デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
1款 東京商法会議所
■綱文

第17巻 p.787-791(DK170059k) ページ画像

明治15年1月16日(1882年)

是日栄一、当会議所会頭トシテ曩ニ大蔵省報告課長ヨリ諮問セラレタル全国地金銀消費量数調査ノ儀ニ就キ答申ス。


■資料

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四(DK170059k-0001)
第17巻 p.787 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四
                   (東京商工会議所所蔵)
乙一〇〇二号《(朱書)》
 一 全国に於て一ケ年間諸工作に消費する金銀の量数は若干なる乎
 一 前条工作に消費の金銀量数を十二年度と十三年度と比較する時は増すべきや或は減ずべき乎、若し増減ありとせば其量数若干なるや
 右は差向き参考之義有之候に付、其会議所に於て御取調又は御論定相成りし事有之候はゞ其量数金銀を区別し承知致度、此段及御問合候也
  明治十四年十一月二日 大蔵省
               報告課長深江権大書記官報告課長之印
    東京商法会議所長 渋沢栄一殿
 追て本文之件未だ御取調又は御論定相成りし事無之候はゞ御見込概数にても宜敷候間承知致度候也


東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四(DK170059k-0002)
第17巻 p.787-788 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四
                  (東京商工会議所所蔵)
過日御問合および置候金銀諸工作ニ消費量数之件未タ御回答無之、然るニ右者兼テ申進置候通差向要用之儀ニ付如何之御都合ニ候哉、至急
 - 第17巻 p.788 -ページ画像 
何分之御答有之度此段及御催促候也
  明治十四年十一月卅日       大蔵省
                      報告課
    東京商法会議御中


東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四(DK170059k-0003)
第17巻 p.788 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四
                   (東京商工会議所所蔵)
(案)
兼テ御諮問有之候地金銀消費額之義ニ付至急何分之回答可差越旨昨日書面ヲ以御申越之趣承知仕候、右ハ過日御諮問有之候際不打措評議仕候処是迄当会議所ニ於テハ右等ニ関シ嘗テ論定仕候書類無之、去迚杜撰之見込ヲ以テ直チニ御答申上候モ或ハ事実ヲ誤リ候恐モ有之候ニ付去月十日委員会議ヲ期シ篤ト調査之手続打合候上精々確実之見込申上度心得ニ御座候処、同日不得已事故有之延会仕候付、猶来十日会議相開候間其節右御諮問之条項篤ト審議ヲ遂ゲ、然ル上ニテ何分之御答可申上手順ニ相定置候間、左様承知被下度此段御回答迄如此御座候也
  十四年十二月一日            東京商法会議所
    大蔵省報告課御中
  即日郵便《(朱書)》ニテ送達ス


