デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.680-690(DK210119k) ページ画像

明治34年9月15日(1901年)

是日ヨリ十八日迄、第十回商業会議所聯合会新潟市県会議事堂ニ於テ開催セラレ、大倉喜八郎・井上角五郎ノ両名当会議所ヲ代表シテ之ニ参会シ、帰京後議事ノ顛末ヲ報告ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商業会議所報告 第一〇二号・第一五頁 明治三四年一二月刊(DK210119k-0001)
第21巻 p.680-681 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇二号・第一五頁 明治三四年一二月刊
 - 第21巻 p.681 -ページ画像 
○同月 ○七月八日、第十回商業会議所聯合会開会ノ件ニ付、新潟商業会議所ヨリ通知書ヲ接受ス
○中略
○同月 ○八月十九日、第十回商業会議所聯合会開会期日変更ノ義ニ付、新潟商業会議所ヨリ通知書ヲ接受ス


渋沢栄一 日記 明治三四年(DK210119k-0002)
第21巻 p.681 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三四年     (渋沢子爵家所蔵)
八月廿日 晴
午前八時東京商業会議所臨時会ヲ開ク ○下略
   ○中略。
八月廿四日 晴
午前八時商業会議所ニ抵リ、条例改正ニ関スル委員会ヲ開ク ○下略
   ○中略。
九月二日 曇
○上略 此日午前商業会議所委員会 ○商業会議所条例改正調査委員会ニ出席シ ○下略


東京商業会議所報告 第一〇二号・第二―四頁 明治三四年一二月刊(DK210119k-0003)
第21巻 p.681-682 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇二号・第二―四頁 明治三四年一二月刊
○第百七回臨時会議 八月二十日開
 出席者
  森清右衛門君 ○外二十名氏名略
午前九時五分開議
会頭渋沢栄一君議長席ニ就キ、先ツ左ノ件々ヲ報告ス
○中略
次ニ議長ハ左ノ件々ヲ議事ニ附ス
○第一号
 一 第十回商業会議所聯合会参会委員二名選挙ノ件
本件ハ全会一致ヲ以テ議長ノ指名ニ一任スルニ決シタルニ付、議長ハ左ノ如ク指名シタリ
                    大倉喜八郎君
                    井上角五郎君
○第二号
 一 本会議所ヨリ第十回商業会議所聯合会ヘ左ノ議案ヲ提出スル事各商業会議所ハ左記ノ趣旨ヲ以テ、内閣総理・外務・大蔵・農商務・逓信各大臣ヘ建議スル事
 比年我経済界ノ萎靡衰憊シタルコトハ、蔽フヘカラサルノ事実ニシテ、曩ニ本年一月臨時商業会議所聯合会ニ於テハ審議ノ末、之カ根治策トシテ、先ツ内国公債ヲ償還シ私設鉄道ヲ買収スルカ為メ外資ヲ輸入シ、由テ以テ同時ニ幣制ヲ改良スヘシト云フノ意見ヲ定メ、次テ各商業会議所ハ経済整理ノ題目ヲ以テ之ヲ帝国議会ニ請願シ、且ツ政府ニ建議スル所アリシカ、不幸ニシテ未タ実行ヲ見ルニ至ラサルハ各商業会議所ノ深ク遺憾トスル所ナリ、蓋シ爾来我経済界ノ趨勢ヲ按スルニ、民間ノ金融ハ前時ニ比シテ稍ヤ緩和ヲ得タルノ観ナキニアラスト雖トモ、翻テ一般民業ノ実相ヲ察スルニ資本猶充実ヲ得スシテ、其種類ニヨリテハ或ハ持久ニ堪ヘサラントスルモノナ
