デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
1款 東京商法会議所
■綱文

第17巻 p.30-35(DK170005k) ページ画像

明治11年10月7日(1878年)

曩ニ当会議所規則並ニ議事規則議決サレシヲ以テ、是日栄一会議所会頭トシテ之ヲ内務卿兼大蔵卿伊藤博文及ビ東京府知事楠本正隆ニ上呈ス。


■資料

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 一(DK170005k-0001)
第17巻 p.31 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 一
                   (東京商工会議所所蔵)
去ル九月四日並ニ十二日ノ両度ニ相開き候臨時会ニ於テ当会議所規則並ニ議事規則別冊之通リ議定仕候間此段上申仕候也
  明治十一年十月七日
                東京商法会議所会頭
                       渋沢栄一
    内務卿   伊藤博文殿
    大蔵卿   伊藤博文殿 各通
    東京府知事 楠本正隆殿
   ○本綴込ニハ会議所規則並ニ議事規則ヲ欠ク。


東京商法会議所規則(DK170005k-0002)
第17巻 p.31-32 ページ画像

東京商法会議所規則
    第一章 議員ノ選挙及其進退
第一款 凡ソ東京商法会議所ノ議員ハ定数ヲ設ケズ、東京府下ニ住居本籍又ハ寄留ニテモシテ現ニ商業ヲ営ミ、若クハ農工商ニ関係スルノ業ヲ営ミ、相応ノ家産ヲ有シ、年齢二十歳以上ノ者ハ都テ議員タルヲ得ヘシ、但シ左ノ二項ニ触ル者ハ議員タルヲ得ス
  第一 欺詐騙瞞若クハ坐臓ノ刑ニ処セラルヽ者
  第二 身代限リノ処分ヲ受ケ未タ其義務ヲ償却セサル者
第二款 議員タラント欲スル者ハ当会議所ノ議員ニ紹介ヲ請フ可シ
第三款 議員ヲ紹介セント欲スル者ハ其姓名・職業及其人ノ履歴大略ヲ会頭ニ通知ス可シ、会頭ハ其次ノ定式会議ヲ以テ之ヲ全会ニ報告シ、衆議ヲ以テ之ヲ許否ス可シ
第四款 一会社又ハ一組合ヨリ委員ヲ出サント望ム者アル時ハ、会頭ハ定式会議ニ於テ衆議ヲ以テ之ヲ許否ス可シ
 法律ニ由リ又ハ慣行ニ由リテ取結ヒタル同業仲間ハ其仲間ノ名ヲ以テ委員ヲ出ス事ヲ得ベシ
第五款 議員中ニ第一款末段ノ二項ニ牴触シ或ハ議員タルニ不適当ノ所行ヲ為ス者アル時ハ、衆議ニ依テ其者ヲ除名ス可シ
第六款 議員タル者ハ年限ヲ定メズト雖トモ不得止事故アリテ退去セント欲スル時ハ其旨ヲ会頭ニ届出ツ可シ、会頭ハ定式会議ニ於テ之ヲ衆議員ニ報告ス可シ
    第二章 役員及其職掌
第七款 当会議所ニ於テ役員ヲ設クル事左ノ如シ
    理事本員
     会頭        一名
     第一副会頭     一名
     第二副会頭     一名
     書記
     翻訳方
     筆生
     会計方
    理事委員
 - 第17巻 p.32 -ページ画像 
     内国商業事務委員  五名
     外国貿易事務委員  五名
     運輸船舶事務委員  五名
第八款 会頭ハ当会議所日常ノ事務ヲ主宰シ、議場ニ臨デハ議長ノ職ニ任ジ議場一切ノ事務ヲ整理ス
第九款 副会頭ハ会頭ノ職務ヲ輔佐シ、会頭疾病事故アリテ事務ヲ経理シ能ハザルトキ、若クハ旅行不在ノトキハ其職務ヲ代理ス
第十款 書記ハ議場ニ於テ議案ヲ読ミ、議事ヲ記シ、諸文案ヲ考査シ及ビ文書記録ヲ保管シ、通信往復ヲ掌ル
第十一款 翻訳方ハ諸翻訳ヲ掌リ及ビ洋文書類ヲ保管ス
第十二款 筆生ハ諸文書浄写ノ事ヲ掌ル
第十三款 会計方ハ出納計算及簿記ヲ管理ス
第十四款 内国商業・外国貿易及ヒ運輸船舶事務三課ノ委員ハ各其課ニ随テ其事ヲ調査ス
第十五款 会頭・副会頭ハ毎年二月第一ノ定式会議ニ於テ投票ヲ以テ之ヲ選挙スベシ
 理事委員ハ毎年同上ノ会議ニ於テ投票ヲ以テ其二人ツヽヲ改選スベシ
第十六款 書記・会計・翻訳等ノ諸員ハ会頭ヨリ会中又会外ノ人ヲ選ヒ之ヲ命ス可シ
    第三章 議員会議
第十七款 当会議所ノ会議ヲ分テ定式会・臨時会ノ二種ト為ス
第十八款 定式会ハ毎月二回之ヲ開キ、第一及ヒ第三ノ木火曜日ヲ以テ定日トス
第十九款 臨時会ハ会頭ノ考案ニ因ルカ或ハ議員十名以上ノ請求ニ因リ随時ニ之ヲ開クモノトス
第廿款  会議ハ定式・臨時トモ其議目ヲ東京日々新聞・報知新聞・朝野新聞・読売新聞ヲ以テ之ヲ報知スベシ
第廿一款 会外ノ人ヨリ他ニ建議セント欲スル方案ニ付当会議所ノ意見ヲ問ヒ来ル時ハ、会頭先ヅ之ヲ衆議ニ問ヒ、其答議スベシトスルモノハ第一次会ノ手続ヲ以テ之ヲ議シ、其決議ノ主趣ヲ其人ニ報知スベシ
 若シ会外ノ人ヨリ方案ヲ寄送シ、之ヲ当会議所ノ意見トシテ建議アラン事ヲ望ム時ハ、会頭之ヲ衆議ニ問ヒ、其議ス可シトスルモノハ即チ之ヲ議場ヨリ起リシ意見ト同視シ、尋常ノ手続ヲ以テ之ヲ処スベシ


