デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
26節 倉庫業
3款 倉庫会社並ニ均融会社
■綱文

第14巻 p.295-315(DK140029k) ページ画像

明治15年7月28日(1882年)

是日栄一、三井宸之助・原六郎等ト連署シテ倉庫会社ヲ設立センコトヲ東京府知事芳川顕正ニ出願シ、尋デ同社発行ノ倉荷証券ヲ担保トスル手形ノ割引ヲ行フタメ均融会社ヲ創立センコトヲ出願ス。


■資料

青淵先生六十年史 (再版) 第二巻・第三一四頁 〔明治三三年六月〕(DK140029k-0001)
第14巻 p.295 ページ画像

青淵先生六十年史(再版)第二巻・第三一四頁〔明治三三年六月〕
 ○第五十章 倉庫業
    第二節 倉庫会社
倉庫会社ハ明治十五年十一月梅浦精一・朝吹英二・原善三郎等ノ創立ニ係ル、其資本金六万五千円、其目的ハ東京及横浜ニ倉庫ヲ建テ一般商品ノ保管預リヲナスニアリ、青淵先生ハ同社ノ株主ナリ、然ルニ経営意ノ如クナラス、意外ノ損失ヲ生シ明治十八年解散セリ


回議録 第二類・会社明治一五年ノ三(DK140029k-0002)
第14巻 p.295-300 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ三 (東京府庁所蔵)
    倉庫会社創立之儀ニ付願書
今般私共申合倉庫会社ヲ創立シ資本金三拾万円ト定メ、内金拾万円ヲ左ニ連名スル発起人ニ於テ引受ケ、当府下深川区内ニ本社ヲ置キ、神奈川県下横浜ニ支社ヲ置キ、貸倉営業仕度候間、御許可被成下度候、尤モ他ノ弐拾万円ハ追テ之ヲ募集ノ見込ニ候、依テ別冊会社定款相添此段奉願候也
                日本橋区駿河町四番地
  明治十五年七月廿八日         三井宸之助
                京橋区築地三丁目八番地
                     原六郎(印)
                日本橋区小網町四丁目八番地
                     安田善次郎(印)
                京橋区南伝馬町一丁目拾七番地
                     山中隣之助(印)
                日本橋区本材木町壱丁目七番地
                     渡辺治右衛門(印)
                浅草区浅草元鳥越町九番地
                     杉山勧(印)
                横浜弁天通三町目五拾番地
                     原善三郎
                同弁天通二丁目三十番地
                     茂木惣兵衛
                日本橋区新右衛門町十六番地
                     川村伝衛(印)
                深川区東元町十三番地
 - 第14巻 p.296 -ページ画像 
                     藤平重資(印)
                深川区福住町四番地
               出頭総代人 渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿
前書出願ニ付奥印候也
          東京府深川区長 堀田正養
(別冊)
    倉庫会社定款
倉庫会社ヲ創立スルニ付、株主ノ衆議ヲ以テ決定スル所ノ定款ハ左ノ如シ
  第一章 総則
第一条 当会社ノ名称ハ倉庫会社ト称シ本社ヲ深川区小松町弐番地ニ置キ、支社ヲ神奈川県下横浜ニ置クヘシ、但シ事業拡伸ノ摸様ニヨリテハ株主ノ衆議ヲ以テ各地ノ要区ニ支社ヲ設クルコトアルヘシ
第二条 当会社営業ノ年限ハ開業ノ日ヨリ満弐拾ケ年トス、但シ満期ノ後、株主ノ衆議ヲ以テ尚永続ヲ望ムトキハ、更ニ官ノ允准ヲ請テ之ヲ継続スヘシ
第三条 当会社ハ有限責任トシ、本社ノ負債弁償ノ為メ株主ノ負担スヘキ議務《(義)》ハ株金ニ止ルモノトス
第四条 当会社ノ営業ハ他人ノ所有貨物ヲ我カ営理《(管)》ノ倉庫ニ預リ、公正ナル預リ証券ヲ発付シ、其保管料及手数料等ヲ収受スルヲ以テ目的トス、但シ其預リ証券ヲ抵当トシテ金融ノ便利ヲ拡伸セン為メニハ、別ニ各銀行者ト当会社トノ間ニ約束ヲ設ケ置クヘシ
第五条 当会社ハ前条ニ掲タル事項ヲ以テ本務トナスカ故ニ、貨物ノ売買ニ干与セサルハ勿論、一切右目的外ノ事業ニ関係スヘカラス
第六条 当会社ハ自ラ所有スル倉庫ノ外、便宜ニヨリテ堅牢ナル蔵所ヲ借入レ、本社ノ附属倉庫ト為スヲ得ヘシ
第七条 当会社ノ営業ハ此定款ニ拠テ之ヲ頭取取締役ニ委任スヘシ
  第二章 資本金之事
第八条 当会社ノ資本金ハ金三拾万円ト為シ、一株ヲ百円トシ、即チ三千株ト定メ、内国人民ヨリ之ヲ募集スヘシ、但営業ノ景況ニヨリ株主ノ衆議ヲ以テ、官ノ允准ヲ得テ之ヲ増減スルコトアルヘシ
第九条 資本金ノ半額ヲ目的トシテ営業用ノ倉庫ニ充テ、他ノ半額ヲ以テ利付公債証書ニ換ヘ置クヘシ
第十条 前条ノ公債証書ハ、当会社営業ノ鞏固ナルヲ証スルカ為メニ其筋ニ預托シ置クヘシ
第十一条 資本金ハ各引受高十分二ヲ当会社開業五日前迄ニ入金スヘシ、而シテ其残高ハ営業ノ都合ヲ以テ頭取ヨリ通知シテ入金セシムヘシ(此通知ハ遅クトモ一ケ月前タルヘシ)尤モ其払込ノ都度仮領収書ヲ交付シ、悉皆払込済ノ上、仮領収書ト引換ニ株式券状ヲ渡スヘシ
第十二条 株主モシ初回ノ入金ヲ怠ルコト三日以上ニ及ハヽ、之ヲ除名シテ他ノ入社人ヲ募ルヘシ、又其残高ノ払込ヲ怠ルコト一週間以上ニ及ハヽ、入金済ノ高ヲ併セテ売却シ、其買得人ヲシテ欠員ニ充
 - 第14巻 p.297 -ページ画像 
テシムヘシ、但此売却ニ付テノ諸入費ヲ差引、尚余金アレハ原株主ニ還付スヘシ
  第三章 営業之事
第十三条 当会社ノ倉庫ニ預リ得ヘキ貨物ハ、当分ノ中左ニ列記スル物品ニ限ルヘシ、但追テ事業ノ都合ニヨリテ其種類ヲ増加スヘシ

図表を画像で表示--

 類別    物名 第一類   米 大小麦 大小豆 第二類   繰綿 舶来綿 舶来木綿糸       生糸 木綿糸 其他附属品 第三類   砂糖類 第四類   和洋紙類 第五類   和洋地鉄及丁銅荒銅類 



    以上
(附箋)