 - 第21巻 p.682 -ページ画像 
キニアラス、是豈一時ノ小康ヲ以テ安ンスヘキ秋ナランヤ、是ヲ以テ政府ハ此際相当ノ手続ヲ尽シ、前記経済整理策ノ遂行ニ尽力セラレンコトヲ望ム
本件ハ全会一致ヲ以テ原案ヲ可決シタルカ、之カ決議ニ先タチ、会員雨宮敬次郎君ハ本件ニ付左ノ動議ヲ提出シタリ
 一 本件ハ単ニ各会議所ヨリ其筋ヘ建議スルニ止メス、聯合会ニ於テ実行委員ヲ設ケテ其筋ヘ陳情スヘキ事
 一 本年一月臨時聯合会ニ於テ決議シタル国家経済ノ方針ニ関スル件ノ中、貯蓄奨励ニ関スル一項ヲモ本案中ニ挿入スル事
以上ノ動議ニ付種々審議ノ末、実行委員設置ニ関スル件ハ単ニ希望ニ止ムルモノトシテ参会委員ニ此趣旨ヲ通スル事ニ決シ、貯蓄奨励ニ関スル件ハ左記ノ如ク単独ノ一議案トシテ之ヲ聯合会ニ提出スルニ決シタリ
    各商業会議所ハ左記ノ趣意ヲ以テ内閣総理・大蔵・農商務各大臣ヘ建議スル事
 貯蓄奨励ノ事ハ国家経済上極メテ必要ナルノミナラス、目下商工業ノ萎靡ヲ緩和スルニ就テモ其効果少カラスト信ス、故ニ政府ハ此際速ニ貯蓄奨励ノ方針ヲ定メ、必要ノ法規ヲ制定セラレンコトヲ望ム
○第三号
 一 本会議所ヨリ第十回商業会議所聯合会ヘ左ノ議案ヲ提出スル事各商業会議所ハ左記ノ趣旨ヲ以テ、内閣総理・外務・大蔵・農商務・逓信各大臣ヘ建議スル事
 今ヤ清国事変玆ニ一段落ヲ告ケ、平和ノ克復漸ヤク将ニ其緒ニ就カントスルニ当リ、我商工業者カ対清経済策トシテ講究スヘキ問題一ニシテ足ラスト雖トモ、就中其最モ急務ナルモノハ我国民ヲシテ清国要地ノ航海業・鉄道業・銀行業等経営ノ権利ヲ獲得セシムルニ在リ、蓋シ此等ノ事タル、我商工業者自ラ進テ之ヲ計画スヘキコト勿論ナルヘシト雖トモ、到底一人一個ノ力ヲ以テ其目的ヲ達シ得ヘキモノニアラス、故ニ政府ハ特ニ之カ奨励ノ方針ヲ定メラレ、苟クモ我商工業者間ニ此等ノ企図アルニ当リテハ充分之ヲ援助セラレ、猶機ニ臨ミテハ之ヲ誘掖指導シテ、其目的ノ遂行ニ資セラレンコトヲ切望ス
本件ハ全会一致ヲ以テ原案ヲ可決ス
○第四号
 一 本会議所ヨリ第十回商業会議所聯合会ヘ左ノ議案ヲ提出スル事各商業会議所ハ左案ノ如ク内閣総理・大蔵・農商務三大臣ヘ建議スル事
 会計法改正案(本案ハ明治三十四年三月十六日第百五回臨時会議ニ附セラレタル井上角五郎君外二君ノ提出案ト同一ニ付之ヲ略ス)
本件ハ全会一致ヲ以テ原案ヲ可決ス
○中略
午前十時十分閉会


東京商業会議所報告 第一〇二号・第一五頁 明治三四年一二月刊(DK210119k-0004)
第21巻 p.682-683 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇二号・第一五頁 明治三四年一二月刊
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○同月 ○八月二十日、第十回商業会議所聯合会参会者ノ義ニ付、新潟商業会議所ヘ通知書ヲ発送ス
 因ニ記ス、参会委員大倉喜八郎・井上角五郎両君並ニ書記長萩原源太郎君ハ第十回商業会議所聯合会ヘ参会ノ為メ新潟ヘ出張シタリ


東京商業会議所報告 第一〇二号・第七―九頁 明治三四年一二月刊(DK210119k-0005)
第21巻 p.683 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇二号・第七―九頁 明治三四年一二月刊
