デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治39年8月10日（1906年）

是日第一回委員会開カレ、栄一定款調査委員ニ推サル。翌十一日栄一特別委員長ニ推サレ、定款原案ヲ議決シ、十三日此ニ修正ヲ加ヘ、十四日第三回委員会ニ栄一定款調査会ノ経過及ビ結果ヲ報告シテ可決サル。

（南満洲鉄道株式会社）創立委員会議事要録
　　　　　　　　　　　　　　　　（南満洲鉄道株式会社所蔵）
　　　　第一回委員総会　華族会館
　　出席　委員長
　　　　　委員　六十六名
　　　　　外務大臣　大蔵大臣　逓信大臣
　　　　　及古川鉄道技師
　　明治三十九年八月十日午後四時三十五分開会
○議事略ス
　　　　　　　　八月十日委員長指定
　　　　　　　　　　　常務委員
　　　　　　　　　　　　　　　法学博士　岡野敬次郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○外七名氏名略
　　　　　　　　　　　定款調査委員
　　　　　　　　　　　　　　　法学博士　岡野敬次郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山座円次郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　荒井賢太郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仲小路廉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山之内一次
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　和田彦次郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大石正巳
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　土居通夫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中野武営
　　　　　　　　　　　　　　　　　子爵　堀田正養
　　　　　　　　　　　　　　　　　男爵　渋沢栄一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佐々友房
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大岡育造
　　　　第一回定款調査委員会
　　出席　寺内委員長
　　　　　委員　十三名
　　明治三十九年八月十一日午前九時二十分開会
○議事略ス
　　　　第二回委員総会　　　　　貴族院事務所
　　出席　寺内委員長
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　　　　　委員　六十一名
　　明治三十九年八月十三日午後三時三十分開会
○議事略ス
　　　　第二回定款調査委員会
　　出席　渋沢委員長
　　　　　委員　十二名
　　明治三十九年八月十四日午後二時二十分開会
○議事略ス
特別委員会ハ定款中左ノ如ク修正スヘキモノト議決セリ
　第四条第三項中「主要ナル鉄道貨物ノ委託販売業」ヲ削ル
　第五条ヲ左ノ如ク改ム
　　第五条　本会社ノ資本ハ金弐億円トス、但シ第一回株式募集額ハ日本帝国政府持株ノ外金弐千万円トシ、第二回以後ハ漸次必要ニ応シ、株主総会ノ決議ニ依リ募集スルモノトス
　第七条ヲ左ノ如ク改ム
　　第七条　本会社ノ株券ハ総テ記名式トシ、一株ヲ弐百円トス
　第十条ヲ削リ以下各条順次繰上
　第五十四条（原案五十五条）第二項中「株式総額」ヲ「資本総額」（金壱億円）ニ改ム
　第五十五条（原案五十六条）第一項中「其ノ払込登記ノ翌月ヨリ」ヲ削ル
右及報告候也
　　明治三十九年八月十四日
　　　　　　　　　　定款調査特別委員長　男爵渋沢栄一
