デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.2.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
2款 東京商工会
■綱文

第19巻 p.233-251(DK190037k) ページ画像

明治23年3月13日(1890年)

当会、是日ノ会議ニ於テ梅浦精一ノ建案ニヨリ現下ノ金融逼迫状況ヲ調査スルニ決ス。同年九月調査報告成ル。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商工会議事要件録 第四三号・第一七―一九頁 (明治二三年四月)刊(DK190037k-0001)
第19巻 p.233-234 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四三号・第一七―一九頁 (明治二三年四月)刊
  第三十九臨時会  (明治二十三年三月十三日開)
    会員出席スル者 ○三十七名
 - 第19巻 p.234 -ページ画像 
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ第四号議案ヲ議スベキ旨ヲ告ゲ書記ヲシテ議案ヲ朗読セシム
第四号議案
    金融逼迫ノ景況調査ノ儀ニ付建議
 近時我ガ金融市場ニ非常ノ逼迫ヲ来シタル事ハ既ニ諸新聞紙ニ記載スルガ如クニシテ其細況ハ今玆ニ縷述スルヲ要セズ、現ニ当府下及大坂・神戸等ニ在リテハ公債証書ノ如キ最モ確実ナル抵当物ヲ有スルモ猶其融通ニ苦シムノ場合アリシト云フ、若シ此現況ヲシテ一時ノ現象タラシメバ敢テ深ク顧慮スルニ足ラザルベシト雖トモ、若シ今後其勢益々切迫シ延テ数月ニ及ブ時ハ之ガ為メ多年鋭意経営シ来リタル事業モ俄ニ其運転ヲ中止スルノ不幸ヲ生シ甚シキニ至リテハ終ニ金融市場ニ一大恐慌ヲ生センモ亦知ルベカラズ、是豈袖手傍観スベキノ秋ナランヤ、抑モ余輩商工業者ハ此際ニ当リ如何ナル方針ヲ取ルニ於テハ此不幸ヲ免カルヽヲ得ベキヤ、是今日ニ於テ余輩ガ一日モ早ク之ヲ講究セント欲スル要点ナリ、依テ本会ニ於テハ先ヅ之ガ調査委員ヲ撰ミ詳ニ既往ノ原因ヲ討尋シテ将来ノ結果ヲ推究セシメ、一ハ以テ余輩商工業者ガ前途ノ方針ヲ定ムルノ材料ニ供シ一ハ以テ世ノ識者ニ示シテ其注意ヲ促カサン事ヲ望ム、而シテ幸ニ其原因ヲ究メテ以テ適当ノ救治策ヲ案出スルヲ得バ本会ニ於テハ併セテ其実施ニ尽力セン事ヲ望ム、依テ此段建議仕候也
  二十三年三月五日         三番会員
                      梅浦精一
  東京商工会々頭
    渋沢栄一殿
本案ハ各員異議ナク全ク原案ニ可決シタルガ猶衆議ノ末調査委員ハ七名ト定メ会長(渋沢栄一)ヨリ之ヲ指名スルニ決ス
  会長(渋沢栄一)ハ其後左ノ七名ヲ委員ニ指名シタリ、依テ為念玆ニ附記ス
             二番     阿部泰蔵
             三番     梅浦精一
             四番     林賢徳
             二十九番   山中隣之助
             三十二番   吉田幸作
             三十九番   吉川泰二郎
             五十三番   奥三郎兵衛
於是会長(渋沢栄一)ハ本日ノ議事完了シタル旨ヲ告ゲ一同ニ散会ヲ命ズ、時ニ午後九時四十分ナリキ


東京商工会々外諸向往復文書 第四号(DK190037k-0002)
第19巻 p.234-235 ページ画像

東京商工会々外諸向往復文書 第四号
                   (東京商工会議所所蔵)
《(孝)》   《(梅浦)》   《(萩原)》
今般当会ニ於テ金融逼迫ノ景況ヲ調査スルニ決シ目下各種ノ材料蒐集中ニ御坐候処、明治十八年以降新ニ当府下ニ於テ起リタル銀行会社ノ
 - 第19巻 p.235 -ページ画像 
数・資本額並ニ払込金ノ割合等ハ右調査上最モ必要ナル材料ト奉存候ニ付、何卒別紙雛形ノ通リ御取調ノ上御報示被下候様仕度此段別紙相添奉願上候也
                 東京商工会々頭
  二十三年四月二十一日
                      渋沢栄一
    東京府知事 男爵 高崎五六殿
 尚々金融逼迫ノ件ハ目下頗ル切迫ノ問題ニ付当会ニ於テハ可成速ニ其調査ヲ了シ、時宜ニヨリテハ其救済策ヲモ併セテ講究致度奉存候ニ付、当会本文ノ事項ハ何卒至急御取調ノ上御報示被下度此旨特ニ副願仕候也
(別紙)
  自明治十八年至同二十二年 五年間府下新設銀行会社一覧

図表を画像で表示五年間府下新設銀行会社一覧

 銀行会社ノ名称 業別 創立年月日 資本金額 一株ノ金額 十八年払込   十九年同  二十年同  二十一年同  二十二年同  二十三年ニ払込ムベキ金高                             上半季 下半季 上 下   上 下   上 下    上 下    上 下 






東京商工会議事要件録 第四四号・第三―五頁 (明治二三年六月)刊(DK190037k-0003)
第19巻 p.235 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四四号・第三―五頁 (明治二三年六月)刊
  第二十四定式会
           (明治二十三年五月二十四日開)
  第四十臨時会
    会員出席スル者 ○三十八名
会長(渋沢栄一)ハ開会ノ趣旨ヲ報ジ、且ツ本会規程ニ拠レバ本月ハ定式会ヲ開クベキ時期ナレトモ本会定式事務ノ成蹟ハ毎年二月及八月ノ定式会ニ於テ報告スル筈ニシテ本月ハ特ニ定式会ヲ開キテ執行スベキ会務ナキニ付、昨年ノ例ニ依リ是ニテ定式会ノ式ヲ終リタルモノトスベキ旨ヲ述ベ、本議ニ先ダチ為念左ノ件々ヲ報告ス
○中略
 一金融逼迫ノ景況調査ノ義ニ就テハ過日来各種ノ材料蒐集中ノ処、概略其調査ヲ終リタルニ付不日委員ノ見込ヲ立テ全会ヘ報告スヘキ見込ナリ
○下略


東京商工会議事要件録 第四六号・第二―一六頁 (明治二三年九月)刊(DK190037k-0004)
第19巻 p.235-236 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号・第二―一六頁 (明治二三年九月)刊
  第二十五定式会
           (明治二十三年八月二十六日開)
  第四十二臨時会
    会員出席スル者 ○二十八名
会長(渋沢栄一)ハ開会ノ趣旨ヲ報ジ、先ヅ定式会ヲ開クベキ旨ヲ告ゲ規程第五章第二十二条ニ拠リ明治二十三年上半季間定式事務ノ成跡
 - 第19巻 p.236 -ページ画像 
ヲ報告ス
  自明治二十三年一月至同年六月 半季間東京商工会事務報告
○中略
    雑事   八件
○中略
○金融逼迫ノ景況調査ノ儀ニ付会員ノ建議
  本件ハ明治二十三年三月五日附ヲ以テ三番会員(梅浦精一)ノ建議ニ係リ、其要旨ハ近時我ガ金融市場ニ非常ノ逼迫ヲ来シ各商工業者ハ一般ニ恐怖ノ念ヲ抱クニ付此際本会ニ於テハ委員ヲ撰ビ充分ニ之ヲ調査セシムベシト云フニ在リ、即チ明治二十三年三月十三日第三十九臨時会ニ於テ之ヲ審議シタルニ全ク原案ニ可決シ、衆議ニヨリ会長ハ委員トシテ左ノ七名ヲ指名シタリ
             二番     阿部泰蔵
             三番     梅浦精一
             四番     林賢徳
             二十九番   山中隣之助
             三十二番   吉田幸作
             三十九番   吉川泰二郎
             五十三番   奥三郎兵衛
  此等ノ委員ハ爾後数回合同シテ各種ノ材料ヲ蒐集シ、目下其意見書ヲ調査中ニ付其成跡ハ追テ次季ヲ期シテ報告スベシ
○下略


東京商工会議事要件録 第四六号付録・第一―二七頁 (明治二三年九月)刊(DK190037k-0005)
第19巻 p.236-250 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号付録・第一―二七頁 (明治二三年九月)刊
    金融逼迫ノ景況調査報告
昨年下半季以来我ガ金融市場ハ漸ク逼迫ノ状ヲ呈シ、本年一二月ノ交ニ至リ其勢益々切迫ヲ告ゲ、之ガ為メ商業社会ハ一般ニ其活気ヲ失シ殊ニ製造事業ノ如キハ更ニ一層ノ衰況ヲ呈セシニ付、本会ハ特ニ其原因ヲ調査スヘキノ議ヲ決シ、我儕之レカ調査委員ノ当撰ヲ得タルニヨリ今熟々其原因ヲ察スルニ、是蓋シ明治十八年以来各種ノ事業漸ク勃興シテ商業ノ資本大ニ固定シタル事其主因ニシテ、又昨年下半季以来米価暴騰シテ金融市場ニ急需ヲ告ゲタル事之ガ助因ナルベシト信ズ蓋シ想像ヲ以テ貴重ノ問題ヲ軽々ニ推断スルハ我儕ノ最モ好マザル所ナルニ付、今金融逼迫ノ原因ヲ考究スルニ当リ、先ヅ既往五年乃至二十余年間ニ於ケル各種ノ事実ニ就キ数十種ノ統計ヲ蒐集セリ、今其大要ヲ示セバ即チ左ノ如シ
(第一号) ○自明治元年至同二十二年 二十二年間流通紙幣及兌換銀行券

