デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
1款 東京商法会議所
■綱文

第17巻 p.562-567(DK170043k) ページ画像

明治14年2月9日(1881年)

是日栄一、定式会議ニ於テ議員ヲ百名マデ増募シ併テ定式会議ヲ年四回ニ減ゼンコトヲ提案ス。可決セラル。


■資料

渋沢栄一書翰 梅浦精一宛 (明治一四年)二月三日(DK170043k-0001)
第17巻 p.562 ページ画像

渋沢栄一書翰  梅浦精一宛 (明治一四年)二月三日    (土肥脩策氏所蔵)
拝啓然者小生仙石原行も途中大ニ手間取れ漸昨夜帰京仕候、来ル五日ニ定式会相催し候為メ通達状ハ御差出被下候哉 ○中略 此度之会議ハ理事員改撰期ニも有之候ニ付是非多人数出席を要し度候間其辺も通達仕度と存候
同日之会議ニ於て議事之体裁と議員増加方法と会計予算とを小生建議仕度ニ付、其草案ハ過日御打合之処ニて早々御取調被下度候
〇中略
  二月三日                               渋沢栄一
    梅浦精一様


東京商法会議所要件録 第二二号・第一五―三三頁 明治一四年二月一八日刊(DK170043k-0002)
第17巻 p.562-566 ページ画像

東京商法会議所要件録  第二二号・第一五―三三頁 明治一四年二月一八日刊
  第十九定式会議 明治十四年二月九日午後第七時開場
    議員出席スル者 〇二十七名
○上略
於是会頭渋沢栄一君ハ猶意見アル旨ヲ述ベ、其席ヲ新任第二副会頭大倉喜八郎君ニ譲リ、更ニ議員席ニ就キ改メテ会頭ノ許可ヲ得発言シテ曰ク
 余ガ此ニ一議ヲ発シテ特ニ諸君ノ注意ヲ請フモノハ新議員増募ノ件是ナリ、抑モ此事タル昨年中已ニ諸君ノ議決スル所ナリシト雖トモ未タ其方法如何ヲ定ムルニ至ラサリキ、今会ハ恰モ是レ二月第一之定式会議ニシテ、即チ理事本員並ニ委員改選ノ期ナレバ其方法ヲ議決スルノ好機ナリトス、夫レ議員増募ノ事ニ就キ余ガ考案ヲ以テスレバ先ヅ増募スベキ新議員ノ目安ヲ四十名乃至五十名ト予定シ、更ニ議員中ヨリ数名ノ委員ヲ選挙シテ此ノ増募ノ事ヲ周旋セシメ、而シテ此委員ハ如何ナル商賈ヲ推薦セバ最モ都合宜シカルベキヤヲ能ク実際ニ就テ竅査スルモノトセバ、啻ニ議員ノ増加スル而已ナラズ将来本会ガ商況等ヲ調査スルニ当リテモ其効能実ニ少カラズト信ズ
 - 第17巻 p.563 -ページ画像 
