デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
26節 倉庫業
3款 倉庫会社並ニ均融会社
■綱文

第14巻 p.315-327(DK140030k) ページ画像

明治15年11月7日(1882年)

是日栄一、当会社開業式ニ列ス。相談役ニ任ジ、助成頗ル努ム。


■資料

回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(DK140030k-0001)
第14巻 p.315-316 ページ画像

回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月 (東京府庁所蔵)
    開業御届書
 - 第14巻 p.316 -ページ画像 
明七日東京・横浜本支店共開業仕候間、此段御届申上候也
                倉庫会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 小島信民(印)
    東京府知事 芳川顕正殿


回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(DK140030k-0002)
第14巻 p.316 ページ画像

回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(東京府庁所蔵)
    開業御届書
明七日東京・横浜本支店共開業仕候間、此段御届仕候也
                均融会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 勝部静男(印)
    東京府知事 芳川顕正殿


回議録 第二類・会社明治一五年ノ四(DK140030k-0003)
第14巻 p.316 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ四(東京府庁所蔵)
    倉庫会社本店場所転換並支店設置場所御届
予テ上申仕候倉庫会社定款ニ、本社ヲ深川区小松町弐番地設置候旨記載仕置候処、都合ニヨリ更ニ同区佐賀町二丁目十八番地ヘ転換仕候、且横浜本町六丁目八十四番地ヘ支店設置仕候間、此段御届申上候也
                倉庫会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 小島信民(印)
    東京府知事 芳川顕正殿


回議録 第二類・会社明治一五年ノ四(DK140030k-0004)
第14巻 p.316 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一五年ノ四(東京府庁所蔵)
    均融会社本支店設置場所御届書
予テ上申仕候均融会社本店之儀、当分深川区佐賀町二丁目十八番地倉庫会社内ヘ、支店之儀横浜本町六丁目八十四番地倉庫会社支店内ヘ設置仕候条、此段御届申上候也
                均融会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 勝部静男(印)
    東京府知事 芳川顕正殿


回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(DK140030k-0005)
第14巻 p.316 ページ画像

回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(東京府庁所蔵)
    印鑑御届書
当倉庫会社及役員印鑑左ノ通候間、此段御届申上候也
                倉庫会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 小島信民(印)
    東京府知事 芳川顕正殿
   ○印影略ス。


回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(DK140030k-0006)
第14巻 p.316-317 ページ画像

回議録 第二類・諸会社明治一五年一一月一二月(東京府庁所蔵)
    印鑑御届書
当均融会社及役員印鑑左之通候間、此段御届申上候也
                均融会社
  明治十五年十一月六日
                 頭取 勝部静男(印)
    東京府知事 芳川顕正殿
 - 第14巻 p.317 -ページ画像 
   ○印影略ス。


(芝崎確次郎)日記簿 明治一五年(DK140030k-0007)
第14巻 p.317 ページ画像

(芝崎確次郎)日記簿 明治一五年 (芝崎猪根吉氏所蔵)
七月六日
○上略
本日銀行ニおゐて頭取(主君ノコト)より左之用件被申付
第一番印刷局斎藤良知君ヘ紡績所工事書類之件ニテ出頭面謁致し帰社上申、次ニハ同姓喜作殿ヘ宛書状届ケ方、但し口上添、是ハ坂本町上原豊吉ヘ托ス、次ニ貸倉会社之件ニ付深川堀田家松平家々令方ヘ来ル九日万町柏木ヘ集会致し呉候様致し度右案内方鈴木善三殿ヘ依頼○中略帰社上申、明日廻答聞置可申上旨被仰付候事
○下略
   ○中略。
十一月六日 雲
○上略
  本日倉庫会社均融会社株金
  払込ニ付左之通リ
 一金四千円 倉庫会社出金
 一金弐千円 均融会社出金
○下略
十一月七日 雲
例刻出頭主君ニハ倉庫会社開業式江出頭夫より横浜ヘ出張相成候○下略