図表を画像で表示二十二年間流通紙幣及兌換銀行券

       政府紙幣             繰替発行政府紙幣         銀行紙幣            兌換銀行券          合計                 円               円               円                円                円 明治元年  二四、〇三七、三八九・八一三     ――              ――             ――              二四、〇三七、三八九・八一三  以下p.237 ページ画像  同二年   二四、〇三七、三八九・八一三     ――              ――             ――              二四、〇三七、三八九・八一三 同三年   五〇、〇九〇、八六七・一八八     ――              ――             ――              五〇、〇九〇、八六七・一八八 同四年   五五、五〇〇、〇〇〇・〇〇〇     ――              ――             ――              五五、五〇〇、〇〇〇・〇〇〇 同五年   六〇、二七二、〇〇〇・〇〇〇     ――              ――             ――              六〇、二七二、〇〇〇・〇〇〇 同六年   六四、八〇〇、〇〇〇・〇〇〇   三、六〇〇、〇〇〇・〇〇〇     ――             ――              六八、四〇〇、〇〇〇・〇〇〇 同七年   七七、二八一、〇一四・二三四   一、一〇〇、〇〇〇・〇〇〇   一、三六二、二一〇・〇〇〇    ――              七九、七四三、二二四・二三四 同八年   九〇、八〇二、三〇四・三九〇   一、一〇〇、〇〇〇・〇〇〇   一、九九五、〇〇〇・〇〇〇    ――              九三、八九七、三〇四・三九〇 同九年   九一、二八三、八六九・九七七   七、七八八、〇〇〇・〇〇〇   一、四二〇、〇〇〇・〇〇〇    ――             一〇〇、四九一、八六九・九七七 同十年   九三、三二三、一五六・三三九  一一、八二四、四二六・四二四   一、七四四、〇〇〇・〇〇〇    ――             一〇六、八九一、五八二・七六三 同十一年  九三、八三五、七六四・六六二  一一、九六一、三二七・六七三  一三、三五二、七五一・〇〇〇    ――             一一九、一四九、八四三・三三五 同十二年 一一九、八〇〇、四七五・三八四  一九、六一八、一一六・六七三  二六、二七九、〇〇六・〇〇〇    ――             一六五、六九七、五九八・〇五七 同十三年 一一四、一九〇、八〇四・六八二  一六、一一八、一一六・六七三  三四、〇四六、〇一四・〇〇〇    ――             一六四、三五四、九三五・三五五 同十四年 一〇八、四一二、三六九・一八二  一六、五二八、一一六・六七三  三四、四二六、三五一・〇〇〇    ――             一五九、三六六、八三六・八五五 同十五年 一〇五、九〇五、一九四・九八二  一三、〇〇〇、〇〇〇・〇〇〇  三四、三九六、八一八・〇〇〇    ――             一五三、三〇二、〇一二・九八二 同十六年 一〇五、三六九、〇一四・二三二   四、〇〇〇、〇〇〇・〇〇〇  三四、三八五、三四九・〇〇〇    ――             一四三、七五四、三六三・二三二 同十七年  九七、九九九、二七七・四三二     ――            三四、二七五、七三五・五〇〇   ――             一三二、二七五、〇一二・九三二 同十八年  九三、三八〇、二三三・六三二     ――            三一、〇一五、九四二・〇〇〇   ――             一二四、三九六、一七五・六三二 同十九年  八八、三四五、〇九六・二三二     ――            三〇、一五五、三八九・〇〇〇   三、九五六、一六一・〇〇〇  一二二、四五六、六四六・二三二 同二十年  六七、八〇〇、八四六・三三二     ――            二九、五〇一、四八四・五〇〇  三九、〇四五、七二三・〇〇〇  一三六、三四八、〇五三・八三二 同廿一年  五五、八一五、〇四四・八三二     ――            二八、六〇四、一三三・五〇〇  五三、四〇三、八一三・〇〇〇  一三七、八二二、九九一・三三二 同廿二年  四六、七三四、七四〇・五八二     ――            二七、六七九、六五六・五〇〇  六四、一三二、八四六・〇〇〇  一三八、五四七、二四三・〇八二 




 前表ヲ見ルニ流通紙幣ハ明治元年以来殊ニ十年以来著シク増加シテ同十二年ニハ政府紙幣及銀行紙幣ヲ合シ其高一億六千五百六十九万余円ニ達セリ、是蓋シ明治九年改正国立銀行条例ヲ発布セラレタル以来銀行紙幣漸ク増加シタルト十年西南ノ事変アリタル以来政府紙幣亦漸ク増加シタルトニ因ル、然ルニ明治十三年以来其高漸ク減少シテ、明治十八年ニハ一億二千四百三十九万余円トナリ、翌十九年
 - 第19巻 p.238 -ページ画像 
ニハ兌換銀行券ヲ合シテ其高一億二千二百四十五万余円トナレリ、蓋シ此減少ハ明治十三年以来政府ガ兌換制度ノ実行ヲ企図セラレ年年紙幣ヲ収縮セラレタルニ因ル
(第二号)○自明治元年至同二十二年 二十二年間流通金銀貨其他貨幣

図表を画像で表示二十二年間流通金銀貨其他貨幣

       種類    金貨             一円銀貿易銀共           補助銀貨           白銅貨            銅貨              計 年度                   円               円               円              円               円               円 創業ヨリ明治四年マデ  二、六六六、六三九・〇〇〇   二、七四〇、二四五・〇〇〇   一、四〇九、三三一・一〇〇    ――             ――             六、八一六、二一五・一〇〇 明治五年       二六、一六〇、九三一・〇〇〇   三、六六三、三三四・〇〇〇   三、八五八、五二五・六五〇    ――             ――            三三、六八二、七九〇・六五〇 同六年        四三、五五一、一八四・〇〇〇   三、六六三、三三四・〇〇〇   七、五九七、四五二・六五〇    ――               一三、〇一四・八六〇  五四、八二四、九八五・五一〇 同七年        三九、七一一、七四三・〇〇〇   四、五七二、四〇一・〇〇〇   八、七六四、七七五・二〇〇    ――              四三八、六六一・〇一〇  五三、四八七、五八〇・二一〇 同八年上半年     三四、四七五、四二七・〇〇〇   四、四八五、三四〇・〇〇〇   八、九〇〇、五四三・七〇〇    ――              九六七、八一三・八五〇  四八、八二九、一二四・五五〇 明治八年度      二九、二六五、三九九・〇〇〇   四、五二一、六八七・〇〇〇  一〇、六一四、〇一四・一〇〇    ――            一、九〇五、九七八・九一〇  四六、三〇七、〇七九・〇一〇 同九年度       二八、八一七、四四六・〇〇〇   六、八三九、九三九・〇〇〇  一三、九〇二、五二五・七五〇    ――            三、〇一二、一五四・五五〇  五二、五七二、〇六五・三〇〇 同十年度       二四、五三二、六六七・〇〇〇   五、六八七、二一七・〇〇〇  一七、一一三、三五九・四〇〇    ――            三、九七一、五六〇・九八〇  五一、三〇四、八〇四・三八〇 同十一年度      一九、六七三、一三六・〇〇〇   七、三二一、二一五・〇〇〇  一五、四〇六、七六八・四〇〇    ――            四、八六八、七九七・三二〇  四七、二六九、九一六・七二〇 同十二年度      一五、四八六、八〇七・〇〇〇   八、六五四、四三六・〇〇〇  一三、三四〇、七四三・七〇〇    ――            五、七七二、三八四・七一〇  四三、二五四、三七一・四一〇 同十三年度      一四、一一三、〇三六・〇〇〇  一〇、五四〇、三二三・〇〇〇   八、五八六、七五四・八〇〇    ――            六、八八五、〇〇九・六九〇  四〇、一二五、一二三・四九〇 同十四年度      一三、四五二、〇七一・〇〇〇  一一、一九三、五四九・〇〇〇   七、七六四、九六八・六〇〇    ――            八、〇一五、五五八・一三〇  四〇、四二六、一四六・七三〇 同十五年度      一二、七五一、六六一・〇〇〇  一五、四〇五、八五〇・〇〇〇   七、三〇一、九八七・六〇〇    ――            九、一八四、四九六・〇五〇  四四、六四三、九九四・六五〇 同十六年度      一二、一九二、一〇三・〇〇〇  一八、六八七、二八一・〇〇〇   七、二八八、〇五八・八〇〇    ――           一〇、二五六、一二二・三九〇  四八、四二三、五六五・一九〇 同十七年度      一二、一七四、〇〇〇・〇〇〇  二四、〇八二、一九〇・〇〇〇   七、二一六、九二九・三〇〇    ――           一一、〇一三、九一九・四五五  五四、四八七、〇三八・七五五 同十八年度      一二、六八九、一四五・〇〇〇  二三、六〇三、一六二・〇〇〇   九、二五一、五七〇・二五〇    ――           一一、三二六、二四九・七二五  五六、八七〇、五七六・九七五 同十九年度      一三、六一〇、三〇九・〇〇〇  二三、二〇一、六一一・〇〇〇   九、五二二、三二八・九五〇    ――           一一、七二四、三三七・四四〇  五八、〇五八、五八六・三九〇 同廿年度       一四、五七五、五六一・〇〇〇  二二、九〇〇、九三三・〇〇〇  一一、三八〇、三三二・一五〇    ――           一二、一八八、〇三五・六一〇  六一、〇四四、五六一・七六〇 同廿一年度      一五、一五三、七四二・〇〇〇  二八、三八四、六八〇・〇〇〇  一二、一九六、一九七・三五〇    ――           一二、四一六、六三三・一六〇  六八、一五一、二五二・五一〇 同廿二年度      一五、六七七、五四七・〇〇〇  三〇、三七六、一九三・〇〇〇  一二、一九二、七〇一・一五〇  二、一〇〇、四三二・八五〇  一二、二八八、一三三・一六〇  七二、六三五、〇〇八・一六〇 