○第百九回臨時会議 十一月六日開
 出席者
  大木口哲君 ○外二十二名氏名略
午後五時開議
会頭渋沢栄一君議長席ニ就キ、先ツ左ノ件々ヲ報告ス
○中略
次ニ議長ハ左ノ件々ヲ議事ニ附ス
○第一号
 第十回商業会議所聯合会参会委員報告ノ件
本件ハ全会一致ヲ以テ之ヲ承認スルニ決シ、猶ホ全会一致ノ決議ヲ以テ参会委員大倉喜八郎・井上角五郎両君ノ労ヲ謝セリ(参会委員報告書ノ全文ハ参照ノ部第二号ニ掲載ス)
○中略
午後七時三十分閉会


東京商業会議所報告 第一〇二号・第二一―二七頁 明治三四年一二月刊(DK210119k-0006)
第21巻 p.683-690 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇二号・第二一―二七頁 明治三四年一二月刊
 ○参照
○第二号
 明治三十四年十一月六日、第百九回臨時会議ニ於テ承認ヲ得タル第十回商業会議所聯合会参会委員報告書全文ハ左ノ如シ
本員等両人全会ノ附託ニ依リ今回新潟ニ於テ開催シタル第十回商業会議所聯合会ヘ参会候処、会議ノ顛末ハ大要別紙ノ通リニ有之候間、此段及御報告候也
  明治三十四年九月三十日
                  参会委員
                      井上角五郎
                      大倉喜八郎
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
(別紙)
第十回商業会議所聯合会ハ明治三十四年九月十五日ヨリ十八日ニ至ル四日間、新潟市白山公園同県会議事堂ニ於テ開キ、各地ヨリ参会シタル商業会議所ハ三十八ケ所ナリ、又議案ノ数ハ継続議案九、議案十九協議案二、通計三十件ニシテ、其内可決セラレタルモノ十、修正ノ上可決セラレタルモノ十三、否決セラレタルモノ三、撤回セラレタルモノ三、可否ヲ決セスシテ各会議所ニ於テ研究スヘシト決シタルモノ一此外本会議所委員ノ動議ニテ成立可決セラレタルモノ二アリ、今各議案ニ就キ議事ノ結果ヲ示セハ左ノ如シ
継続議案第一号           (岡山外十五会議所提出)
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 一商業会議所条例中改正ノ件
継続議案第二号                 (博多提出)
 一商業会議所条例中改正ノ件
継続議案第三号                (久留米提出)
 一商業会議所条例中会員選挙有権者ノ財産資格ヲ国税・営業税ヲ納ムル商業者ト改正スルノ件
議案第一号                   (神戸提出)
 一商業会議所条例中改正ノ件
議案第十四号                  (新潟提出)
 一商業会議所条例中改正ノ件
  以上五件ハ便宜一括シ、九名ノ委員ヲ選挙シテ之ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ヨリ報告シタルニ、衆議ノ上一・二字句ヲ修正シテ之ヲ可決ス、其決議ノ全文左ノ如シ
    商業会議所条例改正意見
現行商業会議所条例中特ニ改正ヲ必要トスルモノヲ掲クルコト左ノ如シ
 一 第一条中合名会社・株式合資会社・合資会社ノ社員、株式合資会社ノ無限責任社員、会社及取引所ノ支配人ヲ商業者トシテ追加スルコト
 一 第四条会議所ノ事務権限ヲ左ノ各項ト為ス