公事提要(DK140030k-0008)
第14巻 p.317 ページ画像

公事提要 (芝崎猪根吉氏所蔵)
  明治十五年第十二月
主人方資産調取扱候ニ付写置候事
 資産     貸方
○上略
金四千円    倉庫会社
金弐千円    均融会社
○下略


東京日日新聞 第三二七一号〔明治一五年一一月六日〕 ○倉庫会社(DK140030k-0009)
第14巻 p.317 ページ画像

東京日日新聞 第三二七一号〔明治一五年一一月六日〕
    ○倉庫会社
是迄横浜本町六丁目に在りし共同倉庫会社ハ、府下深川佐賀町二丁目(旧十三銀行跡)に本店を設け、横浜本町の同社を支店と為し、同社の一部分内に均融会社を設け、明七日より事務を取扱ハるヽと云ふ、又小島信氏《(小島信民)》を頭取に、勝部静男氏を均融会社頭取兼倉庫会社取締役に梅浦精一氏を両社支配人に撰定し、更に、渋沢栄一・安田善次郎・原六郎・原善三郎・渋沢喜作・茂木惣兵衛・朝吹英二等の諸氏を相談役と致されし趣きなり。


中外物価新報 第五六六号〔明治一五年一一月七日〕 ○倉庫会社及び均融会社(DK140030k-0010)
第14巻 p.317-318 ページ画像

中外物価新報 第五六六号〔明治一五年一一月七日〕
    ○倉庫会社及び均融会社
 - 第14巻 p.318 -ページ画像 
予て世評のありし倉庫・均融の両会社は東京・横浜の本支店とも弥よ本日を以て開業し、均融会社は旧生糸荷預所の組織を取捨更正して生糸商人に対する金融を主とし飽までも生糸売買に関する前来の素望を達せんとする趣にて、其頭取は勝部静男氏、取締役兼支配人は梅浦精一氏と定まり、倉庫会社の方は小島信民氏が頭取に、勝部静男氏が取締役に、梅浦精一氏が取締兼支配人に撰ばれたり、尤も右両会社の事業は随分多端なるのみならす殊に創始の際なればとて株主中より特に相談役を撰み、渋沢栄一氏・安田善次郎氏・原六郎氏・渋沢喜作氏・原善三郎氏・茂木総兵衛氏《(茂木惣兵衛)》・朝吹英二氏・平沼専蔵氏・馬越恭平氏の九名が其撰に当り一同之を承諾したりと云ふ


中外物価新報 第五六七号〔明治一五年一一月九日〕 広告(DK140030k-0011)
第14巻 p.318 ページ画像

中外物価新報 第五六七号〔明治一五年一一月九日〕
広告
          東京深川区佐賀町十八番地倉庫会社内へ当分設置
明治十五年
 十一月七日開業  横浜本町六丁目八十四番地倉庫会社支店内へ当分設置
倉庫会社より預り証券を発付せし貨物に限り、抵当貸附金営業致候間詳細の儀は本社へ御来談被下度、此段広告候也
                均融会社
                  頭取勝部静男
                  取締役兼支配人梅浦精一
明治十五年    本店(本店東京深川佐賀町二丁目十八番地
十一月七日開業  支店(支店横浜本町六丁目八十四番地
米生糸其他貨物を預り其証券を発付す、猶詳細の儀は本社へ御来談被下度、此段広告候也
                倉庫会社
                  頭取小島信民
                  取締役兼支配人梅浦精一


