デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第19巻 p.645-656(DK190070k) ページ画像

明治24年8月29日(1891年)

当会議所、是日ノ臨時会議ニ於テ農商務大臣陸奥宗光ヨリ諮問サレタル職工条例ノ儀ヲ討議セシガ、工業部ニ托シテ調査セシムルニ決ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京経済雑誌 第二四巻第五八五号・第二五三頁 明治二四年八月一五日 ○職工条例に関する農商務大臣の諮問(DK190070k-0001)
第19巻 p.645 ページ画像

東京経済雑誌  第二四巻第五八五号・第二五三頁 明治二四年八月一五日
    ○職工条例に関する農商務大臣の諮問
陸奥農商務大臣は、職工条例に関し商業会議所に諮問せられたり、諮問案の要領左の如し
 一工業製造業の利益及雇者・被雇者相互の権利義務を保護し及其業法の発達永続を企図せんか為めに工場製造所と職工(男職工・女職工及男女未丁年職工)及徒弟とに関する法律を制定するの要否並に其規定を要する事項


東京経済雑誌 第二四巻第五八六号・第三〇二頁 明治二四年八月二二日 ○東京商業会議所総会議案(DK190070k-0002)
第19巻 p.645-646 ページ画像

東京経済雑誌  第二四巻第五八六号・第三〇二頁 明治二四年八月二二日
    ○東京商業会議所総会議案
来る廿九日に開くべき東京商業会議所総会の議案なりと云ふを聞くに ○中略 第四号議案は本月七日附にて農商務大臣より諮問に与りし工業製
 - 第19巻 p.646 -ページ画像 
造業の利益及び雇者・被雇者相互の権利義務を保護し及び其業法の発達手続を企図せんが為めに工場製造所と職工(男職工・女職工及び男女未丁年の職工)及び徒弟とに関する法律を制定するの要否、並に其規定を要する事項なりと


東京経済雑誌 第二四巻第五八八号・第三七三頁 明治二四年九月五日 ○商業会議所の総会(DK190070k-0003)
第19巻 p.646 ページ画像

東京経済雑誌  第二四巻第五八八号・第三七三頁 明治二四年九月五日
    ○商業会議所の総会
去月廿九日午後六時より開会、出席者二十八名、渋沢栄一氏会頭席に就き、第一号議案昨年七月より本年八月に至る決算報告、第二本年九月より明年八月に至る予算案を議せり、終りに佐久間貞一氏が職工条例は秘密を要するを以て傍聴を禁せんとの発議に満場賛成にて、傍聴を禁し九時廿分頃散会せり


第一回東京商業会議所事務報告 第五―六頁 明治二五年四月刊(DK190070k-0004)
第19巻 p.646 ページ画像

第一回東京商業会議所事務報告  第五―六頁 明治二五年四月刊
一職工条例ノ儀ニ付農商務大臣ヨリ諮問ノ件
 本件ハ明治二十四年八月七日附ヲ以テ陸奥農商務大臣ヨリノ諮問ニ係リ、其要旨ハ工業製造業ノ利益、及雇者・被雇者相互ノ権利義務ヲ保護シ及其業法ノ発達永続ヲ企図センカ為メニ、工場製造所ト職工及徒弟トニ関スル法律ヲ制定スルノ要否如何ト云フニアリ、依テ同年八月廿九日第六回ノ臨時会議ニ附シタルニ先ヅ工業部ニ托シテ調査セシムル事ニ決シ、爾来同部ニ於テ調査中ニ付追テ其結了ヲ待テ更ニ会議ニ附スルノ見込ナリ、但シ本件ハ頗ル重要ノ問題ニ属シ其調査ノ為メ多分ノ時日ヲ要スル見込ニ付会議ノ決議ヲ経、同年九月廿一日ヲ以テ為念其旨ヲ同大臣ヘ上陳シタリ


第二回東京商業会議所事務報告 第二七頁 明治二六年四月刊(DK190070k-0005)
第19巻 p.646 ページ画像

第二回東京商業会議所事務報告  第二七頁 明治二六年四月刊
一職工条例ノ義ニ付農商務大臣ヨリ諮問ノ件
 本件ハ前回ニ報告シタルガ如ク、明治二十四年八月以来工業部ニ於テ調査中ノ処未ダ其結了ヲ告ゲザルニ付、進《(追カ)》テ同部ノ報告ヲ待チ会議ニ附スルノ見込ナリ
   ○明治二十六・二十七年度ニモ之ト同様ノ記事アリ。
   ○本調査ハ其後如何ニナリシカ資料欠除ノタメ不明ナリ。
   ○工場法ト栄一トノ関係並ニ工場法成立ノ沿革ニ就テハ本資料第十七巻所収「東京商法会議所」明治十三年十一月十五日(第四八〇頁)、第十八巻所収「東京商工会」明治十七年五月二日(第一〇二頁)、第二十一巻所収「東京商業会議所」明治三十一年五月二十日、同三十一年十月二十二日、同三十六年三月二十八日、第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十五年十二月八日、第二十三巻所収政府諸会ノ中「農商工高等会議」明治二十九年十月二十三日、同三十一年二月二十八日、第二編第二部社会公共事業第五章学術及其他ノ文化事業中「社会政策学会」明治四十年十二月二十二日ノ各条参照。