東京商法会議所議事規則(DK170005k-0003)
第17巻 p.32-35 ページ画像

東京商法会議所議事規則
第一条 凡ソ会議ハ午後四時ニ始マリ午後十時ニ畢ル、時宜ヲ以テ之ヲ伸縮スルハ会頭ノ指揮ニ依ルベシ
第二条 定式会議ニハ会頭ハ左ノ順序ヲ践行セシムベシ
  第一 書記ヲシテ通常事務ノ報告ヲ読上ケシムベシ
  第二 入社ヲ望ム人アラバ会頭ハ其事ヲ全会ニ報知シ、起立ヲ以テ其可否ヲ決セシムベシ、但自分ノ都合ニテ退社スル人アラバ
 - 第17巻 p.33 -ページ画像 
之ヲ報知シ、又除名セシムベキ人アラバ其事由ヲ報知シテ可否ヲ問フベシ
  第三 理事本員ヲシテ事務ノ成迹ヲ陳述セシムベシ
  第四 各課委員ヲシテ其調査シタル事務ヲ陳述セシムベシ
  第五 右ノ報知及ビ陳述ヲ畢リタル後ニ於テ未済ノ議事ヲ決シ或ハ新規ノ議事ヲ催サシムヘシ
第三条 臨時会議ハ特ニ指定スルノ事件ヲ議スルガ為ニ開クヲ以テ他ノ定式会議ニ要スル事ヲ議スベカラス
第四条 会頭ハ会議ノ時限ニ於テ先ツ其席ニ就キ、令ヲ下シテ議員ヲ列座セシメ、然ル後ニ議事ヲ始ムベシ
第五条 議員ノ着席順序ハ予メ鬮ヲ以テ之ヲ定メ、毎会其席ニ着ク可シ
第六条 諸員出席ノ数会頭ヲ加ヘテ総員三分ノ一ニ充タザル時ハ其日ノ議事ヲ開クヲ得ズ
第七条 会頭ハ討論中議員ヲ制シテ紀律ヲ守ラシメ、又如何ナル場合ニ於テモ号鈴ヲ鳴ラシテ議員ノ発言ヲ止ムルヲ得ヘシ
第八条 会議ハ人身上ニ就テ其褒貶毀誉ニ渉ルヲ得ズ
第九条 一議員発言中ハ他ノ議員整粛シテ其発言ヲ満場ニ洞達セシムルヲ要スベシ、私語或ハ吸烟シテ演説ヲ妨害スルヲ禁ス
第十条 会議中発言セント欲スル者ハ先ツ起立シテ会頭ト呼ヒ、発言セント欲スル事ヲ知ラシム、会頭ハ其議員ノ番号ヲ呼ヒ、衆議員ヲシテ発言者ノ誰タルヲ知ラシム、若シ同時ニ二人以上起立スル時ハ会頭其一人ヲシテ発言セシムヘシ、討論問答ト雖トモ必ス会頭ニ向ヒ演説スヘシ、其互ニ相応答スルヲ許サス、着坐ノ儘発言スルヲ許サス
第十一条 議席ニ於テハ会頭ノ名ヲ呼ハスシテ会頭ト呼フベク、又会頭議員ヲ呼ヒ或ハ議員互ニ相呼フ時ハ其番号ヲ呼フヘシ
