デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
2款 東京商工会
■綱文

第18巻 p.74-76(DK180006k) ページ画像

明治16年12月19日(1883年)

是ヨリ先、松盛豊四郎外三名青森商法会議所ノ設立ヲ企図シ、東京商法会議所及ビ当会ノ規則書ヲ栄一ニ求ム。是日栄一当会会頭トシテ右書類ヲ送付シテ其設立ヲ激励ス。


■資料

東京商工会々外諸向往復文書 第一号(DK180006k-0001)
第18巻 p.74-75 ページ画像

東京商工会々外諸向往復文書 第一号
                   (東京商工会議所所蔵)
拝啓          十八日入《(別筆)》 栄一
未得貴意候得共御高名は兼テ拝承仕居候、先以時下益御多祥御盛大之条奉恐賀候、陳は今般当地有志之者共同致シ商法会議所様之もの相設
 - 第18巻 p.75 -ページ画像 
申度目今計画中ニ御座候得共、不案内之者共ノミニテ相纏リ兼候ニ付唐突ノ願様ニテ甚恐縮之至ニ不堪候得共貴家之御教諭ニ奉預度候間、兼テ御監督被成居候東京商法会議所規則及商工会規則差定書共拝見被仰付度、左候得は右御規則ニ基キ都鄙ノ差別土地之習慣等斟酌ヲ加ヘ組織致シ商況振起ノ一端相開申度候間、何卒御許容之程奉希上候、当地商人は是迄兎角旧慣ニ拘泥シ、進取ノ気質ニ乏シク商況姑息ノ姿ニテ誠ニ慨歎ニ堪兼候ニ付、今般微力ノ私共不肖其責ニ当リ兼候得共卒先右ノ弊ヲ一洗仕度心得ニ御座候間、区々ノ微衷御憫察ノ上何分御教悔ノ程幾重ニモ奉願候、当地商況等ハ追々御会所ニ宛報道致シ聊御参考ニ可供積ニ御座候、先ハ右御願申上度怱々如斯ニ御座候 敬具
  十二月十日            陸奥青森港
                      長谷川四郎次
                      加藤市郎
                      北畠貞吉
              青森大町七番地 松森豊四郎
    渋沢栄一様
       御左右
追啓 本文ノ御願突然貴家ヘ向ケ出状仕候も如何敷次第ニ御座候得共御会所御設置ノ町名存不申不得止貴家ヲ煩ハシ候義ニ付、不悪御承引被成下度候
当地物産ハ概略穀類ニシテ就中其重ナルモノハ米ニ御座候処、目下米価非常下落之為不景気申斗無御座候、困却仕居候
    玄米四斗入  壱円廿五銭
   貸借
    利子通常   弐歩五厘より三歩迄


東京商工会々外諸向往復文書 第一号(DK180006k-0002)
第18巻 p.75-76 ページ画像

東京商工会々外諸向往復文書 第一号
                   (東京商工会議所所蔵)
    青森港松盛豊四郎外三名ヘ御回答案
 (用紙中奉書)        栄一     《(萩原)》
本月十日附華翰昨日相達シ忝拝読仕候、未得貴意候得共時下愈御清栄被為渉奉拝賀候、陳ハ今般貴地有志諸君御共同ニテ商法会議所御創設相成候ニ付、御参考ノ為メ東京商法会議所規則其外御覧相成度旨云々御申越シ趣承知仕候、即チ旧東京商法会議所規則東京商工会規程外ニ府知事ノ演説書トモ合テ三冊御送致申上候間御落手被下度候、扨商人ノ兎角旧慣ニ拘泥シ進取ノ気質ニ乏シキ事ハ独リ貴地ノミニ止ラス何方モ同様ニ御座候ヘバ、此際商業ヲ発達致候ニハ只ニ有志者先導ノ力ヲ仮リ候ヨリ外ニ手段無之、就テハ此度御計画ニ付各位ノ御責任ハ実ニ重大ト奉存候、何卒追テ商法会議所御設立ノ上ハ御互ニ通信相開キ諸報告類ヲ交換シ、商工業全般之利益ヲ進捗仕度切ニ希望罷在候、先ハ此段拝報旁得貴意候 草々頓首
  明治十六年十二月十九日      東京
                     渋沢栄一
   青森港
    松盛豊四郎様
 - 第18巻 p.76 -ページ画像 
    北畠貞吉様
    加藤市郎様
    長谷川四郎次様
尚々東京商工会之義ハ府下京橋区木挽町十丁目十三番地ニ相設置候間自今本文ニ関スル一般之通信ハ直チニ同所ヘ向ケ御差立被下度候、御地米相場並ニ金利ノ割合御示被下難有奉存候、追テ東京商工会ニ於テモ商況報告発兌致候見込ニ付、其節ハ時々御郵送可申上候、此段添テ得貴意候 以上