デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
1款 東京商法会議所
■綱文

第17巻 p.126-128(DK170014k) ページ画像

明治12年3月11日(1879年)

明治十一年十月以来議員等任意ニ応分ノ金額ヲ醵金シテ会議所財政ノ一部ヲ補塡シ来リシガ、是日米倉一平ノ建案ニ基キ議員ハ必ズ金三百円ヲ限リ毎月金五円宛向フ五年間積立ツルニ決ス。栄一会
 - 第17巻 p.127 -ページ画像 
頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商法会議所要件録 第四号・第四―六丁 明治一二年四月一日刊(DK170014k-0001)
第17巻 p.127-128 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四号・第四―六丁 明治一二年四月一日刊
  第七定式集会 明治十二年三月十一日午後第六時二十分開場
    議員出席スル者  三十一名
    同 欠席スル者  二十六名
    資本金積立ノ建議
四十七番(米倉一平)抑モ昨年十月以来各議員協議ノ上醵金法ヲ起シタルヨリ爾来其額漸ク多キヲ致シ、目下既ニ六百円ニ超過シタリ、是レ各員ノ衷情ニ出デタルモノニシテ大ニ嘉賞スベシト雖トモ、其金額タル五円アリ二円アリテ同議員中斉一ヲ得ザルノ不都合アル而已ナラズ、前途確実ノ基本ヲ立ツルノ方法ニ非ルヲ以テ、玆ニ其則ヲ更メ向五ケ年間各議員毎月五円ノ出金ヲ為シ以テ当会ノ資金ト為サン事ヲ要ス、而シテ本年ニ限リ一月ヨリ十二月ニ至ル一ケ年分ヲ一時ニ出金アラバ目下ノ議員六十名ニシテ則チ三千六百円ヲ得ベキヲ以テ之ヲ銀行ニ委托シ相当ノ利金ヲ得バ、此醵金満五ケ年ニシテ一万八千円ニ達シ更ニ利子若干ヲ増スベキガ故ニ当会ノ資本ヲ確定シ得ベキヲ信ズ、但議員中或ハ事故アリテ退場スル者ハ其積立金ヲ割戻スベキ規則ヲ定メン事ヲ望ム、若シ夫レ如此セバ初メテ当会ヲ永遠ニ維持スルノ目的ヲ達スルヲ得ン、依テ其可否ヲ議場ニ質ス
十一番(福地源一郎)四十七番ノ発議ハ今夕開会前陰ニ開晤セラレタルヲ以テ、已ニ之ヲ三四ノ議員ニ協議シタルニ他モ亦其方法ノ宜キヲ得タルヲ称賛セラレタリ、今若シ議員ヲ百人ト仮定スレバ五ケ年ノ後三万円ノ額ニ達スベキガ故ニ、之ニ一割ノ利子ヲ付スルモノトセバ三千円ヲ得ベシ、然ラバ則チ本年ニ於テ一時ニ之ヲ出金セザルモ会計上ニ決シテテ不都合ヲ生ズルノ患ナカラン
廿二番(渋沢喜作)事故アリテ退場スルトキハ之ヲ割戻スノ規定ナルトキハ或ハ不都合ヲ生ズベシ、抑モ此醵金法ノ起リシ所以ノモノハ目下商務局ヨリ下附セラルヽ所ノ一千円ニシテ不足アルノ議ニ出デタルニ非ヤ、然ルニ今四十七番発議ノ如クセバ自今其出金ヲ増加スルモ五ケ年前ニ於ハ其金額甚ダ僅少ナルヲ以テ逸々除名者ニ之ヲ割戻スガ如キハ宜シキヲ得ザルモノト云フベシ、依テ其年限ニ区別ヲ定メ何年ノ後ハ之ヲ割戻スト云フガ如キ規則ヲ設クルヲ可トス
十一番(福地源一郎)現ニ商務局下附ノ金ニシテ若干ノ裕余アルヲ以テ、明治十二年一月ヨリ更ニ此方法ニ拠テ毎月五円ヲ出金セバ除名者ニ割戻スモ敢テ会計上不都合ヲ生ズルノ憂ナカルベシ、而シテ従来ノ出金ハ各員ノ随意ニ出デタルヲ以テ恰モ是レ冥加金ト云フガ如シト雖、今此新法ヲ以テ当会議員タル者ハ必ズ毎月五円ノ出金ヲ要スルモノト定ムルトキハ、方ニ是レ各自ノ義務ニ属スベキヲ以テ別ニ之ヲ当会規則中ニ追加セザル可ラズ
九番(吉川長兵衛)昨年醵金法ヲ起スノ時ニ当リテハ会計委員タル小生ハ各議員ニ巡回シテ之ヲ商議シタルニ、或ハ一万円ヲ惜マズ之ヲ出サント云者アリ、或ハ一円タモ尚ホ之ヲ拒ム者アリ、各自其情ヲ異ニシ殆ント不都合ヲ極メタルヲ以テ、冀クハ今日此法ヲ改正セラ
 - 第17巻 p.128 -ページ画像 
ルヽニ於テハ其金額並ニ出金法ヲ確定アラン事ヲ望ム
十一番(福地源一郎)抑モ資本ヲ積立ツル所ノモノハ不虞ノ災害ニ預備スルニ在リ、故ニ若シ当会不幸ニシテ天災ニ罹リ焼失或ハ其他ノ事アルトキハ此資本ハ挙テ之ヲ其費用ニ供シ更ニ向フ五ケ年間之ヲ積立テザルベカラズ、是レ其規則中ニ追加セザル可ラザル所以ナリ而シテ此規則ヲ確定スルトキハ、其出金ヲ嫌悪スルモノハ之ヲ除名スルノ外他ナキヲ信ズ
会頭 ○渋沢栄一ハ討議ノ尽クルヲ認メ四十七番発議ノ如ク本年一月ヨリ毎月五円ヲ出金スルノ議、及ビ其出金ヲ欲セザル者ハ之ヲ除名スルノ議ヲ挙テ全会ニ問フニ一同異議ナキヲ以テ之ヲ可決シ、而シテ此追加規則ハ理事本員ノ外更ニ各委員ヨリ一名ヲ出シ、会計委員ト共ニ之ヲ調査編製スベキ旨ヲ各員ニ問フニ亦異議ナキヲ以テ之ヲ可決ス