　　　　南満洲鉄道株式会社設立委員長寺内正毅殿
　　　　第三回委員総会
　　出席　寺内委員長
　　　　　委員　六十名
　　　　　山県逓信大臣　阪谷大蔵大臣
　　明治三十九年八月十四日午後二時四十分開会
○議事略ス
　　　○右創立委員会議事内容（速記録アリ）ハ当会社ノ機密記録ニシテ写スコトヲ許サレズ、仍テ之ヲ略セリ。
　　　　栄一ハ八月十日・十一日・十三日及ビ十四日ノ連日出席シ各会議ニ臨ミ発言スルトコロアリ、十一日ニハ定款調査特別委員長ニ推サレ、十四日ノ委員総会ニ於テハ定款調査特別委員会ノ決議（定款修正案）ヲ報告ス。総会案ハソノ報告ヲ採択シ後掲「南満洲鉄道株式会社定款」ヲ議決セリ。
　　　○当会社ノ株式公募ノ結果ハ九月十日ヨリ十月五日締切マデニ予定額九万九千株ニ対シ一億株以上ノ申込アリ、十月二十七日創立常務委員並ビニ栄一立会ノ上之ヲ按分比例ヲ以テ割当ツ。

南満洲鉄道株式会社十年史　第二六―二七頁　大正八年五月刊
　○第一項　会社ノ組織
　　　　二　設立
○上略同月○八月十日貴族院内ニ会社設立委員事務所ヲ設置ス、同日外
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務・大蔵・逓信大臣出席ノ上第一回委員総会ヲ華族会館ニ開キ、事務章程案及ヒ委員会議事規則案ヲ可決シ直ニ其認可ヲ逓信大臣ニ申請セリ、同日委員長ハ該事務章程ニ基キ常務委員及ビ定款調査委員ヲ左ノ如ク指名セリ
　常務委員
　　岡野敬次郎　山座円次郎　若槻礼次郎　荒井賢太郎
　　石本新六　　仲小路廉　　山之内一次　関宗喜
　定款調査委員
　　岡野敬次郎　山座円次郎　荒井賢太郎　仲小路廉
　　山之内一次　和田彦次郎　渋沢栄一　　堀田正養
　　大石正巳　　土居通夫　　中野武営　　大岡育造
　　佐佐友房
同月十一日定款調査委員会ヲ設立事務所ニ開キ委員男爵渋沢栄一ヲ推シテ特別委員長トシテ定款ヲ可決シ、次テ委員長ハ荒井賢太郎・平井晴二郎・山之内一次・内田嘉吉・野村竜太郎・渡辺渡・仙石貢・中橋徳五郎・安川敬一郎ノ各委員ヲ工費概算調査委員ニ指名シ、工学博士平井晴二郎ヲ其委員長ニ推選セリ
同月十三日第二回委員総会ヲ設立事務所ニ開キ、渋沢特別委員長ハ特別委員会ニ於テ定款原案ヲ可決セシ旨報告セシニ委員中異論アリシヲ以テ、設立委員長ハ若槻礼次郎・添田寿一・園田孝吉・荘田平五郎・益田孝・安田善次郎・高橋是清・曾我祐準・近藤廉平ノ各委員ヲ定款調査委員ニ追加シ、該委員ハ即日協議会ヲ開キ修正可決セリ、同月十四日大蔵・逓信両大臣出席第三回委員総会ヲ開ク、渋沢特別委員長ハ定款調査委員会ノ経過及ヒ結果ヲ報告シ、満場異議ナク之ヲ可決○下略

南満洲鉄道株式会社定款　　　　　（南満洲鉄道株式会社所蔵）
　　　　南満洲鉄道株式会社定款
　　　　　　第一章　総則
第一条　本社ハ南満洲鉄道株式会社ト称シ明治三十九年勅令第百四十二号ニ依リ日本帝国政府ノ命令ヲ遵奉シテ設立スルモノトス
第二条　本会社ノ株主ノ責任ハ其ノ株主ノ金額ヲ以テ限度トス
第三条　本会社ハ本社ヲ東京市ニ、支社ヲ大連ニ置ク
第四条　本会社ノ目的ハ左ノ如シ
　一満洲ニ於テ左ニ掲クル鉄道ノ運輸業ヲ営ムコト
　　一大連長春間鉄道
　　一南関嶺旅順間
　　一大房身柳樹屯
　　一大石橋営口間
　　一煙台煙台炭坑間
　　一蘇家屯撫順間
　　一奉天安東県間
　一鉄道ノ便益ノ為メ左ノ附帯事業ヲ営ムコト
　　一鉱業殊ニ撫順及煙台ノ炭坑採掘
　　一水運業
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　　一電気業
　　一倉庫業
　　一鉄道附属地ニ於ケル土地及家屋ノ経営
　　一其ノ他政府ノ許可ヲ得タル営業
第五条　本会社ノ資本ハ金弐億円トス、但シ第一回ノ株式募集額ハ日本帝国政府持株ノ外金弐千万円トシ、第二回以後ハ漸次必要ニ応シ株主総会ノ決議ニ依リテ募集スルモノトス
第六条　本会社ノ公告ハ本社所在地ニ於テ所轄裁判所カ公告ヲ掲載スヘキ新聞紙、並大連ニ於テ関東都督府カ公告ヲ掲載スヘキ新聞紙ヲ以テスヘシ
　　　　第二章　株式