若シ夫レ別ニ委員ヲ撰定スルニ及バズトナラバ或ハ理事本員ヲシテ此増募ノ事ヲ担任セシムルモ可ナラン歟、回顧スルニ昨明治十三年ノ如キハ出席議員寡少ニシテ空シク散会シタル啻ニ一二回ニ止ラズ是ヲ以テ終ニ本会ノ存廃ニ論及スルニ至リタルハ実ニ止ムヲ得ザルニ出デタリキ、然ルニ諸君ハ当時頻リニ本会ノ商業社会ニ必要ナル事ヲ痛論シ、益々之ヲ振起スルノ精神ハ言論ノ上ニ顕ハレ、毎会必ズ出席スベシト盟ハレタルガ爾来猶依然トシテ旧状ニ居ル、之ヲ要スルニ本会振起ノ策ハ能ク之ヲ講ズベクシテ之ヲ施スベカラザルモノヽ如クナレバ、今更ニ此振起ノ一点ニ於テ別ニ良案ナシト云トモ止ムヲ得ズンバ啻議員中組合ノ法ヲ設ケテ之ヲ誘導スルモ亦一法ナランカ、是レハ之レ姑ラク衆説ノ趨ク所ニ付シ、如此議員ノ来会寡クシテ屡次散会スルニ至ルモノハ思フニ亦会議其数多キニ因ルモノシトセズ、夫レ定式会ニ執行スル所ハ議員入会及退会其他会計ノ報告ニ過ギズシテ未ダ必ズシモ毎会緊要ノ議目アルニ非ズ、故ニ今後定式会ハ一ケ年四回ト改メ、其間急遽ヲ要スル議目ノ生ズルアラバ臨時会ヲ招集シテ之ヲ議スル事トシ、而シテ各課委員ノ調査シタル報告書ノ如キハ之ヲ刊行シテ頒布スルモノトセバ仮令ヒ議場ニ演述セザルモ其効ヲ見ルニ足ラン、幸ニ諸君本議ヲ可トシ、定式会数ヲ減ズルモノトセバ毎三ケ月ノ集会ハ従来ノ懇親会ニ類スル集会トナシ、当日ノ事務ハ只理事本委員ヨリノ諸報告ニ止メ敢テ会議ノ鄭重ニ失セザルヲ要ス、諸君之ヲ如何トスルヤ
会頭(大倉喜八郎)曰ク、今渋沢君発議ノ精神ヲ考フルニ昨十三年ノ如キハ毎会出席者寡少ニシテ度々散会ヲ報ジ、漸ク本会萎靡不振ノ形状ヲ呈ハシ、本年モ亦如此ナレバ到底之ヲ振興スルニ難カラン事ヲ憂慮セラルヽニ在ルモノニシテ、其要旨ヲ大別スレバ第一委員ヲ設ケテ議員増募ノ事ヲ担当セシムル事、第二議員組合ヲ設クル事、第三定式会ヲ一年四回ニ減ズル事是ナリ、諸君右三項ニ就キ十分ノ意見ヲ述ベラレヨ
原 ○原六郎曰ク、今渋沢君ノ発議セラルヽ処最モ本会ノ為メ適切ノ問題ト云フベシ、已ニ昨年中本会振起ノ方法ヲ議シタルモ爾来未ダ其効アルヲ見ズ、豈嘆スベキニ非ズヤ、抑モ本会ヲ振起スルノ策会員ヲシテ其実益ヲ知ラシムルニ在リ、而シテ余ガ考案ヲ以テセバ其実益ヲ起スノ道他ナシ、即チ府下各商組合ヨリ委員若クバ総代ノ入会ヲ誘導シ実業者ヲシテ議場ニ其人多カラシメバ、始テ商売上ノ利弊得失ヲ討議スルノ一方ニ向テ議員ノ精神ヲ傾注スルニ至ラン、果シテ如此セバ自ラ本会ノ実益ヲ覚知シ期セズシテ議員タルヲ望ム者漸ク増加スルニ至ラン、例ヘバ昨年中東京府ガ営業税額ヲ定ムルニ際シ之ヲ本会ニ下問セラレタルガ如キ、其議定スル所ハ皆各商ノ頭上ニ痛痒ヲ及ボスベキ緊要ノ調査ナルベシト雖トモ、議員其人ニ乏シキ時ハ確実ノ調査ヲ悉クシ難キノ恐ナシトセズ、是レ余ガ実業者ノ入会ヲ期望スル所以ナリ、且ツ夫レ定式会ヲ一年四回ト定ムルノ説ニ至テ、実際差閊ヲ生ズルノ恐ナクシテ其事務上ニ於テ却テ利便ヲ与フルノ考案ナレバ、余モ亦其之ヲ減ゼン事ヲ望ム
柴崎 ○柴崎守三曰ク、余ノ考フル所ハ大ニ之ニ反ス、抑モ本会議員タル者