第十二条 議案ノ総体論或ハ其逐条議ニ付会頭タルモノ発言セント欲スル時ハ、書記朗読ノ後ニ於テ直ニ其事ヲ演ベ、副会頭ニ会頭ノ席ヲ譲ルヘシ、副会頭モ亦発言セント欲スルヲ以テ其席ニ上ルヲ辞スル時ハ、会頭ハ議員中ニテ其一員ヲ命ジテ己レニ代ラシメ、其総体論或ハ逐条議ヲ決シタル後ニ於テ再ヒ会頭ノ席ニ復スヘシ、但シ会頭ハ討論中ニ其席ヲ下リ或ハ其席ニ復スヘカラス、且ツ己レ本分ノ議員席ニ著キテ発言スル時ハ、他ノ議員ニ異ナルノ特例ヲ有スルヲ得ス
第十三条 凡ソ一議案未ダ了ラザル間ハ他ノ事件ヲ発言スベカラズ
第十四条 議案ヲ討論シタル後会頭ハ衆議員ニ対シ起立法ヲ以テ可否ヲ問ヒ、衆説中ニテ多数ノ方ニ決ス可シ、若シ両説同数ニ遇ヘハ会頭其一ニ起立ス可シ、但衆説中ニテ多数タリトモ出席議員ノ半数ヨリ多カラサル説ハ之ヲ廃シテ更ニ他ノ動議ヲ起サシム可シ
第十五条 議員ハ自説ヲ伸ハス事能ハザルノ場合タリトモ之ガ為ニ其席ヲ棄ルヲ得ズ、但シ議決ノ後ニ於テ自説ヲ保存セント欲スル時ハ自ラ其意見書草案ヲ作リ、之ヲ東京商法会議所決議録ノ参考部ニ附記セシムルヲ得ベシ
 - 第17巻 p.34 -ページ画像 
第十六条 議案ノ可決ハ三次会ヲ経テ定マル者トス、其順序ハ左ノ如シ
    第一次会
  第一 凡ソ諸官衙ヨリ下附セラレ或ハ会外ヨリ送付セラルヽ議案又ハ本会ノ意見議案ヲ受ケタル時ハ、会頭ハ書記ニ命シテ之ヲ印刷セシメ、各社員ニ各一本ヲ送付セシムベシ
  第二 会頭ハ右ノ議案ヘ急議ヲ要スルカ否ヲ撿シ、急議ヲ要スルト認ムル時ハ議案ヲ頒布シタルヨリ四日以内ニ翌日ヨリ起算ス臨時会議ヲ以テ第一次会ヲ開クベシ
  第三 会頭ハ議案ヲ紹介シ書記ヲシテ之ヲ朗読セシム、此時猶議案ノ主旨要領ヲ悉サンガ為ニ会頭若クハ臨席ノ主任ノ委員又ハ建議者之ヲ説明スベシ、而シテ仍ホ疑フベキ事アラバ議員ハ会頭ノ許可ヲ得テ其弁明ヲ求ムル事ヲ得、而シテ主任ノ委員又ハ建議人ハ会頭ノ席ニ向テ其弁明ヲナスヘシ、但シ主任ノ委員又ハ建議者ハ何時ニテモ着席ヲ求ムルヲ得ベシト雖トモ可否決ノ数ニ加ハル事ヲ得ス
  第四 弁明已ニ畢レハ議員ハ議案ノ総体ニ付可否ノ討論ヲナスベシ
  第五 若シ第一次会ノ総体論ノ終リニ於テ否決スル時ハ、会頭ハ書記ヲシテ其否決セラレタル理由ヲ上申シ、原案ヲ還付スルノ書面ヲ作ラシムベシ、若シ議案ノ主旨ヲ可トスルモ其方法ヲ改メザル可カラズト議決スル時ハ、会頭ハ直ニ衆議員ヲシテ投票ニ由リ議員及ヒ理事委員並ニ書記中ヨリ五名ノ立案委員ヲ選定セシメ、之ヲシテ本会ノ意見議案ヲ作ラシメ、更ニ尋常ノ手続ヲ以テ之ヲ第一次会ニ附セシムベシ