 - 第19巻 p.239 -ページ画像 
 前表ヲ見ルニ金銀貨其他ノ貨幣ハ明治十年度以来特ニ減少シテ明治十三年度ニハ金銀貨及銅貨ヲ合シ其高四千〇十二万余円トナレリ、是蓋シ此際紙幣増加シテ其価ヲ低落セルヨリ正貨ノ海外ヘ流出シタルモノ漸ク其高ヲ加ヘタルニ因ル、然ルニ明治十四年度以来其高漸ク増加シタルモノハ要スルニ明治十三四年以来紙幣減少シテ其価位ヲ復シ、随テ輸出物品増加シ且ツ連年ノ豊作ニ依リ米ノ輸出ヲ増加シタルヨリ貿易上我ニ利アリテ為メニ海外ヨリ正貨ノ流入シタルモノ漸ク其数ヲ増シタルニ因ル
(第三号) ○自明治十年至同廿二年 十三年間銀米其他日用品七種平均相場(東京)

図表を画像で表示十三年間銀米其他日用品七種平均相場(東京)

    種類 銀貨一円ニ付  玄米 中米一石ニ付  赤穂塩一俵(二斗八升入)ニ付  繰綿 大坂大入一本(十二〆目入)ニ付  下リ酒 中等一駄(三斗五升入二樽)ニ付  醤油 並物一樽(三斗五升入)ニ付  伊勢水油 十樽(一樽四斗入)ニ付  炭 常陸産一俵(二〆九百目入)ニ付  薪 樫木中等十束(一束八百目)ニ付 年次     円       円          円                円                   円                    円                  円                円                  円 明治十年  一・〇三九   五・三三六       ・二三一           一五・八七三               六・二五〇               ……                一一二・二〇〇             ・一四三               ・三九二 同十一年  一・〇九九   六・三八五       ・四三九           一五・〇一九               六・一五〇               ……                一二三・〇〇〇             ・一七八               ・四一〇 同十二年  一・二一七   七・九五五       ・五八五           一五・八九四               五・六五〇               ……                一〇一・六〇〇             ・一九六               ・四九五 同十三年  一・四七六  一〇・五七一       ・五六二           一七・八三一               八・三〇〇                 ・八五二             九九・一五〇             ・二二七               ・六二五 同十四年  一・七〇六  一〇・五九三       ・五二一           二五・二六三              一一・三五〇                一・〇四七            一四一・九〇〇             ・三五一               ・六九〇 同十五年  一・五七一   八・八一〇       ・四八一           二六・五四九              一〇・二五〇                 ・九五二            一四〇・六〇〇             ・三二三               ・六七六 同十六年  一・二六五   六・三〇九       ・三八〇           一五・五八四               七・六五〇                 ・七三三             九五・一〇〇             ・二一四               ・六五二 同十七年  一・〇七八   五・二八八       ・二八一           一四・五九九               八・四五〇                 ・五三一             七四・〇五〇             ・一七二               ・四七一 同十八年  一・〇五三   六・六〇九       ・三四二           一七・〇二一               七・七〇〇                 ・五四四             七七・一〇〇             ・一七二               ・四五五 同十九年  一・〇〇〇   五・九九〇       ・二八二           一五・二二八               八・二〇〇                 ・五九五             七四・六七〇             ・一三九               ・三八二 同二十年  一・〇〇〇   四・九四〇       ・二六二           一五・〇七五               九・一〇〇                 ・六〇三             七三・三〇〇             ・一八二               ・四三〇 同廿一年  一・〇〇〇   五・〇二五       ・二四〇           一六・八七八               八・一〇〇                 ・六九〇             七六・五〇〇             ・二〇三               ・四七六 同廿二年  一・〇〇〇   五・九九〇       ・四三五           一八・三七七               七・六〇〇                 ・五〇五             八三・九三〇             ・一八一               ・四七六 




 前表ヲ見ルニ銀貨ハ明治十年以来紙幣ニ対シ漸ク其価ヲ騰貴シ、明治十四年ニハ一円七十銭以上ニ達シ、又此間米其他各種ノ日用品モ之ト同一ノ方針ヲ以テ共ニ其価ヲ騰貴セリ、是蓋シ明治十年以来紙幣増加シテ其価位低落シタルニ因ル、然ルニ明治十五年以来紙幣ハ漸ク其価位ヲ恢復シ明治十九年ニハ全ク銀貨ト平価トナリ、米其他ノ商品亦漸ク其価ヲ低落セリ、是レ実ニ政府ガ兌換制度ノ実行ヲ企
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図セラレ遂ニ明治十九年ヨリ之ヲ実行セラレタルニ因ル
(第四号) ○自明治十年至同二十二年 十三年間銀行抵当貸金(千円以上一万円以下)利息

  年次     年利割合    年次     年利割合
          割              割
 明治十年    一・〇〇   同 十七年   一・〇九
 同 十一年   一・〇四   同 十八年   一・一四
 同 十二年   一・二二   同 十九年    ・九二
 同 十三年   一・三一   同 二十年    ・八八
 同 十四年   一・四一   同二十一年    ・九七
 同 十五年    ・九二   同二十二年   一・〇二
 同 十六年    ・七六

 前表ヲ見ルニ金利ハ明治十年以来漸ク騰貴シテ明治十四年ニハ一割四分一厘トナレリ、是蓋シ紙幣増加ノ為メ商業活溌トナリ、金融市場漸ク逼迫ヲ告ゲタルニ因ル、然ルニ明治十五年以来年々低落シテ遂ニ明治十九年ニハ九分二厘トナレリ、蓋シ紙幣減少ノ為メ商業不活溌トナリ金融市場漸ク緩漫ヲ呈シタルニ因ル
(第五号)○自明治十年至同廿二年 十三年間金禄公債(七分利)当月限平均相場(東京)

  年次      相場       年次     相場
           円               円
 明治十年     …………    同十七年   九二・六二九
 同 十一年   八三・五六八   同十八年   九六・六七一
 同 十二年   八〇・八六八   同十九年  一〇七・七〇九
 同 十三年   七一・八四三   同二十年  一〇四・六三五
 同 十四年   六九・四七八   同廿一年  一〇四・三〇三
 同 十五年   七三・三七九   同廿二年  一〇三・九三三
 同 十六年   八四・四三九

  備考 明治二十年七月以後ハ直取引ノ相場ニ係ル
 前表ヲ見ルニ金禄公債ノ相場ハ明治十年以来漸ク下落シ明治十四年ニハ六拾九円四拾七銭八厘トナレリ、是蓋シ紙幣増加ノ為メ此際一時商業活溌トナリ一般ノ金利漸ク騰貴シタルニ因ル、然ルニ爾後年年騰貴シテ明治十九年ニハ遂ニ百〇七円七拾銭〇九厘トナレリ、是紙幣減少ノ為メ商業不活溌トナリ一般ノ金利漸ク低落シタルニ因ル
(第六号)  ○自明治十年至同二十二年 十三年間金銀ノ輸出入

図表を画像で表示十三年間金銀ノ輸出入

 年次    輸出                                         輸入                                        輸出超過          輸入超過         金            銀            計              金            銀             計                円             円             円             円             円             円             円            円 明治十年  六、二二一、七七六・六三  三、二一九、四九四・一〇  九、四四一、二七〇・七三     一六、二八〇・七五  二、〇一一、二一七・七七  二、一七三、四九八・五二  七、二六七、七七二・二一     ………… 同十一年  四、六〇一、〇八二・六〇  三、七二七、五六九・九二  八、三二八、六五二・五二        二四二・九五  二、一八八、八五八・三〇  二、一八九、一〇一・二五  六、一三九、五五一・二七     ………… 同十二年  四、七四九、六三四・六二  八、〇二九、二二九・〇二 一二、七七八、八六三・六四    七三一、六六六・二〇  二、四〇三、一三七・五四  三、一三四、八〇三・七四  九、六四四、〇五九・九〇     ………… 同十三年  五、八八八、一七四・四一  七、三三四、八一九・〇四 一三、二二二、九九三・四五     二〇、六一八・一九  三、六一七、六一一・八九  三、六三八、二三〇・〇八  九、五八四、七六三・三七     …………  以下p.241 ページ画像  明治十四年 二、二四六、八八九・〇二  五、二四三、六五八・一八  七、四九〇、五四七・二〇        一五〇・〇〇  一、八五五、九九六・六四  一、八五六、一四六・六四  五、六三四、四〇〇・五六     ………… 同十五年  一、二五一、〇三五・四三  三、一七九、一六二・一二  四、四三〇、一九七・五五        五〇〇・〇〇  六、一六〇、二二四・四一  六、一六〇、七二四・四一     …………       一、七三〇、五二六・八六 同十六年  一、〇〇九、五七〇・三四  二、一四六、九九四・八三  三、一五六、五六五・一七        五五八・六八  五、四五〇、九四一・八三  五、四五一、五〇〇・五一     …………       二、二九四、九三五・三四 同十七年  一、四二三、六五四・一六  三、五八一、四一八・〇九  五、〇〇五、〇七二・二五    二九九、二〇一・五六  五、三一二、五五七・四八  五、六一一、七五九・〇四     …………         六〇六、六八六・七九 同十八年    四九二、六三六・二五  三、七六三、八〇九・二五  四、二五六、四四五・五〇    六〇八、八一二・九七  六、九三八、〇二八・三六  七、五四六、八四一・三三     …………       三、二九〇、三九五・八三 同十九年    三〇二、五四二・二五  九、三二三、九〇五・四九  九、六二六、四四七・七四  一、一五九、四六八・四三  八、〇一二、四〇五・三四  九、一七一、八七三・七七    四五四、五七三・九七     ………… 同二十年     八六、二三六・四五 一〇、九四九、二五一・八五 一一、〇三五、四八八・三〇  一、二五九、五二七・三九  七、六一一、七三九・〇二  八、八七一、二六六・四一  二、一六四、二二一・八九     ………… 同廿一年    四五〇、二八四・二七  七、三八三、一五九・七九  七、八三三、四四四・〇六  一、二〇三、二五二・四一  七、五二九、二三九・一六  八、七三二、四九一・五七     …………         八九九、〇四七・五一 同廿二年    二六八、〇〇九・七九  四、九二〇、五一九・六八  五、一八八、五二九・四七    七四九、九二三・五一 一三、四二三、三二二・〇四 一四、一七三、二四五・五五     …………       八、九八四、七一六・〇八 