  (一) 商業ノ発達ヲ図リ若クハ衰退ヲ防クニ必要ノ方策ヲ議定シ其実行ヲ勉ムルコト
      (此項ハ現行条例ト異ナラスト雖モ、特ニ其実行ヲ勉ムルコトヽナシタルハ、会議所ヲシテ実行機関タルノ権能ヲ保持セシムルノ趣意ニ外ナラス、例セハ
      内外ノ博覧会ニ会議所ノ名ヲ以テ出品ヲ為スコト、商業図書館及ヒ商品見本陳列館若クハ各種ノ商品検査所等ノ設立ヲ奨励シ、補助シ、又ハ之ヲ管理スルコト
      実業教育ニ必要ナル各種ノ学校ノ設立ヲ奨励補助シ、又ハ之ヲ管理スル事
      商工業ニ関スル発明改良ヲ奨励シ、又ハ之ニ必要ナル施設経営ヲ為スコト
      商工業上特ニ必要ト認ムル事項ニ就キ懸賞シテ新考案ヲ募集スルコト
      ノ如キ会議所ノ便宜実行シ得ヘキ者ト為サントス)
  (二) 商業ニ関スル法律・命令、其他諸条規ノ制定・改正・廃止及ヒ施行方法ニ付、意見ヲ行政庁ニ開申シ、且ツ商業上ノ利害ニ関スル意見ヲ行政庁其ノ他ニ表示スルコト
  (三) 商業ノ実況及其統計ヲ行政庁其他ニ報告スルコト
  (四) 商業ニ関スル事項ニ付、行政庁ノ諮問ニ応答スルコト
  (五) 法律・命令其他諸条規若クハ行政庁ノ委任ニ依リ其地ノ公設営業所仲立人組合及ヒ商業ニ関スル諸営造物ヲ管理スルコト
  (六) 仲立人ノ資格・員数及手数料ヲ審査スルコト
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  (七) 関係人ノ請求ニ依リ其地ノ商業ニ関スル紛議ヲ仲裁スルコト
  (八) 設立区域内ニアル商工業組合ヲ監督スルコト
  (九) 商工業者ノ委託ヲ受ケテ内外ノ商業ニ関スル事項調査ニ従事シ、商工業者若クハ商品ニ対シ証明書ヲ与ヘ、其手数料若クハ報酬ヲ受クルコト
  (十) 設立区域内ノ商業者ニ対シ業務ノ実況報告ヲ求ムルコトヲ得、報告ヲ求メラレタルモノハ正当ノ理由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス
  (十一) 各行政庁ト直接ニ通信ヲ為シ又ハ帝国領事館ト直接ノ交通ヲ為シ得ルコト
      (右八・九・十・十一ノ四項ハ現行条例ニ之ナキモノニシテ新タニ追加セント欲スルモノ)
一 会議所ノ事務権限ノ外、更ニ行政庁又ハ市町村役場ノ関係各会議所ニ対シ予メ諮問ヲ要スルモノヲ左ノ事項トシ、新タニ之ヲ条例中ニ加ヘントス
  (一) 商業上ノ慣習ニ関スル法令ノ制定若クハ廃止ノ件
  (二) 設立地区域内ニ於ケル取引所、築港・運河・鉄道・瓦斯・電灯等国家若クハ市町村ヨリ特許スヘキ事業ノ新設ニ関スル件
  (三) 重要物産組合法ニ依ル組合新設ノ件
  (四) 設立地区域内ニ於ケル商業上ノ取締ニ関スル件
     (此取締ト称スルハ府県又ハ警察及市町村役場ノ商工業ニ関スル取締ヲ云フ)
      但シ行政庁ハ会議所ノ数ヲ限リテ諮問スルコトヲ得
一 会社・取引所ハ資本ニ依リ、個人ハ所得税ニ依リ、経費ヲ賦課シ選挙資絡ヲ定ムルコトハ現行条例ノ規定ナレトモ、更ニ営業税ヲ加ヘ、之ヲ所得税ト同様権限ヲ定ムル標準ト為スコト
一 第六条ノ被選挙資格ハ選挙資格ト同時ニ確定スルモノトシ、現法三ケ年以上継続ヲ二ケ年以上継続ト改ムルコト
一 第十二条過怠金云々ノ条項ヲ削除ス
一 従来選挙手続ハ定款ニ依テ之ヲ定メ、各会議所同一ナラス、随テ弊害ノ尠カラサルヲ認ム、故ニ条例中ニ選挙方法ヲ一定シ、相当ノ取締規則ヲ制定スルコト
