デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
2款 東京商工会
■綱文

第19巻 p.280-282(DK190043k) ページ画像

明治23年5月24日(1890年)

先ニ議決サレシ会堂新築ノ儀事情アリテ其着手ヲ延期シ来タリシガ、農商務省ヨリ手当金ノ下附アリタルヲ機トシ、是日理事本員ヨリ会堂新築ニ関スル新案提出サレ修正可決サル。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商工会議事要件録 第四〇号・第六〇―六一頁 (明治二二年九月)刊(DK190043k-0001)
第19巻 p.280 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四〇号・第六〇―六一頁 (明治二二年九月)刊
  第廿一定式会
          (明治廿二年八月九日開会)
  第卅六臨時会
    会員出席スル者 ○二十五名
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ玆ニ各員ノ含迄ニ一言スベキ事アリトテ即チ会堂建築ノ延引シタル理由ヲ弁ジテ曰ク
  会堂建築ノ事ハ昨年八月中ニ可決シタル処ナルガ、此際偶々文部省ニ於テ本会搆内ノ土地ヲ公売ニ附セラルヽノ議アリテ旁々其建築ノ着手ヲ見合セタリ、然ルニ其後文部省ヨリ此土地ヲ農商務省ヘ譲リ渡サルヽ事トナリタルガ現任農商務大臣ニ於テハ兼テヨリ商工会ノ組織ヲ改良スルノ考案ヲ抱カレ昨年来頻ニ規画セラルヽ所アリ、特ニ先達テ中ヨリ右ニ付必要ナル条例案等御調査中ノ処今般粗ボ調成シタルニ付不日全国重立タル商法会議所ヨリ委員ヲ召集シ諮問会ヲ開カルヽ趣ナリ、然ルニ右条例制定ノ模様如何ハ将来本会ノ規摸上ニ大ナル関係ヲ有スルニ付、会堂建築ノ事ハ今少シク時機ヲ待ツ方可然ト思考シテ今日迄其着手ヲ見合ハセタル訳ナリ、各員之ヲ諒セラレタシ
 - 第19巻 p.281 -ページ画像 


東京商工会議事要件録 第四四号・第一七―二〇頁 (明治二三年六月)刊(DK190043k-0002)
第19巻 p.281-282 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四四号・第一七―二〇頁 (明治二三年六月)刊
  第二十四定式会
           (明治二十三年五月二十四日開)
  第四十臨時会
    会員出席スル者 ○三十八名
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ是ヨリ第三号議案ヲ議スヘキ旨ヲ告ゲ書記ヲシテ之ヲ朗読セシム
 ○第三号
    会堂新築要目
 一本会搆内西南ノ部分ニ於テ農商務省ノ認可ヲ得、目下建築中ニ係ル同省附属農工品陳列所ニ連接シテ煉瓦造三階立ニテ凡五十坪ノ家屋一宇ヲ新築スル事
 一建築費ハ室内装飾費一切ヲ合シ金壱万五千円ヲ限度トスル事
 一建築費金壱万五千円ノ内壱万円ハ農商務省ノ下附金(五千円)及本会維持元資金(凡三千七百円)ヲ以テ之ニ充テ其不足(凡壱千三百円)ハ各員ニ割当テ別途ニ徴収シテ之ヲ支弁スルモノトシ残五千円ハ有志者随意ノ義捐金及借入金ヲ以テ之ヲ支弁スル事
 一右借入金ハ無利息凡十ケ年賦トシ、済シ崩シノ方法ヲ以テ償却スル事
 一工事ハ先ツ請負人数名ヲシテ見積ラセ、其中適当ノ者ヲ撰ンテ之ヲ請負ハシムル事、但シ図式及設計ノ調査其他工事ノ監督ハ適任ノ建築家ニ委托スル事
会長(渋沢栄一)曰ク、会堂新築ノ事ハ嘗テ去ル明治二十一年五月二十一日ノ臨時会ニ於テ始テ之ヲ議題トナシ其後同年八月二十日ノ臨時会ニ於テ更ニ之ヲ可決シタルガ、当時其議決シタル所ハ旧来ノ議事堂ヲ利用シ凡金七千円ヲ以テ新ニ一宇ノ会堂ヲ建築シ、右建築費ノ内三千円ハ本会維持元資金ヲ以テ支弁シ残四千円ハ有志者ヨリ無利足ニテ借入レ支弁スルノ方案ナリキ、然ルニ此際偶々文部省ニ於テ本会搆内ノ土地ヲ公売ニ附セラルヽ議アリ、暫ク其建築ノ着手ヲ見合セタルニ同年ノ冬ニ至リ文部省ヨリ此土地ヲ農商務省ヘ譲リ渡サルヽ事トナリタルニ付、其後右建築ノ事ニ関シ農商務省ノ内議ヲ伺フタルニ同省ニ於テハ此土地ニ専売特許局及農工品陳列場ヲ建築セラルヽ見込ニシテ、本会ニ於テ会堂ヲ建築スルニハ旧来ノ議事堂ヲ撤去シテ更ニ右特許局ノ設計ニ応ズル建物ヲ建築スヘシトノ事ナリキ、然ルニ斯ノ如クスル時ハ多分ノ費用ヲ要シ、差向其供給ヲ得ルノ道ナク彼是苦心中ノ折柄当時農商務大臣ニ於テハ商工会ノ組織ヲ改良スルノ考案ヲ抱カレ、右ニ付必要ナル条例案等御取調中ノ趣ニシテ右条例制定ノ模様ハ将来本会ノ規模上ニ大ナル関係ヲ有スルニ付新築ノ事ハ今暫ク時機ヲ待ツ方然ルヘシト思考シ心ナラズモ荏苒今日ニ及ビシガ今般同省ヨリ不時ノ下附金アリテ建築費中一分ノ供給ヲ得タルニ付更ニ本案ヲ提出シテ各員ノ審議ヲ請フ事トセリ
本案ノ大体ニ就テハ各員異議ナカリシガ、煉瓦造三階立五十坪ニテハ
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規模狭小ニ失シ其不便少カラザルニ付、先ヅ当市下ノ銀行会社等ニ就キ精々寄附金ヲ募リ幸ニ充分ノ資金ヲ得ルニ於テハ其金高ニ応ジ今少シク其規模ヲ増大ニスルニ決ス