東京経済雑誌 第一三七号〔明治一五年一一月一一日〕 ○均融会社(DK140030k-0012)
第14巻 p.318-319 ページ画像

東京経済雑誌 第一三七号〔明治一五年一一月一一日〕
    ○均融会社
共同倉庫会社ハ是れまで横浜にありしが、此度府下深川佐賀町二丁目に本店を設け其内に均融会社を置き去七日より事務を取扱はるゝと云ふ、今ま其営業法を聞くに、何人たりとも倉庫会社に荷物を預けし者へは同社より預り証書を渡し均融会社に於ては右預り証書を抵当として荷主に貸附をなすなり、同会社ハ無限責任にして資本金六万円のうち先つ三万円を以て営業を始むるものなれば、此余に貸附を為さんが為めには同会社にて約束手形を発行して之を銀行集会所にて売買し又は同会社より日本銀行に持参して割引を請ふなり、均融会社より直ちに其手形の割引を日本銀行に請ふ時は其手形の抵当として倉庫会社の荷物預り証書をも渡さゞるを得ずと雖も、某銀行にて右の手形を買ひ該銀行より其割引を日本銀行に請ふ時は別に荷物預り証書を抵当に納むるを要せざるの仕組なりと云ふ、是れは某銀行より右手形の割引を
 - 第14巻 p.319 -ページ画像 
請ふ時ハ該銀行と均融会社と連帯して手形仕払の責めを負担する者なれば、均融会社のみにて之を負担する時よりも安全なるが故なり、是れにて日本銀行にて割引すべき手形も起こり多少金融をも開き種々の利益あるべきが、又種々弊害の生ずるなしとす可からず、先つ吾輩が最も当務者の注意を請ふへきハ荷主の姦計を防くにあり、何となれば均融会社に於て倉庫会社の預り証書を持参する者へハ資本を貸付くるとする時ハ苟も右預り証書を持参する者へハ情実上金融を拒む能はざるべし、故に万一此等の荷主中姦計を行ふ者ありて荷物を偽装して倉庫会社へ預け其預証書を抵当として初めより之を流す覚悟にて同会社より資本を借受くるが如きことあれバ、終に此等の荷物同会社に集滞し之を如何ともすべからさるに至れバなり、故に当務者に於ても専ら此辺に注意あらんことを望むなり、又均融会社の頭取は勝部静男氏、取締役兼支配人は梅浦精一氏にして、倉庫会社の方は小島信民氏が頭取に、勝部静男氏が取締役に、梅浦精一氏が取締兼支配人に撰ばれたりと云ふ


集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月(DK140030k-0013)
第14巻 p.319-320 ページ画像

集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月
                  (東京銀行集会所所蔵)
    小集会録事
明治十五年十一月八日渋沢・安田・原ノ三氏盟主トナリ万町柏木ニ於テ為換打合所同盟銀行ノ会同ヲ為ス
    会主
 第一       渋沢栄一
 客員       安田善次郎
 第百       原六郎
  已上三名
    会員
 第三銀行     安田忠兵衛
 第四銀行支店   大泉遵誼
 第十三〃〃    中島楢太郎
 第廿〃      川杉義方
 第廿七〃     安藤利助
 第廿八〃〃    清水豊平
 第三十二〃〃   山中隣之助
 第六十〃     関岡孝治
 第六十三〃〃   石関利兵衛
 第八十九〃〃   富永豊八
 第九十三〃〃   田中銀三
 第九十五〃    山下藤兵衛
 第十九〃〃    上平貞一郎
 第百七      池田銺次郎
 第百十九     三村君平
  已上十八名
右列席ノ上渋沢氏ハ倉庫均融両会社開設ノ要旨ヲ演述シ、而シテ其均
 - 第14巻 p.320 -ページ画像 
融会社横浜支店ニ於テ供給シタル為換手形ヲ当集会所ヘ持参シテ各銀行其買収方ヲ望ム筈ナリシカドモ、横浜同業者等ニ於テ大ニ之レカ不便ヲ鳴ラシ到抵彼地ニ打合所ヲ設ケ以テ其便ヲ図ランコトヲ望メルニ付、玆ニ各行ノ来臨ヲ煩ハシ之レカ措置ヲ謀ラント欲スルナリ
山中隣之助氏ハ当効ノ契約ニ背戻シ且損益上大ニ関係ノ在ル所以ヲ述ヘ之ヲ主張シタレトモ、終ニ該地ノ志望ヲ容レ、左ノ如ク衆議一決シタリ
 横浜ニ於テ供給シタル為替手形ヲ割引スルハ凡ソ其半額ヲ標準トスルコト
    ○
次ニ兜町四番地ノ家屋ヲ仮用シテ集会所ニ充テンコトヲ謀ルニ、一同ノ賛成ヲ得タルヲ以テ早々其順序ヲ経、引移リノコトニ決ス