第七条　本会社ノ株券ハ総テ記名式トシ、一株ヲ金弐百円トス
　　　○第八条ヨリ第二十条マデ略ス。
　　　　第三章　株主
第二十一条　本会社ノ株主ハ日清両国政府及日清両国人ニ限ルモノトス
第二十二条　日本帝国政府ハ左ノ財産ヲ出資シ、本会社ハ其ノ財産価格金壱億円ニ対シ五十万株ヲ与フルモノトス
　一既成ノ鉄道
　一右鉄道ニ附属セル一切ノ財産但シ租借地内ノ財産ニシテ政府ノ指定スルモノハ之ヲ除ク
　一撫順及煙台ノ炭坑
第二十三条　株主ハ一株ニ付一個ノ議決権ヲ有ス
　　　○第二十四条略ス。
　　　　第四章　総会
第二十五条　定時総会ハ毎年六月及十二月ノ両度、臨時総会ハ総裁又ハ監事ノ必要ト認ムルトキ及総株数ノ十分ノ一以上ニ当ル株主ヨリ総会ノ目的及招集ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ、総会ノ招集ヲ請求シタルトキ総裁之ヲ招集スヘシ、但シ株主カ総会ノ招集ヲ請求シタル場合ニ於テハ、総裁ハ十四日以内ニ招集ノ手続ヲ為スコトヲ要ス
　　　○第二十六条ヨリ第三十四条マデ略ス。
　　　　第五章　重役
第三十五条　本会社ノ重役ハ左ノ如シ
　　　　総裁　一人
　　　　副総裁　一人
　　　　理事　四人以上
　　　　監事　三人乃至五人
第三十六条　総裁・副総裁ノ任期ハ五箇年トシ、勅裁ヲ経テ政府之ヲ任命スルモノトス
　理事ハ其ノ任期ヲ四箇年トシ、五十株以上ヲ有スル株主中ヨリ政府之ヲ任命スルモノトス
　監事ハ其ノ任期ヲ三箇年トシ株主中ヨリ株主総会ニ於テ之ヲ選任スルモノトス
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　　　○第三十七条ヨリ第四十八条マデ略ス。
　　　　第七章　会計
第四十九条　本会社ノ会計ハ一箇年ヲ二期ニ分チ、毎年四月ヨリ九月迄ヲ前半期トシ、十月ヨリ翌年三月迄ヲ後半期トス
　　　○第五十条・第五十一条略ス。
第五十二条　毎営業年度ニ於ケル利益配当カ日清両国政府以外ノ株主（以下単ニ株主ト称ス）ノ払込金ニ対シ、年六分ノ割合ニ達セサルトキハ、設立登記ノ日ヨリ十五箇年間日本帝国政府ヨリ補給セラルルモノトス、但シ其ノ補給額ハ如何ナル場合ト雖モ株主ノ払込金ニ対シ年六分ノ割合ヲ超過セス
第五十三条　毎営業年度ニ於ケル利益配当カ、株主ノ払込金ニ対シ年六分ノ割合ヲ超過セサルトキハ、日本帝国政府ノ持株ニ対シ、配当ヲ為スヲ要セス
　清国政府ノ持株ハ日本政府ノ持株ニ準シ之ヲ取扱フモノトス
第五十四条　鉄道ノ改築又ハ附帯事業ノ経営ノ為メ発行スル社債、及該社債ヲ整理償還スル為発行スル社債ニ対シテハ、日本政府ヨリ其ノ利子支払ノ保証ヲ受ケ、仍ホ必要アラハ元金ノ支払ヲ保証セラルルコトアルヘシ
　日本帝国政府ヨリ保証ヲ受クヘキ社債ノ額面金額ハ、常ニ日本帝国政府ノ引受ニ属セサル資本総額（壱億円）中ヨリ其ノ払込金額ヲ控除シタル残額ヲ超過スルコトナキモノトス
第五十五条　前条第一項ノ趣旨ニ依リ発行スル社債ニ対シテハ、日本帝国政府ヨリ其ノ社債ノ利子ニ相当スル金額ヲ補給セラルルモノトス
　株主ノ払込金ニ対スル利益配当年六分ノ割合ヲ超過スルニ至リタルトキハ、其ノ超過ノ金額ハ先ツ社債ノ利子ニ充当ス、此ノ場合ニ於テハ前項補給金ハ該充当額ヲ控除シテ之ヲ下附セラルルモノトス
　　　○第五十六条略ス。
第五十七条　第五十二条及第五十五条ニ規定シタル日本帝国政府ノ補給金ハ、之ニ年六分ノ割合ノ利子ヲ付シ、之ヲ毎年元金ニ加算シ、日本帝国政府ニ対スル本会社ノ債務トス
　本会社ノ総株式ニ対スル利益配当カ年一割ノ割合ヲ超過スルニ至リタルトキハ、其ノ超過額ハ前項債務ノ償還ニ充ツルモノトス
　　　　第八章　設立費用
第五十八条　本会社ノ設立費用ハ金五万円ヲ限度トス
　前項金額中政府ノ立替ニ係ルモノハ政府ニ之ヲ返納スルモノトス
　　　　　　附則
第五十九条　第五十二条乃至第五十七条ノ規定ハ帝国議会ノ協賛ヲ経テ確定スルモノトス

竜門雑誌　第二二〇号・第三四―三五頁　明治三九年九月