東京商法会議所要件録 第三九号・第一―四頁 明治一四年一二月二四日刊(DK170059k-0004)
第17巻 p.788-789 ページ画像

東京商法会議所要件録 第三九号・第一―四頁 明治一四年一二月二四日刊
  第廿三定式会議 明治十四年十二月十日午後四時開場
    議員出席スル者 ○十九名
午後四時議員着席定ル時会頭 ○渋沢栄一ハ各員ニ向ヒ本日ハ兼テ諸君ニ通知シタルガ如ク冬季定式会ヲ開キ、併テ議案ニ示スガ如ク大蔵省統計課長ヨリ下問之件並ニ農商務省商務局長ヨリ下問之件ヲ議スベキ旨ヲ述ヘ且ツ曰ク、第一全国ニ消費スル地金銀量数御下問之義ハ理事本員ニ於テ不打措協議ヲ遂ゲタルニ未ダ其準拠ヲ得ズ、抑モ此件ハ如何ナル手続ニヨラハ之ヲ調査シ得ベキヤ、金銀細工人等ニ就キ実際ノ景況ヲ調査スル時ハ或ハ其概算ヲ得ベキカ、熟々理事本員ノ考フル所ヲ以テセハ到底其実数ヲ得難カラント信ズ、蓋シ昔年ニ在リテハ府下ニ下タ金屋ト称ヒ、専ラ地金銀ヲ購入シ貨幣鋳造ノ為メニ之ヲ売却スル者アリ、自ラ其準拠ヲ得ルニ難カラズト云トモ今ヤ此等ノ専業商ノ存在スル事ナキヲ以テ、其実数ヲ推測スルハ頗ル難事トス、諸君其方法ニ就キ考案アラバ之ヲ陳述セラレタシト
柴崎 ○柴崎守三曰ク、馬喰町ニ笹屋又兵衛ナル者アリ、従来専ラ地金銀ヲ扱ヒ其細工物ヲ府内並ニ地方ニ売却スルヲ業トセリ、其商売ノ区域甚ダ狭少ナリトハ云トモ、今本案御下問之件ノ如キ先ツ此等ノ実業者ニ諮詢スル事トセバ或ハ全況ヲ推測スルヲ得ヘキカ
前橋 ○前橋為三郎曰ク、神田ニ鈴木喜兵衛及徳力ナル者アリ、従来金銀細工ヲ専業トスル者ニシテ共ニ地金銀消費ノ実況ヲ熟知スル者ナレハ、此等ノ両人ヘモ相談シテハ如何ン
丹羽 ○丹羽雄九郎曰ク、近来外国ヘ輸出スル雑貨ニ金箔ヲ付着スルモノ頗ル多ク、此一点ニ於テ消費スル地金銀モ小額ニアラサルヘケレハ、此
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等金箔商人ニモ問合セン事ヲ要ス
右ノ外衆議之末議員中柴崎・前橋両氏ノ見込ニ同意スル者多ク、終ニ本件ハ先ツ以上ノ両氏及外国輸出品ニ関係アル松尾 ○松尾儀助氏ノ紹介ニ依テ実業者ニ詢カリ、追テ其考案ノ次第ニ依リテ調査ニ着手スベシト云フニ決ス


東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四(DK170059k-0005)
第17巻 p.789 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 四
                (東京商工会議所所蔵)
(案)
 乙号        渋沢       《(梅浦)》
兼テ御諮問有之候地金銀消費量数之件、去十日定式会ニ於テ議事ニ相附シ候処、全国ニ渉リ候分ハ実際難行届奉存候ニ付、先以東京府下ニ就テ調査仕候事ニ相決シ、為メニ委員三名ヲ撰ミ目下夫々手配中ニ御座候ニ付、追テ調成之上ハ何分之義上申可仕候間左様ニハ御座候得共何分其区域広大ニシテ其準拠難相定義ニ御座候得バ、完全之結果ハ予期仕兼候間其旨兼テ承知置被下度此段不取敢上申仕候也
                      東京商法会議所
    大蔵省統計課御中
  ○本文書ノ上申ハ明治十四年十二月十三日ト推定サル。