集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月(DK140030k-0014)
第14巻 p.320-322 ページ画像

集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月
                   (東京銀行集会所所蔵)
    臨時小集会仮録事
明治十五年十一月廿日午前第十時ヲ期シ為替打合所同盟其外二三ノ銀行会同ヲ為シ、均融会社為替手形割引方法ノ義ニ付其手続ヲ協議セリ詳録下ニアリ
    会員
 第一銀行     渋沢栄一
 第百銀行     原六郎
 第二銀行     小林茂兵衛
 第三銀行     内田満長
 第十銀行支店   小野金六
 第百十九銀行   稲葉頼
 第十三銀行支店  中島楢太郎
 第二十銀行    川杉義方
 第二十七銀行   安藤利助
 第廿八銀行支店  清水豊平
 第三十二銀行支店 山中隣之助
 第八十九銀行支店 山口忠彦
 第九十三銀行支店 田中銀蔵
 三井銀行     西村虎四郎
  已上十四行
  但、第四・第九・第十五・第三十三・第六十三・第六十・第十九・第百七ノ七行ハ事故アリテ参会セス
右列席ノ上渋沢氏ハ本日会同ノ要旨ヲ演述シテ曰ク、頃日均融会社ヨリ倉庫会社貨物預リ証券ヲ保証トシテ為替手形ヲ振出シ其割引ヲ此同盟中ヘ依頼セシトキ、各行ヨリハ又日本銀行ヘ対シ之ガ再割引ヲ要求スルニ当リ双方ヨリ窃カニ該行ノ都合ヲ稟候セシ処、其供給ノ金額ハ予定成シ難シト雖到底倉庫会社貨物預リ証券ヲ附帯シテ稟請アルニ於テハ差支ナク之ヲ融通スヘシトノ旨確答アリタリ、就テハ此同盟各行ヨリ日本銀行ニ対シ稟請廉書ヲ呈シ以テ其許容ヲ得ント欲スルナリ
 - 第14巻 p.321 -ページ画像 
    日本銀行江稟請按
今般均融会社ニ於テ倉庫会社ヘ貨物預リ証券ヲ保証ニ致シ為換手形ヲ振出シ其割引取組方ヲ左ニ連名ノ各銀行江依頼有之候間精々取引可致見込之処、右為替手形ハ多クハ期日払之モノニ付期限中各銀行ノ都合ニヨリテ当御行江再割引御取組相願度候ニ付予テ御許容被下度候、就テ右御取引ニ関シ候要件左ノ廉書ヲ以テ稟請仕候ニ付、是又御承諾被成下度候
    廉書
一再割引御取組相願候金高ハ各行ノ都合ヲ以テ其時々ニ申込候共、又ハ前以予額申込置候共便宜御聞届可被下候事
一再割引相願候ニ付、根抵当トシテ倉庫会社ノ貨物預リ証券又ハ各公債証書ヲ以テ差入置可申候事
一右預リ証券及公債証書ハ各行ノ都合ヲ以引換方相願候節価格期限等ニ不都合無之候ハヽ速ニ御引換可被下候事
一貨物預リ証券中横浜倉庫会社支店ニ於テ発付セシ分ハ商業上至急ニ要用ノ義申出モ有之候ニ付、右ノ分ニ限リ横浜ニ於テ御預リ置相成臨時引換ノ便ヲ得候様御取扱被下度候事
一東京横浜本支店ヨリ此再割引御取組相願候義ハ其支店ニテ割引セシ手形ヲ□《(直カ)》ニ再割引申込候共、又ハ本店江裏書致シ本店ヨリ御依頼申上候共都合次第御聞届可被下候、且又右ノ分ハ根抵当品ニ本支店ヲ通シテ差上置可申ニ付其引換モ同様御聞届可被下候事
右ノ廉々御聞届被下度、此段御依頼申上候也
  年 月 日             東京横浜各銀行
                           連署
