公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第18巻 p.460-464（DK180041k） ページ画像
明治19年2月28日（1886年）
是日栄一、当会会頭トシテ定式会ニ於テ明治十八年度収支決算報告並ニ明治十九年度予算案ヲ提出ス。予算案可決セラル。
東京商工会議事要件録 第一七号・第二六―三五頁 明治一九年三月二〇日刊（DK180041k-0001）
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東京商工会議事要件録 第一七号・第二六―三五頁 明治一九年三月二〇日刊
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第九定式会
（明治十九年二月廿八日午後四時開会）
第十六臨時会
会員出席スル者 ○六十六名
○上略
次ニ会長（渋沢栄一）ハ規程第六章第三十条ニヨリ明治十八年度会計収支ノ決算ヲ報告ス
自明治十八年二月至同十九年一月 東京商工会々計収支決算報告
明治十八年二月ヨリ同十九年一月ニ至ル一年間会計収支ノ決算ハ本会規程第六章第三十条ニ拠リテ本月ノ定式会ニ於テ報道スベキモノナルニ付、今其科目ヲ左ニ列記シテ出入ノ次第ヲ明示スル事左ノ如シ
収入 支出
摘要 金額 摘要 金額
円 円
賦課金百一人分 二、七二九・七二七 明治十八年二月中仕払 二二九・四九七
銀行ヘ預金利子其他雑入 一三八・〇六八 同年三月中同 三二四・九三二
……… 同年四月中同 二〇八・一七〇
……… 同年五月中同 二〇二・九一九
……… 同年六月中同 二二一・二〇五
……… 同年七月中同 一八四・三三二
……… 同年八月中同 一六七・五五八
……… 同年九月中同 二三四・七四六
……… 同年十月中同 一四二・五七七
……… 同年十一月中同 一六五・八六〇
……… 同年十二月中同 二九七・八〇一
……… 明治十九年一月中同 一六一・六七六
……… 残金 三二六・五二二
合計 二、八六七・七九五 合計 二、八六七・七九五
毎月収入ノ平均 二三八・九八三 毎月支出ノ平均 二一一・七七三
前表ニ就テ之ヲ見ルニ此一年間本会ノ収入ハ明治十八年二月廿七日ノ定式会ニ於テ議定シタル予算ニ従ヒ、会員百一名（明治十八年二月ノ会員現在人員ハ百十一名ニシテ予算額三千円ヲ此総人員ニ割合ヒシモ此中十名ハ其前既ニ本会ヲ除盟シタキ旨ヲ申出、府庁ノ誘導ヲ請ヒタレトモ遂ニ之ニ応セズシテ同年中之ヲ除盟シタル付十名ノ不納ヲ生ジタリ）ヨリ、各金弐拾七円〇弐銭七厘ヲ徴収シタル賦課金弐千七百弐拾九円七拾弐銭七厘、及銀行預金利子其他雑入金百三十八円〇六銭八厘ノ二口ニシテ、合計金弐千八百六拾七円七拾九銭五厘ナリ、而シテ其支出ハ明治十八年二月ヨリ同十九年一月迄合計金弐千五百四拾壱円弐拾七銭三厘ニシテ、差引金三百弐拾六円五拾弐銭弐厘ハ即チ例ニヨリ本会維持元資トシテ積立ツベキ金高ナリトス、今更ニ此一年間支出ノ内課《（訳）》ヲ細示シ、以テ予算ニ比シ増減ノ理由ヲ説明スル事左 ○次頁ノ表ノ如シ
一書記以下給料ノ一項ニ於テ金七拾八円ヲ減シタルモノハ、小使ニ定員ヲ置カズ商況探訪掛ヲシテ之ヲ兼ネシメタルニヨル