 - 第17巻 p.564 -ページ画像 
各其業ヲ異ニシ随テ其常ニ経験スル所モ亦相同ジカラズ、故ニ時々相会シテ互ニ談論セバ其間得ル所少シトセズ、況ヤ定式会タル一月只一回ニ過ギザルオヤ、若シ夫レ不参議員ノ多キガ為メニ之ヲ減ズベシト云ハヾ猶他ニ之ヲ防グベキ道ナキニ非ズ、何ゾヤ本会ハ更ニ不参議員ニ向テ其去就進退ヲ尋問シ、其実出席スル事ヲ好マザルモノハ之ヲ除名シ更ニ新議員ヲ増募スベシ、但シ本会規則第二款ニ拠レバ議員ノ紹介ナキ者ハ入会スル事ヲ得ザルノ制ナリト雖トモ自今此一款ハ之ヲ刪リ、本会ノ名義ヲ以テ之ヲ勧誘スルヲ可ナリトス
米倉 ○米倉一平曰ク、余ハ本会ノ名義ヲ以テ議員ノ入会ヲ誘導スルハ不可ナリトス、宜シク会内組合ヲ設ケテ其㝡寄組合ノ者ヨリ新議員ヲ推薦スルノ法ヲ設クベシ、且ツ世間本会ノ何タルヲ弁ゼザル者多キガ故ニ原君ノ説ノ如ク実業者ヲ誘導シテ之ヲ入会セシムルハ余ガ切望スル所ナリ
松尾 ○松尾儀助曰ク、渋沢君ノ定式会ヲ一年四回ト改ムルノ説並ニ会中組合法ヲ定ムルノ説ハ共ニ余ガ賛成スル所ナリ、而シテ此組合ノ法タル場所ヲ以テ之ヲ団結セズ同業若クハ類似ノ商売ニ応ジテ之ヲ組成スル可ナラン歟
平野 ○平野富二曰ク、今日議員ヲ増募スルニ方リテハ商務局若クハ東京府ノ諭達ニ依ルノ速成ヲ得易キニ若カザルナリ、已ニ前年渋沢君之ヲ発議セラレタリト雖トモ未ダ其実施ヲ見ザルハ余ガ常ニ遺憾トスル所ナリ
渋沢曰ク、今平野君ノ説ク所ニヨレバ余ガ嘗テ議員ノ増加ヲ東京府ノ諭達ニ求メタルガ如シト雖トモ是レ其実ヲ得ザルノ説ノミ、抑モ余ガ府下商業ノ事ヲ建議シタルハ此組合ノ法タル幕府ノ治世ニ在リテハ盛ニ各商ノ間ニ行ハレタリシト雖トモ、維新ノ際此制全ク崩解シタリ、是レ蓋シ旧時組合ノ法タル往々束縛ノ跡アリシヨリ一ニ此弊ヲ匡正センガ為メ当時其便益ノ如何ヲ問フニ遑ナク終ニ之ヲ廃止セラレタルモノナルベシト雖トモ、倩ラ之ヲ実際ニ考査スルニ其組織ノ商業上ニ利便ヲ有スルモノ亦少シトセズ、故ニ当時此組合法ノ実際ニ便利アルヲ詳論シ之レガ再興ヲ望ミ、併テ又如此組合中ヨリ議員ヲ撰抜スル時ハ大ニ好結果ヲ生ズベシト云フニ止リ、敢テ政府ノ力ニ資リテ入会ヲ勧奨スベシト云ニハ議及セザリシナリ、扨テ又目下ノ有様ヲ以テセバ欠席議員常ニ多ク別ニ之ヲ防グノ良法ナケレバ不得已柴崎君ノ不参議員除名ノ議ニ同意スベキ歟、又組合法ノ事タル商業ノ種類ニヨリテ団結スルハ最モ其当ヲ得タルガ如シト雖トモ議員ノ住スル所東西遠隔商議ノ際不便少シトセズ、仍テ本件ハ先ツ場所最寄ヲ以テ団結スルノ法可ナラン歟、且ツ又過刻諸君ノ中実益云々ノ説アリシト雖トモ、本会ノ如キハ其利ヲ目前ニ期スベキ者ニ非ズ、例ヘバ本会ガ政府ニ向テ其意見ノ行ハルヽヲ望ミ、或ハ商業社会ニ向テ商況報告等ノ漸次利益ヲ与ヘン事ヲ期スルガ如キ固ヨリ其分ナリト雖トモ、今日入会シテ明日銭ヲ儲ケルガ如キ目前直接ノ利益ヲ望ムベカラザルハ兼テ諸君ノ熟知セラルヽ所ナリト信ズ、然リ而シテ議員増募ノ事ハ其大本已ニ可決シタレバ今夕中更ニ其手続ヲ熟議セラレン事ヲ望ム