    日本銀行
        御中
    ○
渋沢氏又曰ク、此為替手形取組ノコトタル、純正確実ヲ要スルハ更ニ喋々ヲ待タスト雖トモ、従来同盟中一モ介意スヘキモノナキニシモアラス、之ヲ厭ヒ彼ヲ恐ルヽトキハ却テ業務ヲ障碍シ又将ニ以テ一般銀行ノ憑信ヲ軽減セントス、豈ニ慎マサルヘケンヤ、故ニ須ラク此為替取組所組合ヲ撰択シ安ンシテ同盟中ノ取組ヲ為シ以テ大ニ理財ノ便道ヲ拡伸センコトヲ望メリ
右ニ就テハ不日各行重役ノ会同ヲ開キ之ヲ議定セント欲スル旨ヲ告ケ一同之ニ敬腹《(マヽ)》セリ
又同氏ハ三井・安田・川崎ノ三行為替取組所江加入ノコトヲ衆ニ謀ル一同異議ナク承諾シタリ
次ニ同氏ハ均融会社主任者ニ代リ別紙ノ一書ヲ提出シテ之ヲ衆議ニ付ス、蓋シ第三条但書ヲ除ノ外敢テ異議ナシ、而シテ其但書ノ義ニ付テハ尚一応日本銀行ヘ稟請ヲ試ミタル上更ニ協議スヘキコトニ決シ、午後一時三十分一同退散セリ
    均融会社ヨリ各銀行江請求書案
今般当会社ニ於テ倉庫会社ヨリ発付セシ預リ証券ヲ抵当トシテ貸付金営業相開キ、且右抵当証券ヲ保証トシテ為替手形ヲ振出シ其割引取組
 - 第14巻 p.322 -ページ画像 
相願候ニ付而ハ、別紙記載ノ廉書予テ御許容被成下度候、右ハ各御行ニ於テモ御手数ノ義トハ存候得共、当会社営業上事実不得已次第ニ付何卒前以テ御承諾ノ上前書為替手形割引御取組ノ程奉願候、此段御依頼仕候也
  明治十五年十一月 日        均融会社
                    支配人
                    頭取
    各国立銀行連名
   但承諾ノ証印ハ各行名ノ下ニ行印捺押ヲ請与ヘキ事
    廉書
第一為替手形ノ保証トシテ附帯スル貨物預リ証券ハ貨主ニ於テ売買ノ都合ニヨリ臨時其貨物ヲ引出度旨ノ請求コレアルベキニ付、便宜他ノ預リ証券ト引換方可被成下候事
  但シ此引換ニ差出スベキ証券ハ其価格ハ必ス前ノ証券ニ下ラス、且預リ期モ前ノ証券ヨリ短カヽラサルモノニ限リ可申候事
第二右引換ノ請求ハ商業上ノ都合ニテ至急ヲ要スル場合可有之ニ付、横浜倉庫会社支店ヨリ発付セシ預リ証券ノ分ハ、各御行ヨリ直ニ同地ニ廻シ置相成、臨時引換方相願候節速ニ相弁シ候様御取扱可被下候事
第三割引御取組相願候為替手形期日前当会社ノ都合ヲ以テ其手形面ノ金額ヲ払込、保証ニ添ヘタル預リ証券引出方ヲ相願候ハヽ、速ニ御引渡可被下候事
  但右手形面ノ金額払込タル翌日ヨリ期日迄ノ打歩ハ最前割引ノ時ニ仕払フタル割合ヲ以テ御返戻可被下候事
第四横浜支店ヨリ振出シタル為替手形ヲ東京ニ於テ各御行ヘ割引御取組相願候分ハ、其代リ金ハ横浜ニ於テ直ニ相渡リ候当座小切手ノ類ニテ御引渡可被下候事
第五当会社本支店貸付金返済期限ニ至リ借主其貨物売却方ニ差支返済難相成候時ハ他ノ預リ証券ヲ抵当トシテ別ニ借用金ヲ申込ミ此ヲ以テ彼レニ充ツヘキ場合可有之、然ルトキハ当会社ハ其預リ証券ヲ保証トシテ更ニ為替手形ヲ振出シテ曩ニ借主ノ引受タル手形ノ金額ヲ仕払フヘキ訳ニ付、緩々振出ス処ノ手形ハ前ニ割御取組相成《(引脱カ)》タル各御行ニ於テ御取組可被下候事
  但此場合ニ於テ相願候為替手形ノ打歩ハ其時々ノ模様ニ従ヒ御相談可相願候得共、可成丈ケ普通之割合ニ可被成下候事
右之廉々予テ御承諾被成下度候也