○南満洲鉄道株式会社設立経過　政府は六月七日勅令第百四十二号を以て南満洲鉄道株式会社設立に関する件を公布し七月十三日を以て官吏・議員及実業家等より八十名の設立委員を任命し、青淵先生も同委
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員として設立に尽力せられつゝあるが、同会社設立の経過を記すれば左の如し、即ち同会社の設立委員長は最初児玉大将なりしも、大将薨去の為め寺内陸軍大臣代りて委員長となり、八月十日を以て愈々第一回設立委員会を開き委員会に於ては政府より会社設立に関する命令書及示達書を交付し、議事規則及事務章程を議決し、次て政府の起草に係る定款草案は特別委員を選んで調査を附託することゝなり、調査結了の上之を十四日の総会に報告し、其他株式募集方法等を議定し同日を以て全く委員会を終りたり
定款の規定に依れば南満洲鉄道会社の資本金は二億円にして内一億円は日本政府の出資とし、他は日清両国人より募集するものにして、日清両国政府以外の株主に対しては向ふ十五箇年間政府より年六朱を補給せらるゝ筈なり、而して定款草案には会社の目的中に「主要なる鉄道貨物の販売業」を列記しありしも、設立委員会に於ては之を削除することゝなり、又草案には年六朱以上の利益ある場合に当り、配当割合均一に至るまで日清両国政府持株に配当すべしとあるを、委員会に於ては官民株を通じて平等に再配当を為すことゝしたるも、此は政府の同意を得ずして原案の通り可決せり
南満洲鉄道会社の資本金中第一回に募集すべき株式金額は日本政府持株の外金二千万円にして、此は本月十日より十月五日までを限り之を募集することゝなれり
南満洲鉄道会社に於ける政府の出資額は、前記の如く総額一億円なるが、今当局者より設立委員会に報告せし内訳を見るに左の如し
　一五千二百三十万円　　　　　　　　鉄道及附属物件価格
　一金三千二百万円　　　　　　　　　撫順及煙台炭坑価格
　一金千五百七十万円　　　　　　　　大連停車場埠頭其他諸設備
　　合計一億円
又同鉄道の工費総額は一億円にして其中設立委員会に於て確定せし内訳は左の如し
　一金一億円　　　　　　　　　　　　　　工費総額
　　内
　　金二千八百万円　　　　　　　　　大連長春間線路及支線改築改良及車輛新調費
　　金五百万円　　　　　　　　　　　大連港湾修築費
　　金九百六十万円　　　　　　　　　大連蘇家屯間複線布設費
　　金四百万円　　　　　　　　　　　撫順及煙台炭坑資金
　　金八百万円　　　　　　　　　　　土地及倉庫経営費
　　金五万円　　　　　　　　　　　　水運業資金
　　金二千二百万円　　　　　　　　　安東県奉天間線路改築費
　　金千三百四十万円　　　　　　　　予備費
前記の工事費は即ち今後募集すべき株金及社債金を以て之に充つべきものにして、其中鉄道及撫順炭坑の純益は十年後に於ては其工事費即ち出資額に対し八分七厘の配当を為し得べき計算なり
因みに政府は今後南満洲鉄道会社社債募集の場合は分割払込を為し得ることゝし、本月七日勅令第二百四十三号を以て左の如く前勅令を改正せり
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　明治三十九年勅令第百四十二号中左の通改正す
　第十一条の二　会社が社債を募集するときは数回に分ちて払込を為さしむることを得

竜門雑誌　第二二一号・第四八―五一頁　明治三九年一〇月
○南満洲鉄道株式募集の盛況　同鉄道会社設立経過に関しては前号に詳記せるが、今其株式募集の景況を聞くに募集発表前より世間の人気頗る盛なりしに拘らず実際の申込は遅々として内地各取扱店九月三十日迄の累計は漸く九万九千七百六十七株にして、募集予定額九万九千株を超過すること僅かに七百六十七株に過ぎざりき、十月一日以来は俄然増加の傾向ありしも、締切期日の前日なる四日迄の累計は百八十五万二千七十二株に止りたり、然るに締切期の当日なる五日には各取扱店共申込髙一時に増加し、同日一日丈にて実に一億四百八十三万千七百七十株と云へる驚くべき髙に上りたり、今之を各取扱店別にすれば左の如し