 - 第17巻 p.565 -ページ画像 
後藤 ○後藤庄吉郎曰ク、今本会ヲ振起スルハ議員増募ヨリ良キハナシ、而シテ其手続ハ渋沢君ノ説ノ如ク先ツ委員ヲ設ケ有要ノ商売筋ヲ定メテ之ヲ撰抜セン事ヲ要ス
福地 ○福地源一郎曰、定式会ヲ一年四回ト定メ其他急遽ヲ要スル議事ハ臨時会ニテ執行スベシトノ説ハ全ク渋沢君ト同案ナリ、而シテ余ハ猶他ニ愚考ノ存スルアリ、何ゾヤ理事委員ノ定数ヲ増加スル是ナリ、蓋シ余ガ考案ヲ以テセバ内外二課ノ委員ヲ各十人、運輸船舶事務委員ヲ七人若クバ八人、農工事務委員ヲ各五人ト定メ、而シテ此委員タル者ハ一課以上ヲ兼任スルヲ止メ、臨時調査ヲ要スル事項ハ其事柄ニ随テ主務ノ委員ニ付シテ之ヲ整理セバ各員必ズシモ有要ノ時間ヲ費ヤシテ時々参会スルノ煩労ヲ要セズ、事務ノ進捗大ニ前日ニ倍スベキヲ信ズ、但シ如此事務ノ大半ヲ挙テ委員ノ調査ニ附スル時ハ或ハ専断ノ弊ヲ生ズルノ看ナキニ非ザレトモ、今ヤ此選挙ニ於テ各課其人ヲ得ルモノトセバ豈実際ニ如此不都合ヲ生ズルノ恐アランヤ、又議員増募ニ就キ官ノ諭達ヲ仮ルノ説アリト云トモ、是レ渋沢君ノ云ハルヽガ如ク余モ亦太ダ好マザル所ナリ、只其之ヲ増加スル、各員ノ推薦ニ付シ一人若クバ以上ヲ紹介スルヲ以テ足レリトス、而シテ其推薦スベキ議員ハ一個人ノ性格ヲ以テ之ヲ紹介スルモ或ハ某組合総代ノ性格ヲ以テ之ヲ紹介スルモ決シテ其間ニ妨ナシト思ハル、敢テ諸君ノ高論ニ質ス
木村 ○木村豊次郎曰ク、福地君ノ説甚可ナリ、但シ余ハ目下直チニ委員ヲ増加スルモ其効ナカルベシト思惟ス、何トナレバ現員五十有余ノ議員中能ク商売ニ慣熟スル者果シテ幾人カアル、然ラバ則チ此際委員ヲ増加スルモ余ハ其人ヲ得難カラン事ヲ恐ル、故ニ先ツ議員増募ヲ第一着トシ、実業ニ従事スル者数人ヲ得タル後此委員ヲ増加スル者トセバ其被撰区域ノ広大ナル其人ヲ得ルニ難カラザルヲ信ズ、諸君以テ如何トナス
此説直チニ渋沢・福地其他二三ノ賛成ヲ得タリ
益田 ○益田克徳曰ク、議員増募ノ事タル会計上ニ於テ亦忽ニスベカラザルモノトス、但シ其手続ニ就テハ渋沢君ハ更ニ委員ヲ撰定シテ之ニ任ズベシト云ヘ或ハ各員自己ノ紹介ニ任スベシト云フ、余ハ此両説ヲ折衷シテ一説ヲ述ベン、蓋シ現任理事委員ヲシテ此増募ノ事ヲ担当セシムルヲ以テ最モ可ナリトス、果シテ然ラバ現任理事委員ハ共ニ協議ヲ悉クシ、実際有要ノ商売筋ヨリ之ヲ撰抜スベシ、而カモ猶及バザル所アレバ或ハ之ヲ他ノ議員ニ謀ルモ亦固ヨリ妨ナシトス、諸君ノ意見果シテ如何ン