図表を画像で表示--

  十六年四月増補   第六類  〆粕 油粕   第七   塩   第八   糠   第九   生蝋   第十   麻 



第十四条 前条ノ貨物ヲ預リテ会社ニ於テ之カ保管ヲ為スニハ、都テ預リ証券ヲ発付シテ之ヲ保証スヘシ、而シテ其数量ハ当会社ニ於テ取極メタル定度ヲ以テスヘシ
第十五条 当会社ハ又貨主ノ便宜ヲ謀リテ、貨物入庫ノ為メニ一時我管理ノ倉庫ヲ貸与スルコトアルヘシ、然リト云トモ此貸庫ヲ為スハ其蔵所ノ区域ヲ画シテ、鎖鑰等ヲモ貸主ニ引渡スモノニ限ルヘシ、故ニ此貸庫ニ入レタル貨物ハ、都テ貨主ノ保管ニ属シテ、当会社ハ之ニ関係セサルヘシ、但此貸庫ニ入レタル貨物ニ対シテハ、当会社ハ只入庫目録ヲ交付スルノミナルヘシ
第十六条 預リ期限ハ満六ケ月以内トシ、貨主其預ケ方ノ委托ノ際ニ約定スルモノトス、故ニ満期ニ至リ尚預ケ継ヲ求ムルトキハ、更ニ預リ証券ヲ書替ヘテ、相当ノ期限ヲ約スヘシ
第十七条 第十四条ノ預リ証券ニヨリテ当会社ニ保管スル貨物ハ、此証券ヲ以テ之ヲ売買シ、又ハ貸借ノ抵当ニ供スルヲ得ヘシ、但其買主又ハ債主トモニ此証券裏面ノ約則ニ従フヘキハ、原預ケ主ト同様タルヘシ
第十八条 預リ証券ニハ当会社ノ鑑定ヲ以テ相当ノ評価ヲ付スルト云トモ、其売置又《(買)》ハ抵当用ノ時ニ当リテ、買主又ハ其債主ニ於テ要用ト思量セハ、当会社ニ就テ実物ヲ一見スルヲ得ヘシ
第十九条 預リ証券ヲ以テ其貨物ヲ売買セシトキハ、其証券ノ番号及物品等ヲ略記シテ、売買主双方ヨリ速ニ当会社ニ届出ヘシ、而ル後買主ハ其証券ヲ当会社ニ持参シテ其貨物ヲ受取ルヘシ、但買主更ニ其貨物ヲ当会社ニ預ケ置カント欲セハ、更ニ期限ヲ約シテ証券ノ書替ヲ乞フヘシ
第二十条 預リ証券ヲ以テ金員貸借ヲ為シタルトキハ、其金高期限利
 - 第14巻 p.298 -ページ画像 
足及抵当用証券ノ番号等ヲ略記シテ、債主負債主ヨリ速ニ当会社ニ届出ヘシ、然ルトキハ当会社ハ追テ其返金済ノ報告ヲ得ル迄ハ、其債主ヲ以テ該貨物占有ノ権アルモノトシテ、其貨物ヲ保管スヘシ
第廿一条 第十九条・第二十条ノ場合ニ於テ、売買又ハ貸借ノ双方共其届出ヲ怠リタルヨリ生スル損毛アリトモ、当会社ハ其責ニ任セサルヘシ
第廿二条 預リ証券ハ其貨物ヲ正ニ預リ置タル保信ナレハ、如何ナル場合アルトモ、当会社ハ右証券ト引換ヘナラテハ其貨物ヲ還付セサルヘシ
第廿三条 然リト云トモ右預リタル貨物入庫中、万一天災地変兵乱等ノ拒クヘカラサル災厄ニ罹リテ損傷スルコトアルトモ、当会社ハ其責ニ任セサルヘシ、又鼠喰虫入其他物品ヨリ生スル腐敗等ノ損害アルモ、同シク其責ニ任セサルヘシ
第廿四条 貨主モシ第十四条ノ預リ証券ヲ焼失紛失シタルトキハ、速ニ其次第ヲ当会社ヘ届出ヘシ、当会社ハ其趣旨ヲ新聞帋ヲ以テ世間ニ広告シ、相当ノ日数ヲ経テ尚発見セサレハ、二人以上ノ保証人ヲ立テシメ、後日其証券発見スルモ廃紙タル旨ノ証書ヲ取リタル上ニテ、代リ証券ヲ付与スヘシ、但広告料及証券書替手数料ハ請求者ヨリ受取ルヘシ
第廿五条 当会社ニ収受スヘキ貸庫料ハ、其貨物ニ要用ナル倉庫ノ坪数ニ応シテ之レヲ受取リ、保管料ハ其貨物ノ評価金高ニヨリ之ヲ受取リ、証券手数料ハ証券ノ枚数従《(ニ脱)》テ之ヲ受取ルヘシ、而シテ其割合ハ常ニ当会社ニ掲示シ置キ、モシ増減スルコトアレハ前以テ之ヲ広告スヘシ
  第四章 営業時間並休日ノ事
第廿六条 当会社ノ営業時間ハ毎日午前八時ヨリ午後五時迄ノ間トス
 但臨時至急ヲ要スルモノハ別段ノ取扱ヲ為スヘシ
第廿七条 休日ハ一月一日及大祭日ニ限ルヘシ
第廿八条 若シ臨時休業ヲ為スコトアルカ、又ハ定例ノ営業時限及休日ヲ変更スルトキハ、前以テ広告スヘシ
  第五章 役員ノ事
第廿九条 当会社ノ役員ト称スル者ハ左ノ如シ
  頭取
  副頭取
  取締役
  支配人
  副支配人
  書記掛
  倉庫掛
  評価掛
  出納掛
  簿記掛
  但支配人以下ノ者ハ或ハ之ヲ置カス、或ハ之ヲ兼摂代任セシムルコトアルヘシ
 - 第14巻 p.299 -ページ画像 
第三十条 当会社取締役ノ撰挙ハ、毎年一月(初度ノ撰挙ハ発起人ノ指定スル時日場所)株主総会ニ於テ三拾株以上所持ノ株主中ヨリ人員五名ヲ投票撰挙スヘシ、而シテ其集会ノ時日場所ハ少クトモ一週日前ニ当任ノ頭取ヨリ之ヲ報知スヘシ
第三十一条 此撰挙ニ応シタル取締役ハ、同僚中ノ互撰ヲ以テ頭取一名又ハ副頭取一名ヲ推撰スヘシ○第三十二条略ス
第三十三条 頭取々締役ノ在職期限ハ一ケ年間トス、若シ期限中不時ノ欠員アルトキハ、取締役ノ衆議ヲ以テ之カ代任又ハ補員ヲ撰ムヘシ、但此欠員ノ補員タリトモ、時宜ニ依リ在職ノ頭取々締役ニ於テ之ヲ指名シ、株主ノ衆議ニ付スルコトアルヘシ○第三十四・三十五条略ス
  第六章 役員ノ権限責任ノ事
第三十六条 頭取ハ当会社ノ事務ヲ統轄シ、其営業一切ノ責ニ任ス、副頭取ハ常ニ頭取ノ職務ヲ補翼シ、時トシテ其代理ノ任ニ当ルヘシ○第三十七・三十八・三十九条略ス
  第七章 株主権利責任之事
第四十条 株主ハ当会社ノ本主ニシテ株数相当ノ権利ヲ有シ、営業上ノ損益ヲ負担スル者タルカ故ニ、事業ノ景況ニ着目シ、何時ニテモ金銭出納及ヒ諸帳簿諸計表ノ撿閲ヲ求ムルノ権アルヘシ○第四十一条略ス
第四十二条 株主ハ其総会ニ於テ一株毎ニ一個発言投票ヲ為スノ権アリトス、然レトモ其所持ノ株数十個以上百個迄ハ五株毎ニ一個ヲ増加シ、百一株以上ハ十株毎ニ一個ツヽヲ増加スヘシ○第四十三・四十四・四十五条略ス
  第八章 役員禁例之事
 ○第四十六・四十七条略ス
  第九章 株式売買譲与之事
第四十八条 当会社ノ株式ヲ売買譲与スルニハ、必ス当会社ノ承認ヲ受クヘシ
 頭取ノ証印ヲ為サヽル間ハ既ニ売買譲与ヲナスモ其契約ハ無効ニ属シ、当会社ノ損益ハ総テ株式券状ノ名前人ニ負担セシムルモノトス
第四十九条 定式総会前十日間ハ株式記名替ヲ停止シ、株式帳ノ書替ヲ為サヽルヘシ
  第十章 株主総会決議之事
第五十条 株主総会ハ分テ定式臨時ノ二様ト為ス、定式総会ハ毎年両度一月七月之ヲ開キ、臨時総会ハ頭取々締役ノ適当ナリト思考スル場合ニ於テハ、何時ニテモ招集スルコトヲ得ヘシ○第五十一条ヨリ第五十六条マデ略ス
  第十一章 純益金配当之事
第五十七条 毎年両度其半季内ニ収入シタル保管料貸庫料手数料其他ノ雑収入総額ヨリ、月給諸雇給雑費又ハ通常修繕費等ノ営業上諸費ヲ引去リ、其残高ヲ以テ利益金ト為シ、其内ヨリ定例ノ納税額及ヒ役員ノ賞与等ヲ引去リ、残高ヲ以テ純益金ト定メ、一月七月ノ株主総会ニ於テ明瞭ニ之ヲ報告シ、而シテ後積立金及当季ノ株主配当金割合ヲ議決スヘシ
第五十八条 前条ノ趣旨ニヨリテ其配当割合ヲ定ムル所ハ左ノ如シ
  利益金高百分ノ十 諸役員賞与金
  純益金高百分ノ十 営繕用積立金
 - 第14巻 p.300 -ページ画像 
  同 百分ノ十 通常積立金
  差引残高 株主配当金○第五十九条ヨリ第六十六条マデ略ス
右之条々ヲ取極タル証拠トシテ各姓名ヲ自記シ調印致シ候也
                日本橋区駿河町四番地
                    三井宸之助
                京橋区築地三丁目八番地
                    原六郎(印)
                日本橋区小網町四丁目八番地
                    安田善次郎(印)
                京橋区南伝馬町一丁目拾七番地
                    山中隣之助(印)
                日本橋区本材木町壱丁目七番地
                    渡辺治右衛門(印)
                浅草区浅草元鳥越町九番地
                    杉山勧(印)
                横浜弁天通三丁目五拾番地
                    原善三郎
                同弁天通二丁目三拾番地
                    茂木惣兵衛
                日本橋区新右衛門町拾六番地
                    川村伝衛(印)
                深川区東元町拾三番地
                    藤平重資(印)
                深川区福住町四番地
                    渋沢栄一(印)
   ○倉庫会社定款ハ本資料ト別ニ四六判仮綴パンフレツト様ノ印刷本アリ。大略同ジ内容ナレド字句ニ若干ノ相違アリ、本資料中省略セラレタル条文ヲ右印刷本ニヨリ左ニ補充ス。