中外物価新報 第五八一号〔明治一五年一二月一四日〕 ○倉庫会社及均融会社(DK140030k-0015)
第14巻 p.322-323 ページ画像

中外物価新報 第五八一号〔明治一五年一二月一四日〕
    ○倉庫会社及均融会社
両会社は過日既に開発したれど、其組織方法に充分ならさる所あるとか、又商売社会の習慣に反く所あるとかにて、兎角内派の折合あしく相談役の中には退役するもありし趣なるが、全体該営業の目的は至極結構なるに創業の初よりごたごたする様では折角の美挙も其効なからん歟と記者は痛惜に堪へず、どふぞや此に従事する人達は各利己の私
 - 第14巻 p.323 -ページ画像 
心を去り公平適当の計ひを以て両会社設立の本旨を貫かれよ


東京経済雑誌 第一四二号・第一六七二頁〔明治一五年一二月一六日〕 ○均融会社(DK140030k-0016)
第14巻 p.323 ページ画像

東京経済雑誌 第一四二号・第一六七二頁〔明治一五年一二月一六日〕
    ○均融会社
日本銀行の手形製造所とも謂ふべき均融会社及び倉庫会社にては、創立以来今日に至るまで貸出しの総金高僅に十一万円にして、其内一万円は既に払込となり、現に貸付の分は十万円に過ぎずと云ふが、個は金融の緩慢なる為めなるか将た会社の商法宜しきを得ざるが為めなるか、姑らく読者の判断に任かす


回議録 第二類・会社明治一六年ノ一(DK140030k-0017)
第14巻 p.323 ページ画像

回議録 第二類・会社明治一六年ノ一 (東京府庁所蔵)
    役員上任御届
当均融会社頭取々締役並支配人左ノ通撰挙上任相成候間、此段御届申上候也
              均融会社株主総代
                深川福住町四番地
  明治十六年三月十七日
                    渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿
                頭取
                    勝部静男
                取締役兼支配人
                    梅浦精一
                取締役
                    小島信民


集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月(DK140030k-0018)
第14巻 p.323-324 ページ画像

集会録事 明治一五年一月―明治一九年一二月
                  (東京銀行集会所所蔵)
    第三十四回定式集会録事
明治十六年八月十五日月番第百十九国立銀行及第百七国立銀行支店盟主トナリ、同盟第三十四回ノ定式集会ヲ日本橋区万町柏木亭ニ開キ、談論商議ノ上午後九時一同退会セリ、詳録左ノ如シ
    会員
委員第一国立銀行頭取 渋沢栄一
○中略
  已上二十四人
   但、第五・第六・第八・第四十五・第六十・第八十九・第百十三・丸家・川崎ノ九行ハ事故アリテ参会セス
右列席之上月番銀行ハ左ノ条件ヲ協議報道セリ
○中略
一均融会社ヨリ約束手形割引ノ儀第一外二十五行ヘ商議有之候ニ付、去ル十四日右二十六行連署ニテ、再割引ノ儀ヲ日本銀行ヘ依頼セシ処、要請ノ通承諾ノ回答アリタル旨ヲ報道ス
一右ニ付均融会社役員今会ニ出席シテ親シク其取組上等ニ付談話致度旨申出ニ付之ヲ聴容セシ旨ヲ報道ス、然ルニ該会社役員中疾病又ハ
 - 第14巻 p.324 -ページ画像 
差支アル趣断ニ付本会ニ出席スルヲ欠ケリ
○下略


