デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.165-167(DK200018k) ページ画像

明治25年12月15日(1892年)

是日栄一、当会議所会頭トシテ商業会議所条例中実際ニ於テ不便ナル点ヲ挙ゲテ之ヲ修正センコトヲ農商務大臣伯爵後藤象二郎ニ建議ス。


■資料

第一回東京商業会議所事務報告 第一〇―一一頁 明治二五年四月刊(DK200018k-0001)
第20巻 p.165 ページ画像

第一回東京商業会議所事務報告  第一〇―一一頁 明治二五年四月刊
一商業会議所条例修正ノ儀ニ付渋沢栄一君外六名ヨリ建議ノ件
 本件ハ明治二十四年十二月六日、会員渋沢栄一・益田孝・奥三郎兵衛・辻粂吉・伊井吉之助・中沢彦吉・益田克徳諸君ヨリノ建議ニ係リ、其要旨ハ商業会議所条例中撰挙人及被撰挙人ノ資格ニ関スル規定其他不完全ナル箇条少カラザルニ付、委員ヲ設ケテ之ヲ調査セシメ修正ノ義ヲ其筋ヘ建議シタシト云フニ在リ、依テ同年十二月十二日第十回ノ臨時会議ニ附シタルニ先ツ建議者七名ヲ委員トシテ之ヲ調査セシムルニ決シ、即チ目下委員ニ於テ調査中ニ付追テ其報告ヲ待チテ更ニ会議ニ附スル見込ナリ


東京商業会議所月報 第二号・第三頁 明治二五年一〇月 【○明治二十五年九月二日午後四時…】(DK200018k-0002)
第20巻 p.165 ページ画像

東京商業会議所月報  第二号・第三頁 明治二五年一〇月
○明治二十五年九月二日午後四時四十分、本会議所仮事務所ニ於テ委員会議ヲ関《(開)》キ商業会議所条例修正ノ件ヲ審議シ、午後九時十分散会ス
○中略
○同月 ○九月十九日午後一時、東京銀行集会所ニ於テ委員会議ヲ開キ商業会議所条例修正ノ件ヲ審議シ、午後五時散会ス


東京商業会議所月報 第五号・第四頁 明治二六年一月 【○同月 ○明治二五年…】(DK200018k-0003)
第20巻 p.165 ページ画像

東京商業会議所月報  第五号・第四頁 明治二六年一月
○同月 ○明治二五年一二月十五日、商業会議所条例ノ修正ヲ要スル義ニ付農商務大臣ヘ建議書ヲ呈ス(建議書ノ全文ハ参照ノ部第二号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第五号・第七―九頁 明治二六年一月 【○参照第二号 十二月十五日農商務…】(DK200018k-0004)
第20巻 p.165-167 ページ画像