倉庫会社定款 第一二―二三頁(DK140029k-0003)
第14巻 p.300-302 ページ画像

倉庫会社定款 第一二―二三頁
○上略
第三十二条 頭取取締役ハ上任ノ日ニ当リ所持ノ株式中三拾株ノ券状ヲ当会社ニ預クヘシ、当会社ハ之ヲ恪護シ、其券状ノ保護預証書ニ禁受授ノ印ヲ押シ之ヲ渡シ置ク可シ
○中略
第三十四条 取締役ハ月番ヲ以テ一名ノ撿査係リヲ定メ置、常ニ当会社営業ノ景況及金銭出納等ヲ点撿スヘシ
第三十五条 支配人以下ノ役員ハ頭取取締役ノ衆議ヲ以テ其撰任放免ヲ専行スルヲ得ヘシ
○中略
第三十七条 頭取取締役ハ其衆議ヲ以テ当会社ノ申合規則ヲ作ルヲ得ヘシ、但シ其申合規則ハ此定款ノ要旨ニ対シテ毫モ抵触矛盾スヘカラス
第三十八条 取締役ハ其集会ヲ以テ日常諸般ノ事ヲ議決シ且常ニ行務
 - 第14巻 p.301 -ページ画像 
上ヲ監視スヘシ、又営業上ノ事ニ付キ意見ヲ頭取ニ陳ヘ又ハ同僚ノ衆議ヲ以テ臨時総会ヲ催スノ権アルヘシ
第三十九条 取締役ハ其同僚中又ハ頭取ニ於テ職任不適当ノ行為アリト認ルトキハ、同僚二人以上ノ同意ヲ得テ株主臨時総会ヲ催シ三分二以上ノ説ニ従ヒ之ヲ退職セシムルノ権アルヘシ、但此場合ニ於テハ其行為不適当ノ事由ヲ株主ニ証明スヘシ
○中略
第四十条《(一脱)》 株主ハ頭取々締役ノ事務取扱上ニ於テ不適当ノ事アルト認ルトキハ、第十章第五十一条ノ順序ヲ践ミ臨時総会ヲ催シ三分ノ二以上ノ衆議ヲ以テ之ヲ解任スルノ権有ル可シ
○中略
第四十三条 株主ハ何等ノ事故アルトモ当会社営業ノ年限中ハ其株金ヲ取戻スコトヲ得サルヘシ
第四十四条 株主ハ其所持ノ株式ヲ質入抵当トナシタル間ハ発言投票ノ権ヲ失フヘシ
第四十五条 株主ハ第九章第四十八条ノ手数ヲ経ルニ於テハ其所持ノ株式ヲ売買譲与スルコトヲ得ヘシ
第四十六条 当会社ノ役員ハ保管ノ貨物及ヒ諸有金ヲ規程外ニ出入使用スヘカラス、且金銭其他ノ証書共当会社ノ印章ナキ各自一判ノ証書ヲ用ユヘカラス
第四十七条 当会社ノ頭取々締役等故意ヲ以テ此定款又ハ申合規則ニ背キ不適当ノ所為アリテ夫カ為メ損毛ヲ生スルトキハ自カラ之ヲ弁償スヘシ
○中略
第五十一条 人員十名ニ下ラス所持ノ株数当会社総株高ノ五分一ニ下ラサル株主ヨリ書面ヲ以テ臨時総会ヲ請求セルトキハ何時ニテモ其需ニ応シテ招集スヘシ
第五十二条 右ノ書面ニハ其総会ヲ要スル事件目的ヲ記載スヘシ、而シテ若頭取々締役ニ於テ二週日間無謂其手続ヲ怠リタル時ハ請求人等自ラ之レヲ招集スルヲ得ヘシ
第五十三条 総会ノ決議ハ過半数ニ因ル、故ニ病気其他不得止事故アリテ出席シ難キ人々ハ必委任状ヲ授ケタル代人ヲ出スヘシ、而テ此代人ハ本社ノ株主ニ限ル、若シ右代人ヲ出スシテ決議ノ後ニ異端ヲ発ルトモ一切採用セサル可シ
第五十四条 株主遠隔ノ地ニ住スルカ、又ハ旅行ヲナシテ議事招集ノ機ニ会シ難キ懸念アルトキハ、前条ノ場合ニ於テ差出スヘキ代人ヲ予メ委任シテ之ヲ本社ニ届置クヘシ
第五十五条 総会ノ議長ハ頭取之ニ当ルヲ定例トナスト雖トモ、頭取取締役又ハ株主ノ請求ニヨリテハ別ニ株主中ヨリ撰挙スルコトヲ得ヘシ
第五十六条 総会ニ当リ其参集ノ株主総株数ノ三分ノ二(委任《(状脱)》アル代人ヲモ加算シテ)ニ充タサル時ハ之ヲ延会シ、当日以後五日以内ニ於テ更ニ開設スヘシ
○中略
 - 第14巻 p.302 -ページ画像 
第五十九条 当会社若損失アリテ資本金ニ不足ヲ生スルトキハ、積立金ヲ以テ補塡シ畢リ、更ニ爾后得ル所ノ利益ヲ以テ之ヲ補充シ了ル迄ハ、一切ノ配当ヲ止ムルコトアルヘシ
  第十二章 簿記並ニ報告之事
第六十条 当会社ノ簿記其他計算書類ハ予テ管明《(簡)》ナル記程表式ヲ定メ主任者ヲシテ一切之ニ遵拠セシムヘシ
第六十一条 頭取々締役ハ当会社ノ簿記ヲ正確明瞭ニシ、日表月表年表ヲ製シ、毎月及ヒ毎半季ニ於テ之レヲ管理庁ニ申稟シ、且毎半季ニ於ケル計表ハ之レヲ印刷シテ株主ニ報告スヘシ
  第十三章 印章及ヒ記録ノ事
第六十二条 当会社ニ用ユル印章ハ左ノ各顕《(顆)》ノ如シ
       印章略ス
第六十三条 当会社ノ印章並ニ頭取々締役支配人ノ印章ハ其印鑑ヲ管理府ニ差出シ置クヘシ、モシ改刻スルコトアレハ必ス更ニ印影ヲ差出スヘシ
第六十四条 定款及ヒ申合規則ノ改正又ハ官府ニ対スル申牒、頭取取締役ノ撰挙其他集会並ニ営業ノ要件ハ一切之ヲ記録シ、頭取取締役等之レニ撿印シ以テ後日ノ証拠参観ニ備フヘシ
第六十五条 官官《(府)》ニ対スル諸願伺届又ハ官私ニ対スル証書約条書往復文書ニ至ルマテ当会社称号ヲ用ヒ社印ヲ押捺スヘシ
  但シ報告約定保証等ノ如キ文書ニハ頭取取締役及ヒ支配人ノ名印ヲモ加用スヘシ
  第十四章 定款更正増補ノ事
第六十六条 此定款ハ株主ノ衆議ニ因リ官ノ允准ヲ得ルニ於テハ増減更正スルコトアルヘシ
○下略