一 会議所聯合会ヲ条例中ニ規定シ之ヲ公ノ団体ト為シ、其組織ノ大要ハ左ノ如ク為サントス
  一 会議所聯合会ハ会議所ノ如ク法人ト為ス
  一 会議所聯合会ノ会員ハ各会議所夫レ自身ト為ス
  一 会議所聯合会ノ経費徴収ノ方法、会員権限ノ規定、開会ノ場所・時期等総テ定款ニ依テ之ヲ定ム
一 第十九条ノ経費怠納者ニ対シテハ其地市町村役場ノ収入役ニ嘱托シ、国税怠納処分ニ拠テ其徴収ヲ為スモノト定メントス
一 第十七条ノ特別会員ヲ増加シ会員五分ノ一ヲ改メテ四分ノ一ト為サントス
 - 第21巻 p.686 -ページ画像 
以上ハ改正ヲ要スル主旨ヲ記載シタルニ過キス、而シテ現行条例中第一条商業者ノ定義ノ如キ、旧商法ノ既ニ廃滅ニ帰シタル以上ハ、新商法ニ依リテ勿論適当ノ修正ヲ加フヘキモノナリ、其他或ハ事実ニ於テ不要ニ帰シタル条項アリ、或ハ字句ノ修正ヲ要スルモノ亦一ニシテ足ラスト雖トモ、此等ノ事項ハ宜シク当局者ニ於テ整理セラレンコトヲ望ム
継続議案第四号                 (長崎提出)
 一清国ノ法律制度改廃ニ関スル件
  本件ニ就テハ明治三十四年一月東京ニ開キタル臨時聯合会ノ決議ニ基キ、提出者タル長崎商業会議所ヨリ、清国ノ法律制度中ノ改廃新定ヲ急要トスルモノ、即チ(第一)釐金制度(第二)貨幣制度(第三)度量衡制度(第四)米穀輸出禁止ノ四項ヲ挙ケテ報告シタルニ、衆議ノ上之ヲ可決ス
継続議案第五号               (大阪委員提出)
 一取引所改良ニ関スル件
継続議案第六号               (松山委員提出)
 一醸造銀行設立ニ関スル件
  以上ノ二件ハ提出者ニ於テ之ヲ撤回ス
継続議案第七号               (栃木委員提出)
 一商法中改正ニ関スル件(商法第百四十五条中一時ニ株金ノ全額ヲ払込ムヘキ場合ニ於ケル金額ノ制限弐拾円ヲ五円ト改ムル件)
継続議案第八号                 (京都提出)
 一商法中改正ニ関スル件(商法第百九十六条ヲ改正シ事業ノ目的カ公共ノ利益ニ関スルモノニ限リ会社ヲシテ不均一ナル利息ノ配当ヲナスコトヲ得セシムル件)
議案第二号                   (長崎提出)
 一商法一部改正ノ件(商法第五百二十五条及第五百二十六条ヲ改正シ、約束手形振出人ノ「住所地」ヲ「支払地」ト為スノ件)
議案第四号                   (長崎提出)
 一株式会社資本増加ノ場合ニ於ケル第一回払込方法変更ノ件(商法第百二十八条ヲ改正シ、新株発行ノ場合ニハ株金ノ払込ヲ十分一マテ下スコトヲ得セシムル件)
議案第十六号                 (名古屋提出)
 一商法中改正ニ関スル件(商法第九百七十八条ヲ改正シ、商業上ノ信用ヲ鞏固ナラシムルノ件)
  以上ノ五件ハ便宜上一括シ七名ノ委員ヲ選挙シテ之ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ハ継続議案第七号及第八号ハ之ヲ否決シ、議案第四号及第十六号ハ之ヲ可決シ、議案第二号ハ『約束手形振出地ノ記載方法ニ関シテハ判決区々ニシテ取引上ニ阻害ヲ来スニ付、商法ニ適当ノ改正ヲ施スヘシ』ト云フノ趣旨ニ改ムヘシトノ意見ヲ報告シタルニ、衆議ノ上議案第四号ハ之ヲ否決シ、其他ハ委員ノ報告通リニ可決ス
継続議案第九号                 (京都提出)
一鉄道国有ノ実行ヲ期シ、其筋ニ意見ヲ開申スルノ件