　　　店名　　　　　　　　　　　　　　　　　株数
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　株
　東京　　日本興業銀行　　　　　　　　　三、二七九、二〇五
　同　　　第一銀行　　　　　　　　　　　　　二〇八、八〇〇
　同　　　第百銀行　　　　　　　　　　　　　二九四、八〇七
　同　　　十五銀行　　　　　　　　　　　　　四一一、八一五
　同　　　帝国商業銀行　　　　　　　　　一、二八七、四三二
　同　　　安田銀行　　　　　　　　　　　八、二一七、九七二
　同　　　村井銀行　　　　　　　　　　　　　八七三、〇三九
　同　　　三井銀行　　　　　　　　　　　　　一六一、一〇四
　同　　　三菱銀行　　　　　　　　　　　　　　五四、〇〇一
　　小計　　　　　　　　　　　　　　　一四、七八八、一七五
　大阪　　北浜銀行　　　　　　　　　　　九、三二二、六一〇
　同　　　三十四銀行　　　　　　　　　　二、三七九、二七二
　同　　　浪速銀行　　　　　　　　　　　二、八九一、六四三
　同　　　鴻池銀行　　　　　　　　　　　五、一〇三、四四三
　同　　　住友銀行　　　　　　　　　　　　　　五八、一五三
　同　　　山口銀行　　　　　　　　　　　一、七八二、一〇五
　　小計　　　　　　　　　　　　　　　二一、五三七、二二六
　横浜　　七十四銀行　　　　　　　　　　一、二三一、一〇〇
　同　　　左右田銀行　　　　　　　　　　一、〇〇七、五九〇
　同　　　第二銀行　　　　　　　　　　　三、〇二三、七五二
　　小計　　　　　　　　　　　　　　　　五、二六二、四四二
　名古屋　愛知銀行　　　　　　　　　　一二、五九〇、一一四
　同　　　明治銀行　　　　　　　　　　　六、〇三二、九三七
　同　　　名古屋銀行　　　　　　　　　　七、一一五、七五八
　　小計　　　　　　　　　　　　　　　二五、七三八、八〇九
　京都　　京都商工銀行　　　　　　　　　一、七七〇、八三五
　神戸　　浪速銀行支店　　　　　　　　　一、四三一、七九〇
　長崎　　十八銀行　　　　　　　　　　　　　一九五、五二〇
 - 第16巻 p.731 -ページ画像 
　新潟　　新潟銀行　　　　　　　　　　　　　四〇四、八三〇
　千葉　　川崎銀行支店　　　　　　　　　　　五五六、四八七
　水戸　　同上　　　　　　　　　　　　　　　　二四、一九二
　前橋　　第二銀行支店　　　　　　　　　　　二一〇、五七九
　浦和　　中井銀行支店　　　　　　　　　　　二一七、〇六〇
　宇都宮　安田銀行支店　　　　　　　　　　　四〇二、一〇〇
　静岡　　三十五銀行　　　　　　　　　　一、三八九、〇八六
　甲府　　第十銀行　　　　　　　　　　　　　一三一、五二一
　長野　　信濃銀行　　　　　　　　　　　一、〇五八、八八九
　仙台　　七十七銀行　　　　　　　　　　　　一〇〇、一六一
　福島　　百七銀行　　　　　　　　　　　　　　五四、六四五
　盛岡　　盛岡銀行　　　　　　　　　　　　　　八五、七八五
　弘前　　第五十九銀行　　　　　　　　　　　　一三、二六六
　秋田　　安田銀行支店　　　　　　　　　　　　一六、二六六
　福井　　第九十二銀行　　　　　　　　　　　　八五、一七六
　金沢　　十二銀行支店　　　　　　　　　　　一〇〇、五七〇
　富山　　十二銀行　　　　　　　　　　　二、九五〇、九四九
　彦根　　百三十三銀行　　　　　　　　一〇、七三二、二六七
　奈良　　六十八銀行支店　　　　　　　　　　　三五、一七二
　和歌山　四十三銀行　　　　　　　　　　二、四二四、九八〇
　津　　　百五銀行　　　　　　　　　　　一、四〇九、一七六
　岐阜　　十六銀行　　　　　　　　　　　三、六七三、三六〇
　山形　　両羽銀行　　　　　　　　　　　　　　九八、二二〇
　鳥取　　第三銀行支店　　　　　　　　　　　　一一、三三〇
　松江　　同上　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五五〇