 前表ヲ見ルニ明治十年ヨリ十四年迄ハ年々金銀ノ海外ヘ流出シタル高不少ヲ知ルベシ、蓋シ此際紙幣増加シテ其価下落シ貿易我ニ不利ナリシニ因ル、然ルニ明治十五年ヨリ十八年迄ハ金銀ノ海外ヨリ流入シタル高頗ル多キヲ見ル、是前条既ニ其理由ヲ説明セシニ付玆ニ贅セス
(第七号) ○自明治十八年至同二十二年 五年間各種株式直取引平均相場(東京)

図表を画像で表示五年間各種株式直取引平均相場(東京)

 年次  種類 横浜正金銀行株   第一国立銀行株   東京株式取引所株 日本郵船会社株 東京海上保険会社株 東京馬車鉄道会社株           円         円         円       円         円         円 明治十八年  一六八・四四〇   一九四・一六六   一七八・七九三  ……       ……        …… 同 十九年  二六七・四八七   二五七・六六五   三三八・〇八三  六二・二四三   一二八・三四三    八五・一四一 同 二十年  二八七・七四二   三〇〇・四七〇   三〇二・一八四  七四・五一五   一七五・六七二   二六六・四四五 同 廿一年  二四五・四六一   二二六・六七三   二九一・四三六  七六・八四三   一四一・〇二九   二四二・二四七 同 廿二年  二六四・九三三   二一五・一三八   三〇〇・一八〇  八五・一一一   一四二・九二〇   二〇六・五四六 



(第八号) ○自明治十八年至同二十二年 五年間全国新設会社資本及払込金

図表を画像で表示五年間全国新設会社資本及払込金

 庁府県   十八年            十九年             二十年           二十一年           二十二年            計               払込金額      会社  資本金        会社   資本金        会社  資本金       会社   資本金       会社   資本金         会社  資本金                   円             円              円              円              円                 円          円 北海道庁  二       三、〇〇〇   六   二一七、五〇〇   六    九三七、一四〇   九  二、八八八、六〇五  一六  七、五九三、六〇〇    三九  一一、六三九、八四五  三、一七七、五九八 東京府   八  一一、五九二、九〇〇   五   九〇八、〇〇〇  三六 一〇、三二六、五〇〇  五二 一〇、六三五、三〇〇  八四 一一、五八六、三五〇   一八五  四五、〇四九、〇五〇 二三、七三一、八四五 京都府   二      七五、〇〇〇   ―   ――       二九  三、一八七、三〇〇   七    一四八、五〇〇   六     八九、〇〇〇    四四   三、四九九、八〇〇  一、六四五、八六七 大坂府   五     一七六、〇〇〇  一六   三八七、五〇〇  五六  五、二九〇、二〇〇  二二  二、五六一、〇〇〇  四一  三、一三九、〇〇〇   一四〇  一一、五五三、七〇〇  二、三九〇、三六九 神奈川県  ―   ――          三    一五、五〇〇   六    一四〇、八〇〇  一二    二〇九、七〇〇  一六  一、二五一、五〇〇    三七   一、六一七、五〇〇    四二九、〇六九  以下p.242 ページ画像  兵庫県   ―   ――          二    一〇、七五〇  一八  二、四〇〇、〇〇〇  三五 一五、一六一、二一〇  二二  一、九五三、〇〇〇    七七  一九、五二四、九六〇  四、八八八、六六八 長崎県   七      四四、四一〇   五    二〇、一七〇   六    一三四、六四〇   六     六二、五〇四  二一    三四一、三八九    四五     六〇三、一一三    四〇五、一三八 新潟県   六      三八、七八〇  一九   二三八、八一〇  一四    一四一、七〇〇  三〇    五〇〇、六五〇  一八    一〇二、七〇〇    八七   一、〇二二、六四〇  一、〇一四、六九〇 埼玉県   六      一五、九二〇   四     七、六五五   四    一〇四、九〇〇  一六    二一七、一五〇  一一    五三九、二五〇    四一     八八四、八七五    一七七、六九八 群馬県   五      一三、六五〇   四     六、九二五  一一     一五、二三四  二八    三六〇、九六〇  二五    四七八、二四〇    七三     八七五、〇〇九    五〇九、三一七 千葉県   二       九、二〇〇   二     一、五〇〇   四    四二〇、二〇〇  一〇    四三四、五〇〇   九    一五四、四〇〇    二七   一、〇一九、八〇〇    五〇八、六一六 茨城県   ―   ――          二    一二、〇〇〇   一      三、〇〇〇   七    一七一、三五〇  二〇    二五二、五〇〇    三〇     四三八、八五〇     九九、八四〇 栃木県   一      一五、〇〇〇   ―   ――       一一    四一五、五〇〇  一四    三二二、六五〇   五     六一、二五五    三一     八一四、四〇五    六一〇、四八六 奈良県   ―   ――          二     五、六〇〇   四     八五、五〇〇  一〇    一八七、九六六   五     三五、〇〇〇    二一     三一四、〇六六    一九七、八六六 三重県   一      一〇、六五〇   四   七九〇、〇〇〇   六    五八五、〇〇〇   三  三、一五〇、〇〇〇   三    一七〇、〇〇〇    一七   四、七〇五、六五〇  二、六八三、一五〇 愛知県   三      二五、〇〇〇   五    三二、五〇〇  一九  一、三〇二、五〇〇  一四    一九三、二〇〇  二三    三三四、〇〇〇    六四   一、八八七、二〇〇    九一八、四九九 静岡県   五      一九、二五〇   九    六三、九一〇   九     二二、四〇〇  一一     三五、九二〇  三三    二三八、二五五    六七     三七九、七三五    二二一、八八六 山梨県   ―   ――          ―   ――        ―   ――         二     六〇、〇〇〇   ―    ――         二       六〇、〇〇〇     五七、五七〇 滋賀県   三     一〇六、〇〇〇   四   四四四、五〇〇   九     九六、一〇〇   四     七六、〇〇〇   九    二〇六、〇〇〇    二九     九二八、六〇〇    三八〇、七八〇 岐阜県   二       七、〇〇〇   ―   ――        二      四、五〇〇  一一     四八、五〇〇   六     五九、〇二五    二一     一一九、〇二五     九〇、八二五 長野県   六      二七、一三〇   五    五一、四〇〇  一〇    一二六、六〇〇  一六     四二、七〇〇  三五    一七八、九五〇    七二     四二六、七八〇    二七一、八七五 宮城県   ―   ――          四    三〇、六〇〇   六     三六、三〇〇   五    五六一、〇〇〇   二      五、四〇〇    一七     六三三、三〇〇    二九二、七八五 福島県   ―   ――          四     九、八〇〇  一〇     五〇、五二五  一一    一〇六、〇二五   五     一三、一三八    三〇     一七九、四八八    一二一、八四〇 岩手県   二      一四、〇四〇   二     二、五〇〇   一     一五、〇〇〇   二      九、八〇〇   二     一二、〇〇〇     九      五三、三四〇     四三、五九〇 青森県   一       二、〇〇〇   一     五、六九〇   ―   ――         二     一〇、三五〇   ―    ――          四      一八、〇四〇      三、〇四〇 山形県   一       五、〇〇〇   一     二、五〇〇   三     八〇、五〇〇   一      一、〇〇〇   五     二四、七五〇    一一     一一三、七五〇     五一、九二五 秋田県   一         三〇〇   一   一〇〇、〇〇〇   ―   ――         三    一〇五、〇〇〇   四    一二三、〇〇〇     九     三二八、三〇〇    二二五、八〇〇 福井県   一       二、五〇〇   三    二七、五〇〇   二     一一、一五〇  一二     二五、〇四四  一〇     六九、五〇〇    二八     一三五、六九四     七八、〇三四 石川県   一      五〇、〇〇〇   五    五五、一〇〇  一一     五四、四七七   七     四九、五〇〇   五     二四、〇一〇    二九     二三三、〇八七    一六七、三五七 富山県   一       五、〇〇〇   三    一〇、五〇〇   一        五〇〇   八     九七、三〇二   六    一八七、〇〇〇    一九     三〇〇、三〇二     八九、一五二 鳥取県   ―   ――          三    二一、〇〇〇   五     三五、八〇〇   六     二〇、七〇〇   四     一五、〇〇〇    一八      九二、五〇〇     三七、三六六  以下p.243 ページ画像  島根県   一      一五、二五〇   五    一三、〇四〇   五     七二、〇五三   六     三三、七〇〇   九     二九、一三八    二六     一六三、一八一     五九、一五九 岡山県   三       七、八四六   二    五〇、二〇〇   三    二五六、三三〇  一三    二一一、五〇〇  一四    一三九、五〇〇    三五     六六五、三七六    三八五、三九九 広島県   ―   ――          一     五、〇〇〇   四     一三、〇五〇   五    二一九、〇〇〇   四    三〇七、〇〇〇    一四     五四四、〇五〇    一七八、九四〇 山口県   ―   ――          一     二、〇〇〇   ―   ――        一一     九八、八一〇   七    五七二、四七五    一九     六七三、二八五    一四一、〇三八 和歌山県  一       四、九〇〇   ―   ――        一    一三〇、〇〇〇   四     三六、〇〇〇   二     四〇、〇〇〇     八     二一〇、九〇〇    一八二、一五〇 徳島県   一       二、〇〇〇   一    二〇、〇〇〇   四     七三、九七〇   三      二、五〇〇   二     三七、五〇〇    一一     一三五、九七〇    一一五、〇六五 香川県   五     一九九、一七七   三    一四、三〇〇   四      五、六〇〇   八    三六七、二七〇   八     二五、九三六    二八     六一二、二八三    五八四、三七〇 愛媛県   二      四二、〇四四   一    一〇、〇〇〇   一    一二〇、〇〇〇  一〇    一四一、〇〇〇   一        五〇〇    一五     三一三、五四四    二五〇、〇五三 高知県   一      一〇、〇〇〇   二    一三、五〇〇   三     四三、〇〇〇   二    一〇二、五〇〇   二     三五、〇〇〇    一〇     二〇四、〇〇〇    一二四、六三〇 福岡県   三      四一、六三六   七    七九、二五一  一五    一五三、三〇〇  二四    四二一、六〇五  二二    七三八、九三五    七一   一、四三四、七二七    七八六、一一二 大分県   一       二、六五〇   一     七、五〇〇   ―   ――         三     一七、〇〇〇   二      四、六〇〇     七      三一、七五〇     二五、七五〇 佐賀県   ―   ――          四    四三、二〇〇  一四    一八五、七五四  一〇     七四、五〇〇   五     七三、〇〇〇    三三     三七六、四五四    二八一、二〇四 熊本県   ―   ――          二    一八、四六五   五     一七、六〇〇   九     二六、八〇〇   七     五八、〇〇〇    二三     一二〇、八六五     七五、〇三九 宮崎県   ―   ――          ―   ――        ―   ――         一     一〇、八〇〇   ―    ――          一      一〇、八〇〇      一、二六〇 鹿児島県  三     一三三、六六九   ―   ――        三    四一〇、五九〇   二      二、五八〇   一     二〇、〇〇〇     九     五六六、八三九    四八六、二七九 沖縄県   ―   ――          ―   ――        ―   ――         三    一四五、〇〇〇   ―    ――          三     一四五、〇〇〇     六六、二三四 合計   九三  一二、七一六、九〇二 一五四 三、七五五、八六六 三六二 二七、五〇五、二一三 四九〇 四〇、三六四、六五一 五三七 三一、三一八、七九六 一、六三六 一一五、六六一、四二八 四九、二六五、二二三 