東京銀行集会所半季実際考課状 第七回・第二頁明治一六年七月一日―一二月三一日(DK140030k-0019)
第14巻 p.324 ページ画像

東京銀行集会所半季実際考課状 第七回・第二頁明治一六年七月一日―一二月三一日
                  (東京銀行集会所所蔵)
    同盟銀行諸集会決議及報道ノ事
○上略
一八月十五日第三十四回ノ定式集会ニ於テ月番銀行ハ、頃日均融会社ヨリ第一国立銀行外廿五行ヘ約束手形割引ノ義ヲ依頼セラレタルニ付、右二十六行連署ノ上日本銀行ヘ再割引ノコトヲ照会セシニ、昨十四日承諾ノ回答ヲ得タル旨ヲ報道セリ
○下略


回議録 会社明治一六年自七月至九月(DK140030k-0020)
第14巻 p.324 ページ画像

回議録 会社明治一六年自七月至九月 (東京府庁所蔵)
(朱書)
第一〇七四一号
    均融会社定款中改正之義ニ付伺
深川区佐賀町二丁目十八番地均融会社ヨリ定款第十二条・第十三条及ヒ第十四条中別紙朱書之通更正之義願出候、右ハ差支無之ニ付及承認可然哉、銀行類似会社ナルヲ以テ此段相伺候也
  明治十六年八月廿二日
            東京府知事 芳川顕正
    大蔵卿松方正義殿
(以下四行朱書)
第六千百九十五号
伺之趣当分ノ内聞置候旨可及指令候事
  明治十六年九月十日
            大蔵卿 松方正義
   ○別紙欠ク。
   ○明治十七年十月大蔵省銀行局長ヨリ東京府ヘ命ジ私立銀行並ニ銀行類似会社ヲ取調ベタリ、当時ノ取調ベニヨレバ均融会社ハ次ノ如シ。(東京府庁所蔵「回議録 銀行明治一七年自三月至一二月」ニ拠ル)
    名称    均融会社
    承認年月日 明治十五年十月十九日
    開業年月日 同十一月七日
    所在地名  深川区佐賀町二丁目十八番地
    業務    倉庫会社貨物預リ証券並金銀貨各種公債証書株券類銀行及諸会社ノ切手並預リ証券ノ抵当貸付金
    株式    弐拾円
    資本金   総額金六万円、現入金二万七千二百七十円


東京経済雑誌 第一七七号・第二六一―二六二頁〔明治一六年八月二五日〕 ○倉庫均融両会社(DK140030k-0021)
第14巻 p.324-325 ページ画像

東京経済雑誌 第一七七号・第二六一―二六二頁〔明治一六年八月二五日〕
    ○倉庫均融両会社
同社の横浜支店にては今回其営業事務の取扱手続を改めたり、其大要は荷物の庫出入は営業時間は勿論、臨時急遽の場合に於ては何時にても其取扱を為し成るべく荷主の便を計る事」抵当荷物入替を欲するときは右抵当品と同種類の物品にて直段も同様の者なれば、何時にても
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引替を為す事」抵当中の荷物内出しを要する時は其割合の元利金を償却すれば勝手たるべく、此際別に借用証書並預り証券共書換へず皆済まで其儘に置くも勝手たる事」抵当中の荷物を外商に売込む為め先方へ持出さんとするときは慥なる約定を成し成るべく所望に応する事、又是迄借用証書の外別に為替手形に裏書調印を要する等種々の手数もありしが今度其筋へ請願の上右を約束手形に改めたれば、以来は借用証書文に調印を要するのみにて其他一切の手数を省きし等にて銀貨にても紙幣にても荷主の好みに応し、金利も精々低廉に為すのみならず相対の熟議によりては勉めて荷主の便利を計る由なり
   ○本款明治十七年八月ノ条参照。
   ○倉庫会社ハ東京倉庫会社トモ称セラレシ如シ。(東京経済雑誌第二三二号・第三八〇頁〔明治一七年九月二〇日〕)
   ○均融会社ノ頭取ハ勝部静男ナリシガ、明治十七年六月一日死去セリ。(回議録明治十七年ニヨル)


第一銀行五十年史稿 巻三・第六五―六八頁(DK140030k-0022)
第14巻 p.325 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

〔参考〕東京商業会議所会員列伝 第一二九―一三三頁〔明治二五年二月〕(DK140030k-0023)
第14巻 p.326-327 ページ画像

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