 - 第21巻 p.687 -ページ画像 
  本件ハ議案第五号東京提出経済整理ニ関スル件可決セラレタル結果ニ依リ之ヲ可決ス
議案第三号                   (長崎提出)
 一金高百円未満ノ受取書ハ印紙税ヲ免除スルノ件
  本件ハ委員三名ヲ選挙シテ之レニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ハ金高五円未満若クハ金高記載ナキ物品切手及金高五拾円未満若クハ金高記載ナキ受取書ハ印紙税ヲ免除スヘシトノ意見ヲ報告シタルニ、衆議ノ上之ヲ可決シ、猶送状モ受取書ト同一ノ取扱ヲ為スヘキコトニ決ス
議案第五号                   (東京提出)
 一経済整理ニ関スル件
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第六号                   (東京提出)
 一対清経済策ニ関スル件
議案第十号                   (大阪提出)
 一清国河湖航運業拡張ニ関スル件
議案第十一号                  (大阪提出)
 一日清銀行設立ニ関スル件
議案第十二号                  (大阪提出)
 一清国内地調査ニ関スル件
  以上四件ハ便宜一括シ、五名ノ委員ヲ選挙シテ之ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ハ全体ノ趣旨ヲ可認シテ其意見ヲ報告シタルニ、衆議ノ上之ヲ可決ス
議案第七号                   (東京提出)
 一貯蓄奨励ニ関スル件
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第八号                   (東京提出)
 一会計法及会計規則改正ノ件
  本件ハ七名ノ委員ヲ選挙シテ之ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ハ大体ノ趣旨ヲ可認シテ其意見ヲ報告シタルニ、衆議ノ上之ヲ可決ス、其決議ノ全文左ノ如シ
各商業会議所ハ会計法及会計規則ヲ左記ノ趣旨ニ依リ改正セラレンコトヲ内閣総理・大蔵・農商務各大臣ヘ建議スルコト
 一 現行法ハ官吏ノ権能ヲ拘束シ、商家ノ信用ヲ無視シタルモノナリ、故ニ此等ノ拘束ヲ解キ、官吏ニ自由ヲ与ヘ、充分ニ其技能ヲ施スノ余地アラシメ、而シテ商估ニモ相応ノ信用ヲ置キ便宜ヲ得セシメ、以テ誠実ナル競争若クハ供給ヲナサシムルコト
 二 公告入札ノ方法ハ其名公平ニシテ善美ナリト雖トモ、其実之ニ伴フ弊害ノ甚シキコトハ普ク世人ノ既ニ熟知スル所ナリ、然レトモ亦是レ敢テ廃スヘキモノニ非ラス、故ニ指名入札法ヲ設ケ普通入札ト相両立シテ其宜シキニ従ハシムルコト
 三 会計年度決算締切ニ際シ繰越金ノ範囲狭隘ナルカ為メ年度ノ終ニ至リ頗ル之カ処分ニ苦ミ、遂ニ不廉不用ノ物品ヲ購入シ、往往会計ノ条理ヲ誤ルモノ少ナカラス、依テ其範囲ヲ拡ムルコト
 - 第21巻 p.688 -ページ画像 
 四 外国品ニ対シ競争ノ目的ニヨリ内地ニ於テ生産製造ニ従事スル者ニ対シ保護奨励ノ途ヲ講スルハ実ニ国家経済上ノ急務タリ、然レトモ其方法未タ全ク備ハラサルノミナラス、一方ニ於テハ海関協定税率ノ如キ内地工業者ノ競争ヲ阻碍スルモノアリ、而モ之カ生産製造ノ業ヲ興スモノヽ当初ニ於テハ其事業尚幼稚ナルヲ免カレス、為メニ外国品ニ対シ充分ナル競争ヲ為ス能ハサルハ亦已ムヲ得サルトコロトス、故ニ更ニ之ヲ随意契約範囲内ニ加ルコト
