デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
2款 東京商工会
■綱文

第18巻 p.432-436(DK180037k) ページ画像

明治18年11月14日(1885年)

是日栄一、当会会頭トシテ東京府知事芳川顕正ヨリノ諮問ニ答ヘ、東京ヲ経過スル輸出入品ニ関スル調査復申書ヲ東京府知事渡辺洪基ニ進達ス。


■資料

東京商工会議事要件録 第一〇号・第三〇―三四頁 明治一八年五月六日刊(DK180037k-0001)
第18巻 p.432-433 ページ画像

東京商工会議事要件録  第一〇号・第三〇―三四頁 明治一八年五月六日刊
  第九臨時会  (明治十八年四月十一日午後六時三十分開会)
    会員出席スル者 ○五十五名
○上略
会長(渋沢栄一)ハ是ヨリ第四号議案即チ輸出入品ノ義ニ付東京府ヨリノ諮問案ヲ議スベキ旨ヲ告ゲ書記ヲシテ議案ヲ朗読セシム@即チ左ノ如シ
    ○東京ヲ経過スル輸出入品ノ義ニ付東京府ヨリノ諮問
                    東京商工会
向キニ横浜開港以来海外ヨリ輸入スル処ノ貨物中、他ノ地方ニ再ビ運出スベキ者ト雖トモ一旦本府ニ入リ其運出スベキ地方ノ状況ニ応ジ夫レ々々荷作リヲ仕直シ而シテ后チ運出スルモノ其多分ヲ占メ、横浜ヨリ直接ニ運搬スル者甚ダ少ク横浜ハ仲買ノ地位ニ立チ東京ハ常ニ問屋ノ地位ニ在リト聞ケリ、果シテ然ラバ其一旦東京ヲ経過スル者ノ比例ハ幾何ナルヤ、且ツヤ東北其他ノ地方ヨリ横浜港ヲ経テ海外ニ輸出スル貨物モ東京商人ノ手ヲ経ルヤ、果シテ然ラバ其ノ割合幾何ナルヤ、自ラ其会ノ所見アル可シ、至急調査ヲ遂ケ具申可致、此旨相達候事
  明治十八年三月廿六日
              東京府知事 芳川顕正
五十九番(益田孝)曰ク、本案中東京商人ノ手ヲ経ルヤ云々トァリ、抑モ此ノ手ヲ経ルトハ其商品ノ必ズ東京ヲ経過スル場合ノミヲ謂フカ、将タ東京商人ガ産地ニ於テ商品ヲ買入レ東京ヲ経過セズシテ直チニ横浜ヘ運出スルガ如キ場合ヲモ含ムカ如何
番外(関口良礼)曰ク、此ノ手ヲ経ルトハ其商品ノ必ズ東京ヲ経過スル場合ノミヲ謂フナリ
二十番(大倉喜八郎)曰ク、例ヘバ横浜ヨリ生金巾ヲ東京ヘ輸入シ之ヲ染製シタル上、更ニ他ノ地方ヘ輸出スルガ如キ場合ハ東京ヲ経過スルト云フヤ
番外(関口良礼)曰ク、否ラズ、東京ヲ経過スルトハ例ヘバ横浜ヨリ生金巾ヲ東京ヘ輸入シ、荷造ヲ仕直シテ更ニ之ヲ他地方ヘ輸出スルガ如キ場合ヲ云フナリ
五十九番(益田孝)曰ク、抑モ本案ハ如何ナル御趣意ヲ以テ発セラレタルモノナルカ、其辺ヲ伺フ事ヲ得バ調査上大ニ好都合ナルベシト思考ス
番外(関口良礼)曰ク、文面外ニ渉ル事項ハ何分説明シ難シ
会長(渋沢栄一)曰ク、今熟々本案ノ御趣意ヲ推測スルニ蓋シ横浜ノ
 - 第18巻 p.433 -ページ画像 
東京ニ対スル商売上ノ関係ヲ詳知セラレ度トノ精神ナルガ如シ、而シテ猶一層立入リテ之ヲ推測スルニ目下其筋ニ於テ専ラ東京湾ノ築港ヲ企図セラルヽ趣ナレバ、或ハ其参考ノ為メ此調査ヲ要セラルヽモノナランカトモ思ハルヽナリ
右ノ外猶多少ノ問答アリシガ遂ニ先ヅ委員ヲ撰ミ追テ本案発付ノ御趣意ヲモ充分ニ伺フタル上ニテ調査ニ着手スベキニ決シ、猶衆議ノ上会長ハ左ノ七名ヲ委員ニ指名シタリ
             二十番    大倉喜八郎
             二十五番   丹羽雄九郎
             三十七番   薩摩治兵衛
             三十九番   坂本彦平
             四十三番   梅浦精一
             六十二番   前川太郎兵衛
             七十四番   鳥海清左衛門


東京商工会議事要件録 第一五号・第四一―四三頁 明治一八年九月五日刊(DK180037k-0002)
第18巻 p.433 ページ画像

東京商工会議事要件録  第一五号・第四一―四三頁 明治一八年九月五日刊

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 第十四臨時会          (明治十八年八月十四日午後六時四十五分開会) 第七定式会 