東京商法会議所要件録 第四〇号・第一―二頁 明治一五年一月二四日刊(DK170059k-0006)
第17巻 p.789 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四〇号・第一―二頁 明治一五年一月二四日刊
  第六委員総会 明治十五年一月十日午後六時二十分開
    ○大蔵省報告課長ヨリ下問ニ係ル地金銀消費量数調査之件
渋沢君ハ各員ニ向ヒ兼テ昨年十一月二日御下問アリタル全国地金銀消費高調査之件ハ、去十二月
十日ノ定式会ニ於テ衆議ニ付シタルニ全国ノ調査ハ迚モ為シ能ハザルヲ以テ、先ヅ差向キ東京府下丈ニ就テ調査スベシト云フニ決シ、議員中松尾・柴崎・前橋ノ三氏ヲ其委員ニ推薦シタルニ、其後右三氏ヨリ夫々調査ノ結果ヲ報セラレタリシガ熟々之ヲ対照スルニ彼此互ニ消費ノ数量ヲ同フセズ、左レバ此件ハ猶一応本会ヨリ直チニ鈴木喜兵衛及笹屋又兵衛等ノ実業者ニ問合ハセ、其上ニテ以上三氏ノ報告ヲモ参照シ其概数丈ニテモ上申致シ、且ツ第一銀行ニ於テ東京並ニ大阪ニ於テ去明治十三四両年古金銀ヲ引換ヒ改鋳ノ為メ造幣局ヘ差出シタル実量ヲ調査シタルモノアリ、是蓋シ此御下問ニ対シテ適切ナル答案ト云フニ非ズト云トモ、参考ノ為メ併テ上呈シテハ如何ト述ヘラレタルニ、各員共ニ異議ナク終ニ其草案ハ理事本員ニ於テ調成シ之ヲ統計課ヘ上申スルニ決ス
  ○本会ニ出席セル議員ハ渋沢栄一・大倉喜八郎・丹羽雄九郎・益田克徳・野中万輔・吉川長兵衛ノ六名ナリ。


東京商法会議所要件録 第四一号・第一一―一二頁 明治一五年 月二八日刊(DK170059k-0007)
第17巻 p.789-790 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四一号・第一一―一二頁 明治一五年 月二八日刊
  ○明治十四年東京商法会議所事務報告
    政府ヨリ下問  五件
○上略
○全国地金銀消費量数ニ付大蔵省報告課長ヨリ御下問
 - 第17巻 p.790 -ページ画像 
 本件ハ十一月二日大蔵省報告課長深江順揚殿ヨリ御下問ニ係ル、而シテ其趣意ハ全国ニ於テ一ケ年工作上ニ消費スル地金銀ノ量数、並ニ十二年度ト十三年度ト其量数増減ノ割合ヲ求メラルヽニ在リ、乃チ十二月十日第二十三定式会議ニ於テ之ヲ衆議ニ附シ其手続ヲ審議シタルニ、全国ニ渉リ地金銀消費ノ数量調査ヲ求ムルガ如キハ到底本会ノ得テ能スベキノ業ニアラザルヲ以テ、先ツ東京府下ノミニ就キ之ヲ調査シ、其参考ニ供スベシト云フニ決シ、衆議ノ末調査委員トシテ松尾儀助・柴崎守三・前橋為三郎ノ三氏ヲ推薦セシガ、時恰モ歳末ニ属シ余日ナキヲ以テ右三氏ノ報告ハ本年中ニ之ヲ見ルヲ得ザリキ、但シ本件ハ追テ右三氏ノ報告ヲ待テ彼此照査シ其概筭ニテモ之ヲ荅申スルノ見込ナリ