  備考 本表ハ明治十八年ヨリ同二十二年ニ至ル五ケ年間ニ新設シタル全国ノ会社(開業未開業ヲ問ハズ)ニシテ、一回以上払込ヲ為シタルモノヲ総テ網羅シタルモノナリ
    明治二十二年中大阪府下ニ於テ新設シタル会社ノ払込金ハ詳ナラザルニ付、不得已之ヲ省ク、故ニ前表ノ払込金合計ハ四千九百弐拾六万五千弐百弐拾参円トアレトモ、実際ノ払込金ハ猶是ヨリ幾分ヲ増加スルモノト知ルヘシ
 前二表ヲ見ルニ此五年間各種株式ノ相場ハ固ヨリ其種類ニヨリ高低ノ度ヲ同フセズト雖トモ、要スルニ明治十八年以来其相場ヲ騰貴シテ大ニ世人ノ投機心ヲ醸生シ同二十二十一年ノ交ニ於テ其極点ニ達シタルガ如シ、又此五年間全国ニ於テ新設シタル会社ノ数ハ合計千六百三十六個ニシテ、其資本金ハ合計一億一千五百六十六万一千四百二十八円ナリ、而シテ其内既ニ払込ミタル金高ハ四千九百二十六万五千二百二十三円ニシテ残六千六百三十九万六千二百〇五円ハ今後両三年中ニ払込マザルヲ得ザルモノトス、斯ノ如ク此五年間各種株式ノ相場益々騰貴シ各種ノ事業大ニ勃興シタルモノハ要スルニ明治十八年ニ銀紙漸ク同価トナリ、翌十九年ニ至リ兌換ノ制度ヲ実施
 - 第19巻 p.244 -ページ画像 
セラレテ物価ノ標準安定シ一般ノ金利低落シタル等以テ世上ノ企業心ヲ誘起シタルニ因ル
(第九号) ○自明治十六年至同二十二年 七年間各種鉄類ノ輸入

図表を画像で表示七年間各種鉄類ノ輸入

 種類          十六年                    十七年                    十八年                   十九年                    二十年                      廿一年                    廿二年             量           価          量          価           量          価          量           価          量            価           量            価         量            価 塊鉄      一二、一六四、三三四斤   一一六、〇四四円   九、七七二、〇六五斤  八八、四三六円    九、三〇四、七一五斤  一〇五、八四三円  一一、七三三、二九二斤  一〇一、〇三四円  一〇、八九〇、八六八斤    一一八、三六九円  三四、五七〇、六二二斤   三九七、一六五円  一六、三四五、四五四斤   一六四、一四八円 故鉄       一、五四三、六二三     一五、一〇五      五〇一、七〇〇      九、五七二     一〇一、二八二     一、七二五     四〇六、六五九      六、三八二      五〇二、三二五       六、五八一      七五七、四七三     一一、〇〇〇    三、五〇六、八五九     三八、二六〇 条鉄及竿鉄   一八、二九二、七九五    四〇四、五九〇   一五、四一四、一七九    三〇一、八五二  一五、七八三、二九八   二九六、三四八   三、四一〇、二二八    三九六、七二〇   二六、五三五、六〇三     四四七、一〇一   三四、六九〇、六一九    七四九、九一六   三四、七七六、一〇五    八四二、五一一 {25D8B}鉄及帯鉄   七四五、二四六     一八、〇二一      六六二、五八七      一四、七六八  一、一〇一、〇九二    二二、八〇四     三一四、五七三      六、四〇二    一、九六七、三八七      三三、七三〇      九六六、二六二     二二、四七七      九八二、二五七     三一、一二一 釘鉄       三、〇〇一、九八二     六七、〇四四    三、三三九、六一七     七〇、四六九   二、六二八、一六八    四八、七〇八   一、二一一、〇一五     二〇、二四〇    一、五〇六、六九一      二四、五九四      六二三、〇七〇     一三、一一七      五七六、五二六     一三、〇四八 道鉄       二、〇四〇、九四二     四三、三八六   一一、二六五、五二七    一七四、九九八  二三、一三八、四八四   三六一、四九七  三三、六六七、九三二    四九七、八一六   五〇、〇六六、八三四     六五三、五三四   八七、〇〇一、四二〇  一、四六二、四二九   四一、一六四、一九六    六八六、八七一 屋鉄         八三六、七三五     三九、三七二      四三〇、三八七     一八、〇三七     六三六、〇八二    二五、四六一     二三一、三七五      八、六六三      七五五、二六〇      二八、五八五      八七一、六四五     四三、七一八    一、二二〇、三六七    六六、七九七 板鉄       五、七二二、五二七    一八九、九〇三    六、二四六、四六二    一八六、三九一   六、〇九一、〇五二   一六六、七九七   七、九〇〇、一九四    二一一、〇一〇    九、五〇〇、六六八     二一八、九三二    七、八二七、四九三    二一九、八一二   一〇、九三五、三八六   三三五、九一〇 有紋板鉄      不詳              二四〇       二四、六二八        五四四      九三、八五三     二、六四一      五三、六九二      一、〇七二       三八、三四〇         八六六      一一八、七九七      三、四七二      一二二、九六三     五、二八一 電鍍板鉄      ……           ……          一二七、六六五      五、五一五     四六七、一四三    一九、六八三     五五〇、一三三     一九、五三六      七八六、六三九      二七、五三一    一、〇八八、六三〇     五七、八七四    一、四一三、五四九    七八、九七五 諸熟鉄類     一、三九〇、九四四     三三、三九七    一、七三二、一九六     四一、七四二   一、一三三、〇〇二    二八、二〇五     七二一、七八九     一四、一九三      三一二、〇二五       六、五二九      四六七、四〇九     一一、八四四      八六二、二一二    二三、四九〇 鉄釘       六、三九〇、八九四    二六八、九〇五    七、六三四、六八八    二九四、七二九  一一、〇二四、九三一   四一四、七三九  一三、九二四、四八六    四五六、四九九   一二、五八五、九三五     三九三、八四〇   一九、七五七、〇五三    八七五、七〇九   一九、五八四、七八一   七九九、八四〇 電鍍鉄釘      ……           ……            二、五八四        二四一      一八、二七一       九二〇      七三、四二二      三、〇八六       二二、四一九       一、〇三八       二〇、二七一      一、三四三        八、四九〇       六七二 筒鉄及管鉄     不詳           一九、九五四     不詳           一六、九三三    不詳          一九、七三八    不詳           三四、〇六一    不詳            三三四、〇一五    不詳            七一、五八九    不詳          二〇三、一一〇 鉄螺旋釘類     不詳            三、五六四     不詳           一九、二四四    不詳          二六、六〇六    不詳           三一、四三七    不詳             四五、七九七    不詳           一四四、六七七    不詳           八七、九〇一 鉄線       一、一四二、二六三     四九、九一五    一、二二八、五九四     四五、五二四     八五五、〇二一    三〇、七五四   一、三五三、三四〇     四四、七六八    一、四六七、四六九      五一、〇五六    一、三一五、八一九     六一、九二〇    一、五八三、四二九    七四、二九九 電線         五〇九、三九一     三〇、一一一       四五、六〇五      二、一〇四       二、七四〇        九三      七二、三〇九      二、九三五       七三、八六五       二、八三七      六八九、一〇一     二七、七四五      八九八、〇九一    三三、五四九 鉄線索        一二二、三〇九      九、二四二       八〇、六一五      七、二三三      二三、九四七     一、七一八      六五、四二三      七、七一二      二二七、九六四      一五、七八六      三六九、三一六     二三、二〇八      三七一、九四八    二七、〇六四 故鉄線索     一、六六〇、七九三     二二、六四九    一、〇九〇、二六二     一五、二二七     七三二、二三〇    一一、一二二     五五一、三四六      七、一〇一     一二六七、一〇六      一六、八一八    一、六四七、七〇一     二三、九三三    一、四四七、二二六    一九、三六一 葉鉄          一〇、〇九一箱    四四、四六七       一〇、六五九箱    四一、一〇五      一〇、七九五箱   四〇、八五〇      一一、六四六箱    四三、一五五        六、五九二箱     二三、九五三        六、二〇九箱    二八、四四五        九、二四八箱   三九、九七三 同          一五〇、一二七斤     九、〇四六      一三四、一五〇斤     七、〇八六     一三九、八一六斤    六、七一六      八六、三九六斤     四、八一五      一〇九、五二〇斤      四、七四〇      四二三、四八六斤    二三、三六三       九七、三八四斤    六、三七三  以下p.245 ページ画像  晶鍍葉鉄      ……           ……           二三、五〇三      二、一四三      一九、二八八     一、六一七    ……          ……            二二、三五五       一、八八四       四八、二九六      四、三九〇       九八、四〇七     九、二〇二 鉄錨及錨鏈     不詳           三五、〇二〇     不詳           一七、二七六      不詳        二七、八七〇    不詳            四、八七三    不詳             一五、二〇四    不詳            三一、二六一     不詳          一九、四〇七 艙鉄        ……           ……            二、四七五         三一      ……        ……        ……          ……         ……            ……         ……            ……         ……          …… 貨幣匣             四四個     三、四七八           三四個     二、一五四          三七個    三、二九二個         二八個     一、二〇九           三二個      一、四九五           九二個     七、〇七二           三九個    四、〇八七 置炉及壁炉類    不詳            二、九五九     不詳            二、七二四      不詳         四、三一九    不詳            五、八五六    不詳             一一、一九五    不詳            二二、二一四     不詳           八、六九八 茶鍋             一二四個     三、〇八四          二三〇個       一八二      ……        ……              五〇個        六八    ……            ……                五八個     二、一五五     ……          …… 諸鉄器類      不詳           四八、四六〇     不詳           六二、一八九      不詳       二一九、八〇一    不詳          四二七、一五二    不詳            七五六、五〇一    不詳         一、三一七、三七一     不詳         九八六、〇七七 鋼          九四九、八二六斤    六九、〇二九    一、一五二、〇九九斤    六一、五一九   二、八一二、一五〇斤  一七六、八四八   四、五七九、五〇三斤   一八〇、五〇一    三、八一一、四六〇斤    一四三、三〇七    六、八四七、一九八斤   二九八、八一九    五、七一二、一七一斤  二九八、一五〇 鋼線          五三、五二一      六、五九八      一五八、〇八六     一七、五七二     二五八、八四三    三二、四〇八     二六八、一四〇     三三、二五七      四五五、四六三      五六、五五五      五四八、七六三     九一、一六四       六八九、三二五  一〇五、四一九 鋼線索       ……           ……         ……           ……          五七、〇三一     八、〇六六      二五、二八九      三、七五六       二二、一七七       二、六九九       七九、八四四     一二、三四五       二八七、五六八   四一、一七四 鋼器類       不詳           一一、三四五     不詳            九、五三八      不詳        一七、六八〇    不詳           四〇、六六一    不詳             四一、二〇三    不詳           一二二、二九九     不詳         一〇〇、九四五 傘骨          一四、三八五打    一二、四〇七       一五、三〇六打    一四、二一三       三、五九四打    三、五〇三         一六三打       五四五         一、〇七八打     二、五三七        五、四六四打     五、三二三     不詳          一一、九四九 類計                  一、五七七、三三五               一、五五一、二九一             二、一二八、三七二              二、六一六、五一五                三、四八八、八一二               六、一八九、一六九              五、一六三、六六二 