    会員出席スル者 ○三十三名
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ是ヨリ定式会ヲ開クベキ旨ヲ告ゲ本年一月ヨリ六月迄半季間事務ノ成跡ヲ報告ス、即チ左ノ如シ
  自明治十八年一月至同年六月 半季間事務ノ報告
○中略
    政府ヨリノ下問   三件
○輸出入品ノ東京ヲ経過スル割合ニ付東京府知事ヨリノ下問
  本件ハ明治十八年三月廿六日附ヲ以テ芳川東京府知事閣下ヨリノ御諮問ニ係リ、其要旨ハ横浜ヲ出入スル外国輸出入品ノ中其東京ヲ経過スルモノ、割合如何ント云フニ在リ、即チ同年四月十一日第九臨時会ニ於テ之ヲ審議シタルニ、先ヅ委員ヲ撰ミ之ヲ調査セシムベシト云フニ決シタルニ付、会長ハ左ノ七名ノ委員ヲ指名シタリ
             二十番    大倉喜八郎
             二十五番   丹羽雄九郎
             三十七番   薩摩治兵衛
             三十九番   坂本彦平
             四十三番   梅浦精一
             六十二番   前川太郎兵衛
             七十四番   鳥海清左衛門
  此等ノ委員ハ同月廿二日集会ヲ開テ調査ノ手続ヲ議シ爾来其調査ニ着手シタルガ、今日ニ至ル迄既ニ大略ヲ完成シタリト雖トモ未ダ全会ノ決議ヲ得ルノ運ビニ至ラザルニ付、其顛末ハ実ニ次季ヲ待テ之ヲ報告スベシ
○下略
 - 第18巻 p.434 -ページ画像 


東京商工会議事要件録 第一六号・第五六―六二頁 明治一八年一二月刊(DK180037k-0003)
第18巻 p.434-435 ページ画像

東京商工会議事要件録  第一六号・第五六―六二頁 明治一八年一二月刊
 ○参考部
    ○(外国輸出入品ノ東京ヲ経過スル割合如何ニ付東京府ヘ復申書)
去三月廿六日附ヲ以テ御諮問有之候各輸出入品ノ東京ヲ経過スル割合如何ニ就テハ其後篤ト審議ヲ遂ゲ候処、今ヨリ数年前ニ遡ホリ之ヲ調査仕候義ハ何分繁雑ノ手数ヲ要シ容易ニ其成功ヲ期シ難ク奉存候ニ付先以主税局ノ編纂ニ係ル外国貿易年表ニヨリ明治十五年ヨリ同十七年迄三ケ年間横浜ヲ経過シタル各輸出入品ノ中、其三ケ年元価合計金五万円以上ニ達スルモノ即チ輸出品合三十三種、輸入品合四十一種ヲ採拾シ、其元価ヲ本高ト定メ各当業者ヲシテ此元価中ニ就キ其割合ヲ調査為致候処、其結果ハ別表ノ通リニシテ即チ此三ケ年間輸出品三十三種ノ元価ハ合計金七千弐百〇弐万四千〇七拾壱円ニシテ、此内東京ヲ経テ横浜ヘ積出シタル高ハ六割八分(元価金四千八百六拾七万八千〇六拾四円)東京ヲ経ズシテ各地ヨリ直チニ横浜ヘ積出シタル高ハ三割二分(元価金弐千三百三拾四万六千〇〇七円)ニ有之、又此三ケ年間輸入品四十一種ノ元価ハ合計五千三百四拾壱万七千弐百八拾壱円ニシテ、此内横浜ヨリ直チニ各地ヘ積出シタル高ハ三割(元価金壱千六百弐拾万〇弐千八百弐拾四円)横浜ヨリ東京ヘ積出シタル高ハ七割(元価金三千七百弐拾壱万四千四百五拾七円)ニ有之候、猶別表ニハ各品種ニ就キ逸々其割合ヲ記載致シ置キ候ニ付委細ノ義ハ右ニテ御了知被下度候、依テ別表相添此段復申仕候也
  明治十八年十一月十四日       東京商工会々頭
                      渋沢栄一
    東京府知事 渡辺洪基殿
(別紙)
    凡例
一本表ハ主税局ノ編纂ニ係ル外国貿易年表ニ就キ明治十五年ヨリ同十七年迄三ケ年間横浜ヲ経過シタル各輸出入品中其三ケ年ノ元価合計金五万円以上ニ達スルモノヲ採録シテ之ヲ本高ト定メ、更ニ各当業者ヲシテ此元価ノ中ニ就キ其割合ヲ調査セシメタルモノナリ、而シテ其割合ハ統計上実数ノ拠ルベキモノハ之ニ拠リテ算出シ、否ラサルモノハ当業者ノ胸算ニヨリテ之ヲ考定セシモノトス
一本表ニ掲グル処ノ元価ハ総テ外国貿易年表ニ示ス処ニ従テ之ヲ調査セシニ付、其他港ヲ経テ更ニ同港ニ輸入スルモノ、及一旦同港ヘ積送リタルモ更ニ他港ヲ経テ輸出スルモノヽ如キハ固ヨリ此中ニ算入セザルモノトス
一牛酪・乳膏及乳粉・穀物及種子類及滊船ノ輸入元価、並ニ石炭ノ輸出入元価ハ共ニ金五万円以上ニ達スレトモ此五種ハ其割合ヲ調査シ難キニ付之ヲ省ク
一本表輸出ノ部ニ洋紙ト掲載セシハ和製洋紙ニシテ多クハ印刷局ノ製造ニ係ルモノナリ
一輸出品中東京ヲ経タルモノト各地ヨリ直チニ横浜ニ積出シタルモノ
 - 第18巻 p.435 -ページ画像 
トノ割合ハ朱字ヲ以テ各品毎ニ之ヲ記入セリ、又輸入品中横浜ヨリ直チニ各地ヘ積出シタルモノト一旦東京ヘ積送リ再ヒ各地ヘ積出シタルモノトハ悉ク其内訳ヲ明記シ、而シテ輸出入品トモ其合計ニ拠リテ平均ヲ算出セシモノナリ
一本表ニ掲グル所ノ元価ハ蓋シ主税局ニ於テ各当業者ガ税関ニ届出ヅル処ノ書面ニ拠リテ統計セラレタルモノナレバ其種類ニ拠リテハ実地ノ元価ト一致セザルモノ少カラザルベシ、然リト雖トモ其差違ニ至リテハ全ク之ヲ確査スルノ道ナキガ故ニ暫ラク之ヲ実地ノ元価ト看做シ敢テ推測ノ考案ヲ附セズ
  (表中各輸出入品元価ノ内訳ハ頗ル煩蕪ニ付之ヲ略シ玆ニハ只其総計ノミヲ掲グ)
      ○輸入品

