    一事業拡張ノ為メ現在資本金八百四拾万円ヲ増加シテ壱千七百万円トシ、其増加金八百六十万円ヲ拾七万二千株(一株金五十円)ニ分チ、現在株式ト合セテ総数参拾四万株トス但現在資本金ノ内未払込残額金弐百拾万円ハ明治四十年四月ヲ期シ之カ払込ヲ完了スルモノトス
    二増加株式十七万二千株ノ内十六万八千株ハ明治四十年六月五日現在株主ニ対シ其所有株式一株ニ付増加株式一株ヲ割
 - 第12巻 p.699 -ページ画像 
当テ募集シ、残四千株ノ処分法ハ取締役ニ一任ス
    三前項現在株主ハ増加株式引受申込書ニ証拠金一株ニ付金弐円五拾銭ヲ添附シ社会指定《(会社)》ノ期間内ニ提出スベシ、若シ期間内ニ其手続ヲ為ササルトキハ増加株式引受ノ権利ヲ失ヒタルモノトス、此場合ニ於テハ取締役会議決議ヲ以テ更ニ其引受人ヲ定ム
    四増加株式第一回払込金ハ其払込金額ノ内曩ニ提供シタル証拠金ヲ□《(控カ)》除シタル残額ニ証拠金領収書ヲ添附シ、会社指定ノ期間内ニ払込ムベシ、若シ期間内ニ払込為サヾルトキハ商法ノ規定及会社定款第十七条ニ準拠シテ処分シ、且権利ヲ失ヒタル場合ニ於ケル証拠金ハ会社ノ所得トス
  第二号
   定款改正ノ件
    会社定款中左ノ如ク改正ス、但第二条及第六条ノ改正ハ暫ク決議ニ止メ置キ、追テ資本金未払込残額ノ払込完了後取締役ヲシテ之カ実行ノ手続ヲ行ハシムルモノトス
    一定款第一条第四号「前項ノ目的ヲ達スルニ附帯ノ業務」トアルヲ「前各号ノ事業ニ附帯ノ業務」ト改ム
    二定款第二条「本社ノ資本金額ハ八百四十万円トス」トアルヲ「本社ノ資本金額ハ壱千七百万円トス」ト改ム
    三定款第三条ヲ左ノ如ク改ム
     第三条 本社ハ東京瓦斯株式会社ト称シ、本店ヲ東京市神田区錦町三丁目二十三番地ニ置キ、便利ノ地ニ製造所、工場又ハ出張所ヲ設ク
    四定款第六条中「本社ノ株式ハ拾六万八千株トシ」トアルヲ「本社ノ株式ハ参拾四万株トシ」ト改ム
    五定款第十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
     外国ニ居住シ若シクハ居住セントスル株主ハ適当ナル代理人ヲ日本帝国ニ置キ其旨ヲ本社ニ届出ツヘシ
    六定款第十九条中「取締役ハ六人トシ」トアルヲ「取締役ハ八人以上トシ」ト改ム
    七定款第二十四条中「常務取締役一人ヲ互選スヘシ」トアルヲ「専務取締役一人常務取締役一人ヲ互選スヘシ」ト改ム
  第三号
   役員報酬額改正ノ件
    取締役監査役報酬額ハ年額金壱万五千円以内ト為スコトニ決ス
  第四号
   取締役及監査役選挙ノ件
    取締役大橋新太郎及渡辺福三郎、監査役渡部朔・小林藤右衛門及伊藤幹一ハ重任シ、改正定款第十九条ニ依リ取締役二人ノ増員ハ久米良作・福島甲子三当選セリ


竜門雑誌 第二二四号・第四一―四二頁〔明治四〇年一月二五日〕 ○東京瓦斯会社総会(DK120092k-0005)
第12巻 p.699-700 ページ画像

竜門雑誌  第二二四号・第四一―四二頁〔明治四〇年一月二五日〕
 - 第12巻 p.700 -ページ画像 
○東京瓦斯会社総会 青淵先生の取締役会長たる東京瓦斯会社にては本月十九日午後二時より東京商業会議所に於て株主総会を開き、先生は其議長となりて左の配当案を可決せり
                      円
 一当期利益金        五七一、三三五・五三二
 一前期繰越金         七四、九九四・九七一
  合計           六四六、三三〇・五〇三
    内
  賞与金           二八、五六六・七八〇
  退社手当金          五、七一三・三六〇
  準備積立金         三五、〇〇〇・〇〇〇
  別途積立金         三五、九四七・五五六
  株主配当金(年一割五分) 四四一、〇〇〇・〇〇〇
  後期繰越金        一〇〇、一〇二・八〇七
右終て臨時総会を開き左記資本増加の件を議決せり
 一、事業拡張の為め現在資本金八百四十万円を増加して一千七百万円となし未払込株金二百十六万円は四月を期し之が払込を完了す
 一、増加株十七万二千株の内十六万八千株は本年六月五日現在株主に対し一株に付き一株の割合を以て割当て、残四千株の処分は取締役に一任す
次に取締役二名増加の件を決し、次で役員報酬額改正の件即ち役員増加の結果現在総額一万円以内とあるを一万五千円以内と為すことを決し、最後に取締役大橋新太郎・渡辺福三郎・監査役渡辺朔・小林藤右衛門・伊藤幹一の五氏満期改選の件は重任に決し、新取締役二名は青淵先生より久米良作・福島甲子三の両氏を指名し、久米氏は専務、福島氏は常務に就任する筈なり、因に記す、増資分配残株四千株の内二千株は帝室の御所有となることに内定し、二千株は瓦斯事業特別功労者に申込の特権を与ふる都合なりと云ふ


竜門雑誌 第二二九号・第五三頁〔明治四〇年六月二五日〕 ○東京瓦斯会社株式御引受(DK120092k-0006)
第12巻 p.700 ページ画像

竜門雑誌  第二二九号・第五三頁〔明治四〇年六月二五日〕
○東京瓦斯会社株式御引受 帝室に於ては今回東京瓦斯会社新株二千株御所有のことに決し、内蔵頭より右御引受の御沙汰ありしに付、同会社にては直に御請申上げたりと云ふ