  第六 若シ総体論ノ終リニ於テ議案ノ主旨ヲ可決スル時ハ、会頭ハ本案第二次会ノ期日ヲ報スベシ
    第二次会
  第七 会頭ハ先ツ前会ニ紹介セシ所ノ議案ヲ逐条討議セン事ヲ指揮シ、書記ヲシテ更ニ毎条ニ之ヲ朗読セシメ、而シテ議員ヲシテ適当ノ順序ニ由テ之ヲ討論審議セシメ、其可否ヲ決シテ後次条ニ及ハシムベシ、然レトモ議案ノ性質ニ由リテハ或ハ各条ヲ連絡シ、或ハ一条ヲ数節トシテ討論セシメ、又ハ同一ノ条ニ付キ修正ノ意見ニ数説アル時ハ之ヲ分別シテ各其可否ヲ決スル事ヲ得ベシ
  第八 一議員修正ノ意見ヲ発言シ、他ノ諸員ノ之ヲ賛成スルアレバ会頭ハ之ヲ動議トシ、各議員ヲシテ討論セシメ其可否ヲ問ヘシ
  第九 第二次会ノ終リニ於テ会頭ハ書記ヲシテ修正諸説ノ可決セシ者ヲ輯録セシメ、之ヲ修正案トシテ即チ原案ト共ニ第三次会ノ議案トス
  第十 会頭ハ第二次会ノ終ニ於テ本案第三次会ノ期日ヲ報スベシ
    第三次会
  第十一 第三次会ニ於テ書記議案則チ修正案ヲ朗読シタル後、会
 - 第17巻 p.35 -ページ画像 
頭ハ各条ニ付可否ヲ問フテ之ヲ確定スベシ
  第十二 第三次会ニ於テ第二次会ニ決定セル修正案ヲ廃棄セラルル時ハ、仍ホ原案ニ就テ可否ノ決ヲ取ルベシ
  第十三 第三次会ニ於テ修正意見ヲ出ス事ヲ得ズト雖トモ、若シ已ムヲ得ザルニ出テ修正ノ発言ヲ要スル者アラバ、其要旨ヲ会頭ニ告ゲ其意見ヲ陳述スベシ、但シ此意見ハ五名以上ノ賛成アルニ非ザレバ動議タルヲ得ザルベシ、若シ其説用ヰラレタル時ハ会頭ハ更ニ之ヲ修正案トシテ可否ヲ問ヒ之ヲ確定スベシ
  第十四 毎条朗読ノ後暫クシテ発言ナキ時ハ会頭ハ全会認可ナリトシテ之ヲ報道シ、後条ノ朗読ヲ成サシムベシ
  第十五 第三次会ノ終リニ於テ修正案ヲ可決シタル時ハ、会頭ハ其修正案ヲ原案ト共ニ其筋ニ上申スヘシ
第十七条 会議ノ発言ニ於テ賛成ナキノ説ハ動議トシテ其可否ヲ衆議ニ問フ事ヲ要セザルベシ
第十八条 会議ノ傍聴ヲ許シ新聞紙ニ議事ヲ載スル事ヲ許スト雖トモ会議ノ都合ニ依リテハ会頭之ヲ拒ム事アルベシ
第十九条 議事ノ始終ハ号鐘ヲ以テ報スベシ
第二十条 議事規則並ニ会議順序ヲ改正刪除スルノ建議アル時ハ、会頭之ヲ要用ナリトセバ、全会ニ報知シ尋常ノ手続ヲ以テ之ヲ決議スベシ
第廿一条 凡ソ議案ハ之ヲ印刷シテ各議員ニ分付スヘキヲ以テ、会外ノ議案ハ公私ヲ問ハズ都テ其印刷費ヲ請求スヘシ