一瓦斯代・薪炭石油茶・印刷代・郵便税ノ四項ニ於テ各多少ヲ減シタルモノハ要スルニ開会ノ度数予定ヨリ少カリシニヨル
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月次 十八年 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 十九年 合計 予算高 予算ト比較増減 科目 二月 三月 四月 五月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月 一月 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 書記以下給料 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一一〇・五〇〇 一、三二六・〇〇〇 一、四〇四・〇〇〇 減 七八・〇〇〇 筆墨用紙 二・五一五 一・一三五 四・二四〇 三・二三〇 五・六五五 ・一九〇 一・九八三 三・七一五 ・九七五 ・一二〇 二・六八〇 一・七〇〇 二八・一三八 ・・・・・・・ 増 二八・一三八 瓦斯 ・六〇〇 ・・・・・・ 一・五〇〇 二・〇二〇 ・三〇〇 三・三〇〇 ・・・・・・ 三・〇〇〇 ・・・・・・ ・九〇〇 三・三〇〇 ・・・・・・・ 一四・九二〇 三六・〇〇〇 減 二一・〇八〇 薪炭油茶 七・一六五 四・一八〇 四・三〇五 三・六一五 二・四七〇 一・一四五 一・六二五 一・一八五 二・八五五 三・〇九〇 四・六三〇 七・三七五 四三・六四〇 八四・〇〇〇 減 四〇・三六〇 印刷代 六五・六八三 三二・二八四 三二・六〇七 三二・四二〇 五〇・九三二 三四・九七四 七・九二〇 九五・二八八 ・・・・・・ 二三・三八七 四四・八二七 二〇・九五六 四四一・二七八 四八〇・〇〇〇 減 三八・七二二 郵便税 三・一三五 三・五四〇 三・六〇〇 三・五〇〇 五・五四〇 四・五〇〇 五・五〇〇 四・九二〇 ・五〇〇 二・三四〇 二・六六〇 一・八〇〇 四一・五三五 七二・〇〇〇 減 三〇・四六五 弁当代 二・二五〇 一四五・九七五 一四・六二五 一二・一二五 一八・七五〇 六・二五〇 一七・〇〇〇 一・五〇〇 四・八七五 八・二五〇 一・五〇〇 一・五〇〇 二三四・六〇〇 一三五・〇〇〇 増 九九・六〇〇 人力車代並雇人足 八・二六〇 八・九九〇 七・五〇〇 一二・〇三〇 七・七四〇 六・三九〇 五・七二〇 五・六五〇 七・五三七 三・六六〇 九・〇九〇 二・一五〇 八四・七一七 七二・〇〇〇 増 一二・七一七 営繕費 一・三七〇 四・三五〇 ・・・・・・ ・一三〇 ・六一五 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 四・〇二〇 ・九六四 八・四七〇 一九・九一九 八四・〇〇〇 減 六四・〇八一 什器買入代 九・六八一 ・八二〇 ・四一〇 一一・六二六 二・一八〇 ・二五〇 一・五六五 ・・・・・・ ・七六〇 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・ 