東京商法会議所要件録 第一〇号・第一二丁 明治一三年一月一九日刊(DK170014k-0002)
第17巻 p.128 ページ画像

東京商法会議所要件録   第一〇号・第一二丁 明治一三年一月一九日刊
 ○参考部 東京商法会議所年報
    議場建議ノ諸項
○上略
資本金積立ノ議
 本議ハ議員米倉一平君ノ発議ニ出ツルモノニシテ、当会ノ維持ヲ大蔵省商務局ノ保護定額金ニ依頼スルハ永遠ノ得策ニ非ザルヲ以テ昨十一年十月ニ於テ当会ハ更ニ醵金法ヲ起シ、各自随意其額ヲ定メ、毎月之ヲ捐出シタリシガ、其醵出ノ金額タル各員均一ナラザルヲ以テ其法亦前途確実ノ基本ト為スニ足ラザルヲ慮リ、同君ハ従来醵金ノ法ヲ廃シ、更ニ当会議員タル者ハ必ズ三百円ヲ限リ五ケ年間毎月金五円ヲ積立ツルヲ規トシ、而シテ此積立金ハ其退場除名スルトキハ仮令ヒ年限中タリト雖モ之ヲ返還スルモノトシ、更ニ此法ヲ以テ規則ヲ更正センコトヲ要シ、之ヲ三月十一日ノ定式集会ニ於テ衆議ニ付シタルニ全会之ニ同シタルヲ以テ、理事本員ノ外更ニ各委員ヨリ一名ヲ出シ、会計委員ト共ニ其規則ヲ編製シテ以テ現行ノ規則ヲ実施スルニ至レリ