東京商業会議所月報  第五号・第七―九頁 明治二六年一月
○参照第二号
 十二月十五日農商務大臣ヘ呈シタル商業会議所条例修正ノ義ニ付建議書ノ全文ハ左ノ如シ
明治二十三年九月十一日ヲ以テ発布セラレタル法律第八十一号商業会議所条例ハ畢竟各地商業者ノ希望ニ基キ制定セラレタルモノニシテ、其目的ハ蓋シ法律ヲ以テ商業会議所ノ設立ヲ公認シ、之ヲシテ各地ノ商業ヲ代表スルノ自治機関タラシムルニ在リ、而シテ該条例実施以来日尚浅キニモ拘ハラス各地商業者ガ之ニ依リテ新ニ会議所ヲ組織シタルモノ其数幾ント二十ノ多キニ及ハントスルニ至リタルハ商業社会ノ為メニ大ニ慶賀スル所ナリ、然ルニ該条例中ニハ往々不完全ノ規定ア
 - 第20巻 p.166 -ページ画像 
リテ実際経験ノ上ニ於テ不便ヲ感スルノ点少ナカラス、為メニ折角設立シタル商業会議所ヲシテ充分ニ其機能ヲ達セシムル能ハザルノ憾アリ、是ヲ以テ本会議所ハ実ニ修正ノ止ムベカラザルヲ認メ曩ニ委員ヲ設ケテ詳密ノ審議ヲ遂ケ猶各地商業会議所ノ同意ヲ得、別紙修正案ヲ調成シテ敢テ之ヲ閣下ニ上呈ス、仰キ願クハ閣下本会議所ノ意見ヲ採納シ速ニ改正ノ手続ヲ執行セラレンコト希望ノ至ニ堪ヘス、此段本会議所ノ決議ニ依リ謹テ建議仕候也
  明治廿五年十二月十五日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    農商務大臣 伯爵 後藤象二郎殿
(別紙)
    商業会議所条例修正案
第一条 此条例ニ商業者ト称スルハ営業ノ目的ヲ以テ左ノ取引ヲ為ス者ヲ謂フ
  一 物品ノ交換・販売ヲ目的トスル取引
  二 製造工業及手職業ニ係ル取引
  三 人及物ノ運送ニ係ル取引
  四 土木建築其他ノ受員業《(負)》
  五 銀行営業
  六 両替・貸金及質営業
  七 倉庫寄托ニ係ル取引
  八 取引所ノ取引
  九 船舶ノ売買・賃貸・構造・修繕ニ係ル取引
  十 保険ニ係ル取引
  十一 委托売買・仲立及代弁ノ営業
 前項ニ掲クル取引ヲ営業トスル商事会社ハ一会社ヲ以テ一ノ商業者トス
  原文ニハ商法第四条ニ掲ケタル商取引ノ各部類ニ属スル商人及作業人ヲ以テ商業者トスル旨ヲ記スルニ止マリ、其商業者ノ種類ヲ掲ゲザルニ付其意旨明確ヲ欠キテ疑義ヲ生シ易シ、故ニ本条ニ修正ヲ加ヘ其商業者タルベキ営業ノ種類ヲ明掲スルコトヽセリ、又原文ニ拠レバ両替・貸金及質営業ノ如キ、委托売買・仲立及代弁ノ営業ノ如キハ、共ニ商法第四条ノ範囲外ニ在ルヲ以テ随テ之ヲ商業者以外ニ置クト雖モ、此等ノ営業ニ従事スル者ハ商業者トスルヲ当然ト信スルニ付、之ヲ前記種類ノ中ニ加フルコトヽセリ
  又原文中ニハ商事会社ノ役員ノ類ハ一個人トシテ商人ナルヤ否ヤノ規定明カナラザルカ故ニ此点ニ関シ実際往々争議ヲ生シタルコトアリ、故ニ本条第二項ニ商事会社ハ一会社ヲ以テ一ノ商業者トスル旨ヲ掲ゲ、以テ商事会社役員ノ類ハ一個人トシテハ商人タラサルコトヲ明ニセリ
第五条 会議所設立地域内ニ於テ所得税ヲ納ムル商業者及第一条ノ商事会社ハ会員ノ撰挙権ヲ有ス
  原文ニ拠レバ商事会社ハ撰挙権ヲ有セザルガ故ニ一方ニ於テハ被撰挙権ヲ有スルニ拘ラズ一方ニ於テハ経費負担ノ義務ヲ免カルヽ
 - 第20巻 p.167 -ページ画像 
ノ不権衡アリ、故ニ本条ニ修正ヲ加ヘ商事会社ハ一個商人ト同シク撰挙権ヲ有スルコトヽセリ
第六条 会員ノ撰挙権ヲ有シ三ケ年以上商業ヲ営ミ年齢三十歳以上ノ男子及第一条ノ商事会社ハ会員ノ被撰挙権ヲ有ス、商事会社ヲ代表スヘキ者ハ年齢三十歳以上ノ男子ニシテ法律上其会社ノ代理権ヲ有スル者一員ニ限ル
  原文ニ拠レバ会員撰挙権ヲ有スル者ニシテ三十歳以上ノ男子ナレバ総テ之ニ被撰挙権ヲ与フルノ規定ナレトモ苟モ会員タルベキ者ハ特ニ商業上ニ充分ノ経験ヲ有スル者タラザルベカラズ、是本条ノ第一項ヲ修正シ会員撰挙権ヲ有スル者ニシテ年齢三十歳以上ノ男子タル上ニ猶三ケ年以上商業ヲ営ム者ニ限リ之ニ被撰挙権ヲ与フルモノト定メタル所以ナリ、又原文ニ拠レバ商事会社ヲ代表スベキ者ニハ年齢ノ制限ナシト雖トモ既ニ他ノ被撰挙権ヲ有スル者ニ年齢ノ制限ヲ置ク以上ハ此代表者ニモ之ヲ置クヲ至当ナリトス故ニ本条第二項ヲ修正シテ此代表者モ亦年齢三十歳以上ノ者ニ限ルコトヽセリ、其他ハ字句ノ修正ニ過《(マヽ)》セス
第七条 第五条・第六条ノ規定中会員ノ撰挙権及被撰挙権ニ就テハ農商務大臣ハ地方ノ情況ニ依リ、省令ヲ以テ所得税額及会社ノ資本額ニ基キ特ニ財産上ノ資格ヲ定ムルコトヲ得
  本条修正ノ理由ハ第五条ヲ以テ商事会社ヲシテ撰挙権ヲ有セシメタル当然ノ結果ナリ、其他ハ字句ノ修正ニ過ギズ
第十四条中第四条ノ下「第二項第四項及」ノ七字ヲ削除ス
  原文ニ拠レハ第四条第二項・第四項及第七項ノ事件ニ係ル会議ハ総テ公開スルヲ得ザルノ規定ナリ、然ルニ右三項ノ中第七項ノ如キハ公開ヲ禁スルコト当然ナルベシト雖トモ、第二項及第四項ノ如キハ既ニ原文第二項ニ示スカ如ク必要ノ場合ニ於テハ、農商務大臣ノ命令又ハ会議所ノ議決ヲ以テ公開ヲ禁シ得ルノ規定アル以上ハ常ニ其公開ヲ禁スルノ必要ナシト信ス、是レ本条ヲ修正シタル所以ナリ


第二回東京商業会議所事務報告 第二四頁 明治二六年四月刊(DK200018k-0005)
第20巻 p.167 ページ画像

第二回東京商業会議所事務報告  第二四頁 明治二六年四月刊
一商業会議所条例修正ノ儀ニ付農商務大臣ヘ建議ノ件
 本件ハ前回ニ報告シタルガ如ク会員渋沢栄一君外六名ノ提案ニ起因シ、委員ニ於テ調査ヲ遂ゲ其意見ヲ報告シタル処、其後京都ニ開設セル商業会議所聯合会ノ決議ニ基キ別ニ修正案ヲ草シ、更ニ之ヲ明治二十五年十二月十二日第二十回ノ臨時会議ニ附シタルニ其可決ヲ経タルニ付、同年十二月十九日左ノ如ク之ヲ後藤農商務大臣ヘ建議シタリ
   ○建議文ハ前掲ノモノト同一ニツキ略ス。
   ○本資料第十九巻所収「東京商工会」明治二十三年八月二十八日、本巻明治二十五年九月十九日、同二十六年九月二十二日、同二十六年十一月十八日同二十七年五月二十七日、同二十七年六月二十七日ノ各条及ビ第二十三巻所収「商業会議所条例改正案諮問会」参照。