倉庫会社営業規則 第一―一六頁(DK140029k-0004)
第14巻 p.302-306 ページ画像

倉庫会社営業規則 第一―一六頁
  倉庫会社営業規則
    貨物入庫出庫ノ事
第一条 貨物ヲ委托セント欲スル者ハ其品類数量価格及ヒ預ケ期限ヲ本社ヘ申込ムヘシ、本社ハ其貨物定款第十三条ニ適合シ其倉庫内ニ積置ヘキ場所アレハ申込書ヲ収受シ、庫所並入庫日限ヲ指定スヘシ
第二条 貨物到着ノ報ヲ得レハ倉庫掛ヲシテ申込書ニ照ラシ委托主又ハ其代人ト立会品類性質数量価格ヲ撿査セシメ、相違ナキトキハ入庫保管ノ手続ヲ了リ、預リ証券ヲ委托主又ハ其代人ヘ交付スヘシ
第三条 前条撿査ノ際其品類申込書ト相違スル者及ヒ変性スヘシト認ル者ハ入庫保管ヲ断ルヘシ、第廿七条ニ記載スル遠隔地方ヨリ踰送《(輸)》ノ貨物ニ於テモ亦同シ
  但シ入庫保管ヲ断リタルヨリ損失ヲ生スルコトアルモ本社ハ其責ニ任セス
第四条 預リ証券ハ貨物ノ品類ニ従ヒ本社ニ於テ定メタル数量ノ割合ニ応シ各一枚ヲ交付スル者トス、尤モ貨物多量ナルトキハ数量ノ割合ヲ増スコトアルヘシ
 - 第14巻 p.303 -ページ画像 
  但証券一枚ニ応スル数量ハ本社ニ掲示シ置ク可シ
第五条 預リ証券ヲ抵当トシ又ハ売買セシ者ハ定款第十九条・第二十条ニ従ヒ本社ヘ届出ヘシ、其抵当トナリタル者ハ之ヲ記録シ、売買セシ者ハ預リ証券ト引換ニ貨物ヲ引渡スヘシ、其買主仍ホ貨物ヲ委托スルトキハ証券ヲ書換交付スヘシ
第六条 期限ニ至リ貨物ヲ出庫セント欲スル者ハ預リ証券ヲ持参スヘシ、本社ハ原簿ニ照合シ出庫証ヲ倉庫掛ニ付シ、委托主又ハ其代人ヘ貨物ヲ引渡スヘシ
第七条 委托人又ハ其代人ト債主買主等トノ間ニ事故アリテ已ニ抵当又ハ売買ノ約束ヲ結フモ其届出ヲ為サヽル内期限ニ至ルトキハ、本社ハ其事故ノ如何ニ拘ラス預リ証券記名主ヨリ出庫セシメ若クハ継続委托ノ手続ヲ為サシムヘシ
第八条 期限内ニ於テ其貨物ノ全部又ハ幾分ヲ出庫セント欲スルトキハ第六条ノ手続ニ従ヒ之ヲ引渡スヘシ、尤一枚ノ証券ニ対スル貨物ノ幾分ヲ引出ストキハ本社ハ其預リ証券ニ引出シタル高ヲ記入ノ上之ヲ引渡スヘシ
第九条 貨物売買ノ為メ買主ヲシテ一見セシメンコトヲ望ム者ハ「其貨物ノ抵当トナリタルトキハ債主ノ承諾ヲ経テ」本社ヘ申出可シ、本社ハ倉庫方立会一見セシムヘシ
  但貨物一見ノ手続ハ本社ノ指示スル所ニ従フヘシ
第十条 期限ニ至リ猶委托ヲ継続シ又ハ貨物ノ幾分ヲ留メ置ンコトヲ望ム者ハ更ニ預リ証券ヲ書換ヘ交付スヘシ
第十一条 凡貨物ノ出入ハ申込ノ順序ニ従フ者トス、其出入ノ運搬並数量ノ撿査(米穀ノ升廻シ生糸ノ斤量風袋改方等ノ類)等ハ普通ノ慣習ニ拠ルヘシ
第十二条 貨物出入運搬数量撿査等ノ為メニ要スル諸費ハ都テ委托主又ハ其代人ノ自弁タルヘシ
第十三条 日々出入スル処ノ貨物ハ簡明ナル日表ヲ製シ、其貨物ニ対シ金融ヲ取扱フ銀行会社等ヘ送付シ、臨時現品点撿ノ便ニ供スヘシ
    倉庫貸与ノ事
第十四条 貨物貯蔵ノ為メ倉庫貸与ヲ望ム者ハ申込書ヲ収受シ、庫所並入庫日限ヲ指定シ、申込書ヲ倉庫掛ヘ付シ、品類数量及変性ノ有無ヲ撿査セシメ、申込書ニ相違ナキトキハ倉所貸与《(ヲ脱)》ス、其相違アル者変性ス可キ者ハ之ヲ断ルヘシ
第十五条 貸庫ニ貯蔵スル貨物ハ定款第十五条ニ因リ其紛失損傷アルモ本社一切其責メニ任セス、若シ貯蔵中変性スヘキコトヲ発見スルトキハ借庫主又ハ其代人ヘ通知シ、日ヲ期シテ出庫セシムヘシ
第十六条 借庫期限内ニ其貨物ヲ出入スルハ借庫主ノ随意タルヘシト雖モ、申込書ニ記載セサル品類ト引換入庫スルコトヲ許サス
  但出入ノ都度本社倉庫掛ヘ届ク可シ
第十七条 満期ニ至リ継続貸与又ハ期限内ニ於テ数個ノ貸庫ノ内幾個ヲ返還シ幾個ヲ継続センコトヲ望ム者ハ倉庫需用ノ緩急ニ従ヒ之ヲ許否スヘシ
第十八条 貸庫損所ヲ生スルトキハ借庫主ヨリ速カニ本社ヘ申出ツヘシ、若シ借庫主ノ不注意ヨリ損所ヲ生スルカ、又ハ第十五条ニ記載
 - 第14巻 p.304 -ページ画像 
スル貨物ノ出庫ヲ怠ルカ為メニ倉庫及ヒ他ノ貨物ニ損害アルトキハ之ヲ弁償セシムヘシ
    入庫貨物保管ノ事
第十九条 貨主ノ委托ヲ受ケテ預リタル貨物ハ本社其保管ノ責ニ任スルヲ以テ、本社ノ不注意ヨリ入庫中ノ貨物ヲ紛失シ又ハ損傷シタルトキハ、委托主ニ対シ預リ証券ニ記載シアル価格ノ割合ヲ以テ弁償スヘシ
第二十条 都テ委托ノ貨物ハ包装ノ粗略ヨリ損失ヲ生スルトモ定款第廿三条ニ因テ本社ハ其責メニ任セス
第二十一条 貨物保管中損傷変性スヘキコトヲ発見シ、若クハ倉庫及ヒ他ノ貨物ヲ損傷ス可キ時ハ、速ニ委托主又ハ其代人及債主ヘ通知シ、日ヲ期シテ出庫セシムヘシ
第二十二条 前条ノ場合ニ於テ委托主出庫ヲ怠リ又ハ之ヲ拒ミ若クハ居所分明ナラサルトキハ、第三十一条ニ照ラシ其貨物ヲ公売ニ付スヘシ、尤其貨物予テ抵当ノ届出アル者ハ債主ニ通知シテ立会ハシムルコト第三十二条ノ例ニ従フ
第二十三条 保管中ノ貨物万一変災ニ罹リシ時ハ本社ハ速ニ委托主又ハ其代人及債主ヘ通知スヘシ
    保管料倉敷料手数料貸倉料ノ事
第二十四条 保管料倉敷料手数料貸庫料ハ定款第二十五条ニ従ヒ左ノ数項ニ因テ領収スル者トス
 一 保管料ハ貨物ノ価格ニ応シ出庫ノ際領収ス
 二 手数料ハ預リ証券枚数ニ応シ発付ノ際領収ス
 三 庫敷料並貨物《(庫料)》ハ倉坪数《(庫ノ脱)》ニ従ヒ出庫ノ際領収ス
第二十五条 期限内入出庫貨物《(衍)》テ《(ヲ)》売買シ又ハ其幾分ヲ出庫スルトキハ全部若クハ幾分ニ対スル保管料庫敷料貸庫料共約定ノ割合ト其日数ニ応シテ領収ス
  但一区画ノ貸庫ヲ使用スル貨物ノ幾分ヲ出庫スルモ全ク明戻サヽル間ハ此限ニ在ラス
第二十六条 預リ証券ヲ焼失シ又ハ紛失セシトキハ定款第二十四条ニ因リ書換交付ノ節其手数料ヲ領収スヘシ
    輸送貨物ノ事
第二十七条 遠隔地方ノ人貨物ヲ本社倉庫ニ委托セント欲スルトキハ先ツ其品類数量及ヒ積出ノ時日ヲ本社ヘ通報シ本社承諾ノ回答ヲ得テ輸送スヘシ、若シ積出ノ時日ヲ伸縮スルトキハ更ニ本社ヘ通報スヘシ
第二十八条 輸送貨物ノ預リ証券ヲ以テ抵当トシ又ハ売買ヲナサント欲スル者ハ相当ノ代人ヲ立テ本社ニ対スル諸事ヲ取扱ハシムヘシ
第二十九条 若シ倉庫ノミヲ借ルトキハ入庫ニ付テノ運搬費用等ハ本社ニ於テ立替置キ、追テ輸送主ノ来着アルカ又ハ代人ニ於テ該貨物出庫ノ際貸庫料ト共ニ払入レシムヘシ
第三十条 倉庫貸与中貨物変性等ノコトアレハ第二十一条ノ手続キニ因リ速ニ代人ヲ立テ出庫スヘキコトヲ通報スヘシ、若シ代人ヲ立ルコトヲ怠リ又ハ変性ノ為メ捨置キ難キトキハ第三十二条ノ例ニ従テ
 - 第14巻 p.305 -ページ画像 
処分スヘシ
    期限過保管貨物処分ノ事
第三十一条 期限ニ至リ出庫又ハ継続委托ノ手続ヲ為サヽルトキハ、本社ハ満期ノ趣ヲ委托主又ハ其代人ヘ通報シ貨物出庫ヲ促スヘシ、然ル上猶之ヲ怠リ之ヲ拒ムトキハ左ノ数項ノ如ク処分スヘシ
 一 出庫ヲ促スノ照会ヲ為シテヨリ三十日ヲ過ルモ尚出庫セサルトキハ、更ニ督促シテ後其貨物ヲ公売ス
 二 出庫ヲ促スノ照会ヲ為スモ貨主又ハ其代人ノ居所分明ナラサルトキハ、一週間新間紙《(聞)》ニ公告シ、三十日ヲ経テ尚不分明ナレハ貨物ヲ公売ス
 三 委托主遠隔地方ナルトキハ、其里程ニ従ヒ往復日限ヲ計リテ之ヲ通報シ、猶回報ナキトキハ第一項ノ例ニ従テ其貨物ヲ公売ス
 四 已ニ変性シ又ハ変性セントスル貨物ハ其時宜ニヨリ前数項ノ日限ヲ待タサルヘシ
第三十二条 前条公売ヲ為ス可キ時抵当ノ届出アル者ハ債主ヘ通知シ公売ニ立会ハシムヘシ
第三十三条 公売ヲ終レハ其代価中ヨリ保管料庫敷料公告料等一切ノ入費及ヒ抵当タルトキハ其元利金ヲ引去リ、猶余金アレハ本社ニ保管シ追テ委托主ノ申出アレハ之ヲ還付スヘシ、若シ公売当日ヨリ一箇年ヲ経テ申出ナキトキハ本社ニ於テ相当ノ処分ヲナスヘシ
  但本条ノ元利金ハ其債主ヘ交付シ受取書ヲ領収シ置クヘシ
第三十四条 第三十一条ノ公売ニ付シタル場合ニ於テ委托主又ハ其代人及債主ヨリ預リ証券ヲ返戻セサルトキハ廃紙トナシ、其旨趣ヲ新聞紙ニ公告スヘシ
此営業規則ハ向来ノ実況ニ従ヒ頭取取締役ノ見込ヲ以テ相談役商議ノ上増減改正スルコトアルヘシ
 第二十五条ノ入出庫ハ入庫ノ誤