(第一〇号) ○自明治十六年至同二十二年 七年間各種車及機械類ノ輸入

図表を画像で表示七年間各種車及機械類ノ輸入

 年次  種類  鉄道客車    鉄道馬車    貨車       汽車      鉱山機      製紙機      紡績機       汽鑵及汽車     計             円       円       円        円       円        円          円        円          円 十六年     九、〇四九   ………     ………     二一、八四二   一、〇〇三    四、二二九     三一、四〇五   ………        六七、五二八 十七年    三六、九四二   三、三七三   ………     六〇、二二二   一、七四九    二、九七八      七、一二六   四四、二五三    一五六、六四三 十八年    二九、五六〇  一二、六六一     一七一   九三、二九二  一〇、六九四    四、一五九    一五一、一五三   七八、五七一    三八〇、二六一 十九年    二三、一九九   二、九七三      九二   九〇、〇九〇  一五、九四五   一〇、八四五     四四、七九二   六七、二八八    二五五、二二四 二十年    四二、〇三六   ………     四、三六六   九五、五二三  二六、〇六二    二、八一三    一二四、九七三  一三九、三七六    四三五、一四九 二十一年  一三三、三八四   八、二〇八     三七〇  三〇一、一九七  五一、九一〇  三一九、四六一  一、一〇九、八九四  三五〇、九九三  二、二七五、四一七 二十二年  四五〇、七七〇  三一、〇六三  八〇、六六七  二八四、一四四  五六、八二九  一八三、六五九    八七〇、五三一  六三二、八八三  二、五九〇、五四六 



 - 第19巻 p.246 -ページ画像 
 前二表ヲ見ルニ各種鉄類並ニ各種車及機械類ノ輸入高ハ明治十六年以来共ニ年々増加ノ傾向ヲ呈シ殊ニ明治二十年以後ハ非常ニ其高ヲ増加セリ、是レ前項ニ陳述スルガ如ク明治十八年以来各種ノ事業大ニ勃興シ之ガ為メ此等ノ材料俄ニ其需用ヲ増シタルニ因ル
(第一一号) ○自明治十三年至同二十二年 十年間米ノ生産並ニ海外輸出

図表を画像で表示十年間米ノ生産並ニ海外輸出

 年次  項目 生産高         海外輸出高                 石          石 明治十三年  三一、三五九、三二六     二七、二八〇 同 十四年  二九、九七一、三八三     四二、六二四 同 十五年  三〇、六九二、三二七    二六〇、三八〇 同 十六年  三〇、六七一、四九二    一七四、一六一 同 十七年  二六、三四九、八八三    四五四、八二四 同 十八年  三四、一五八、一六九    一二七、一一二 同 十九年  三七、一九一、四二四    五五五、一五三 同 二十年  三九、九九九、一九九    三五七、二八七 同二十一年  三八、六四五、五八三  一、三二五、三五三 同二十二年  三三、〇〇五、〇〇〇  一、三一〇、八五二 




 前表ヲ見ルニ米ノ生産高ハ明治十五年以来年々増加シ、随テ此間其輸出高モ年々増加シタルニ明治二十二年ニ至リ偶々気候不順且ツ水害等ノ為メ其生産高ヲ減少セリ、是レ近来米ノ供給漸ク欠乏ヲ告ゲ随テ其価ヲ暴騰シタル所以ナリ
(第一二号) ○自明治十年至同二十二年 十三年間外国輸出入原価

図表を画像で表示十三年間外国輸出入原価

 年次    輸出品総額          輸入品総額           輸出入全額           輸出超過         輸入超過                 円              円               円              円            円 明治十年  二三、三四八、五二一・六〇〇 二七、四二〇、九〇二・九五〇  五〇、七六九、四二四・五五〇               四、〇七二、三八一・三五〇 同十一年  二五、九八八、一四〇・二八〇 三二、八七四、八三四・一七〇  五八、八六二、九七四・四五〇               六、八八六、六九三・八九〇 同十二年  二八、一七五、七七〇・一九〇 三二、九五三、〇〇二・三九〇  六一、一二八、七七二・五八〇               四、七七七、二三二・二〇〇 同十三年  二八、三九五、三八六・六六〇 三六、六二六、六〇一・〇〇〇  六五、〇二一、九八七・六六〇               八、二三一、二一四・三四〇 同十四年  三一、〇五八、八八七・九三〇 三一、一九一、二四六・〇二〇  六二、二五〇、一三三・九五〇                 一三二、三五八・〇九〇 同十五年  三七、七二一、七五〇・五七〇 二九、四四六、五九三・九八〇  六七、一六八、三四四・五五〇  八、二七五、一五六・五九〇 同十六年  三六、二六八、〇一九・五九〇 二八、四四四、八四一・七八〇  六四、七一二、八六一・三七〇  七、八二三、一七七・八一〇 同十七年  三三、八七一、四六五・五〇〇 二九、六七二、六四七・四五〇  六三、五四四、一一二・九五〇  四、一九八、八一八・〇五〇 同十八年  三七、一四六、六九一・四三〇 二九、三五六、九六七・九二〇  六六、五〇三、六五九・三五〇  七、七八九、七二三・五一〇 同十九年  四八、八七六、三一二・七九〇 三二、一六八、四三二・二六〇  八一、〇四四、七四五・〇五〇 一六、七〇七、八八〇・五三〇  以下p.247 ページ画像  同二十年  五二、四〇七、六八一・一五〇 四四、三〇四、二五一・六九〇  九六、七一一、九三二・八四〇  八、一〇三、四二九・四六〇 同二十一年 六五、七〇五、五一〇・二一〇 六五、四五五、二三四・〇一〇 一三一、一六〇、七四四・二二〇    二五〇、二七六・二〇〇 同二十二年 七〇、〇六〇、七〇五・八二〇 六六、一〇三、七六六・六〇〇 一三六、一六四、四七二・四二〇  三、九五六、九三九・二二〇 



 前表ヲ見ルニ既往十三年間外国貿易ノ高ハ年々増加シ、即チ明治十年ニハ輸出入原価五千〇七十六万余円ナリシニ、明治二十二年ニハ其高一億三千六百十六万余円トナリ、即チ此十三年間ニ於テ二倍六分以上ニ増加シタル事ヲ知ルベシ