 五 現行会計法ハ軍艦ニ限リ随意契約購入ヲ許シ、未タ之ヲ他ノ艦船ニ及ホサヽルナリ、然ルニ他ノ艦船ト雖トモ之レヲ製造若クハ修理セシムル場合ニハ単ニ代価ノ低廉ノミヲ以テ満足安心スヘカラス、実ニ其製造所其監督者ノ信用上ニ重ヲ置クモノ居多加之艦舶製造ハ莫大ノ資金ト長月日ヲ要スルモノナルヲ以テ、更ニ之ヲ随意契約範囲内ニ加ヘ、且ツ之ニ対シ前金払ヲ為スコトヲ許スコト、是レ専ラ内地斯業ノ発達ヲ企図スルノ必要ニ依ルモノナリ
 六 入札又ハ契約ノ保証金ヲ現金若クハ公債証書ニ限ルハ不便ナルヲ以テ、国庫金取扱銀行ノ預金券及日本銀行ノ担保トナルヘキ有価証券ヲ以テ保証金ニ代用スルコトヲ得セシムルコト
 七 現行ノ会計法規ハ工事請負ト物品供給ト同一視セリ、故ニ内払金及違約保証金処分ノ条項ニ於テ之レカ区別ヲ為スコト
 八 入札公告ノ期間ヲ十五日以前トセシハ時日短キニ過キ、遠隔ノ地ニ在リテハ容易ニ之レニ応シ難シ、外国品ノ如キハ殊ニ然リトス、故ニ内国注文ト海外注文トヲ区別シ、相当期間ノ猶予ヲ与フルコト
 九 従来官庁ニ於ケル売買・貸借契約ハ対等合意ノ契約ニアラスシテ頗ル強制的ノモノナリ、例セハ納入期限ヲ規定シテ検査期限ヲ定メス、違約処分ヲ規定シテ代金支払期限ヲ定メサル等、偏重モ亦タ甚シトス、故ニ其契約書ニハ必ス相互ノ違約処分及検査結了期限、並ニ代金支払期限ヲ規定スヘキモノト為スコト
 十 現行会計規則ニヨレハ契約書ニハ違約トナリタルトキ保証金ノ処分ヲ規定スヘキコトヲ明示シアルニ拘ハラス、官衙ニヨリ単ニ違約ノ際ハ保証金全部ヲ没収スト而已規定シ、内納トナリタルモノニ対スル保証金ノ処分ヲ規定セス、為メニ十分ノ九迄納入シ僅カ其残一分ノ為メ保証金全部没収ヲ強制スルコトアリ、是レ供給者ニ取リテハ甚シキ難題ト云ハサルヲ得ス、故ニ物件内納部分ニ対スル保証金割戻ヲ許スコト
 十一 便宜上官吏ノ見込ヲ以テ随意契約品供給常用達ヲ指定スルコトヲ許スコト、是レ一ハ官吏ノ手数ヲ省キ、一ハ確実ナル専業者ヲシテ常ニ一定シテ精良ナル物件ヲ供給セシムルノ便益アルカ為メナリ
 十二 現行法規中物件又ハ物品又ハ製造等ノ文字ヲ用ヰ一定セス、故ニ普通ノ場合ハ都テ物件ト訂正スルコト
議案第九号                   (高岡提出)
 - 第21巻 p.689 -ページ画像 
 一浦塩港輸入関税軽減ノ件
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第十三号                  (新潟提出)
 一商業会議所聯合会規則中改正ノ件(聯合会規則第四条ヲ改正シ、各会議所ノ参会委員ヲ一名ニ制限スルノ件)
  本件ハ提出者ニ於テ之ヲ撤回ス
議案第十五号                  (横浜提出)
 一輸出貿易品共進会開催ノ件
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第十七号                  (函館提出)
 一帝国領事任用令改正ノ件(帝国領事ハ一定ノ年限間実業ニ従事セシ経歴アル者ヲ選任スルコトヲ要スル件)
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第十八号                 (直江津提出)
