デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
1款 東京商法会議所
■綱文

第17巻 p.830-832(DK170064k) ページ画像

明治15年10月18日(1882年)

是日栄一、当会議所会頭トシテ農商務省商務局長南保ヨリ諮問セラレタル米穀量方ノ慣習ニ付同局長ニ復申ス。


■資料

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五(DK170064k-0001)
第17巻 p.830-831 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五
                  (東京商工会議所所蔵)
雑第弐百四十七号《(朱書)》
米穀量方之慣習ニ付別紙之廉々共商法会議所ヘ及諮問候条調査ヲ遂ケ至急御回答有之度別紙添此段申進候也
  明治十五年九月廿八日        南商務局長
  東京商法会議所会頭
    渋沢栄一殿
(別紙)
    米穀量方ノ慣習問目
 - 第17巻 p.831 -ページ画像 
一 米穀ヲ量ルニ升枡及斗枡用ヒ方ノ慣習如何
   例ヘハ升枡ヲ用ユルハ壱斗以下ニ止マルヤ、或ハ壱斗以上ニモ上ルヤ、又ハ壱斗以上若クハ壱石以上ニハ必ラス斗枡ヲ用ユルヤ
一 一時ニ数拾俵乃至数百俵ノ米穀ヲ取引スルトキハ、其ノ中若干俵(例ヘハ取引高五拾俵ナレハ五俵、弐百俵ナレハ弐拾俵)ヲ量リテ平均ヲ取ル事ナラン、此場合ニ於テハ升枡ヲ用ルヤ、又ハ斗枡ヲ用ルヤ、従来ノ慣習如何
一 米穀量方ノ慣習ニ矯正ヲ要スル点アリヤ


東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五(DK170064k-0002)
第17巻 p.831-832 ページ画像

東京商法会議所官衙諸達並上申書綴 五
                  (東京商工会議所所蔵)
(案)           栄一 《(萩原)》
去月廿八日付ヲ以テ御諮問相成候米穀量方之慣習等其後不取敢実業者ニ就テ篤ト遂調査候処、別紙答案書之通御座候間此段上申仕候也
                  東京商法会議所会頭
  明治十五年十月十八日          渋沢栄一
  商務局長
    南保殿
(別紙)
    第一問目ニ対スル答
深川蔵所一般ノ慣習ニ拠レハ、米壱斗以上ハ「斗枡」壱斗以下ハ「壱升枡」壱升以下ハ「壱合枡」ヲ用ヰ、尚合以下ハ概ネ五捨六入ノ法ヲ用ユルヲ常トス、而シテ市中ノ卸売米商ヨリ小売米商等ヘ係ル取引ニハ壱斗以上ト云トモ「壱升枡」ヲ用ユルヲ例トス
    第二問目ニ対スル答
一口ニ数拾俵乃至数百俵ノ米穀ヲ取引スル時ハ百俵以下ハ大凡其十分ノ二ヨリ三迄、百俵以上大約五百俵迄ハ其十分ノ一ヨリ二迄ノ俵数ヲ当籤法ニテ戸外ヘ取出シ、尚此中ヨリ特ニ不平均ナル俵ヲ除キ去リ、其残ル所ノ稍均一ナルモノヽ中ヨリ更ニ又当籤法ヲ用テ元高弐百俵以下ノモノハ三俵、弐百俵以上五百俵迄ハ六俵、五百俵以上ハ何俵ニテモ九俵ヲ抜キ取リ、之ヲ廻ハシ俵ト定メ、其俵中ノ米ヲ量リテ全数ノ平均ヲ得ルノ慣習ナリトス、但シ此場合ニ於テ枡ノ用方ハ前条ニ示ス所ニ同シトス
    第三問目ニ対スル答
米穀量リ方ノ慣習ニ矯正ヲ要スル件ハ左ノ二項アリ
第一米ノ量方ニ矯正ヲ要スル事
 前項ニ示ス所ノ枡ノ用方ハ只東京ノ慣習ニシテ固ヨリ全国各地其用方ヲ同フセザルモノアリ、例ヘバ大阪・兵庫・馬関・四日市・新潟ニ於テハ一斗以上ノ米ト云トモ概ネ一升枡ヲ以テ之ヲ量ルヲ常トシ石巻ハ一斗以上五升枡櫓天廻シヲ用ヰ、桑名ハ一斗以上斗枡櫓天廻シヲ用ユルガ如シ(一升枡ニテ量リタル米ヲ更ニ一斗枡ヲ以テ改量スル時ハ、大凡元量百分ノ二ヲ減シ、又枡ノ中ヘ米ヲ入ルヽニ箕ヲ用ヒタルモノヲ、更ニ櫓台ヲ用ヰテ之ヲ入レタルモノニ比較スル時
 - 第17巻 p.832 -ページ画像 
ハ、是又元量百分ノ三ヨリ四迄ヲ減スルモノナリ、如斯各地各々其量方ヲ異ニスルヲ以テ、甲乙地ノ米価ヲ比較スルニ当リ、先ツ其量方ノ如何ヲ計考セザレハ以テ其実算ヲ得難ク、其不便知ルベキナリ故ニ一斗以上ノ米ヲ量ルニハ必ス一斗枡ヲ用ヰ、其以下ハ必ス一升枡ヲ用ユルト云フガ如キ、各地ノ量方ヲ一定ニセン事ヲ要ス
第二 米ノ盛方ニ矯正ヲ要スル事
 前項ニ示スカ如ク斗枡ニ中ヘ米ヲ入ルヽニ箕ヲ用ヰタルモノト、櫓台ヲ用ヰタルモノトニヨリ其実量ヲ同フセズ、且ツ箕ヲ用ユルハ人手ニ依ルヲ以テ其巧拙ニヨリ均一ナラザルノ憂アリ、故ニ各地一般人手ニ依ラザル櫓台ヲ用ユル事トシ、可成其実量ヲ均一ニセン事ヲ要ス