(第一三号) ○自明治十八年至同二十二年 五年間日本鉄道会社営業ノ景況

図表を画像で表示五年間日本鉄道会社営業ノ景況

 年次   既設線路平均哩数          貨物運賃                      乗客運賃              運賃合計         一哩ニ付収入ノ割合                  斤量           運賃            人員          運賃                          斤         円             人         円              円          円 十八年  九十九哩二分一    九一、一三二、八二一  一三二、五五二・〇一〇    七二一、二七四  三〇九、六一三・五五六    四四二、一五五・五六六  四、四四三・七七五 十九年  百三十六哩十分九  一六七、七〇七、一九七  二二七、四五七・三四八    七八三、一五八  三六〇、一七七・二二五    五八七、六三四・五四三  四、二九二・四三六 二十年  百七十八哩四分一  二六五、九〇三、三五一  三六八、九〇一・三八九  一、二七八、〇二二  五三八、七八一・一七五    九〇七、六八二・五六四  五、〇九二・一八八 廿一年  二百八十九哩    三九八、一六〇、九三一  五六三、〇八〇・五二〇  三、〇一三、八〇四  八五六、七六七・六一五  一、四一九、八四八・一三五  四、九一二・九六九 廿二年  二百八十九哩    四七七、六三一、四三五  六四六、九一二・八二〇  三、六七四、二六二  九八三、八三三・八六五  一、六三〇、七四六・六八五  五、六四二・七二二 




(第一四号) ○自明治十八年十月至同二十二年九月 四年間日本郵船会社営業ノ景況

図表を画像で表示四年間日本郵船会社営業ノ景況

 年度                航海船舶                     噸数合計    運送貨物                       乗客                     運賃合計           船舶一噸ニ付運賃ノ割合                   汽船数 同噸数     風帆船数 同噸数              噸数        運賃       円     人員       運賃       円              円       円 第一期(自十八年十月至十九年九月) 五八  六八、七二四  一一   四、七二五  七三、四四九     八六七、五三二  二、七〇三、〇七五・九八七  二二三、八五六    七八七、四三一・一八四  三、四九〇、五〇七・一七一  四七・五二三 第二期(自十九年十月至廿年九月)  五一  六一、九九〇  一一   四、七二五  六六、七一五   一、〇四四、五七九  三、一三八、四五三・八九三  二六二、七〇二    八八六、〇八四・九二六  四、〇二四、五三八・八一九  六〇・三二四 第三期(自廿年十月至廿一年九月)  五〇  六四、九〇五   八   二、六八三  六七、五八八   一、二一二、六五〇  三、二八五、四七九・〇九二  二九一、八七四  一、〇二四、四六八・九七四  四、三〇九、九四八・〇六六  六三・七六八 第四期(自廿一年十月至廿二年九月) 五〇  六七、五一六   五   一、九九〇  六九、五〇六   一、二七九、五九九  三、四八四、四五一・八九八  二四二、三〇三  一、〇〇八、六四四・二二四  四、四九三、〇九六・一二二  六四・六四三 