東京商工会議事要件録 第四六号・第二―一八頁 (明治二三年九月)刊(DK190043k-0003)
第19巻 p.282 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号・第二―一八頁 (明治二三年九月)刊
  第二十五定式会
           (明治二十三年八月二十六日開)
  第四十二臨時会
    会員出席スル者 ○二十八名
会長(渋沢栄一)ハ開会ノ趣旨ヲ報ジ先ヅ定式会ヲ開クベキ旨ヲ告ゲ規程第五章第二十二条ニ拠リ明治二十三年上半季間定式事務ノ成跡ヲ報告ス
  自明治二十三年一月至同年六月 半季間東京商工会事務報告
    雑事    八件
○中略
○会堂新築ノ件
  本件ハ理事本員ノ発案ニ係リ、其要旨ハ今回農商務省ヨリ手当金ノ下附アリタルヲ機トシ、此際建築費凡一万五千円ヲ限度トシテ煉瓦造三階立凡五十坪ノ会堂一宇ヲ新築スルモノトシ、右金高ノ中一万円ハ農商務省ノ下附金維持元資等ヲ以テ支弁シ、残五千円ハ有志者随意ノ義捐金及借入金ヲ以テ支弁スベシト云フニ在リ、即チ明治二十三年五月二十四日第四十臨時会ニ於テ之ヲ審議シタルニ大躰ニ就テハ各員異議ナカリシガ、原案ノ坪数ニテハ規模狭小ニシテ其不便少カラザルニ付先ヅ当府下ノ銀行会社等ニ就キ精精寄附金ヲ募リ、幸ニ充分ノ資金ヲ得ルニ於テハ其金高ニ応ジ今少シク其規模ヲ増大ニスルニ決シ、目下寄附金募集中ナリ
○下略
   ○明治二十一年八月二十日ノ条(本巻第八九頁)参照。
   ○会堂ハ商工会時代ニハ遂ニ新築サレズ。東京商業会議所ハ明治二十九年七月ニ新建物ノ建築ニ着手シ三十二年七月ニ落成セリ。本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」明治三十二年十一月二十六日ノ条参照。