二七・二九二 六〇・〇〇〇 減 三二・七〇八 書籍新聞買入代 一〇・〇四五 四・〇二〇 四・六〇〇 ・三二〇 一・二〇〇 四・一五〇 ・六五〇 ・二〇〇 六・〇九二 一・二〇〇 ・二〇〇 四・三五〇 三七・〇二七 七二・〇〇〇 減 三四・九七三 臨時雇給並手当 三・〇〇〇 三・〇〇〇 九・〇〇〇 三・五〇〇 一〇・〇〇〇 七・二五〇 八・二五〇 三・〇〇〇 三・〇〇〇 三・一〇〇 一一三・〇〇〇 ・・・・・・・ 一六六・一〇〇 一二〇・〇〇〇 増 四六・一〇〇 雑費 五・二九三 六・一三八 一五・二八三 七・九〇三 五・三二三 五・四三三 六・八四五 五・七八八 五・四八二 五・二九三 四・四五〇 二・八七五 七六・一〇七 一二〇・〇〇〇 減 四三・八九三 計 二二九・四九七 三二四・九三二 二〇八・一七〇 二〇二・九一九 二二一・二〇五 一八四・三三二 一六七・五五八 二三四・七四六 一四二・五七七 一六五・八六〇 二九七・八〇一 一六一・六七六 二、五四一・二七三 三、〇〇〇・〇〇〇 減 四五八・七二七
一営繕費・什器買入代・書籍新聞買入代・雑費ノ四項ニ於テ各多少ヲ減シタルモノハ要スルニ事務ノ緩急ヲ斟酌シ勉メテ節約ヲ行フタルニヨル
一筆墨用紙ノ一項ニ於テ金弐拾八円余ヲ増シタルモノハ只予算ニハ特ニ其費目ヲ掲ケザリシニヨル
一弁当代ノ一項ニ於テ金九十九円余ヲ増シタルモノハ、明治十八年二月廿七日定式会ヲ開キタル節ノ宴会費用金百四拾円余ヲ予算ニ其費目ナキ為メ此項中ニ繰込ミタルニヨル
一人力車代並雇人足ノ一項ニ於テ金拾弐円余ヲ増シタルモノハ、各会員ヘ報告書等ヲ配附スルニ当リ実際費用ノ多寡ヲ較算シ、時々郵便ニヨラズシテ人力車ニヨリ使送シタル事アルニヨル
一臨時雇給並手当ノ一項ニ於テ金四拾六円余ヲ増シタルモノハ、此一年間ハ諸調査ノ事務頗ル繁劇ニシテ書記以下一同勉励シタルニ付之ニ慰労金ヲ給与シタルニヨル
又本会維持元資金ノ収支ヲ示セバ左ノ如シ
一金千四百四拾円〇四拾六銭九厘 明治十七年度決算余剰額
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一金三拾円 銀行預金利子
是ハ明治十七年中銀行ヘ預ケ入レタル定期預金ノ利子トシテ十八年六月十二日受取則チ元資金中ヘ繰込ム
合計金千四百七拾円〇四拾六銭九厘
内
金千三百九拾壱円六拾銭 七分利附金禄公債証書額面千四百円
是ハ初メ中山道鉄道公債証書第二募集ノ際十八年六月中九拾五円弐拾五銭ノ割ヲ以テ日本銀行ヘ申込ミタル所遂ニ募集ニ外ヅレタルニ付同年九月十四日ニ至リ額面百円ニ付九拾九円四拾銭ノ相場ニテ金禄公債証書ヲ買入レ之ヲ日本銀行ヘ保護預ケトス
差引
金七拾八円八拾六銭九厘
外ニ
金四拾九円 半季分公債利子但シ額面百円ニ付金三円五拾銭ツヽ
是ハ十八年十一月十二日受取リ則チ元資金中ニ繰込ム
金三百弐拾六円五拾弐銭弐厘 明治十八年度決算剰余額
合計金四百五拾四円三拾九銭壱厘
前表ニ示スガ如ク現今本会ノ元資金ハ金禄公債証書額面千四百円並ニ現金四百五拾四円三拾九銭壱厘ヨリ成立ツモノトス、而シテ此現金ハ追テ金禄公債証書ヲ買入前例ニ依リ之ヲ日本銀行ヘ保護預トスルノ見込ナリ
○明治十八年二月二十七日ノ条（本巻第二七〇頁）参照。