図表を画像で表示輸入品

 品名        年次  輸入総高       横浜ヨリ各地ヘ積出高      横浜ヨリ東京ヘ積出高 四十一種元価ノ合計                割合   価          割合  合計          府外輸出       府下消費                        円 割分          円   割分           円          円          円           十五年 一八、八五〇、八五二 ・三三  六、二〇〇、九八一  ・六七 一二、六四九、八七一  六、二八四、三九一  六、三六五、四八〇           十六年 一七、七二六、五三六 ・三〇  五、二九三、九七二  ・七〇 一二、四三二、五六四  六、三三一、三八六  六、一〇一、一七八           十七年 一六、八三九、八九三 ・二八  四、七〇七、八七一  ・七二 一二、一三二、〇二二  六、二七五、九四〇  五、八五六、〇八二           合計  五三、四一七、二八一 ・三〇 一六、二〇二、八二四  ・七〇 三七、二一四、四五七 一八、八九一、七一七 一八、三二二、七四〇 




      ○輸出品

図表を画像で表示輸出品

 品名         年次   輸入総高        東京ヲ経テ横浜ヘ積出シタル高   各地ヨリ直チニ横浜ヘ積出シタル高 三十三種ノ元価ノ合計                  割合   価           割合   価                          円  割分            円  割分            円            十五年  二六、二四九、四六九  ・六八  一七、七四二、三二〇  ・三二   八、五七〇、一四九            十六年  二五、一八八、七四三  ・六九  一七、四一一、四六三  ・三一   七、七七七、二八〇            十七年  二〇、五八五、八五九  ・六六  一三、五二四、二八一  ・三四   七、〇六一、五七八            合計   七二、〇二四、〇七一  ・六八  四八、六七八、〇六四  ・三二  二三、三四六、〇〇七 





東京商工会議事要件録 第一七号・第二一―二二頁 明治一九年三月二〇日刊(DK180037k-0004)
第18巻 p.435-436 ページ画像

東京商工会議事要件録  第一七号・第二一―二二頁 明治一九年三月二〇日刊

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 第九定式会     (明治十九年二月廿八日午後四時開会) 第十六臨時会 



    会員出席スル者 ○六十六名
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ規程第五章第廿二条ニヨリ明治十八年下半季定式事務ノ成跡ヲ報告ス
  自明治十八年七月至同年十二月 半季間事務報告
○中略
    雑事    八件
○中略
○輸出入品ノ割合取調ノ義ニ付復申ノ件
  本件ハ前季既ニ報告シタルガ如ク明治十八年三月廿六日附ヲ以テ東京府知事閣下ヨリ下問セラレタルモノニシテ、其後四月十一日第九臨時会ニ於テ之ヲ審議シタルニ例ニ依リ委員ヲ設ケテ之ヲ審査セシムベシト云フニ決シ、即チ会長ハ七名ノ委員ヲ指名シタルニヨリ此等ノ委員ハ同月廿二日集会ヲ開キテ調査ノ手続ヲ議シ、其後調査ニ着手シ、終ニ十一月ニ至リテ其調査漸ク完了シタルニ
 - 第18巻 p.436 -ページ画像 
付、同月十二日第十五臨時会ノ決議ヲ経同月十四日附ヲ以テ之ヲ東京府知事閣下ヘ進達シタリ ○下略