デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治40年9月16日（1907年）

是日栄一、第一銀行ヲ代表シ、朝鮮統監侯爵伊藤博文一行ヲ飛鳥山邸ニ招宴ス。

竜門雑誌　第二三二号・第二六頁　明治四〇年九月
○青淵先生の伊藤統監招待　青淵先生には佐々木勇之助・市原盛宏・土岐僙・日下義雄・尾高次郎等第一銀行重役諸氏と共に、目下帰朝中の伊藤統監を去る十六日午後五時より飛鳥山邸へ招待し、丁寧なる饗筵を開かれたり、当日の賓客は伊藤侯爵の外
　　　　統監一行
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　岡喜七郎　　村田惇　　　宮岡直記
　俵孫一　　　池田十三郎　児玉秀雄
　古谷久綱　　小山善　　　高崎安彦
　石川石代
　外に
　水町袈裟六　荒井賢太郎　松尾臣善
　高橋是清　　大倉喜八郎　佃一予
等の諸君にして、余興としては新橋及吉原芸妓の踊其他の催しあり、侯爵には頗る歓を尽され、主人の請に依り絹本数葉に揮毫せられ、十時過辞去せられたり

渋沢栄一　日記　明治四〇年　（渋沢子爵家所蔵）
九月十六日　晴　冷　起床九時就蓐十二時
○上略　兜町事務所・第一銀行等ニ電話ヲ通シテ要務ヲ弁ス、午飧後庭園ヲ散歩シテ掃除向ヲ指揮ス、午後五時伊藤統監及統監府ノ各員ヲ第一銀行ヨリ招宴シ、悉ク来会ス、杯盤中ニ種々ノ余興アリ、賓主歓ヲ尽シ夜十時半散会ス
　　　○中略。
九月十八日　雨晩晴　冷　起床七時就蓐十二時
○上略　午前十時大蔵省ニ抵リ、荒井賢太郎氏ニ面会シテ、韓国ニ於ル銀行ノコト○中略ヲ縷陳シテ注意ヲ乞フ○中略午飧後○中略伊藤統監ヲ訪ヒ、韓国銀行事業ニ関シ種々ノ談話ヲ為ス○中略五時第一銀行ニ抵リ、佐々木・市原二氏ニ会シテ伊藤統監トノ対話及荒井氏会談ノ詳細ヲ話ス
九月十九日　大雨　冷　起床六時三十分就蓐十一時三十分
○上略　午後一時第一銀行ニ抵リ午飧シ、食後重役会ヲ開ク、市原氏韓国帰任ニ付要務ヲ談ス○下略
　　　○中略。
九月二十六日　晴冷　起床七時就蓐十二時
○上略　阪谷大蔵大臣ノ午飧会に出席ス、韓国人柳・李ノ二氏及新任度支次官荒井氏モ来会ス、午飧後種々ノ談話アリ○中略又兜町事務所ニ抵リ韓国人柳氏・李氏及西尾等ヲ招宴ス、食卓前後ニ於テ種々ノ談話ヲ為シ、夜十一時散会帰宿ス