    倉庫会社横浜支店営業規則
第一条 生糸並其附属品ヲ委托セント欲スル者ハ本店営業規則第一条第二条ノ手続ニ従フヘシ
第二条 貨物入庫保管中本社ノ預リ証券ヲ抵当トナシタル貨物ノ全部又ハ幾分ヲ引換ント欲スルトキハ、其債主ノ承諾ヲ経テ双方ヨリ本社ヘ申出ヘシ
第三条 本社ハ前条ノ申出ニ応シ委托者ヨリ入庫貨物ノ価格ニ下ラサル同品類ノ貨物ヲ受取、預リ証券ヲ書換ヘ、前ニ預リタル貨物ヲ渡スヘシ
第四条 前条ノ場合ニ於テハ委托人ヲ立会ハシメ、引換貨物ヲ撿査シ若シ前ニ預リタル貨物ノ価格ヨリ不足スルトキハ之ヲ増サシムヘシ
第五条 手数料ハ貨物預リ証券枚数ニ拘ラス貨物ノ箇数ニ従テ領収ス
第六条 保管料並庫敷料ハ入庫当日ヨリ日数十五日ヲ一期トシ、十六日以上三十日迄ヲ二期トス、以上之ニ準シ其割合ヲ以テ領収ス
  但十五日以上一日ヲ越ルモ二期分トシ、十五日未満ニテモ一期分トス
 - 第14巻 p.306 -ページ画像 
第七条 都テ貨物ノ見本ハ入庫以前ニ於テ預メ委托主ノ手許ヘ引取置クヘシ、若シ入庫以後猶見本ヲ要スルトキハ債主ノ承諾ヲ経テ申出ヘシ、本社ハ其請取書第二号書式ノ如シヲ収受シ倉庫掛立会之ヲ引出サシムヘシ、其貨物ハ引出人ニ於テ本ノ如ク包装スヘシ
  但見本ヲ引出シタルトキハ本社ハ其包装ヘ目印扎ヲ付シ年月日見本何把引出ト記録スヘシ
第八条 此規則ニ掲ケサル者ハ都テ本店営業規則各本条ニ従フヘシ
此営業規則ハ向来ノ実況ニ従ヒ頭取取締役ノ見込ヲ以相談役ニ商議ノ上増減改正スルコトアルヘシ
○書式ハ略ス


回議録 第二類・会社明治一五年ノ三(DK140029k-0005)
第14巻 p.306 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ三 (東京府庁所蔵)
    倉庫会社設立願ニ付上申
府下深川区福住町渋沢栄一外十人ヨリ倉庫会社設立之義、別紙之通願出、其定款等一応調査候処、不都合之廉も無之ニ付、予テ伺済之趣ニ□《(拠カ)》、会社条例制定迄之間、人民相対ニ任スル旨指令可及之処、先般井関盛艮其外ノ者、条例ノ保護ヲ得テ、貸倉会社設立致度旨願出、上申中ニ付テハ、右御詮議上関係モ有之義ニ付、則栄一等願書其儘及進達候条、可然御詮議、至急何分ノ御指令相成度、此段及上申候也
  明治十五年八月十二日 東京府知事 芳川顕正
  農商務卿西郷従道殿代理
    内務卿 山田顕義殿
(以下三行朱書)
上申之趣追テ一般ノ会社条例制定迄ハ人民相対ニ可任儀ト可心得事
  明治十五年九月二日
              農商務卿 西郷従道


回議録 第二類・会社明治一五年自八月至一〇月(DK140029k-0006)
第14巻 p.306 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年自八月至一〇月 (東京府庁所蔵)
    本社発起人中江加入人名御届書
                深川区
                深川東大工町四拾番地
                      塩谷良翰
 右之者先般私共ヨリ御願申上御認可被下候倉庫会社発起人中ヘ加盟仕候ニ付御届申上候、就テハ兼而差上候創立願書及定款等ヘ記名調印之義モ追而本人願出押捺可仕候ニ付是又御聞届被下度、此段申上候也
                 倉庫会社発起人
  明治十五年九月三十日       総代
                     原六郎(印)
                     安田善次郎(印)
                     渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿


回議録 第二類・会社明治一五年ノ三(DK140029k-0007)
第14巻 p.306-311 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ三 (東京府庁所蔵)
    均融会社創立之儀ニ付願書
今般私共申合、均融会社ヲ創立シ、資本金ヲ六万円ト定メ、内金三万
 - 第14巻 p.307 -ページ画像 
円ヲ左ニ連名スル発起人ニ於テ引受ケ、当府下深川区内ニ本社ヲ置キ神奈川県下ニ支社ヲ置キ、貸附金営業仕度候間、御許可被成下度、尤他ノ三万円ハ追テ之ヲ募集ノ見込ニ候、依テ別冊会社定款相添、此段奉願候也
  明治十五年十月七日    日本橋区駿河町四番地
                    三井宸之肋
                 代理 田中九右衛門(印)
               京橋区築地三丁目八番地
                    原六郎(印)
               日本橋区小網町四丁目八番地
                    安田善次郎(印)
               京橋区南伝馬町一丁目拾七番地
                    山中隣之助(印)
               日本橋区東材木町一丁目七番地《(本)》
                    渡辺治右衛門(印)
               浅草区元鳥越町九番地
                    杉山勧(印)
               深川区東大工町四拾番地
                    塩谷良翰
                 代理 関岡孝治(印)
               日本橋区新右衛門町十六番地
                    川村伝衛(印)
               深川区東元町十三番地
                    藤平重資(印)
               深川区福住町四番地
             出願総代人 渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿
前書出願ニ付奥印候也
          東京府深川区長 堀田正養
(別冊)
    均融会社定款
均融会社ヲ創立スルニ付、株主ノ衆議ヲ以テ決定スル処ノ定款ハ左ノ如シ
    第一章 総則
第一条 当会社ノ名号ハ均融会社ト称シ、本社ヲ深川区佐賀町弐丁目拾八番地ニ置キ、支社ヲ神奈川県下横浜ニ置クヘシ、但叓業拡伸ノ模様ニヨリテハ、株主ノ衆議ヲ以テ、各地ノ要区ニ支社ヲ設クルコトアルヘシ
第二条 当会社営業ノ年限ハ開業ノ日ヨリ満二十ケ年トス、但満期ノ後株主ノ衆議ヲ以テ尚永続ヲ望ムトキハ、更ニ官ノ認可ヲ請フテ之ヲ継続スヘシ
第三条 当会社ハ無限責任トシ、株主ノ負担スヘキ義務ハ株金ニ止ルモノトス
    第二章 資本金ノ事
 - 第14巻 p.308 -ページ画像 
第四条 当会社ノ資本金ハ金六万《(円脱)》ト為シ、一株ヲ弐拾円トシ即チ三千株ト定メ、内国人民ヨリ之ヲ募集スヘシ、但営業ノ景況ニヨリ、株主ノ衆議ヲ以テ、官ノ認可ヲ得テ之ヲ増減スルコトアルヘシ
第五条 資本金ハ各引受高十分五ヲ、当会社開業五日前迄ニ入金スヘシ、而シテ其残高ハ営業ノ都合ヲ以テ頭取ヨリ通知シテ入金セシムヘシ(此通知ハ速《(マヽ)》クトモ一ケ月前タルヘシ)、尤其払込ノ都度仮領収書ヲ交付シ、悉皆払込済ノ上、仮証書ト引換ニ株式券状ヲ渡スヘシ
第六条 株主若シ初回ノ入金ヲ怠ルコト三日以上ニ及ハヽ、之ヲ除名シテ他ノ入社人ヲ募ルヘシ、又其残高ノ払込ヲ怠ルコト一週間以上ニ及ハヽ、入金済ノ高ヲ併セテ売却シ、其買得人ヲシテ欠員ニ充テシムヘシ、但此売却ニ付テノ諸入費ヲ差引キ、尚余金アレハ原株主ニ還付ス可シ
    第三章 営業ノ事
第七条 当会社ノ営業ハ、倉庫会社ヨリ発付シタル貨物預リ証券ニ限リ、抵当貸附金ヲ為スヲ以テ目的トス
第八条 前条ノ貸附金ハ貨物預リ証券ノ価格ニ拘ハラス、当会社ノ鑑定ヲ以テ相当ノ割減ヲナシ、貸付ヲ為スヘシ
第九条 当会社ハ倉庫会社ニ於テ預リタル貨物ノ価格鑑定ヲ精蜜《(密)》ナラシムル為メ、予テ同会社ニ照会シテ常ニ鑑定方ヲ派出シ置クヘシ
第十条 貸付金ノ期限ハ満三ケ月以内トシ、貨物預リ証券面ノ期限ニ照ラシテ之ヲ約定スヘシ
第十一条 貸付金ヲ為シタルトキ、当会社ハ速ニ其金高期限利息割合及抵当貨物預リ証券ノ番号借用主ノ住所姓名等ヲ倉庫会社ノ規則ニ照ラシ、同会社ヘ届ケ置クヘシ
第十二条 当会社ハ貸附資金ヲ供給スル為メニハ、予テ抵当ニ受取リタル貨物預リ証券ヲ又抵当トシテ約束手形ヲ振出スモノトス
(付箋朱書)
  第十二条 当会社ハ予テ抵当ニ受取リタル貨物預証券ヲ又抵当トナシ貸付金ニ対セル為換手形ヲ振出スヘシ
第十三条 前条ノ為換手形ヲ振出スハ、必ス東京銀行集会所ニ設立シアル為替打合所ニ於テスヘシ、尤頭取々締役等ノ評議ヲ以テ、特別ニ約束ヲ為シタル分ハ此例外タルヘシ
第十四条 当会社ハ前ニ列記スル条々ヲ除クノ外ハ、如何ナル場合アルトモ決シテ他ノ貸附金ヲ為シ、又ハ為換手形ヲ振出スヘカラサルハ勿論、一切他ノ叓業ニ関係スヘカラス
第十五条 当会社ノ営業ハ此定款ニ拠テ之ヲ頭取取締役ニ委任スヘシ
    第四章 営業時間並休日ノ事
第十六条 当会社ノ営業時間ハ、毎日午前八時ヨリ午後五時迄ノ間トス、但臨時至急ヲ要スルモノハ別段ノ取扱ヲ為ス可シ
第十七条 《(脱アルカ)》一月一日大祭日ニ限ル可シ
第十八条 若シ臨時休業ヲ為スコトアルカ、又ハ定例ノ営業時間及休日ヲ変更スルトキハ、前以テ之ヲ広告スヘシ
    第五章 役員ノ事
第十九条 当会社ノ役員ト称スル者ハ左ノ如シ
 - 第14巻 p.309 -ページ画像 
 頭取
 取締役
 支配人
  但此他役員ハ時宜ニ応シテ之ヲ置クモノトス
第二十条 当会社取締役ノ撰挙ハ毎年一月(初度ノ撰挙ハ発起人ノ指定スル時日場所)株主総会ニ於テ五拾株以上所持ノ株主中ヨリ、人員三名ヲ投票撰挙スヘシ、而シテ其集会時日場所ハ少クトモ一週日前ニ当任ノ頭取ヨリ之ヲ報知ス可シ
第二十一条 此撰挙ニ応シタル取締役ハ、同僚中ノ互撰ヲ以テ頭取一名ヲ撰定ス可シ
第二十二条 当会社ノ業務ヲ確実ナラシムル為メ、特ニ五十株以上所持株主中ヨリ相談役三名ヲ投票撰挙シ、重要ノ叓務ヲ商議シ会社ノ全面ヲ監督セシム可シ、但在職期限ヲ一ケ年トシ無給勤務スルモノトス
第二十三条 頭取々締役及相談役ハ上任ノ日ニ当リ所持ノ株式中五拾株ノ券状ヲ当会社ニ預クヘシ、当会社ハ之ヲ恪護シ、其券状ノ保護預証書ニ禁受授ノ印ヲ押シ之ヲ渡シ置ク可シ
第二十四条 頭取々締役ノ在職期限ハ一ケ年間トス、若シ期限中不時ノ欠員アルトキハ取締役及相談役ノ衆議ヲ以テ之カ代人又ハ補員ヲ撰ム可シ、但此欠員ノ補員タリトモ時宜ニヨリ在職ノ頭取々締役及相談役ニ於テ之ヲ指名シ株主ノ衆議ニ付スルコトアルヘシ
第二十五条 支配人以下役員ハ頭取々締役相談役ノ衆議ヲ以テ其撰任放免ヲ専行スルヲ得ヘシ
    第六章 役員ノ権限責任ノ事
第二十六条 頭取ハ当会社ノ叓務ヲ統轄シ其営業ノ一切ノ責ニ任ス
第二十七条 頭取々締役ハ其衆議ヲ以テ相談役ニ商議ノ上当会社ノ営業規則及申合規則ヲ作ルヲ得ヘシ、但其規則ハ此定款ノ要旨ニ対シテ毫モ牴触矛盾スヘカラス
第二十八条 取締役ハ其集会ヲ以テ日常諸般ノ叓ヲ議決シ且常ニ行務上ヲ監視ス可シ、又営業上ノ叓ニ付意見ヲ頭取ニ陳ヘ又ハ同僚ノ衆議ヲ以テ臨時総会ヲ催スノ権アルヘシ
    第七章 株主権利責任ノ事
第二十九条 株主ハ当会社ノ本主ニシテ、株数相当ノ権利ヲ有シ、営業上ノ損益ヲ負担スル者タルカ故ニ、何時ニテモ金銭出納及諸帳簿計表ノ検閲ヲ求ムル権利アルヘシ
第三十条 株主ハ頭取々締役及相談役ノ叓務上ニ於テ不適当ノ叓アルト認ムルトキハ、第十章第三十九条ノ順序ヲ踏ミ総会ヲ催シ、三分ノ二已上ノ衆議ヲ以テ之ヲ解任スルノ権アルヘシ
第三十一条 株主ハ其総会ニ於テ一株毎ニ一個ノ発言投票ヲ為スノ権アリトス、然レトモ其所持ノ株数十個以上百個迄ハ五株毎ニ一個ヲ増加シ、百一株以上ハ十株毎ニ一個ツヽヲ増加スヘシ
第三十二条 株主ハ何等ノ叓故アルトモ当会社営業ノ年限中ハ其株金ヲ取戻スコトヲ得サル可シ
第三十三条 株主ハ其所持ノ株式ヲ質入抵当トナシタル間ハ発言投票
 - 第14巻 p.310 -ページ画像 
ノ権ヲ失フヘシ
第三十四条 株主ハ第九章第三十七条ノ手数ヲ経ルニ於テハ其所持ノ株式ヲ売買譲与スルコトヲ得ヘシ
    第八章 役員禁例ノ事
第三十五条 当会社ノ役員ハ諸有金ヲ規程外ニ出入使用スヘカラス、且金銭其他ノ証書手形共当会社ノ印章ナキ各自一判ノ分ヲ用ユヘカラス
第三十六条 当会社ノ頭取々締役及相談役等故意ヲ以テ此定款又ハ営業規則及申合規則ニ背キ、不適当ノ所為アリテ夫カ為メ損毛ヲ生スルトキハ、必ス之ヲ弁償セシメタル上相当ノ処分ヲ為スヘシ
    第九章 株式売買譲与ノ事
第三十七条 当会社ノ株式ヲ売買譲与スルニハ必ス当会社ノ承認ヲ受クヘシ、故ニ券状裏面ニ頭取ノ証印ヲ為サヽル間ハ已ニ売買譲与ヲナスモ其契約ハ無効ニ属シ、当会社ノ損益ハ総テ株式券状ノ名前人ニ負担セシムルモノトス
第三十八条 定式総会前十日間ハ株式記名替ヲ停止シ株式帳ノ書替ヲ為サヽル可シ
    第十章 株主総会決議ノ叓
第三十九条 株主総会ハ分テ定式・臨時ノ二様ト為ス、定式総会ハ毎年両度一月七月之ヲ開キ、臨時総会ハ頭取々締役及相談役ノ適当ナリト思考スル場合ニ於テハ何時ニテモ招集スルコトヲ得ヘシ
第四拾条 人員十名ニ下ラス所持ノ株券数当会社総株高ノ五分一ニ下ラサル株主ヨリ、書面ヲ以テ臨時総会ヲ請求セルトキハ、何時ニテモ其需ニ応シテ招集ス可シ
第四十一条 総会ノ決議ハ過半数ニ因ル、故ニ病気其他不得止叓故アリテ出席シ難キ人々ハ必ス委任状ヲ授ケタル代人ヲ出スヘシ、而シテ此代人ハ本社ノ株主ニ限ル、若シ右代人ヲ出サスシテ決議ノ後ニ異論ヲ発スルトモ一切採用セサルヘシ
第四十二条 総会ノ議長ハ頭取之レニ当ルヲ定例トナスト雖トモ、頭取々締役及相談役又ハ株主ノ請求ニヨリテハ別ニ株主中ヨリ撰挙スルコトヲ得ヘシ
第四十三条 総会ニ当リ其会集ノ株主総株数ノ三分ノ二(委任状アル代人ヲ加算シテ)ニ充タサル時ハ之ヲ延会シ当日已後五日以内ニ於テ更ニ開設ス可シ
    第十一章 純益金配当ノ叓
第四十四条 毎年両度其季内ニ収入シタル利息並手数料其他ノ雑収入総額ヨリ営業上ノ諸費ヲ引去リ其残高ヲ以テ利益金ト為シ、其内ヨリ定例ノ納税額及ヒ役員ノ賞与等ヲ引去リ残高ヲ以テ純益金ト定メ一月七月ノ株主総会ニ於テ明瞭ニ之ヲ報告シ、而シテ後積立金及当季ノ株主配当金割合ヲ議決スヘシ
第四十五条 前季《(条)》ノ趣旨ニヨリテ其配当割合ヲ定ムル所ハ左ノ如シ
  利益金高百分ノ十   諸役員賞与金
  純益金百分ノ十    通常積立金
  差引残高       株主配当金
第四十六条 当会社若シ損失アリテ積立金ヲ以テ補塡シ、更ニ資本金
 - 第14巻 p.311 -ページ画像 
ニ不足ヲ生スルトキハ、爾後得ル処ノ利益ヲ以テ之ヲ補充シ了ル迄ハ一切ノ配当ヲ止ムルコトアルヘシ
第四十七条 頭取々締役及相談役ハ当会社ノ簿記ヲ正確明瞭ニシ日表月表年表ヲ製シ毎月及毎半季ニ於テ之ヲ印刷シテ株主ニ報告スヘシ
    第十三章 印章及記録ノ事
第四十八条 当会社ニ用ユル印章ハ左ノ各顆ノ如シ
(朱線)
  