東京商工会議事要件録 第一七号・第三九―四三頁 明治一九年三月二〇日刊（DK180041k-0002）
第18巻 p.463-464 ページ画像
東京商工会議事要件録 第一七号・第三九―四三頁 明治一九年三月二〇日刊
第九定式会
（明治十九年二月廿八日午後四時開会）
第十六臨時会
会員出席スル者 ○六十六名
○上略
次ニ会長（渋沢栄一）ハ是ヨリ規程第五章第廿一条ニヨリ明治十九年度本会経費ノ予算ヲ議スベキ旨ヲ告ゲ書記ヲシテ議案ヲ朗読セシム
（第一号議案）
明治十九年度東京商工会経費予算
明治十九年度ノ予算額ハ仮リニ明治十八年度ノ支払高即チ金弐千五百四拾壱円弐拾七銭三厘ニ定メントス（即チ昨年度ノ予算ニ比スル時ハ四百五拾八円余ノ減少ナリ）蓋シ明治十八年度ノ予筭額ハ金三千円ニシテ内会員ノ除盟スル者十名アリタル為メ金弐百七拾円余ノ不納ヲ生シタルニ付、其実収高ハ雑入ヲ合セ弐千八百六十七円余ニ出デザリシカ此内同年度中ノ支払高ヲ扣除シ、猶金三百弐拾六円余ヲ余シタルモノハ終始非常ノ節約ヲ加ヘタルガ為メナリ（猶収支ノ内訳ハ定式会ニ於テ報告スヘシ）而シテ熟々創立以来ノ経験ニヨリテ之ヲ案ズルニ本会ノ事務ハ年々繁ヲ加フルノ傾向アリテ、本年度ノ如キモ昨年度ニ比スレハ必ス其事務繁多ナルノ見込ナレハ今昨年度ノ支払高ヲ以テ本年度ノ予算額ト定ムルニ於テハ必ズ多少ノ不足ヲ生スル事アルヘシト雖トモ、府下ノ商工業ハ比年不景気ヲ加ヘ殊
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ニ昨年以来殆ド其極ニ達スルノ折柄ナレハ、此際ニ当リテハ仮令事務繁ヲ加フルノ見込アリトスルモ敢テ予算ヲ増額スル事ヲ好マズ、故ニ本年度ノ予算ハ先ツ仮リニ前記ノ高ニ止メ若シ不足ヲ生スル時ハ一方ニ於テハ可成節約ヲ勉メ一方ニ於テハ是迄諮問案ヲ発附セラレタル諸官衙ニ向テ調査費用ノ下附ヲ請求シ、以テ其不足ヲ補充セン事ヲ期ス、依テ玆ニ一案ヲ発シテ各員ノ意見ヲ問フ事爾カリ
会長（渋沢栄一）曰ク、本会ノ経費ハ創立ノ際委員ノ考案ニヨレバ一ケ年凡ソ三千円内外ヲ要スベキ見込ニシテ昨年度ニ於テモ予算額ヲ三千円ト定メタルニ、同年度中会員ノ除盟スル者十名アリテ殆ド三百円ノ不納ヲ生ジタレトモ一層節約ヲ勉メタル為メ決算ノ上金三百廿六円余ヲ剰スヲ得タリ、然ルニ本年度ハ昨年度ヨリ事務モ一層繁多ナルノ見込ナレバ本案ノ予算額ニテハ不足ヲ生ズルノ恐アリト雖トモ或ル組合中ニハ大ニ負担ノ重ヲ憂フル者アリトノ事ニ付、不得已此案ヲ発スルニ至レリ、左レバ若シ各員ノ衆議ヲ以テ猶増額スル事ニ決スルヲ得バ理事上最モ便利ナルニ付理事本員ニ於テハ固ヨリ異議ヲ有セザルナリ、而シテ本案ニハ科目ヲ掲記セザルニ付過剋報告シタル決算表ニ示ス所ヲ以テ予算科目ト承知アリタシ
四十三番（梅浦精一）曰ク、各員ノ出金高ハ些小ナリトスルモ之ヲ各組合員ニ割当テ徴収スルニ当リ余程困難アリト聞ケバ、先ヅ本年度ノ予算ハ本案ノ通リニ定メ、若シ不足アラバ諸官衙ヨリ調査費用ノ下附ヲ請フテ之ヲ補給セン事ヲ希望ス
右ノ外別ニ議論ナク本案ハ終ニ原案ニ可決セシガ会長（渋沢栄一）ハ更ニ各員ニ向ヒ会員未定ノ者十三名アルニ付、此予算額ハ追テ其進退決スルヲ待チ之ヲ割当テ徴収スベキ旨ヲ告グ