〔参考〕工場法論 岡実著 改訂版・第九―一〇頁 大正二年刊(DK190070k-0006)
第19巻 p.646-647 ページ画像

工場法論 岡実著  改訂版・第九―一〇頁 大正二年刊
○上略
 明治二十二年ニ至リ、工業上ニ使用スル汽缶取締法制定参考ノ為メ
 - 第19巻 p.647 -ページ画像 
各府県ニ於ケル汽缶ノ総数・種類・其ノ他之ニ関スル事項ヲ調査シ、二十三年工務局ヲ廃シテ商工局ヲ設置シ、翌二十四年工場及製造業ニ於ケル傭主被傭者相互ノ権利義務ヲ保護シ、及其ノ業務ノ発達永続ヲ企図スルノ目的ニ依リ、同年七月職工条例制定ノ要否並其ノ規定ヲ要スル事項ニ付各商業会議所ニ諮問シタルニ翌二十五年各其ノ答申書ヲ提出セリ。超エテ二十六年及二十七年ニ於テハ製造場及工場内ニ於ケル労働者ノ実況調査表様式ヲ印刷シテ之ヲ各府県ニ配附調査セシメ、又各府県ニ於ケル各種工場取締規則ヲ蒐集シ、尚従来発生シタル汽缶ノ破裂損傷ノ報告ヲ徴スル等各般ノ調査ヲ為シタリ。要スルニ二十二年以後数年間ハ専ラ調査ヲ行ヒ、一面屡法案ヲ編纂シタルモ改案相踵キテ之ヲ公表スルノ時機ニ達セサリシナリ。 ○下略



〔参考〕東京経済雑誌 第二四巻第五八六号・第二八五―二八六頁 明治二四年八月二二日 ○職工条例に関する農商務大臣の諮問(桑原啓一)(DK190070k-0007)
第19巻 p.647-648 ページ画像

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〔参考〕佐久間貞一小伝 豊原又男著 第一四九―一五〇頁 明治三七年一一月刊(DK190070k-0008)
第19巻 p.648 ページ画像

佐久間貞一小伝 豊原又男著  第一四九―一五〇頁 明治三七年一一月刊
    第十 労働問題と佐久間貞一
○上略
 然り而して氏の最も力を尽したるものは工場法制定にあり、明治廿四年陸奥農商務大臣の職工条例制定の可否を各地商業会議所に諮問するや、氏は東京商業会議所に在りて其調査委員となり制定の必要なる旨を主張せりと雖、当時我商工業者の未だ之を念頭に置くものなく、且つ多く之を否認するにありたるを以て氏は既に其経験する所を万縷千説して独り之れに対峙せり、然るに政府は其後更に消息を伝へずして止みたるが、爾後各地に労働運動の起れると共に同盟罷工大に起りて、資本家対労働者間の不調和愈々激甚となるの趨勢を示したれば、政府は農商務省に工場調査会なるものを設けて吏員を各地に派して其実境《(況)》を捜らしめ、工場法草案を作製して之を各地商業会議所及其他経験あるものに諮問せり、然るに世論大に起り甲是乙非未だ決せずして其制定を見る能はず、我邦工業界の為めに詢に遺憾なりといふべし
○下略



〔参考〕東京経済雑誌 第二四巻第五九六号・第六四五―六五一頁 明治二四年一〇月三一日 専修学校理財学会大会に於て(十月十一日)(DK190070k-0009)
第19巻 p.648-655 ページ画像

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〔参考〕東京経済雑誌 第二四巻第五九九号・第七六一頁 明治二四年一一月二一日 ○職工条例に対する京都商業会議所の答申(DK190070k-0010)
第19巻 p.655-656 ページ画像

東京経済雑誌  第二四巻第五九九号・第七六一頁 明治二四年一一月二一日
    ○職工条例に対する京都商業会議所の答申
兼て農商務省より各商業会議所に諮問せられたる職工条例制定の件に付き、京都商業会議所にては去る十七日最後の会議を開き、条例制定の必要なしと議決し、翌十八日農商務大臣へ答申書を差出せり、其の主旨は器械的工業の発達するに従ひ、雇主と被雇者の間に種々の悪害を生ずるは自然の勢なれば、政府は遂に職工条例を制定して之が弊害
 - 第19巻 p.656 -ページ画像 
を防護するの止むを得ざるに至るべしと雖も、今我国工業界の情態を観察するに、猶旧来の慣習を存して師匠と徒弟、親方と子分、製造家と職工との間、宛然主従の関係を有し、主は能く従を愛撫し、従は能く主に忠実に、其間甚だ円滑なれば、未だ遽に法律を以て雇者被雇者間の権利義務を確定し、職工労働時間を制限し、一定の休日を立て、幼工女工の為め特に平生教育等の事項を規定するに及ばずと云ふに在り、先づ余輩と同説なり