第四十九条 当会社ノ印章並頭取々締役支配人ノ印章ハ其印鑑ヲ管理庁ニ差出置ヘシ、若シ改刻スルコトアレハ必ス更ニ其印影ヲ差出スヘシ
第五十条 官府ニ対スル諸願伺届又ハ官私ニ対スル証書約定書往復文書ニ至ルマテ、当会社ノ称号ヲ用ヒ社印ヲ押捺スヘシ
  但報告約定保証書等ノ如キ文書ニハ頭取々締役及ヒ支配人ノ名印ヲモ加用ス可シ
    第十四章 定款更正増補ノ事
第五十一条 此定款ハ株主衆議ニ因リ官ノ允准ヲ得ルニ於テハ増減更正スルコトアルヘシ
右ノ条々ヲ取極タル証拠トシテ各姓名ヲ自記シ調印致シ候也
               日本橋区駿河町四番地
                    三井宸之助
                 代理 田中九右衛門(印)
               京橋区築地三丁目八番地
                    原六郎(印)
               日本橋区小網町四丁目八番地
                    安田善次郎(印)
               京橋区南伝馬町一丁目十七番地
                    山中隣之助(印)
               日本橋区本材木町一丁目七番地
                    渡辺治右衛門(印)
               浅草区元鳥越町九番地
                    杉山勧(印)
               深川区東大工町四拾番地
                    塩谷良翰
                 代理 関岡孝治(印)
               日本橋区新右衛門町十六番地
                    川村伝衛(印)
               深川区東元町十三番地
                    藤平重資(印)
               深川区福住町四番地
                    渋沢栄一(印)


回議録 第二類・会社明治一五年ノ三(DK140029k-0008)
第14巻 p.311-312 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ三 (東京府庁所蔵)
(朱書)
第壱万五千十四号
 - 第14巻 p.312 -ページ画像 
    均融会社説立願ニ付伺
府下深川区福住町四番地渋沢栄一外九名発起ヲ以均融会社ナル者ヲ設立シ、貸附金営業致度旨、別紙之通願出、其定款等調査候処、不都合之儀モ無之候間、追テ会社条例制定迄之間、人民相対ニ任スル旨可及指令ト存候、右ハ本年御省乙第十号御達銀行類似会社ニ相当スルニヨリ、此段相伺候条、至急何分之御指令相成度候也
  明治十五年十月九日     東京府知事 芳川顕正
   大蔵卿松方正義殿代理
    参事院議長 山県有朋殿
(以下四行朱書)
第五千九百三十八号
伺之趣定款第三条・第十二条・第十三条・第十四条貼紙朱書ノ通更正致候上ハ、其庁ニ於テ承認可致候事
  明治十五年十月十八日 大蔵卿 松方正義
   ○貼紙見当ラズ。


