デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治35年2月（1902年）

是月、中井三郎兵衛個人経営ノ中井商店ヲ改メ、合名会社中井商店ヲ組織シタルガ、栄一顧問ニ依頼セラレ、毎期決算報告ヲ受ク。

渋沢栄一　日記　明治三五年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
二月十五日　晴
午前九時朝飧ヲ畢リ、中井三郎兵衛・大川平三郎ノ諸氏来訪ス○下略
二月十六日　晴
午前九時朝飧ヲ畢リ、十時兜町事務所ニ抵リ、中井三郎兵衛一家ノ整理ニ関スルコトヲ協議ス、大川・田中等ノ諸氏来会ス○下略
　　　○中略
三月五日　晴
○上略午後四時八百松楼ニ抵リ、中井三郎兵衛紙商店ノ披露会ニ出席シ一場ノ演説ヲ為ス○下略
　　　○大正十三年十一月二十三日ノ増田明六覚書ニ左ノ如キ一節アリ。（全文ハ第三編ニ収録ス）
　　　　一中井商店ハ以後（前カ）殆ド破産ノ状態ニ陥リ漸ク第一銀行ノ救済ニ依リテ再興スルコトヲ得、中井氏之ヲ徳トシテ明治三十五年以来子爵ヲ顧問ノ位置ニ願上、毎期決算報告ヲ為シテ指導ヲ受ケ来リシ関係ナリ

渋沢栄一　日記　明治三八年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十三日　晴　軽暖
九時○午前中井三郎兵衛・鵜飼勝輔・田中栄八郎諸氏来訪、中井合名会社昨季決算ノコトヲ話シ、計算書ヲ閲ス
○中略
午後五時中井合名会社ノ招宴ニ応シテ浜町常盤屋ニ抵ル、種々ノ余興アリ、食後王子ニ帰宿セシハ夜十時ナリキ

渋沢栄一　日記　明治三九年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十一日　晴　風ナシ　　　　　　　　　起床六時三十分　就蓐十二時
○上略午後中井商店ノ人々来リ昨季ノ決算ヲ示サル、田中栄八郎同伴来訪ス
○下略

渋沢栄一　日記　明治四〇年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十三日　晴　寒　　　　　　　　　　　起床七時　就蓐十一時三十分
○上略五時過築地香雪軒ニ抵リ、中井三郎兵衛氏ヨリノ招宴ニ出席ス、種々ノ余興アリ、夜十一時帰宿ス
　　　○中略
 - 第15巻 p.348 -ページ画像 
一月二十六日　曇　寒　　　　　　　　　　　起床七時三十分　就蓐十一時三十分
起床後来人ニ接シ且朝飧ヲ為ス、中井三郎兵衛・島田蕃根・松本新三郎氏等来話ス○下略

渋沢栄一　日記　明治四一年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十八日　晴　寒大風
午前七時起床、先ツ入浴シ畢テ朝飧ヲ食ス、中井三之助・田中栄八郎二氏来リ、中井合名会社ノ半季計算書ヲ報告セラル○中略六時過浜町常盤屋ニ抵リ、中井氏ノ招宴ニ出席ス、合名会社ニ関シ種々談話スル所アリ○下略
　　　○中略。
二月一日　晴　軽寒
○上略中井三郎兵衛氏来話ス○下略

渋沢栄一　日記　明治四二年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十六日　晴　寒
○上略午後六時新喜楽ニ抵リ、中井商店ノ半季決算ヲ閲覧シ、且饗宴ヲ受ク、種々ノ余興アリ、夜十一時過王子ニ帰宿ス

（八十島親徳）日録　明治四〇年　　　（八十島親義氏所蔵）
一月廿三日　晴
○上略午後五時ヨリ中井三郎兵衛父子ノ招ニ応シ香雪軒ニ至ル、合名会社組織後満五年トナリシニ付謝意旁男爵父子ヲ招キタルニテ、予ト尾高氏ハ陪客也、田中栄八郎氏出席、其他店員（各支店）出席ス
○下略

（八十島親徳）日録　明治四一年（八十島親義氏所蔵）
一月二十八日　晴
○上略夕中井三之助氏ヨリ招カレ常磐家ニ至ル、男爵父子・佐々木・尾高氏等ニシテ、他ハ店員也

（八十島親徳）日録　明治四二年（八十島親義氏所蔵）
一月二十六日　晴
○上略夜中井三之助氏ノ催ニテ男爵父子・佐々木・西脇氏等ノ招待宴アリ（新喜楽也）予等モ招カル
小清ノ義太夫及新橋小夏の手踊等アリ、中井商店ハ年々一回店員ノ上京ヲ機トシ（決算期）男爵ニ決算ノ状況ヲ報告シ、大体ノ指導ヲ乞ヒ同時ニ店員ヲ相伴トシテ晩餐ヲ供スルノ例也、田中栄八郎氏同店ノ顧問タリ

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