 一鉄道貨物取扱手数料廃止ノ件
  本件ハ之ヲ可決ス
議案第十九号                  (金沢提出)
 一富山・直江津間鉄道ノ急設ヲ其筋ヘ再建議ノ件
  本件ハ之ヲ可決ス
協議案第一号
 一商工業代表者ヲ貴族院議員ニ加フル件
  本件ハ可否ヲ決セス、各委員之ヲ持帰リ各会議所ニ於テ之ヲ研究スルコトニ決ス
協議案第二号
 一我邦実業ノ実況ヲ外国資本家ニ説明周知セシムル方法ニ関スル件
  本件ハ之ヲ可決ス
右之外九月十六日ノ会議ニ於テ左ノ動議提出セラレ、満場一致ヲ以テ之ヲ可決ス
 一各商業会議所ハ政府ニ向ヒ速ニ商業会議所条例改正ノ草案ヲ諮問セラレ度旨ヲ建議スル事
又九月十七日ノ会議ニ於テ左ノ動議提出セラレ、満場一致ヲ以テ之ヲ議決ス
 一今回北米合衆国大統領「ウヰリアム、マツキンレー」閣下逝去ニ付、聯合会々長ノ名ヲ以テ同国ニ向テ弔電ヲ発スルコト、但シ其取扱方ハ東京商業会議所ニ委托スルコト
 一特ニ委員二名ヲ在東京北米合衆国公使館ニ派遣シ、弔意ヲ通スルコト
   ○商業会議所条例ノ改正ニ就イテハ本巻明治三十四年十一月七日、同三十五年三月二十八日、同年四月十二日ノ各条、並ニ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十二年十月十三日、同三十三年五月十九日、同三十五年十二月九日ノ各条参照。
   ○清国ノ法律制度改廃ニ関スル件、取引所改良ニ関スル件、醸造銀行設立ニ関スル件ニ就イテハ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十四年一月二十三日ノ条参照。
   ○鉄道国有ノ件ニ就イテハ本巻明治三十一年五月二十日、同年十二月七日、
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同三十四年十二月二十五日ノ各条、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十二年十月十一日、同三十三年五月二十三日ノ両条、並ニ第九巻所収「鉄道国有問題」参照。
   ○金高五円未満若クハ金高記載ナキ物品切手及ビ金高五十円未満若クハ金高記載ナキ受領書ノ印紙税ヲ免除スルノ件ハ実現セズ。(明治財政史第六巻第五二一―五二四頁)
   ○経済整理ニ関スル件ニ就イテハ本巻明治三十四年二月六日、同年十一月七日ノ両条参照。
   ○対清経済策ニ関スル件、清国河湖航運業拡張ニ関スル件、日清銀行設立ニ関スル件、清国内地調査ニ関スル件ニ就イテハ、本巻明治三十四年十一月八日ノ条参照。ナホ日清銀行設立ニ関スル件ニ就イテハ明治二十九年三月十二日、同年四月二十五日、同三十二年一月十九日ノ各条、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十五年十二月九日、並ニ第二十三巻所収「農商工高等会議」明治二十九年十月二十一日ノ条参照。
   ○貯蓄奨励ニ関スル件ニ就イテハ本巻明治三十三年六月五日、同三十四年二月六日、同年十一月八日ノ各条、並ニ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十五年十二月九日ノ条参照。
   ○会計法及ビ会計規則改正ノ件ニ就イテハ本巻明治三十四年十二月二十五日ノ条参照。
   ○輸出貿易品共進会ニ就イテハ本巻明治三十四年十一月八日ノ条参照。