　岡山　　二十二銀行　　　　　　　　　　　　八三三、〇五二
　広島　　住友銀行支店　　　　　　　　　　　　三八、二〇五
　徳島　　三十四銀行支店　　　　　　　　　　二三四、六七〇
　髙松　　百十四銀行　　　　　　　　　　　　五一〇、九九八
　松山　　五十二銀行　　　　　　　　　　　　一六三、五一〇
　髙知　　土佐銀行　　　　　　　　　　　　　三五二、三六五
　下関　　百十銀行　　　　　　　　　　　　　三六二、九四三
　福岡　　十七銀行　　　　　　　　　　　二、〇六八、七八一
　大分　　二十三銀行　　　　　　　　　　一、三一六、五三五
　佐賀　　百六銀行　　　　　　　　　　　　　六九六、五七一
　熊本　　百九銀行　　　　　　　　　　　　　三六三、七八七
　宮崎　　百四十七銀行支店　　　　　　　　　二八一、九二五
　鹿児島　浪速銀行支店　　　　　　　　　　　四六四、三五〇
　函館　　百十三銀行　　　　　　　　　　　　一八二、五三〇
　台北　　台湾銀行　　　　　　　　　　　　　　一四、八七一
　韓国　　第一銀行京城支店　　　　　　　　　　一五、二七〇
　清国　　正金銀行大連支店　　　　　　　　　　　　　二八六
　同　　　同　牛荘支店　　　　　　　　　　　　　　　　八六
　　合計　　　　　　　　　　　　　　一〇四、八三一、七七〇

 - 第16巻 p.732 -ページ画像 
右の申込髙に内地取扱店締切前日迄の累計及び沖縄・天津・北京・上海の各取扱店に於ける初日以来の申込髙を加ふれば左の如し
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　株
　清国　　正金銀行天津支店　　　　　　　　　　　　　三六五
　同　　　同　北京支店　　　　　　　　　　　　　　　七〇一
　同　　　同　上海支店　　　　　　　　　　　　一一、九五〇
　　小計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一三、〇一六
　沖縄　　第百四十七銀行支店　　　　　　　　　四四、五四〇
　内地取扱店締切前日迄の累計　　　　　　一、八五二、〇七二
　同　　　締切当日の申込髙　　　　　一〇四、八三一、七七〇
　　合計　　　　　　　　　　　　　　一〇六、七三一、三九八
即ち総申込髙は一億六百七十二万千三百九十八株にして募集予定額の千七十八倍に達し千株以下の申込にては一株の割当をも得ること能はざるに至れり、尤も此総額は電報を基礎として算出したる概算なるを以て或は多少の相違あるべきも、大体に於ては之れを総額と見做すを得べく、亦以て南満洲鉄道会社株式に対する世間の人気如何に凄かりしやを察すべし

竜門雑誌　第二二二号・第四二頁　明治三九年一一月
○南満洲鉄道会社の株式募入確定　貴族院なる同会社創立事務所に於ては去十月二十六日株式の按分割当を了したるを以て二十七日午後より常務委員会を開き、寺内委員長・青淵先生及石本新六・仲小路廉・岡野敬次郎・山座円次郎・荒井賢太郎・山之内一次・関宗喜の各委員出席し、最も厳正なる監視の下に按分の結果一株未満の端数株に対する抽籖を行ひたり、右一株の端数株は合計四千五百七十四株にして抽籖の結果左の如くにして玆に募入確定をなしたり
　一、十株以上応募者総計（九株以下は切拾らる）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一一、三五四人
　内千七十八株以上の応募者　　　　　　　　　　　　五、五二七人
　　　此割当株数　　　　　　　　　　　　　　　　九四、四二六株
　　千七十七株以下応募者（按分に洩れたる分）　　　五、八二七人
　　　此抽籖株数　　　　　　　　　　　　　　　　　四、五七四株
右の結果に依れば十株以上の応募者中募入外れとなりたるものは僅かに一千二百五十三人にして、即ち十株以上の応募者に対し約八割九分弱の募入を見るに至り株主総計一万百一人となりたる次第なり