東京商法会議所要件録 第四二号・第七五―七九頁 明治一五年六月三日(DK170059k-0008)
第17巻 p.790-791 ページ画像

東京商法会議所要件録  第四二号・第七五―七九頁 明治一五年六月三日
 ○参考部
第二号  ○地金銀消費高御下問之儀ニ付大蔵省統計課ヘ荅申書(以下両件ハ嘗テ衆議ヲ経テ其筋ヘ上申シタルモノニ係ル今参考ノ為此ニ附載ス)
昨年十一月二日付ヲ以テ全国地金銀消費量数御諮問之件ニ就キ去月十三日先以上申仕置候通リ何分全国ニ渉リ候分ハ調査難行届候付、先ツ東京府下ニ就テ調査仕候事ニ相決シ委員三名ヲ撰定シ、爾来夫々実業者ニ就キ調査為致候処、抑モ御維新以前ニ至リテハ地金商ニ組合之制モ有之候得共、現今右制全ク廃絶シ何人ヲ問ハス其売買ニ利アリト認ムル時ハ随意之ヲ買集シ、地金商ニ売却シ、或ハ古蒔絵ノ金箔ヲ剥脱シテ更ニ地金ニ吹直シ候者府下ニ其数頗ル多ク、迚モ其実数難取調、不得止バ府下箔商・粉商・飾職・烟管職・蒔絵職等数百人ニ就キ各其毎年之消費高ヲ取調統計仕候外有之間敷旨見込申出候者モ有之候得共元来以上数職之如キハ御承知被為在候通リ何レモ組合ノ制無之、迚モ調査之途難相立義ニ付無拠府下下金屋・金粉屋・金箔屋其外小道具屋袋物屋等重立チタル実業者ニ就キ、其売上高並ニ仕入高等ヲ取調猶委員之見込ヲモ参酌シ統計仕候処、地金消費之分凡ソ別紙甲号之通ニ御座候間即上呈仕候、尤モ右ハ概算ニシテ統計上確実ノ御資料ト可相成義ハ万保証仕兼候得共、大抵右ノ如クニテ先ツ甚シキ違算無之見込ニ御座候、又地銀之義モ併テ調査仕候得共、何分確ト見込難相立、但シ実業者ノ云フ所ニ拠レハ地銀ノ分ハ之ヲ地金ニ対スルニ其消費価額凡ソ二ト四ノ割合ニ可有之見込ニ御座候、次ニ十二年度ト十三年度ト其増減御下問ノ儀ニ就キ取調候処、右ハ御維新以前ノ有様ヲ以テ今日ニ比スレバ其割合ハ殆ント一ト二ニシテ、実際著シキ増減可有之見込ニ御座候得共、纔カニ両年度丈ノ比較ニテハ増減之目安難相立趣ニ御座候、且ツ本会ニ於テ明治十三・十四両年間京坂両地ニ於テ改鋳ノ為メ造幣局ヘ差出候古金銀引換高ヲ取調候処、大数別紙乙号之通ニ有之、右ハ本条御諮問ニ対スル荅案ト申スニハ無御座候得共、亦幾分之因縁モ有之候者ト奉存候間御参考迄併テ上呈仕候、先ツハ前条調査之結果荅申仕度如此御座候也
                 東京商法会議所会頭
 - 第17巻 p.791 -ページ画像 
  明治十五年一月十六日          渋沢栄一
  大蔵省
    報告課長深江権大書記官殿
甲号
    明治十四年一ケ年間東京府下地金消費価額概算
一金拾五万円     東京府下下金商弐十軒惣売上高見積リ
一同七千六百円    同 金粉屋製造地金仕入高見積リ
一同弐万四千円    同 金箔屋製造地金仕入高見積リ
一同拾万円      同 小道具屋袋物屋製造地金仕入高見積リ
合計金二十八万千六百円
乙号
    明治十三・十四両年間京阪両地ニ於テ古金銀引換高

図表を画像で表示--

       東京            大坂            合計             円             円             円 十三年  一九五、二〇四・九〇七   二九五、五八一・七二七   四九〇、七八六・六三四 十四年   八九、二五一・七七四   一四一、一〇三・九四四   二三〇、三五五・七一八 計    二八四、四五六・六八一   四三六、六八五・六七一   七二一、一四二・三五二 




東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五(DK170059k-0009)
第17巻 p.791 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五
                  (東京商工会議所所蔵)
    記
全国地金銀消費量数諮問之件ニ付答申書  壱括
 右領収候也
  明治十五年一月十六日       報告課


東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五(DK170059k-0010)
第17巻 p.791 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五
                  (東京商工会議所所蔵)
乙第一七四号《(朱書)》
諸工作ニ消費金銀量数兼而及御問訊置候処、十四年一ケ年間東京府下地金消費価額概算等御調査之上縷々御答弁之趣了承彼是御手数ヲ労シ候段致万謝候、委員諸氏江も宜御申通有之度候也
  明治十五年一月十九日     報告課長
                   神鞭大蔵省書記官
  東京商法会議所会頭
    渋沢栄一殿
   追而本文之件調査ニ係ル費用有之候ハヽ下付可及候間有無共御申出相成度候也