条野 ○条野伝平曰ク、定式会ヲ一年四回ニ減ズルハ敢テ異存ナシ、而シテ増募ノ事タル別ニ委員ヲ撰定スルヲ要セズ、只銘々ノ紹介ニ任シテ可ナリ、蓋シ渋沢君ノ会内組合ノ説ヲ発セラレタル所以ノモノハ議員ノ欠席ナカラン事ヲ要スルノ精神ニ出デタルモノナレバ、是レ余ニ於テモ大ニ同意スル所ナリ
米倉曰ク、苟クモ本会議員タル者ハ些少ナガラ幾分ノ費金ヲ醵出スルノ契約ナレバ、諸君ガ入会ヲ誘導セラルヽニ当リ此一点ニ於テモ亦少シク注意アラン事ヲ要ス、若シ一タビ入会シタルノ後醵金ノ為メ
 - 第17巻 p.566 -ページ画像 
ニ退会スルガ如キ事アラバ却テ増募セザルニ優ランカ、此事ヤ蕞爾タル小事ニ似タリト云トモ予メ諸君ノ注意ヲ要スルガ為メ敢テ一言ヲ贅ス
丹羽 ○丹羽雄九郎曰ク、是迄欠席ノ諸君ニシテ未ダ必ズシモ退会ヲ望マルヽト云フニ非ズト云トモ、猶此際一応紹介人ヲシテ其存意ヲ問ハシメ若シ向後議員タルヲ好マザルモノアル時ハ之ヲ除名スルトセバ如何ン、此事ヤ既往ノ事ヲ責ムルト云フニ非ズト云トモ、将来議員ヲシテ欠席ナカラシメン事ヲ要スル為ナリ
佐藤礼三曰ク、是迄欠席者多シト云トモ、其醵金ヲ拒マザルヲ見レバ其退会ヲ欲セザル知ルベキナリ、故ニ此等ハ先ツ現員ト見做シ、更ニ凡ソ五十名ヲ目安トナシ之ヲ増募セバ可ナラン歟、且ツ組合法ノ如キハ場所最寄ヲ以テ之ヲ団結スルヲ可ナリトス
益田曰ク、議員中仮令出席セザル者アリト雖トモ、其実大ニ本会ノ為メニ力ヲ竭クス者ナシトセズ、要スルニ出席ノ有無ヲ以テ其人ノ勤惰ヲ判シ、之ヲ退会セシメントスルハ寧ロ急劇ノ処置ニ非ルカ
渋沢曰ク、本会規則中特ニ欠席者ノ処分ヲ明示セズ、故ニ此両説ヲ折衷シ、当会ヨリ直チニ其去就ヲ問ハスシテ懇意ノ向ヨリ其欠席者ニ対シ存意ヲ問フ事トシ、果シテ退会ヲ望ムノ意ナラバ之ヲ除名シ、否レバ其儘ニ据置クモノトセバ最モ穏当ノ処置ナラン歟
於是衆議稍々尽キタルヲ以テ会頭(大倉喜八郎)ハ各条起立ニ問ヒ終ニ左ノ件々ヲ決シタリ
一定式会ハ一年四回ト改メ四季各一回ヅツ相催スベキ事(渋沢君ノ発議)
 一議員ハ現員ヲ合テ百名ニ満ルヲ限リ之ヲ増募スベキ事(渋沢君ノ発議)
 一是迄欠席多キ議員ヘハ其紹介人若クバ其懇意ノ向ヨリ其存意ヲ問ヒ以テ去就ヲ決セシムル事(柴崎君ノ発議)
 一理事委員ノ数ヲ増加シ、調査事項ハ総テ之ヲ委員ノ担任ニ付シ急遽ヲ要スル議事アラバ臨時会ヲ招集シテ之ヲ議スベキ事(福地君ノ発議)
   但シ本議ハ先ツ議員ヲ増募シタル後実行スベキ事(木村君ノ発議)
 一各員ハ銘々一人若クバ以上ノ商賈ヲ紹介シテ之ヲ入会セシムベキ事
次ニ会頭ハ右新議員増募之議決ニ基キ、今夕来会議員ヨリ紹介セン事ヲ予諾シタル新議員ノ姓名ヲ議場ニ報道シタル其数合テ二十八名ニ及ビ、而シテ猶不足ノ分ハ各員ヨリ之ヲ推薦スベキニ決ス ○下略