 - 第19巻 p.248 -ページ画像 
 前二表ヲ見ルニ既往四五年間日本鉄道会社及日本郵船会社ノ運搬スル貨物ノ斤量並ニ乗客人員ハ共ニ年々増加ノ景況ヲ呈セリ、即チ日本鉄道会社ハ明治十八年ニハ鉄道一哩ニ付収入ノ平均四千四百四十三円余ナリシガ、明治二十二年ニハ其収入五千六百四十二円余ニ達シ、日本郵船会社ニ於テハ第一期(自十八年十月至十九年九月)ニハ船舶一噸ニ付収入ノ平均四十七円余ナリシガ第四期(自二十一年十月至二十二年九月)ニハ其収入六十四円余ニ達シタリ、即チ此四五年間ニ日本鉄道会社ノ収入ハ二割七分弱ノ増加ヲ呈シ、日本郵船会社ノ収入ハ三割六分ノ増加ヲ示シタルヲ知ルベシ、而シテ其収入ノ増加ハ共ニ運送貨物ノ斤量並ニ乗客人員ノ増加シタル結果ナリトス
回顧スルニ明治七・八年ノ交ニハ市場ノ金融頗ル渋滞シテ商業甚ダ不活溌ナリシガ、政府ハ明治九年ニ改正国立銀行条例ヲ発布セラレ通貨ヲ準備トシテ紙幣ヲ発行スルノ特例ヲ国立銀行ニ与ヘラレ、加フルニ明治十年西南ノ事変アリタル後国庫ノ欠乏ヲ補ハンガ為メ紙幣ヲ増発セラレタルヨリ、爾後我国ノ流通紙幣ハ漸ク其高ヲ増シ、第一号表ニ示スガ如ク明治九年ニハ政府紙幣同繰替発行紙幣及銀行紙幣ヲ合シ其高壱億〇〇四拾九万余円ナリシニ明治十二年ニ至リテハ其高壱億六千五百六十九万余円ニ達セリ、蓋シ通貨ノ其高ヲ増スニ従ヒ物貨ノ騰貴スルハ経済上ノ原則ナルガ故ニ斯ノ如ク流通紙幣ノ増加スルヤ貨物ノ相場ハ日々ニ騰貴シ(第三号表ヲ見ヨ)随テ金融ハ繋忙《(繁)》ヲ告ゲ(第四号表ヲ見ヨ)公債ハ下落シ(第五号表ヲ見ヨ)外国輸入ノ増加ヲ促シ随テ正貨ノ海外ヘ流出シタルモノ其高少カラザリキ(第六号表ヲ見ヨ)是明治十年ヨリ十四年ニ至ル迄商工業上最モ活溌ノ現象ヲ呈シタル所以ナリ、然ルニ此時ニ当リ幣制改良ノ論ハ漸ク朝野ノ間ニ喧シク当局者深ク此点ニ注意セラレ、爾来鋭意正貨ノ準備ヲ増殖スル事ヲ勉メ、漸次流通紙幣ヲ収縮セラレタレバ是迄騰貴シタル貨物ノ相場ハ是ヨリ漸ク低落シ、輸出ハ増如シ輸入ハ減少シ金融亦緩漫トナリ公債騰貴スル等要スルニ其情況ハ全ク前日ト反対スルニ至レリ、是明治十五年ヨリ十七八年ノ交ニ至ル迄我商工業ガ止ムヲ得ス衰縮シタル所以ナリ
政府ガ明治十八年六月ニ兌換ノ布告ヲ発セラレ、翌十九年一月ヨリ之ヲ実行セラルヽヤ、多年混乱セル経済事情玆ニ始メテ静定シ、是迄只管危懼ヲ抱キタル人心モ玆ニ漸ク平穏ニ帰セリ、而シテ紙幣其価位ヲ復スルヤ商業資本稍々余裕ヲ得、金利亦随テ低落セリ、現ニ政府ガ此際中山道鉄道公債・海軍公債等各種低利ノ公債ヲ募集セラルヽヤ、人民ハ容易ニ之ニ応ジタルノミナラズ其応募高ハ遥ニ募集高ノ上ニ達シタルヲ見レハ、当時商業資本余裕ヲ得金利極メテ低廉ナリシ事ヲ証スルニ足レリ、斯ノ如ク一方ニ於テハ物価ノ標準安定シテ起業者ガ事業ヲ経画スルニ危険ノ恐ナク、一方ニ於テハ商業資本余裕ヲ得テ金利大ニ低落ス、加フルニ此際各種ノ技術者ニシテ新ニ大学ヲ卒業シテ実業ニ就ク者頗ル其数ヲ増加シ之ガ為メ大ニ工業社会ニ智識ヲ注入ス、於是乎世上ノ人心漸ク企業ノ一方ニ偏向シ、是ヨリ鉄道・紡績其他ノ事業踵ヲ接シテ起リ、苟モ現今欧米諸国ニ行ハルヽ文明ノ事業ハ殆ド皆其発起ヲ見ザル事ナキニ至レリ
今熟々第八号表ヲ撿スルニ明治十八年ヨリ廿二年ニ至ル五年間全国ニ
 - 第19巻 p.249 -ページ画像 
於テ此等ノ事業ヲ経営スル会社ノ新ニ創起シタル者、其数一千六百三拾六個ニ達シ、若シ此儘ニシテ其進度ヲ保持スル時ハ我商工業ハ数年ヲ出デズシテ大ニ面目ヲ革メ、欧米諸国ニ恥ヂザルノ程度ニ達スベキヤノ観ヲ呈セリ、蓋シ政府ガ一タビ兌換ノ制度ヲ実施セラルヽヤ、通貨其価位ヲ復シテ人心安堵シ、是迄内地各所ニ埋没シタル金銀貨ハ云フニ及バズ旧銅貨ニ至ル迄新ニ市場ニ溢出シ、自ラ日本銀行ノ庫中ニ注入シテ兌換紙幣ノ準備トナリ、之ガ為メ我ガ商業資本ノ力自ラ膨脹シタルハ疑フベカラザルノ事実ナリ、左レバ兌換実施ノ翌年即チ明治二十年ニ至リテハ物価悉ク幾分ノ騰貴ヲ顕ハシ、商業ノ景況ハ前後稀ナル盛栄ヲ呈セリ、是蓋シ米伊諸国ガ近頃兌換ノ制度ヲ実施シタルノ後ニ起リタルモノト同一ノ状況ニシテ、今我国ニ於テ斯ノ如キ現状ヲ生ジタルハ経済上ノ原則ニ拠ルモノニシテ亦当然ノ結果ナリト云フベキ歟
然リト雖トモ抑モ事業ノ進歩ニハ相当ノ程度アリテ此程度ヲ超ヘテ急速ノ発達ヲ為スハ自然ノ許サヾル所ナリ、左レバ明治十八年ヨリ二十二年下半季ニ至ル迄各種ノ事業勃興スルヤ既ニ商業資本ノ大半ヲ吸収シテ之ヲ固定シタルガ、此等ノ事業タル多クハ中道ニ在リテ其完成ヲ期スルニハ今後猶幾多ノ資本ヲ投入セザルベカラズ、然ルニ我国ニ於テハ資本運転ノ機関ハ大ニ備ハルモノヽ如シト雖トモ、其需給ハ他国ト平均スルヲ得ザルガ故ニ其需用切迫ヲ告グルモ他国ヨリ之ヲ補足スルヲ得ズ、其供給饒多ニ過グルモ之ヲ他国ニ流出シテ其働ヲ逞フセシムルヲ得ズ、之ヲ約言スレバ我国ニ於テハ外国トノ交通ハアレトモ条約ノ為メ阻隔セラレテ外資ヲ移入スルヲ得ザルガ故ニ如何ナル事業ト雖トモ之ヲ経営スルニハ我国内限リノ資本ヲ以テセザルベカラズ、斯ノ如ク有限ノ資本ヲ以テ無限ノ事業ヲ経営セント欲ス、金融ノ逼迫ヲ起スモ亦宜ナラズヤ、夫レ欧米諸国ニ在リテハ資本ノ需給他国ト相平均スルニ拘ラズ斯ノ如ク一時ノ進歩発達ニ際シテハ猶多少金融ノ逼迫ヲ来シ、之ガ為メ遂ニ恐慌ヲ生ズル事ナシトセズ、然ルヲ況ンヤ、我国ノ如キ資本ノ需給全ク他国ト平均セザルノ国ニ於テオヤ、由是視之我国ニ於テ今回ノ如キ金融逼迫ヲ致シタルハ怪シムニ足ラザルナリ、又之ヲ外ニシテ大ニ金融ノ逼迫ヲ助ケタルモノアリ、何ゾヤ、明治二十二年ノ米作凶歉ニシテ米ノ産額上数百万石ノ減少ヲ来シタル事即チ是ナリ、蓋シ外国米輸入ヨリ生ズル影響ノ如キハ本年々首ニ顕ハレザリシト雖トモ、米作凶歉ニシテ米価騰貴スルヤ地方ノ農民ハ之ヲ売惜ミ、又其産額ノ減少シタルヲ見テ大ニ購買力ヲ減ジ、百事節倹ヲ加ヘタルガ為メ千百ノ貨物市場ニ渋滞シテ其販路ヲ失ヒ、之ガ為メ大ニ商業ノ不景気金融ノ逼迫ヲ補成シタリ、幸ニ当局者ハ此ニ見ル所アリ、曩ニ公債証書ノ償還ヲ為シ、今ヤ又日本銀行ニ五分税附ニテ兌換銀行券ヲ増発スルノ特例ヲ与ヘラルヽ等此等ノ手段ト世ノ有識者ノ注意トニ拠リテ今日ニ至ル迄僅ニ一大恐慌ヲ免ルヽヲ得タリト雖トモ、要スルニ是一時救急ノ方策ニ止マリ、其瘢痍未ダ全ク治癒シタルニアラザレバ此後我ガ商業ノ前途ニ果シテ如何ナル景況ヲ惹キ起スベキヤ、思フテ此ニ至レバ憂慮措ク能ハザルナリ
夫レ金融逼迫ノ実況ハ既ニ前述スルカ如シ、然リ而シテ今我儕ハ今日
 - 第19巻 p.250 -ページ画像 
ノ金融逼迫ハ内ニ羸弱シタル所アリテ発シタルヤ否ヤヲ案スルニ其決シテ否ラザルヲ信ズルナリ、何ヲ以テカ之ヲ言フ、今熟々第十二号表ニ就テ之ヲ見ルニ我外国貿易ハ既往十三年間ニ於テ二倍六分以上ニ増加シ、此間内国ノ商業モ第十三号及第十四号表ニ示スガ如ク亦相当ノ進歩ヲ為セリ、由是視之今日ノ金融逼迫タル決シテ商業ノ衰微ヨリ発シタルニアラズシテ寧ロ事業急進ノ反動ナリト推断セザルベカラズ
論者或ハ曰ク、今日金融逼迫ノ為メ商工業一般ニ非常ノ衰況ヲ呈セリ若シ此儘之ヲ放任スル時ハ遂ニ如何ナル惨状ヲ生ズルヤモ知ルベカラズ、故ニ此際相当ノ救済策ヲ施シテ大ニ金融ノ緩和ヲ図ルベシト、蓋シ一時金融ヲ緩和スル事固ヨリ難事ニ非ズ、然リト雖トモ我儕ハ一時ノ弥縫策ヲ以テ安全ナリト信ズルヲ得ズ、抑モ原動ノ力一方ニ強大ナル時ハ随テ反動ノ力亦一方ニ強大ナルハ自然ノ大法ニシテ、凡ソ活動世界ノ事物ハ一トシテ之ガ制裁ヲ受ケザルハナシ、然リ而シテ商業ト雖トモ亦是一種ノ活動躰タル以上ハ豈此自然大法ノ範囲外ニ立ツヲ得ンヤ、是ヲ以テ商業ノ進歩スルヤ常ニ同一ノ方向ヲ以テ駛行スルモノニ非ズ、必ズヤ其間時々干満盈縮アリテ盛栄ノ度強キ時ハ衰縮ノ度亦強カラザルヲ得ズ、是猶飛湍ノ渓間ヲ流ルヽニ当リ両岸ノ岩石ニ相衝突シテ益々其水勢ヲ激スルガ如シ、左レバ明治十八年以来事業急進シテ今日ノ金融逼迫ヲ来シタルハ亦此自然大法ノ作用ト謂ハザルベカラズ、今試ニ欧米諸国ノ事例ニ徴スルニ一時商況盛栄ノ後必ズ衰縮ヲ来ス事各国概ネ其揆ヲ一ニスルガ如シ、而シテ此衰縮タル他ノ事情ニヨリテ其時機ヲ遅速スル事ナキニアラズト雖トモ、要スルニ其盛栄ノ度強キ時ハ衰縮ノ度亦随テ強キヲ見ルナリ、我国ニ於テ明治十八年以来各種ノ事業斯ノ如ク勃興シタルニ拘ラズ未ダ甚シキ衰縮ヲ来スニ至ラザリシハ蓋シ亦僥倖ナリト謂フベシ、然ルニ今若シ一時ノ弥縫策ヲ施シテ金融ヲ緩和スル時ハ之ガ為メ事業急進ノ勢ヲ助長シテ或ハ却テ其反動ヲ激スルノ恐ナキ歟、是我儕ガ之ヲ以テ安全ナリト信ズル事能ハザル所以ナリ
然リト雖トモ我儕ハ敢テ前途我国商業ノ発達ヲ以テ全ク自然ノ成行ニ放任セントスル者ニアラズ、抑モ事業ノ進度急速ニ失スル時ハ却テ激烈ナル反動ヲ来シ之ガ為メ大ニ国家ノ経済ヲ攪乱スルノ恐アルモノナレバ、我儕ハ苟モ前途商業ノ発達ヲ妨グルノ障碍物アラバ相当ノ方案ニ依リテ之ヲ芟除シ常ニ商業ノ機関ヲシテ円滑ニ運転スル事ヲ得セシメ、以テ事業進歩ノ際ニ当リ激烈ナル反動ヲ避ケン事ヲ望ム、故ニ本会ニ於テ別ニ調査委員ヲ設ケ常ニ此等ノ点ニ注意セシメ必要ノ場合ニ於テハ時々其方案ヲ研究セシメン事ヲ望ム、今ヤ金融逼迫ノ景況ヲ報告スルニ当リ聊カ玆ニ卑見ヲ附シテ会員諸君ノ一考ヲ煩ハス事爾カリ
      金融逼迫ノ景況調査委員
               二番会員   阿部泰蔵
               三番会員   梅浦精一
               四番会員   林賢徳
  明治二十三年九月     二十九番会員 山中隣之助
               三十二番会員 吉田幸作
               五十三番会員 奥三郎兵衛
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東京商工会残務整理報告 第一―一二頁 (明治二五年)刊(DK190037k-0006)
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東京商工会残務整理報告  第一―一二頁 (明治二五年)刊
○明治二十四年八月二十五日日本橋区坂本町東京銀行集会所ニ於テ東京商工会最終ノ臨時会ヲ開ク当日出席シタル会員左ノ如シ ○二十名氏名略ス
 当日午後四時開議会頭渋沢栄一君ハ開会ノ趣旨ヲ告ゲ先ヅ明治二十三年七月ヨリ同二十四年七月ニ至ル定式事務ノ成蹟及明治二十三年二月ヨリ同二十四年七月ニ至ル会計収支ノ決算ヲ報告ス
  自明治二十三年七月至同二十四年七月 東京商工会事務報告
○中略
    雑事    十二件
○中略
○金融逼迫ノ義ニ付調査委員ヨリ報告ノ件
  本件ハ前季既ニ報告シタルガ如ク七名ノ委員ニ於テ数回会同シテ各種ノ材料ヲ蒐集シ、其意見書ヲ起草シ明治二十三年八月二十六日第四十二臨時会ニ於テ之ヲ報告シ一同ノ承認ヲ得タルニ付、即チ之ヲ印刷ニ附シ農商務省及各新聞社其他各地商業会議所ヘ配附シタリ
   ○明治二十三年四月十四日、栄一ハ大蔵大臣松方正義・日本銀行総裁川田小一郎ノ招キニ応ジ安田善次郎ト共ニ下阪シ、東京大阪両同盟銀行ヲ代表シテ刻下ノ金融逼迫ニ対スル救済意見ヲ陳述セリ。是ニヨリ政府ハ、担保品付手形割引ノ途ヲ開キ且ツ兌換銀行券条例ヲ改正シテ保証準備制限額ヲ八千五百万円ニ拡張シタリ。此間ノ事情ニ就テハ本資料第六巻「東京銀行集会所」明治二十三年四月十五日(第一八六頁)ノ条参照。