集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月(DK140029k-0009)
第14巻 p.312 ページ画像

集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月
                  (東京銀行集会所所蔵)
    第廿四回定式会録事
明治十五年九月十五日月番第六十銀行並第十四銀行支店ノ二行盟主トナリ同盟第廿四回ノ定式集会ヲ万町柏木ニ於テ開設シ、議竣テ晩餐ヲ了シ九時退会セリ、詳録左ノ如シ
    会員
 第一銀行 渋沢栄一
 第三銀行 安田善次郎
○中略
  以上廿三行廿三名
   但、第五・第八・第十・第廿八・第三十三・第八十九・第百八・第百三十二及川崎ノ九行ハ事故アリテ参会セス
  是日会同ニ於テ協議報道シタル条件ハ左ノ如シ
○中略
      ○
 本会ニ於テ渋沢安田ノ二氏ハ今般同志十一名ノ発起ニテ倉庫会社ヲ創立シタルコトヲ陳ヘ、其会社ノ性質及営業ノ節目等ヲ同盟中諸員ニ談話シ、本社ヘ加入アラマホシキ意ヲ告ケ其定款ノ謄本ヲ示セリ追テ該社加入及其株金ノ引受高ハ来ル廿日マテニ発起人宛ニテ集会所マテ申込アランコトヲ望メリ
右ノ条々談話結了ノ上第九時一同退会セリ


(小島信民)書翰 渋沢栄一宛(明治一五年)九月七日(DK140029k-0010)
第14巻 p.312 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

(青木親保)書翰 渋沢栄一宛明治一五年一二月二五日(DK140029k-0011)
第14巻 p.313 ページ画像

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東京経済雑誌 第一一六号・第八〇四頁〔明治一五年六月一七日〕 ○共同倉庫会社(DK140029k-0012)
第14巻 p.313 ページ画像

東京経済雑誌 第一一六号・第八〇四頁〔明治一五年六月一七日〕
    ○共同倉庫会社
横浜生糸聯合荷預所は先頃株主総会の上、共同倉庫を建設せんとするに付現任の取締役渋沢喜作氏始め五名は其創立手続の立案委員に撰まれしより、其後度々評議を遂げられし後其創立要旨並に仮共同倉庫営業目途の草案ともに出来したるに付、去五日更に午後より株主臨時総会を催し右草案を衆議に付せられたりしに一同異議なく同意なりしを以て、此草案の趣旨に基き、本年は最早新糸出場の季節にも近寄りたれば先づ荷物倉預りの一業を営み、生糸取引所ハ其建築竣功を期し開業する事とし、取り敢へず玆に創立委員五名を株主中より撰挙し創立一切の事務を担任するに決し、其当撰者は渋沢喜作・原善三郎・茂木惣兵衛・朝吹英次《(朝吹英二)》・馬越恭平氏の五名にて、此諸氏は当日より直に其事務に着手し、又不日荷預所の名義は仮共同倉庫会社と改めらるゝよし


東京経済雑誌 第一二〇号・第九四二頁〔明治一五年七月一五日〕 ○倉庫会社(DK140029k-0013)
第14巻 p.313 ページ画像

東京経済雑誌 第一二〇号・第九四二頁〔明治一五年七月一五日)
○倉庫会社 過般生糸荷預所に於て議決せし倉庫会社は東京横浜の商人が聯合して之を創立すると云ひ、又た大阪にても目下其創設に尽力するものありと云ふ
 - 第14巻 p.314 -ページ画像 


中外物価新報 第五二六号〔明治一五年八月一日〕 共同倉庫会社(DK140029k-0014)
第14巻 p.314 ページ画像

中外物価新報 第五二六号〔明治一五年八月一日〕
    共同倉庫会社
予て本紙に掲けし如く横浜の共同倉庫会社は其後尚衆議の上先つ生糸荷預りの一業を営むことゝ決し、旧生糸荷預所を以て之に充て、昨日(七月卅一日)より開社して公けに社名の招牌を掲けたり、又神戸の倉庫会社も弥弥同港海岸通三丁目に於て本日より開店する由なるが其資本は十五万円にて、其方法は入船の荷物を預かり預手形を発行して其手形を売買せしむるの仕組なりと云ふ


中外物価新報 第五四七号〔明治一五年九月一九日〕 共同倉庫会社(DK140029k-0015)
第14巻 p.314 ページ画像

中外物価新報 第五四七号〔明治一五年九月一九日〕
    共同倉庫会社
嘗て本紙に記せし如く横浜の共同倉庫会社は衆議の上先つ生糸荷預りの一業を営むことゝ決定し、去る七月卅一日より公けに仮共同倉庫会社の招牌を掲けしかば、昨年生糸紛議の末内外生糸商人の際に取結びし条約を実行して漸くに彼の専恣を抑へ我が商権を伸ばさんとする者なりと思ひの外、資力に充分ならざる所あると歟、株主の折合悪しきと歟にて更に評議を変へ、今度弥よ東京の倉庫会社へ合併し従前の会社を其支店として本業を保維せんと決したるが、株主二十八名の中五名は合併に不同意なる故にや已に脱社し、残り二十三名の株主が昨日小集会を開き東京よりも渋沢氏はじめ臨席せられ万般を協議されたりと云ひ、又東京倉庫会社は重もに米及ひ雑穀並に石炭を預り金融を為すの仕組なれど、共同倉庫会社の合併を諾せし以上は別に生糸荷預りの一課を加へ横浜支店にて専ら之を取扱ひ、支店の荷預り証書を引当とし他の銀行に於て割引を為し金融の都合を与ふる筈なりと云ふ、尤も共同倉庫会社も生糸荷預所開業以来の利益金凡そ弐万円許もあれは之を積金として貯へ置き、追て設立すべき共同倉庫の原資に供すると云へは、他年共同倉庫を建設し前の訂約を実行せんとするの志操は尚確乎として動かざるものと見ゆ、何れにせよ折角取纏めたる規約を抹殺し去るは甚た惜むへき事ゆへ、昨年の苦戦と精神とを忘るゝこと無く胆を嘗めて雪辱の日を竣つに如かざらん乎なれども如何のものにや


共同倉庫会社収支概算書(DK140029k-0016)
第14巻 p.314-315 ページ画像

共同倉庫会社収支概算書 (渋沢子爵家所蔵)
計算案目
 一会社ノ資本金ヲ五万円ト仮定ス
 一会社ノ所有蔵ヲ百五拾戸前トス
 一会社ノ所有蔵ハ一戸前平均金参百円トス
  地所拾弐坪金百弐拾円
            此金四万五千円
  建物九坪金百八拾円
 一蔵敷ハ壱戸金参円五十銭割八分廻リ
 一取扱高ハ壱ケ年凡五拾万俵之見込
 一平均預リ高凡六万俵ノ見込
 一米雑穀平均壱石金七円割壱俵平均四斗入代金弐円八拾銭ノ見込
 一会社役員
 - 第14巻 p.315 -ページ画像 
  社長    報酬     壱名
  取締役   報酬     弐名
  支配人   金五拾円   壱名
  蔵掛    金拾五円   参名
  勘定方   金弐拾円   壱名
        金拾円    壱名
  書記    金拾円    壱名
  小供    金五円    参名
  小使    金五円    弐名
    総費 拾五名 百六十円
    収支損益勘定
入方
 一金五千四拾円    蔵敷料
   一戸参円五十銭割百五拾戸前八分廻リ
 一金弐千拾六円    保管料
   平均在高六万俵壱俵弐円八十銭割惣代金拾六万八千円一ケ月百円ニ付金拾銭之割
 一金千四百円     金銭受払料
   是ハ荷為替又ハ運賃ノ仕払方及売代金取立方等ニシテ取扱高五十万俵壱俵弐円八拾銭割惣代金百四十万円百円ニ付拾銭割
 一金七百五拾円    蔵出手数料
   百俵拾五銭割惣高五十万俵
 合計
    入方金九千弐百六円
出方
 一金五百四拾円    蔵方諸費
   諸税営膳及諸道具《(繕)》
 一金千九百弐拾円    役員給料
   役員拾五名一ケ月百六十円見積
 一金六百円       雑費
   一ケ月五拾円割
 合計
   出金参千六拾円
差引
 益金六千百四拾六円
    資本金五万円ニ対スル壱割弐分余
右之通リ
   ○東京渋沢商店ノ用箋ニ記シアリ。