東京商法会議所要件録 第四一号・第二四―二五頁 明治一五年二月二八日刊(DK170043k-0003)
第17巻 p.566-567 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四一号・第二四―二五頁 明治一五年二月二八日刊
 ○明治十四年東京商法会議所事務報告
    本会規則之変更組織構成上ニ関スル事項 六件
○上略
定式会議ヲ一年四回ト定ムルノ議
 本議ハ二月九日第十九定式会ニ於テ渋沢栄一君ノ発議ニ係ル、而シ
 - 第17巻 p.567 -ページ画像 
テ其要旨ハ従来定式会ニ執行スル所ハ議員入会及ビ退会其他会計ノ報告等ニ過ギスシテ未ダ必ズシモ毎会緊要ノ議目アルニ非ズ、故ニ今後定式会ヲ一ケ年四回ト改メ、其間急議ヲ要スル件アラバ随時臨時会ヲ招集シテ之ヲ議スベシト云フノ意ナリ、乃チ之ヲ衆議ニ付シタルニ満場異議ナク之ヲ可決シタリ
○下略


東京商法会議所要件録 第四一号・第二七―二八頁 明治一五年二月二八日刊(DK170043k-0004)
第17巻 p.567 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四一号・第二七―二八頁 明治一五年二月二八日刊
 ○明治十四年東京商法会議所事務報告
    本会規則之変更組織構成上ニ関スル事項 六件
○上略
議員増募之議
 議員増募ノ事ハ昨年来殆ンド全会ノ可決スル所トナリシガ、二月九日第十九定式会ニ於テ渋沢栄一君ハ其方法ニ付キ、更ニ委員ヲ設ケテ増募ノ事ヲ担当セシムベキカ、若クバ又議員中組合ノ法ヲ設ケ之ヲ誘導スベキカ之ヲ全会ニ間ハレタリシカ、終ニ衆議ノ末議員ハ現員ヲ合テ百名ニ満ツルヲ限リ之ヲ増募スル事トシ、現在ノ議員各一人若クバ以上ノ新議員ヲ入会セシムベシト云フニ決シタリシカ、爾後此決議ニ基キ新議員ノ入会ヲ紹介シテ其承認ラ得タル者議員入会ノ条ニ報スルカ如クナリキ



〔参考〕渋沢栄一書翰 梅浦精一宛 (明治一四年)二月一四日(DK170043k-0005)
第17巻 p.567 ページ画像

渋沢栄一書翰  梅浦精一宛 (明治一四年)二月一四日 (土肥脩策氏所蔵)
要件録一覧返上仕候
書中議員ニ組合相立候説ハ堅く議決せさる様覚居候、御取調可被下候小生引受之議員増募人名ハ此ものニ御遣し可被下候
右申上候 匆々
  二月十四日               渋沢栄一
    梅浦様